平成18(行ウ)25 保護停止決定処分取消等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成21年5月29日 福岡地方裁判所 その他 その他
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判決文本文34,218 文字)

主文 処分行政庁が,原告Aに対し,平成16年8月19日付けでした保護停止決定処分を取り消す。 被告は,原告らに対し,それぞれ30万円を支払え。 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は,これを5分し,その3を被告の負担とし,その余は原告らの負担とする。 事実 及び理由第1請求 主文1項同旨 被告は,原告らに対し,それぞれ100万円を支払え。 被告は,原告らに対し,52万3496円を支払え。 第2事案の概要本件は,生活保護を受けていた原告Aが,保護の決定及び実施に関する事務を行う処分行政庁から,自動車の所有を禁止する指示に違反したことを理由に保護の停止処分を受けたことについて,同処分が違憲,違法であるとしてその取消しを求めるとともに,原告A及び同人と生計を共にしていた同Bがこれにより精神的苦痛を被り,このほか,保護申請を違法に受理されなかったこと等により損害を被ったとして,被告に対し,国家賠償法に基づき,損害の賠償を求めた事案である。 前提事実㨯当事者ア原告らは,原告Aを世帯主とする世帯を構成して,生活保護を受給してきたものであり,生活保護法(以下「法」という)にいう被保護者の地。 。 ,,(),位にあるまた原告Bは平成16年9月1日当時後記本件処分当時身体障害者手帳(2級(肢体不自由・骨増殖症による体幹機能障害)の) 交付を受けており,要介護3の状態にあった(甲1,乙9,同11)。 (,「」,「」イ処分行政庁以下処分庁といい門司福祉事務所を本件事務所という)は,保護の実施機関である北九州市長から委任を受けて,保護。 の決定及び実施に関する事務を行っているものである(法19条1項,4項。 )㨯生活保護ア原告Aは,処分庁に対し,平 事務所という)は,保護の実施機関である北九州市長から委任を受けて,保護。 の決定及び実施に関する事務を行っているものである(法19条1項,4項。 )㨯生活保護ア原告Aは,処分庁に対し,平成11年11月2日,法に基づく保護申請をしたが,保険の解約返戻金が90万円弱あることが判明したため,同月26日,上記申請を取り下げた。その後,原告Aは,平成12年8月31日,本件事務所を訪れ,上記返戻金で生活してきたが,生活に困窮している旨を訴えた(乙8,原告A本人)。 ,,,。 イ原告Aは処分庁に対し同年11月7日法に基づく保護申請をした処分庁は,原告に対し,同年12月7日,開始日を同年11月7日として保護開始決定を行うとともに,自動車の所有は認められないとして,原告Aが当時所有していた平成5年初度検査の軽自動車(以下「本件自動車」という)の処分を求めた(甲1,同2,乙2,同8)。 。 ウその後も,処分庁は,原告Aに対し,再三にわたり本件自動車の処分を口頭で指示したが,同人がこれに従わなかったため,平成16年6月14日,法27条に基づき,本件自動車の所有は認められないとして同月30(「」日までに売却などの処分をするよう文書により指示した以下本件指示という(甲3,乙8)。)。 エ原告Aはその後も本件自動車を処分しなかったため,処分庁は,原告Aに対し,同年7月7日,同月6日付けの弁明聴取通知書を交付し,同月13日,弁明聴取手続を実施した。この際,処分庁は,弁護士が原告Aの代理人ないし補佐人として出席ないし同席することを認めなかった(甲4。 ないし6,同9,同10,乙8) オ処分庁は,原告Aに対し,同年8月19日付けで,本件自動車を処分する旨の指示事項を履行するまで保護を停止するとの処分を行った以下本(「件 かった(甲4。 ないし6,同9,同10,乙8) オ処分庁は,原告Aに対し,同年8月19日付けで,本件自動車を処分する旨の指示事項を履行するまで保護を停止するとの処分を行った以下本(「件処分」という。なお,その後,処分庁は,平成17年4月11日付。)けで,原告らの健康状態の悪化等による急迫状態を理由に本件処分を解除し,保護を再開した(甲7,乙3,同8,同14)。 カ原告Aは,福岡県知事に対し,平成16年10月5日付けで,本件処分を不服として審査請求をしたが,同知事は,平成17年12月12日付けで,同請求を棄却した(甲8,同13)。 キ原告らは,被告に対し,平成18年6月9日,請求1,2に係る訴えを提起した(顕著な事実)。 㨯移転料の収入認定ア原告らは,平成12年10月に当時居住していたh団地(市営住宅)の建て替えに伴いi団地に転居し,その後平成14年5月末に再度h団地に転居した際,被告から,移転料として,28万0800円の支給を受けた(以下「本件移転料」という(乙8(30,31頁)。)。 )イ原告らは,同年7月31日,同人らを訪れた本件事務所職員に対し,上記移転料の使途を記載したメモ(以下「本件メモ」という)を交付し,。 合計28万6994円を支出した旨を申告したが,本件メモ記載の費目の。 ,うちで領収証があったのは引越代4万円についてのみであった処分庁は同年10月1日付けで,このうち9万7200円(引越代4万円,入居保証金分割払額1万7200円及び網戸代4万円)のみを収入認定しないこととし,残額18万3600円(28万0800円-9万7200円)を収入認定し,これを同年10月以降の保護費から月額1万5000円ずつ(最終回は3600円)差し引くこととした(乙8(31,32頁,。 )同16)㨯 00円(28万0800円-9万7200円)を収入認定し,これを同年10月以降の保護費から月額1万5000円ずつ(最終回は3600円)差し引くこととした(乙8(31,32頁,。 )同16)㨯住宅扶助費の増額 h団地の賃料が平成18年6月に2万0800円から2万4300円に増額されたところ,本件事務所職員は,平成18年10月27日,これを確認し,処分庁は,同年11月14日,同年9月1日付けで原告Aの住宅扶助費の認定を変更し,差額分を支給した(乙14(16,17頁)。 ) 関連規定等本件の当時において,本件に関連する厚生労働省の通知・通達等は,おおむね以下のようなものであった。 㨯生活保護ア厚生事務次官通知(昭和36年4月1日厚生省発社第123号「生活保護法による保護の実施要領について)第3「資産の活用(以下「本件」」次官通知3」という(乙13)。)最低生活の内容としてその所有又は利用を容認するに適しない資産は,次の場合を除き,原則として処分のうえ,最低限度の生活の維持のために活用させること(中略)。 ,,①その資産が現実に最低限度の生活維持のために活用されておりかつ処分するよりも保有している方が生活維持及び自立の助長に実効があがっているもの②現在活用されてはいないが,近い将来において活用されることがほぼ確実であって,かつ,処分するよりも保有している方が生活維持に実効があがると認められるもの③処分することができないか,又は著しく困難なもの④売却代金よりも売却に要する経費が高いもの⑤社会通念上処分させることを適当としないものイ厚生省社会局保護課長通知(昭和38年4月1日社保第34号「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて)第3「資産の活用」問答」12(以下「本件課長通知」という せることを適当としないものイ厚生省社会局保護課長通知(昭和38年4月1日社保第34号「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて)第3「資産の活用」問答」12(以下「本件課長通知」という(乙4)。) 障害(児)者が通院,通所及び通学(以下「通院等」という)のため。 に自動車を必要とする場合で,次のいずれにも該当し,かつ,その保有が社会的に適当と認められるときは,次官通知第3の5にいう「社会通念上処分させることを適当としないもの」としてその保有を認めて差しつかえない。なお,次のいずれかの要件に該当しない場合であっても,その保有を認めることが真に必要であるとする特段の事情があるときは,その保有の容認につき厚生労働大臣に情報提供すること。 ①障害(児)者の通院等のために定期的に自動車が利用されることが明らかな場合であること。 ②当該者の障害の状況により利用し得る公共交通機関が全くないか又は公共交通機関を利用することが著しく困難であり,自動車による以外に通院等を行うことがきわめて困難であることが明らかに認められること。 ③自動車の処分価値が小さく,又は構造上身体障害者用に改造してあるものであって,通院等に必要最小限のもの(排気量がおおむね2,000cc以下)であること。 ④自動車の維持に要する費用が他からの援助(維持費に充てることを特定したものに限る,他施策の活用等により,確実にまかなわれる見。)通しがあること。 ⑤障害者自身が運転する場合又はもっぱら障害(児)者の通院等のために生計同一者若しくは常時介護者が運転する場合であること。 (以下,これらの要件を「要件①」等という)。 ウ同通知第7のⅡの1(以下「問答第7」という。乙28)被保護者が書面による指導指示に従わない場合には,必要と認められるときは,法第6 であること。 (以下,これらの要件を「要件①」等という)。 ウ同通知第7のⅡの1(以下「問答第7」という。乙28)被保護者が書面による指導指示に従わない場合には,必要と認められるときは,法第62条の規定により,所定の手続を経たうえ,保護の変更,停止又は廃止を行うこととなるが,当該要保護者の状況によりなお効果が 期待されるときは,これらの処分を行うに先立ち,再度,法第27条によ。 ,,,り書面による指導指示を行うことなおこの場合において保護の変更,。 停止又は廃止のうちいずれを適用するかについては次の基準によること 当該指導指示が比較的軽微な場合には,その実情に応じて適当と認められる限度で保護の変更を行うこと。 