昭和25(れ)1812 公務執行妨害、傷害

裁判年月日・裁判所
昭和26年3月1日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人山田半藏の上告趣意第一、二点について。  原判決の判示第一の末尾に「同人等の職務の執行を妨害し」とは判示しているが

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判決文本文2,437 文字)

主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人山田半藏の上告趣意第一、二点について。 原判決の判示第一の末尾に「同人等の職務の執行を妨害し」とは判示しているが、原判決の明らかに判示したところと挙示の各証拠によれば所論の暴行脅迫は大藏事務官、A、B両名が被告人宅で同人の所得額を調査中に被告人が両事務官の面前においてではあるがA事務官だけに加えたものであることが明らかである、また原判決の法律適用の説示によれば判示第一事実には刑法九五条の規定だけを適用しているのみで同法五四条一項前段の規定を適用していないところから見ると、原判決は所論の暴行脅迫による公務執行妨害罪はA事務官に対する一罪だけが成立するものと認定判示しているのであつて、特にB事務官に対する同罪をも認定した趣旨ではないかと解するを相当とする。されば、原判決を目してB事務官に対する公務執行妨害罪をも認定しているものと速断し、原判決挙示の証拠中には同事務官に対して被告人が暴行脅迫を加えたことを認めるに足る証拠がないから、原判決には証拠理由不備の違法があるとの論旨第一点並びに原判示はB事務官に対する公務執行妨害罪の判示として不備であるとの論旨第二点はいずれも採ることができない。 同第三点について。 原判決挙示の各証拠によれば所論の被告人が直税課長席にいたA事務官に加えた暴行は、A、B両事務官が署長に対して被告人宅において両事務官のした所得調査の状況等職務に関する報告をしているときに被告人からA事務官が暴行されたために、やむなく署長への報告を一時中止して両事務官は署長室から出て自分等の執務室たる直税課の室に行きA事務官は直税課長の席でB事務官と対談三〇分もたたぬうちに再び加えられたものであつて、この暴行をされた後間もなくA事務官は再び- 1 - 事務官は署長室から出て自分等の執務室たる直税課の室に行きA事務官は直税課長の席でB事務官と対談三〇分もたたぬうちに再び加えられたものであつて、この暴行をされた後間もなくA事務官は再び- 1 -署長室に戻り署長と対談していることが認められるのであるから、所論の直税課長席にいたA事務官に対する暴行はその行われた時間、場所等の関係から見て又その行われた前後におけるA事務官の行動等からいつても、同事務官の署長に対する報吾等職務執行の継続中に同事務官に対して行われたものと認めるのが相当である。 されば原判決が所論の暴行も、また、A事務官の公務執行中になされたものとの趣旨で判示をしているからといつて、所論のように証拠なくして事実を認定した違法あるものとはいえない、従つて原判決には所論の擬律錯誤の違法も存しない。論旨は独自の見解に立つて原判決の事実認定を非難するに帰し上告適法の理由とならぬ。 同第四点について。 しかし、原判決は公訴事実並びに第一審判決摘示と異つてAの頚部を掴んだとは判示しないで「同人の襟首をつかんで引ずる等」と判示している。 されば原判決が論旨に指摘するような証拠説明をしたからといつて、証拠の趣旨を変更して罪証に供したものとはいえないから、原判決の第二事実の認定には所論のような違法は存しない。 同第五点について。 しかし、原判決の判示竝びにその挙示する各証拠によれば、被告人がA事務官の襟首を掴んだのは署長室でのことであり、被告人が同事務官の顔に煙草の火をねじりつけたのは直税課長の席でのことであることが認められるのであるから、原判決第二事実の判示はA事務官に対する掻把傷は署長室で、第二度火傷は直税課長席でそれぞれ被告人が加えたものであるとの趣旨を判示しているものと理解することができるのである。されば右判をもつて、A事務官に対す 二事実の判示はA事務官に対する掻把傷は署長室で、第二度火傷は直税課長席でそれぞれ被告人が加えたものであるとの趣旨を判示しているものと理解することができるのである。されば右判をもつて、A事務官に対する掻把傷も直税課長席で被告人が加えたものであるとの趣旨を判示したものと速断して、右判示事実の認定はその挙示する証拠と齟齬する違法のものであるとの論旨はその前提を欠きとるをえない。 - 2 -同第六点について。 所論のC作成に係る顛末書中の「一、私は此の暴挙に驚いてA、B両人を事務室に去らせました、一、Dは四時過ぎた頃署長室を出て事務室に行きAに高江行きを強要した様でありましたが更に署長室に来て椅子に掛けました、一、D氏は行かなければ仕方がないと独言を言つて更に事務室に行つたらしいと思つていたら間もなく署長室に引返した」との記載と原判決挙示のその他の証拠(A事務官に対する司法警察官代理の聴取書)とを対照すると所論に摘示せる右顛末書中の記載は被告人が署長室を出て直税課の事務室に行きその室の直税課長席にいたA事務官に対して吸つていた煙草の火を顔に押付けたのでそれを手で払つたが火傷になつて灰の跡が一線を残していたとの趣旨の記載と理解すべきであつて所論のように同火傷は署長室で被告人がA事務官に負わしたものであるとの趣旨を記載したものと理解すべきでないから、被告人が同火傷を負わした場所を直税課長席である趣旨の原判示事実の認定と所論証拠の記載との間には所論のような理由齟齬の違法は存しない。論旨は所論顛末書の記載の趣旨を正解せざるにいずるものであつて、結局原審の裁量に属する証拠判断の非難に帰し上告適法の理由とならぬ。 よつて旧刑訴四四六条に従い裁判官全員一致の意見で主文のとおう判決する。 検察官福島幸夫関与昭和二六年三月一日最高裁判 裁量に属する証拠判断の非難に帰し上告適法の理由とならぬ。 よつて旧刑訴四四六条に従い裁判官全員一致の意見で主文のとおう判決する。 検察官福島幸夫関与昭和二六年三月一日最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官澤田竹治郎裁判官眞野毅裁判官齋藤悠輔裁判官岩松三郎- 3 -

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