平成26年6月19日判決言渡同日原本交付裁判所書記官平成25年(ワ)第9486号特許権侵害差止等請求事件口頭弁論終結日平成26年4月17日判決 原告 P1同訴訟代理人弁護士堀川 敦同訴訟代理人弁理士茅原裕二 被告株式会社大進同訴訟代理人弁護士藤田邦彦同藤田典彦 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 原告(1)被告は,別紙被告製品目録記載1の製品を輸入し,譲渡し又は譲渡の申出をしてはならない。 (2)被告は,前項の製品を廃棄せよ。 (3)訴訟費用は被告の負担とする。 2 被告主文同旨 第2 事案の概要 1 前提事実(当事者間に争いがない。)(1)当事者原告は,大韓民国の法人である株式会社セラの代表者である。 被告は,園芸用品製造及び販売,電材・照明商品の製造及び販売等を目的とする会社である。 (2)原告の有する特許権原告は,以下の特許(以下「本件特許」といい,本件特許に係る発明を「本件特許発明」という。また,本件特許出願の願書に添付された明細書及び図面を「本件明細書等」という。)に係る特許権(以下「本件特許権」という。)を有する。 特許番号第4637102号発明の名称センサ付き省エネルギーランプ出願日 された明細書及び図面を「本件明細書等」という。)に係る特許権(以下「本件特許権」という。)を有する。 特許番号第4637102号発明の名称センサ付き省エネルギーランプ出願日平成16年8月17日優先日平成15年8月18日登録日平成22年12月3日特許請求の範囲【請求項1】複数のランプ30と,一側に前記ランプ30が固定され,他側にネジ部11が形成されたソケットボディ10とから構成されたランプにおいて,前記ソケットボディ10に備えられ,周囲の照度を感知する照度センサ12と;前記ランプ30の点灯時間を調節するタイマー13と;前記ランプ30の一側に備えられ,人間の動きを感知する赤外線センサ31と;前記ソケットボディ10に内装され,前記照度センサ12と,タイマー1 3と,赤外線センサ31の出力信号に基づき,前記ランプ30の点灯を制御する点灯制御回路40と;前記赤外線センサ31が端部に設けられるセンサ支持台32は,前記複数のランプ30の間に介在され,前記複数のランプ30の上下方向に沿って延設され,前記複数のランプ30の高さよりも高くかつ近い位置となるように所定の長さで形成されてなることを特徴とする自動制御省エネルギーランプ。 (3)構成要件の分説本件特許発明を構成要件に分説すると,以下のとおりである。 A 複数のランプ30と,一側に前記ランプ30が固定され,他側にネジ部11が形成されたソケットボディ10とから構成されたランプにおいて,B 前記ソケットボディ10に備えられ,周囲の照度を感知する照度センサ12と;C 前記ランプ30の点灯時間を調節するタイマー13と;D 前記ランプ30の一側に備えられ,人間の動きを感知する赤外線センサ ソケットボディ10に備えられ,周囲の照度を感知する照度センサ12と;C 前記ランプ30の点灯時間を調節するタイマー13と;D 前記ランプ30の一側に備えられ,人間の動きを感知する赤外線センサ31と;E 前記ソケットボディ10に内装され,前記照度センサ12と,タイマー13と,赤外線センサ31の出力信号に基づき,前記ランプ30の点灯を制御する点灯制御回路40と;F 前記赤外線センサ31が端部に設けられるセンサ支持台32は,前記複数のランプ30の間に介在され,前記複数のランプ30の上下方向に沿って延設され,前記複数のランプ30の高さよりも高くかつ近い位置となるように所定の長さで形成されてなることを特徴とするG 自動制御省エネルギーランプ(4) 被告の行為被告は,別紙被告製品目録記載1の製品(以下「被告製品」という。)を,業として,日本に輸入し,販売している。 2 原告の請求原告は,被告の行為により本件特許権を侵害されたとして,被告に対し,本件特許権に基づき,被告製品の輸入等の差止め及び廃棄を求めている。 3 争点被告製品は本件特許発明の技術的範囲に属するか(被告製品が構成要件A,Fを充足するか否か)第3 争点に関する当事者の主張 1 原告の主張以下のとおり,被告製品は本件特許発明の技術的範囲に属する。 (1)被告製品の構成被告製品の構成は,別紙被告製品目録記載2,3のとおりであり,本件特許発明の構成要件に対応させて表現すると,以下のとおりとなる。 a 複数のLEDチップ30aをレンズ30bで覆ってなるLEDパッケージ300aと,下部(一側)にネジ部11aが形成されるとともに上部(他側)にLEDパッケージ300aが設けられたソケットボディ10aとから構成された人感セン をレンズ30bで覆ってなるLEDパッケージ300aと,下部(一側)にネジ部11aが形成されるとともに上部(他側)にLEDパッケージ300aが設けられたソケットボディ10aとから構成された人感センサ付LEDランプであって,b ソケットボディ10aに備えられ,周囲の照度を感知する照度センサ12aを有し,c 以下の3つの点灯モード及び消し忘れ機能を有するとともに,ユーザが家庭用スイッチのON-OFFを操作することにより人感センサモードあるいは連続点灯モードのいずれかを選択する手段を有しており(以下「点灯モード選択手段」という。),① テストモード:電源を入れた直後約10秒間点灯し,その後約60秒経過するまでテストモード状態になり,テストモード時は昼夜関係なしに照度センサ12aが感知し,約5秒間点灯し,約60秒経過後自動で人感センサモードになる。 ② 人感センサモード:人感センサ31aで「パッ」と自動点灯し,点灯後約3分後で自動消灯し,探知範囲に人が居る場合は自動延長する。③ 連続点灯モード:人感センサモード時家庭用スイッチを2秒以内にOFF⇒ONと切り替えることにより連続点灯モードに切り替わる。再度人感センサモードに切り替える場合は再度2秒以内にOFF⇒ONとするか,5秒以上OFFの状態にしてからONにする。「テストモード⇒人感センサモード⇒連続点灯モード⇒テストモード⇒人感センサモード···」と切り替わっていく。④ 消し忘れ防止機能:連続点灯モードに切り替え後,約3時間経過すると,自動で消灯する。d センサ支持台32aの頂部(一側)に設けられ,人間の動きを感知する人感センサ31aを備え,e ソケットボディ10aに内装され,照度センサ12a,点灯モード選択手段と,人 する。d センサ支持台32aの頂部(一側)に設けられ,人間の動きを感知する人感センサ31aを備え,e ソケットボディ10aに内装され,照度センサ12a,点灯モード選択手段と,人感センサ31aの出力信号に基づき,点灯を制御する点灯制御回路40aを備え,f 人感センサ31aが端部に設けられるセンサ支持台32aは,複数のLEDチップ30aを跨いで取付台10a-3に立設されており,人感センサ31aが複数のLEDチップ30aの高さよりも高く,かつ,グローブ34a外にはみ出ない位置に設置されるようにその長さが形成されているg 人感センサ付LED電球(2)構成要件充足性被告製品の構成b,c,d,e及びgは,それぞれ本件特許発明の構成要件B,C,D,E及びGに相当し,被告製品は,上記各構成要件を充足する。 また,被告製品は,以下のとおり,構成要件A及びFも充足する。 ア構成要件A (ア)前記(1)のとおり,被告製品は,複数のLEDチップ30aと,上部にLEDパッケージ300aが設けられ,下部にネジ部11aが形成されたソケットボディ10aとから構成された人感センサ付LEDランプである。また,被告製品において,LEDパッケージ300aは,発光素子である複数のLEDチップ30aを半球状のレンズで覆って形成されている。 上記構成(構成a)は,構成要件Aに相当し,被告製品は構成要件Aを充足する。 (イ)複数のランプ30の意義請求項1及び本件明細書等の記載に照らすと,ランプ30は電力を利用した照明装置における光源を意味し,本件特許発明はランプ30を蛍光ランプに限定していない。 被告製品におけるLEDチップ30aは,電力を利用した照明装置における光源であり,ランプ30に該当し,被告製 照明装置における光源を意味し,本件特許発明はランプ30を蛍光ランプに限定していない。 被告製品におけるLEDチップ30aは,電力を利用した照明装置における光源であり,ランプ30に該当し,被告製品におけるLEDライトも,ランプである以上,本件特許発明と同一の技術分野に属する。 イ構成要件F(ア)前記(1)のとおり,被告製品は,人感センサ31aが端部に設けられたセンサ支持台32aを有している。