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主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人らの負担とする。理由 上告代理人谷口義弘の上告理由第一点について。原審の確定したところによれば、訴外Dは本件訴訟が第一審に係属中の昭和三二年一〇月一二日(原判決理由中に「昭和三四年一〇月一二日」とあるのは誤記と認める。)死亡し、その相続人である被上告人らほか四名計九名が相続により本件家屋の所有権を取得したというのであるから、右の者らは本件訴訟における原告の地位を承継したこと所論のとおりである。しかし、被上告人らほか四名計九名が承継取得した上告人らに対する本件家屋の各明渡請求権はいずれも不可分債権に属し、被上告人らは各自上告人らに対して明渡を請求することができるのであつて、必要的共同訴訟ではないから、第一審が被上告人らの関係においてのみ上告人らに対し本件家屋の明渡と損害金の支払を命じたからといつて、第一審判決に違法があるということはできない。もつとも、第一審判決は亡源二が死亡した当時すでに発生していて相続人らに分割相続された損害金債権についても被上告人らの間で平等の割合により相続されたものとして上告人らに支払を命じた点において誤りをおかしたものといわなければならない。しかし、さらに原審の確定したところによれば、本訴が原審に係属中の昭和四二年一一月九日、相続人である被上告人らほか四名の者の間で、亡Dの相続財産について分配の協議がととのい、本件家屋は被上告人ら五名の共有(持分各五分の一)となり、同月一四日その旨の所有権移転登記が経由されたというのであつて、原判決は本件家屋についてすでに発生していた前示損害金債権もまた被上告人らが右の割合で承継する旨の合意が成立した旨を確定した趣旨と解されるから、原判決の口頭弁論終結時においては第一審判決の結 あつて、原判決は本件家屋についてすでに発生していた前示損害金債権もまた被上告人らが右の割合で承継する旨の合意が成立した旨を確定した趣旨と解されるから、原判決の口頭弁論終結時においては第一審判決の結論は結局正当- 1 -であることに帰したものというべきであり、被上告人らのみを被控訴人として控訴棄却の判決をした原審の判断は正当であつて、原判決に所論の違法はない。 口頭弁論終結時においては第一審判決の結 あつて、原判決は本件家屋についてすでに発生していた前示損害金債権もまた被上告人らが右の割合で承継する旨の合意が成立した旨を確定した趣旨と解されるから、原判決の口頭弁論終結時においては第一審判決の結論は結局正当- 1 -であることに帰したものというべきであり、被上告人らのみを被控訴人として控訴棄却の判決をした原審の判断は正当であつて、原判決に所論の違法はない。論旨は、独自の見解に立つて、原判決の判断を争うものにすぎず、採用するに足りない。同第二点について。所論の各点に関する原審の事実認定は、原判決挙示の証拠関係に照らして首肯するに足り、原判決に所論の違法はない。論旨は、ひつきよう、原審の裁量に属する事実の認定、証拠の取捨判断を非難し、または原審において主張しない事実を前提にして原判決の判断を争うにすぎないものであつて、採用することができない。よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官岩田誠裁判官入江俊郎裁判官長部謹吾裁判官松田二郎裁判官大隅健一郎- 2 -
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