1によることが適当でない場合は保護を停止することとし,当該被保護者が指導指示に従ったとき,又は事情の変更により指導指示を必要とした事由がなくなったときは,停止を解除すること。なお,保護を停止した後においても引き続き指導指示に従わないでいる場合には,さらに書面による指導指示を行うこととし,これによってもなお従わない場合は,法第62条の規定により所定の手続を経たうえ,保護を廃止すること(以下省略)。 㨯本件移転料の収入認定ア厚生事務次官通知(上記㨯ア)第7「収入の認定」3「認定指針」㨯オ(以下「本件次官通知7」という(甲40,乙13)。)災害等によって損害を受けたことにより臨時的に受ける補償金,保険金又は見舞金のうち当該被保護世帯の自立更生のためにあてられる額は,収入として認定しない。 イ生活保護手帳別冊問答352(以下「別冊問答352」という(乙。)15)公営住宅拡張を目的とする公営住宅改善推進事業により,入居者が転居する際に,それに要する費用が支給される場合,本件次官通知7に該当するもの 答352(以下「別冊問答352」という(乙。)15)公営住宅拡張を目的とする公営住宅改善推進事業により,入居者が転居する際に,それに要する費用が支給される場合,本件次官通知7に該当するものとして,転居に伴って必要な移送費及び敷金等の実費の範囲に限り収入認定しない取扱いとして差し支えない。 ウ厚生省社会局長通知第10-2㨯(以下「本件局長通知」という(甲。)41) 最低生活費又は収入充当額の認定を変更すべき事由が事後において明らかとなった場合は(中略)当該事由に基づき扶助費支給額の変更決定を,行えば生ずることとなる返納額(確認月及びその前月までの分に限る)。 を次回支給月以後の収入充当額として計上して差しつかえない。 エ生活保護手帳別冊問答447㨯(以下「別冊手帳447㨯」という)。 (乙15)収入増の事実が明らかとなったため,既に算定した収入充当額が過少となった場合で,既に支給した保護費の一部(場合によっては全部)を返還させるべき場合は,その返還を要する額を次回支給月以後の収入充当額として計上することによって調整することができる。この取扱いが認められるのは,確認月及びその前月の分までの分として返納すべき額に限り,それ以前の返納額は法63条により処理すべきである。 㨯住宅扶助費の増額生活保護手帳別冊問答447㨯(以下「別冊問答447㨯」という(乙。)15)世帯員の転入等の事実が明らかとなったため,既に扶助費を支給した月の最低生活費の額を増額して認定する必要が生じた場合,本来受給者に届出の義務が課せられているところでもあるし,また,一旦決定された行政処分をいつまでも不確定にしておくことは妥当でないので,最低生活費の遡及変更は2か月程度(発見月及びその前月分まで)と考えるべきである。 争点 㨯本件処分の違 もあるし,また,一旦決定された行政処分をいつまでも不確定にしておくことは妥当でないので,最低生活費の遡及変更は2か月程度(発見月及びその前月分まで)と考えるべきである。 争点 㨯本件処分の違憲性・違法性及びこれによる損害(争点1)(原告らの主張)ア本件処分の違憲性・違法性本件処分は,憲法13条,14条,25条及び法の解釈を誤り,原告らの保護の受給に関し,何ら正当な理由がないにもかかわらず,既に決定し た保護を不利益に変更したものであるから,法62条3項,56条に違反して無効であり,少なくとも取消しを免れない。 㨯本件指示の違法性・不合理性aモータリゼーションが進んだ今日,移動等のために自動車を使用することは,市民生活に不可欠なほどに広く普及した行為であり,幸福追求権(憲法13条)の一内容である。とりわけ,高齢者や身体障害者は,自動車を利用することによって,生活の不便さやハンディキャップを一定程度補うことが可能となるものであるから,それは健常者に倍して切実であり必要に応じて自動車を利用することなくして健,「康で文化的な最低限度の生活(同25条1項)は確保できないとい」うべきである。 この点,被告は,法4条1項を根拠に,自動車の所有は認められないとするが,同条に基づいて資産を活用することが認められず換価等の処分をすることが求められる場合,それは処分によって得られた対価を最低限度の生活の維持に役立てることを前提としているから,その資産は少なくとも換価性があるものでなければならず,本件自動車のように換価性のない資産についてまで保有を認めないとの運用を同条から導くことはできないはずで,これを処分するよう指示することは,憲法13条及び法27条に違反する。 bまた,厚生労働省の通知等も,所有する自動車が処分価値を有する で保有を認めないとの運用を同条から導くことはできないはずで,これを処分するよう指示することは,憲法13条及び法27条に違反する。 bまた,厚生労働省の通知等も,所有する自動車が処分価値を有する場合の基準であって,処分価値が全くない資産については,処分指示はし得ないから,本件自動車には当てはまらないが,仮に同通知等によったとしても,以下のとおり本件は自動車の所有が認められる。 㨯まず,本件自動車は,原告らの通院や日常生活の維持のために活,,,用されており処分価値がないから本件次官通知3の例外要件①④に該当する。 㨯次に,本件課長通知についても,原告Bは,リハビリのため原告ら方から片道約15キロメートル離れたE病院に通院していたところ,同人の病状や障害の状況に照らせば,公共交通機関を利用することは著しく困難であり,自動車による以外に通院等を行うことは極めて困難であることは明らかである(要件②。なお,被告は,)原告Bのリハビリは原告ら方から片道約1キロメートルに位置するF病院で可能であるからE病院へ通院する必要はなく,F病院へはタクシーの利用等で通院が可能であると主張するが,被保護者もどの病院でどのような治療を受けるかにつき選択権・決定権を有し,とりわけ,原告BはそれまでE病院において,入院,治療及びリハビリを受け,同病院の医師及びスタッフとの間で信頼関係を形成してきた経緯に照らせば,同人が同病院でのリハビリを希望するのはもっともなことであり何ら非難されるような事情ではないし公,,「共交通機関」にタクシーは含まれないから,被告の主張は失当である。また,原告Aも,E病院と原告ら方の近隣にあるG病院に通院しているが,同人も障害を有しており,自動車以外によっての通院は困難である。 さらに,要件④につき,原告らは,保護 ,被告の主張は失当である。また,原告Aも,E病院と原告ら方の近隣にあるG病院に通院しているが,同人も障害を有しており,自動車以外によっての通院は困難である。 さらに,要件④につき,原告らは,保護費をやり繰りして本件自動車の維持費を捻出しており,他からの援助等で賄っていたわけではないが,これは,本件事務所職員が要件④を充足しても本件自動車の所有は認めないという対応に終始したためであり,仮に適切な対応をされていれば,兄弟達から援助を受けられる可能性は十分にあった。 㨯また,原告らは,通院のためにも買い物等の日常生活や知人と交際したり様々な社会参加をする上でも本件自動車の利用は必要不可欠であったのだから,本件課長通知の「その保有を認めることが真 に必要であるとする特段の事情がある」といえる。 cしたがって,本件指示は違憲・違法であるから,それに従わないことを理由にされた本件処分も違憲・違法である。 㨯適正手続違反公権力が法律に基づいて一定の措置を取る場合,その措置によって重大な損失を被る個人は,その措置が取られる過程において,適正な手続的処遇を受ける権利(告知及び聴聞の機会を得る権利)を有し,これは憲法13条から導かれる。また,法56条は,既に決定された保護を不利益に変更する場合に「正当な理由」を要求しているが,これは,保護の実施機関が変更処分を行う場合において,単に被保護者が法に規定する保護の変更等が行われるべき各場合に該当すること(実体的要件)のみで足りるとするものではなく,さらに同変更等の手続が正規の各要件(手続的要件)を充足していることも要求しているものと解される。 そして,法62条4項は,同条3項の処分を行う場合には「当該被保護者に対して弁明の機会を与えなければならない」と定めるが,これは告知及び聴聞の機会を得る権 していることも要求しているものと解される。 そして,法62条4項は,同条3項の処分を行う場合には「当該被保護者に対して弁明の機会を与えなければならない」と定めるが,これは告知及び聴聞の機会を得る権利を保障したものと解されるから,同条3項の処分を行う場合には,保護の実施機関としては,聴聞を行う期日までに相当な期間を置き,処分の名宛人となるべき者に対し,①予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令条項,②不利益処分の原因となる事実,③聴聞の期日及び場所,④聴聞期日に出頭して意見を述べ,証拠書類又は証拠物を提出することができること,⑤聴聞が終結するまでの間,当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができること等を教示しなければならず,また,聴聞手続期日においては,当事者に十分に意見を述べる機会を与えるとともに,保護の実施機関に対して質問を発する機会を与えなければならない。ところが,処分庁は,原告Aに対し,上記各教示をしていないことに加え,聴聞手続 期日に弁護士が代理人ないし補佐人として出席ないし同席することを認めず,原告Aが十分な弁明を行う機会を保障しなかった。 なお,被告は,法62条5項を根拠に弁護士の出席ないし同席を認める必要はないと主張するが,同条項によって適用が排除されるのは行政手続法16条3項,4項であることは明らかであるから,失当である。 㨯不相当性仮に本件指示が適法で原告らに同指示違反が認められるとしても,原告らは,通院や移動に要する費用やサービスを新たに要求したわけではなく,処分価値のない本件自動車で通院するという最も他人に迷惑をかけず行政にとっても一番低廉な方法で通院しただけであるから,違反としては軽微である。