センサ支持台32aは,複数のLEDチップ30aを跨いで取付台10a-3に立設されており,人感センサ31aが複数のLEDチップ30aの高さよりも高く,かつ,グローブ34aの外にはみ出ない位置に設置されるようにその長さが形成されている。 上記構成(構成f)は,構成要件Fに相当し,被告製品は構成要件Fを充足する。 (イ)「近い」について本件明細書等及び原告が本件特許出願の審査過程で提出した意見書 (乙1)の記載によれば,「前記複数のランプ30の高さよりも高くかつ近い位置となるように所定の長さで形成されてなる」とは,赤外線センサが,複数のランプの上端よりは高いが,赤外線センサの感知範囲が最大化される位置に配され,かつ,全体がコンパクトに構成されるような所定の長さの限度で形成されることを意味する。 被告製品を参照すると,センサ支持台32aが,複数のLEDチップ30aを跨いで取付台10a-3に立設され,人感センサ31aは,センサ支持台32aの端部に配することにより,複数のLEDチップ30aよりも高い位置に配置されているから,人感センサ31aの感知範囲が最大化されることは明らかである。また,センサ支持台32aの高さは,複数のLEDチップ30aから発せられた光のすべてがセンサ支持台32aによって妨げられず,かつ,複数のLEDチッ 31aの感知範囲が最大化されることは明らかである。また,センサ支持台32aの高さは,複数のLEDチップ30aから発せられた光のすべてがセンサ支持台32aによって妨げられず,かつ,複数のLEDチップ30aから発せられた光が所定の照度が得られるような最低限の高さに設定されているはずである。さらに,人感センサ31aがグローブ34aの外にはみ出さない位置に設置されるように,その長さが形成されている。 したがって,被告製品においても,複数のLEDチップ30aの上端よりは高いが,人感センサ31aの感知範囲が最大化されて全体がコンパクトに構成されるような所定の長さの限度で形成されており,「近い」の要件を充足する。 (ウ)「介在」について一般的に「介在」とは,「二つのものの間にはさまってあること。両者の間に存在すること。」であり,「2つの間」を前提とした用語であるが,本件特許発明においては,「複数のランプの間に介在」としており,実施例においても,ランプは4つあり,「2つの間」に限定していないから,本件特許発明における「介在」の用語は,一般的な意味より広義の意味で用いられている。また,「赤外線センサ31が感知範囲を 最大化される」状態(乙1)とは,赤外線センサ31の感知範囲が複数のランプ30によって制限されず,狭くならないような状態を意味する。 したがって,本件特許発明における「センサ支持台32は,前記複数のランプ30の間に介在され」る状態とは,センサ支持台32上の赤外線センサ31の感知範囲が,複数のランプ30によって狭くならないように,センサ支持台32を複数のランプ30の間に配置することをいう。 被告製品も,センサ支持台32a上の人感センサ31aの感知範囲が,複数のLEDチップ30aによって狭くならないように,センサ支持台 ,センサ支持台32を複数のランプ30の間に配置することをいう。 被告製品も,センサ支持台32a上の人感センサ31aの感知範囲が,複数のLEDチップ30aによって狭くならないように,センサ支持台32aを複数のLEDチップ30aの間に配置しているから,「介在」の要件を満たしている。 2 被告の主張以下のとおり,被告製品は,本件特許発明の技術的範囲に属するものではない。 (1)被告製品の構成認める(答弁書には,LEDチップ30aは複数ではなく,1個であるとの記載がある。しかし,その一方で,被告は,被告製品のLEDパッケージ300aについて,発光素子である複数のLEDチップ30aをレンズ30bで覆ったものと述べており,準備書面(1)においても,LEDライト〔上記LEDパッケージ300aに相当〕が,複数のLEDチップの発光を集積するものであることは争わないと述べている。したがって,その争いの実質は,被告製品の構成そのものにあるわけでなく,後述のとおり,複数のLEDチップをもって複数の「ランプ」ということができるか否かという点にある。)。 (2)構成要件充足性被告製品の構成b,c,d,e及びgがそれぞれ本件特許発明の構成要件B,C,D,E及びGに相当し,被告製品が上記各構成要件を充足すること は認め,その余は否認する。 