-1-平成25年5月30日判決言渡平成24年(行コ)第395号各違法公金支出差止等請求控訴事件 主文 1 第1審被告の控訴に基づき,原判決主文第1項から第5項までを取り消す。 2 上記取消部分について,甲事件及び乙事件に係る第1審原告A,同B,同C,同D,同E,同F及び同G並びに丁事件に係る第1審原告Hの各請求をいずれも棄却する。 3 丙事件に係る第1審原告A,同B,同C,同D,同E及び同Iの控訴を棄却する。 4 訴訟費用は第1,2審を通じて第1審原告らの負担とする。 事実 及び理由第1 控訴の趣旨 1 第1審原告ら(1) 原判決中丙事件についての第1審原告ら敗訴部分を取り消す。 (2) 第1審被告は,Jに対し,2億3879万6050円及びうち6170万8350円に対する平成22年3月25日から,1959万8800円に対する同年4月16日から,1149万9000円に対する同月23日から,3981万9700円に対する同年11月16日から,5039万0200円に対する同月25日から,2149万6100円に対する同年12月25日から,3428万3900円に対する平成23年1月25日から各支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 2 第1審被告主文第1項及び第2項と同旨第2 事案の概要 1 本件事案の概要は,次のとおりである。 第1審原告らはいずれも山梨県南都留郡α村(以下「α村」という。)の住-2-民である。 甲事件は,第1審原告A,同B,同C,同D,同E,同F及び同Gが原告となって提起した事件である。この事件は,第1審被告が,α村と補助参加人K株式会社・同L株式会社・株式会社Mを構成員とするβ周辺学習等供用施設建設工事共同企業体との間において E,同F及び同Gが原告となって提起した事件である。この事件は,第1審被告が,α村と補助参加人K株式会社・同L株式会社・株式会社Mを構成員とするβ周辺学習等供用施設建設工事共同企業体との間において,同供用施設の建設工事請負契約(以下「本件図書館請負契約」という。)を締結するに当たり,その前提となる平成21年度予算及び契約締結に必要なα村議会の議決の双方について専決処分を行ったことに関して,甲事件に係る第1審原告らが,前記専決処分は地方自治法(以下「法」という。)179条1項の要件を満たさない違法なものであり,本件図書館請負契約は私法上無効であるから,これに関する公金の支出も違法・無効であると主張して,第1審被告に対し,法242条の2第1項4号により,主位的に,補助参加人K株式会社・同L株式会社・株式会社Mに対して,不当利得に基づき,支出した請負代金8億9775万円の支払請求をするよう求め,予備的に,Jに対して,不法行為に基づき,前記同額の損害賠償の支払請求をするよう求めた事案である。 乙事件は,甲事件と同じ第1審原告らが原告となって提起したものである。 この事件は,第1審被告が,Nをα村副村長,Oをα村監査委員に選任する旨の人事案件(以下「本件人事案件」という。)に関するα村議会の同意の議決につき専決処分を行ったことについて,乙事件に係る第1審原告らが,本件人事案件は専決処分の対象外であって,議会の同意のない副村長や監査委員の選任は無効であるから,これらの者に対する報酬の支払は違法な公金の支出であるなどと主張して,第1審被告に対し,主位的に,法242条の2第1項1号により,Oに対して支払われる監査委員としての報酬等の支出差止めと,同項4号により,N及びOに対して,不当利得に基づき,支払った報酬等(Nにつき合計1116万5008 的に,法242条の2第1項1号により,Oに対して支払われる監査委員としての報酬等の支出差止めと,同項4号により,N及びOに対して,不当利得に基づき,支払った報酬等(Nにつき合計1116万5008円,Oにつき合計53万3500円)の支払請求をするよう求め,予備的に,同号により,Jに対して,不法行為に基づき,前記-3-同額の損害賠償の支払請求をするよう求めた事案である。 丙事件は,第1審原告A,同B,同C,同D,同E及び同Iが原告となって提起したものである。原審においては,これに加えてPも原告に加わっていたが,同人は控訴に加わっていない。この事件は,第1審被告が,平成21年度及び平成22年度予算に基づいて,住民に対し住宅防音補助事業に関する補助金(以下「本件補助金」という。)を交付したことについて,丙事件に係る第1審原告らが,本件補助金の交付は法232条の2の公益上の必要性を充足していないから違法な公金の支出であるなどと主張して,第1審被告に対し,法242条の2第1項4号により,Jに対して,不法行為に基づき,支出した2億3879万6050円相当の損害賠償の支払請求をするよう求めた事案である。 丁事件は,第1審原告Hが原告となるものである。この事件は,第1審被告が,α村と補助参加人株式会社Q・同株式会社R・同株式会社Sを構成員とする平成21年度村道γ線道路改良工事共同企業体との間において,平成21年度村道γ線道路改良工事請負契約(以下,平成21年度村道γ線道路改良工事を「本件道路工事」といい,この請負契約を「本件道路工事請負契約」という。)を締結するに当たり,その前提となる平成21年度予算及び契約締結に必要なα村議会の議決の双方について専決処分を行ったことに関して,丁事件に係る第1審原告Hが,前記専決処分は法179条1項 という。)を締結するに当たり,その前提となる平成21年度予算及び契約締結に必要なα村議会の議決の双方について専決処分を行ったことに関して,丁事件に係る第1審原告Hが,前記専決処分は法179条1項の要件を満たさない違法なものであり,本件道路工事請負契約は私法上無効であるから,これに関する公金の支出も違法・無効であると主張して,第1審被告に対し,法242条の2第1項4号により,主位的に,補助参加人株式会社Q・同株式会社R・同株式会社Sに対して,不当利得に基づき,支出した請負代金1億4070万円の支払請求をするよう求め,予備的に,Jに対して,不法行為に基づき,前記同額の損害賠償の支払請求をするよう求めた事案である。 原審は,甲事件,乙事件及び丁事件について,各事件に係る第1審原告らの-4-主位的請求を認め,丙事件については丙事件に係る第1審原告らの請求(丙事件第1審原告であったPの請求を含む。)を棄却したので,甲事件,乙事件及び丁事件については第1審被告が,丙事件については丙事件に係る第1審原告ら(Pを除く。)が,それぞれ控訴した。 2 前提となる事実は,その末尾の次に改行して次のとおり付加するほか,原判決「事実及び理由」第2の1に記載のとおりであるから,これを引用する。なお,原判決「事実及び理由」第2の1(3)(8頁)に掲げる本件専決処分①は,甲事件,乙事件及び丁事件に係る専決処分であり,本件専決処分②は乙事件,本件専決処分③は甲事件,本件専決処分④は丁事件に係る各専決処分である。 「(6) 平成24年12月3日,α村議会が開かれ,原判決において,専決処分が議会の議決を潜脱する目的をもって行われたものといわざるを得ないから違法であるとされた本件専決処分②ないし④について,原判決により専決処分の効力に疑義が生じたと が開かれ,原判決において,専決処分が議会の議決を潜脱する目的をもって行われたものといわざるを得ないから違法であるとされた本件専決処分②ないし④について,原判決により専決処分の効力に疑義が生じたとして,改めて本件専決処分②について,当該案件に同意する議決をし,本件専決処分③及び④について,当該案件を追認する議決をした(乙51ないし54)。」 3 争点及び争点に関する当事者の主張は,その末尾の次に改行して次のとおり付加するほか,原判決「事実及び理由」第2の2に記載のとおりであるから,これを引用する。 「(7) 議会における追加議決(争点(7))(第1審被告の主張)原判決において専決処分が違法であるとされた事項については,平成24年12月3日,いずれも議会において議決又は同意をしたことにより追認されたので,その瑕疵は治癒された。したがって,仮に上記専決処分について,議会の議決ないし同意の要件を欠く瑕疵があっても,後に議会が議決又は同意をしたことにより,その瑕疵は治癒されたものである。 (第1審原告らの主張)-5-議会の議決をもって,本件専決処分に係る公金の支出をその支出時期に遡って有効とすることはできない。本件専決処分は,自己と政治的意見を共通にするT議長の議会不開会の事実に乗じて,当時のα村議会の議決を回避するために行われた重大な瑕疵があるものであり,その後議会の議決又は同意があったからといって,違法な支出が適法な支出となる理由はない。 (8) 専決処分の有効要件を欠くことの契約の効力への不承継(争点(8))(補助参加人らの主張)外形的に議会の議決又は長の専決処分が存在する場合には,自治体と契約する相手方が,議会の議決又は長の専決処分がその有効要件を欠いているこ 承継(争点(8))(補助参加人らの主張)外形的に議会の議決又は長の専決処分が存在する場合には,自治体と契約する相手方が,議会の議決又は長の専決処分がその有効要件を欠いていることにつき善意であるときは,契約締結後にそれらが無効になっても,当該契約は無効とはならず,法242条の2第1項第4号の訴訟の対象とはならないというべきである。 (第1審原告らの主張)争う。」第3 当裁判所の判断 1 判断の基礎となる事実は,原判決「事実及び理由」第3の1に記載のとおりであるから,これを引用する。 2 争点に対する判断は,次のとおりである。 (1) 争点(1)(本件専決処分①の違法性)について議会の否決決議を無視した違法及び第1審被告が議会の議決がない状態を作出した違法があるとする甲事件,丙事件及び丁事件についての第1審原告らの主張を認めることはできないものである。その理由は,原判決「事実及び理由」第3の2(1)イ及びウに記載のとおりであるから,これを引用する。 (2) 争点(2)(本件専決処分②の違法性)についてア前記1に認定した事実によれば,次のとおり認められる。 -6-第1審被告は,平成21年11月4日,本件人事案件についてα村議会の同意を求めて,平成21年11月9日を開会日とする平成21年第5回臨時会を招集した。同臨時会の開会日は11月9日であったが,第1審原告A及び同Bは,10月23日の議会運営委員会において,11月4日から同月12日までの間,海外旅行のため不在である旨発言していた。臨時会の招集がされた11月4日,第1審原告A及び同Bは予定どおりヨーロッパに出発したが,他の議員から臨時会招集があった旨の連絡を受け,旅行日程を変更して9日に帰国した。 ある旨発言していた。臨時会の招集がされた11月4日,第1審原告A及び同Bは予定どおりヨーロッパに出発したが,他の議員から臨時会招集があった旨の連絡を受け,旅行日程を変更して9日に帰国した。 11月5日,α村議会副議長が第1審被告の自宅に赴き,第1審被告に対し,δ区出身の議員で協議している最中であるので臨時会の開会を待つよう促したが,第1審被告はこの意見に同調しなかった。 11月9日午後3時,同日帰国した第1審原告A及び同Bを含め議員による全員協議会が開会された。第1審原告らは,当該全員協議会において,同日臨時会を開会するよう要求したが,T議長はこれを開会せず,同日の臨時会は流会となった。第1審原告らはT議長に抗議をしたが,同議長は,「与党の議長だからできることだ。」と述べ,第1審原告A及び同Bが帰国して情勢が変わったために臨時会を開会しなかった旨の発言をした。 第5回臨時会が流会になったことを受けて,第1審被告は,11月13日,本件専決処分②を行った。 イ上記認定事実によれば,第1審被告が本件人事案件についてα村議会の同意の議決を求めて平成21年11月9日に招集した平成21年第5回臨時会において,本件人事案件についての議決がされなかったものと認められる。したがって,本件専決処分②は,議会において議決すべき案件を議決しないことによりなされたものであって,この専決処分について,第1審原告ら主張のような違法事由があるということはできない。 ウ第1審原告らは,本件人事案件は専決処分の対象にならないと主張する-7-が,副村長及び監査委員に係る人事案件について専決処分を禁止する規定はなく,上記人事案件であることをもって,本件専決処分②が違法であるということはできない。 エ第1審原告 主張する-7-が,副村長及び監査委員に係る人事案件について専決処分を禁止する規定はなく,上記人事案件であることをもって,本件専決処分②が違法であるということはできない。 エ第1審原告らは,本件専決処分②が行われるについては,第1審被告において議会の議決がない状態を作出した違法がある旨主張する。しかし,前記アのとおり,議会を開会しないで流会としたのは議長であり,第1審被告は議会の開会ないしこれを流会とするかどうかについて,何らの権限を有しない。第1審原告らはこの点について,第1審被告は,第1審原告A及び同Bにおいて海外旅行に出かける予定があることを知りながら,上記2名の議員が議会に出席しなければ会議において村長派の議員が多数を占めることとなり,本件人事案件を可決することができるとの目論見から,臨時会の招集をしたものである旨主張する。しかし,第1審被告が臨時会を招集したのは平成21年11月4日であり,招集に係る臨時会の開会日は11月9日である一方,上記2名の議員の海外旅行がα村議員の公務に基づくものであるとの証拠はなく(第1審原告らの主張によれば,区会役員の職務を終了した者が夫婦同伴で欧州に行く慰労・親睦旅行である。),これがα村議会議員として議会に出席する職務に優先するような事情があることを裏付ける証拠もなく,かえって,上記2名の議員は,臨時会招集の知らせを受けて,臨時会が招集された日までに帰国しているのであるから,上記2名の議員の上記海外旅行の予定を知りながら第1審被告の上記臨時会を招集したとの第1審原告ら主張の事実をもって,第1審被告が議会の議決がない状態を作出したということはできない。 オ第1審原告らは,11月5日にα村議会副議長が第1審被告をその自宅に訪ね,臨時会の開会を待つように促したにもかかわらず, 第1審被告が議会の議決がない状態を作出したということはできない。 オ第1審原告らは,11月5日にα村議会副議長が第1審被告をその自宅に訪ね,臨時会の開会を待つように促したにもかかわらず,第1審被告が首を縦に振らなかったことからも,第1審被告が議会の議決がない状態を作出したことは明らかであると主張する。しかし,第1審被告は議会を招-8-集する権限を有するものであり,11月4日にこれを招集した以上,議会を開くかどうかは議長の権限であり,第1審被告が臨時会の開会を待つべき旨の副議長からの要請に対して了承しなかったとしても,単に権限のない事項について,これをしなかったにすぎず,これをもって第1審被告が議会の議決がない状態を作出したものということはできない。 (3) 争点(3)(本件専決処分③の違法性)についてア前記1に認定した事実によれば,次のとおり認められる。 第1審被告は,平成22年1月22日,議会の議決を要する案件である本件図書館請負契約の締結について議決を求めて,平成22年第1回臨時会を招集した。同日午後4時02分,全員協議会が開催され,T議長は,平成21年12月4日に議長を辞することを表明したが,いまだ後任が決まっていないので,まず議長の選出について議論してもらいたい旨発言し,午後4時03分に全員協議会を休憩とした。その後,第1審原告ら議員がT議長に対し,同日の臨時会の開会を要求したが,臨時会は開会されなかった。 同日,全員協議会が再開され,午後4時45分,最年長議員である第1審原告Fが臨時議長となり,臨時会を開会した上,副議長に第1審原告Bを選任して,本件図書館契約についての議案を否決する旨の決議をした。 第1審被告は,臨時会が開会されないことから,同月27日,本件専決処分③を行 時議長となり,臨時会を開会した上,副議長に第1審原告Bを選任して,本件図書館契約についての議案を否決する旨の決議をした。 第1審被告は,臨時会が開会されないことから,同月27日,本件専決処分③を行った。 イ上記認定事実によれば,第1審被告が本件図書館請負契約について議会の議決を求めて平成22年1月22日に開催された平成22年第1回臨時会において,本件図書館請負契約の締結について議決がされなかったものと認められる。 最年長議員である第1審原告Fが臨時議長となり,臨時会を開会している外形はあるが,これは法律の手続に則った議会の開会ではなく,これを-9-もって本件図書館請負契約について議会の議決があったと認めることはできない。第1審原告らは,α村議会においては,従来副議長が欠員であり,議長がその職務を積極的に放棄して議会を開会せず,副議長も選任されていない場合には,法107条の議長の職務を行う者がいないときとして,年長の議員が臨時に議長の職務を行うことができると解すべきであると主張する。しかし,法107条は,法103条1項及び106条の規定による選挙を行う場合の規定であり,本件のような場合を含むものではない。 したがって,本件専決処分③は,議会において議決すべき案件を議決しないことによりなされたものであって,この専決処分について,第1審原告ら主張のような違法事由があるということはできない。 ウ第1審原告らは,本件専決処分③が行われるについては,第1審被告が議会の議決がない状態を作出した違法がある旨主張する。しかし,議会を開会しないで流会としたのは議長であり,第1審被告は議会の開会ないしこれを流会とさせるかどうかについて,何らの権限を有しない。第1審原告らはこの点について,T議長が臨時会を開会しなか しかし,議会を開会しないで流会としたのは議長であり,第1審被告は議会の開会ないしこれを流会とさせるかどうかについて,何らの権限を有しない。第1審原告らはこの点について,T議長が臨時会を開会しなかったのは,第1審被告の専決処分を可能にさせる意図によるものであると主張するが,この事実を認めるに足りる証拠はない。