平成16(行ウ)19等 漁業不許可処分等取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成18年2月17日 徳島地方裁判所 その他
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判決文本文47,834 文字)

主文 A事件被告徳島県知事P1がA事件及びB事件原告に対して平成16年6月28日付けでした,小型機船底びき網漁業の起業認可申請の不認可処分を取り消す。 A事件及びB事件原告のその余の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は,これを10分し,その9をA事件及びB事件原告の負担とし,その余をA事件被告徳島県知事P1の負担とする。 事実 及び理由第1請求 A事件(1)A事件被告徳島県知事P1(以下「被告県知事」という)がA事件及。 びB事件原告(以下「原告」という)に対して平成16年6月28日付け。 でした,小型機船底びき網漁業の許可申請の不許可処分を取り消す。 (2)被告県知事が原告に対して平成16年6月28日付けでした,漁船登録申請の不許可処分を取り消す。 (3)主文1項と同じ。 B事件B事件被告徳島県(以下「被告県」という)は,原告に対し,3544万。 4095円及びこれに対する平成16年9月16日(B事件の訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2事案の概要本件は,原告が,被告県知事から小型機船底びき網漁業(以下「底びき網漁業」という)の許可を受けていた者より船舶等を譲り受け,平成11年に,。 被告県知事に対して底びき網漁業の許可(承継許可)を申請したのに対し,被告県知事から,上記申請を不許可とする処分を受け,平成16年にも,上記と同様の許可,上記船舶の動力漁船登録の許可及び底びき網漁業の起業認可をそ れぞれ申請したのに対し,被告県知事から,上記各申請をいずれも不許可ないし不認可とする処分を受けたことについて,平成11年及び平成16年の各不許可等処分が被告県知事における不合理な取扱いの方針等に基づくものであるなど,漁業法や規則の解釈や適用を誤ったものであるから いし不認可とする処分を受けたことについて,平成11年及び平成16年の各不許可等処分が被告県知事における不合理な取扱いの方針等に基づくものであるなど,漁業法や規則の解釈や適用を誤ったものであるから,いずれも違法である,などと主張し,平成16年の上記各不許可等処分をいずれも取り消すよう求める(A事件)とともに,被告県知事による違法な平成11年及び平成16年の各不許可等処分の結果,上記漁業に従事することができないことなどにより損害を被ったと主張し,被告県に対して,国家賠償法1条1項に基づき,損害(合計3544万4095円)の賠償を求めた(B事件)事案である。 関連法令等本件に関連する漁業法等の関連法規則等については,別紙1関連法令等記載。 ,,。 のとおりであるなお関連法規則等の略称については以下のとおりである農林水産省告示「告示」徳島県漁業調整規則「県調整規則」平成16年5月7日施行の底びき網漁業許可等に伴う取扱方針「新県取扱方針」新県取扱方針の施行前の昭和46年12月15日底びき網漁業許可等に伴う取扱方針「旧県取扱方針」 争いのない事実等(認定事実については,証拠を掲記する。以下,併合前のA事件の証拠については,証拠番号の前に「A」を付し,併合前のB事件の証拠については,証拠番号の前に「B」を付す)。 (1)当事者等ア原告は,徳島県板野郡αにおいて,同町の漁業協同組合(以下「漁協」という)であるP2漁業協同組合(以下「P2漁協」という)に所属。 。 しないで,漁業に従事している者である(A及びBの各甲21及び22,原告本人。 ) イ被告県は,農林水産部水産課漁業調整室を設置し,漁業法等に基づく底びき網漁業の許可等に係る事務を担当しており,被告県知事が同許可等の権限を有している(A乙8。 )( 22,原告本人。 ) イ被告県は,農林水産部水産課漁業調整室を設置し,漁業法等に基づく底びき網漁業の許可等に係る事務を担当しており,被告県知事が同許可等の権限を有している(A乙8。 )(2)船舶の購入等アP3は,被告県知事から,平成10年6月29日,その所有する別紙2先行承継許可申請目録の使用する船舶欄記載の船舶(以下「本件漁船」という)について,有効期間を平成10年7月1日から平成13年6月3。 