【DRY-RUN】主 文 本件各上告を棄却する。 理 由 被告人A弁護人牧野良三、同新家猛の上告趣意第一点について。 しかし、「カブ」と俗に称する賭博が偶然の事実によつて勝敗
主文 本件各上告を棄却する。 理由 被告人A弁護人牧野良三、同新家猛の上告趣意第一点について。 しかし、「カブ」と俗に称する賭博が偶然の事実によつて勝敗が決する博戯であることは顕著の事実であるばかりでなく、原判決は「第四被告人Aは………前示カブ………」と判示しているのであるから、右判示は、判示第一の一の被告人Bについての判示と同じく、「被告人Aは………金銭を賭し、花札を使用してカブと称する賭銭博奕をした」旨を判示しているものに外ならないこと明白である。されば、右原判示はたとい「カブ」と俗に称する博奕の方法内容を仔細に判示しなくとも、花札の使用による偶然のゆえいに関し財物の得喪を争うものであることを判示したものと理解することができるから、賭博の判示としていささかも欠くるところがないといわなくてはならぬ。それ故原判決には所論のような理由不備の違法は存しない。 同第二点について。 しかし賭博常習者というのは賭博を反覆累行する習癖を有する者の義であつて、必ずしも所論のような職業的な賭博、いわゆる博奕打ち又は遊人或いは定職があつても専ら勝負事に耽つて、半職業化したような特殊な存在をいうものでないことは当裁判所屡次の判例とするところであつて、今なおこれを変更する必要を認めない。 そして原審は被告人Aが賭博罪によつて高山区裁判所で昭和二〇年四月一四日と同二一年七月一二日とにそれぞれ罰金刑に処せられ、更に同年一二月中頃から同二二年一月中頃迄に約一〇回に亙り本件賭博罪を犯したという事跡に鑑み被告人Aをもつて賭博を反覆累行する習癖を有する者と認定したのであるから、原判決には所論のような法令の解釈適用を誤つた違法は認められない。論旨は理由がない。 - 1 -同第三点について。 しかし賭博常習の罪は反覆累行し 覆累行する習癖を有する者と認定したのであるから、原判決には所論のような法令の解釈適用を誤つた違法は認められない。論旨は理由がない。 - 1 -同第三点について。 しかし賭博常習の罪は反覆累行した数個の賭博行為をそれぞれ独立の一罪とするのでなく、包括して賭博常習罪の一罪とするのであるから、原判示の程度に賭博常習の事実を判示するにおいては所論のように賭博常習罪の構成要件たる事実の判示を遺脱しているものとはいえない。されば原判決には所論の理由不備又は判断遺脱の違法は存しない。論旨は理由がない。 被告人C、同D弁護人新家猛の上告趣意第一点について。 論旨の理由のないことは被告人Aの弁護人牧野良三、同新家猛の上告趣意第一点について説明したところで明らかである。 同第二点について。 論旨は原判決はその判示第九の事実として被告人Cは昭和二一年一二月中頃、二回に亙り前示E方において賭銭博奕をした旨判示しているが、その挙示する証拠によれば、被告人Cが賭博した時期は同年一一月中旬と下旬頃であり、その回数は一回だけであることが認められるから、原判決は虚無の証拠によつて事実を認定した違法があるし、その違法は判決に影響を及ぼすものであるから、原判決は破棄を免れないというのである。しかし被告人は原審公判廷において所論摘示のごとく、裁判長の問に対し「其の通りやつたことは間違いないが私は一回やつた心算です」と答え、昭和二一年一二月中頃二回に亙り賭博をしたことを認めたものと解されるから、原判決がこの原審公廷における被告人の供述と原判決挙示の被告人Dに対する司法警察官の聴取書とを綜合して、所論の判示事実を認定したからといつて、所論のように虚無の証拠によつて事実を認定した違法のものとはいえない。また、所論犯行の時期の点については、原判決は被告人の右供述を措信したも 聴取書とを綜合して、所論の判示事実を認定したからといつて、所論のように虚無の証拠によつて事実を認定した違法のものとはいえない。また、所論犯行の時期の点については、原判決は被告人の右供述を措信したものと解されるから、この点についても違法は認められない。論旨は理由がない。 同第三点について。 - 2 -しかし、原判決は単に六回と判示しないで約六回と判示しているのであつて、その判示事実の認定は原判決挙示の各証拠を綜合してこれを肯認することができるし、その間反経験則の違法も存しない。また、原判決は、その挙示の原審における被告人の供述、第一審における被告人の供述、Fに対する司法警察官の供述記載の外、被告人Bに対する司法警察官の聴取書中の被告人Dが昭和二一年一二月初旬高山市a町G方にてE等と花札を使用して「カブ」と称する賭博をした旨の記載等を証拠としたものであるから被告人Dの自白のみを証拠として判示事実を認定した違法も存しないから、論旨は理由がない。 被告人Hの上告趣意について。 論旨は事実審たる原裁判所がその裁量権内において適法にした事実の認定と刑の量定とを非難するものであるから、上告適法の理由とならぬ。 よつて旧刑訴四四六条に従い裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。 検察官三堀博関与昭和二六年三月一五日最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官澤田竹治郎裁判官眞野毅裁判官齋藤悠輔裁判官岩松三郎- 3 - 裁判官岩松三郎
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