平成14(ネ)3812 各損害賠償等・貸金反訴請求控訴

裁判年月日・裁判所
平成15年2月19日 東京高等裁判所 東京地方裁判所
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判決文本文33,190 文字)

主文 1 原判決中,控訴人らの被控訴人Y1株式会社及び同Y2に対する請求を棄却した部分並びに控訴人X1株式会社の被控訴人Y3に対する請求を棄却した部分をいずれも取り消す。 2 被控訴人Y1株式会社及び同Y2は,別紙請求一覧表の控訴人欄記載の控訴人らに対し,連帯して,同表の認容額欄記載の金員及びこれに対する同表の購入日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払をせよ。 3 控訴人らの被控訴人Y1株式会社及び同Y2に対するその余の請求をいずれも棄却する。 4 控訴人X1株式会社の被控訴人Y3に対する債務不存在確認の訴えを却下する。 5 控訴人らの被控訴人Y4株式会社,同株式会社Y5,同株式会社Y6,同Y7,同Y8及び同株式会社Y9に対する控訴並びに控訴人X1株式会社を除くその余の控訴人らの被控訴人Y3に対する控訴をいずれも棄却する。 6 訴訟費用は,控訴人らと被控訴人Y1株式会社及び同Y2との間においては,1,2審を通じて,これを10分し,その1を控訴人らの,その余を同被控訴人らの各負担とし,控訴人X1株式会社と被控訴人Y3との間においては,1,2審とも,同控訴人の負担とする。控訴人らと被控訴人Y4株式会社,同株式会社Y5,同株式会社Y6,同Y7,同Y8及び同株式会社Y9との間の控訴費用並びに控訴人X1株式会社を除くその余の控訴人らと被控訴人Y3との間の控訴費用は,いずれも控訴人らの負担とする。 7 この判決は,2項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 原判決中控訴人らに関する部分を取り消す。 2 別紙請求一覧表(以下「請求一覧表」という。)の対応被控訴人欄記載の被控訴人らは,同表の控訴人欄記載の控訴人に対し,連帯して,同表の合計額欄記載の金員及びこれに対 人らに関する部分を取り消す。 2 別紙請求一覧表(以下「請求一覧表」という。)の対応被控訴人欄記載の被控訴人らは,同表の控訴人欄記載の控訴人に対し,連帯して,同表の合計額欄記載の金員及びこれに対する同表の購入日欄記載の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 別紙借入一覧表の借入先欄に「㈱Y9」と記載された控訴人らと被控訴人株式会社Y9との間において,同表の借入日欄記載の日付及び同表の借入額欄記載の額の金銭消費貸借契約上の債務が存在しないことを確認する。 4 別紙借入一覧表の借入先欄に「Y3」と記載された控訴人らと被控訴人Y3との間において,同表の借入日欄記載の日付及び同表の借入額欄記載の額の金銭消費貸借契約上の債務が存在しないことを確認する。 第2 事案の概要本件は,ゴルフ会員権を購入した控訴人ら(以下,個々の控訴人を表示するときは,当事者目録に付した控訴人番号により表記することがある。)が,ゴルフ場が開場されず損害を被ったとして,ゴルフ場を経営する会社のほか,関係する法人,個人及び地方公共団体に対して,不法行為あるいは商法266条の3に基づく損害の賠償を求めるとともに,本件会員権の購入資金を融資した金融機関に対して,錯誤無効又は詐欺取消しを原因として金銭消費貸借契約上の債務の不存在確認を求めた事件である。 原審は,控訴人番号8,10,14,15,18,26,32,34,37,42,44,53,57,61,62及び64の各控訴人らの債務不存在確認の訴えをいずれも却下し,同控訴人らのその余の請求及びその余の控訴人らの請求をいずれも棄却した。 1 前提事実(掲記の証拠及び弁論の全趣旨によって認められる。)(1) 当事者等ア承継前1審被告y4株式会社(以下「y4」という。)は,団地その他の用 らの請求をいずれも棄却した。 1 前提事実(掲記の証拠及び弁論の全趣旨によって認められる。)(1) 当事者等ア承継前1審被告y4株式会社(以下「y4」という。)は,団地その他の用地売買,造成工事及びこれらに関連するコンサルタント業その他を目的とする大阪・東京証券取引所一部上場の会社であり,平成13年4月2日,被控訴人Y4株式会社に吸収合併された(乙A57の1)。 イ被控訴人Y1は,千葉県君津市内に建設予定のゴルフ場「Y1クラブ」(以下「本件ゴルフ場」という。)の建設,運営等を目的として,昭和62年11月25日にy4が100%出資して設立した資本の額3000万円の会社である(甲B1の1,甲B34)。 ウ被控訴人Y8は,y4の取締役東京支店長及び被控訴人Y1の代表取締役の地位にあった者である(甲B1の1ないし6)。 エ被控訴人株式会社Y5(以下「被控訴人Y5」という。)は,ゴルフ場の設計,管理,経営等を目的とする会社で,被控訴人株式会社Y6から被控訴人Y1の全株式を取得した(甲B3の1,甲B36)。 オ被控訴人Y2は,遅くとも昭和61年10月1日から被控訴人Y5の取締役の地位にあった者である(甲B3の1ないし5)。 カ被控訴人Y6は,旅館斡旋業等を目的とする会社である。 キ承継前1審被告y9株式会社(以下「y9」という。)は,信用保証業務,金銭貸付業務等を目的とする会社で,平成11年10月1日,被控訴人株式会社Y9に吸収合併された。 ク承継前1審被告y3信用金庫(以下「y3」という。)は,預金の受入れ等を目的とする信用金庫で,平成14年1月4日,被控訴人Y3に吸収合併された。 (2) 本件会員権販売に至る経過等ア y4は,昭和62年ころ,本件ゴルフ場の建設を計画し )は,預金の受入れ等を目的とする信用金庫で,平成14年1月4日,被控訴人Y3に吸収合併された。 (2) 本件会員権販売に至る経過等ア y4は,昭和62年ころ,本件ゴルフ場の建設を計画し,同年10月29日,被控訴人Y7における「宅地開発事業等の基準に関する条例」(昭和44年10月15日条例第50号,以下「本件条例」という。)5条1項に基づき,千葉県君津市長(以下「君津市長」という。)に対し,ゴルフ場等の開発事業に対する内協議を申請した(甲C14)。 イ y4は,同年11月25日,100%出資して被控訴人Y1を設立した。被控訴人Y1は,y4の東京支店の所在地(東京都中央区ab丁目c番d号)に本店を置き,同社代表取締役のAが代表取締役に,同社の従業員であった被控訴人Y8が取締役にそれぞれ就任した。 (甲B1の1,2,甲B103の1)ウ千葉県知事は,昭和63年5月6日,君津市長に対し,本件ゴルフ場開発事業を本件条例5条の協議の対象とする旨回答し,同市長は,同月12日,y4に対し,千葉県知事から協議の対象にする旨の回答を受けた旨を通知した(甲C16)。 エ y4は,同年8月5日,B株式会社との間で,次の約定を含む協定を締結し,この協定に基づき,平成元年11月29日,Bに対し,被控訴人Y1の株式全部(以下「本件全株式」ともいう。)を譲渡した。 (ア) y4は,本件ゴルフ場の建設事業をBに譲渡し,B は,y4に対し,開発認可業務手数料として14億円を支払う。 (イ) y4は,同社名義で推進中の上記事業を被控訴人Y1名義に変更し,Bに同被控訴人を譲渡することによってy4の地位を承継させること,同事業の施行に必要な開発認可の取得及び行政法上必要な手続をすること及び同事業に必要な土地を確保する。 Y1名義に変更し,Bに同被控訴人を譲渡することによってy4の地位を承継させること,同事業の施行に必要な開発認可の取得及び行政法上必要な手続をすること及び同事業に必要な土地を確保する。 (甲B28の1,2)オ y4は,昭和63年8月31日,千葉県知事に対し,ゴルフ場開発事業事前協議申出書を提出した。千葉県知事は,平成元年6月9日,y4に対し,ゴルフ場開発に同意する旨通知し,事前協議は終了した。(甲C1の1,C20)カ被控訴人Y8は,昭和64年1月5日,被控訴人Y1の代表取締役に就任し,平成元年10月にはy4の東京支店長に,平成3年6月26日には同社の取締役にそれぞれ就任した(甲B1の3,甲B2,116)。 キ y4は,平成元年7月27日,千葉県知事に対し,事前協議同意に基づく地位承継の趣意書を提出して,被控訴人Y1がy4から本件ゴルフ場の事前協議同意に基づく地位を承継することの承認を求め,千葉県知事は,同年11月22日,y4に対し,これを承認する旨通知した(甲C10,21の2,甲C22)。 ク Bは,同年8月31日,C株式会社に本件全株式を譲渡する旨を約し,同年11月29日に上記エのとおり本件全株式を取得した。本件全株式は,その後も転々と譲渡され,平成2年3月6日,被控訴人Y6が取得した。さらに,被控訴人Y6は,平成3年6月12日,本件全株式を被控訴人Y5に譲渡した。 (甲B36,48,49,甲B50ないし52の各1,2,甲B53の3,乙A2の1,2,乙A18)ケ被控訴人Y1は,平成元年12月20日,本件条例7条1項に基づき,千葉県知事に対し,宅地開発事業等の工事の設計確認申請をした(甲C2の1)。 コ被控訴人Y1は,平成2年8月2日,千葉県知事に対し,森林法10条の2第1項 月20日,本件条例7条1項に基づき,千葉県知事に対し,宅地開発事業等の工事の設計確認申請をした(甲C2の1)。 コ被控訴人Y1は,平成2年8月2日,千葉県知事に対し,森林法10条の2第1項に基づき,林地開発許可申請書を提出した(甲C3の1)。 サ千葉県知事は,平成3年5月24日,被控訴人Y1に対し,森林法10条の2第2項に基づき林地開発行為を許可するとともに,工事の設計が本件条例に定める基準に適合していることを確認した旨を通知した(甲C7の1,甲C39)。 