【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 理 由 弁護人本林譲の上告趣意について。 原判決が引用している証拠によると、被告人が賭博をする目的でA方の座敷を借 受け、原判
主文本件上告を棄却する。 理由弁護人本林譲の上告趣意について。 原判決が引用している証拠によると、被告人が賭博をする目的でA方の座敷を借受け、原判示第一事実記載のようにB外十数名をして骨子六個を使用し金銭を賭して、俗に「六粒狐」と称する方法による賭博をなさしめて、勝つた者から寺銭を徴収した事実を認めることができる。弁護人は、右の寺銭について、それは被告人その他の遊戲者が、その共同遊戲をするに必要な場所及びその座興を添えるために必要な酒肴の費用を勝負の勝利者から一定の歩合で取立て、そのために費消したものであつて、被告人には当初から自己に金銭的利益を得ようとする意思があつたのではないと主張している。なるほど原判決の挙げている証拠によれば、被告人は集めた寺銭のほとんど全額を宿代、酒肴代等に費消して、結果的には自己に利得していないことを窺い知ることができる。 しかし、賭博の寺銭というものは、事前に一定の金額を予定して、その金額に達するまで集金するものではなく、勝負の都度、勝利者の取得する金銭中から一定の歩合で取立てるものであるから、その金額は不定であつて、その場で行われる賭博の回数、賭者の人数、賭金の多少等によつて変動する。これらが多ければ多いほど寺銭も多額となり、従つて共同遊戲に必要な費用を支弁した残額は寺元の利得となるのである。されば、現実の結果としては、寺銭の額が必要な費用の支弁に尽きたとしても、それをもつて寺元に図利の意思がなかつたものということはできない。 それ故、原審が被告人の原判示第一の所為を賭場開張図利罪と判断したことは正当であつて、原判決には所論のように虚無の証拠によつて事実を認定した違法はない。 なお、本件の賭場開張について、被告人の外に他に共謀者があつたとしても、被告- 1 為を賭場開張図利罪と判断したことは正当であつて、原判決には所論のように虚無の証拠によつて事実を認定した違法はない。 なお、本件の賭場開張について、被告人の外に他に共謀者があつたとしても、被告- 1 -人は賭場開張図利罪の正犯であることには変りがないのであるから、被告人に対する公訴を他の共謀者に対する公訴から分離して、原判示のように審判したからとて必ずしも違法ではない。 よつて、上告を理由のないものと認め、刑事訴訟法施行法第二条旧刑事訴訟法第四四六条に従い主文のとおり判決する。 以上は、裁判官全員の一致した意見である。 検察官柳川真文関与昭和二四年四月一二日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官長谷川太一郎裁判官島保裁判官河村又介裁判官穂積重遠- 2 -
▼ クリックして全文を表示