以下のとおり,被告製品は,本件特許発明の構成要件A及びFを充足しない。 ア構成要件A本件明細書等の技術分野の記載は,本件特許発明が蛍光ランプを前提とすることを示しており,LED(発光ダイオード)ライトとは異なる技術分野のものである。センサ支持台を複数のランプに介在させ,複数のランプの高さよりも高くかつ近い位置とすることによって,意見書(乙1)で指摘されているような,全体をコンパクト ド)ライトとは異なる技術分野のものである。センサ支持台を複数のランプに介在させ,複数のランプの高さよりも高くかつ近い位置とすることによって,意見書(乙1)で指摘されているような,全体をコンパクトに構成される効果が発生するのは,蛍光ランプが所定の長さを有するからであり,ランプは蛍光ランプが前提となっている。 被告製品において,それぞれの発光素子(LEDチップ30a)はランプにはあたらず,発光素子である複数のLEDチップ30aが集積した単一のLEDライト(電球)が1個あるのみであり,複数のランプは存在しない。 したがって,被告製品は,本件特許発明の構成要件Aを充足しない。 イ構成要件F「センサ支持台32は,前記複数のランプ30の間に介在され」るというためには,複数のランプ30が対称構造にあり,その対称関係の基点となる中心部にセンサ支持台32が配置されること,すなわち,センサ支持台32の周囲外方には複数のランプ30が対称関係に配置されていることが必要となる。また,「近い」とは,所定の長さを有する蛍光ランプを複数配置し,その間にセンサ支持台を介在させ,赤外線センサが蛍光ランプの端部付近に位置するようにしたことを意味する。 被告製品において,センサ支持台の周囲外方には複数のランプはなく,センサ支持台が複数のランプに介在するとはいえない。センサ支持台は, 1個のLEDライトの両側から立設して,LEDライトの上方に位置するにすぎない。 また,ランプがLEDライトもしくは発光素子(LEDチップ30a)のいずれであるとしても,被告製品のセンサ支持台は,これらとの間に相当の空間が形成されるように立設しており,ランプの高さよりも高くかつ近い構成とはなっていない。 したがって,被告製品は,本件特許発明の構成要件Fを充 も,被告製品のセンサ支持台は,これらとの間に相当の空間が形成されるように立設しており,ランプの高さよりも高くかつ近い構成とはなっていない。 したがって,被告製品は,本件特許発明の構成要件Fを充足しない。 第4 当裁判所の判断被告製品は,本件特許発明の構成要件のうち,A及びFを充足すると認めることができない。 その理由は,以下のとおりである。 1 構成要件Aについて被告製品は,構成要件Aの「複数のランプ30」を備えておらず,構成要件Aを充足するとは認められない。その理由は,次のとおりである。 (1)構成要件Aの「複数のランプ」の意義ア特許請求の範囲の記載請求項1には,「複数のランプ30」のほかに,「一側に前記ランプ30が固定され,他側にネジ部11が形成されたソケットボディ10とから構成されたランプ」とあり,2種類のランプが記載されている。 前者のランプ30の意義が問題となっているところ,ソケットボディ10に固定されていること,ランプ30が点灯することが記載されているものの,上記ランプの種類を限定する旨は記載されていない。 イ本件明細書等の記載(ア)本件明細書等には,以下の記載がある(甲3)。 「【技術分野】【0001】 本発明は,複合センサが一体に備えられた自動制御省エネルギーランプに関し,更に詳しくは,昼夜を区別する照度センサと,時間を調節するタイマーと,人間を感知する赤外線センサとが,光源としての一つのランプに一体に備えられた多機能省エネルギー蛍光ランプ装置であり,これにより,それらのセンサは,光量によって照度を計測し,又は人間の存在を感知して,ランプの周囲の照度が夜間のように一定の基準以下であったり,人間が存在する場合には,それらのセンサは,点灯制御回路を作動さ り,それらのセンサは,光量によって照度を計測し,又は人間の存在を感知して,ランプの周囲の照度が夜間のように一定の基準以下であったり,人間が存在する場合には,それらのセンサは,点灯制御回路を作動させるデータ信号を送ることにより,ランプが自動的に点灯及び消灯され,その結果,構造が簡単で,エネルギー消費の低減が確実になり,また,反射笠を付設することによって,ランプから発せられる熱が遮断され,照明効率を向上させることができ,別体のセンサがなくても,ソケット型の電球が使用されているいかなる場所にも簡便に装着でき,ユーザの便宜の向上を大いに図ることができるものである。 