【DRY-RUN】主 文 本件控訴を棄却する。 当審における訴訴費用は全部被告人の負担とする。 理 由 弁護人の控訴趣意は別紙のとおりである。 第一点 原審が第一
主文 本件控訴を棄却する。 当審における訴訴費用は全部被告人の負担とする。 理由 弁護人の控訴趣意は別紙のとおりである。 第一点原審が第一回公判期日において、検察官が証拠調の請求をした司法警察員に対するA、B、C、Dの各供述調書について採否を留保し其の後之を留保の侭弁論を終結し判決をしたことは所論の<要旨>とおりである。しかして右各供述調書は刑事訴訟法第三百二十一条第一項第三号又は第三百二十六条の場合を</要旨>除いては其の証拠能力を欠除するものであり、右各所定の要件を充足しない本件の如き場合には原審は之を却下しておくのが正当である。しかしかゝる証拠能力のない書証の採否を留保した侭弁論を終結し判決したからと言つて原審の訴訟手続に判決に影響を及ぼすべき法令違反があつたとは言われないのみならす、原審は上記各供述者本人をいずれも其の第二回公判廷において証人として取調べ其の供述を証拠として引用しているのであつて原判決には何等の違法がない。論旨は理由がない。 第二点刑事訴訟法第三百一条には被告人の供述が自白である場合には犯罪事実に関する他の証拠が取り調べられた後でなければその取調を請求することはできないとあるけれども、検察官が同条に違反した場合においても裁判所が同条所定の「自白」を取調べる前に他の証拠が取調べられて居れば何等偏見又は予断を生ずる慮れが無いから同条に違反するものとは云えない。 本件に於て原審検事が原審第一回公判期日において他の証拠と共に司法警察員作成の被告人の自白調書である第三回供述調書の取調を請求したことは所論のとおりであるが、原審は犯罪事実に関する他の証拠を取り調べた後右の調書を採用していることが明白であるから、原審の訴訟手続には判決に影響を及ぼすべき法令違反があ 回供述調書の取調を請求したことは所論のとおりであるが、原審は犯罪事実に関する他の証拠を取り調べた後右の調書を採用していることが明白であるから、原審の訴訟手続には判決に影響を及ぼすべき法令違反があつたとは云われない。論旨は理由がない。 よつて刑事訴訟法第三百九十六条により本件控訴を棄却し同法第百八十一条第一項に則り当審における訴訟費用は全部被告人の負担とする。 (裁判長判事黒田俊一判事猪股薫判事鈴木進)
▼ クリックして全文を表示