それにもかかわらず,処分庁がいきなり保護停止を内容とした本件処分をするのは,違反行 院するという最も他人に迷惑をかけず行政にとっても一番低廉な方法で通院しただけであるから,違反としては軽微である。それにもかかわらず,処分庁がいきなり保護停止を内容とした本件処分をするのは,違反行為と処分の均衡を失しており,法62条3項に違反する。 イ損害原告らは,上記違法な本件処分により,たちまちその生活は困窮し,健康のみならず生命までもが危機にさらされる事態に直面させられ,本件処分が解除されるまでの間,最低生活以下の生活を余儀なくされただけでなく,不安と恐怖にさらされ続けたほか,自分たちで可能な限り自立して社会とつながって生きていきたいという尊厳を踏みにじられ,甚大な精神的苦痛を被った。それをあえて金銭的に評価すれば各自100万円を下らない。 (被告の主張)ア本件処分の適法性・合理性㨯本件指示の適法性・合理性a乗用車保有世帯率によれば,低所得者層においては,自動車は依然として高価品であり,その約半分の世帯では公共交通機関等を利用し て日常生活を送っていることからすれば,自動車を所有・利用することが「健康で文化的な最低限度の生活(憲法25条1項)の維持に」必要であるとはいえないまた法4条1項について資産が最。 ,,「」「低限度の生活の維持のために活用」されているかどうかの判断に当たっては,当該資産を所有するために一定の経済的支出を行うことや当該資産を利用することで一定の利益を得ることが「最低限度の生活」として容認できるかどうかという観点からも検討されるべきであるところ,自動車は,それ自体に処分価値があるか否かにかかわらず,保有することに伴う燃料費,車検等の点検整備費,駐車場代,自賠責保険料等の経済的支出や自動車を利用することによって得られる利益が「最低限度の生活の維持のために」必要な限度を超 るか否かにかかわらず,保有することに伴う燃料費,車検等の点検整備費,駐車場代,自賠責保険料等の経済的支出や自動車を利用することによって得られる利益が「最低限度の生活の維持のために」必要な限度を超えるから,自動車の所有・利用は原則として認められない。 bこれに加え,他の保護受給世帯との均衡を図る必要もあることからすれば,本件課長通知の各要件該当性を判断するに当たっても,上記制度趣旨を十分斟酌する必要がある。 㨯原告Bは,平成14年6月以降は,E病院において半年間に1回の定期検診を受けているにすぎず,週1回の通院目的はリハビリであって治療ではない。しかも,上記リハビリは,E病院独自の特殊な器具・技能等によるものではなく,F病院においても十分対処可能な内容であり,介護サービスの利用によって自宅でリハビリを受けることも可能である。また,F病院に通院する場合であっても,その距離等からしてタクシーによる通院が可能であり,年間最高48枚までタクシーチケットを利用することが可能であって,タクシーチケットの交付では不足する分については,別途医療扶助の一つである通院移送費としてタクシー代を受給することも可能である。 さらに,原告Bは,介護タクシーや介護保険サービスによる通所リ ハビリないし訪問リハビリを利用することも可能であったのであるから,要件②を満たさない。もとより医師と患者との信頼関係は重要ではあるが,生活保護制度において,被保護者である患者が希望すればどんなに遠方であっても通院が許可されるべきというのは明らかに不合理であり,被保護者は飽くまで生活保護制度の範囲内で医療機関の選択の自由を有しているにすぎないのであるから,原則として公共交通機関の利用可能な範囲内で自宅から最寄りの医療機関に通院することを前提として,自動車保有要件の判断を 生活保護制度の範囲内で医療機関の選択の自由を有しているにすぎないのであるから,原則として公共交通機関の利用可能な範囲内で自宅から最寄りの医療機関に通院することを前提として,自動車保有要件の判断をするべきである。また,本要件は,被保護者が例外的に自動車の所有・利用を認められるための要件の一つとして,その所有する自動車を使用する高度の必要性があると認められるための要件であるから「公,」,,共交通機関には当該自動車以外の公共交通機関はすべて含まれタクシーも当然含まれる。 また,原告らには,定期的な収入はなく家族等からの援助もなかった上,自動車の維持費として月割で1万4000円程度をすべて生活保護費から支出していたのであるから,要件④を充足しない。 なお,原告らの自動車所有については,生活保護の開始当初から問題となっていたのであるから,維持費に関して従前本件事務所の担当者から十分な説明がされていたことは明らかである。 㨯さらに「その保有を認めることが真に必要であるとする特段の,事情」があるとして,自動車所有の容認につき厚生労働大臣に情報提供するか否かは,飽くまで保護の実施機関の判断に委ねられているところ,生活保護受給者の自動車所有は飽くまで例外的に容認されているにすぎず,原告Bのような重度障害者であっても自動車を所有するためには本件課長通知の各要件を充足することが前提となるのであるから,ここでいう「特段の事情」も,同通知の目的であ る障害(児)者の通院,通所の便宜という観点から考慮されるべきである。 しかるに,原告らは,原告BのE病院への通院は週に1回であるから,専ら日常生活の利便性の向上のために本件自動車を所有したい旨主張していると認められるところ,自動車の所有を容認されている者が生活用品として自動車を使用することは積 病院への通院は週に1回であるから,専ら日常生活の利便性の向上のために本件自動車を所有したい旨主張していると認められるところ,自動車の所有を容認されている者が生活用品として自動車を使用することは積極的に容認されているわけではなく実際上「黙認」されているというにすぎないのであって,自動車の所有に伴う日常生活の利便性の向上は飽くまで通院に自動車の所有が必要と判断されたことに伴う付随的利益にすぎない。そして,原告Bのような重度障害者の場合,利用可能なサービスの量及び種類は多様で,同サービスを積極的に利用すれば,自動車を保有せずに夫婦そろって外出することも可能であるし,原告Aは,持病を抱えているとはいえ自動車の利用なしに日常的な買い物をすることが不可能であったとまでは認められず,少なくとも公共交通機関を利用することは可能であり,住環境も支障なく日常生活を送ることができるものである上,同人が主に通院しているG病院も原告ら方の近所に位置し,自家用自動車がなければ通院が不可能とはいえない。 したがって,自動車の所有を容認しなくても,原告らの最低限度の生活は十分維持されており,上記「特段の事情」はない。 㨯適正手続法62条は,5項において同条3項の規定による処分につき行政手続,,法3章の規定は原則として適用しない旨を規定しており保護等の変更停止又は廃止の処分については,原告らが前記主張の根拠としているものと考えられる行政手続法15条,16条及び20条等の規定は適用されないから,弁明手続に弁護士(代理人)を出席ないし同席させる必要 はない。そして,処分庁は,原告Aに対し,平成16年7月7日,法62条4項に基づき,処分をしようとする理由,弁明すべき日時及び場所を明記した同年7月6日付けの弁明聴取通知書を交付しているのであるから,弁明手続 て,処分庁は,原告Aに対し,平成16年7月7日,法62条4項に基づき,処分をしようとする理由,弁明すべき日時及び場所を明記した同年7月6日付けの弁明聴取通知書を交付しているのであるから,弁明手続に違法な点は一切ない。 㨯相当性処分庁は,保護開始当初から本件処分に至るまでの約3年9か月にわたり,原告らに対し,本件自動車を処分するよう粘り強い指導をしてき,,,たにもかかわらず同人らは一貫して本件自動車の処分を拒否し続け今後も本件指示に従う意思がないことを明らかにしていた上,本件指示自体,決して軽微とは言い難いものであることからすると,原告らに対して本件指示の遵守を望むには生活保護の停止を選択したことはやむを得なかったというべきであるから,本件処分は相当である。 イ損害争う。本件指示・本件処分ともに適法かつ相当であり,本件処分後も,本件事務所職員は,少なくとも月に1回は原告ら方を訪問し,原告らの生活状況等を把握するとともに,原告らに対し,急迫状態になった場合又は本件自動車を処分した場合にはすぐに連絡するよう繰り返し伝えており,しばらくの間は,原告らに格別健康状態の悪化は見られず,生活に困窮した様子も見られなかった。そして,処分庁は,平成16年12月20日に原告Aが風邪等で寝込んでいることを確認してからは,原告らの健康状態の悪化等による急迫状態を理由として職権による本件処分の解除を検討し始め,その後平成17年4月11日付けで本件処分を解除し保護を再開しているのであるから,原告らが主張する事実はない。 㨯生活保護の申請不受理及びこれによる損害(争点2)(原告らの主張)ア生活保護の申請不受理 原告Aは,平成12年8月31日「生活に困窮している」として本件,事務所を訪れ,明確に生活保護を受けさせて欲しいと依頼したのである る損害(争点2)(原告らの主張)ア生活保護の申請不受理 原告Aは,平成12年8月31日「生活に困窮している」として本件,事務所を訪れ,明確に生活保護を受けさせて欲しいと依頼したのであるから,処分庁は,この時に保護申請があったものとして取り扱うべきであったにもかかわらず,この事実を無視して相談扱いとし,申請日を意図的にねじ曲げ,同年11月7日と遅らせたのであって,行政手続法7条,法24条1,3項に違反する。 イ損害㨯そして,原告らは,これにより平成12年8月31日から同年11月6日までの保護費32万9396円を受給できなかった。その内訳は以下のとおりである。 