令和3刑(わ)497 業務上横領

裁判年月日・裁判所
令和3年5月10日 東京地方裁判所
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判決文本文1,190 文字)

令和3年5月10日東京地方裁判所刑事第6部宣告令和3年刑第497号,同第631号業務上横領被告事件 主文 被告人を懲役3年に処する。 未決勾留日数中30日をその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は,平成26年4月1日から平成29年3月31日までの間,A株式会社B郵便局総務部会計担当の課長として,同郵便局の会計事務の総括,現金出納,資産管理等の業務に従事していたものであるが,第1 同郵便局で収納した郵便切手合計178万824枚(額面合計8485万341円)を同社のために業務上預かり保管中,別表1記載【別表省略】のとおり,平成27年5月29日頃から平成28年4月上旬頃までの間,72回にわたり,東京都葛飾区ab丁目c番d号C店において,売却代金を自己の用途に費消する目的で,前記郵便切手合計178万824枚を売却し,もって横領し,第2 同郵便局で収納した郵便切手合計196万2786枚(額面合計9176万43円)を同社のために業務上預かり保管中,別表2記載【別表省略】のとおり,平成28年4月4日から平成29年4月上旬頃までの間,92回にわたり,前記C店において,売却代金を自己の用途に費消する目的で,前記郵便切手合計196万2786枚を売却し,もって横領した。 (量刑の理由)勤務する郵便局の会計事務等の責任者であった被告人は,郵便料金として収められた切手を保管中,これらを大量に持ち出して換金し,その都度多額の現金を得て,交際相手との関係を維持するための出費などごく個人的な使途に費消していた。同郵便局では,内部ルールに反し,そうした収納済み切手について本来な されるべき消印処理等がなされない場合があるという特殊な運用が常態化しており,そのことが犯行の な使途に費消していた。同郵便局では,内部ルールに反し,そうした収納済み切手について本来な されるべき消印処理等がなされない場合があるという特殊な運用が常態化しており,そのことが犯行の背景にあったと認められるが,被告人は,会計事務を総括する立場にありながら,こうした運用に乗じる形で,約1年10か月にわたり合計164回も着服を繰り返し,被害にあった切手は枚数にして370万枚を超え,額面額合計は約1億7600万円に上っている。被害が大きいことはもとより,常習性も甚だ顕著であって,なお厳しい非難に値する。被告人は約1億7000万円分の弁償を遂げ,更に200万円の追加弁償を申し入れており,その点は十分考慮する必要があるが,犯情の悪質さに照らすと,相応の刑期の実刑を免れない。 その上で,被告人は前科がなく,謝罪・反省の態度を示そうとしていること,妻が今後の監督を誓約していることなどをも踏まえて,主文の刑を定めた。 (求刑懲役5年)令和3年5月10日東京地方裁判所刑事第6部 裁判官坂田正史

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