令和5(わ)22 A入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律違反及び公契約関係競売入札妨害被告事件、B公契約関係競売入札妨害被告事件

裁判年月日・裁判所
令和5年6月28日 徳島地方裁判所
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判決文本文4,812 文字)

令和5年6月28日宣告令和5年(わ)第22号、第47号被告人Aに対する入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律違反及び公契約関係競売入札妨害被告事件 被告人Bに対する公契約関係競売入札妨害被告事件判決 主文 被告人Aを懲役1年6月に、被告人Bを懲役1年に処する。 被告人らに対し、この裁判が確定した日から3年間、それぞれその刑の執行を猶予する。 理由 【犯罪事実】被告人Aは、平成30年1月1日から令和5年2月10日までの間、徳島 県板野郡藍住町副町長として、同町町長を補佐し、同町教育委員会所管の学校給食用原材料納入契約の業者選定等の職務に従事していたもの、被告人Bは、食肉類の販売等を目的とする有限会社C(以下「C」という。)の取締役として同社の業務全般を統括していたものであるが第1 令和5年3月6日付起訴状第1の公訴事実について 被告人Aは、同町教育委員会が令和2年10月13日に実施した「和牛肉等の学校給食提供推進事業 (10月23日分)」の見積り合わせによる随意契約の締結に関し、前記職務に従事する者として適正に入札等に関する職務を行う義務があるのに、その職務に反し、平成20年2月29日から令和4年12月13日までの間、同町町議会議員を務めていた D及び被告人Bと共謀の上、見積書提出締切時刻前の令和2年10月1 3日、同町a字bc番地藍住町役場において、被告人Aが、前記Dに対し、電話で、見積り合わせに関する秘密事項である既に提出されていた他社による最低見積金額(1㎏当たりの単価)が4980円である旨を教示し、同日、同町内又はその周辺において、前記Dが、被告人Bに対し、電話で、前記最低見積金額を伝達し、同日 である既に提出されていた他社による最低見積金額(1㎏当たりの単価)が4980円である旨を教示し、同日、同町内又はその周辺において、前記Dが、被告人Bに対し、電話で、前記最低見積金額を伝達し、同日、前記藍住町役場2階の 同町教育委員会において、Cの従業員に、同町教育委員会に対し、前記最低見積金額を下回る見積金額4899円(税込み)を記載した見積書を提出させ、よって、同日、同町教育委員会において実施された前記見積り合わせにおいて、1キログラム当たりの単価を4899円(税込み)としてCを契約者に決定させ、もって入札等に関する秘密を教示するとと もに偽計を用いて、公の入札等で契約を締結するためのものの公正を害すべき行為を行った第2 令和5年3月6日付起訴状第2の公訴事実について被告人Bは、被告人A及び前記Dと共謀の上、前記「和牛肉等の学校給食提供推進事業(10月23日分)」の見積り合わせによる随意契約の 締結に関し、同月13日、京都府内又はその周辺において、前記Dから、電話で、既に提出されていた他社による最低見積金額(1㎏当たりの単価)が4980円である旨の教示を受け、同日、同町教育委員会において、Cの従業員に、同町教育委員会に対し、前記最低見積金額を下回る見積金額4899円(税込み)を記載した見積書を同町教育委員会に提出 させ、よって、同日、同町教育委員会において実施された前記見積り合わせにおいて、1㎏当たりの単価を4899円(税込み)としてCを契約者に決定させ、もって偽計を用いて公の入札等で契約を締結するためのものの公正を害すべき行為を行った第3 令和5年4月17日付起訴状第1の公訴事実について 被告人Aは、同町教育委員会が令和4年1月21日に実施した「2月 分給食原材料(肉)」の見 ものの公正を害すべき行為を行った第3 令和5年4月17日付起訴状第1の公訴事実について 被告人Aは、同町教育委員会が令和4年1月21日に実施した「2月 分給食原材料(肉)」の見積り合わせによる随意契約の締結に関し、前記職務に従事する者として適正に入札等に関する職務を行う義務があるのに、その職務に反し、前記D及び被告人Bと共謀の上、見積書提出締切時刻前の同年1月21日、同町a字bc番地藍住町役場敷地内において、被告人Aが、前記Dに対し、見積り合わせに関する秘密事項である 既に提出されていた他社による別表1記載の最低見積金額(1㎏当たりの単価(税抜き) )等が記載された書面を提供して教示し、同日、同町内又はその周辺において、前記Dが、被告人Bに対し、アプリケーションソフト「LINE」のメッセージ機能を用いて、前記書面の写真画像を送信する方法により、前記最低見積金額を伝達し、同日、前記藍住町役場 2階の同町教育委員会において、Cの従業員に、同町教育委員会に対し、前記最低見積金額を下回る、別表2「見積書の記載金額」欄記載の各金額を記載した見積書を提出させ、よって、同月24日、同町教育委員会において実施された前記見積り合わせによって、別表2「契約内容(金額)」欄記載のとおり、「牛肉(交雑種)こま切れ(㎏)」の1㎏当たりの 単価を1800円(税別)などとしてCを契約者に決定させ、もって入札等に関する秘密を教示するとともに偽計を用いて、公の入札等で契約を締結するためのものの公正を害すべき行為を行った第4 令和5年4月17日付起訴状第2の公訴事実について被告人Bは、被告人A及び前記Dと共謀の上、前記「2月分給食原材 料 (肉)」の見積り合わせによる随意契約の締結に関し、令和4年1月21日、徳島県 4月17日付起訴状第2の公訴事実について被告人Bは、被告人A及び前記Dと共謀の上、前記「2月分給食原材 料 (肉)」の見積り合わせによる随意契約の締結に関し、令和4年1月21日、徳島県板野郡d町内又はその周辺において、前記Dから、アプリケーションソフト「LINE」のメッセージ機能を用いて、前記書面の写真画像を受信する方法により、別表1記載の既に提出されていた他社による最低見積金額(1㎏当たりの単価(税抜き) )の教示を受け、同日、 同町教育委員会において、Cの従業員に、同町教育委員会に対し、前記 最低見積金額を下回る、別表2「見積書の記載金額」欄記載の各金額を記載した見積書を提出させ、よって、同月24日、同町教育委員会において実施された前記見積り合わせによって、別表2「契約内容(金額)」欄記載のとおり、「牛肉(交雑種)こま切れ(㎏)」の1㎏当たりの単価を1800円(税別)などとしてCを契約者に決定させ、もって偽計を用いて 公の入札等で契約を締結するためのものの公正を害すべき行為を行ったものである。 【証拠の標目】括弧内の番号は、検察官請求証拠の証拠番号を示す。 判示事実全部について ・被告人両名の各公判供述・被告人Aの警察官調書(乙3、4)・Dの検察官調書(甲11)・Eの検察官調書(甲17)・捜査復命書(甲1、2[謄本]、6) ・捜査報告書(甲3)・履歴事項全部証明書(甲4)判示第1及び第2の事実について・被告人Aの検察官調書(乙11)・被告人Bの検察官調書(乙20) ・Dの検察官調書(甲39[謄本])・Fの検察官調書(甲23)・Gの検察官調書(甲25)・捜査復命書(甲7、8)判示第1及び第3の事実について ・Eの警察官 乙20) ・Dの検察官調書(甲39[謄本])・Fの検察官調書(甲23)・Gの検察官調書(甲25)・捜査復命書(甲7、8)判示第1及び第3の事実について ・Eの警察官調書(甲13、14) 判示第3及び第4の事実について・被告人Aの検察官調書(乙25)・被告人Bの検察官調書(乙27)・Dの検察官調書(甲48[謄本])・Fの検察官調書(甲44) ・Gの警察官調書(甲56)・捜査復命書(甲41)判示第3の事実について・捜査報告書(甲50)・捜査復命書(甲55[謄本]) 【法令の適用】被告人Aについて 1 構成要件及び法定刑の規定❶判示第1及び第3の行為のうち入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律違反の 点についていずれも入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律8条❷判示第1及び第3の行為のうち公契約関係競売等妨害の点について いずれも刑法60条、96条の6第1項 2 科刑上一罪の処理判示第1及び第3の各罪についてそれぞれ刑法54条1項前段、10条(いずれも重い上記❶の罪の刑で処断。ただし、罰金刑の任意的併科については、いずれも上記❷の罪について定めたそれによる。) 3 刑種の選択 判示第1及び第3の各罪につき、いずれも懲役刑を選択 4 併合罪の処理刑法45条前段、同法47条本文、10条(犯情の重い判示第3の罪の刑に法定の加重) 5 刑の執行猶予 情状により刑法25条1項を適用し刑の執行を猶予する。 被告人Bについて 1 構成要件及び法定刑の規定判示第2及び第4の各行為につき、いずれも 罪の刑に法定の加重) 5 刑の執行猶予 情状により刑法25条1項を適用し刑の執行を猶予する。 被告人Bについて 1 構成要件及び法定刑の規定判示第2及び第4の各行為につき、いずれも刑法60条、96条の6第1項 2 判示第2及び第4の各罪につき、いずれも懲役刑を選択 3 併合罪の処理刑法45条前段、同法47条本文、10条(犯情の重い判示第4の罪の刑に法定の加重) 4 刑の執行猶予 情状により刑法25条1項を適用し刑の執行を猶予する。 【量刑の理由】当時藍住町副町長であった被告人Aが、2回にわたり、秘密事項である他の業者の最低見積金額を被告人Bに教示するとともに、被告人ら共謀の上、学校給食用原材料納入契約に関し、被告人Bが取締役を務める会社を契約者 に決定させた。当該最低見積金額は、落札を確実なものにできる秘密性の極めて高い情報であり、これを教示すれば、入札の公正を害することは明らかで、本件各犯行は極めて悪質である。 被告人Aについてみると、副町長として入札の公正を厳に守るべき立場であったのに、当時町議会議員であった者から頼まれ、一度は断わりながら も、結局のところ安易に秘密事項を教示して、判示第1及び第3の各犯行に 及んでいる。このような経緯に格別の酌むべき点はない上、副町長としての重い職責に反したことから、強い非難に値する。 被告人Bについてみると、自社の利益のために判示第2及び第4の各犯行に及んでおり、その結果少なくない金銭的利益を得ている。その安易かつ利欲的な動機に酌むべき点はなく、刑事責任は決して軽いものではない。 他方、被告人両名は、捜査段階から事実を認めて、公判廷においても、反省の態度と更生の意欲をそれぞれ示しているほか、それぞれ同居する妻又は内縁の妻 点はなく、刑事責任は決して軽いものではない。 他方、被告人両名は、捜査段階から事実を認めて、公判廷においても、反省の態度と更生の意欲をそれぞれ示しているほか、それぞれ同居する妻又は内縁の妻が、出廷の上、各被告人を監督する旨誓約していること、被告人らに特に考慮すべき前科前歴がないことなど、被告人らに有利な情状も認められる。 以上の各事情を総合考慮すれば、被告人らに対し、それぞれ主文の刑を科して、その刑責の重さを自覚させるとともに、それぞれに今回に限り社会内更生の機会を与えるため、刑の執行を猶予するのが相当であると判断した。 (求刑-被告人Aにつき懲役1年6月、被告人Bにつき懲役1年)令和5年6月29日 徳島地方裁判所刑事部裁判長裁判官髙橋孝治 裁判官細包寛敏 裁判官春貴隆

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