シ被控訴人Y1は,同年7月5日,千葉県知事に対し,本件ゴルフ場の会員募集届出書を提出した。この届出書には,同年7月10日から会員募集を開始し,第1次募集は1150万円で400名を募集することとし,最終的に正会員1450名,平日会員600名を募集して合計319億円の拠出を受ける計画である旨記載されていた。また,そのころ,被控訴人Y1は,君津都市計画事務所長に対し,同年7月1日をもって本件ゴルフ場開発工事に着手した旨届け出た。 (甲C13の1,甲C27)。 ス被控訴人Y1は,同年7月,本件ゴルフ場の募集概要(以下「本件ゴルフ場募集概要」という。)を作成した。本件ゴルフ場募集概要には,同年7月26日までに申込みをした者のみが特別縁故会員の資格を得ることができること,特別縁故会員の募集金額は,入会金206万円(消費税分を含む。),預託金950万円の合計1156万円であること,募集人数は400名であり,最終募集金額は3500万円,最終募集人数は1450名であること,本件ゴルフ場のコースは平成5年秋に完成予定であることが記載されていた。 (甲B7,78)セ被控訴人Y5の関連会社である株式会社D(以下「D」という。)は,平成3年7月から,被控 本件ゴルフ場のコースは平成5年秋に完成予定であることが記載されていた。 (甲B7,78)セ被控訴人Y5の関連会社である株式会社D(以下「D」という。)は,平成3年7月から,被控訴人Y1の委託を受けて本件ゴルフ場の会員募集(以下「本件会員募集」という。)を開始した。本件会員募集に際しては,被控訴人Y8がy4の取締役東京支店長である旨が記載され,同被控訴人の写真が掲載されたパンフレット(以下「本件パンフレット」という。)が用いられた。 (甲B16,97)ソ一方,被控訴人Y1は,同年7月16日,y9との間で,本件ゴルフ場の会員権(以下「本件会員権」という。)の購入希望者に対して同社が貸付けを行うことを内容とする提携ローン契約(ゴルフ会員権ローンの取扱いに関する契約)を締結し,同年9月27日,y3との間においても同様に提携ローン契約を締結した(甲B9,乙F9)。 タ同年7月以降,控訴人らは,それぞれ,請求一覧表の購入日欄記載の日に,被控訴人Y1から本件会員権を購入し,同社に対し,同表の入会金欄記載の入会金を支払うとともに,同表の預託金欄記載の金員を預託した。 控訴人らの一部は,本件会員権の入会金や預託金の支払のため,y9又はy3から融資を受けた。 ただし,控訴人番号4,14,19,40,48,58,62及び63の各控訴人らについては,本件会員権を購入した後預託金を増額し,既に支払済みの入会金を預託金に振り替えるなどした。 (甲A119,120,126ないし129,132,139,148,149,176,180,185,187ないし189,297,302,303,309ないし311,313,314,317,329,332ないし335,337,338,340,347,352,35 8,149,176,180,185,187ないし189,297,302,303,309ないし311,313,314,317,329,332ないし335,337,338,340,347,352,356,359,362,372,376,379,381,384,385,389,395,400,406の各1,2,甲A123,141,142,144,145,147,183,304,339,360,361,374,398,甲A349の1ないし6,甲D108,119,120,123,126ないし129,132,139,141,142,144,145,147ないし149,176,180,183,185,187ないし189,297,302ないし304,309,310,313,314,317,329,332ないし335,337ないし340,347ないし349,352,356,359ないし362,372,374,376,379,381,384,385,389,395,398,400,406)。 チ被控訴人Y1は,平成3年10月15日,E(被控訴人Y6の代表取締役),F(同被控訴人の取締役)及びG(被控訴人Y5の取締役)を被控訴人Y1の取締役に,H(被控訴人Y5の取締役)を被控訴人Y1の監査役に,同月21日にEを同被控訴人の代表取締役に,それぞれ就任させ,同月30日に以上の登記手続をした上,同年11月1日,被控訴人Y8の取締役辞任登記及び代表取締役退任登記をした(甲B1の1,甲B3の4,甲B64の2,3,乙A10の2,弁論の全趣旨)。 ツ一方,被控訴人Y8は,同年10月9日,y4取締役及び東京支店長を辞任した。 被控訴人Y8は,同年11月1日,再び被控訴人Y1の取締役及び代表取締役に就任し,同月7日にその登記がされた(甲B1の1,乙A3,乙A18)。 ,同年10月9日,y4取締役及び東京支店長を辞任した。 被控訴人Y8は,同年11月1日,再び被控訴人Y1の取締役及び代表取締役に就任し,同月7日にその登記がされた(甲B1の1,乙A3,乙A18)。 テ被控訴人Y1は,平成4年1月6日,被控訴人Y5の本店所在地に本店所在地を移転した(甲B1の1,4,甲B3の1ないし5)。 ト被控訴人Y1は,株式会社Iに対し,本件ゴルフ場の造成工事を発注し,平成4年春ころから工事が始まったが,その後工事は中断し,現時点において本件ゴルフ場の開場の見込みはない(甲B102,111,乙A19)。 ナ E及びFは,平成7年6月30日,被控訴人Y1の取締役を辞任し,被控訴人Y8は,平成8年7月23日に被控訴人Y1の代表取締役を,平成9年3月24日に同被控訴人の取締役をそれぞれ辞任した(甲B1の4,6)。 2 控訴人らの主張(1) 被控訴人らに対する損害賠償請求ア本件ゴルフ場事業は,本件全株式と一体のものとしてy4から譲渡され,この地位は被控訴人Y6を経て被控訴人Y5に承継された。それにもかかわらず,被控訴人Y1の役員,商号,本店の変更登記がされないまま,y4が本件ゴルフ場を開発,経営するかのように装って本件ゴルフ場の開発許認可手続や地元地権者との間の用地の取得交渉が行われ,y4及び被控訴人Y8の名称並びに同被控訴人の写真が掲載されたパンフレットや募集概要が用いられるなど,あたかもy4が本件ゴルフ場を開発,経営するかのような外観の下に本件会員募集が行われた。また,被控訴人Y5及び同Y1は,本件会員募集当時から,みるべき資産を有しておらず,多額の債務を負担していたから,資金不足や会員権購入者から入金される入会金及び預託金が本件ゴルフ場開発の目的以外に流用される資金管理上の危険があった。その 募集当時から,みるべき資産を有しておらず,多額の債務を負担していたから,資金不足や会員権購入者から入金される入会金及び預託金が本件ゴルフ場開発の目的以外に流用される資金管理上の危険があった。その上,本件ゴルフ場用地中に使用権原未取得地が存在していたため,本件ゴルフ場が開場できない可能性が相当程度あった。 イ未開場のゴルフ場の場合,開場までにゴルフ場用地の取得,ゴルフ場の造成・コースの開設,クラブハウス等の建設に多額の費用を要するため,その会員権を購入する消費者にとっては,ゴルフ場の経営母体たる会社が資金力及び信用を有していることが極めて重要である。 また,ゴルフ場の開場後も,その運営について経営母体の資金力や信用が非常に重要である。 控訴人らは,本件ゴルフ場の経営母体が東京証券取引所一部上場企業のy4であって,その資金力及び信用から,本件ゴルフ場が確実に開場されるものと信じて本件会員権を購入し,入会金を支払い,預託金を預託したものであり,本件ゴルフ場が開場不能となったことにより損害を被った。 ウ以下の理由から,被控訴人らは,控訴人らが被った損害を賠償すべき責任がある。 (ア) y4,被控訴人Y1,同Y8,同Y6,同Y5及び同Y2の責任a 上記6名は,本件会員権販売当時,上記アのような事情を認識しながら,y4が本件ゴルフ場を開発,経営するかのように装って本件会員権を販売することを合意し,y4が本件ゴルフ場の経営母体であり,開場が確実であると控訴人らに誤信させて本件会員権を購入させたのであるから,民法709条,719条に基づく共同不法行為責任を負う。 b また,y4,被控訴人Y1,同Y8,同Y5及び同Y2は,y4が本件ゴルフ場事業を本件全株式と一体のものとして譲渡していたことを秘匿し,被控訴人 ,719条に基づく共同不法行為責任を負う。 b また,y4,被控訴人Y1,同Y8,同Y5及び同Y2は,y4が本件ゴルフ場事業を本件全株式と一体のものとして譲渡していたことを秘匿し,被控訴人Y1がy4の100%子会社であると偽って本件ゴルフ場の開発許認可手続や地元地権者との間の用地取得交渉を進め,また,本件全株式を取得した被控訴人Y5において本件会員権購入者から入金される入会金や預託金を本件ゴルフ場開発の目的以外に流用する資金管理上の危険性があることを認識していたにもかかわらず,工事着手届や会員募集届を提出するなど会員募集活動を可能にする行為をし,募集概要やパンフレット等により本件ゴルフ場の経営母体がy4であるかのように偽って会員募集活動を行い,あるいは本件ゴルフ場の経営母体がy4であるかのような外観のもとに会員募集活動が行われていることを知りながらそのような外観を除去せず,会員募集を中止しなかった。 c y4は,本件ゴルフ場の経営母体として,本件ゴルフ場を開場させ,本件ゴルフ場の会員権を無価値なものとしないようにする信義則上の義務を負っている。また,y4は,被控訴人Y1の株式譲渡を秘匿するという自己の先行行為によって本件ゴルフ場の経営母体がy4であるかのような外観のもとに会員募集活動が行われていたことを認識していたのであるから,その外観を積極的に排除すべき信義則上の義務を負っていた。 