昭和25(う)5086 窃盗詐欺並びに横領被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和26年6月7日 東京高等裁判所 破棄差戻
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する。      本件を前橋地方裁判所桐生支部に差戻す。          理    由  弁護人後藤末太郎の控訴趣意について、  <要旨>第一、二、刑訴法第三二八

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判決文本文955 文字)

主文 原判決を破棄する。 本件を前橋地方裁判所桐生支部に差戻す。 理由 弁護人後藤末太郎の控訴趣意について、<要旨>第一、二、刑訴法第三二八条所定の目的のみのために同条に則つて提出した証拠によつて被告人の罪状を認</要旨>定する証拠とすることはできないと解するのが相当である。蓋し新法は強く当事者主義を採用しているから、当事者の立証の趣旨に従うのが相当である。当事者において一定の証拠の証明力を争うために提出したものがたまたま罪となるべき事実認定の証拠とするに適当のものであつても当事者においてこれを犯罪認定の証拠として提出若しくは援用しないのに裁判所がこれを採って犯罪の証拠とすることは許されない。これを許すことは当事者主義に反するのみならず、被告人並びに弁護人にとつては不意打でその防禦権を侵害するおそれもあるからである。 さて記録を調査するに、原判決は本件公訴事実中第三の事実を認定するに当りA作成名義の被害届と同人の検察官に対する供述調書を援用しておること所論の通りである。ところが右被害届は証人Aが原審公判廷で証言した後に検察官は右証人の公判廷に於ける証言の証明力を争うためにその取調を請求し、その趣旨で証拠として採用せられたと認められる記載がある外その前後の記載に徴すると右被害届は刑訴法第三二八条に則つてその目的のみのために提出されたものと認められる。従つて右証拠は只単に証人Aの公判廷に於ける本件ギターは被告人に贈与したという趣旨の供述の証明力を争うためであるに過ぎないものである。従つてそれ以上進んで右被害者によつて右ギターは被告人に盗られたとか又は横領せられたとかいう証拠力とする訳にはいかぬものと解しなければならぬ。しかるに原判決はこれを綜合証拠の一つとして援用したのは違法で右違 以上進んで右被害者によつて右ギターは被告人に盗られたとか又は横領せられたとかいう証拠力とする訳にはいかぬものと解しなければならぬ。しかるに原判決はこれを綜合証拠の一つとして援用したのは違法で右違法は判決に影響を及ぼすこと明らかであるから原判決は破棄を免がれない。論旨は理由あるものである。 よつて刑訴法第三九七条、第四〇〇条に則り主文の通り判決する。 (裁判長判事吉田常次郎判事石井文治判事鈴木勇)

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