平成12(行コ)21 文書開示拒否処分取消請求控訴事件(原審・山口地方裁判所平成11年(行ウ)第9号)

裁判年月日・裁判所
平成14年9月13日 広島高等裁判所 情報公開
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判決文本文2,961 文字)

主文 1 原判決中,控訴人敗訴部分を取り消す。 2 被控訴人の請求を棄却する。 3 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨主文同旨第2 事案の概要次のとおり補正するほかは,原判決の「第二事案の概要」に記載(原判決3頁5行目の「(原告が」から同28頁5行目まで)のとおりであるから,これを引用する。 1 原判決3頁7行目の「、県議会」を「,「県議会」と改め,同末行の「という。」の次に「ただし,平成12年12月19日「山口県情報公開条例の一部を改正する条例」(山口県条例第55号)による改正前のものをいう。以下,同じ。」を加える。 2 同11頁7行目の「争いがある。)」の次に「。」を加える。 3 同13頁末行の「山口県」の前に「県公開条例が制定された当時,」を加える。 4 同14頁5行目の「施行される」を「施行された」と改める。 5 同18頁2行目の「事務局規程」を「事務局処務規程」と改める。 6 同23頁7行目の「原告」を「控訴人」と,同行の「執行機関」を「実施機関」とそれぞれ改める。 第3 当裁判所の判断 1 次のとおり補正するほかは,原判決の「第三争点に対する判断」に記載(原判決28頁7行目から同48頁1行目まで)のとおりであるから,これを引用する。 (1) 原判決30頁8行目の「一八」の次に「,23,24,当審証人A,同B」を加える。 (2) 同34頁10行目の「事務局」の次に「総務課」を加える。 (3) 同36頁8行目から同48頁1行目までを次のとおり改める。 「3 以上を前提に,本件文書①,②及び③が県公開条例2条2項にいう「公文書」に該当するか否かについて判断する。 同項は,「この条例において『公文書』とは,実施機関の職員が職務上作成し,又は取得した文書又は写真(括弧 本件文書①,②及び③が県公開条例2条2項にいう「公文書」に該当するか否かについて判断する。 同項は,「この条例において『公文書』とは,実施機関の職員が職務上作成し,又は取得した文書又は写真(括弧内省略)であって,決裁又は供覧の手続が終了し,実施機関が保有しているものをいう。」と規定している。したがって,本件文書①,②及び③が県公開条例による公開請求の対象となる公文書に当たるというためには,実施機関の職員が職務上作成し,又は取得した同項に掲げる文書等であり,かつ,実施機関が保有しているものであることを要すると解される。そして,同条1項は控訴人を実施機関としているが,県議会を実施機関とはしていないから,県議会議員若しくは同事務局職員が職務上作成し,かつ,取得した文書等,又はこれらの者が管理している文書等は,上記の公開請求の対象となる公文書には含まれないものというべきである。そして,同項にいう「保有」とは,同条1項に掲げられた各実施機関がその主体であると構成されていることからみても,地方自治法149条8号の「保管」と異なり(同号は,証書及び公文書類の「保管」を普通地方公共団体の長の担任事務としているが,これは,当該普通地方公共団体のすべての証書及び公文書類の総括的な責任と権限を有する者が長であることを明らかにしたものにすぎない。),当該公文書に法的に管理権限が及ぶという概念以上に,これを現実に支配,管理していることを意味するものと解すべきである(最高裁判所平成11年(行ヒ)第221号平成13年12月14日第二小法廷判決)。 前記認定によれば,本件文書①及び③は,控訴人の補助職員である本件併任事務吏員が予算執行職員として職務上取得したものであり,本件文書②は,同じく職務上作成した文書であると認められる。 次に,控訴人が本件文書①,②及び③ 文書①及び③は,控訴人の補助職員である本件併任事務吏員が予算執行職員として職務上取得したものであり,本件文書②は,同じく職務上作成した文書であると認められる。 次に,控訴人が本件文書①,②及び③を保有しているか否か検討するに,上記文書は,いずれも予算執行終了後,県議会事務局総務課で保管されていることは前記認定のとおりであるが,その保管場所は,知事部局の県庁本館とは別棟の議会棟にある総務課室内のロッカー及び議会棟2階にある倉庫等であること,同保管は,事務局処務規程2条10号,第26条の文書の保存に関する規定に基づいて,他の県議会事務局の文書と同様の取扱いにより行われているのであって,総務課職員が控訴人の補助職員である本件併任事務吏員としてではなく,県議会議長の指揮監督下にある議会事務局職員として行っていることが認められる(乙4,5,24)。 被控訴人は,会計規則121条1,2項,123条の規定に照らし,本件文書①,②及び③の管理主体は出納長及び出納員であり,県議会事務局総務課での保管は,会計規則に反する旨主張する。しかしながら,会計規則123条に文書保存の主体が規定されていないのは,同規則以外の規範により保存主体が定められることが予定されているものと解し得るのであって,県議会事務局の場合,事務局庶務規程により保存の主体が県議会事務局総務課と定められているものというべきである。被控訴人の主張は採用できず,他に控訴人が上記文書を保管しているものと解すべき事情は認められない。 以上によれば,県議会事務局総務課の担当職員が,本件文書①,②及び③の保管を控訴人の補助職員である本件併任事務吏員(予算執行職員)として行っているということはできない。なお,地方自治法149条8号は,前述のとおり,地方公共団体のすべての証書及び公文書類の総括的な責任と を控訴人の補助職員である本件併任事務吏員(予算執行職員)として行っているということはできない。なお,地方自治法149条8号は,前述のとおり,地方公共団体のすべての証書及び公文書類の総括的な責任と権限を有する者が長であることを明らかにしたに過ぎないから,これを根拠として,県議会事務局総務課の担当職員が控訴人の補助職員である本件併任事務吏員としての権限に基づいて上記文書を保管しているものということもできない。 以上のとおり,本件文書①,②及び③が現実に県議会事務局総務課で保管されているという文書保存の実態,同総務課での保管は,事務局処務規程に基づいて行われているもので,法的根拠があることなどにかんがみると,上記文書は,県議会が保有する文書であり,控訴人が保有する文書ではないというべきである。 したがって,上記文書は,県公開条例2条2項にいう「公文書」に当たらないといわなければならない。」 2 以上の次第で,被控訴人は,県公開条例に基づいて本件文書①,②及び③の開示を請求することはできないから,これを拒否した控訴人の処分は適法であり,その取消しを求める被控訴人の請求は理由がなく,これを認容した原判決は不当であるから,原判決中,控訴人敗訴部分を取り消し,被控訴人の請求を棄却することとし,訴訟費用の負担につき民事訴訟法67条2項,61条を適用して,主文のとおり判決する。 広島高等裁判所第2部裁判長裁判官高升五十雄裁判官松井千鶴子裁判官工藤涼二

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