y4の上記bの行為は,上記義務に違反するとともに,被控訴人Y7に対する真実義務・告知義務にも違反する違法な行為である。 また,y4は,被控訴人Y1が本件ゴルフ場の経営母体がy4であるかのように偽って会員募集活動を行うについて,本店所在地,ゴルフ場の名称及び代表者という外形的条件を提供したものであるから,過失により幇助したことになる 訴人Y1が本件ゴルフ場の経営母体がy4であるかのように偽って会員募集活動を行うについて,本店所在地,ゴルフ場の名称及び代表者という外形的条件を提供したものであるから,過失により幇助したことになる。 したがって,y4は,民法709条に基づく不法行為責任を負う。 さらに,y4は,被控訴人Y8の使用者として,同法715条に基づく使用者責任を負う。 仮に,控訴人らが被った損害の全部についてy4が賠償すべき責任まではないとしても,同社は,被控訴人Y1の不法行為に寄与しているのであるから,少なくとも損害の一部について賠償すべき責任を負う。 d 被控訴人Y1は,本件ゴルフ場が開場できないことにより本件会員権が経済的に無価値となり会員権購入者に損害を与えることのないようにすべき義務を負っており,また,本件全株式が既にy4から譲渡されていたことを秘匿するという自己の先行行為によって本件ゴルフ場の経営母体がy4であるかのような外観のもとに会員募集活動が行われていたことを認識していたのであるから,その外観を積極的に排除すべき信義則上の義務を負っていた。したがって,被控訴人Y1の上記bの行為は上記義務に違反する違法な行為であり,同被控訴人は,民法709条に基づく不法行為責任を負う。 e 被控訴人Y8は,上記bの行為について,民法709条の責任のほか,被控訴人Y1の代表取締役及びy4の取締役としての職務を行うについて悪意又は重過失による任務懈怠があるから,商法266条の3の責任を負う。 f 被控訴人Y5は,本件ゴルフ場が開場できないことにより本件会員権が経済的に無価値となり会員権購入者に損害を与えることのないようにすべき義務を負っていたにもかかわらず,この義務に違反して上記bのとおり本件会員募集を行ったから, 場が開場できないことにより本件会員権が経済的に無価値となり会員権購入者に損害を与えることのないようにすべき義務を負っていたにもかかわらず,この義務に違反して上記bのとおり本件会員募集を行ったから,民法709条に基づく不法行為責任を負う。 g 被控訴人Y2は,被控訴人Y5の取締役であり,かつ,同被控訴人の実質的な代表者として,その意思決定の権限を有していた。 したがって,被控訴人Y2は,上記bの行為について,民法709条の責任のほか,被控訴人Y5の取締役としての職務を行うについて悪意又は重過失による任務懈怠があるから,商法266条の3の責任を負う。 h 被控訴人Y6は,y4が被控訴人Y1の株主であることを偽って開発許認可手続を経た事実及び被控訴人Y1にみるべき資産がなく多額の債務を負っていることを認識していた。 被控訴人Y6は,Eを被控訴人Y1の代表取締役に,Fを同被控訴人の取締役にそれぞれ就任させて同被控訴人の業務執行を行わせていたのであるから,両名を通じて本件会員募集行為を中止させるよう監視し,指導監督すべき義務を負っていたにもかかわらず,その義務に違反したので,民法709条の責任を負う。 (イ) 被控訴人Y7の責任a 千葉県知事は,本件条例5条2項に基づき,ゴルフ場を開発しようとする者の資力,信用,実績等を検討し,ゴルフ場開発の計画が確実に施行される見込みがあるかどうかを審査すべき義務を負っているにもかかわらず,これに違反し,被控訴人Y1がy4の100%子会社であると漫然誤認して事前協議同意に基づく地位承継を承認し,その後も定期的に株主名簿を提出させるなどの措置を講じないで漫然と確認通知及び林地開発行為の許可をした。 b また,千葉県知事は,本件条例5条2項,3項に基づ 同意に基づく地位承継を承認し,その後も定期的に株主名簿を提出させるなどの措置を講じないで漫然と確認通知及び林地開発行為の許可をした。 b また,千葉県知事は,本件条例5条2項,3項に基づき,開発区域を正確に把握した上,開発しようとする者が開発区域について所有権等の権原を確実に取得する見込みがあるかどうかを審査すべき義務を負っている。 本件ゴルフ場の開発予定地には,権原取得の手当てが全くされていない土地が含まれており,y4がY7に提出した開発予定地の公図の写しは,現実の公図と一致していなかった。 ところが,千葉県知事は,上記義務を怠り,提出された公図の写しと現実の公図の写しとを比較対照せず,漫然と確認通知をした。 c 本件条例12条は,ゴルフ場開発事業が条例の規定に違反して施行された場合,千葉県知事は,事業主に対して当該工事の停止を命じ,又は,その違反を是正するために必要な措置を講ずること命ずることができる旨を定めている。 したがって,千葉県知事としては,被控訴人Y1がy4の子会社ではなくなった事実が判明した時点において,速やかに同社に対して同被控訴人の株式を再取得するか,同被控訴人への資金的援助を行うよう命じ,本件ゴルフ場を完成させるよう強力に要請すべきであった。また,千葉県知事は,未取得地が開発予定地に取り込まれていることが判明した時点において,同様にその解決を命じるべきであった。それにもかかわらず,千葉県知事は,上記のような監督処分を全く行わなかった。 d 以上のように千葉県知事が審査義務及び監督義務を懈怠した結果,本件会員募集が行われながら,本件ゴルフ場が開場不能に陥り,本件会員権を購入した控訴人らは損害を被った。これは,公権力の行使に当たる公務員である千葉県知事が 知事が審査義務及び監督義務を懈怠した結果,本件会員募集が行われながら,本件ゴルフ場が開場不能に陥り,本件会員権を購入した控訴人らは損害を被った。これは,公権力の行使に当たる公務員である千葉県知事がその職務を行うについて過失により他人に損害を加えたものであるから,Y7は,国家賠償法1条の責任を負う。 (ウ) y9及びy3の責任y9及びy3は,本件ゴルフ場の経営母体が被控訴人Y5であるにもかかわらずy4のゴルフ場であると偽って会員募集が行われており,購入者がその旨誤信して本件会員権を購入していることを知りながら,会員権販売に不可欠な提携ローンを実行し,被控訴人Y1らの詐欺的な会員募集行為に加担した。 仮にy9及びy3が詐欺的な会員募集行為に加担したとは認められないとしても,金融機関が提携ローン契約を締結するに当たっては,提携会社の信用調査並びに取扱商品の内容及び販売方法を調査し,危険があれば提携ローンの実施を見送るなどして,提携ローンを利用した一般消費者が損失を被らないようにする注意義務があったのに,これを怠り,被控訴人Y1の経営母体や本件ゴルフ場の未買収地の有無,買収可能性,開発資金の目途等を調査せず,被控訴人Y1に対して,消費貸借契約に関して申込者に説明するよう指導することなく,融資申込書に署名押印を求めさせ,簡単な融資審査だけで融資を実行した。 控訴人らは,y9やy3の提携ローンがあったからこそ,y4が本件ゴルフ場の経営母体であると信じて本件会員権を購入したものであるから,y9及びy3は,民法709条による不法行為責任を負う。 エ上記違法行為又は任務懈怠により,控訴人らは,それぞれ,本件会員権購入のために支払った入会金及び預託金相当額(請求一覧表の請求額1欄記載の額),精神的苦痛に対する による不法行為責任を負う。 エ上記違法行為又は任務懈怠により,控訴人らは,それぞれ,本件会員権購入のために支払った入会金及び預託金相当額(請求一覧表の請求額1欄記載の額),精神的苦痛に対する慰謝料(同表の請求額2欄記載の額)及び本件訴訟の提起,追行に要した弁護士費用(同表の請求額3欄記載の額)に相当する損害を被った。よって,控訴人らが被った損害額はそれぞれ請求一覧表の合計額欄記載のとおりである。 (2) 債務不存在確認請求についてア別紙借入一覧表の借入先欄に「㈱Y9」と記載された各控訴人らは,y9との間で,同表の借入先欄に「Y3」と記載された各控訴人らは,y3との間で,それぞれ,同表の借入日欄記載の日に,同表の借入額欄記載の金額について金銭消費貸借契約を締結した。 イしかしながら,上記控訴人らは,いずれも本件ゴルフ場の経営母体がy4であり,本件ゴルフ場が確実に開場されるものと誤信して上記消費貸借契約を締結したのであるから,その契約締結の意思表示には動機の錯誤があり,この動機はy9及びy3に表示されていた。 したがって,上記消費貸借契約はいずれも錯誤により無効である。 ウまた,被控訴人Y1は,本件ゴルフ会員権購入及び提携ローン貸付けの際,同被控訴人の経営母体がy4ではなく被控訴人Y5であるにもかかわらず,被控訴人Y1の経営母体がy4である旨説明して上記控訴人らを欺罔した。y9及びy3は,被控訴人Y1が上記欺罔行為をしていること及びこれにより上記控訴人らがその旨誤信していることを知り,あるいはそのことを知り得たにもかかわらず,上記控訴人らとの間で上記消費貸借契約を締結した。 したがって,民法96条3項により,上記控訴人らの上記消費貸借契約締結の意思表示は取消し得べきものであり,上記控訴人らは,平成12 かわらず,上記控訴人らとの間で上記消費貸借契約を締結した。 したがって,民法96条3項により,上記控訴人らの上記消費貸借契約締結の意思表示は取消し得べきものであり,上記控訴人らは,平成12年5月10日の原審口頭弁論期日において,被控訴人Y9及びy3に対し,上記意思表示を取り消す旨の意思表示をした。 3 被控訴人Y4の主張(1) y4は,平成元年11月29日,Bに対して本件全株式を譲渡した。