【背景技術】【0002】一般に,ランプ装置は,電源供給によりランプケースの中に設けられるランプから発せられる光によって,夜間や暗い場所を明るくするための光源である。前記ランプ装置のうちで大抵の白熱電球や,一部の蛍光灯は,それらを取り付ける方式が露出型か壁内埋立型かを問わず,電源を供給するために,ネジが形成されたソケットに互いに結合させて接続されるように形成されており,これが通常の用い方となっている。」「【発明の開示】【発明が解決しようとする課題】【0007】本発明は,前述した技術の問題点を解決するためのものであり,昼夜を区別する照度センサと,時間を調節するタイマーと,人間を感知する 赤外線センサとが,光源としてのランプに一体に備えられて,これにより,それらのセンサは,光量による照度を計測し,又は人間の存在を感知して,ランプの周囲の照度が夜間のように一定の基準以下であったり,人間が存在する場合には,それらのセンサは,点灯制御回路を作動させるデータ信号を送ることにより,ランプが自動的に点灯及び消灯される多機能省エネルギー蛍光ランプ装置であり,そ 定の基準以下であったり,人間が存在する場合には,それらのセンサは,点灯制御回路を作動させるデータ信号を送ることにより,ランプが自動的に点灯及び消灯される多機能省エネルギー蛍光ランプ装置であり,その結果,構造が簡単で,エネルギー消費の低減が確実になり,また,反射笠を付設することによって,ランプから発っせられる熱が遮断され,照明効率を上昇させることができ,別体のセンサがなくても,ソケット型の電球が使用されているいかなる場所にも簡便に装着でき,ユーザの便宜の向上を大いに図ることができるものである。」「【課題を解決するための手段】【0009】本発明の自動制御省エネルギーランプは,複数のランプ30と,一側に前記ランプ30が固定され,他側にネジ部11が形成されたソケットボディ10とから構成されたランプにおいて,前記ソケットボディ10に備えられ,周囲の照度を感知する照度センサ12と;前記ランプ30の点灯時間を調節するタイマー13と;前記ランプ30の一側に備えられ,人間の動きを感知する赤外線センサ31と;前記ソケットボディ10に内装され,前記照度センサ12と,タイマー13と,赤外線センサ31の出力信号に基づき,前記ランプ30の点灯を制御する点灯制御回路40と;前記赤外線センサ31が端部に設けられるセンサ支持台32は,前記複数のランプ30の間に介在され,前記複数のランプ30の上下方向に沿って延設され,前記複数のランプ30の高さよりも高くかつ近い位置となるように所定の長さで形成されてなることを特徴とする。 また,本発明の自動制御省エネルギーランプは,一面には前記複数の ランプ30が固定され,他面には結合部21が形成されたベース20を含み,前記ソケットボディ10には,前記結合部21と着脱自在な結合溝15が形成されていること ンプは,一面には前記複数の ランプ30が固定され,他面には結合部21が形成されたベース20を含み,前記ソケットボディ10には,前記結合部21と着脱自在な結合溝15が形成されていることを特徴とする。 (略)また,本発明の自動制御省エネルギーランプは,前記複数のランプ30は,2つ乃至4つであることを特徴とする。 (略)【発明の効果】【0010】本発明の第1の特徴は,1つのケースにランプとセンサとを別体で設けるのではなく,照度及び人間の動きを複合的に感知して,ランプが自動的に点灯及び消灯されるようにするために,光源としてのランプと,ランプの周辺の光を感知して昼夜を区別する照度センサと,時間を調節するタイマーと,人間を感知する赤外線センサとが一体的に形成されていることである。 【0011】また,本発明の第2の特徴は,別のセンサ装置がなくても,ネジが形成されたタイプのソケット電球が使用されるあらゆる場所にも簡便に装着することができるランプ装置を提供し,それにより,ユーザの便宜を大いに向上させることにある。」