a平成12年8月31日分4426円(月額13万2790円(=平成12年12月分13万6790円-冬季加算額4000円)÷30日)b同年9,10月分26万5580円(上記月額×2か月)c同年11月1月ないし6日分5万9390円(前記13万2790円+冬季加算額4000円-(同月7日ないし30日分の支給済額7万9420円-同間の冬季加算額2020円)㨯なお,消滅時効の起算点は,早くても原告らが本件ケース記録の開示を受けた平成19年1月15日とすべきであるし,そもそも消滅時効を援用すること自体,信義則に反する。 (被告の主張)ア生活保護の申請不受理生活保護法施行規則2条によれば,保護開始の申請は書面を提出して行わなければならないところ,原告Aは,平成12年8月31日には生活保護の申請書は提出しておらず,提出したのは同年11月7日であるから,同日を開始日(申請日)として保護開始決定をしたことに違法はない。 イ損害争う。なお,平成12年11月分の保護費は,原告Aが同月21日に退院したことから同月22日付けで変更されており,実際の支給額は冬季加 申請日)として保護開始決定をしたことに違法はない。 イ損害争う。なお,平成12年11月分の保護費は,原告Aが同月21日に退院したことから同月22日付けで変更されており,実際の支給額は冬季加算を入れて8万2347円である。また,原告らの請求権は,遅くとも原告Aが実際に最初の保護費を受給した平成12年12月8日の翌日か,自動車所有の可否について代理人らに継続的に相談を始めた平成13年1月15日ころから3年を経過した時点で消滅時効期間が完成しているので,同消滅時効を援用する。 㨯本件移転料の収入認定及びこれによる損害(争点3)(原告らの主張)ア本件移転料の収入認定㨯原告らは,i団地からh団地への移転に伴い,引越代等の転居に伴う費用として28万6994円を支出したのであるから,本件次官通知7及び別冊問答352によれば,移転料で賄うのが当然であり,少なくとも被保護世帯の自立更生のために当てられた費用に当たるから,収入認定されるべきではなかった。それにもかかわらず,処分庁は,このうち9万7200円のみを収入認定しないこととし,残額18万3600円を収入認定する取扱いとしたのであって,法1条,4条に違反する。 なお,本件メモ記載の費目につき領収証がない点については,本件事務所職員は,原告らの住居内で購入の事実やその必要性を十分確認できたはずであり,金額についても申告額と実勢価格を調査比較して職権で認定すればよいのであるから,領収証がないだけで戻入れを即決したのは,調査不十分であり誤りである。 㨯また,仮に収入認定するにしても,処分庁(本件事務所職員)が本件移転料について確認したのは平成14年7月31日であるから,本件局長通知及び別冊問答447㨯によれば,戻入処理ができるのは同年7月 分及び6月分として返納すべき額に限られる 件事務所職員)が本件移転料について確認したのは平成14年7月31日であるから,本件局長通知及び別冊問答447㨯によれば,戻入処理ができるのは同年7月 分及び6月分として返納すべき額に限られるところ,本件移転料は同年5月には支給されているはずであるから,戻入処理はできず,法63条による返還決定を行わなければならなかった。 イ損害㨯原告らは,上記認定収入により,18万3600円の保護費の支給を受けられず,1年を超える期間,最低限度以下の生活を余儀なくされ,精神的苦痛を被った。 㨯消滅時効については,上記㨯(原告らの主張)イ㨯に同じ。 (被告の主張)ア本件移転料の収入認定原告らが移転の際に支出した費用として本件事務所に報告したもののうち,h団地の建て替えに伴う転居によって出費を余儀なくされた実費といえるものは,引越代(4万円,入居保証金分割払額(1万7200円))及び網戸代(4万円)だけであったのであるから,処分庁の前記収入認定は,法1条及び4条に何ら違反するものではない。そもそも,移転料について収入認定から除外するためには,当該費用が除外対象となる性質のものであり,当該金額の現実の支出が客観的に確認できることが必要であるところ,原告らの報告内容は,そのすべてが収入認定からの除外対象となるかは疑問である上,支出したことの裏付けがない以上,当該金額の正当性を確認することは不可能であった。 イ損害争う。なお,原告らの請求権は,遅くとも前記収入認定に伴う控除が終了し,控除のない平成15年11月分の保護費が支給された同年10月31日の翌日から3年間が経過したことによって消滅時効が完成しているので,同消滅時効を援用する。 㨯住宅扶助費の増額の失念及びこれによる損害(争点4) (原告らの主張)ア住宅扶助費の増額原告ら の翌日から3年間が経過したことによって消滅時効が完成しているので,同消滅時効を援用する。 㨯住宅扶助費の増額の失念及びこれによる損害(争点4) (原告らの主張)ア住宅扶助費の増額原告らは,h団地の賃料が平成18年6月に月額2万0800円から2万4300円に改訂されたことに伴い,同年7月ころ,本件事務所職員にこの事実を告げ,住宅扶助費の増額を申請したにもかかわらず,上記担当者はこれを失念したのであり,法24条5項に反する。なお,処分庁は,,,,平成14年7月31日原告らの転居に伴う住居費の変更を行いその際「今後6年間段階的にアップしていくこと」を確認していた。 イ損害この結果,原告らは,平成18年6ないし8月分の差額1万0500円(2万4300円-2万0800円)×3か月)の支給を受けられなか(ったが,上記失念は処分庁(保険事務所)の責めに帰すべきものであるから,別冊問答447㨯に基づかず,全額遡及して支給すべきであった。 (被告の主張)争う。本件事務所職員は,平成18年10月27日に原告Aから電話を受けた際,同年6月に家賃が増額となっていた事実を初めて知らされ,その後速やかに住宅扶助費増額の手続を行い,処分庁は,別冊問答447㨯に基づき,同年9月1日付けで,原告Aの住宅扶助費の認定を変更し差額分を支給したのであって,原告ら主張の事実はない。また,本件事務所職員が,原告らの居住する市営住宅の家賃が段階的に増額されることを了知していたとしても,それにより,原告らの届出義務(法61条)が免除されたり,届出がなくても住宅扶助費増額の手続を執らなければならないなどということにならない。 第3争点に対する判断 認定事実証拠(各項目末尾掲記)及び弁論の全趣旨によれば,次の各事実が認められ る。 㨯原告らは,昭和 増額の手続を執らなければならないなどということにならない。 第3争点に対する判断 認定事実証拠(各項目末尾掲記)及び弁論の全趣旨によれば,次の各事実が認められ る。 㨯原告らは,昭和59年ころから,夫婦で露天商の仕事をしていたが,原告Bは,平成7年ないし平成8年ころから,腰痛を患い,F病院では,骨粗鬆症と診断されたほか,複数の医療機関に通院したが,症状はなかなか改善しなかった。 原告らは,平成11年11月2日,経営していた露天商の売上げが減少し生活に困窮しているとして,生活保護の申請をした。しかし,原告らが簡易保険に加入しておりその解約返戻金が90万円弱存在していたことから,原告らは,同月26日,上記申請を取り下げた。 (甲19,同20,同28,乙8,原告A本人)㨯その後,原告らは,上記返戻金を取り崩しながら生活していたが,原告Bは,平成12年3月10日,原告らの住居から片道約15キロメートルの距離にあるE病院に入院し,原告Aもその介護のため露天商を休業するようになった。 原告Aは,同年8月31日,本件事務所を訪れ,本件事務所職員に対し,上記事情を説明し,自身も原因不明の手足のしびれがある等と述べて,生活保護について相談し,また,原告Bの見舞いと同人の退院後の露天商再開のため,今後も本件自動車を所有したい旨を述べた。これに対し,本件事務所職員は,まず原告Aの稼働能力の有無が問題となるので同人の病名及び稼働能力の有無を把握し,その上で原告Bの介護が就労阻害要因となるか否かを判断することとなること等を説明し,原告らが近々転居する予定であったため転居完了後に再訪するよう促したところ,原告Aはこれを了承し,そのまま退出した。当日,本件事務所職員は原告Aに対し,保護申請書等の書類を交付したが,原告Aは,これを作成して提出するこ 定であったため転居完了後に再訪するよう促したところ,原告Aはこれを了承し,そのまま退出した。当日,本件事務所職員は原告Aに対し,保護申請書等の書類を交付したが,原告Aは,これを作成して提出することはしなかった。 (甲19,乙8,原告A本人)㨯原告Aは,同年10月24日,本件事務所を訪れ,同月13日に転居が完 了したことを報告し,医療措置を受けるよう勧められていることを述べた。 さらに,原告Aは,同年11月6日,本件事務所に電話を架け,入院することとなったことを報告した。本件事務所職員は,同月7日,心拡大(肥大型心筋症)のためH医療センターに赴き,同所に入院していた原告Aと面接し,同原告に保護申請書を交付し,これに記載させた上で受理した。 処分庁は,原告らの生活状況等の調査を行ったところ,原告Bの退院及び原告らの露天商再開の目途が立たなかったため,短期自立が困難になれば本件自動車の処分を指示する方針を採ることとし,同年12月7日,同年11月7日付けで保護開始決定を行うとともに,同月8日,原告Aに対し,上記保護開始決定を伝えるとともに,上記理由を告げて,本件自動車の処分を求めたが,原告らは,原告BのE病院への通院の必要性等を主張してこれに応じなかった。 (甲19,20,乙8,同12の1・2,原告A本人)㨯原告らは,平成14年5月末,h団地に転居した際,被告から,移転料として28万0800円の支給を受けた(本件移転料。 )同月29日,本件事務所職員は,原告らを訪れ,同人らに対し上記転居に関し家賃を証明する書類,市が負担した移転費用がわかる書類,転居にかかった費用の領収書等を提出するよう指示した。 原告らは,同年7月31日,同人らを訪れた本件事務所職員に対し,本件,(),()移転料の使途として項目費目単価及び合計金額 類,転居にかかった費用の領収書等を提出するよう指示した。 原告らは,同年7月31日,同人らを訪れた本件事務所職員に対し,本件,(),()移転料の使途として項目費目単価及び合計金額28万6994円を記載した本件メモを渡したが,そのうち領収証があるのは引越代の4万円のみであった。