したがって,本件専決処分③が行われるについて,第1審被告が議会の議決がない状態を作出したということはできない。 (4) 争点(4)(本件専決処分④の違法性)についてア前記1に認定した事実によれば,次のとおり認められる。 第1審被告は,平成22年3月4日招集の平成22年度第1回定例会において,議会の議決を要する案件である本件道路工事請負契約の締結について議決を求める議案を提出した。同日,第1審原告ら議員は,T議長に対し,再三にわたり定例会の開会を要求したが,T議長は定刻をすぎても議会を開会せず,流会となった。第1審被告は,同月11日,本件専決処-10-分④を行った。 イ上記認定事実によれば,平成22年3月4日に招集された平成22年度第1回定例会において,議決すべき案件である本件道路工事請負契約の締結について,議決がされなかったものと認められる。したがって,本件専決処分④は,議会において議決すべき案件を議決しないことによりなされたものであって,この専決処分について,第1審原告ら主張のような違法事由があるということはできない。 ウ第1審原告らは,本件専決処分④が行われるについては,第1審被告が議会の議決がない状態を作出した違法がある旨主張する。しかし,議会を開会しないで流会としたのは議長であり,第1審被告は議会の開会ないしこれを流会とさせるかどうかについて,何らの権限を有しない。したがっ 会の議決がない状態を作出した違法がある旨主張する。しかし,議会を開会しないで流会としたのは議長であり,第1審被告は議会の開会ないしこれを流会とさせるかどうかについて,何らの権限を有しない。したがって,本件専決処分④が行われるについて,第1審被告が議会の議決がない状態を作出したということはできない。 (5) 争点(5)(本件住宅防音補助事業の公益性の有無)について本件住宅防音補助事業の公益性が認められないとする丙事件に係る第1審原告らの主張を認めることができないことについては,原判決「事実及び理由」第3の2(5)に記載のとおりであるから,これを引用する。 (6) 争点(6)(本件道路工事に関する手続の瑕疵の有無)について第1審原告Hは,本件道路工事の対象となっている本件土地については,δ区の慣習上の入会権があり,δ区民全員の同意を得て,かつ,α村議会の特別多数決がなければ処分できないにもかかわらず,第1審被告はこれらの手続を行うことなく本件道路工事を行ったと主張する。しかし,同第1審原告主張の入会権の成立を認めるに足りる証拠はない上,本件道路工事請負契約に係る財務会計行為が入会権侵害の事実によって直ちに違法となるものではないから,同原告の上記主張は理由がない。 (7) 争点(7)(議会における追加議決)について-11-原判決において専決処分が違法であるとされた本件専決処分②ないし④の案件については,平成24年12月3日,議会において,本件専決処分②については,これを追認する同意が,本件専決処分③及び④については,これを追認する議決がされたことが認められる。第1審原告らが主張する本件専決処分②ないし④についての違法事由は,これらが議会において議決されれば否決される案件であったにもかかわらず び④については,これを追認する議決がされたことが認められる。第1審原告らが主張する本件専決処分②ないし④についての違法事由は,これらが議会において議決されれば否決される案件であったにもかかわらず,第1審被告において,議会の議決がなされない状態を作出して議会において否決されることを回避してしたものであるとする点であり,本件専決処分②ないし④が議会の議決を得ることができない案件についての専決処分であったとするものであるから,議会の議決に関する違法性を問題とするものであり,議会がその後,本件専決処分②ないし④を追認する同意ないし議決をしたことによって,本件専決処分②ないし④はいずれも,その瑕疵が治癒されたものというべきであり,したがって,この点からも,本件専決処分②ないし④が違法であるということはできない。 第1審原告らは,本件専決処分②ないし④に係る案件についての公金の支出を,これを追認する議決又は同意によって,それぞれの支出時期に遡って有効とすることはできないと主張する。しかし,本件専決処分②ないし④に係る案件の違法事由として第1審原告らが主張するのは,上記のとおり,これらの案件が議会において議決されれば否決されるものであったにもかかわらず,第1審被告において,議会の議決がなされない状態を作出して議会において否決されることを回避してしたものであるとの点であり,議会の議決を問題とするものであるから,これらの瑕疵は追認の議決又は同意によって治癒されるものというべきであり,その遡及効を否定する第1審原告らの主張は理由がない。 (8) 争点(8)(専決処分の有効要件を欠くことの契約の効力への不承継)について-12-上記(1)ないし(7)に認定説示したところによれば,本件専決処分はいずれも有効であるから,その無効であること 争点(8)(専決処分の有効要件を欠くことの契約の効力への不承継)について-12-上記(1)ないし(7)に認定説示したところによれば,本件専決処分はいずれも有効であるから,その無効であることを前提とする補助参加人らの主張について判断するまでもなく,補助参加人らが締結した契約は有効である。 3 結論以上のとおり,本件専決処分①ないし④が違法であるとする第1審原告らの主張,本件住宅防音補助事業に公益性がないとする丙事件に係る第1審原告らの主張及び本件道路工事に関する手続に瑕疵があるとする丁事件に係る第1審原告Hの主張は,いずれも理由がないから,第1審原告らの甲事件,乙事件,丙事件及び丁事件の請求はいずれも理由がない(上記各事件における第一審原告らの予備的請求も,いずれも上記各主張に基づくものであるから,理由がない。)。よって,原判決中,甲事件,乙事件及び丁事件の請求を認容した部分(主文第1項ないし第5項)を取り消し,これらの事件に係る第1審原告らの請求を棄却し,丙事件の請求を棄却した部分は相当であるから,丙事件に係る第1審原告らの控訴を棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第10民事部 裁判長裁判官園尾隆司 裁判官草野真人 裁判官森脇江津子 -13-(原裁判等の表示) 主文 1 被告は,K株式会社,L株式会社,株式会社Mに対し,連帯して,8億9775万円及びうち3億5910万円に対する平成22年3月4日から,1億9848万円に対する同年11月20日から,3億4017万円に対する平成23年4月 株式会社,株式会社Mに対し,連帯して,8億9775万円及びうち3億5910万円に対する平成22年3月4日から,1億9848万円に対する同年11月20日から,3億4017万円に対する平成23年4月1日から,それぞれ支払済みまで年6分の割合による金員を請求せよ。 2 被告は,Nに対し,1116万5008円及びうち別表1の「現金支給額」欄記載の金員に対する「支払年月日」欄記載の日の翌日から,それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 3 被告は,本件口頭弁論終結日以降,Oに対するα村監査委員としての地位に基づく,報酬及び費用弁償等の金員を支払ってはならない。 4 被告は,Oに対し,53万3500円及びうち別表2の「支払額」欄記載の金員に対する「支払年月日」欄記載の日の翌日から,それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 5 被告は,株式会社Q,株式会社R,株式会社Sに対し,連帯して,1億4070万円及びうち5628万円に対する平成22年3月26日から,4155万円に対する同年10月26日から,4287万円に対する平成23年4月26日から,それぞれ支払済みまで年6分の割合による金員を請求せよ。 6 丙事件原告らの請求を棄却する。 7 訴訟費用は,これを50分し,その9を丙事件原告らの負担とし,その余を被告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求 1 甲事件(1) 主位的請求主文第1項に同旨-14-(2) 予備的請求被告は,Jに対し,8億9775万円及びうち3億5910万円に対する平成22年3月3日から,1億9848万円に対する同年11月19日から,3億4017万円に対する平成23年3月31日からそれぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を請求せ ち3億5910万円に対する平成22年3月3日から,1億9848万円に対する同年11月19日から,3億4017万円に対する平成23年3月31日からそれぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 2 乙事件(1) 主位的請求主文第2ないし第4項に同旨(2) 予備的請求ア被告は,Jに対し,1116万5008円及びうち別表1の「現金支給額」欄記載の金員に対する「支払年月日」欄記載の日から,それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 イ被告は,Jに対し,53万3500円及びうち別表2の「支払額」欄記載の金員に対する「支払年月日」欄記載の日から,それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 3 丙事件被告は,Jに対し,2億3879万6050円及びうち6170万8350円に対する平成22年3月25日から,1959万8800円に対する同年4月16日から,1149万9000円に対する同月23日から,3981万9700円に対する同年11月16日から,5039万0200円に対する同月25日から,2149万6100円に対する同年12月25日から,3428万3900円に対する平成23年1月25日から,それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 4 丁事件(1) 主位的請求主文第5項に同旨-15-(2) 予備的請求被告は,Jに対し,連帯して,1億4070万円及びうち5628万円に対する平成22年3月25日から,4155万円に対する同年10月25日から,4287万円に対する平成23年4月25日から,それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 第2 事案の概要原告らはいずれも山梨県南都留郡α村(以 対する同年10月25日から,4287万円に対する平成23年4月25日から,それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 第2 事案の概要原告らはいずれも山梨県南都留郡α村(以下「α村」という。)の住民であり,甲事件原告らはα村議会の議員である。 甲事件は,被告が,α村とK株式会社・L株式会社・株式会社Mを構成員とするβ周辺学習等供用施設建設工事共同企業体との間において,同供用施設の建設工事請負契約(以下,β周辺学習等供用施設を「本件図書館」といい,この請負契約を「本件図書館請負契約」という。)を締結するに当たり,その前提となる平成21年度予算及び契約締結に必要なα村議会の議決の双方についていずれも専決処分を行ったことに関して,原告らが,前記専決処分は地方自治法(以下「法」という。)179条1項の要件を満たさない違法なものであり,本件図書館請負契約は私法上無効であるから,これに関する公金の支出も違法・無効であると主張して,被告に対し,法242条の2第1項4号により,主位的に,K株式会社・L株式会社・株式会社Mに対して,不当利得に基づき,支出した請負代金8億9775万円及び各支出額に対する各支出日の翌日からそれぞれ支払済みまで商事法定利率年6分の割合による法定利息の支払請求をするよう求め,予備的に,Jに対して,不法行為に基づき,8億9775万円の損害賠償及び各支出額に対する各支出日からそれぞれ支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払請求をするよう求めた事案である。 乙事件は,被告が,Nをα村副村長,Oをα村監査委員に選任する旨の人事案件(以下「本件人事案件」という。)に関するα村議会の同意の議決につき専決処分を行ったことについて,原告らが,人事案件は専決処分の対象外であ-16-って, 長,Oをα村監査委員に選任する旨の人事案件(以下「本件人事案件」という。)に関するα村議会の同意の議決につき専決処分を行ったことについて,原告らが,人事案件は専決処分の対象外であ-16-って,議会の同意のない副村長や監査委員の選任は無効であるから,これらの者に対する報酬の支払は違法な公金の支出であるなどと主張して,被告に対し,主位的に,法242条の2第1項1号により,本件口頭弁論終結日以降,Oに対して支払われる監査委員としての報酬等の支出差止めと,同項4号により,N及びOに対して,不当利得に基づき,支払った報酬等(Nにつき合計1116万5008円,Oにつき合計53万3500円)及び各支出額に対する各支出日の翌日からそれぞれ支払済みまで年5分の割合による法定利息の支払請求をするよう求め,予備的に,同号により,Jに対して,不法行為に基づき,前期同額の損害賠償及び各支出額に対する各支出日からそれぞれ支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払請求をするよう求めた事案である。 丙事件は,被告が,平成21年度及び平成22年度予算に基づいて,住民に対し住宅防音補助事業に関する補助金(以下「本件補助金」という。)を交付したことについて,原告らが,本件補助金の交付は法232条の2の公益上の必要性を充足していないから違法な公金の支出であるなどと主張して,被告に対し,法242条の2第1項4号により,Jに対して,不法行為に基づき,支出した2億3879万6050円相当の損害賠償及び各支出額に対する各支出日からそれぞれ支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払請求をするよう求めた事案である。 丁事件は,被告が,α村と株式会社Q・株式会社R・株式会社Sを構成員とする平成21年度村道γ線道路改良工事共同企業体との間において,平成21年度村 金の支払請求をするよう求めた事案である。 丁事件は,被告が,α村と株式会社Q・株式会社R・株式会社Sを構成員とする平成21年度村道γ線道路改良工事共同企業体との間において,平成21年度村道γ線道路改良工事請負契約(以下,平成21年度村道γ線道路改良工事を「本件道路工事」といい,この請負契約を「本件道路工事請負契約」という。)を締結するに当たり,その前提となる平成21年度予算及び契約締結に必要なα村議会の議決の双方についていずれも専決処分を行ったことに関して,原告が,前記専決処分は法179条1項の要件を満たさない違法なものであり,本件道路工事請負契約は私法上無効であるから,これに関する公金の支-17-出も違法・無効であると主張して,被告に対し,法242条の2第1項4号により,主位的に,株式会社Q・株式会社R・株式会社Sに対して,不当利得に基づき,支出した請負代金1億4070万円及び各支出額に対する各支出日の翌日からそれぞれ支払済みまで商事法定利率年6分の割合による法定利息の支払請求をするよう求め,予備的に,Jに対して,不法行為に基づき,前記同額の損害賠償及び各支出額に対する各支出日からそれぞれ支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払請求をするよう求めた事案である。 1 前提となる事実(証拠を記載したもの以外は当事者間に争いがない。)(1) 当事者原告らはいずれもα村の住民である。また,甲事件原告らは平成21年及び平成22年当時,α村議会の議員であった(以下,甲事件原告らを総称して「原告ら議員」という。)。 被告は,α村の執行機関である。 (2) 条例等の定めア議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分の範囲を定める条例(乙2)第2条(議会の議決に付すべき契約)地 被告は,α村の執行機関である。 (2) 条例等の定めア議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分の範囲を定める条例(乙2)第2条(議会の議決に付すべき契約)地方自治法(昭和22年法律第67号)第96条第1項第5号に規定する契約は,予定価格5000万円以上の工事又は製造の請負とする。 イ α村旧部落有統合財産管理条例(以下「本件管理条例」という。)(乙31)(ア) 第1条(財産の意義)この条例で旧部落有統合財産(以下「旧部落有財産」という。)とは,明治43年12月ε組,δ組から,無償をもってα村に譲渡された土地をいう。 (イ) 第5条(特権地区分)-18-元土地提供部落特権地の区分は,別表のとおりとする。ただし,部落の同意を得て村議会の特別多数議決があるときは,これを変更することができる。 (ウ) 第6条(処分の禁止)旧部落有財産で国土保全のため,又は学校その他基本財産造成のため,村有として存置する必要のあるものは売り払い又は譲与することができない。ただし,公共用又は公共事業のため必要があるときは,この限りでない。 (エ) 別表(抜粋)特権地区分元土地提供部落地域(字名)及面積永久全部収益権地δζ,η,θ,ι,λ,μ,ν,ξウ δ区会運営規約(甲16)(ア) 第2条(規約制定の目的)この規約は,実在的総合人たる部落共同体(以下「区会」という)が旧来から承継してきた部落有財産を保全し,部落住民の生活の向上と地域の発展を図るため共同して行ってきたδ区の旧慣を明文化し,以って区会の適正な運営を図ることを目的とする。 (イ) 第9条( 旧来から承継してきた部落有財産を保全し,部落住民の生活の向上と地域の発展を図るため共同して行ってきたδ区の旧慣を明文化し,以って区会の適正な運営を図ることを目的とする。 (イ) 第9条(会議の成立)区民総会,区会議,組会議の運営は次のとおりとする。 第1号区民総会は区民の過半数の出席をもって成立し,その議決は多数決とする。ただし,区有財産の処分,権利の消滅に係る事項は区民全員の同意を必要とする。その他重要事項については区民3分の2以上が出席し,その3分の2以上の同意を要する。 (3) 被告の各専決処分被告は,平成21年5月29日,平成21年度α村一般会計予算等に関す-19-るα村議会の議決について,法179条1項による専決処分を行った(以下「本件専決処分①」という。)。 被告は,同年11月13日,Nをα村副村長,Oをα村監査委員の候補者とする本件人事案件に関するα村議会の同意の議決について,同項による専決処分を行った(以下「本件専決処分②」という。)。 被告は,平成22年1月27日,本件図書館請負契約締結にかかるα村議会の議決について,同項による専決処分を行った(以下「本件専決処分③」という。)。 被告は,同年3月11日,本件道路工事請負契約締結にかかるα村議会の議決について,同項による専決処分を行った(以下「本件専決処分④」という。)。 上記各専決処分は,いずれもα村議会が開会されず,議決すべき議案が議決されなかったことを理由とするものであった。 (4) 請負契約の締結被告は,平成22年1月18日,K株式会社・L株式会社・株式会社Mを構成員とするβ周辺学習等供用施設建設工事共同企業体との間において,請負代金を8億9775万 (4) 請負契約の締結被告は,平成22年1月18日,K株式会社・L株式会社・株式会社Mを構成員とするβ周辺学習等供用施設建設工事共同企業体との間において,請負代金を8億9775万円とする約定で,本件図書館請負契約を締結した(乙5)。 被告は,同年2月26日,株式会社Q・株式会社R・株式会社Sを構成員とする平成21年度村道γ線道路改良工事共同企業体との間で,請負代金を1億4070万円とする約定で,本件道路工事請負契約を締結した(弁論の全趣旨)。 (5) 住民監査請求甲事件原告らは,平成22年2月9日,α村監査委員に対し,本件専決処分①及び③が違法であり,本件図書館請負契約に関する公金支出は違法であるとして,本件図書館請負契約に関する一切の公金の支出差止め及びJに対-20-する損害賠償請求等を求める住民監査請求をしたが,同監査委員は,同年4月9日,各専決処分に違法はないなどとして,前記監査請求を却下ないし棄却した(甲1,2)。 乙事件原告らは,同年3月1日,α村監査委員に対し,本件専決処分②に重大かつ明白な瑕疵があるとして,N及びOに対する報酬等の支出差止及びJに対する損害賠償請求を求める住民監査請求をしたが,同監査委員は,同年4月20日,措置請求の内容が監査対象外であるとして,前記監査請求を却下した(甲3,4)。 丙事件原告らは,同年5月25日,α村監査委員に対し,α村住宅防音補助金交付事業(以下「本件住宅防音補助事業」という。)は予算の裏付けがなく,これに関する補助金の交付は違法な公金の支出であるなどとして,本件住宅防音補助事業に関する一切の公金の支出差止め及びJに対する損害賠償請求等を求める住民監査請求をしたが,同監査委員は,同年7月23日,本件住宅防音補助事業には 法な公金の支出であるなどとして,本件住宅防音補助事業に関する一切の公金の支出差止め及びJに対する損害賠償請求等を求める住民監査請求をしたが,同監査委員は,同年7月23日,本件住宅防音補助事業には公益性が認められるなどとして,前記監査請求を却下ないし棄却した(甲5,6)。 丁事件原告は,平成23年2月21日,α村監査委員に対し,本件専決処分①及び④に重大かつ明白な違法性があり,本件道路工事請負契約に関する公金支出は違法であるなどとして,本件道路工事請負契約に関する公金の支出差止め及びJに対する損害賠償請求等を求める住民監査請求をしたが,同監査委員は,同年4月14日,各専決処分に違法性はないなどとして,前記監査請求を却下ないし棄却した(甲19,20)。 2 争点及び争点に関する当事者の主張(1) 本件専決処分①の違法性(甲,丙及び丁事件)(原告らの主張)法179条1項の規定に関する要件の認定は長が行うものであるが,その認定は具体的な事情の下に客観的根拠に基づくものでなければならず,その-21-認定について裁量があるとしても,その裁量は覊束裁量である。 専決処分についての上記解釈から,被告の本件専決処分①の適法性を判断するならば,平成21年度α村一般会計予算は,議会において議決すべき事件を議決しない状態であったということはできず,被告には,専決処分の要件がないにもかかわらず専決処分を行った権限の著しい踰越・濫用がある。 また,同項は「議決すべき事件を処分することができる。」と規定しているのみで,「議決すべき事件を処分しなければならない。」とは規定していないところ,被告は,議会が開会されなかったという外形的な事実の外に専決処分を行うべき理由について全く主張立証せず,専決処分の目的も明 みで,「議決すべき事件を処分しなければならない。」とは規定していないところ,被告は,議会が開会されなかったという外形的な事実の外に専決処分を行うべき理由について全く主張立証せず,専決処分の目的も明らかにしていない。専決処分は長と議会との二元代表制の調整を図る制度であり,行政執行の遅延を防止することがその制度趣旨であるから,自己の政策を実現するための阻害要因となる議会の議決を避けるために専決処分をすることはできないのであって,本件専決処分は,専決処分制度の目的違反,不当な動機によることが強く推定されるというべきである。 したがって,本件専決処分①は重大かつ明白な違法があって,無効といわなければならない。 ア議会の否決決議を無視した違法α村議会は,平成21年3月19日の第1回α村議会臨時会(以下「臨時会」という。)において,被告の一般的拒否権による再議の案件に対する採決とは別に,本件図書館請負契約関連の予算を含む平成21年度α村一般会計予算を否決した。 平成21年度α村一般会計予算に関するα村議会の修正議決について被告が再議に付したことにより,当該修正議決は遡って効力を失うが,議案一体の原則から,修正された部分のみならず,当該予算案全体が成立しないことになり,いわば,予算案に対するα村議会の態度は白紙ということになる。再議に付されても,出席議員の3分の2以上の同意が得られない-22-場合には廃案となるのが原則であるが,新たな提案がなくても,議会が過半数の同意により再議に付された議決と異なった内容の議決をすることは有効であり,この場合には原案について新たな議決があったものと解されるから,平成21年3月19日にした平成21年度α村一般会計予算の否決決議は正当な議決である。 否決も議決の一種で とは有効であり,この場合には原案について新たな議決があったものと解されるから,平成21年3月19日にした平成21年度α村一般会計予算の否決決議は正当な議決である。 否決も議決の一種である以上,議会が否決の決議をした場合は議決すべき事件を議決しないということはできず,法179条1項の専決処分はなしえない。 被告は会期不継続の原則を根拠に本件専決処分①の適法性を主張するが,二元代表制の趣旨からすれば,専決処分制度は議会と長の間の調整のための補助的な手段にすぎないのであって,前の会期で議会が否決の決議をした議案については,既に議会による議決があったものとして,後会において,専決処分はできないというべきである。なぜなら,このように解さないと,長は否決した議案についてもダミーの後会を介在させて議会の否決決議を容易に覆すことができるようになってしまうところ,会期不継続の原則にこのような事態を容認する趣旨は全く含まれていないというべきだからである。 イ被告が議会の議決がない状態を作出した違法同年5月20日の平成21年第3回臨時会が流会になったのは,T議長が原告ら議員の再三の請求にもかかわらず議会を開会せず,午後4時から開催された議員全員協議会の場において一方的に議会を開かない旨を宣言したためである。しかし,その実質は,被告が本件図書館建設の公約を強引に実現するために,同一会派に所属するT議長に指示もしくは同人と意を通じて同臨時会を開会させずに外形的に法179条1項の「議会において議決すべき事件を議決しないとき」という要件を作出したものである。 -23-すなわち,α村議会の議員の定数を定める条例によるα村議員の定数は14名であり,7名の村議員の出席があれば議員の定数の半数以上の出席があ き」という要件を作出したものである。 -23-すなわち,α村議会の議員の定数を定める条例によるα村議員の定数は14名であり,7名の村議員の出席があれば議員の定数の半数以上の出席があるものとして会議を開くことができるところ,被告は,原告ら7名の議員が被告提出の本件図書館請負契約関連の予算に従来から反対の立場を取っていることを十分に認識しており,かつ,T議長は法116条2項により議員として議決に加わる権利を有しないことから,α村議会が開会されれば前記予算案が否決されることが明白であった。そこで,なんとしても前記予算を成立させるために,被告が同一会派に所属するT議長に指示もしくは同人と意を通じて同日の臨時会を開会させずに,後に専決処分をする意図で,外形的に議会において議決すべき事件を議決しないときという状態を作出したというのが実体である。被告は,初めからα村議会の議決を免れ,専決処分により同一の予算を成立させることができるとの意図をもって議会を招集したのであり,議会の招集は,予算の審議を求めるために真摯に行われたものではなく,予算案を専決処分によって成立させるためのダミーにすぎない。 α村議会が平成21年度α村一般会計予算の原案を否決した同年3月19日から被告が同一内容の予算を提出した同年5月20日までの間,被告がα村議会の議員,とりわけ原告ら議員と前記予算の内容について修正や調整の協議を行ったことは全くなく,α村議会の意思がこの間に可決の方向に変化したこともなかった。それにもかかわらず,被告が同一内容の予算を提出するという不合理極まりない行動をしたこと,被告とT議長が政治的意見を共通にしていること,各専決処分は単発のものではなく,T議長が議長を務める時期に一連のものとしていわば連続してなされたものであること という不合理極まりない行動をしたこと,被告とT議長が政治的意見を共通にしていること,各専決処分は単発のものではなく,T議長が議長を務める時期に一連のものとしていわば連続してなされたものであること,その過程の中で,被告とT議長が議会対策について話合いをする機会が十分にあったことなどの事実を考慮するならば,被告が単にT議長の違法な議会不開会に乗じた事実にとどまらず,両者が少なくとも暗々-24-裏に議会の議決を避けて被告の政策実現のための専決処分を行うために,議会を開会しないことについての共通の認識があったことが十分に推認されるというべきである。 したがって,同日の臨時会が開会しないという外形的な状態は,法179条1項の「議会において議決すべき事件を議決しないとき」には該当せず,本件専決処分①は専決処分の要件を欠いている。 (被告の主張)争う。 議員及び長は,それぞれが民主的基盤を有しているが,議会は会議体であり,地方公共団体の意思決定機関としての機能を十分に果たせない場合があるため,その円滑な運営を図るために,長が議会に代わって本来議会の権限に属する事項について権限を行使し,地方公共団体の意思決定を行うとされたのが専決処分である。 被告は,平成21年度α村一般会計予算等についての議決を求めるために平成21年第3回臨時会を招集した。ところが,α村議会は,同日午後1時03分から午後3時57分まで全員協議会を開議したものの,その後の臨時会が開会されずに流会となった。 「議会において議決すべき事件を議決しないとき」とは,本件のように,長が臨時会を招集したにもかかわらず,議会がそれを開会せず,機能不全に陥っているときを典型とするものである。 そこで被告は,本件専決処分①をしたの 事件を議決しないとき」とは,本件のように,長が臨時会を招集したにもかかわらず,議会がそれを開会せず,機能不全に陥っているときを典型とするものである。 そこで被告は,本件専決処分①をしたのであり,このことに何の違法もない。 ア議会の否決決議を無視した違法α村議会が議決すべき事件を議決しないのは,被告が平成21年度α村一般会計予算の議決を求めた平成21年第3回臨時会であり,平成21年第1回臨時会ではない。そもそも臨時会ではあらかじめ告示した付議事件-25-以外のものを議題とすることはできないから,被告の一般的拒否権による再議の案件とは別であるところの本件図書館請負契約関連予算を含む平成21年度α村一般会計予算の否決に法律上意味はない。 予算は長のみが発案することができ,議会はそれを審議し,議決することとされており,予算の発案権は長に専属する。そして,いかなる予算を調整するのかは,予算の発案権の専属する長の専権事項であり,議会が予算案を否決したときは,長は,改めて予算を調整し,別の予算を発案することもあれば,議会の翻意に期待して同じ予算を発案し,必要に応じて暫定予算を調整することもあるのであるから,前の会期で議会が否決した議案と同一内容の議案については,後会において専決処分をすることができないとする理由は何もない。 原告らは,一度議会で議決した同一の議題については,同一会期中に再び議決しないという一事不再議の原則と混同しているきらいがある。 イ被告が議会の議決がない状態を作出した違法原告らは,被告がT議長に指示し,もくしは意を通じていたことから本件専決処分①は違法であると主張するが,いつのいかなる行為をもって被告がT議長に指示もしくはT議長と意を通じたというのか不明である。 被告が原告らから促されて 示し,もくしは意を通じていたことから本件専決処分①は違法であると主張するが,いつのいかなる行為をもって被告がT議長に指示もしくはT議長と意を通じたというのか不明である。 被告が原告らから促されてもT議長に臨時会の開会を要請しなかったとあるが,臨時会の開会は議会の問題であり,T議長が判断すべきことであるから,これに被告が口出ししなかったとしても不思議はなく,むしろ当然の対応である。議長が長の執務室に入って話をすることはどこの地方公共団体でも日常的に行われていることであって,これをもって被告とT議長が意を通じていたとすることもできない。 原告らの主張は,長と議会との関係を理解しないものである。すなわち,議会の開閉に関する事項は議会自ら決定するが,α村議会では,議会の開閉は議長が宣告するものとされており,議長は議事を整理する責任と権限-26-を有している。そして,普通地方公共団体の長と議会との関係については,地方自治法上,議会における条例の制定等に異議があるときは,長はこれを再議に付することができること,議会の議決が収入または支出に関し執行することができないものであると認めるときは,長はこれを再議に付さなければならないこと,議会が成立しないときなどは,長はその議決すべき事件を処分することができることなどが規定されており,これらの規定によれば,議会と長は独立かつ対等の機関とされ,村長は,議会に対して,所定の場合に再議に付し,その議決すべき事件を処分するなどの権限を有するにすぎず,議会の指揮監督等の権限を有していない。また,議会の会議運営については議会が会議規則を設け,議会は地方自治法,会議規則等に違反した議員に対し懲罰を科することができるなど,地方公共団体においては,議会が自らその組織,運営に関して自律的に決定し,処理することになっ ては議会が会議規則を設け,議会は地方自治法,会議規則等に違反した議員に対し懲罰を科することができるなど,地方公共団体においては,議会が自らその組織,運営に関して自律的に決定し,処理することになっている。 被告は,臨時会を招集することはできても,その開会を指揮監督することはできないから,平成21年第3回臨時会が開会されなかったことはT議長の責任と権限によるものであり,議会側の問題であって,そのことの故に被告の専決処分が制限されることはない。 被告は,議会が開会されなかった以上,臨時会は流会になったものとして取り扱わなければならず,その判断について被告が介入する余地はないから,被告が臨時会を開会させずに外形的に法179条1項の要件を作出したということはあり得ない。 したがって,被告がT議長に対して,同臨時会を開会しないことを指示し,もしくはT議長と意を通じていたとすることはできず,そのことをもって本件専決処分①が違法であるということはできない。 (2) 本件専決処分②の違法性(乙事件)(原告らの主張)-27-ア専決処分の対象外の事項について専決処分をした違法副村長は,村長のもっとも重要な補助機関であるにもかかわらず,法162条がその選任を村長単独の権限とせずにあえて議会の同意を必要とした趣旨は,副村長は,村長のいわば補佐役として議会との交渉に当たるなど議会との関係が深い上,村長に事故があるとき又は村長が欠けたときは村長の職務を代理するなどの重要な機能を果たすことから,議会の同意を必要とすることによって,村長とは別個の観点からその選任について民主的コントロールを及ぼす趣旨であると解される。 また,監査委員の職務は,普通地方公共団体の財務に関する事務の執行及びその経営に係る事業の管理の ,村長とは別個の観点からその選任について民主的コントロールを及ぼす趣旨であると解される。 また,監査委員の職務は,普通地方公共団体の財務に関する事務の執行及びその経営に係る事業の管理の監査などであり,これらの職務を遂行すべき監査委員の選任を普通地方公共団体の長の単独の権限で行うときは,長との情実などから監査委員の執行機関に対する独立性,公正性が保てなくなるため,法196条は,監査委員の選任について議会の同意を要件としたものと解される。 