昭和24(わ)482 物価統制令違反被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和25年4月11日 東京高等裁判所 破棄自判
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する。      被告人を免訴する。          理    由  堀検事正の上告趣意は末尾添付の上告趣意書と題する書面、被告人弁護人の答弁 は弁護人矢生倫司、

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判決文本文1,328 文字)

主文 原判決を破棄する。 被告人を免訴する。 理由 堀検事正の上告趣意は末尾添付の上告趣意書と題する書面、被告人弁護人の答弁は弁護人矢生倫司、同下山四郎名義の答弁書各記載の通りでこれに対し当裁判所は次の通り判断する。 第三点について。 前記改正前の物価統制令第十条第二項は所論のような内容の規定で販売行為が営利の目的でなくても又業務に属しないときでも不当高価販売の罪が成立するのである。 故に仮りた本件売渡行為が被告人に営利の目的がなく且つ被告人の業務に属しなかつたとしても本件販売価格が不当に高価な価格であるかどうかを判断すべきである。 そこで原判決が証拠により確定した事実によれば被告人は法定の除外事由がないのに、昭和二十一年六月十日頃東京都港区ac丁目c番地A事務所においてBに対し菜種油一号品ドラム罐六本合計四石九斗を昭和二十一年三月三十一日大蔵省告示第百八十一号指定販売者価格の統制額より合計約六万九千二百八十四円を超過する代金合計金七万三千五百円で売渡したものである。即ち本件販売は公定価格より六万九千余円を超過する価格でなされたのである。これは法律にいわゆる不当に高価な額であると解すべきである。 不当高価であるかどうかは公定価格あるものについては公定価格を基準とすべきで実際の利得額を基準とすべきでない。 故に被告人の行為は改正前の前記物価統制令第十一条第二項第三十六条に該当する。しかるに原判決が無罪の言渡をしたのは適用する法律を適用しなかつた違法がある。しかし旧刑事訴訟法第四百三十四条第二項により職権で刑の廃止あつたかどうかを検討すると物価統制令はその後前述のように昭和二十二年四月十五日改正せられ不当高価販売も営利の目的なく又は業務に属しないときは罰しないことにしたのであ 四条第二項により職権で刑の廃止あつたかどうかを検討すると物価統制令はその後前述のように昭和二十二年四月十五日改正せられ不当高価販売も営利の目的なく又は業務に属しないときは罰しないことにしたのである。 これは経済事情の変動に伴い改正されたのでなく立法者の法律見解に変更を来たしたからだと解するのが相当である。 蓋し改正前の法律によるといわゆる筍生活者の不当高価販売も処罰せられることになるので立法者はこれは行き過ぎであると考え直して改正したものである、故に物価庁告示の変更のように経済事情の変動に伴い刻々に<要旨>改正される場合と異なり改正前の物価統制令第十一条第二項は限時法的性質を有するものでない。</要旨>従つて本件販売は前述のように営利の目的なく且つ被告人の業務に属しない以上本件販売は物価統制令の前記改正による処罰もなくなつたのであるから刑法第六条により改正法を適用し刑の廃止あつたものとして免訴の言渡をなすべきものである。 しかるに原制決が無罪の言渡をしたのは違法である。 論旨は結局理由があつて原判決は破棄を免かれない。 叙上の理由により旧刑事訴訟法第四百四十七条第四百四十八条第四百五十五条第三百七十三条第二号により原判決を破棄し被告人を免訴すべきものとする。 仍つて主文の通り判決する。 (裁判長判事吉田常次郎判事保持道信判事鈴木勇)

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