処分庁は,同年10月1日付けで,本件メモに記載のあるもののうち,引越代4万円,入居保証金の分割払金1万7200円及び網戸代4万円の合計9万7200円のみを収入認定しないこととし,残額18万3600円を収入認定し,これを同年10月以降の保護費から月額1万5000円ずつ(最終回は3600円)を保護費から差し引くこととした。 (乙8(30ないし32頁))㨯本件事務所職員は,その後もたびたび原告Bの病状や,F病院への転院によるリハビリの可否,通院の方法等について,調査・検討を行い,原告らと協議を重ねたが,原告らは,E病院との信頼関係に伴う同病院への通院の必要性や,本件自動車の必要性について重ねて主張し,本件自動車の処分には応じなかった。 そこで,処分庁(本件事務所)は,平成16年5月21日,ケース診断会議を行い,原告らに対し,期限を同年6月10日として口頭で本件自動車の処分を指示し,処分が実施されなければ,期限をさらに1か月後として文書で指示する旨の処遇方針を決定した上,本件事務所職員において,同年5月26日,原告らに対し,同年6月10日までに本件自動車を処分するよう口頭で指示した。 原告らは,これにも従わなかったため,処分庁は,同月14日,原告Aに対し,法27条に基づき,本件自動車の所有は認められないから同月30日までに売却などの処分をすることを文書で指示した(本件指示。 )(甲3,乙8)㨯原告Aは,その後も本件自動車を処分しなかったた 対し,法27条に基づき,本件自動車の所有は認められないから同月30日までに売却などの処分をすることを文書で指示した(本件指示。 )(甲3,乙8)㨯原告Aは,その後も本件自動車を処分しなかったため,処分庁は,平成16年7月7日,原告Aに対し,保護の停止等をしようとする理由,弁明すべき日時及び場所を記載した同月6日付けの弁明聴取通知書を交付した。 その後,同月9日,弁護士から,上記弁明聴取手続に原告Aの代理人ないし補佐人として出席ないし同席したい旨の申入れがあり,同月12日には,原告Aからも同様の要望があり,委任状も提出されたが,処分庁は,同弁護士に対し,弁明聴取手続において代理人は認められず,補佐人としての同席も認められない旨回答し,同月13日,原告Aのみが出席して弁明聴取手続を実施した。 原告Aは,同手続において,原告BはE病院との信頼関係があるため転院 はできないこと及び原告Aの通院や買い物等に本件自動車が必要であることから,本件自動車を処分できない旨を主張した。 (甲4,同9,同10,乙8(57ないし59,81ないし94頁))㨯処分庁は,同年8月2日,原告Aに対し,本件指示違反を理由に,同年9月1日付けで指示事項(本件自動車を処分すること)を履行するまで保護を停止するとの処分をする方針を決め,同年8月19日付けで,本件処分を行い,同日,その旨の保護決定通知書を交付した。 保護停止後,原告らは,他から生活費を借りるなどして生活していたが,その金額は保護費の半分程度であったため,食事や風呂の回数を減らすなどし,電気料金については同年2月から,家賃及びガス料金については同年3月から滞納するに至った。 その後,処分庁は,原告Aに対し,平成17年4月11日付けで,原告らの健康状態の悪化等による急迫状態を理由に保護停止を解除し,保護 2月から,家賃及びガス料金については同年3月から滞納するに至った。 その後,処分庁は,原告Aに対し,平成17年4月11日付けで,原告らの健康状態の悪化等による急迫状態を理由に保護停止を解除し,保護を再開することを決定し,同日,原告Aに対し,保護決定通知書を交付し,保護を再開した。 (甲7,同19,同20,乙3,同8(60,66,74ないし78頁,)原告A本人,原告B本人)㨯本件指示当時,原告Bは,骨増殖症,後縦靱帯骨化症等に罹患し,肢体不自由のため障害者等級2級に認定され,歩行は転倒の危険が高く介助が必要であり,転倒した場合に自力で起きあがるのは不可能であり,基本的に車いすで生活して,週1回,E病院に通院し,リハビリ治療を受けていた。E病院でリハビリに使用している器具・設備等はすべて基本的なものであって,原告らの住居に近いF病院でも同様のリハビリを実施することは可能であったが,原告Bは,前記のような経緯からF病院においては病名が判明せず,E病院で初めて正しい診断治療を受けたと考えていたことから,E病院でのリハビリを継続したいとの強い希望を有していた。 他方,原告Aは,左肥大型心筋症を有し,また,左下肢に静脈血栓症があって,長時間の歩行や階段,坂道を上ると心臓や左下肢の負担により体調が悪化することがあり,これらの症状のため原告ら方から車で10分程度の距離にあるG病院にも4週間に1度程度通院し,病状によりさらに頻回に通院しており,さらに上記左下肢静脈血栓症に基づく皮膚炎の治療についえてはG病院には診療科がないためE病院に4週間に1回通院していた。 原告らは,本件自動車を上記各通院に利用していたほか,日々の買い物や外出のために週4,5日程度利用していた。原告Aは,左足が不自由な状態にあり,原告Bの車いすを押して移動するのは自宅前 院していた。 原告らは,本件自動車を上記各通院に利用していたほか,日々の買い物や外出のために週4,5日程度利用していた。原告Aは,左足が不自由な状態にあり,原告Bの車いすを押して移動するのは自宅前の駐車場程度に限られていた。原告らの住居付近は,緩やかではあるが坂道となっており,原告Bが車いすを利用することや,原告Aがこれを押して移動することにも困難が伴うものであり,また,原告らの住居から最寄りのバス停(写真撮影報告書(乙26)の⑪)まで約400メートルの距離があった。 本件指示の時点で,本件自動車は全く処分価値がなく,むしろ処分する場合には1万円程度の費用を原告らが負担しなければならないものであった。 また,本件自動車の維持費として,原告らは,毎月,4500円の駐車場代や4000ないし5000円程度のガソリン代のほか,車検代金や自賠責保険料の支払(すべて合わせて月1万2000円程度)を支出していた。 原告Bは,前記障害により,保護費の加算を受けていた。 (甲19ないし21,乙8,同12の1ないし3,同26,原告A本人,原告B本人) 争点1(本件処分の違憲性・違法性及びこれによる損害)について㨯本件処分の違憲性・違法性についてア幸福追求権に関する主張についてまず,原告らは,移動等のために自動車を使用することは,幸福追求権の一内容(憲法13条)であり,とりわけ高齢者や身体障害者は,自動車 の利用によって生活の不便さやハンディキャップを一定程度補うことが可能となるのであるから,必要に応じて自動車を利用することなくして「健康で文化的な最低限度の生活(憲法25条1項)を維持できない旨を主」張する。 しかし,証拠(乙6)によれば,全国の乗用車世帯保有率は,平成15年が79.2パーセント,平成17年が78.8パーセントであり,約8, 度の生活(憲法25条1項)を維持できない旨を主」張する。 しかし,証拠(乙6)によれば,全国の乗用車世帯保有率は,平成15年が79.2パーセント,平成17年が78.8パーセントであり,約8,,割に近い世帯が乗用車を保有しているもののこれを所得階層別にみると最低所得者層は平成15年が49パーセント,平成17年が48パーセントにとどまることが認められ,これによれば,自動車の保有に関しては,所得階層間で差があり,特に低所得者層にとっては,自動車は依然として高価品であるといわざるを得ない。 また,高齢者や身体障害者にとって,自動車の利用が,移動困難というハンディキャップを克服するための格別の意義を有することは首肯できる,(,,,),一方 証拠 甲18乙5同11同27及び弁論の全趣旨によれば高齢者や身体障害者については,その不自由等を補うため,公共交通機関の割引制度や介護,ヘルパー等といった様々な社会福祉制度が設けられていることが認められるから,自動車の利用が高齢者や身体障害者にとって一般的に不可欠であるとまではいえない。 以上によれば,自動車の使用が,幸福追求権として憲法13条で保障されているとまではいえず,また一般的に高齢者や身体障害者が自動車の利用なくして「健康で文化的な最低限度の生活(憲法25条1項)を維持」できないとも認められない。 イ資産の換価可能性に関する主張について次に,原告らは,法4条1項に基づき被保護者が有する「資産」につき換価等の処分をすることが求められる場合,それは処分によって得られる対価を最低限度の生活の維持に役立てることを前提としているから,そこ でいう「資産」は換価性のあるものでなければならず,本件自動車のように処分価値がなく換価性のない資産についてまで保有を認めないとの運用 限度の生活の維持に役立てることを前提としているから,そこ でいう「資産」は換価性のあるものでなければならず,本件自動車のように処分価値がなく換価性のない資産についてまで保有を認めないとの運用を,同条から導くことはできない旨主張する。 この点,法4条1項は,保護は,生活に困窮する者が,その利用し得る資産,能力その他あらゆるものを,その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる旨規定しており,これは,生活保護実施のための基本的な要件を定めたものであり,資本主義社会における自己責任原則との関係で,自らの力で最低限度の生活を維持することができない場合に初めて生活保護が行われるべきであるといういわゆる「補足性の原理」を明らかにしたものと解される。すなわち,同条は,生活保護を受けるためには,その有する資産をまず売却し,当該代金を生活費に充当するなどすることを求めており,これに関連する本件次官通知3は「最低生,活の内容としてその所有又は利用を容認するに適しない資産は,次の場合を除き,原則として処分のうえ,最低限度の生活の維持のために活用させること」としており,法4条1項及び本件次官通知3にいう「資産」とし,。 