これらの趣旨からすれば,副村長及び監査委員の選任についての同意の有無は議会のみが判断すべき事柄である。そして,事柄の性質上,議会が専属的に意思決定すべきであると考えられる事項について専決処分は許されないと解釈すべきであり,本件人事案件は専決処分の対象とならない。 イ被告が議会の議決がない状態を作出した違法原告A及び同Bは,平成21年11月4日から同月12日までの間,海外旅行に出かける予定があり,T議長にその間の不在申告をし,了解されていた。しかるに,被告は,T議長からこの事実を知るに至り,同月4日,前記原告ら2名が空港を出発したのを確認するやいなや,α村職員に臨時会の招集の告示を指示した。上記2名の議員が議会に出席しなければ,会議において村長派の議員が多数を占めることになり,本件人事案件を可決-28-することができるとの目論見からである。 これは,α村議会副議長が同月5日に被告の自宅に赴き,現在δ村出身の議員で協議している最中であるため臨時会の開会を待つよう促したにもかかわらず,被告が首を縦に振らなかったことからも明らかである。 結局,被告の上記行動を聞知した前記原告ら2名が急遽帰国し,同月9日の臨時会に出席することにしたため,被告の目論見は水泡に帰し かわらず,被告が首を縦に振らなかったことからも明らかである。 結局,被告の上記行動を聞知した前記原告ら2名が急遽帰国し,同月9日の臨時会に出席することにしたため,被告の目論見は水泡に帰した。 T議長は,原告らの抗議に対し,「与党の議長だからできることだ。」などと述べており,被告は,それらのやり取りを聞いて,原告らに対し,「文句があるなら堂々と向かってこい。」などと強硬に述べていた。 これらの事実に照らせば,被告が,臨時会が開会されれば本件人事案件が否決されることが明白であったことから,本件人事案件を成立させるために臨時会を流会に追い込み,外形的に議会において議決すべき事件を議決しないときという状態を作出したことは明らかであって,法179条1項の「議会において議決すべき事件を議決しないとき」に該当しないから,本件専決処分②は権限行使の著しい踰越・濫用があるものとして違法である。 (被告の主張)争う。 被告は,本件人事案件について議決を求めるため,平成21年第5回臨時会を招集した。ところが,α村議会は,同年11月9日午後3時から午後3時05分まで全員協議会を開議したものの,その後の同臨時会は開会されず,流会となった。 そこで被告は,本件専決処分②をしたのであり,このことに何の違法もない。 ア専決処分の対象外の事項について専決処分をした違法専決処分は,議会において議決すべき事件又は決定すべき事件に関し-29-て,必要な議決が得られない場合において,長と議会の調整を図るための手段として認められたものであり,主として地方行政の渋滞を防止することを目的としたものである。これらの趣旨が妥当することは,副村長及び監査委員の選任の同意であっても変わるところはない。 るための手段として認められたものであり,主として地方行政の渋滞を防止することを目的としたものである。これらの趣旨が妥当することは,副村長及び監査委員の選任の同意であっても変わるところはない。 副村長及び監査委員の選任の同意について,専決処分を禁止する規定もない以上,人事案件であることをもって,本件専決処分②が違法であるということはできない。 なお,普通地方公共団体の議会の議員及び長は選挙人が投票によりこれを選挙するものとされており,議会及び長はそれぞれ民主的基盤を有しているところ,長の専決処分が認められるのは,長も民主的基盤を有しているからにほかならず,二元代表制が採用されていることをもって,長の専決処分を否定する理由とすることはできない。 イ被告が議会の議決がない状態を作出した違法前記(1)(被告の主張)イと同様,臨時会を開会しないことについて,被告がT議長に指示し,もしくは被告とT議長が意を通じていたとすることはできず,平成21年第5回臨時会が開会されなかったのは議会側の問題であるから,そのことの故に被告の専決処分が制限されることはない。 なお,α村議会において不在申告のルールは存在せず,被告は議会運営委員会には出席していないから,その際のやり取りも見ていない。また,被告は,新聞紙上で「議員のプライベートなことは知らなかった。必要に応じて議会を招集しただけ」であることをα村住民に向けて公言している。 被告が議会の開会延期に関する要請について首を縦に振らなかったとしても,それは臨時会の招集告示をした後のことであり,臨時会を開会するかはT議長の問題であるから当然のことである。 被告が「堂々と向かってこい。」という趣旨の発言をしたことを裏付ける資料は何もないだけでなく,原告の主 をした後のことであり,臨時会を開会するかはT議長の問題であるから当然のことである。 被告が「堂々と向かってこい。」という趣旨の発言をしたことを裏付ける資料は何もないだけでなく,原告の主張によれば,堂々と向かってきて-30-いないのは被告の方であるから,被告がかかる発言をすること自体あり得ない。 (3) 本件専決処分③の違法性(甲事件)(原告らの主張)ア議会の否決決議を無視した違法平成22年1月22日,T議長は,原告ら7名の議員の再三に渡る開会要求にもかかわらず,平成22年第1回臨時会を開会しなかった。 法106条1項は「普通地方公共団体の議会の議長に事故があるとき,又は議長が欠けたときは,副議長が議長の職務を行う。」と規定しているところ,「議長に事故があるとき」は,議長の除斥,病気などのいわば非自発的な事由に限定されず,T議長のごとく議長の職務を積極的に放棄して議会を開会しないような場合も含まれると解釈されなければならない。 また,α村議会においては,従来,副議長が欠員であった。 このような場合,議長及び副議長ともに事故があるものとして法106条2項により仮議長を選挙して議長の職務を行わせるものとは解されておらず,法107条の議長の職務を行う者がないときとして,年長の議員が臨時に議長の職務を行うものと解されている。 原告ら議員は,同日,法107条に基づき最年長議員の原告Fが臨時議長となり,被告の招集にかかる平成22年第1回臨時会を開会し,法103条に基づき,欠員であった副議長に原告Bを選任し,この副議長のもと,本件図書館請負契約締結にかかる議案の否決決議をした。 これにより,本件図書館請負契約の締結を認めないα村議会の意思は何らの瑕疵もなく実体的に確定したの た副議長に原告Bを選任し,この副議長のもと,本件図書館請負契約締結にかかる議案の否決決議をした。 これにより,本件図書館請負契約の締結を認めないα村議会の意思は何らの瑕疵もなく実体的に確定したのであって,議会が議決すべき事件を議決しないときに該当しないから,被告の行った本件専決処分③は権限の著しい踰越・濫用がある。 なお,議員を辞職することなく議長職のみを辞職することは議会の許可-31-なくしては認められないところ,T議長は議長職を辞したい旨の意向を示していたが,これは被告に与するために議員として議決に加わることを意図した個人的な理由であり,議長として議会を開会しない理由とはならない。 イ被告が議会の議決がない状態を作出した違法T議長は,原告ら議員の再三の要求にもかかわらず平成22年第1回臨時会を開会しなかった。T議長のこの態度は,同臨時会を開会すれば被告提出の議案が否決されることが明らかであったことから,外形的に議会が議決しない状態を作出し,被告の専決処分を可能にさせる意図によるものである。 議会は開会されなければ活動できないのであって,同臨時会が開会されていない以上,本件図書館請負契約締結にかかる議案は「議会において議決すべき」状態にあったとはいえない。 したがって,被告の本件専決処分③は,法179条の要件を満たしていない。 (被告の主張)争う。 被告は,本件図書館請負契約の締結について議決を求めるため,平成22年第1回臨時会を招集した。ところが,α村議会は,平成22年1月22日午後4時02分から午後4時03分まで全員協議会を開議したものの,その後の同臨時会は開会されず,流会となった。 そこで被告は,本件専決処分③をしたのであり,このことに何の違法もな 1月22日午後4時02分から午後4時03分まで全員協議会を開議したものの,その後の同臨時会は開会されず,流会となった。 そこで被告は,本件専決処分③をしたのであり,このことに何の違法もない。 ア議会の否決決議を無視した違法法106条は,一時的に議長の職を行う者がいないときに,仮議長をもって暫定的にその職務を行わせるというものであり,元々副議長が欠員の-32-場合で,議長に事故があるときというのは,まさに同条が想定している場面である。他方,法107条は,議長,副議長等の選挙を行う場合の規定であり,元々副議長が欠員である場合に,議長に事故があったからといって副議長を選挙しなければならない理由はない。 そうすると,副議長が欠員であり,T議長に事故があるというのであれば,仮議長を選挙しなければならないのであって,原告らの主張する臨時会は,何ら権限のない者によって開かれたものとして存在せず,そこでの議決も存在しない。 同日は,午後4時02分から全員協議会が開議され,午後4時03分に一旦休憩としていたにすぎず,全員協議会の休憩中に臨時会が開会されることはあり得ない。また,全員協議会の休憩からわずか42分後の午後4時45分の時点で「議長の職務を行うものがない」とも「議長に事故がある」とも解する余地はなく,原告らは,自己の要求するとおりにならないことをもってこれらの要件を具備すると主張するにすぎない。 原告らの主張する臨時会について,α村の執行部は開会することすら知らされておらず,議事録も,議長が事務局長又は書記に作成させたものではなく,必要的記載事項である出席議員及び欠席議員の氏名,職務のために議場に出席した事務職員の職氏名,議事日程等の記載も欠いているから,正式な会議録の体をなしていな 務局長又は書記に作成させたものではなく,必要的記載事項である出席議員及び欠席議員の氏名,職務のために議場に出席した事務職員の職氏名,議事日程等の記載も欠いているから,正式な会議録の体をなしていない。 イ被告が議会の議決がない状態を作出した違法前記(1)(被告の主張)イと同様,臨時会を開会しないことについて,被告がT議長に指示し,もしくは被告とT議長が意を通じていたとすることはできず,平成22年第1回臨時会が開会されなかったのは議会側の問題であるから,そのことの故に被告の専決処分が制限されることはない。 (4) 本件専決処分④の違法性(丁事件)(原告らの主張)-33-平成22年3月4日の第1回α村議会定例会(以下「定例会」という。)が開会されずに流会となったのは,α村議会が平成21年度α村一般会計予算を否決した以上,本件道路工事請負契約の締結を承認しないことが明白であったため,被告が,前記定例会を流会に追い込み,外形的に議会において議決すべき事件を議決しないときという状態を作出したことに基づくのであって,本件専決処分④は重大かつ明白な違法があり無効といわなければならない。 (被告の主張)前記(1)(被告の主張)イと同様,定例会を開会しないことについて,被告がT議長に指示し,もしくは被告とT議長が意を通じていたとすることはできず,平成22年第1回定例会が開会されなかったのは議会側の問題であるから,そのことの故に被告の専決処分が制限されることはない。 (5) 本件住宅防音補助事業の公益性の有無(丙事件)(原告らの主張)法232条の2は,普通地方公共団体が,公益上必要がある場合に寄付又は補助をすることができる旨を規定しているが,この要件の認定については,地方 性の有無(丙事件)(原告らの主張)法232条の2は,普通地方公共団体が,公益上必要がある場合に寄付又は補助をすることができる旨を規定しているが,この要件の認定については,地方公共団体の長の全くの自由裁量行為ではなく,考慮されるべき諸事情に照らして客観的合理性が認められなければならない。 地方公共団体の補助金は,地方公共団体が住民全体から公租公課等の形で徴収した原資を特定の者に無償で交付するものであるから,行政主体の恣意を防止し,公正性を担保しなければならないことはいうまでもなく,公益性の判断にあたっては,公益目的の内容のみならず,基本原則としての財政民主主義の原則,平等・公平原則,公正決定原則などの原則が考慮されなければならない。 これを本件補助金の交付についていうならば,以下のような数多くの問題があり,公益上の必要性を認めた被告の判断には裁量権の踰越・濫用があっ-34-て,違法である。 ア α村住宅防音事業補助金交付要綱(以下「本件要綱」という。)の問題本件要綱1条には,米軍等が使用するβの周辺に所在する住宅について,音響障害を防止等するために必要な工事を行う者に対し,これに要する経費の一部を補助して住民の生活環境の保全を図る旨が規定されているが,「米軍等」及び「βの周辺に所在する住宅」の内容が具体化されておらず,交付対象が全く特定されていない。 また,本件要綱には,補助金交付の決定に至るまでの判定について,U委員会の意見を聞き,村長が交付等の判定をする旨が規定されているのみで,その判定基準,審査基準が全く規定されていない。補助金の交付は限られた予算の中で行われるものであるから,支給対象者やその優先性の決定に当たって,補助金交付の目的・趣旨を具体化した審査基準 るのみで,その判定基準,審査基準が全く規定されていない。補助金の交付は限られた予算の中で行われるものであるから,支給対象者やその優先性の決定に当たって,補助金交付の目的・趣旨を具体化した審査基準を設定し,これを公正かつ合理的に適用して決定しなければならないにもかかわらず,本件補助金については,住民間の平等性や優先性を担保するための最も重要な事実関係となる村内各所の騒音状況の調査及びその結果の公表を行っておらず,具体的な審査基準も公表しないまま交付決定が行われており,平等・公平原則,公正決定原則,手続の透明性原則に違反することは明らかである。 そもそも,このような重大な事業決定の行為形式として行政内部の基準である要綱を用いることは民主的基盤を損なうというべきであり,被告が条例の形式を採らなかったこと自体も裁量権の踰越・濫用というべきである。 なお,U委員会は私的諮問機関にすぎず,その人選も民主的基盤を有することの保障がないから,同委員会の意見を聴いたからといって補助金交付の公正さが担保されるものではない。 イ財政上の問題-35-本件住宅防音補助事業は国からの補助事業ではなく,α村の単独財源で行うものである。 国の試算によれば,一戸あたりの防音工事費用は推定700万円から1000万円を要するとされており,α村の全ての住戸を対象とするときは,その額は優に100億円を超えることも予想される。一方,α村の平成22年度一般会計総額中,歳入の内訳は,23.4パーセントが村税で,基金繰入金が約35パーセントと,基金繰入金が歳入の主となっており,財政状態は余裕があるものとはいえない。 それにもかかわらず,被告は,平成21年度一般会計予算より約10億円増の約51億円の平成22年度 5パーセントと,基金繰入金が歳入の主となっており,財政状態は余裕があるものとはいえない。 それにもかかわらず,被告は,平成21年度一般会計予算より約10億円増の約51億円の平成22年度α村一般会計予算を編成しており,この増額の主たる原因が本件補助金の財源であることは明らかである。しかし,α村の財政上の余裕の程度との関連において,平成22年度に4億6000万円もの補助金を支出せざるを得ないほど本件住宅防音補助事業の緊急性があるとはいえない。 ウ他事考慮の問題国は,国の指定する住宅防音指定区域内の所定の基準を満たす住戸について,住宅防音工事を行う所有者等に対し,補助金を交付してきた。 歴代のα村長は,α村内の住宅防音指定区域の拡大について国と折衝し,漸次その範囲が拡大され,平成12年に現在の住宅防音指定区域が定められた。しかし,その指定区域は不整形であり,かねてから区域外の隣接住民との間に不公平感が生じていた。 被告は,平成19年の村長選挙で,住宅防音工事対象区域のα村δ地区から同ε地区への拡大を国に要望することを公約の一つとして当選し,国に要請した結果,国の補助金により,被告の要請に添った解決がなされることになった。しかし,その後,一向に防音工事が行われることがないまま,国は,同年11月,不整形地の解消を反故にし,α村に対し,騒音状-36-況再調査の結果,騒音等の減少が認められるとして,住宅防音指定区域を縮小する旨を伝えた。国が方針を変更した理由は明らかではないが,いずれにしても被告の失政というほかない。 国の補助金による場合とα村の単独財源で実施する場合とでは,考慮されるべき事項は当然異なるはずであるにもかかわらず,被告は,公正さを担保するための各地区の音量調査 失政というほかない。 国の補助金による場合とα村の単独財源で実施する場合とでは,考慮されるべき事項は当然異なるはずであるにもかかわらず,被告は,公正さを担保するための各地区の音量調査,区域の決定手続の透明性の確保等の要考慮要素に全く意を用いておらず,所得格差や住宅防音工事後の住宅の管理・処分についても考慮した様子がうかがわれない。 本件住宅防音事業の実態は,国の住宅防音指定区域が不整形であることから生じている不公平感の除去そのものを目的として防音事業設定エリアを設定し,そのエリア内の住戸に対してのみ補助金を交付するというものであって,本件要綱1条の音響障害を防止し,住民の生活環境の保全を図る旨の目的とは明確に異なるものである。 被告は,自らの失政を糊塗し,選挙公約である不整形による不公平感の解消を何とか実現するためにα村の単独財源による本件住宅防音補助事業を強行したのであって,本件住宅防音補助事業には,住宅防音指定区域外の隣接住民の間に生じている不公平感の解消そのものを直接目的として行われた他事考慮の違法があるというべきである。 