主 文 一 原審判を次のとおり変更する。 二 抗告人A、同B、何Cの本件遺産分割の申立て及び寄与分を定める 処分の申立てをいずれも却下する。 三 手続費用は、原審及び当番とも、抗告人A、同B、同Cの負担とす る。 理 由 一 本件各抗告の趣旨及び理由は、別紙抗告人A、同B、同Cの抗告状及び抗告 理由書(二通)、抗告人Bの抗告理由書、抗告人Dの抗告書及び抗告理由書、抗告 人Eの抗告書及び抗告書・抗告理由書(二通)、抗告人Fの抗告書及び抗告書・抗 告理由書記載のとおりである。 二 当裁判所の認定事実 次のとおり付加するほか、原審判四枚目表の一一行目冒頭から五枚目裏の二行目 末尾までと同一であるから、これを引用する。 1 原審判五枚目裏一〇行目末尾の後に、次のとおり加える。 「なお、同判決の理由中で、物件4、9はGの固有財産であったと説示されてい る。 (5) 本件においては、前の審判で遺産であるとされた物件は三一筆で、その 相続開始時及び右審判時の昭和六二年ころの時価合計は、それぞれ一億八八〇三万 八四三四円、三億八二一六万五五六三円であるのに対し、判決で遺産でないとされ た物件のうち、物件4の相続開始時及び右審判時の昭和六二年ころの時価は、それ ぞれ一五五万一六四五円、三三〇万四二六〇円で、物件9の相続開始時及び右審何 時の昭和六二年ころの時価は、それぞれ四七八万二五四〇円、一〇一二万〇九二〇 円であるにとどまる。」 三 当裁判所の判断 <要旨>1 前の遺産分割の審判において、その対象となった物外の一部が、その 後の判決によって遺産でないとさ</要旨>れたときには、その遺産でないとされた物 件か前の審判で遺産の大部分または重要な部分であると扱われていたなどの特段の 事情のない限り、遺産でないとされた物 、その 後の判決によって遺産でないとさ</要旨>れたときには、その遺産でないとされた物 件か前の審判で遺産の大部分または重要な部分であると扱われていたなどの特段の 事情のない限り、遺産でないとされた物件についての前の審判による分割の効力の みが否定され、その余の物件についての分割は有効であると解するのが相当であ る。 けだし、右の特段の事情のある場合には前の審判による遺産分割の意味が失われ るので、前の審判を無効とすべきであるか、そうでない限り、前の審判そのものを 無効とすべき理由はないからである。そして、このように解したとしても、遺産で ないとされた物件を取得するとされた相続人は、民法九一一条に基づき、他の相続 人に対し、その相続分に応じた担保責任を求めることができると解するのが相当で あるから、格別不当な結果が生じるものではない。 2 しかるに、前記認定(引用にかかる原審判の認定を含む。)のとおり、本件 においては、前の審判で遺産であるとされた物件は三一筆で、その相続開始時及び 右審判時の昭和六二年ころの時価合計は、それぞれ一億八八〇三万八四三四円、三 値八二一六方五五六三円であるのに対し、判決で遺産でないとされた物件のうち、 物件4の相続開始時及び右審判時の昭和六二年ころの時価は、それぞれ一五五万一 六四五円、三三〇万四二六〇円で、物件9の相続開始時及び右審判時の昭和六二年 ころの時価は、それぞれ四七八万二五四〇円、一〇一二万〇九二〇円であるにとど まること、前の審判で、物件4を所得するとされたHは他に物件2、6、11、3 1を取得するとされ、物件9を取得するとされたGは他に物件1、5、8、10、 12、13、18、19、24、27、28、29、30を取得するとされていた ことからすれば、右の特段の事情はないというべきである。したがって、物件4、 9については前の Gは他に物件1、5、8、10、 12、13、18、19、24、27、28、29、30を取得するとされていた ことからすれば、右の特段の事情はないというべきである。したがって、物件4、 9については前の審判による分割の効力が否定されるものの、その余の物件につい ての遺産分割は有効であると認められる。 そうとすれば、本件においては、前の審判によって被相続人の遺産は全て分割済 みであって、すでに分割すべき遺産か存しないので、抗告人A、同B、同Cの本件 遺産分割の申立て及び寄与分を定める処分の申立ては不適応であるから、これを却 下すべきである。 四 結論 よって、右と異なる原審判を変更することとし、手続費用の負担につき家事審判 広七条、非訟事件手続法二六条を適用して、主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官 寺本榮一 裁判官 矢澤敬幸 裁判官 内田計一) (別紙抗告状及び抗告理由書省略)
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