「【発明を実施するための最良の形態】(略)【0017】勿論,本発明によるランプ装置は,従来の白熱電球にも使用できるように,ソケット11aを有するボディに,現実の自然色により光を発することが可能な3波長蛍光物質が塗布された真空バルブを設けてもよい。 U字形のランプは,I字形のランプとしてもよい。さらに,ランプの間の中央部に赤外線センサ31が備えられるように,少なくとも2つのランプ(対称構造)であればよく,3つ(三角構造)又は4つのランプを備えるのが好適である。」(イ)被告は,本件明細書等の記載から,ランプ30は蛍光ランプを前提とすると主張する。たしかに,前記(ア)のと 対称構造)であればよく,3つ(三角構造)又は4つのランプを備えるのが好適である。」(イ)被告は,本件明細書等の記載から,ランプ30は蛍光ランプを前提とすると主張する。たしかに,前記(ア)のとおり,本件明細書等には,本件特許発明が多機能省エネルギー蛍光ランプ装置である旨の記載がある(【0001】,【0007】)。この多機能省エネルギー蛍光ランプ装置とは,複数のランプ30が,照度センサ,タイマー及び赤外線センサと一体に備えられたものであると記載されているが(【0001】,【0007】,【0010】),複数のランプ30については,白熱電球を使用する例が挙げられており(【0017】),必ずしも蛍光ランプに限定されてはいない。 ウ拒絶理由通知と補正原告は,本件特許出願の審査過程において,平成21年10月26日起案にかかる拒絶理由通知(甲9:請求項1については,引用文献〔特開2002-304912号公報,特開2003-132704号公報〕に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明することができたものであるとするもの)を受けた。 原告は,請求項1について,構成要件Fに相当する記載を加える補正をするとともに,平成22年4月28日,意見書(乙1)を提出した。原告は,上記意見書に,「(上記補正をしたことにより)自動制御省エネルギーランプ全体がコンパクトに構成されるという本願発明が奏する効果及び作用がさらに明確なものとなりました」と記載した。 しかし,本件特許発明の奏する効果が多機能省エネルギー蛍光ランプをコンパクトに構成するものであったとしても,直ちに,ランプ30が蛍光 ランプに限定されることにはならない。 エまとめ前記アからウによれば,構成要件Aのランプ30は,光源を意味するが,それ以上の限定はなく あったとしても,直ちに,ランプ30が蛍光 ランプに限定されることにはならない。 エまとめ前記アからウによれば,構成要件Aのランプ30は,光源を意味するが,それ以上の限定はなく,蛍光ランプである必要はない(LEDによる光源を含む。)と解される。 (2)被告製品の構成及び構成要件充足性LEDを使用するランプは,発光素子であるLEDチップの集合体(LEDモジュール)を光源として用いる。被告製品でも,発光素子(LEDチップ30a:別紙被告製品目録2【第2図】においてLEDチップ30aとして示される対象は,正方形の板状のものではなく,そこに配設された発光素子であるLEDチップである。)の集合体を光源として用いている。 そうすると,被告製品では,むしろ,LEDチップ30aの集合体をレンズ30bで覆ったLEDパッケージ300aが,構成要件Aのランプ30に相当するというべきであり,少なくとも,個々のLEDチップ30aをもって,構成要件Aのランプ30ということはできない。 そして,被告製品において,ランプ30に相当する光源であるLEDチップ30aの集合体(LEDパッケージ300a)は,ひとつしか設けられていない。 したがって,被告製品は,本件特許発明の構成要件Aの「複数のランプ30」に相当する構成を有するものではなく,本件特許発明の構成要件Aを充足するということはできない。 2 構成要件Fについて被告製品は,前記1のとおり,ランプをひとつしか備えていない。このため,「センサ支持台32は,複数のランプ30の間に介在され」るという構成を有しておらず,構成要件Fを充足するとは認められない。 3 以上によれば,原告の請求にはいずれも理由がない。 よって,主文のとおり判決する。 」るという構成を有しておらず,構成要件Fを充足するとは認められない。 