ては第一義的には処分価値のあるものを想定していることは確かであるしかし,他方で,要保護者が処分価値のないものを利用して生活している場合であっても,そのものの使用や保有により,定期的に一定の費用の支出を強いられるような場合には,当該物品の保有を認めることが「補足性の原理」に反することは明らかであるし,そもそも最低限度の生活の需要を満たしつつ,かつ,これを超えない範囲で保障しようとする法の趣旨(法1条,8条)も併せ考慮すると,生活保護の実施に当たっては,その時点の社会情勢や国民感情にもかんがみて,被保護者に当該物の所 需要を満たしつつ,かつ,これを超えない範囲で保障しようとする法の趣旨(法1条,8条)も併せ考慮すると,生活保護の実施に当たっては,その時点の社会情勢や国民感情にもかんがみて,被保護者に当該物の所有を許すことが最低限度の生活として容認できるか否かという観点からの検討も必要であって,本件次官通知3が「所有又は利用を容認するに適しない,資産」としているのも,その趣旨を表したものと理解することができる。 したがって,法4条1項にいう「資産」が「最低限度の生活の維持のために活用」されているかどうかの判断に当たっては,処分価値の有無という観点のみならず,法の趣旨にかんがみ,当該資産を所有するために一定の経済的支出を行うことや当該資産を利用することで一定の利益を得られることが「最低限度の生活」として容認できるかどうかということも含,めてその所有の可否が検討されるべきである。 これを自動車についてみた場合,前記説示の低所得者層における保有率や自動車の利便性に加え,燃料費,車検等の点検整備費,駐車場代,自賠責の保険料といった維持費等の負担は,一般的には相当額に上ると考えられるから,本件自動車が処分価値がなく換価性のない資産であることのみをもって,当然にその所有が認められるとまではいえない。 よって,この点に関する原告らの主張は,採用することができない。 ウ適正手続に関する主張について原告らは,前記第2の3㨯ア㨯のとおり,本件処分の手続が,適正手続でない旨主張する。 しかしながら,法62条5項によれば,同条3項の規定による処分につき行政手続法3章の規定は原則として適用しない旨を規定しており,同条3項の規定による本件処分に,行政手続法15条,16条及び20条等の規定は適用されないから,弁明手続に弁護士(代理人)を出席ないし同席させる必要があっ 定は原則として適用しない旨を規定しており,同条3項の規定による本件処分に,行政手続法15条,16条及び20条等の規定は適用されないから,弁明手続に弁護士(代理人)を出席ないし同席させる必要があったとは解されないし,前記認定のとおり,処分庁は,原告Aに対し,平成16年7月7日,法62条4項に基づき,処分をしようとする理由,弁明すべき日時及び場所を明記した同年7月6日付けの弁明聴取通知書を交付していることからすれば,被告に本件処分に当たっての手続において,被告に国家賠償法上違法な行為があったとは認めるに足りないというべきである。 エ本件課長通知の要件について 上記ア,イのように解したとしても,法4条の解釈において,一律に自動車の保有が許されないと解されるものではなく,これに関しては,本件課長通知が詳細な要件を定めており,従前,処分庁においては,これに基づいた運用がなされてきたところ,この基準自体は一応の合理性を有するものと考えられるので,本件において,本件課長通知の定める要件を充足するか否かを検討することとする。そして,本件課長通知の要件①,③及び⑤を充足することは,当事者間に争いがないから,以下,要件②及び④を充足するか否かについて検討する。 㨯要件②についてa前記認定事実によれば,原告Bは,保護開始前である平成12年3月E病院に入院し,退院してからも,治療,リハビリ,治験のため同病院に通院するなどし,本件指示当時は,週1回の通院をしていたこと,同病院は,原告ら方から片道約15キロメートルのところに位置,,,,していること同原告は骨増殖症後縦靱帯骨化症等の病気を患い肢体不自由のため障害者等級2級であり,歩行は転倒の危険が高く介,,助が必要であり転倒した場合に自力で起きあがるのは不可能であり基本的に車いすで生 と同原告は骨増殖症後縦靱帯骨化症等の病気を患い肢体不自由のため障害者等級2級であり,歩行は転倒の危険が高く介,,助が必要であり転倒した場合に自力で起きあがるのは不可能であり基本的に車いすで生活していることに加え,原告ら方付近は坂道であ,(()り原告ら方から最寄りと思われるバス停写真撮影報告書乙26の⑪)まで400メートル前後近くあることなどの事情が認められ,これらを総合すれば,本件指示及び本件処分当時,原告BがE病院に通院するに際し,タクシー及び公共交通機関を利用することが著しく困難であったことは明らかであって,本件自動車による以外に通院等を行うことが極めて困難であることが明らかに認められたというべきである。 b被告は,原告Bの通院は治療ではなく,リハビリ目的であり,リハビリはE病院ではなくF病院や自宅でも可能であり,同病院へも介護 タクシー等による通院が可能であるから,公共交通機関による通院が著しく困難であるとはいえない等と主張する。 しかしながら,本件課長通知に定める「通院」は,障害者が現に行っている通院と解するのが,同通知の文理に沿うものであり,被告がいうように,他の病院への転院等の可否をも考慮しなければならないとの要件をも規定していると解するべきではないと考えられる。被告は,移送費について,必要最小限とすべきことが定められている等と主張するが,自動車保有については新たな保護費の支出を伴うものではないからこれと同様に解する必然性はないし,仮に同通知の趣旨がそう定めているものであるとすれば,後記のような医療行為の性質等に照らし,少なくとも,自動車保有要件の解釈に関する限り,合理性を欠くというべきである。 また,通院は,その目的が積極的治療であるか,機能維持のためのリハビリテーションであるかを問わず,医療上 質等に照らし,少なくとも,自動車保有要件の解釈に関する限り,合理性を欠くというべきである。 また,通院は,その目的が積極的治療であるか,機能維持のためのリハビリテーションであるかを問わず,医療上必要があれば行わなければならないものであり,本件課長通知にいう「通院」にリハビリ目的を含まないと解するべき根拠もない。 ,,,さらに医療行為は人の生命身体に関わる重要なものであるから本来,患者は,どの病院において,どのような治療,リハビリ等の医療行為を受けるかについて,自ら選択し決定する権利を有するというべきであり,また,その実施に当たっては,医師と患者との信頼関係が極めて重要であることも多言を要しないところである。 これらのことは当該患者が被保護者である場合においても基本的に異なるものではないというべきである。もとより被保護者が,自動車保有を目的として,殊更遠方の病院に通院するといったような場合にまで,その選択権が保護されるべきとは解されないものの,少なくとも,その者が通院を希望する病院が同人の住居から最寄りの病院では なかったとしても,それが合理的といえる距離の範囲内に存在し,かつ,当該病院への通院の希望が合理的な理由に基づくものであれば,当該希望は保護を実施する上で尊重されなければならないと解するべきである。 これを本件についてみると,原告Bは,E病院に,生活保護が開始される以前に入院し,その後通院していたもので,自動車保有を目的として殊更遠距離の病院に通院しようとしているものとは到底認められないし,同病院は,原告らの住居から不合理なほど遠距離にあるとはいえず,原告Bが同病院でのリハビリを希望する理由は,以前,F病院では病名が判明せず,E病院で正しい診断,治療を受けることができたと考えており,同病院に対し信頼を寄せているこ なほど遠距離にあるとはいえず,原告Bが同病院でのリハビリを希望する理由は,以前,F病院では病名が判明せず,E病院で正しい診断,治療を受けることができたと考えており,同病院に対し信頼を寄せていることによるものであることが認められ,このような理由で通院を希望することが不合理であるともいえないから,その希望は尊重されるべきといえ,F病院への通院を前提とすべきという被告の主張は採用することができない。 また,要件②にいう「公共交通機関」にはタクシーや介護タクシーが含まれる旨の被告の主張についてみても,仮にこれにタクシーや介護タクシーを含むとすると,タクシーは全国どの地域においても営業しており,介護タクシーについても全国平等にくまなくサービスが受けられるものであるから(甲42,要件②は無意味なものとなって)しまうこと等からすれば,上記「公共交通機関」にタクシーや介護タクシーは含まれないと解するのが相当である(甲46。なお,この)点をおいて,仮に,被告のような解釈を採用するとした場合でも,上記に述べたことからすれば,タクシー利用が経済的に困難である場合は,公共交通機関の利用が困難であると解するほかはなく,いずれにしても,本件において原告らの住居と病院との距離を考慮すれば,被 告主張のタクシー券の交付等の諸施策を考慮したとしても,原告Bの通院にタクシーを利用することは経済的に困難であり,したがって,これに公共交通機関を利用することは著しく困難であったということができるのであって,被告の主張は採用することができない。 c以上のとおり,本件は要件②に該当すると認められる。 㨯要件④についてa前記認定事実によれば,原告らは,本件自動車の維持費として1か月当たり1万2000円程度を保護費から捻出していたことが認められるところ,本件指示 件②に該当すると認められる。 㨯要件④についてa前記認定事実によれば,原告らは,本件自動車の維持費として1か月当たり1万2000円程度を保護費から捻出していたことが認められるところ,本件指示及び本件処分当時の要件④によれば,自動車の維持費については,他からの援助や他施策の活用等により確実に賄われることを要件としており,本件処分当時保護費のやり繰りで賄うことは予定されていなかった。 