その後もy4が本件ゴルフ場の開発許認可申請手続に関与したのは,Bとの約定により,本件ゴルフ場の開発事業に必要な開発許可の取得及び行政法上必要な手続をy4が行うとされていたからにすぎない。対行政への手続は,会員権購入希望者のために行ったわけでも,y4の上記手続関与が公にされていたわけでもなく,同人らが本件会員権購入の参考資料にしたこともない。 y4は,本件ゴルフ場の許認可申請の事務手続がほぼ終了した平成2年7月10日に,被控訴人Y1の実印等を,被控訴人Y8をはじめとする役員の辞任届とともにBに提出したから,同社はいつでも被控訴人Y1の役員を変更することが可能であった。そして,被控訴人Y5は,遅くとも平成3年5月以降,本件全株式を所有し,被控訴人Y1の代表者印等も所持して,同被控訴人を支配し,本件会員募集についても決定権を有していた。y4は本件会員募集には何ら関与しておらず,被控訴人Y1や同Y5に対して,会員募集についてy4の名称を使用することを許諾したこともない。 (2) 本件パンフレットには,被控訴人Y8の肩書及びコース設計施工等の業者としてy4の名称が記載されているにすぎず,同社が本件ゴルフ場の経営母体として責任を持つかのような表示はなく,同社が本件ゴルフ場の事業主体あるいは経営母体であるとの外観はなかった。仮に何らかの虚偽 としてy4の名称が記載されているにすぎず,同社が本件ゴルフ場の経営母体として責任を持つかのような表示はなく,同社が本件ゴルフ場の事業主体あるいは経営母体であるとの外観はなかった。仮に何らかの虚偽の外観があったとしても,これらはy4に無断でされたものである。また,y4は,本件パンフレットに被控訴人Y8の写真を使用し,請負業者としてy4の名称を使用することについて,被控訴人Y1や同Y5に禁止を申し入れ,さらに名称使用等禁止の仮処分を申し立てている。 (3) 本件ゴルフ場が開場されない原因は,被控訴人Y1及び同Y5が会員から集めた資金を費消してしまったことにある。未買収地については所有者は売却に同意しており,被控訴人Y1に買収する資金がないだけである。また,隣接地の所有者との間で境界の争いが生じたが,被控訴人Y1は,相手方の主張をいれても開発上問題がないようにコースレイアウトを変更して対処している。 4 被控訴人Y1,同Y5及び同Y2の主張(1) 被控訴人Y2は被控訴人Y5の実質的支配権を有する立場にはなかった。 (2) 被控訴人Y1側は,y4の要請により,会員募集用パンフレットに,代表取締役がy4取締役東京支店長の被控訴人Y8であること,本社所在地がy4東京支店の住所であり,コース設計,コース施工もy4が行う旨記載し,ゴルフ場の名称もY1のままにしたのであるが,このような表示から,y4が本件ゴルフ場の経営母体であり,会員に対して責任を負うとの信頼が生じることはない。 (3) 本件ゴルフ場の開場が不能となった原因は,未買収地等を取得することが不可能になったためである。未買収地等の存在が明らかになったのは,平成7年12月末ごろであり,被控訴人Y5は,本件ゴルフ場の開発予定地内に未買収地等が存在することを予見することができなかった ことが不可能になったためである。未買収地等の存在が明らかになったのは,平成7年12月末ごろであり,被控訴人Y5は,本件ゴルフ場の開発予定地内に未買収地等が存在することを予見することができなかった。 被控訴人Y1が会員から預かった預託金等は,すべて募集手数料,土地購入代金,コース建設費等に支出されており,他に流用された事実はない。 5 被控訴人Y6の主張被控訴人Y6は,平成3年6月12日,被控訴人Y5に本件全株式を譲渡しており,本件ゴルフ場の準備行為や本件会員募集に関与していない。 6 被控訴人Y7の主張(1) 本件条例において定められているゴルフ場の開発事業計画についての知事の同意及び工事の設計が基準に適合する旨の知事の確認の基準は,いずれも災害防止,環境保全のための技術的な基準であって,ゴルフ場経営の基準を定めたものではないから,知事には開発事業が確実に施行されることや私法上の権原取得の見込みがあるかどうかを審査する義務はない。また,事業者の株式を監督する立場にない知事が誰が株主であるかを常に把握している義務も負っていない。もっとも,知事は,本件条例5条1項の協議の際に,資力,信用等に関する書類の提出を求めているが,これは,実現意思が希薄な開発計画あるいは実現性が乏しい申請を抑制する目的で行政指導として行っているにすぎない。 知事は,本件条例7条1項の確認申請書に開発区域及び隣接地の地権者の施行同意書の添付を求めているが,これは,地権者の同意をあらかじめ得ることによって無意味な結果となる申請を抑制するためである。 (2) 本件条例12条における監督処分とは,宅地開発事業等が本件条例に違反して施行された場合にその違反を是正するために必要な措置を講ずることを命令する処分であり,控訴人らが主張するような措 。 (2) 本件条例12条における監督処分とは,宅地開発事業等が本件条例に違反して施行された場合にその違反を是正するために必要な措置を講ずることを命令する処分であり,控訴人らが主張するような措置は監督処分の対象にはならない。 (3) 知事は,林地開発許可をするに当たって,森林法,同施行令及び同施行規則に則って審査を行うが,これらの法令には,事業者の資力,信用等についての調査義務や事業者が開発区域につき所有権等の権原を確実に取得する見込みがあるかどうかを審査する義務はない。 7 被控訴人Y8の主張(1) 被控訴人Y8は,y4が本件全株式をBに譲渡したことに伴い,平成2年7月10日に被控訴人Y1の他の取締役と共に,取締役の辞任届,代表者印を含むすべての同被控訴人の印鑑類及び関係書類一切をBに引き渡した。したがって,それ以降,被控訴人Y8は,被控訴人Y1の取締役としての権限を有していなかった。 (2) 本件会員募集は,被控訴人Y5が決定し,その子会社であるDが販売運営主体として行ったものであり,被控訴人Y8は積極的・主体的に関与していない。y4が本件ゴルフ場の運営や会員権販売に関与しているかのようなパンフレットや写真を使用して,本件会員募集をしたのは被控訴人Y5であり,被控訴人Y8は,本件パンフレットを使用して会員募集することについて被控訴人Y5に抗議し,y4もy4の商号等の使用禁止の仮処分を得て,本件パンフレット等を執行官保管させているから,外観を排除するための措置は十分とられている。 (3) 本件会員募集時において,本件ゴルフ場に開場の見込みがなかったともいえない。 (4) 被控訴人Y8は,平成3年11月1日,被控訴人Y1の代表取締役就任の登記をすることを承諾したが,これは,本件ゴルフ場の地元出身でもあり,ゴルフ場完 に開場の見込みがなかったともいえない。 (4) 被控訴人Y8は,平成3年11月1日,被控訴人Y1の代表取締役就任の登記をすることを承諾したが,これは,本件ゴルフ場の地元出身でもあり,ゴルフ場完成に少しでも力になれるならばと考えて名前を貸したものであり,あくまでも名目上の取締役にすぎず,その後の会員権の販売にも一切関与していない。 8 被控訴人Y9の主張(1) y9は,本件会員権の購入希望者らから本件会員権の購入資金の借入れの申込みを受けてこれを貸し付けたものである。y9と購入希望者らとの契約は,本件会員権購入契約とは別個独立の金銭消費貸借契約であって,ゴルフ会員権の取得は単なる資金使途にすぎない。 (2) 控訴人番号8,10,14,15,18,26,32,34,37,42,44,53,57,61,64の各控訴人らとy9との間の各金銭消費貸借契約に基づく各債務は完済されているから,同控訴人らには債務不存在の確認を求める訴えの利益がない。 9 被控訴人Y3の主張(1) y3は,顧客が経営母体を見誤らないような措置がとられるまで提携ローンの実施を断るべき義務や情報開示義務を負っていない。また,本件では,控訴人らが主張するような詐欺の事実は存しないし,仮に詐欺の事実があったとしても,y3は善意の第三者に当たる。 (2) 控訴人番号17の控訴人とy3との間の金銭消費貸借契約に基づく債務は完済されている。 また,y3が控訴人番号62の控訴人と金銭消費貸借契約を締結したことはない。 第3 当裁判所の判断 1 上記前提事実のほか,関係証拠(甲B3の1,甲B5の1,3,甲B6の1,2,甲B23の1,2,甲B25ないし27,30,35ないし40,42,ないし47,49,甲B50ないし52の各1,2,甲B61,64の1ないし4, 関係証拠(甲B3の1,甲B5の1,3,甲B6の1,2,甲B23の1,2,甲B25ないし27,30,35ないし40,42,ないし47,49,甲B50ないし52の各1,2,甲B61,64の1ないし4,甲B65の1,2,甲B75,78,84,85,89,91,97,98,103の1,2,甲B105,110,甲C1の1,甲C7の1,甲C9,10,13の2,甲C20,21の2,甲C24の1,2,甲C25,26の1,2,甲C39,42,43,44の1ないし34,甲D1ないし30,32ないし51,53ないし183,185ないし310,312ないし363,365ないし493,495,496,498,乙A1,2の1,2,乙A3,4の1,2,乙A5の1ないし4,乙A7,9,10の2,乙A13,14の1ないし4,乙A18ないし21,26,38,39,41,43ないし47,49,乙B6,9ないし11,13の1,2,乙B14,16,証人e,同f)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (1) 本件ゴルフ場は,当初y4の系列会社が経営する7番目のゴルフ場(他のゴルフ場として,能登ゴルフクラブ,アローエースゴルフクラブ,佐賀ロイヤルゴルフクラブ,タートルエースゴルフクラブ,コムウッドゴルフクラブ,シプレカントリークラブ)として計画されたが,Bから譲受けの希望があり,y4から同社に対して本件ゴルフ場を運営する会社として設立された被控訴人Y1の全株式の譲渡がされた。