エ判断主体の問題補助金を支出するためには議会の議決が必要であるから,公益上の必要の判断主体は首長の独占ではなく,首長及び議会にあるというべきであり,首長が議会の議決を無視することはそれだけで公益上の必要の判断について裁量権の踰越・濫用があるというべきである。 平成21年度の住宅防音補助事業関連の予算はα村議会により明確に否決され,被告の専決処分は無効であるから,平成21年度の住宅防音補助事業にかかる補助金の支出は,それだけで公益性の判断に裁量権の踰越・-37-濫用がある。 (被告の主張)争う。 α村を含む1市2村に存す ら,平成21年度の住宅防音補助事業にかかる補助金の支出は,それだけで公益性の判断に裁量権の踰越・-37-濫用がある。 (被告の主張)争う。 α村を含む1市2村に存するβでは,もともと自衛隊による軍事訓練が実施されていたところ,平成9年から米軍による実弾射撃訓練が実施されるようになった。軍事訓練による爆撃音,地響きの被害は深刻な問題であり,その解消,軽減はα村住民の悲願であるとともに,自衛隊及び米軍による軍事訓練を受け入れ,国から交付金,助成金の交付を受けてきたα村の責務でもあった。そこで,α村は本件要綱を定め,住宅防音工事に対する補助金を交付することとした。 ところで,住宅防音事業における補助といっても,現実には財源の問題もあり,一度に全てをすることは不可能であるし,およそ米軍等の砲撃を主とする射撃の実施等により生じる音響障害のない場合にまで補助することはできない。 そこで,本件要綱は,補助金交付の対象が適正か否かを審査するため,工事希望者に交付申込書とともに添付書類を提出させることとし,村長は,U委員会の意見を聴いて補助金の交付について判定することとしたのであって,本件住宅防音補助事業に基づく補助金の交付に公益上の必要性があることは明らかである。 原告らは,本件要綱や他事考慮等の問題を主張するが,そのことによって公益性を欠くことにはならず,それ自体失当というほかない。 すなわち,単に要綱の文言如何によって当該補助金が公益性を欠くことになるわけではないし,財政が潤沢な地方公共団体はむしろ少数にとどまるのであって,単に財政状況の如何によって当該補助が公益性を欠くことになるわけでもない。また,本件住宅防音補助事業が,その歴史的経緯から,一面において国の防音指定区域の不整形による不公平 数にとどまるのであって,単に財政状況の如何によって当該補助が公益性を欠くことになるわけでもない。また,本件住宅防音補助事業が,その歴史的経緯から,一面において国の防音指定区域の不整形による不公平感を除去しようとするもの-38-であることは否定しないが,そのことの故に住宅防音工事が住民の生活環境の保全を図るものではないということにはならない。両者は矛盾抵触するものではなく,原告らの主張する不公平感の除去というのは,米軍の砲弾の轟音が響き,δ住民を苦しめ続けている状況にあって,同じ被害を蒙りながら救助の対象とならない者が存在している状況を改善するということである。 決定過程に至る被告の判断の過程に裁量権の踰越・濫用があるというのは,名宛人等の保護が問題となる処分の違法に関する議論であり,そのことの故に補助金交付という財務会計行為が違法となることはないし,要綱の形式をとったこと自体が裁量権の踰越・濫用であるというのは,補助に関する基本を理解していないというほかない。 なお,本件要綱において,ε地区が住宅防音工事の対象から除外されているわけではなく,財源の問題を考慮してε地区も順次検討することになっているのであって,一部の住民にのみ補助金を交付しようとするものではない。 (6) 本件道路工事に関する手続の瑕疵(丁事件)(原告らの主張)α村は,県令の布達により明治8年にδ村とε村が合併して誕生した。 α村誌には,明治14年に旧ε村及び旧δ村所有地が官有地に強制編入されたこと,明治20年に官有地に強制編入された旧部落有地が有償で払い下げられたことなどが記載されている。 そして,α村議会は,昭和38年,α村有財産のうち,旧δ村及び旧ε村提供の林野は当時の部落有財産を信託的に村有としたものであり,管理処 た旧部落有地が有償で払い下げられたことなどが記載されている。 そして,α村議会は,昭和38年,α村有財産のうち,旧δ村及び旧ε村提供の林野は当時の部落有財産を信託的に村有としたものであり,管理処分の権能が事実上部落に存したことを確認すること,それらの土地の実質的な管理処分に関する権限は部落において行使するものとし,α村はこれに関する部落の決定を尊重することなどを内容とする覚書を議決した。 これらの経緯に照らせば,本件道路工事の対象となっている道路用地のうち,α村δ字ν×番1,同×番4,同×番5の土地(以下,これらを併せて-39-「本件土地」という。)が旧部落有財産に該当することは明らかである。 また,本件管理条例中の「元土地提供部落特権地」とは「特別な権利がある土地」を意味し,「特別な権利」とは,明治40年代以前から使用収益していたδ組及びε組部落の旧慣上の入会権と考えることが相当であるから,本件土地が,この元土地提供部落特権地に含まれることも明らかである。本件土地は不動産登記上α村の所有として登記されているものの,δ区の旧慣上の総有的入会権が存在することは否定できない事実である。 本件管理条例には,δ組が提供した土地は全て永久全部収益権地と位置付けられ,区分を変更するときは部落の同意を得なければできないこと,関係部落の同意がなければ特権地を貸し付けることはできないことなどが規定されているところ,特権地とは正に入会地であるから,この特権地はδ区会運営規約9条1号に基づき,δ区民全員の同意を得なければ財産の処分等できないことは明白な事実である。そして,本件道路工事による道路整備は,本件土地を道路の区域決定とすることと一体をなすものであり,本件道路工事は,模範林を道路敷地とし,道路の区域決定することによって,物理的はもと 白な事実である。そして,本件道路工事による道路整備は,本件土地を道路の区域決定とすることと一体をなすものであり,本件道路工事は,模範林を道路敷地とし,道路の区域決定することによって,物理的はもとより,法律上も旧慣の変更又は廃止にあたるというべきである。 本件土地は,α村内の行政区であるδ区の旧慣上の総有的入会権が存在する模範林が所在する土地であり,δ区民全員の同意を得て,かつ,α村議会の特別多数決がなければ処分できないことになっているにもかかわらず,被告は,上記の手続を全く行うことなく,本件土地の所有名義がα村となっていることから,α村の自由な管理処分権があると称してほしいままに道路用地として本件道路工事を行ったのであり,その違法たることは明らかである。 (被告の主張)争う。 入会権は収益の事実を前提とするものであるところ,本件土地は山の急斜面-40-に位置しており,現在はもちろん,歴史的にも,そこでδ組が収益していた事実はないから,δ組の入会権は存在しない。 また,たとえδ組の入会権が存在し,本件道路工事がその入会権を侵害するものであったとしても,それは入会権者との問題であり,そのことによって本件道路工事請負契約にかかる財務会計行為が違法となるわけではない。 本件土地が本件管理条例1条にいう旧部落有財産に含まれることは原告の主張のとおりであるが,同4条にいう元土地提供部落特権地に含まれるかについては疑問がある。本件管理条例では,元土地提供部落特権地について,特権地区分の変更,売り払い及び譲与等は規制されているが,道路の整備は規制されていないし,本件道路工事は,既存の村道を改良して急カーブを緩和等するものであるから,旧慣を変更し又は廃止するものでもない。 なお,δ区会運営規約は,任意団体であるδ区会の内部規定で 備は規制されていないし,本件道路工事は,既存の村道を改良して急カーブを緩和等するものであるから,旧慣を変更し又は廃止するものでもない。 なお,δ区会運営規約は,任意団体であるδ区会の内部規定であり,区有財産の処分等について区民全員の同意が必要とされるのはδ区会がその財産を処分する場合であるから,これにα村が拘束されることはない。 第3 当裁判所の判断 1 前記前提となる事実に下記証拠及び弁論の全趣旨を総合すると,以下の事実が認められる。 (1) α村議会会議規則の定めα村議会会議規則には以下の規定が設けられている(乙1)。 ア第8条(議会の開閉)議会の開閉は,議長が宣告する。 イ第11条第1項(会議の開閉)開議,散会,延会,中止又は休憩は,議長が宣告する。 ウ第111条(会議録の記載事項)会議録に記載する事項は,次のとおりとする。 (1) 開会及び閉会に関する事項並びにその年月日時-41-(2) 開議,散会,中止及び休憩の日時(3) 出席及び欠席議員の氏名(4) 職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名(5) 説明のため出席した者の職氏名(6) 議事日程(7) 議長の諸報告(8) 議員の異動並びに議席の指定及び変更(9) 委員会報告書及び少数意見報告書(10) 会議に付した事件(11) 議案の提出,撤回及び訂正に関する事項(12) 選挙の経過(13) 議事の経過(14) 記名投票における賛否の氏名(15) その他議長又は議会において必要と認めた事項 関する事項(12) 選挙の経過(13) 議事の経過(14) 記名投票における賛否の氏名(15) その他議長又は議会において必要と認めた事項(2) α村議会の状況平成21年当時,α村議会は,被告を支持する会派の議員7名とその反対の立場の原告ら議員7名によって構成されており,T議長は被告を支持する会派に所属していた(甲10,21,原告E,弁論の全趣旨)。 (3) 本件専決処分①に至る経緯ア平成21年2月26日から同年3月17日までを会期とする平成21年第1回定例会が開会し,被告は,総額を40億4889万4000円とする平成21年度α村一般会計予算を提出した。なお,本件道路工事は継続事業であるため,前記予算案において,本件道路工事関連予算は継続費として計上されていた。 同年3月17日,α村議会は,法115条の2に基づき,前記当初予算のうち,本件住宅防音補助事業関連及び本件図書館請負契約関連等3件の-42-予算について,総額5億4000万円の予算削除の修正動議を提案し,賛成多数で可決した。 その後,α村議会は,平成21年度α村一般会計予算のうち,前記修正議決を除く原案を採決し,質疑討論なく全会一致で可決して,平成21年第1回定例会を閉会した。 同月19日,被告は,前記修正議決に対し,法176条1項の一般的拒否権に基づく再議を求めて平成21年第1回臨時会を招集した。その際,被告から再議を求める理由について説明されたことはなかった。 α村議会が平成21年第1回臨時会を開会して採決した結果,前記修正議決は,法176条2項及び3項の規定による出席議員の3分の2以上の同意がなかったことから確定しなかった。その際,α村議会は,平成2 α村議会が平成21年第1回臨時会を開会して採決した結果,前記修正議決は,法176条2項及び3項の規定による出席議員の3分の2以上の同意がなかったことから確定しなかった。その際,α村議会は,平成21年度一般会計予算の原案を審議し,これを否決する決議をした。 イ同月30日,被告は,平成21年第2回臨時会を招集し,歳入総額6億5337万7000円,歳出総額11億8874万1000円の暫定予算を提出し,α村議会はこれを可決した。なお,この暫定予算には,本件図書館請負契約及び本件住宅防音補助事業を含む予算は計上されなかった。 ウ同年5月20日,被告は平成21年第3回臨時会を招集し,平成21年度一般会計予算と同一内容の総額40億4889万4000円の予算案等の議案を提出した。同年3月から同年5月20日までの間に,被告と原告ら議員との間で,平成21年度α村一般会計予算について協議が行われたことはなく,同一内容の予算案を再度提出する理由について,被告が説明したこともなかった。 同日午後1時03分から議員控室において,α村議員全員及び被告らα村執行部出席の下,α村議会全員協議会が開会された。全員協議会においては,平成21年度α村一般会計予算等の議案について議論がなされたが,原告ら議員の意見は同年3月の議会におけるやり取りと同様であり,議論-43-は平行線をたどった。 原告ら議員は,全員協議会の休憩中などに,T議長に対し,再三に渡り同日の臨時会の開会を要求したが,T議長は,同日午後3時57分に「本日の会議はそういう意味合いから,まだまだ議論すべきであると,そんなふうに思います。したがって皆様方には大変恐縮に思うわけでありますけれども,本日の臨時会,その前に行われている全員協議会は以上をもちまして閉じます。」と述べて全 ,まだまだ議論すべきであると,そんなふうに思います。したがって皆様方には大変恐縮に思うわけでありますけれども,本日の臨時会,その前に行われている全員協議会は以上をもちまして閉じます。」と述べて全員協議会を閉会した。 原告Eは,T議長が議員控室から退室した後,被告に対し,T議長に対して臨時会を開会するよう説得すべき旨を要請したが,被告がT議長に対して臨時会の開会を促すことはなく,同日の臨時会は開会されないまま流会となった。 同日午後4時過ぎころ,被告は,全員協議会に出席していたα村職員に対し,臨時会は開会されないため部署に戻るよう指示した。 エ同月29日,被告は本件専決処分①を行った。同専決処分までの間に,被告と原告ら議員との間で平成21年度α村一般会計予算に関して協議が行われたことはなく,被告から同専決処分を行う理由について説明がなされたこともなかった。 同年6月16日,平成21年第2回定例会が開会し,被告は,法179条3項に基づいて,α村議会に対し,本件専決処分①の承認を求めたが,α村議会はこれを否決して承認しなかった。(以上甲11,21,原告E,弁論の全趣旨)(4) 本件専決処分②に至る経緯ア原告A及び同Bは,平成21年10月23日開催の議会運営委員会において,同年11月4日から同月12日までの間,ドイツ及びフランスへ海外旅行に出かけるため不在である旨を発言し,T議長に対して不在申告をして,その了解を得た。前記原告ら2名は,同月4日に出国した。 -44-イ被告は,同月4日,T議長同席の下で,α村議会事務局長に対し,同月9日の臨時会の招集を指示し,Nをα村副村長,Oをα村監査委員の候補者とする本件人事案件に関するα村議会の同意を議案とする平成21年第5回臨時会の招集がなされた。 下で,α村議会事務局長に対し,同月9日の臨時会の招集を指示し,Nをα村副村長,Oをα村監査委員の候補者とする本件人事案件に関するα村議会の同意を議案とする平成21年第5回臨時会の招集がなされた。 この招集通知は,同月4日の午後3時以降に原告ら議員に通知された。 原告A及び同Bは,他の議員らから臨時会招集の電話連絡を受けて急遽帰国した。なお,α村議会においては,本件人事案件について反対の立場の議員が過半数を占めていた。 ウ同月5日,α村議会副議長が被告宅に赴き,δ村出身の議員で協議している最中であるため臨時会の開会を待つよう促したが,被告は了承しなかった。 エ同月9日午後3時から,帰国した原告A及び同Bを含む全員協議会が開会された。 原告ら議員は,当該全員協議会において,T議長に対し,同日の臨時会の開会を度々要求したが,T議長は臨時会を開会しない旨の発言をし,同日午後3時05分に全員協議会を閉会させた。その後,T議長は臨時会を開会せず,同日の臨時会は流会となった。 原告ら議員はT議長に対して抗議したが,T議長は,「与党の議長だからできることだ。」と述べ,原告A及び同Bが帰国して情勢が変わったために同日の臨時会を開会しなかった旨の発言をした。その際,被告は,原告ら議員とT議長とのやり取りを見ており,原告Bに対し,文句があるなら堂々と向かって来いという趣旨の発言をした。 オ被告は,同月13日,本件専決処分②を行った。同専決処分までの間に,被告と原告ら議員との間で本件人事案件について協議が行われたことはなく,被告が同専決処分を行う理由について説明したこともなかった。 被告は,同月30日,本件専決処分②の承認を求めて平成21年第6回-45-臨時会を招集したが,α村議会はこれを不承認とする議 ,被告が同専決処分を行う理由について説明したこともなかった。 被告は,同月30日,本件専決処分②の承認を求めて平成21年第6回-45-臨時会を招集したが,α村議会はこれを不承認とする議決を行った。(以上甲12,21,22,原告E,原告B,弁論の全趣旨)(5) 本件専決処分③に至る経緯ア平成21年11月25日,本件図書館の建設工事について,予定価格を8億6812万円とする入札告示がなされた。 平成22年1月18日,前記入札が実施され,K株式会社・L株式会社・株式会社Mを構成員とするβ周辺学習等供用施設建設工事共同企業体が落札価格8億5500万円で本件図書館の建設工事を落札した。 イ同月22日,被告は,法96条1項5号,議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分の範囲を定める条例2条によりα村議会の議決を要する案件である本件図書館請負契約の締結についての議決を求めて平成22年第1回臨時会を招集した。 ウ同日午後4時02分,全員協議会が開会された。 T議長は,平成21年12月4日に議長を辞することを表明したが,いまだ後任が決まっていない状況のため議長の選出について議論してもらいたい旨の発言をして,平成22年1月22日午後4時03分に全員協議会を休憩とした。 その後,原告ら議員がT議長に対して同日の臨時会の開会を再三要求したが,T議長は臨時会を開会しなかった。 エ原告ら7名の議員が,同日の全員協議会の席上において,最年長議員の原告Fによって平成22年第1回臨時会を開会する意向を示したところ,T議長らは議場から退場した。 原告らは,同日午後4時45分,法107条に基づき最年長議員である原告Fが臨時議長となり,前記臨時会を開会した上,法103条に基づき,副議長に原告Bを 示したところ,T議長らは議場から退場した。 