3 以上によれば,原告の請求にはいずれも理由がない。 よって,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第26民事部 裁判長裁判官山田陽三 裁判官松阿彌 隆 裁判官林 啓治郎 (別紙)被告製品目録 1 被告製品:人感センサ付LED電球(型番:DLE-W40L,DLE-40N) 2 図面第1図分解図第2図ソケットボディの斜視図第3図 LEDパッケージの拡大側面図第4図ソケットボディの分解図【第1図】10a34b34a34c11a 300a30a10a12a31a32a【第3図】300a30b【第2図】 (符号の説明)10a ソケットボディ10a-1 本体10a-2 給電筒10a-3 取付台11a ネジ部12a 照度センサ30a LEDチップ30b レンズ【第4図】10a-110a-310a-240a 300a LEDパッケージ31a 人感センサ32a センサ支持台34a グローブ34b キャップ34c a-310a-240a 300a LEDパッケージ31a 人感センサ32a センサ支持台34a グローブ34b キャップ34c キャップ取付孔40a 制御回路 6 給電筒収容空間 3 構造の説明(1)被告製品は,ソケットボディ10a,透光性を有するグローブ34a,キャップ34bからなる。(2)ソケットボディ10aは,その下部(一側)にネジ部11aが形成されているとともに,その上部(他側)に複数のLEDチップ30aからなるLEDパッケージ300aが設けられている。(3)ソケットボディ10aは,本体10a-1,給電筒10a-2,取付台10a-3からなり,本体10a-1の給電筒収容空間6に給電筒10a-2を挿入した後,取付台10a-3と本体10a-1を4カ所ネジ止めすることにより組み立てられる。給電筒10a-2には,複数のLEDチップ30aの点灯を制御する点灯制御回路40aが内装されている。(4)取付台10a-3には,周囲の照度を感知する照度センサ12aが設けられており,さらに,人間の動きを感知する赤外センサからなる人感センサ31aがセンサ支持台32aを介して設けられている。(5)以下の3つの点灯モード及び消し忘れ機能を有するとともに,ユーザが家庭用スイッチのON-OFFを操作することにより人感センサモードあるいは連続点灯モードのいずれかを選択する点灯モード選択手段を有している。 ① テストモード:電源を入れた直後約10秒間点灯し,その後約60秒経過するまでテストモード状態になり,テストモード時は昼夜関係なしに照度センサ12aが感知し,約5秒間点灯し,約60秒経過後自動で人感センサモードになる。 約10秒間点灯し,その後約60秒経過するまでテストモード状態になり,テストモード時は昼夜関係なしに照度センサ12aが感知し,約5秒間点灯し,約60秒経過後自動で人感センサモードになる。 ② 人感センサモード:人感センサ31aで「パッ」と自動点灯し,点灯後約3分後で自動消灯し,探知範囲に人が居る場合は自動延長する。③ 連続点灯モード:人感センサモード時家庭用スイッチを2秒以内にOFF⇒ONと切り替えることにより連続点灯モードに切り替わる。再度人感センサモードに切り替える場合は再度2秒以内にOFF⇒ONとするか,5秒以上OFFの状態にしてからONにする。「テストモード⇒人感センサモード⇒連続点灯モード⇒テストモード⇒人感センサモード···」と切り替わっていく。④ 消し忘れ防止機能:連続点灯モードに切り替え後,約3時間経過すると,自動で消灯する。(6)点灯制御回路40aは,照度センサ12a,点灯モード選択手段と,人感センサ31aの出力信号に基づき,点灯を制御する。(7)センサ支持台32aは,複数のLEDチップ30aを跨いで取付台10a-3に立設されており,人感センサ31aが複数のLEDチップ30aの高さよりも高く,かつ,グローブ34a外にはみ出ない位置に設置されるようにその長さが形成されている。(8)ソケットボディ10aの上部にグローブ34aを取り付け,キャップ取付孔34cにキャップ34bを取り付けることにより,人感センサ付LED電球は組み立てられる。
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