その際,許認可の手続を円滑に進めるため,許認可手続は引き続きy4側で行い,被控訴人Y1の役員もy4側から出すこととして,上記第2,1(2)エの協定が締結された。被控訴人Y1には独立の事務所はなく,y4の従業員がその業務を行っていた。 (2) y4が昭和63年8月31日に千葉県知事に提出し,平成元 出すこととして,上記第2,1(2)エの協定が締結された。被控訴人Y1には独立の事務所はなく,y4の従業員がその業務を行っていた。 (2) y4が昭和63年8月31日に千葉県知事に提出し,平成元年6月9日に同知事の同意を得たゴルフ場開発事業事前協議においては,千葉県君津市a字bc番d外の土地,合計98万4862㎡が本件ゴルフ場の開発区域とされていた。 (3) y4が平成元年7月27日に千葉県知事に対して提出した地位承継の趣意書には,被控訴人Y1がy4の100%子会社であり,資金面での問題については今まで同様y4において全面的に協力を続けていく所存である旨が記載されていた。 (4) 本件全株式は,Bから転々と譲渡され,平成2年3月6日,被控訴人Y6がJ(本件ゴルフ場等の開発設計業務の委託を受けていたC株式会社の代表者)から120億円で取得した。被控訴人Y6は,同日,Jに対して代金の内金18億円を支払った。 (5) y4は,同年5月14日,K1及びK2との間で,本件ゴルフ場敷地の譲渡に関する協定を締結した。 そして,被控訴人Y1は,本件ゴルフ場の敷地として,同日,千葉県君津市g字hi番j,山林724㎡及び同番k,山林,2万8180㎡の土地を,同月31日に,同番l,山林91万6023㎡の土地を,さらに平成3年2月25日に,同番m,山林23万7936㎡の土地ををれぞれ取得した。これらの土地の取得に要した費用は約34億円である。 (6) y4は,平成2年7月10日,Bに対し,被控訴人Y8を始めとする被控訴人Y1の役員全員の辞任届,被控訴人Y1の代表者印等の印鑑類,不動産の登記済証及び預金通帳等を交付した。 被控訴人Y6は,同月13日,被控訴人Y1から,同控訴人がL株式会社及びM株式会社から融資を受けた118億円を借り入れ 人Y1の代表者印等の印鑑類,不動産の登記済証及び預金通帳等を交付した。 被控訴人Y6は,同月13日,被控訴人Y1から,同控訴人がL株式会社及びM株式会社から融資を受けた118億円を借り入れて本件全株式の残代金を支払い,上記印鑑類及び書類等一式の引渡しを受けた。そして,被控訴人Y6は,被控訴人Y1に対して土地代として45億円を貸し付けた。 (7) y4は,同年9月29日,君津市との間で,接続道路の築造に関する協定を締結した。この協定は,y4が上記接続道路の用地を取得して君津市に寄附するとともに,同社の費用負担で道路の築造を行い,業務完成保証金1億5000万円を君津市に寄託するほか,君津市の事務費2100万円を支払うことを内容とするものであり,y4は,この協定に基づき,同年10月11日,君津市に対し,上記保証金を寄託した。 (8) 被控訴人Y1が千葉県知事に提出した資金計画には,事業費を95億円(内訳は,用地費28億円,工事費47億円,附帯工事費12億円,事務費3億円,借入金利息5億円)とし,その全額をy4から融資を受ける旨が記載されていた。そして,y4は,被控訴人Y1あてに合計95億円の融資を確約する融資証明書を作成し,同被控訴人は,平成3年5月23日ころまでに上記融資証明書及びy4の合計98億円余りの銀行預金の残高証明書を千葉県知事に提出した。 (9) 千葉県知事が同年5月24日に許可した林地開発行為及び工事の設計の確認は,千葉県君津市g字hi番j外5筆の合計99万2131㎡を開発区域とするものであった。 (10) 被控訴人Y6は,同年6月12日,被控訴人Y5との間で,被控訴人Y6が被控訴人Y5に対し,本件全株式を157億2956万1643円で売り渡すとともに,被控訴人Y5が被控訴人Y1に対して本件ゴルフ場の土地代相 Y6は,同年6月12日,被控訴人Y5との間で,被控訴人Y6が被控訴人Y5に対し,本件全株式を157億2956万1643円で売り渡すとともに,被控訴人Y5が被控訴人Y1に対して本件ゴルフ場の土地代相当額として45億円を貸し付けることを合意し,この合意に基づき,同日,被控訴人Y5は売買代金の内金10億円を被控訴人Y6に支払った。 (11) 被控訴人Y5は,昭和59年5月18日設立された資本金3000万円の会社で,設立当時からy5が代表取締役の地位にあったが,被控訴人Y2が同社の株式を支配しており実質的な意思決定権を有していた。被控訴人Y5は,栃木県鹿沼市内にNグループの支援を得て建設されたY5を経営していたほか,関連会社のO株式会社も茨城県日立市内でゴルフ場を経営していた。 (12) y4は,平成3年6月中旬ころ,本件全株式を被控訴人Y5が取得して,「仮入会申込書」により会員募集の準備を行っていることを知り,被控訴人Y5側に対して協議を申し入れた。その結果,同年6月24日,y4東京支店内において,y4と被控訴人Y5との間で話合いが持たれ,同月27日には,被控訴人Y2,被控訴人Y8及びEらが出席して本件会員募集の方法等について協議が行われた。その結果,y4と被控訴人Y5は,今後のゴルフ場開発を円滑に行うために,被控訴人Y1の住所や本店所在地,役員の名義は従前どおりとすること,本件ゴルフ場工事の地鎮祭が終了した後直ちに会員募集届を提出することを申し合わせ,造成工事をy4が行いたいとの同社の希望に対しても被控訴人Y5は理解を示したが,会員募集の方法等については,本件ゴルフ場の建設工事を受注した場合の工事代金の支払を確保するためにも,自己の関係会社に行わせて預託金等を管理したいとするy4と,独自に会員募集を行い預託金等も自社で管理することを主 等については,本件ゴルフ場の建設工事を受注した場合の工事代金の支払を確保するためにも,自己の関係会社に行わせて預託金等を管理したいとするy4と,独自に会員募集を行い預託金等も自社で管理することを主張する被控訴人Y5の意見が対立して合意に至らなかった。 (13) 被控訴人Y5は,上記(10)の売買代金の残金147億2956万1643円の支払ができなくなり,同被控訴人と被控訴人Y6は,同年7月6日,その精算のため,被控訴人Y6の被控訴人Y1に対する165億円の債務(被控訴人Y1がL及びMから融資を受けて被控訴人Y6に貸し付けていたもの)を被控訴人Y5が免責的に引き受け,被控訴人Y6は被控訴人Y1に対する45億円の貸金債権を被控訴人Y5に譲渡することなどを合意し,この合意に基づき,被控訴人Y5は,同日,被控訴人Y6に対し,残額27億2956万1643円を現金で支払ったほか,同月15日,違約金として8億円を同被控訴人に支払った。 (14) 被控訴人Y1から会員募集の委託を受けたD(被控訴人Y5の100%子会社)は,被控訴人Y8の承諾を得て撮影した同被控訴人の写真を用いて本件パンフレットを作成し,同年7月から本件ゴルフ場募集概要とともに本件パンフレットを使用して本件会員募集を開始した。ただし,顧客に対する実際の募集はDが行うのではなく,同社から直接あるいは間接的に販売委託を受けた業者が行い,これらの業者は本件ゴルフ場募集概要や本件パンフレット等を用いて募集を行った。 また,当時,業界誌等においては,本件ゴルフ場がy4グループのゴルフ場であるかのような記事が掲載され,そのような記載のあるパンフレット等も出回っていた。 (15) y4及び被控訴人Y8は,協議が整わないうちに被控訴人Y1側が一方的に本件会員募集を開始したことについて同被 かのような記事が掲載され,そのような記載のあるパンフレット等も出回っていた。 (15) y4及び被控訴人Y8は,協議が整わないうちに被控訴人Y1側が一方的に本件会員募集を開始したことについて同被控訴人側に抗議し,中止を申し入れたが,同被控訴人側では,借入金の利息返済があるため募集を止めることはできないとしてそのまま会員募集を継続し,本件パンフレットと同様に被控訴人Y8にy4取締役東京支店長の肩書を付し,y4が設計施工業者である旨表記した広告を新聞紙上に掲載した。 (16) その後,y4と被控訴人Y5との間で,y4が被控訴人Y1の株式の全部ないし一部を買い戻すこと,同被控訴人の株式をy4と被控訴人Y5で半数ずつ所有すること,y4が本件ゴルフ場の造成工事を行うことなどが協議されたが,合意に至らなかった。 (17) なお,上記(7)の協定に基づき,平成3年8月5日,事務費2100万円及び道路築造に要する費用6億2500万円がy4名義で君津市に支払われたが,これらはy4との合意により被控訴人Y1が負担した。 (18) 被控訴人Y8及びy4は,同年9月10日付けの内容証明郵便により,被控訴人Y5及びDに対し,本件会員募集業務を中止するよう申し入れたが,被控訴人Y5はこれを拒否した。 (19) 登記簿上被控訴人Y1の代表取締役であった被控訴人Y8,取締役であったY1a,同Y1b及び監査役であったY1c(いずれもy4の役員ないし従業員であった者)は,同年9月10日ころ,役員の辞任登記をするために,東京地方裁判所に対し,商法258条2項に基づいて被控訴人Y1の仮代表取締役選任の申立てをした。 (20) 結局,同年10月初旬ころまでにy4と被控訴人Y5の協議は決裂し,y4は本件ゴルフ場開発から完全に手を引くこととなった。 (21) y4 控訴人Y1の仮代表取締役選任の申立てをした。 (20) 結局,同年10月初旬ころまでにy4と被控訴人Y5の協議は決裂し,y4は本件ゴルフ場開発から完全に手を引くこととなった。 (21) y4は,同年10月15日,東京地方裁判所に,被控訴人Y1及びDを債務者として,y4の商号等を無断で使用してはならない旨の仮処分を申し立て,同裁判所は,同月25日,本件会員権の販売等に関し,①被控訴人Y8がy4の取締役東京支店長である旨の表示,②コース設計及びその造成工事の施工をy4が行う旨の表示,③クラブハウスの建築工事の施工をy4が行う旨の表示を使用してはならないこと及び上記①ないし③の表示がされているパンフレット等を執行官保管にすること等を内容とする仮処分決定をし,その執行がされた。被控訴人Y1側は,その後y4の名称や被控訴人Y8の写真のない新たなパンフレットを作成して本件会員募集を継続した。 (22) 上記(19)の申立てを受けて,被控訴人Y1は,前記第2,1(2)チのとおり,同年10月15日に臨時株主総会及び取締役会を開催して役員の選任を行った。もっとも,被控訴人Y1の意思決定権は,被控訴人Y5の実質的な意思決定権者である被控訴人Y2が有しており,Eら上記選任された取締役は被控訴人Y1の意思決定には何ら関与できる立場になかった。 (23) 被控訴人Y8は,同年11月1日,再び被控訴人Y1の代表取締役に就任したが,それは,被控訴人Y8が本件ゴルフ場の地元出身であって,当時百数十億円の預託金が集まっており本件ゴルフ場が開場できなくなると困ると考えたことや,被控訴人Y2から就任を要請されたからであった。その後も被控訴人Y1の実質的な意思決定権を被控訴人Y2が握っていることに変わりはなく,被控訴人Y8は,時々工事の進捗状況を見るため現地に出向 ことや,被控訴人Y2から就任を要請されたからであった。その後も被控訴人Y1の実質的な意思決定権を被控訴人Y2が握っていることに変わりはなく,被控訴人Y8は,時々工事の進捗状況を見るため現地に出向いたことはあるが,被控訴人Y1の意思決定や会員募集に関与したことはなかった。 (24) 平成3年11月ころには,業界内において,y4が被控訴人Y1から手を引いたという情報が流れていた。 (25) 被控訴人Y1が本件会員募集を開始した平成3年7月ころは,既にバブル経済が崩壊してゴルフ会員権の値下がりが始まり,しかもバブル期に計画されたゴルフ場の新規募集が次々と開始されて,販売競争が激化していた時期であった。本件会員権は,首都圏に近いという好立地でありながら,特別縁故会員の募集金額が約1150万円と近隣の会員募集中の新設ゴルフ場と比べて3分の1以下と相当安価であった(なお,本件会員権を購入した者の中には,本件ゴルフ場がy4系列のゴルフ場であると認識していた者も少なからずいたものと推測される。)から,平成3年7月の募集開始から平成4年3月までに少なくとも1000名以上が本件会員権を購入し,その販売によって預託を受けた預託金は合計約140億円,入会金は約24億円(ただし,うち約15億円は募集手数料として支払われた。)に上った。 (26) 被控訴人Y1の第5期(平成3年4月1日から平成4年3月31日まで)の経常損益は約3833万円の赤字であった。 (27) 被控訴人Y1は,Iとの間で,代金を約100億円とする本件ゴルフ場工事の請負契約を締結したが,工事開始後,工事代金の支払に支障を来したため,平成5年初めころ同社は撤退し,その後別の業者が工事を続けたが,平成7年前半ころには工事は中断し,その後工事は再開されないまま現在に至っている。 (2 事開始後,工事代金の支払に支障を来したため,平成5年初めころ同社は撤退し,その後別の業者が工事を続けたが,平成7年前半ころには工事は中断し,その後工事は再開されないまま現在に至っている。 (28) 被控訴人Y1は,平成4年5月ころから,特別法人正会員の募集を開始した。これは,入会金不要,全額預託金というもので,1口2名無記名式の場合の預託金は1800万円であり,この募集に応じた者の中には,既に特別縁故会員として入会した者が支払済みの入会金を預託金に振り替え,追加して預託金を支払うことにより移行した者も多かった。。 (29) 被控訴人Y1は,同年9月1日,千葉県知事に対し,会員募集届出の変更届を提出した。これによる募集計画は,正会員及び特別法人正会員を合計1450名募集し,合計180億1900万円を,特別平日会員及び平日会員を合計2150名募集し,合計125億5000万円を入会金及び預託金として集めるというものであった。 (30) 平成5年3月31日時点における本件ゴルフ場の預託金の総額は約167億円であったが,特別縁故会員から特別法人正会員への移行により入会金を預託金に振り替えた者も多かった関係から,被控訴人Y1の第6期(平成4年4月1日から平成5年3月31日まで)の入会金収入はマイナス約1億円となり,経常損益は1億2200万円余りの赤字となった。 (31) 平成6年3月31日時点における本件ゴルフ場の預託金の総額は約173億円で,被控訴人Y1の第7期(平成5年4月1日から平成6年3月31日まで)の入会金収入は640万円(募集手数料は約3000万円)であり,経常損益は約6億0700万円余りの赤字となった。平成6年3月31日時点における借入金の残高は約134億6000万円(うちL及びMに対して各65億9000万円)であった。 は約3000万円)であり,経常損益は約6億0700万円余りの赤字となった。平成6年3月31日時点における借入金の残高は約134億6000万円(うちL及びMに対して各65億9000万円)であった。 (32) 本件会員権を購入した者は合計約1800名に上る。被控訴人Y1が本件会員権の購入者から支払を受けた入会金及び預託金は合計約196億円で,その全額が募集手数料,土地代,建設費,借入金の元利金の一部返済,y9への立替金(y9から借入れをして会員権を購入した者が借入金の返済をしなかったために同被控訴人が立替払したもの),君津市に対する寄附金等本件ゴルフ場関連の支出に充てられた。 2 以上の認定事実に基づき,控訴人らの損害賠償請求の当否について検討する。 (1) まず,本件会員募集に際して用いられた本件パンフレットには,被控訴人Y1の代表取締役の被控訴人Y8にy4における肩書が付され,設計施工業者としてy4の名称が記載されているだけであり,それ自体からは,本件ゴルフ場とy4との間に何らかの関係があることがうかがわれるにとどまり,本件ゴルフ場がy4の子会社の運営するゴルフ場であることを直接意味する記載はない。しかしながら,本件会員募集開始当時,本件ゴルフ場がy4グループのゴルフ場であるかのような記事が業界誌等に掲載され,そのような記載のあるパンフレット等も出回っていたから,本件会員権の販売に当たった業者の中には,本件ゴルフ場がy4の子会社が運営するゴルフ場であると説明して勧誘を行った者があり,本件会員権の購入者の中にもそのような説明を信じ,そのことが購入の一つの動機となった者も少なくなかったと推認される。被控訴人Y1は,少なくとも上記のような宣伝や勧誘が行われていることを知りながらこれを是正する等の措置をとらず,むしろそのような状況を利用して 入の一つの動機となった者も少なくなかったと推認される。被控訴人Y1は,少なくとも上記のような宣伝や勧誘が行われていることを知りながらこれを是正する等の措置をとらず,むしろそのような状況を利用して本件会員募集を開始,継続したものと認められる。一方,y4は,本件全株式を譲渡した後も本件ゴルフ場事業の許認可手続を行っていたが,これは開発事業を円滑に進めるためにBとの協定に基づいて行ったものであって,Bに本件全株式を譲渡した後は被控訴人Y1の株主ではなくなり,平成2年7月10日に同被控訴人の役員の辞任届や印鑑類等がBに引き渡された後は,被控訴人Y8ほか被控訴人Y1の役員らがその業務執行に関与する余地もなくなったものと認められる。そして,y4や被控訴人Y8がy4の名称を使用して本件会員募集をすることを許諾したことを認めることのできる証拠はなく(平成3年6月24日及び同月27日の協議の際にも,y4がそのような許諾をしたことは認められない。),かえって,y4や被控訴人Y8は,本件パンフレットを用いて会員募集が開始されたことについて被控訴人Y1側に抗議して中止を申し入れ,さらに名称使用禁止等の仮処分を申し立て,仮処分決定を得ている。 (2) 次に,本件ゴルフ場が開場できなくなったのは,被控訴人Y1の資金不足により本件ゴルフ場の建設資金を捻出することができなくなったことが主な原因であると認められる。すなわち,被控訴人Y1及びその親会社である被控訴人Y5は,本件全株式を約157億円(ゴルフ場用地代金は別)で取得し,残代金の支払ができなくなったため,その支払に代えてL及びMからの借入金債務を負担したが,会員権の販売による収入が当初予定の319億円(なお,甲B41によれば,平成3年8月には,正会員1850名,平日会員1700名を募集して合計454億3500 えてL及びMからの借入金債務を負担したが,会員権の販売による収入が当初予定の319億円(なお,甲B41によれば,平成3年8月には,正会員1850名,平日会員1700名を募集して合計454億3500万円を集めるとの案も出されたことが認められる。)と比べて大幅に少ない約196億円にとどまり,その全額が本件ゴルフ場関連の支出に充てられた結果,工事費を捻出することができなくなったものである。そして,本件ゴルフ場の建設に要する費用は100億円程度であり,被控訴人Y1が既に30億円弱の工事費用を支出していた(甲B97,乙A44ないし46,乙B8の2)のであるから,当初予定どおりの会員権販売による収入があれば,本件ゴルフ場を建設し,開場することができた可能性も相当程度あった(もっとも,その場合でも借入金を完済することまでは不可能であった。)と推認される。 