しかしながら,障害者の場合には,そのことによる特別な必要性に応じて保護費の加算がなされており,その必要性には移動等に要するものも含まれていると解され,前記認定のとおり,原告Bは障害者であり,保護費の加算もされていることからすれば,上記程度の額を保護費によって賄ったからといって,他施策の活用等によって賄われることを認めている上記要件④の趣旨に実質的に反するものとはいえず,原告らの本件自動車の保有については,本件課長通知の要件を充足するものと解するべきであり,仮に形式的にはこれに該当しないと解するとしても,要件④以外の要件はすべて充足している本件にあっては,その余の事情を考慮するまでもなく,要件④をも充足している場合に準じて,同通知上の「自動車の保有を認めることが真に必要であるとする特段の事情」があったと解するべきである。 b被告は,平成20年4月の改正により要件④に関する本件課長通知の改正があったが,これは本件指示及び本件処分の違法性を左右しな いと主張する。 しかしながら,本件課長通知は,それ自体法源として裁判所を拘束するものではなく,法の解釈運用に関する行政上の通知であると解され,この点について法自体が改正されたものではなく,本件指示及び本件処分当時と平成20年とで,法解釈の前提となる社会的環境等が著しく変化したとも認められないから,上記a する行政上の通知であると解され,この点について法自体が改正されたものではなく,本件指示及び本件処分当時と平成20年とで,法解釈の前提となる社会的環境等が著しく変化したとも認められないから,上記aのような観点から平成16年当時の自動車保有の要件を検討することは何ら妨げられないものと解される。なお,改正前の通知の規定に基づいて公務員が行った行為について,過失があったといえるかどうかは後記のとおり別論である。 㨯小括そうすると,処分庁は,原告らについて,本件自動車の所有を容認すべきであったにもかかわらず,本件自動車の所有は認められないと判断して,本件指示をしたのであるから,本件指示及びこれを前提とした本件処分は違法であり,取消しを免れない。 オ本件処分の相当性について㨯法27条は,保護の目的達成に必要な指導又は指示は,被保護者の自,,由を尊重し必要の最小限度に止めなければならないことを定めておりまた,保護の実施機関が法62条3項を適用するに当たっても,指導又は指示の内容,違反の程度,保護の停止等の必要性等に応じ,必要最小限の内容としなければならないものと解される。 そして,前記のとおり,この点に関連する問答第7は,文理上は,指導ないし指示が比較的軽微な場合には,保護の変更により,これによることが適当でない場合は保護を停止することと定めているのであるが,指示が比較的軽微とはいえない場合であっても,保護の停止は,被保護者の実情によっては,直ちにその生活を困窮させる場合も少なくないと 考えられるのであるから,その適用に当たっては,極めて慎重であるべきであり,同問答に定める停止と廃止との関係と同様に,まず保護の変更により,なお従わない場合は停止によることも可能であると考えられる。 本件においては,前記のとおり実質的に自動車保有 て慎重であるべきであり,同問答に定める停止と廃止との関係と同様に,まず保護の変更により,なお従わない場合は停止によることも可能であると考えられる。 本件においては,前記のとおり実質的に自動車保有の要件を満たすものであった点をおくとしても,原告らの行為は,換価価値のない自動車を障害者である原告Bの通院のために用いる必要があるとして本件指示に従わなかったにすぎないものであり,通院や移動に要する費用やサービスを新たに要求したわけではなく,何ら虚偽の申告をしたり,不正の手段を用いていたわけでもないのであって,指示の違反が比較的軽微でないとすることには疑問があるし,これを比較的軽微でなかったと解するとしても,原告らは保護の停止によって直ちに困窮状態に陥ることは容易に予想される状況にあったと考えられるから,その実情を十分考慮せずに本件処分を行い,その結果,原告らは実際に著しい生活の困窮状態に陥ったことからすれば,本件処分は,相当性を欠き,法62条3項に反し,違法であったというべきである。 㨯被告は,処分庁は,原告らに対し,本件自動車を処分するよう粘り強い指導をしてきたもので,原告はこれに従う意思がないことを明らかにしており,本件指示自体,決して軽微とは言い難いものであることからすると,原告らに対して本件指示の遵守を望むには生活保護の停止を選択したことはやむを得なかった等と主張する。 しかしながら,上記㨯に述べたように本件指示を軽微と言い難いとする点には疑問があるし,少なくとも,本件処分は,違反行為の性質,態様と処分の軽重の均衡を欠くものであったというべきであり,前記認定のとおり,処分庁が長期間にわたり,原告らに指示を繰り返し,ねばり強く指導してきたものであるとは認められるが,そのことをもって,上 記違法性が治ゆされるものとは考え難く, うべきであり,前記認定のとおり,処分庁が長期間にわたり,原告らに指示を繰り返し,ねばり強く指導してきたものであるとは認められるが,そのことをもって,上 記違法性が治ゆされるものとは考え難く,被告の上記主張は採用できない。 㨯損害賠償請求についてア前記㨯エの行為についてある事項に関する法律解釈につき異なる見解が対立し,実務上の取扱いも分かれていて,そのいずれについても相当の根拠が認められる場合に,公務員がその一方の見解を正当と解しこれに立脚して公務を執行したときは,後にその執行が違法と判断されたからといって,直ちに上記公務員に過失があったものとすることは相当ではない(最高裁昭和46年6月24日第一小法廷判決・民集25巻4号574頁等参照。 )これを本件についてみると,証拠(甲14,16の1・2,乙17の1・2,19ないし23,25,証人藤村修)及び弁論の全趣旨によれば,本件処分当時,本件課長通知は,被保護者の自動車保有の許否を判断する,(),,ための一般的な基準であったこと処分庁本件事務所は本件につき自動車を所有したい旨の希望がある他の保護ケースの場合と同様に,本件課長通知によりその可否を判断し,5つの要件のうち,要件②,要件④を充足しないとして本件指示を行ったこと,前記㨯のとおり,これらの要件の該当性については,平成16年の当時は,被告主張のような解釈にも相当の根拠があり,少なくとも,本件指示の時点で要件④に該当するとの判断を処分庁ないし本件事務所職員に求めるのは酷にすぎるというべきであり,本件課長通知が「その保有を認めることが真に必要であるとする特段の事情」との表現を用いて,特段の事情を極めて限定的に規定していることをも考慮すると,これに該当するとの判断をすべきであったともいえないから,本件におい の保有を認めることが真に必要であるとする特段の事情」との表現を用いて,特段の事情を極めて限定的に規定していることをも考慮すると,これに該当するとの判断をすべきであったともいえないから,本件において,処分庁が本件指示をしたことにつき過失があったとはいえない。 イ前記㨯オの行為について 他方,処分庁が本件指示違反を理由として本件処分を行ったことについて,相当性を欠く違法があったとの点についてみると,この点も一応は問答第7に基づくもので,被告主張の解釈に相当の根拠があったとみることもできるのではないかとの疑問もあるが,アに述べたところとは異なり,この点の判断は,被保護者である原告らの生活の困窮に直結するものであって,特に慎重な判断を要する点であって,処分庁が原告らの実情を十分把握していたことからすれば,処分庁としては,原告らに対して指示違反を理由とする不利益処分を課す場合であっても,保護の変更等のより軽い処分で対応すべきであったのに,直ちに保護処分を停止したのは相当性を欠く違法な処分であったといわざるを得ず,このような違法な本件処分をしたことについて,処分庁には過失があったというべきである。 ウ損害額について,,,そして前記認定のとおり保護停止の期間が約7か月強に及んだことその間の原告らの生活は困窮し,食事を詰め,光熱費等を滞納するなどといった状況にまで至ったこと,その他本件に現れた一切の事情を考慮するとき,本件処分によって原告らが被った精神的苦痛を慰謝するには各30万円が相当である。 エ被告の主張について,,,,被告は本件指示本件処分ともに適法かつ相当であり本件処分後も本件事務所職員は,原告らの生活状況等を把握しており,原告らの健康状態の悪化等による急迫状態を知って直ちに本件処分を解除した等と主張する。 は本件指示本件処分ともに適法かつ相当であり本件処分後も本件事務所職員は,原告らの生活状況等を把握しており,原告らの健康状態の悪化等による急迫状態を知って直ちに本件処分を解除した等と主張する。 しかしながら,少なくとも,本件処分は相当性を欠き,国家賠償法上も,,,違法であり過失も認められることは前記㨯及び上記イのとおりであり処分庁が,原告らの状況を把握し,急迫状態を知って直ちに本件処分を解除したとしても,その間原告らが生活に困窮し,不健康な生活を余儀なく されたことは明らかであり,損害がなかったともいえないのであって,被告の上記主張は採用することができない。 争点2(生活保護の申請不受理及びこれによる損害)について㨯 判断 生活保護法実施規則2条によれば,保護開始の申請は書面を提出して行わなければならないとされているところ,前記認定事実のとおり,原告Aが生活保護の申請書を提出して,申請を行ったのは平成12年11月7日であって,同年8月31日には申請行為には至らなかったものというべきであり,本件全証拠によっても,処分庁において,原告Aに申請意思があったのにこれを受理しなかったとは認めるに足りない。 㨯原告らの主張について原告らは,同Aが,平成12年8月31日に本件事務所を訪れ,明確に生活保護を受けさせて欲しいと依頼したにもかかわらず,処分庁(本件事務所職員)がこの事実を無視して相談扱いとし,申請日を同年11月7日に遅らせたと主張し,原告Aも,同年8月31日に本件事務所を訪ねた際には申請書を交付されなかった等と上記主張に沿う供述をする。 