原告らは,同日午後4時45分,法107条に基づき最年長議員である原告Fが臨時議長となり,前記臨時会を開会した上,法103条に基づき,副議長に原告Bを選任して,本件図書館請負契約についての議案を否決する旨の決議をした。 -46-オ被告は,同月27日,本件専決処分③を行った。同専決処分までの間に,原告ら議員と被告との間で本件図書館請負契約締結についての協議が行われたことはなく,被告が同専決処分を行う理由について説明したこともなかった。 α村議会は,同月29日,被告に対し,前記否決決議の結果を「α村議会臨時議会会議録」及び「議案審議の結果の送付について」と題する書面により報告送付した。 被告は,同年3月29日開会の平成22年第2回臨時会において,法179条3項に基づいて本件専決処分③の承認を求めたが,α村議会はこれを否決して承認しなかった。(以上甲21,乙3,4,原告E,弁論の全趣旨)(6) 本件専決処分④に至る経緯ア平成22年2月26日,本件道路工事の入札が実施され,株式会社Q・株式会社R・株式会社Sを構成員とする平成21年度村道γ線道路改良工事共同企業体が落札価格1億3400万円(消費税抜き)で本件道路工事を落札した。 イ被告は,同年3月4日招集の平成22年第1回定例会において,法96条1項5号,議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分の範囲を定める条例2条によりα村議会の議決を要する案件である本件道路工事請負契約の締結について議決を求める議案の提出をした。 同日,原告ら議員は,T議長に対して再三に渡り定例会の開会を要求したが,T議長は定刻の午後4時を過ぎても議会を開会せず。同定例会は流会となった。 ウ被告は る議案の提出をした。 同日,原告ら議員は,T議長に対して再三に渡り定例会の開会を要求したが,T議長は定刻の午後4時を過ぎても議会を開会せず。同定例会は流会となった。 ウ被告は,同月11日,本件専決処分④を行った。同専決処分までの間に,被告と原告ら議員との間で本件道路工事請負契約締結についての協議が行われたことはなく,被告が同専決処分を行う理由について説明したことも-47-なかった。 被告は,同月29日開会の平成22年第2回臨時会において,α村議会に対し,本件専決処分④の承認を求めたが,α村議会はこれを否決して承認しなかった。(以上甲21,原告E,弁論の全趣旨)(7) 平成22年度α村一般会計予算の成立被告は,平成22年3月4日,平成22年第1回定例会を招集して,総額を51億1092万7000円とする平成22年度α村一般会計予算を提出したが,T議長が同定例会を開会せず,流会となったため,前記予算案は廃案となった。この予算には,本件住宅防音補助事業関連である4億6000万円の予算が含まれていた。 同月29日,被告は,平成22年第3回臨時会を招集して,前記同様の総額51億1092万7000円の平成22年度α村一般会計予算を提出した。 α村議会は,同臨時会を開会した上,前記予算案を採決し,賛成多数で原案どおり可決した(弁論の全趣旨)。 (8) 本件住宅防音補助事業実施の経緯等ア βの使用の経緯等昭和11年1月から昭和13年1月にかけて,旧日本陸軍は,π,σ等の民公有地約2000町歩を買収してβを開設した。 昭和20年10月,米軍の進駐とともにβは米軍に接収され,昭和28年9月24日,日米安全保障条約3条による行政協定に基づき,日米合同委員会 民公有地約2000町歩を買収してβを開設した。 昭和20年10月,米軍の進駐とともにβは米軍に接収され,昭和28年9月24日,日米安全保障条約3条による行政協定に基づき,日米合同委員会がβの使用を承認し,同年10月16日の閣議決定をもってβは正式に米駐留軍の使用のために提供されることとなった。 昭和31年3月15日にβに駐留していた米軍部隊の大部分が沖縄に引き揚げたのを受け,同演習場の一部が返還された。昭和33年7月15日以降は,βに駐留する米軍部隊はなくなり,沖縄から米軍が随時来麓,演-48-習を実施し,米軍が演習場を使用しないときは自衛隊が常時演習を行うようになった。 その後,国と山梨県との間で数次に渡るβの使用協定が締結され,同演習場の使用が継続されているが,その間,周辺自治体や地元協議会等からは,住宅防音補助事業の積極的推進及び補助事業対象区域の拡大等の要望が提出された。(乙17)イ本件住宅防音補助事業の経緯平成9年8月,βに関して,国は住宅防音工事区域の暫定エリアを設定し,助成を開始した。これに対し,δ入会組合は,平成14年5月14日,国の防音工事の実施対象区域にδ区の一部の区域が含まれておらず,同じ騒音被害を蒙りながら救助の対象とならない戸数が100戸程度生じて不平等であるとして,δ区全域を対象区域として指定することを国に申し入れるようα村に対して陳情した。 国は,平成15年3月27日,α村に対し,「現在の指定区域が不整形なことから不公平感については重く受け止め検討してまいりたい。」と回答し,平成18年5月30日には,住宅防音指定区域の拡大はできないものの,住宅防音指定区域に隣接する住民が感じている不公平感の解消について,「α村における住宅防音工事の め検討してまいりたい。」と回答し,平成18年5月30日には,住宅防音指定区域の拡大はできないものの,住宅防音指定区域に隣接する住民が感じている不公平感の解消について,「α村における住宅防音工事の実施戸数は100戸程度を上限とし,実施する住宅については,住宅防音指定区域に隣接する地域から貴村が責任を持って選定する。一部工事に着手すべく,平成19年度概算要求に計上する。」ことを回答した。 しかし,平成19年11月30日,国は,住宅防音指定区域を縮減し,隣接住民については住宅防音工事を実施しない方針を明らかにした。これを受け,δ区入会組合は,同年12月5日,β第8次使用協定の協議の席に着かないことを決定し,α村に対して,村費を充当してでも不公平感を解決すべきことを要望した。 -49-α村は,平成20年3月27日,村が事業主体となって本件住宅防音補助事業を実施することを決定した。(乙18~27)(9) 本件要綱の定め等被告は,平成21年6月15日,α村告示第38号をもって本件要綱を定めた。 本件要綱には,以下の規定が設けられている。(乙10)ア第1条(目的)この告示は,米軍等が使用するβの周辺に所在する住宅について,米軍等の砲撃を主とする射撃,爆撃その他火薬類の使用の頻繁な実施により生じる,音響障害を防止又は軽減するため必要な工事(以下「住宅防音工事」という。)を行う者に対し,これに要する経費の一部を補助することにより,もって住民の生活環境の保全を図るとともに,住宅防音工事実施による村内建築産業の活性化及び雇用対策を促進することを目的とする。 イ第2条(補助金の交付)村長は,平成12年11月22日において現に村内に所在する住宅の防音工事を行う所有者等 る村内建築産業の活性化及び雇用対策を促進することを目的とする。 イ第2条(補助金の交付)村長は,平成12年11月22日において現に村内に所在する住宅の防音工事を行う所有者等(当該住宅の所有者又は当該住宅に関する所有権以外の権利を有する者をいう。)に対し,予算の範囲内において,住宅防音事業補助金(以下「補助金」という。)を交付する。ただし,次の各号のいずれかに該当する者は,この告示による補助金の交付を受けることができない。 (1) 村税,使用料,手数料その他本村に対する債務の履行を怠っている者(2) この告示による補助金の交付を受けている者(3) 演習場周辺住宅防音事業補助金交付要綱(平成19年防衛省訓令第109号)の規定による住宅防音工事の助成を受けたもの又は受けることができる者ウ第6条第1項(交付申込書の配布及び提出)-50-村長は,住宅防音事業補助金の交付の対象として適正かどうかを審査するため,工事希望者に対し,別記第1号様式による交付申込書を配布し,次の各号に掲げる添付書類とともにこれを提出させるものとする。この場合,添付書類は,交付申込書の提出前3月以内に作成されたものとし,交付申込書及び添付書類の記載事項に変更があったときには,変更事項が確認できる書類を添えて速やかに報告させるものとする。 エ第7条(補助金の内定)村長は,前条第1項の規定による申込があったときは,U委員会の意見を聴き,補助金の交付等について判定し,その結果を別記第2号様式により当該申込をした者に通知するものとする。 オ第8条(委員会の設置等)第1項住宅防音事業の実施に関し審査するため,U委員会(以下「委員会」という。)を設置する。 号様式により当該申込をした者に通知するものとする。 オ第8条(委員会の設置等)第1項住宅防音事業の実施に関し審査するため,U委員会(以下「委員会」という。)を設置する。 第2項委員会は,有識者及び住民等をもって組織する。 第3項委員会について,必要な事項は別に定める。 カ第9条第1項(補助金等の交付申請)交付対象者は,補助金等交付申請書により村長に申請しなければならない。 キ第10条(補助金の交付決定)村長は,前条第1項の規定による申請があったときは,補助金の交付について判定し,その結果について当該申請をした者に通知するものとする。 ク第13条(補助金の請求及び支払等)村長は,交付対象者からの請求に基づき,補助金を交付するものとする。 (10) U委員会の実施状況等本件要綱8条1項に基づき,U委員会が設置され,平成21年6月18日から同年9月15日にかけて,5回に渡りその委員会が開催された。なお,-51-U委員会は,δ入会組合長,δ区長,ε区長及び山梨県立大学国際政策学部准教授等によって構成されていた。 同委員会においては,平成21年度住宅防音事業対象区域の設定について,不整形の解消を出発点とすべきことが確認され,区域内の住宅防音事業の優先順位については,騒音のデータを採取してその大小によって決定すべきこと,着弾地から近い順に工事を進めるべきこと,高齢者や病人のいる世帯を優先すべきことなどの意見が交わされた。 U委員会は,同年8月6日,住宅防音補助事業について,国による住宅防音工事実施区域の不整形解消を目的とすること,限られた財源で多くの世帯を事業実施するため,アパート等営業に供する住宅を対象外と U委員会は,同年8月6日,住宅防音補助事業について,国による住宅防音工事実施区域の不整形解消を目的とすること,限られた財源で多くの世帯を事業実施するため,アパート等営業に供する住宅を対象外とすること,補助対象者は村内建築関連事業者に住宅防音工事を実施させることなどを決定し,対象区域については,着弾地に隣接し,砲撃音の発生により最も音響障害を被っている地区から当該年度のエリア設定を行い順次実施するものとして,α村住宅防音工事第1期エリアを設定した。また,補助金交付の優先順位については,住宅防音事業実施の均等,平等性を保つため,設定エリア内の希望世帯において抽選により施工順位を決定すること,当該年度の予算の範囲内で抽選順位により事業実施を行い,残りの世帯については翌年度以降に順次実施することを決定し,これらの決定事項を被告に報告した。(乙29の1~29の5,33)(11) 各事件の支出の内容ア甲事件α村は,β周辺学習等供用施設建設工事共同企業体に対し,本件図書館請負契約の代金として,平成22年3月3日に3億5910万円,同年11月19日に1億9848万円,平成23年3月31日に3億4017万円をそれぞれ支払った(乙6,13,弁論の全趣旨)。 イ乙事件-52-(ア) α村は,Nに対し,副村長の給与等として,別表1「支払年月日」欄記載の日に「現金支給額」欄記載の金員を支払った(弁論の全趣旨)。 (イ) α村は,Oに対し,監査委員の報酬として,別表2「支払年月日」欄記載の日に「支払額」欄記載の金員を支払った(乙14の2,36,弁論の全趣旨)。 ウ丙事件(ア) α村は,平成21年度α村一般会計予算に基づき,本件住宅防音補助事業の補助金として,合計10名の申 」欄記載の金員を支払った(乙14の2,36,弁論の全趣旨)。 ウ丙事件(ア) α村は,平成21年度α村一般会計予算に基づき,本件住宅防音補助事業の補助金として,合計10名の申請者に対し,平成22年3月25日に6170万8350円,同年4月16日に1959万8800円及び同月23日に1149万9000円の合計9280万6150円を支払った。また,山梨県立大学国際政策学部准教授に対し,報償費として6万円,設計審査・完了確認等を行った業者に対し,業務委託料として156万8390円をそれぞれ支払った。 (イ) α村は,平成22年度α村一般会計予算に基づき,本件住宅防音補助事業の補助金として,合計16名の申請者に対し,同年11月16日に3981万9700円,同月25日に5039万0200円,同年12月25日に2149万6100円及び平成23年1月25日に3428万3900円の合計1億4598万9900円を支払った。(以上乙11,15,弁論の全趣旨)エ丁事件α村は,平成21年度村道γ線道路改良工事共同企業体に対し,本件道路工事請負契約の代金として,平成22年3月25日に5628万円,同年10月25日に4155万円,平成23年4月25日に4287万円をそれぞれ支払った(弁論の全趣旨)。 なお,前記各事件の支払はいずれも被告が支出命令を発して行ったものであった(弁論の全趣旨)。 -53- 2 争点に対する判断(1) 争点(1)(本件専決処分①の違法性)についてア法179条1項は,議会において議決すべき事件を議決しないときは,普通地方公共団体の長は,その議決すべき事件を処分することができる旨を規定するところ,その趣旨は,議決を要する事件に関して必要な議決が得られない場合 ,議会において議決すべき事件を議決しないときは,普通地方公共団体の長は,その議決すべき事件を処分することができる旨を規定するところ,その趣旨は,議決を要する事件に関して必要な議決が得られない場合に地方公共団体の行政事務の停滞を防止する補充的な手段として,地方公共団体の長に専決処分の権限を付与し,もって,執行機関と議決機関との間の適切な調整を図ることを目的としたものである。 専決処分は,このように行政事務の停滞を防止することにあるから,地方公共団体の長が同条所定の要件がないのにこれがあるものと誤認して専決処分を行った場合などを除いては違法,無効の問題は原則として生じないものといえる。 しかしながら,専決処分は,本来議会に属する権限を長が代わって行使することを例外的に許容した制度であり,その対象範囲が広範であることや事後的な抑制手段が欠如していること(専決処分が行われた後に議会の承認が得られない場合でも専決処分の効力に影響はないものとされている),さらには議会制民主主義をできる限り尊重すべきであることなどにかんがみるときは,あくまで補充的・抑制的な制度として運用すべきであって,地方公共団体の長が,専決処分権が与えられた趣旨を殊更潜脱する目的でこれを行使した場合には,当該専決処分は違法となると解するのが相当である。 イ議会の否決決議を無視した違法について前記1(3)ウのとおり,被告は,平成21年5月20日,平成21年第3回臨時会を招集し,平成21年度α村一般会計予算と同一内容の総額40億4889万4000円の予算案を提出したものの,当該臨時会は開会されずに流会となった。 -54-α村議会は,これに先立ち,被告の再議の求めに応じて招集された平成21年第1回臨時会において,平成21年度α村一般会計予算を否決する決議をして ,当該臨時会は開会されずに流会となった。 -54-α村議会は,これに先立ち,被告の再議の求めに応じて招集された平成21年第1回臨時会において,平成21年度α村一般会計予算を否決する決議をしており,原告らは,ダミーの後会を介在させて議会の否決決議を容易に覆すのを防止するために,前の会期で議会が否決の決議をした議案については,既に議会による議決があったものとして,後会において専決処分はできないと解すべきである旨を主張する。 しかしながら,地方公共団体における予算案の編成権は長に属しており,前の会期において一度否決決議がなされた予算案であっても,長が議会の再考を促すために異なる会期にこれを再度提出すること自体は,その当否は別として何ら妨げられていないところ,当該会期における議会が流会となった場合には,議会において議決すべき事件を議決しないという専決処分の要件を充足するから,前の会期における否決決議の存在それ自体は長の専決処分を制限する根拠にはなり得ない。 また,議会が否決した予算案と同一の予算案が異なる会期に再度提出されたときは,議会は,事情変更等を考慮して再度提出された予算案を審議すればよいのであるから,これに対する専決処分によって議会の否決決議が形骸化されるとまではいえず,この面からも,異なる会期における否決決議の存在が長の専決処分を否定する理由にはならないというべきである。 したがって,α村議会が既に平成21年第1回臨時会で予算案を否決していたことをもって,本件専決処分①が違法であるということはできない。 ウ被告が議会の議決がない状態を作出した違法について(ア) 原告らは,被告が平成21年度α村一般会計予算を成立させるために,後に専決処分をする意図で,同一会派に所属するT議長に指示もしくは同人と意を通じて同日の臨時 ない状態を作出した違法について(ア) 原告らは,被告が平成21年度α村一般会計予算を成立させるために,後に専決処分をする意図で,同一会派に所属するT議長に指示もしくは同人と意を通じて同日の臨時会を流会に追い込み,外形的に議会に-55-おいて議決すべき事件を議決しないときという状態を作出した旨を主張する。 (イ) 確かに,前記1(2)及び(3)のとおり,T議長は被告を支持する会派に属しており,平成21年第3回臨時会の前に開催された全員協議会において,原告ら議員の再三の要求にもかかわらず臨時会を開会しないT議長に対して,被告は,原告Eから臨時会を開会するよう説得すべき旨を要請されたにもかかわらず,臨時会の開会を促さず,臨時会の開会,議決に向けた積極的な行動も採らずに,これを静観する態度を示している。 