被控訴人Y1,同Y5及び同Y2は,本件ゴルフ場が開場できなかったのは未買収地等が存在していたからであると主張する。確かに,P1の相続人であるP2が,同人が所有する君津市i字jk番及び同所l番の土地の一部が本件ゴルフ場の計画地に含まれている旨主張したことがあるけれども,被控訴人Y1は,係争地を計画地から除外する内容の設計変更を行った(甲B112の1,2,乙B17,20,21,23)のであるから,このことが工事の続行に決定的な支障になったとは認められず,他に上記控訴人らの主張を認めることのできる証拠はない。したがって,上記主張は採用できない。 (3) 被控訴人Y1,同Y2及び同Y5の責任アゴルフ場経営会社は,入会契約を締結した会員に対して,ゴルフ場を開場させる契約上の義務を負っている。そして,ゴルフ場の開発及び建設には多額の費用を要し,未開場のゴルフ場の会員募集に当たって会員から集める フ場経営会社は,入会契約を締結した会員に対して,ゴルフ場を開場させる契約上の義務を負っている。そして,ゴルフ場の開発及び建設には多額の費用を要し,未開場のゴルフ場の会員募集に当たって会員から集める入会金や預託金も高額であるから,もしゴルフ場建設が中途で頓挫した場合,会員権は無価値となり,会員は多額の損失を被ることになる。会員から集める入会金や預託金をゴルフ場の建設費用に充てることはもとより通常一般に行われているところではあるが,どれだけの会員が入会するか,開場までにどれだけの費用を要するかは流動的であって,これを確実に予測するのは困難であることからすれば,ゴルフ場経営会社としては,会員権販売による収入のみを当てにすることなく,確実にゴルフ場が開場できるよう資金面その他において十分な検討及び手当てを行った上で会員募集に当たるべき注意義務をゴルフクラブ入会契約を締結する個々の会員に対して負っているものと解すべきである。そして,このような注意義務を怠った結果,ゴルフ場が開場できなくなった場合には,債務不履行責任のみならず不法行為責任をも負うものというべきである。 これを本件についてみると,本件会員権販売による収入は本件ゴルフ場事業に関連する支出に充てられており,他の用途に流用されたことは認められないけれども,そもそも被控訴人Y5による本件全株式の取得価額は157億円と巨額であり,その代金の支払に代えて借入金債務を引き受けたため,その利息の負担だけでも十億円以上にも上り,その上土地の購入費等の負担もあったから,本件ゴルフ場の当初計画の事業費(前記1(8))と比較しても,被控訴人Y1及び親会社の同Y5は,取得時点から極めて重い負担を背負っていたものというほかはない。そして,同被控訴人らは他に格別の資産を有せず,資金面での支援が確実に得ら 前記1(8))と比較しても,被控訴人Y1及び親会社の同Y5は,取得時点から極めて重い負担を背負っていたものというほかはない。そして,同被控訴人らは他に格別の資産を有せず,資金面での支援が確実に得られる見込みがあったことをうかがわれせる証拠もない。一方,本件会員権については,募集当初こそ割安な販売価格に注目して高い需要があったものの,バブル経済の崩壊による景気の後退局面に入り,ゴルフ会員権価格も下落傾向にあったところに,バブル期に計画されたゴルフ場の新規会員募集が次々と開始されていたのであるから,価格を引き上げて販売した場合には同様の需要が見込めず,その結果会員権販売による収入によっては本件ゴルフ場建設に要する費用をまかなうことができなくなることは被控訴人Y1において十分に予見し得たものと認められる。 被控訴人Y1において,本件ゴルフ場開場が困難であることを知りながら本件会員募集を行ったとまで認めることはできないものの,上記説示のとおり被控訴人Y1は,資金面についての十分な検討や手当てをしないまま,極めて安易な見通しに基づき会員権販売による収入のみを当てにした不合理な募集計画を立てて本件会員募集を開始し,控訴人らを含め会員に対して負っている上記注意義務を怠ったものといわざるを得ないから,控訴人らに対して不法行為に基づく損害賠償義務があるというべきである。 イ次に,被控訴人Y2は,上記認定,説示のとおり,本件会員募集を含め被控訴人Y1の業務全般について意思決定権を有しており,不合理な募集計画に基づく本件会員募集を行わせたものであるから,同被控訴人も,被控訴人Y1と共に共同不法行為者として,控訴人らに生じた損害を賠償する義務があるというべきである。 ウ被控訴人Y5は,被控訴人Y1の親会社ではあるが,本件会員募集は被控訴人 ら,同被控訴人も,被控訴人Y1と共に共同不法行為者として,控訴人らに生じた損害を賠償する義務があるというべきである。 ウ被控訴人Y5は,被控訴人Y1の親会社ではあるが,本件会員募集は被控訴人Y1がDに販売業務を委託したものであって,同被控訴人の業務として行われたものであり,被控訴人Y5自体は,本件会員募集を行っておらず,また,親会社というだけで被控訴人Y1による本件会員募集を阻止すべき義務を負っているとはいえない。したがって,被控訴人Y5が不法行為責任を負うものとは認められない。 (4) y4の責任y4は,Bとの協定に基づき,手続を円滑に進めるため,同社に本件全株式を譲渡した後も本件ゴルフ場の許認可手続を行い,事前協議同意に基づく地位承継の趣意書並びに融資証明書及び残高証明書を提出するなど,対行政の関係では自社が被控訴人Y1の100%株主であるかのように振る舞っていたけれども,このことは一般に公開されていたわけではなく,仮に被控訴人Y1がy4の子会社でなく,y4に融資の意思がないことを千葉県知事が知ったとしても,そのために許認可が得られなくなるものではない(甲B109,乙D1,2,5,6)から,このことが直ちに控訴人ら会員権購入者に対する関係で違法な行為となるものではない。 そして,本件会員募集当時,y4は被控訴人Y1とは資本面において無関係であって,本件会員募集に関与したことも,y4の名称を使用して本件会員募集を行うことを許諾したこともなく,まして,被控訴人Y1による本件会員募集を阻止する権限を有していたわけでもない。y4は,被控訴人Y1が本件パンフレット等を使用して本件会員募集をしていることを知ると直ちに,本件会員募集の中止を求め,さらにy4の商号を使用すること等の差止めを求める仮処分を申請するという措置を 。y4は,被控訴人Y1が本件パンフレット等を使用して本件会員募集をしていることを知ると直ちに,本件会員募集の中止を求め,さらにy4の商号を使用すること等の差止めを求める仮処分を申請するという措置を執っていることからすると,y4が本件ゴルフ場の経営母体が同社である旨会員権購入者を欺罔したと認めることはできないし,本件ゴルフ場の経営母体が同社であるかのような外観の下に本件会員募集活動が行われていたからといって,y4が実際に執った上記措置以上に,同社が上記外観を排除し,あるいは会員募集活動を阻止すべき法的義務を負っていたということもできない。なお,被控訴人Y1の本店所在地がy4東京支店と同一場所にあったこと,登記簿上の代表者がy4の取締役東京支店長であったこと,本件ゴルフ場の名称がy4の系列会社が経営する他の一部ゴルフ場で使用されている「エース」の文字を含むものであることをもって,y4が不法行為責任を負うものと認めることもできない。 したがって,y4が民法709条の不法行為責任を負うものとは認められない。 また,後記のとおり被控訴人Y8が民法709条の不法行為責任を負うものと認めることもできないから,同被控訴人の使用者として民法715条の責任も負わない。 (5) 被控訴人Y8の責任被控訴人Y8が平成2年7月10日に被控訴人Y1の役員の辞任届や代表者印等をBに引き渡した後は,同被控訴人の代表取締役の地位は名目上のものにすぎず,同被控訴人の業務執行を行える立場になかった。また,被控訴人Y8が本件会員募集に関与したことも,本件会員募集に当たりy4取締役東京支店長の肩書やy4の名称を使用することを許諾したこともなく,むしろ同被控訴人は本件会員募集の中止を求めていたことからすれば,本件ゴルフ場の経営母体がy4である旨会員権購入 募集に当たりy4取締役東京支店長の肩書やy4の名称を使用することを許諾したこともなく,むしろ同被控訴人は本件会員募集の中止を求めていたことからすれば,本件ゴルフ場の経営母体がy4である旨会員権購入者を欺罔したと認めることはできないし,本件ゴルフ場の経営母体が同社であるかのような外観の下に本件会員募集活動が行われていたからといって,それだけで同被控訴人が上記外観を積極的に排除し,あるいは会員募集活動を阻止すべき法的義務を負っていたということもできない。 したがって,被控訴人Y8が民法709条の不法行為責任を負うものとは認められないし,被控訴人Y1の代表取締役の職務を行うについて任務懈怠があったと認めることもできない。 また,y4に違法な行為が認められないことは上記のとおりであるから,被控訴人Y8が同社の取締役の職務を行うについて任務懈怠があったと認めることもできない。 よって,被控訴人Y8に商法266条の3の責任を認めることもできない。 (6) 被控訴人Y6の責任被控訴人Y6が本件全株式を被控訴人Y5に譲渡した後の平成3年10月15日,被控訴人Y6の代表取締役のEが被控訴人Y1の代表取締役に,取締役のFが同被控訴人の取締役に,それぞれ就任しているが,上記2名あるいは被控訴人Y6が本件会員募集に関与していたことも,また,本件ゴルフ場の経営母体がy4である旨会員権購入者を欺罔したことも認めることができない。そもそも本件会員募集は被控訴人Y1がDに販売業務を委託したものであって,同被控訴人の業務として行われたものであるから,その親会社であったというだけで被控訴人石亭が本件会員募集を阻止する等して,本件ゴルフ場の開場不能による損害の発生を防止すべき義務があるとはいえない。 