【DRY-RUN】主 文 本件控訴を棄却する。 理 由 弁護人坂谷由太郎の控訴趣意は別紙記載のとおりである。 第一点について、 原裁判所が、被告人において原審相被告人A株式
主文 本件控訴を棄却する。 理由 弁護人坂谷由太郎の控訴趣意は別紙記載のとおりである。 第一点について、原裁判所が、被告人において原審相被告人A株式会社の業務に関し、昭和二十三年五月中旬頃B外三名からその生産に係る一等検鰊粕合計三十四俵を四回に亘つてそれぞれ物価庁告示を以て指定された製造業者販売価格の統制額を超えた代金で買い受けることの契約をなした旨の公訴事実について、審判の請求を受けたことは本件記録に徴し明白であるから、論旨は理由がない。 第二点について、被告人が昭和二十三年五月中旬頃原判示の人々から判示鰊粕をそれぞれ当時の製造業者販売価格の統制額(むしろ包正味三十七、五キログラム当六百九十二円)を超え、近く改定増額せらるべき統制額で代金を精算することとし、その内払金として一俵につき金二千円を支払つて、これを買い受けることの契約をなしたこと原判<要旨>文上明瞭で、この事実は、原判決挙示の証拠によつてこれを認めるに足りる。されば被告人が近く改定増額せ</要旨>らるべき統制額(昭和二十三年八月十四日物価庁告示第六百七十三号を以て製造業者販売価格の統制額は中味売正味三十七、五キログラム当千四百九十八円十銭、なお包装込とする場合の価格は莚包三十七、五キログラム一俵につき四十七円十銭を加算した額と増額されたことは当裁判所に顕著である)が、よし契約当時数字的に明確でなかつたとしても、契約当時の統制額を超える額に増額せらるべきことを承知の上で、その額を代金として買い受けることの契約をなした以上、物価統制令第三条にいわゆる「統制額を超えてこれを契約し」に該当するものと解するを相当とする。従つて、被告人の原判示所為につき、物価統制令第三条第四条第三十三条等を適用した原判決は正当で、原判決には所論の 令第三条にいわゆる「統制額を超えてこれを契約し」に該当するものと解するを相当とする。従つて、被告人の原判示所為につき、物価統制令第三条第四条第三十三条等を適用した原判決は正当で、原判決には所論のような違法が存じないから論旨はこれを採用しない。 第三点について、物価統制令にもとづく昭和二十二年十一月二十五日物価庁告示第千五十三号(魚粕等の販売価格の統制額指定の件)が同二十三年八月十四日物価庁告示第六百七十三号(魚粕等の販売価格の統制額指定の件)によつて、又同告示が同二十五年四月二十日物価庁告示第三百三号によりいづれも廃止されたが、右販売価格の統制額指定の告示の直接規定するところは、魚粕等の販売価格の統制額であつて、これ等告示の廃止は要するに魚粕等の販売価格についての統制額の指定の廃止であつて、直接に刑罰法規の廃止でない。従つて右告示の廃止を以て、直ちに刑の廃止があつたものということができない。されば原審が本件につき、刑法第六条又は刑事訴訟法第三百三十七条第二号を適用し、被告人に対し無罪又は免訴の判決の言渡をしなかつたのは正当で論旨は理由がない。 第四点について、本件記録及び原審において取り調べた証拠に現われている、弁護人主張のような事情は勿論その他諸般の情状を考察するも原判決の量刑が必ずしも不当であるとは考えられないから、論旨はこれを採用しない。 よつて刑事訴訟法第三百九十六条により本件控訴を棄却することとし、主文のとおり判決する。 (裁判長判事黒田俊一判事猪股薫判事鈴木進)
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