しかしながら,被告とT議長が同一の会派に属しているとしても,それだけをもって直ちに両者が議会を開会しないことについて意思を通じ合っていたということはできないし,前記1(1)のとおり,α村議会における議会の開会は専ら議長の権限と責任に属することであって,長は議会の開閉について意見すべき立場にはないから,被告がT議長に臨時会の開会を促さなかったからといって,臨時会開会に関する被告とT議長との意思の連絡が推認されるともいえない。 また,前記1(3)のとおり,被告は,平成21年度α村一般会計予算が平成21年第1回臨時会において否決されてから,平成21年第3回臨時会で同一内容の予算案を提出するまでの間に,原告ら議員との間で前記予算案についての協議を何ら行っておらず,議会に対して同一内容の予算案を再度提出する理由についても何ら具体的な説明をしていないなど,議会との調整を図った様子を認めることができないものの,被告が議会の翻意を一応期待し 議を何ら行っておらず,議会に対して同一内容の予算案を再度提出する理由についても何ら具体的な説明をしていないなど,議会との調整を図った様子を認めることができないものの,被告が議会の翻意を一応期待して同一の予算案を再度提出したとも考えられ,これらの行動をもって,被告とT議長が同臨時会を流会にさせる旨の意思を通じていたということもできない。 原告E及び同Bは,本人尋問において,T議長が頻繁に村長室に出-56-入りし,1時間ほど滞在しているのを目撃した旨を供述するが,前記原告らは同室内での被告とT議長とのやり取りについては何ら見聞しておらず,地方公共団体の長と議長が議会運営や議案等に関して議会の前に協議することもまた十分にあり得ることであって,必ずしも不自然な行動とはいえないから,これもまた,議会を流会とする旨の両者の意思連絡を推認させる事実としては不十分というべきである。 したがって,被告が,T議長と意を通じ又はこれに指示して,平成21年度第3回臨時会を流会にさせたものとは認められない。また,被告において,これまでのT議長の対応や議会の状況から,同議長が臨時会を流会とすることも一つの可能性としてあり得ると予測することができたとは認められるものの,これを確実なものとして予測することができたとまでは認められない。 (ウ) 前記1(1)のとおり,α村議会会議規則8条において議会の開閉は議長が宣告するとされており,地方自治法上も,長は議会を指揮監督する関係にはないから,制度上,被告がα村議会の開閉を支配できる立場にあったとは認められない。 また,前記(イ)のとおり,被告とT議長が議会を流会にすることについて意思を通じ合っていたということもできないから,平成21年第3回臨時会を流会としたのはT議長自身の意思に基づく判断といえる 。 また,前記(イ)のとおり,被告とT議長が議会を流会にすることについて意思を通じ合っていたということもできないから,平成21年第3回臨時会を流会としたのはT議長自身の意思に基づく判断といえる。 被告が,平成21年第1回臨時会で否決された予算案と同一内容の予算案を提出しても,平成21年第3回臨時会が流会となって審議未了となるか否かは被告によって操作できることではなく,前記のように臨時会を招集した時点において,被告が同臨時会の流会を確実に予測していたということもできないため,ダミーの後会を介在させて,外形的に議会において議決すべき事件を議決しないという状態を意図-57-的に作出したと評価することはできない。 なお,原告Eの本人尋問の結果によれば,平成20年度及び平成21年度のα村議会において,議会が開会されずに流会となり,被告が議会の議決に代えて専決処分を行うことが複数回あった事実がうかがえるが,その頻度,議案の内容,決議の動向,流会となった経緯等が何ら具体的に主張,立証されておらず,これをもって被告において平成21年第3回臨時会が流会となるであろうことを確実なものとして予測できたと認めることはできない。 以上から,本件専決処分①が専決処分の制度趣旨を潜脱する目的で行使されたものであるとまでは認められず,本件専決処分①は適法である。 (2) 争点(2)(本件専決処分②の違法性)について前記1(4)のとおり,被告は,本件人事案件について,α村議会の同意を求めて平成21年11月9日を開会日とする平成21年第5回臨時会を招集したものの,同臨時会は開会せずに流会となったため,当該議案について,「議会において議決すべき事件を議決しない」という要件を一応充足しているように見える。 しかしながら,本件専決処分② 集したものの,同臨時会は開会せずに流会となったため,当該議案について,「議会において議決すべき事件を議決しない」という要件を一応充足しているように見える。 しかしながら,本件専決処分②については,以下の各事実を認めることができる。 同臨時会が招集されたのは同月4日であるところ,原告A及び同B(以下「両議員」ということがある。)は,同年10月23日の議会運営委員会において,同年11月4日から同月12日までの間,海外旅行のため不在である旨を発言し,同月4日に出国している。前記両議員が前記期間中海外旅行のため不在であると発言してから出国するまでは約2週間の期間があり,その間に,議会の招集権を有する被告が,同一会派に属するT議長からその報告を受けていなかったとはおよそ考え難いから,被告はこの事実を知悉して-58-いたものと推認することができる。 被告が前記臨時会の招集を指示した日と両議員が出国した日が同じ同月4日であること,被告の指定した同臨時会の期日も両議員が既に海外に出国し,α村に不在中である同月9日であって,仮に4日に通知を受けたとしても,両議員が速やかに旅行を取りやめ帰国の途につかなければ,9日の招集に応じることは困難であったこと,同月9日に臨時会を開会して処理しなければならない案件があったとも特段見受けられないこと,平成21年のα村議会においては,被告を支持する会派の議員とこれに反対する立場の原告ら議員数がいずれも7名と拮抗しており,前者に属するT議長には議決権がないことから,通常であれば原告ら議員が人数において優位に立っていて(以下,原告ら議員を「多数派議員」という。),これが被告提案の議決が否決される主要な要因になっていたこと,同月9日に臨時会が開会されれば両議員が不在のため被告を支持する会派の議員が 位に立っていて(以下,原告ら議員を「多数派議員」という。),これが被告提案の議決が否決される主要な要因になっていたこと,同月9日に臨時会が開会されれば両議員が不在のため被告を支持する会派の議員が人数において優勢となり,本件人事案件が可決される可能性が高かったことなどに照らせば,被告が,両議員が不在であることをあえて利用して,本件人事案件を提出し,これを可決させようとしたことを優に推認することができる。同月5日の時点では副議長から臨時会の開催を延期するよう求められても意に介さなかったことや,同月9日の臨時会当日においては,両議員が帰国したために開会しなかった旨のT議長の発言を聞くや,抗議する原告Bに対し,文句があるなら堂々と向かって来いという趣旨の多数派議員に対して敵対的,挑発的と取られる発言をしたことなどの,被告の本件臨時会招集後における行動,態度も,被告が両議員の不在に乗じて本件人事案件の可決を企図していたことを裏付けるものといえる。 平成21年当時のα村議会は,およそ全ての議会が流会となっていたわけではなく,開会されるものも存在したところであるが,前記1(3)のとおり,平成21年第1回臨時会で否決された予算案と同一内容の予算案が提出され-59-た平成21年第3回臨時会が,T議長が議会を開会しないために流会となったことからすれば,被告において,少なくとも多数派議員の反対による否決が想定される議案が議題となっている議会について,被告と同一会派に属していたT議長がその開会をしないことは容易に予測されるところであったというべきである。本件人事案件については,両議員が海外旅行から帰国して平成21年第5回臨時会に出席できる状況となれば,同臨時会が開会されても多数派議員の反対によって当該案件が否決される公算が極めて大きいことは る。本件人事案件については,両議員が海外旅行から帰国して平成21年第5回臨時会に出席できる状況となれば,同臨時会が開会されても多数派議員の反対によって当該案件が否決される公算が極めて大きいことは,被告にとっても容易にこれを認識できる状況にあったといえ,そして,平成21年第3回臨時会の前例がある以上,両議員が議会に出席すれば,T議長が前記前例と同様に多数派議員の反対があることを見越して議会を開会しないことは,本件専決処分①のときとは異なり,被告においてこれを容易に予測し得たということができる。両議員が帰国した以上,臨時会を招集,開会しても,本件人事案件が可決される公算は極めて低く,これを実現しようとするには,被告において本件専決処分②をするしかない状況であった。 これらの事実に照らすと,被告において,T議長が議会を開会せずに流会とすることをあえて利用して,本件人事案件について議会の議決がなされない状態を作出し,同条の要件を形式上整えた上で専決処分を行う意図を有していたことを十分に推認することができる。 そうすると,本件専決処分②は,議会の議決を潜脱する目的をもって行われたものといわざるをえず,執行機関と議決機関との間の調整を図るという専決処分制度の趣旨を潜脱して行使されたものと認められ,違法の評価を免れない。 なお,被告は,議会の開閉は議長の責任と権限に属することであるため,議会が流会になったのは議会側の問題である旨を主張する。確かに,前記(1)ウのとおり,議会の開閉は議長の権限であり,長は議会の開閉についてこれを容喙する立場にないが,議長が議会を開会しないことが容易に予測できる-60-場合に,議長の当該行為をいわば自己の道具のごとく利用して,議会の議決がない状態を作出することは可能であり,第三者の行為をまさに自己の意図 いが,議長が議会を開会しないことが容易に予測できる-60-場合に,議長の当該行為をいわば自己の道具のごとく利用して,議会の議決がない状態を作出することは可能であり,第三者の行為をまさに自己の意図を実現するために利用しているのであるから,これが介在していることは必ずしも被告の専決処分の違法性を否定する理由にはならないというべきである。 (3) 争点(3)(本件専決処分③の違法性)について平成22年1月22日,被告は,本件図書館請負契約締結についての議決を求めるために平成22年第1回臨時会を招集したものの,同臨時会は開会されずに流会となった。 前記1(3)のとおり,α村議会が平成21年第1回定例会において,平成21年度α村一般会計予算のうち本件図書館請負契約関連予算について修正動議を出し,その後,平成21年第1回臨時会において前記予算案を否決したことからすれば,平成22年第1回臨時会が開会されれば,本件図書館請負契約締結に関する議会の議決が多数派議員の反対によって否決されるであろうことは明らかな情勢にあった。 そして,前記1(4)及び(5)のとおり,本件専決処分②の理由となった平成21年第5回臨時会が流会となった際,T議長は,原告A及び同Bが帰国して情勢が変わったために臨時会を開会しなかった旨を明確に発言し,被告においてもこの発言を聞いていたこと,当該臨時会の流会から平成22年第1回臨時会の招集がなされるまでの期間がわずか2か月間しかなく,この間にこの情勢が被告にとって好転することもなかったことなどからすれば,被告は,原告ら多数派議員の反対が予想される本件図書館請負契約締結について,平成21年第5回臨時会と同様に,T議長が議会を開会させずに流会にさせることを容易に予測し得たということができる。 被告が本件 は,原告ら多数派議員の反対が予想される本件図書館請負契約締結について,平成21年第5回臨時会と同様に,T議長が議会を開会させずに流会にさせることを容易に予測し得たということができる。 被告が本件専決処分③を行うまでの間に,多数派議員との間で本件図書館請負契約締結について何ら協議を行わず,本件専決処分③を行う理由につい-61-ても何ら説明しなかったことなど,被告において多数派議員と当該議案について協議,調整を何ら行うことがなかったという本件専決処分③に至る経緯に加えて,上記のように自己に反対する議員が多数派を占める議会が仮に招集,開会されても,被告が自ら提案した案件が可決される見込みはほとんどないため,当該案件を実現するためにはおよそ本件専決処分②と同様に専決処分を行うほかなく,実際に被告は既に本件専決処分②を行うことによって議会の議決を得ることなく,その意図を実現していたことなどの事情に照らすと,被告は,本件専決処分②の時点と同様に,T議長が議会を流会とすることをあえて利用し,議会の議決がない状態を作出して専決処分を行う意図を有しており,その意図の下,平成22年第1回臨時会の招集を指示したといえる。 そうすると,本件専決処分③は,殊更議会の議決を潜脱する目的をもって行われたものというほかなく,執行機関と議決機関との間の調整を図るという専決処分制度の趣旨を潜脱して行使されたものと認められ,違法の評価を免れない。 (4) 争点(4)(本件専決処分④の違法性)について平成22年3月4日,被告は,本件道路工事請負契約の締結について議決を求めるために平成22年第1回定例会を招集したものの,同日の定例会は開会されずに流会となった。 前記1(3)ないし(5)のとおり,本件道路工事関連予算が継続費として計上されていた平成21 て議決を求めるために平成22年第1回定例会を招集したものの,同日の定例会は開会されずに流会となった。 前記1(3)ないし(5)のとおり,本件道路工事関連予算が継続費として計上されていた平成21年度α村一般会計予算が平成21年第1回臨時会で否決された以上,平成22年第1回定例会が開会されても,本件道路工事請負契約の締結に関する議会の議決が多数派議員の反対によって否決されることは容易に想定できることであり,平成22年第1回臨時会の流会以降平成22年第1回定例会の招集までの期間がわずか1月半にすぎず,情勢が変化する兆しもなかったことに照らしても,被告にとって,原告ら議員の反対が-62-想定される議案に関する同定例会をT議長が開会しないことは容易に予測し得たということができる。 被告が本件専決処分④を行うまでの間に,原告ら議員との間で本件道路工事請負契約について何ら協議を行わなかったこと,本件専決処分④を行う理由も説明しなかったことに加えて,既に被告は本件専決処分②及び同③で説示したように,議会が開会しないことをあえて利用して専決処分を行うことで自己の目的を実現してきたことなどからしても,被告は,本件専決処分②及び同③と同様,T議長が議会を流会とすることをあえて利用し,議会の議決がない状態を作出して専決処分を行う意図で平成22年第1回定例会の招集を指示したといえる。 そうすると,本件専決処分④は,議会の議決を潜脱する目的をもって行われたものであり,執行機関と議決機関との間の調整を図るという専決処分制度の趣旨を潜脱して行使されたものと認められ,本件専決処分④もまた違法との評価を免れない。 (5) 争点(5)(本件住宅防音補助事業の公益性の有無)についてア法232条の2は,「普通地方公共団体は,その公益上必要ある場合に ,本件専決処分④もまた違法との評価を免れない。 (5) 争点(5)(本件住宅防音補助事業の公益性の有無)についてア法232条の2は,「普通地方公共団体は,その公益上必要ある場合においては,寄付又は補助をすることができる。」と規定しているところ,公益上の必要性の有無については,多種多様な行政目的を斟酌した政策的な考慮が求められるから,その要件の判断に当たっては補助の要否を決定する地方公共団体の長に一定の裁量権があるものというべきである。 もっとも,同条の趣旨は,恣意的な補助金の交付によって地方公共団体の財政秩序が乱されるのを防止することにある以上,その裁量権には自ずから一定の限界があるというべきであり,当該地方公共団体の長による公益上の必要性に関する判断に裁量権の逸脱又は濫用があったと認められる場合には,当該補助金の交付は違法となると解される。 補助金交付の公益上の必要性に関する地方公共団体の長の判断に裁量権-63-の逸脱又は濫用があったか否かは,当該補助金交付の経緯及び目的,効果,当該地方公共団体の財政規模及び状況,補助を受ける者の性質及び状況等諸般の事情を総合考慮した上で判断することを要する。 イ前記1(8)及び(9)のとおり,βは古くから米駐留軍や自衛隊の軍事演習等の用に供されており,周辺住民は砲撃音等の深刻な騒音被害に悩まされてきたことから,α村は,βの周辺に所在する住宅等について,米軍等の砲撃を主とする射撃,爆撃その他火器類の使用の頻繁な実施により生じる,音響障害を防止又は軽減するための必要な工事を行う者に対し,これに要する経費の一部を補助することにより,もって住民の生活環境の保全を図るとともに,住宅防音工事実施による村内建築産業の活性化及び雇用対策を促進するため本件住宅防音 の必要な工事を行う者に対し,これに要する経費の一部を補助することにより,もって住民の生活環境の保全を図るとともに,住宅防音工事実施による村内建築産業の活性化及び雇用対策を促進するため本件住宅防音補助事業を実施することとしたのであって,その目的は正当なものということができる。 この点,本件住宅防音補助事業は,前記1(8)及び(10)のとおり,国が,平成18年5月30日,「α村における住宅防音工事の実施戸数は100戸程度を上限とし,実施する住宅については,住宅防音指定区域に隣接する地域から貴村が責任を持って選定する。一部工事に着手すべく,平成19年度概算要求に計上する。」として,δ区内で同様の騒音被害を蒙りながら住宅防音工事区域が不整形なために救済されない住民が生じている問題について,国の財源で解決する意向を表明したにもかかわらず,平成19年11月30日,住宅防音指定区域を縮減し,隣接住民については住宅防音工事を実施しない方針を明らかにしたため,α村が,村費を充当してでも不公平感を解消すべきである旨のδ区入会組合の要望を受けて実施することとなった経緯を有する。