しかしながら,前記認定のとおり,本件事務所職員は,同日原告Aに申請書を交付したものと認められるのであり,これを否定する同原告の供述は,本件事務所職員から多数の書類への記載を求められたが 述をする。 しかしながら,前記認定のとおり,本件事務所職員は,同日原告Aに申請書を交付したものと認められるのであり,これを否定する同原告の供述は,本件事務所職員から多数の書類への記載を求められたが,その内容を良く覚えていない等と,あいまいな部分を含むものであって,採用することができない。 また,前記認定のとおり,原告Aは,平成11年11月2日に一度申請書を提出して保護申請を行っており,申請書提出の必要性を十分認識していたと推認できるし,平成12年8月末時点では,原告らは転居を予定していたため,本件事務所職員は,病名や稼働能力に関する聴取を行うとともに,転居完了後来所するように原告Aに伝えたところ,原告Aもこれに納得して, その日は生活保護の申請をせずに帰宅したものと考えるのが自然である。さらに,その後の経緯を見ても,同年10月24日,原告Aから転居の報告がなされ,その後間もない時点で,本件事務所職員が原告Aの入院先に出向くなどして同原告の申請が受理されているのであるから,本件においては,本件事務所が殊更生活保護の開始を遅らせるため,原告Aに生活保護申請の意思があるのにあえて受理せず相談扱いにしたとまでは認めるに足りないそ,(の意味で,本件は,申請の意思が明らかである者に対し相談扱いなどとして申請書を交付しないで申請させず申請前の相談の段階で厳しく受給者を絞り込んだという事案と同視することはできない。 。)よって,この点に関する原告らの主張には理由がない。 争点3(本件移転料の収入認定及びこれによる損害)について㨯 判断 本件次官通知7及び別冊問答352によれば,公営住宅拡張に伴い入居者が転居する際にそれに要する費用が支給された場合,転居に伴って必要な移。 ,送費及び敷金等の実費の範囲内に限り収入認定されないこととなる 官通知7及び別冊問答352によれば,公営住宅拡張に伴い入居者が転居する際にそれに要する費用が支給された場合,転居に伴って必要な移。 ,送費及び敷金等の実費の範囲内に限り収入認定されないこととなるそして本件において原告らが受領した移転料28万0800円のうち,少なくとも18万3600円については,これが移転のための必要な費用として現実に支出したものとは認められないから,同額を収入認定したことが違法とはいえない。 㨯原告らの主張についてア原告らは,本件事務所職員は,原告らの住居内で購入の事実やその必要性を調査すればそれを十分確認でき,金額についても調査して職権で認定すればよく,領収証がないだけで戻入れを行ったのは不当である旨主張する。 しかし,そもそもこのような実費の支出の認定に当たり,支出した者がこれを申告し,裏付けとして領収証を提出すべきことはある意味当然のこ とであるし,前記認定のとおり,本件事務所職員は,原告らに対して,転居にかかった費用の領収書等を提出するよう指示していたにもかかわらず,原告Bは手書きのメモを作成したのみであり,同メモに記載された支出の内訳と金額自体,その正確性に疑いを生じさせるものであったから,実費の支出が認められないとして収入認定をした処分庁の取扱いが違法であったとはいえない。のみならず,処分庁(本件事務所職員)は,網戸代4万円については領収証がなくても収入認定から除外していること,領収証のないカーテン代についても収入認定の是非につき判断に迷ったことがうかがわれる記載があること(乙8(31頁)等からすれば,本件事務)所職員は,領収証がないことのみで収入認定をしているのではなく,一応の調査をした上で収入認定の有無を決定したことがうかがわれるところであり,原告らの上記主張は採用できない。 ,, ば,本件事務)所職員は,領収証がないことのみで収入認定をしているのではなく,一応の調査をした上で収入認定の有無を決定したことがうかがわれるところであり,原告らの上記主張は採用できない。 ,,,()イまた原告らは仮に収入認定するにしても処分庁本件事務所職員が本件移転料について確認したのは平成14年7月31日であるから,同年5月に支給された移転料の戻入処理はできず,法63条による返還決定を行わなければならなかった旨主張する。しかしながら,このような場合が本件局長通知及び別冊問答447㨯の想定する場合であるかどうか,また,法63条によった場合と比較して原告らに損害が生じたといえるかについては疑問がある上,仮に,処分庁に手続選択の誤りがあって,原告らに損害賠償請求権が発生したと見る余地があるとしても,以下のとおり,原告の請求権は時効により消滅しているから,原告らの主張には理由がないことに帰する。 すなわち,民法724条(国家賠償法4条)の「被害者…が損害及び加害者を知った時」とは「被害者において,加害者に対する損害賠償が事実上可能な状況の下に,その可能な程度にこれらを知った時を意味する」と解すべきであるところ(最高裁平成14年1月29日第三小法廷判決・民 集56巻1号218頁,前記認定事実及び証拠(乙8)によれば,原告)らは,平成14年10月以降保護費が1万5000円も減額される状態が約1年にわたり続いていたこと,平成13年1月15日以降継続的に代理人に相談に行っていることが認められ,原告らは,遅くとも保護費の減額が終了し控除のない平成15年11月分の保護費が支給された同年10月31日の翌日である同年11月1日から3年間が経過したことで,原告らの請求権は時効により消滅したというべきである。 争点4(扶助費増 了し控除のない平成15年11月分の保護費が支給された同年10月31日の翌日である同年11月1日から3年間が経過したことで,原告らの請求権は時効により消滅したというべきである。 争点4(扶助費増額の失念及びこれによる損害)について㨯 判断 原告らの居住していたh団地の賃料は平成18年6月に2万0800円から2万4300円に増額されたところ,原告Aは,平成18年10月27日になって初めて,この家賃増額の事実を本件事務所職員に申告したところ,処分庁は,生活保護手帳別冊問答447㨯の運用に基づき,同年9月1日付けで,原告Aの住宅扶助費の認定を変更したものであって,特に違法な点は存しない。 㨯原告らの主張についてア原告らは,同年7月ころ,本件事務所職員に対し増額の事実を告げたにもかかわらず,同職員がこれを失念して住宅扶助費の変更を行わなかった旨主張し,原告Aもこれに沿う供述等をする。 しかし,ケース記録(乙14(16頁)には,平成18年10月27)日に家賃が上がった話を初めて聞いた旨の記載がある上,原告Aは,これまでの家賃増額の際に家賃の決定通知書をその都度見せたことがない等と供述するが(原告A本人,証拠(乙8(31,42頁)によれば,原))告Aは,平成14,15年度の家賃増額の際は同決定書を本件事務所に提出していたことが認められることからすると,上記供述をにわかに信用す。 ,(()),,ることはできないそして 証拠 乙148頁によれば原告Aは 平成17年6月の家賃改定についても,届出を失念し,同年12月28日になって初めてその旨を申告したことが認められることからすると,平成18年の家賃改訂についても,ケース記録の記載どおり,原告Aは,同年10月27日になって初めて,同年度の家賃増額の事実を申告したものと なって初めてその旨を申告したことが認められることからすると,平成18年の家賃改訂についても,ケース記録の記載どおり,原告Aは,同年10月27日になって初めて,同年度の家賃増額の事実を申告したものと推認するのが相当であるのであって,原告らの主張には理由がない。 イまた,原告らは,処分庁は,平成14年7月31日に今後6年間家賃が段階的に上昇することを確認しており,本件事務所職員は,原告らからの申告がなくとも家賃増額の事実を把握し得た旨主張するが,将来的な家賃上昇の予定を把握していたからといって,直ちに具体的な個別の家賃上昇の事実を把握できたということはできずこれにより原告らの申告義務法,(61条)が免除されるわけでもない。そもそも被保護者に申告義務を認めた同条の趣旨は,保護の実施機関の調査だけでは多数の被保護者の状態を把握するには限界があるので,被保護者からも必要事項を自発的に届出させることにより適正な保護及び実施を円滑に進めさせようとするところにあるから,原告Aからの申告がない段階で,処分庁において個別の家賃上昇の事実を調査して,それを住宅扶助費の額に反映させる義務が課せられているものとは解することはできず,原告の主張には理由がない。 訴えの追加的変更について,,,なお原告らは平成21年3月9日付け訴えの追加的変更申立書をもって①重度障害者加算の不支給を理由とする69万9720円,②特別障害者手当の不支給を理由とする5万3040円,③家族介護料の不算定を理由とする114万1610円,④治験代の不法な収入認定を理由とする4万2000円の各損害賠償請求の追加的変更を申し立てたが,従前の請求との間に請求の基礎の同一性があるとは認められないし,人証調べを既に終えた後,弁論終結の直前に初めて申し立てたものであることからすれば,新 0円の各損害賠償請求の追加的変更を申し立てたが,従前の請求との間に請求の基礎の同一性があるとは認められないし,人証調べを既に終えた後,弁論終結の直前に初めて申し立てたものであることからすれば,新たな主張,立証等により著しく訴訟手続を遅滞させることとなることは明らかであるから,却下するこ ととする。 結論 以上によれば,原告らの請求は,本件処分の取消し及びそれぞれ30万円の賠償を求める限度で理由があるからこの範囲でこれを認容し,その余の部分は理由がないからこれを棄却することとし,訴訟費用の負担につき行訴法7条,民訴法61条,64条本文,65条1項本文を適用して,主文のとおり判決する。 福岡地方裁判所第3民事部裁判長裁判官増田㨯久裁判官橋爪信裁判官舘野俊彦は,転補につき,署名押印することができない。 裁判長裁判官増田㨯久

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