令和6(わ)327 所得税法違反被告事件

裁判年月日・裁判所
令和6年7月24日 福岡地方裁判所
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判決文本文1,786 文字)

令和6年7月24日宣告令和6年(わ)第327号所得税法違反被告事件 主文 被告人を懲役10月及び罰金1100万円に処する。 この罰金を完納することができないときは、5万円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置する。 この裁判が確定した日から3年間、その懲役刑の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)第1 被告人は、漫画家業を営むものであるが、自己の所得税を免れようと考え、令和元年分の実際の総所得金額が8344万4204円であり、これに対する所得税額及び復興特別所得税額が979万8100円であったにもかかわらず、その所得税及び復興特別所得税の法定納期限である令和2年4月16日までに、福岡市中央区天神四丁目8番28号所轄福岡税務署長に対し、所得税及び復興特別所得税の確定申告書を提出しないで同期限を徒過させたことにより、令和元年分の所得税額及び復興特別所得税額のうち、所得税額959万6572円を免れた。 第2 被告人は、漫画家業を営むものであるが、自己の所得税を免れようと考え、令和2年分の実際の総所得金額が8750万2616円であり、これに対する所得税額及び復興特別所得税額が1778万8100円であったにもかかわらず、その所得税及び復興特別所得税の法定納期限である令和3年4月15日までに、前記所轄福岡税務署長に対し、所得税及び復興特別所得税の確定申告書を提出しないで同期限を徒過させたことにより、令和2年分の所得税額及び復興特別所得税額のうち、所得税額1742万2233円を免れた。 第3 被告人は、漫画家業を営むものであるが、自己の所得税を免れようと考え、令和3年分の実際の総所得金額が8910万5562円であり、これに対する所得税額及び復興特別所得税額が2045万8300円であった 被告人は、漫画家業を営むものであるが、自己の所得税を免れようと考え、令和3年分の実際の総所得金額が8910万5562円であり、これに対する所得税額及び復興特別所得税額が2045万8300円であったにもかかわらず、その 所得税及び復興特別所得税の法定納期限である令和4年3月15日までに、前記所轄福岡税務署長に対し、所得税及び復興特別所得税の確定申告書を提出しないで同期限を徒過させたことにより、令和3年分の所得税額及び復興特別所得税額のうち、所得税額2003万7512円を免れた。 (証拠の標目)(省略)(法令の適用)(省略)(量刑の理由)被告人は、作画を担当する漫画が人気を博したため、多額の所得を得るようになったにもかかわらず、3年間にわたり確定申告を行わず、合計約4700万円の所得税の納付を免れたもので、数年にわたる多額の脱税である点は悪質である。しかし、本件は、事務作業が極めて不得手で、金銭への関心も薄く、年齢相応の社会制度に対する理解が不足した被告人が、急激に人気漫画家となり、確定申告の重要性を軽く見て、目の前の仕事やプライベートを優先させ、事務作業から逃げ続けた結果、本件各犯行に至ったというものである。その経緯等に汲むべき点があるとはいえないものの、経済的な利得を目的とした犯行と比較すれば、被告人が本件各犯行に至ったことを強く非難すべきとまではいえない。 以上の犯罪事実に関する事情に加え、被告人に前科前歴がないこと、被告人が国税庁の指摘を受けて令和4年には修正申告を行い、加算税及び延滞税を加えた金額を既に納付していること、さらに、被告人が後悔するとともに反省し、資料の整理も含めて税理士に依頼して令和4年度以降は確定申告を行っており、被告人が再度脱税行為に及ぶ可能性は低いと考えられることなどの事情 に納付していること、さらに、被告人が後悔するとともに反省し、資料の整理も含めて税理士に依頼して令和4年度以降は確定申告を行っており、被告人が再度脱税行為に及ぶ可能性は低いと考えられることなどの事情を考慮し、被告人には短期間の懲役刑を科した上でその執行を猶予するのが相当である。 ただし、脱税行為は結果として利益とならないことを示すため、被告人に対しては、相当額の罰金刑を併科すべきである。 以上を踏まえ、主文のとおり判決する。 (求刑懲役10月、罰金1400万円)令和6年7月24日福岡地方裁判所第2刑事部 裁判官武田夕子

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