そして,U委員会において,平成21年度住宅防音事業対象区域の設定について,不整形の解消を出発点とすべき旨の議論がなされていることにもかんがみれば,α村が本件住宅防音補助事業を行うに至った理由の一つに,国の住宅防音工事区域が不整形であるた-64-めに生じている住民間の不公平感を解消する目的があったことは否定できない。 しかしながら,α村が住宅防音工事を施工する住民に対し一定の補助金を交付することで,当該住民の蒙る騒音被害が軽減され,その生活環境の向上に資することは明らかであるから,前記目的と住民の生活環境保全の目的は必ずしも矛盾するものではなく,被告が不整形な国の住 補助金を交付することで,当該住民の蒙る騒音被害が軽減され,その生活環境の向上に資することは明らかであるから,前記目的と住民の生活環境保全の目的は必ずしも矛盾するものではなく,被告が不整形な国の住宅防音工事区域によって生じている住民間の不公平感を解消するために本件補助金を交付していたとしても,それによって直ちに公益上の必要性が欠如することになるものではない。 前記1(9)のとおり,本件要綱において,村長は,補助金交付の申込みがあったときは,U委員会の意見を聴いた上で,補助金の交付等について判定することとされており,U委員会は,有識者及び住民等をもって組織することとされているから,補助金交付の判定の過程において一定の民意や専門的知見が反映される仕組みになっていることが認められ,村長の全くの独断,恣意的な判断がなされないような担保がなされているといえる。 実際にも,前記1(10)のとおり,U委員会は,δ入会組合長,δ区長,ε区長及び山梨県立大学国際政策学部准教授など,付近住民の代表者や専門家によって構成されており,平成21年6月18日から同年9月15日にかけて開催された審査委員会においては,補助金交付に関する優先順位の決定方法について,騒音のデータを採取してその大小によって決定すべきこと,着弾地から近い順に工事を進めるべきこと,高齢者や病人のいる世帯を優先すべきことなどの議論がなされているから,何らの合理的な基準を設けることなく恣意的に補助金交付が行われていたものではない。そして,U委員会は,最終的に,限られた財源で多くの世帯に対して補助金を交付するため,アパート等営業に供する住宅を対象外とすること,補助-65-対象者は村内建築関連事業者に住宅防音工事を実施させること,対象区域について,着弾地に隣接し,砲撃音の発生により最も音響 を交付するため,アパート等営業に供する住宅を対象外とすること,補助-65-対象者は村内建築関連事業者に住宅防音工事を実施させること,対象区域について,着弾地に隣接し,砲撃音の発生により最も音響障害を被っている地区から当該年度のエリア設定を行い順次実施すること,補助金交付の優先順位について,住宅防音事業実施の均等,平等性を保つため,設定エリア内の希望世帯において抽選により施工順位を決定すること,当該年度の予算の範囲内で抽選順位により事業実施を行い,残りの世帯については翌年度以降に順次実施することなどを決定し,これらの決定を受けて,被告は本件補助金の交付に至っているから,交付決定の過程において住民間の平等の確保,村内建築産業の活性化,財政状況等が考慮されており,本件要綱1条の目的にも適っているのであって,その過程で考慮すべき事項を考慮せず,あるいは考慮すべきでない事項を考慮したなどの判断過程の逸脱があったということはできない。 以上によれば,公益上の必要性があるものとして本件補助金の交付決定を行った被告の判断に裁量権の逸脱又は濫用があったということはできず,本件補助金の交付には公益上の必要性が認められる。 ウこれに対し,原告らは,本件要綱では交付対象,審査基準等が何ら明確にされておらず,そもそも,行政内部の基準である要綱の形式で補助金交付を行うこと自体が民主的基盤を損なうなどと主張する。 しかしながら,前記歴史的経緯にかんがみれば,騒音被害を生じさせている主体である「米軍等」がβを使用する米軍や自衛隊を指すことは明らかであるし,「周辺に所在する住宅等」についても,U委員会において,補助金交付の対象となるエリアが定められているから,交付対象等が不明確であるということはできない。 また,補助金交付の可否に関する審 であるし,「周辺に所在する住宅等」についても,U委員会において,補助金交付の対象となるエリアが定められているから,交付対象等が不明確であるということはできない。 また,補助金交付の可否に関する審査基準については,本件要綱その他の規定によって明確に規定されているものではないが,本件要綱においては,村長は,U委員会の意見を聴いた上で交付についての判定をすること-66-とされており,前記1(10)のとおり,U委員会において交付の優先順位に関する具体的な基準の決定がなされているから,被告が何らの明確な基準もなく,恣意的判断で本件補助金の交付決定を行ったということはできない。 本件補助金の交付に関する定めを要綱の形式で行ったことについては,法律による行政の原理の観点からみれば,補助金の交付はいわゆる受益的行政行為に属するものであり,必ずしも法律の規定によって手続及び基準等を定めなければならないものではないから,本件要綱を定めて補助金を交付すること自体が裁量権の逸脱,濫用であるということもできない。 なお,原告らは財政上の問題も指摘するが,「α村法人村民税収入98. 8%減」という平成21年12月25日付けの新聞記事(甲15)をもって直ちに平成21年度のα村の財政状況が逼迫していたということはできず,そのほか,平成21年及び平成22年当時,α村が本件住宅防音補助事業を行う余裕がないほど財政状況が逼迫していたことを示す証拠もない。 したがって,原告らの前記主張は,いずれも公益上の必要性に関する前記判断を左右するに足りるものではない。 3 各事件の帰結(1) 甲事件について前記前提となる事実(2)及び(4)のとおり,本件図書館請負契約は予定価格5000万円以上の工事であるから,その締結については,法96条1項5号及びα村 3 各事件の帰結(1) 甲事件について前記前提となる事実(2)及び(4)のとおり,本件図書館請負契約は予定価格5000万円以上の工事であるから,その締結については,法96条1項5号及びα村の議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分の範囲を定める条例2条に基づき,議会の議決を要するところ,前記2(3)のとおり,本件専決処分③は違法であるため,本件図書館請負契約締結について議会の議決が得られていないこととなる。 そして,地方公共団体が新たな義務を負担する行為につき,法令に定めら-67-れた議会の議決を欠くときは,当該行為は私法上も無効であるから,α村とβ周辺学習等供用施設建設工事共同企業体との間で締結された本件図書館請負契約は無効である(最高裁判所昭和35年7月1日第2小法廷判決・民集14巻9号1615頁参照)。 したがって,本件図書館請負契約の代金支払として被告の発した支出命令は,無効な契約に関してなされたものとして,違法な財務会計行為となる。 β周辺学習等供用施設建設工事共同企業体は,無効な契約に関してα村から合計8億9775万円の代金の支払を受けたものとして,これを不当利得として返還すべき義務を負うところ,共同企業体の構成員が会社である場合には,その各構成員は,共同企業体が事業のために第三者に対して負担した債務について,商法511条1項により連帯債務を負い(最高裁判所平成10年4月14日第3小法廷判決・民集52巻3号813頁),商行為たる事業が無効な場合に生じる不当利得返還債務も当該事業のために第三者に対して負担した債務に該当すると解されるから,K株式会社,L株式会社及び株式会社Mは,連帯して8億9775万円及びうち3億5910万円に対する平成22年3月4日から,1億9848万円に対する同年11月20日から, に該当すると解されるから,K株式会社,L株式会社及び株式会社Mは,連帯して8億9775万円及びうち3億5910万円に対する平成22年3月4日から,1億9848万円に対する同年11月20日から,3億4017万円に対する平成23年4月1日から,それぞれ支払済みまで商事法定利率年6分の割合による利息を付してこれをα村に返還すべき義務を負う。(なお,商行為たる契約が無効である場合の不当利得返還債務については,契約関係の清算の趣旨を考慮して,その法定利息の利率につき商法514条が適用されると解するのが相当である。)したがって,法242条の2第1項4号に基づき,被告に対し,当該行為の相手方であるK株式会社,L株式会社及び株式会社Mに対する不当利得返還請求をするよう求める原告らの請求は認められる。 (2) 乙事件について前記2(2)のとおり,本件専決処分②は違法であるから,本件人事案件に関-68-する議会の同意の議決はなされていない。 副村長及び監査委員は議会の同意を得て選任するものとされており(法162条,196条1項),議会の同意を得ずになされたこれらの者の選任はその効力を生じないと解するのが相当であるから,N及びOに対する給与等の支払として被告の発した支出命令は,副村長及び監査委員でない者に対してなされたものとして違法な財務会計行為である。 N及びOは,それぞれ副村長及び監査委員に選任されていないにもかかわらず,その給与等の支払を受けたものであるから,α村に対し,不当利得として,Nにつき,1116万5008円及びうち別表1の「現金支給額」欄記載の金員に対する「支払年月日」欄記載の日の翌日から,Oにつき,53万3500円及びうち別表2の「支払額」欄記載の金員に対する「支払年月日」欄記載の日の翌日から,それぞれ支 表1の「現金支給額」欄記載の金員に対する「支払年月日」欄記載の日の翌日から,Oにつき,53万3500円及びうち別表2の「支払額」欄記載の金員に対する「支払年月日」欄記載の日の翌日から,それぞれ支払済みまで民法所定の年5分の割合による法定利息を付してこれを返還すべき義務を負う。 したがって,法242条の2第1項4号に基づき,被告に対し,当該行為の相手方であるN及びOに対する不当利得返還請求をするよう求める原告らの請求は認められる。 また,監査委員でないOに対する報酬等の支払命令は違法な財務会計行為であるから,同項1号に基づき,その支出差止めを求める原告らの請求にも理由がある。 (3) 丙事件についてア平成21年度α村一般会計予算に基づく補助金の支出平成21年度α村一般会計予算に基づいて支出された本件住宅防音補助事業の補助金については,前記2(1)のとおり,本件専決処分①が違法であるとは認められないから,予算に基づいてこれらの支出がなされたということができる。また,前記2(5)のとおり,被告の補助金交付の公益上の必要性に関する判断が裁量権を逸脱又は濫用したものということもできない-69-から,この補助金交付に関する支出命令が違法な財務会計行為ということはできず,被告の損害賠償責任は成立しない。 イ平成22年度α村一般会計予算に基づく補助金の支出平成22年度α村一般会計予算に基づいて支出された本件住宅防音補助事業の補助金については,前記1(7)及び2(5)のとおり,当該予算は議会の議決に基づいて成立しており,被告の補助金交付の公益上の必要性に関する判断が裁量権を逸脱又は濫用したものということもできないから,この補助金交付に関する支出命令が違法な財務会計行為ということはできず,被告の損害 成立しており,被告の補助金交付の公益上の必要性に関する判断が裁量権を逸脱又は濫用したものということもできないから,この補助金交付に関する支出命令が違法な財務会計行為ということはできず,被告の損害賠償責任は成立しない。 ウしたがって,法242条第1項4号に基づき,Jに対する2億3879万6050円の損倍賠償請求をするよう求める原告らの訴えには理由がない。 (4) 丁事件について前記前提となる事実(2)及び(4)のとおり,本件道路工事請負契約は予定価格5000万円以上の工事であるから,法96条1項5号及びα村の議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分の範囲を定める条例2条により,議会の議決を要するところ,前記2(4)のとおり,本件専決処分④は違法であり,これに関する議会の議決がないこととなるため,本件道路工事請負契約は無効である。 したがって,本件道路工事請負契約の代金支払として被告の発した支出命令は,私法上無効な契約に関してなされたものとして,違法な財務会計行為である。 株式会社Q,株式会社R及び株式会社Sは,無効な本件道路工事契約に基づいて代金の支払を受けたものであり,α村に対し,不当利得として,連帯して,1億4070万円及びうち5628万円に対する平成22年3月26日から,4155万円に対する同年10月26日から,4287万円に対す-70-る平成23年4月26日から,それぞれ支払済みまで商事法定利率年6分の割合による法定利息を付してこれを返還すべき義務を負う。 したがって,法242条の2第1項4号に基づき,被告に対し,当該行為の相手方である株式会社Q,株式会社R及び株式会社Sに対する不当利得返還請求をするよう求める原告の請求は認められる。 4 結論以上のとおり,その余 1項4号に基づき,被告に対し,当該行為の相手方である株式会社Q,株式会社R及び株式会社Sに対する不当利得返還請求をするよう求める原告の請求は認められる。 4 結論以上のとおり,その余の争点について判断するまでもなく,原告らの請求は前記3の限度で理由があるから,この限度で認容することとし,主文のとおり判決する。 甲府地方裁判所民事部 裁判長裁判官林正宏 裁判官三重野真 裁判官小川惠輔 -71-別表1N給料等一覧表 (単位:円)支払年月日給料期末手当旅費支給総額控除計現金支給額H21.11.302971422971425920291222H21.12.1029152529152510289281236H21.12.16520000520000-16209536209H22.1.165200005200002243049570H22.2.165200005200002243049570H22.3.165200005200002243049570H22.3.25340034003400H22.4.1652000052000022000498000H22.4.23170017001700H22.5.1452000052000022000498000 主文 理由 事実 争点 判断 52000022000498000H22.4.23 17001700 1700H22.5.14520000 52000022000498000H22.6.16520000 52000039900480100H22.6.30 882050 882050123760758290H22.7.15468000 46800091836376164H22.8.16520000 520000103196416804H22.9.16520000 520000102006417994H22.10.14520000 520000102006417994H22.11.16520000 520000102006417994H22.12.16520000 52000089512430488H22.12.10 971750 971750253633718117H23.1.14520000 520000102006417994H23.2.16520000 520000102006417994H23.3.16520000 520000102006417994H23.4.15520000 520000103976416024H23.5.16520000 520000103976416024H23.6.16520000 520000125876394124H23.6.30 882050 882050233618 主文 別表2 O報酬等一覧表 (単位:円)支払年月日報酬額所得税支払額 H22.1.15 100000 9700 H22.2.16 150000 14550 H22.3.16 150000 14550 H22.4.16 200000 19400 H22.5.14 200000 19400 H22.6.16 100000 9700 H22.7.16 100000 9700 H22.8.16 300000 29100 H22.9.16 500000 1500048500 H22.10.15 100000 9700 H22.11.16 350000 105033950 H22.12.16 100000 9700 H23.1.14 100000 9700 H23.2.16 150000 14550 H23.3.16 100000 9700 H23.4.15 200000 19400 H23.5.16 150000 14550 H23.6.16 150000 14550 H23.7.15 100000 9700 H23.8.16 150000 14550 H23.9.16 650000 195063050 H23.10.14 350000 105033950 H23.11.16 400000 120038800 主文 15000 理由 14550 H23.9.16 65000195063050 H23.10.14 35000105033950 H23.11.16 40000120038800 H23.12.16 10000 事実 9700 H24.1.16 10000 争点 9700 H24.2.16 15000 判断 14550 H24.3.16 10000 合計 9700 H24.4.16 20000 19400 合計 550000 16500533500
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