したがって,被控訴人Y6に民法70 ら,その親会社であったというだけで被控訴人石亭が本件会員募集を阻止する等して,本件ゴルフ場の開場不能による損害の発生を防止すべき義務があるとはいえない。 したがって,被控訴人Y6に民法709条の不法行為責任を認めることはできない。 (7) 被控訴人Y7の責任ア本件条例は,開発区域及びその周辺地域における災害を防止し,健全な生活環境の保全を図ることを目的とするものであり(1条),その目的のためにゴルフ場の開発事業計画についての知事との協議及び同意(5条)並びに工事の設計が基準に適合する旨の知事の確認(7条)の取得を義務付けている。また,森林法は,森林の保続培養と森林生産力の増進を図り,もって国土の保全と国民経済の発展とに資することを目的とするものであり(1条),その目的のために林地開発許可の取得を義務付けている(10条の2)。このような条例及び法律の目的並びに規定の内容からすると,知事には開発事業が確実に施行されることや私法上の権原取得の見込みがあるかどうかを審査する権限も義務もなく,まして事業者の株式構成を把握すべき義務を負っているものと解することもできない。 ところで,「Y7におけるゴルフ場開発計画の取扱い方針」(甲C11)は,新設のゴルフ場計画についての本件条例5条1項の協議の要件として,「開発しようとする者の資力,信用,実績等について,当該開発計画が確実に施行される見込みがあると認められること」を挙げており,知事は事業者に対して,資力,信用等に関する書類の提出を求めているが,これは実現性が乏しい申請を抑制するために行政指導として行っているにすぎない。また,千葉県知事は,本件条例7条1項の確認申請書に開発区域及び隣接地の地権者の施行同意書の添付を求めているが,これも無意味な申請を抑制するためのものにす ために行政指導として行っているにすぎない。また,千葉県知事は,本件条例7条1項の確認申請書に開発区域及び隣接地の地権者の施行同意書の添付を求めているが,これも無意味な申請を抑制するためのものにすぎない。したがって,これらの取扱いが控訴人ら主張の審査義務を知事が負っていることの根拠となるものではない。 イまた,本件条例12条は,宅地開発事業等が本件条例に違反して施行されたときは,知事はその事業主等に対してその違反を是正するために必要な措置を講ずることを命ずることができる旨を定めているが,被控訴人Y1がy4の子会社でないことや開発区域に権原未取得地が含まれていることが本件条例に違反するものとはいえないから,このことについて千葉県知事が監督権限を行使する余地はないものといわざるを得ない。 ウ以上のとおり,千葉県知事が審査義務及び監督義務を怠ったと認めることはできないから,Y7は国家賠償法1条の責任を負わない。 (8) y9及びy3の責任y9及びy3は,本件会員権の購入希望者の一部に対して購入資金を融資したが,これらが被控訴人Y1との間の提携ローン契約に基づくものであっても,これらの融資についての消費貸借契約は,会員権購入契約とは別個の契約であって,y9及びy3が本件会員募集を行ったことも認められないから,y9やy3が顧客に対する関係で本件ゴルフ場の開場可能性や会員募集方法の適否等について積極的に調査すべき注意義務を負っているとはいえない。そして,y9及びy3において,本件ゴルフ場の経営母体が被控訴人Y5であるにもかかわらずy4のゴルフ場であると偽って会員募集が行われ,購入者がその旨誤信して本件会員権を購入していることや本件ゴルフ場が開場の見込みがないことを予見し得たことを認めるに足りる証拠はなく,y9及びy3に控訴 y4のゴルフ場であると偽って会員募集が行われ,購入者がその旨誤信して本件会員権を購入していることや本件ゴルフ場が開場の見込みがないことを予見し得たことを認めるに足りる証拠はなく,y9及びy3に控訴人ら主張の義務違反による不法行為責任を認めることはできない。 (9) 控訴人らが被った損害被控訴人Y1及び同Y2の共同不法行為により,控訴人らが被った損害は,それぞれ,被控訴人Y1に支払った入会金及び預託金相当額として請求一覧表の請求額1欄記載の金額(本件ゴルフ場の開場の見込みがない以上,上記同額が控訴人らの損害と認められる。)及び本訴の提起,追行のための弁護士費用として同一覧表の請求額3欄記載の金額と認めるのが相当である。 控訴人らは,精神的苦痛を被ったことによる慰謝料も請求するが,本件においては,財産的損害が填補されることにより精神的苦痛も慰謝されるというべきであるから,控訴人らの慰謝料請求は認められない。 3 債務不存在確認請求について(1) 被控訴人Y9は,控訴人番号8,10,14,15,18,26,32,34,37,42,44,53,57,61,64の各控訴人らとy9との間の各金銭消費貸借契約に基づく各債務は完済になっている旨主張し,被控訴人Y3は,控訴人番号17の控訴人とy3との間の消費貸借契約に基づく債務は完済になっており,また,y3が控訴人番号62の控訴人と消費貸借契約を締結したことはない旨主張している。 そうすると,上記各消費貸借契約に基づく各債務が存在しないことをy9又はy3は自認しているから,上記各控訴人らの債務不存在確認の訴えはいずれも確認の利益を欠き,不適法といわざるを得ない。 (2) 次に,控訴人番号2,20,22及び25の各控訴人らがy9との間で,控訴人番号11ないし13及び40 控訴人らの債務不存在確認の訴えはいずれも確認の利益を欠き,不適法といわざるを得ない。 (2) 次に,控訴人番号2,20,22及び25の各控訴人らがy9との間で,控訴人番号11ないし13及び40の各控訴人らがy3との間で,それぞれ締結したと主張する各消費貸借契約の効力について検討する。 仮に,上記控訴人らが本件ゴルフ場の経営母体がy4であるものと誤信して上記各消費貸借契約を締結したものとしても,それは単なる動機の錯誤にすぎず,この動機をy9あるいはy3が知っていたことを認めることのできる証拠もない。また,上記控訴人らにおいて,上記各消費貸借契約締結の際に,本件ゴルフ場が必ず開場するものと信じていたとしても,それは将来の見通しであって,これが結果として予想に反したというものであるから,このことをもって要素の錯誤に当たるということはできない。 したがって,錯誤無効の主張は失当である。 また,y9及びy3において,被控訴人Y1が上記控訴人らに対して被控訴人Y1の経営母体がy4である旨欺罔し,同控訴人らがその旨誤信していることを知り,あるいはそのことを知り得たものと認めることのできる証拠はないから,詐欺取消しの主張も理由がない。 なお,上記控訴人らは,上記各消費貸借契約において融資金の交付があったことを争うもののようであるが,関係証拠(甲A119の1,2,甲A141,142,144,185の1,2,甲A188の1,2,甲A339,乙E4,8,9,10の各1,乙F7の3)及び弁論の全趣旨によれば,上記控訴人らとy9あるいはy3との間においては消費貸借契約の成立を証する契約書等が作成され,融資金が直接被控訴人Y1に対して支払われることについて同控訴人らは予め同意し,若しくは異議を述べたことはうかがわれず,被控訴人Y1 3との間においては消費貸借契約の成立を証する契約書等が作成され,融資金が直接被控訴人Y1に対して支払われることについて同控訴人らは予め同意し,若しくは異議を述べたことはうかがわれず,被控訴人Y1からは入会金や預託金を受領した旨の領収証あるいは預り保証金証書が同控訴人らに交付されていることが認められるから,融資金の交付があったものというべきである。 したがって,上記控訴人らの債務不存在確認請求はいずれも理由がない。 第4 結語以上の次第であるから,控訴人らの損害賠償請求は,被控訴人Y1及び同Y2に対し,連帯して,請求一覧表の認容額欄記載の各金員及びこれに対する各不法行為の日である購入日欄記載の日から各支払済みまで年5分の割合による遅延損害金を支払う限度で理由があるが,控訴人らの同被控訴人らに対するその余の請求並びに被控訴人Y4,同Y5,同Y6,同Y7,同Y8,同Y9及び同Y3に対する損害賠償請求はいずれも理由がないから棄却すべきである。また,控訴人番号8,10,14,15,18,26,32,34,37,42,44,53,57,61及び64の各控訴人らの被控訴人Y9に対する各債務不存在確認の訴え並びに控訴人番号17及び62の各控訴人らの被控訴人Y3に対する各債務不存在確認の訴えはいずれも不適法であるから却下すべきであり,控訴人番号2,20,22及び25の各控訴人らの被控訴人Y9に対する各債務不存在請求並びに控訴人番号11ないし13及び40の各控訴人らの被控訴人Y3に対する各債務不存在確認請求はいずれも理由がないから棄却すべきである。 よって,原判決中,控訴人らの被控訴人Y1及び同Y2に対する請求をいずれも棄却した部分及び控訴人番号17の控訴人の被控訴人Y3に対する債務不存在確認請求を棄却した部分は不当であるから取り消し, よって,原判決中,控訴人らの被控訴人Y1及び同Y2に対する請求をいずれも棄却した部分及び控訴人番号17の控訴人の被控訴人Y3に対する債務不存在確認請求を棄却した部分は不当であるから取り消し,前者については控訴人らの請求を一部認容し,後者については同控訴人の債務不存在の訴えを却下することとして,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第15民事部裁判長裁判官赤塚信雄裁判官宇田川基裁判官加藤正男

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