0日までとする底びき網漁業の許可(許可番号×××号。以下「P3漁業許可」という)を受けていた(A及びBの各甲11の1,3,A乙3の。 1。 )イ原告は,P3から,平成11年3月4日,本件漁船を代金330万円で買い受けるとともに,本件漁船に係る権利を取得し,原告がP3漁業許可を承継することの承諾を得た(A及びBの各甲11の2,9及び10。以下「本件漁船売買契約」という。 。)(3)平成11年の不許可処分ア申請原告は,被告県知事に対し,平成11年4月12日付けで,別紙2先行承継許可申請目録記載のとおり,P3漁業許可と同じ内容で,底びき網漁業の承継許可の申請をした(A及びBの各甲11の1。以下「本件先行承継許可申請」という。その際,原告は,被告県知事に対し,β海域の。),,底びき網漁業者の団体である徳島県P4協会の副申書を添付せずその後原告が漁協の組合員でないために上記副申書を得ることができなかった旨の同年7月12日付けの書面(A及びBの各甲11の6,A乙3の5)を提出した。 イ徳島県海区漁業調整委員会(以下「海区委員会」という)の意見。 海区委員会は,同年9月21日付けで,被告県知事に対し,本件先行承 継許可申請について,現時点では不許可処分が相当であるものの,原告が所定の手続を行った場合は許可された 委員会」という)の意見。 海区委員会は,同年9月21日付けで,被告県知事に対し,本件先行承 継許可申請について,現時点では不許可処分が相当であるものの,原告が所定の手続を行った場合は許可されたい旨の意見を提出した(A及びBの各甲13。 )ウ不許可処分被告県知事は,原告に対し,同月29日,県調整規則23条1項3号に基づき,本件先行承継許可申請について不許可とした(以下「本件先行不許可処分」という。 。)エ審査請求原告は,同年11月11日付けで,農林水産大臣に対し,本件先行不許可処分について審査請求を申し立てた(A及びBの各甲17。以下「先行審査請求」という。同大臣は,同請求について裁決をしなかった。 。)オ訴訟の経過(ア)原告は,平成12年8月10日,本件先行不許可処分の取消しを求める訴えを徳島地方裁判所に提起した(平成12年(行ウ)第17号小型機船底びき網漁業不許可処分取消請求事件。以下「前訴取消訴訟」という。徳島地方裁判所は,平成14年3月29日,本件先行不許可。)処分が違法であるとして,これを取り消す旨の判決をした(A及びBの各甲7,22。以下「前訴1審判決」という。 。)(イ)被告県知事は,前訴1審判決を不服として,高松高等裁判所に控訴をした(平成14年(行コ)第3号。高松高等裁判所は,平成14年)9月27日,P3漁業許可の有効期間である平成13年6月30日が経過したことにより,前訴取消訴訟に係る訴えが訴えの利益を欠くに至ったとして前訴1審判決を取り消し訴えを却下する旨の判決をしたA,,(及びBの各甲8。以下「前訴控訴審判決」という。 。)(ウ)原告は,前訴控訴審判決を不服として,最高裁判所に上告及び上告受理の申立てをした(平成14年(行ツ)第260号,同年(行ヒ)第 302号 Bの各甲8。以下「前訴控訴審判決」という。 。)(ウ)原告は,前訴控訴審判決を不服として,最高裁判所に上告及び上告受理の申立てをした(平成14年(行ツ)第260号,同年(行ヒ)第 302号。最高裁判所は,平成15年2月27日,上告を棄却すると)ともに,上告審として上告を受理しない旨の決定をした(A及びBの各甲9。以下「前訴上告審決定」という。 。)(4)平成16年の不許可処分ア申請(ア)原告は,被告県知事に対し,平成16年6月4日,別紙3起業認可申請目録記載のとおり,底びき網漁業の起業の認可の申請をした(以下「本件起業認可申請」という。 。)(イ)原告は,被告県知事に対し,同月10日,別紙4承継許可申請目録記載のとおり,P3漁業許可と同じ内容で,本件漁船について,底びき網漁業の承継許可の申請をした(以下「本件承継許可申請」という。 。)(ウ)原告は,被告県知事に対し,同月11日,別紙5漁船登録申請目録記載のとおり本件漁船について動力漁船登録の申請をした以下本,,(「件漁船登録申請」という。 。)イ照会(ア)被告県知事は,原告に対し,同月14日付けで,本件承継許可申請及び本件起業認可申請について,以下のような照会をした(A乙1。 )a本件承継許可申請について(a)県調整規則28条1項による申請であるか否か。 (b)添付書類について,本件先行承継許可申請における添付書類と同じであるか否か。 b本件起業認可申請についてβ海域を操業区域とするものか,γ海域を操業区域とするものか。 (イ)原告は,被告県知事に対し,前記(ア)の照会に対し,以下のような回答をした(A乙2。 )a本件承継許可申請について (a)県調整規則28条1項による申請である。 (b)本件先行承継許可申 原告は,被告県知事に対し,前記(ア)の照会に対し,以下のような回答をした(A乙2。 )a本件承継許可申請について (a)県調整規則28条1項による申請である。 (b)本件先行承継許可申請における添付書類と同じである。 b本件起業認可申請についてβ海域を操業区域とする。 ウ海区委員会の意見海区委員会は,同年6月25日付けで,被告県知事に対し,本件起業認可申請について,県調整規則23条1項3号に基づき認可しないものとする被告県知事との協議のとおりで異議がない旨の意見を提出した(A及びBの各乙6。 )エ不許可処分被告県知事は,原告に対し,同月28日付けで,本件承継許可申請,本件漁船登録申請及び本件起業認可申請について,それぞれ,以下のような理由で,不許可ないし不認可とした(以下,これらの不許可処分又は不認可処分を併せて「本件各不許可処分」という。本件各不許可処分の通。)知は,平成16年7月1日に原告に送達された(弁論の全趣旨。 )(ア)本件起業認可申請についての不認可処分(A及びBの各甲3。以下「本件起業不認可処分」という)。 (理由)底びき網漁業の許可(起業の認可を含む)の取扱いについては,。 新県取扱方針により,漁業調整又は資源保護培養上,原則として,許可枠のγ海域とβ海域との相互間の移譲を認めないこと(4-3,)県調整規則8条2項の,知事が定める許可申請の期間の開始日の前日,,現在において許可又は起業の認可がされていない許可枠についてはこれを許可しないこと(4-1)とされている。今回,β海域を操業海域とする許可申請数は,平成16年5月31日現在の許可数より1件多くなったので,申請の優先順位について,現に当該漁業の許可を 受けている者を優先し,県調整規則23条1項3号に基づき,本件起業認可申請 する許可申請数は,平成16年5月31日現在の許可数より1件多くなったので,申請の優先順位について,現に当該漁業の許可を 受けている者を優先し,県調整規則23条1項3号に基づき,本件起業認可申請を認可しない。 (イ)本件承継許可申請についての不許可処分(A及びBの各甲1。以下「本件承継不許可処分」という)。 (理由)県調整規則28条1項による許可等の特例は,元の許可の有効期間中に許可の申請をしたことが要件である。元の許可(P3漁業許可)の有効期間は平成10年7月1日から平成13年6月30日までであり,本件承継許可申請は,元の許可の有効期間中にされたものではなく,県調整規則28条1項の要件に適合しないので,本件承継許可申請を許可しない。 (ウ)本件漁船登録申請についての不許可処分(A及びBの各甲2。以下「本件登録不許可処分」という)。 (理由)漁船法11条2号に該当するので,本件漁船登録申請について登録を拒否する。 オ本件各訴えの提起等(ア)原告は,農林水産大臣に対して本件各不許可処分について審査請求をすることなく,平成16年8月2日,被告県知事に対して本件各不許可処分をいずれも取り消すことを求めるA事件を当庁に提起した。 (イ)原告は,同年9月8日,被告県に対して本件先行不許可処分や本件各不許可処分が国家賠償法上違法であることを理由に損害の賠償を求めるB事件を当庁に提起した。 ,,。 (ウ)当裁判所は平成17年10月17日A事件にB事件を併合した(5)底びき網漁業の許可数徳島県における底びき網漁業についての平成年代以降の許可数は,別紙6 (,,)。 最高限度・許可数一覧表の許可数欄記載のとおりであるA乙8912(6)他の府県における底びき網漁業の許可に係る条件等徳島県以外の22府県における底びき網漁 降の許可数は,別紙6 (,,)。 最高限度・許可数一覧表の許可数欄記載のとおりであるA乙8912(6)他の府県における底びき網漁業の許可に係る条件等徳島県以外の22府県における底びき網漁業についての任意団体の有無,同漁業の許可に当たっての要件等は,別紙7調査結果一覧表のとおりである(A事件及びB事件の各平成17年5月27日付けの22府県に対する各調査嘱託の結果,A甲19の1ないし23,B乙3ないし10の2。 ) 争点 (1)本案前の争点(審査請求前置違反の有無(A事件))(2)本件先行不許可処分の違法性(A事件及びB事件)(3)本件承継不許可処分の違法性(A事件及びB事件)(4)本件起業不認可処分の違法性(A事件及びB事件)(5)本件登録不許可処分の違法性(A事件及びB事件)(6)国家賠償請求の可否(B事件)ア原告が被告県に対して被告県知事による本件先行不許可処分及び本件各不許可処分が違法であるとして国家賠償請求をすることができるか否か,及びその損害額。 イ消滅時効の成否 争点についての当事者の主張(1)本案前の争点(審査請求前置違反)【被告県知事の主張】ア本件承継不許可処分及び本件起業不認可処分の各取消しを求める訴えは,審査請求に対する裁決を経た後でなければ提起することができないにもかかわらず(漁業法135条の2,原告は上記各不許可等処分の)通知が原告に送達された平成16年7月1日の翌日から60日以内に審査請求をしなかったのであるから,上記各不許可等処分の各取消しを求める訴えは,審査請求前置(行政事件訴訟法8条1項ただし書)に違反 する不適法な訴えとして,いずれも却下されるべきである。 イ漁業法135条の2による審査請求は,処分後直ちに提起することができる上,行政事件訴訟法8条2項 行政事件訴訟法8条1項ただし書)に違反 する不適法な訴えとして,いずれも却下されるべきである。 イ漁業法135条の2による審査請求は,処分後直ちに提起することができる上,行政事件訴訟法8条2項1号によれば,審査請求があった日から3か月を経過しても裁決がないときには,裁決を経ないで取消訴訟を提起することができるのであるから,単に審査請求に時間を要するという見込みだけで同項2号及び3号に該当するとはいえない。 【原告の主張】ア行政事件訴訟法8条1項本文は,処分について審査請求をすることができる場合においても,審査請求前置主義を採用することにより,国の処分の取消しを求める訴えを提起する権利を行使することの妨げになることが多いため,原則として,審査請求前置主義を採用せず,同項ただし書において,例外として,処分についての司法審査の前に,行政庁に反省の機会を与え,その自主的解決を期待することとして,法律に特に定めがある場合に限り,審査請求前置主義を採用しているにすぎない。 同条2項各号は,1項ただし書に該当する場合であっても,裁決を経ないで処分の取消しの訴えを提起することができる旨を規定しており,この同項2号又は3号に該当するか否かについては,上記法の趣旨を慎重に検討した上で判断すべきであり,処分を受けた者に審査請求をすることを要求することによって,上記法の趣旨の実現を期待することができず,かえってその者に損害を被らせるなどの弊害が生じる場合には,同項2号又は3号に該当するものと判断すべきである。 ,,,イ同項2号は通常当該処分により著しい損害が生じるおそれがあり当該処分の取消しの訴えを提起し,当該処分の執行停止を求める必要がある場合が,これに該当するとされているものの,必ずしも,そのような場合に限られず,より広く事案の性質からみ 損害が生じるおそれがあり当該処分の取消しの訴えを提起し,当該処分の執行停止を求める必要がある場合が,これに該当するとされているものの,必ずしも,そのような場合に限られず,より広く事案の性質からみて早期に取消しの訴えを提起しなければならない場合も,これに該当するというべきである。本 件承継許可申請及び本件起業認可申請に係る許可の有効期間は3年しかなく,同期間を経過してしまうと,本件承継不許可処分及び本件起業不認可処分の各取消しを求める訴えについては,訴えの利益を欠くことになってしまう。現に,本件先行不許可処分について取消しを求めた前訴取消訴訟においては,その審理中に許可の有効期間が経過し,前訴1審判決では原告が勝訴したものの,前訴控訴審判決では訴えの利益を欠く,,ものとして訴えが却下されたのであり上記有効期間が経過した原因は原告が本件先行不許可処分について速やかに先行審査請求をしたのに放置されたことと,1審から上告審まで裁判の審理にある程度の時間がかかったことにあるのであるから,原告が,一刻も早く,本件承継不許可処分及び本件起業不認可処分の各取消しを求める訴えを提起しなけれ,。 ば裁判を受ける権利を実質的に行使することができなくなってしまうこれらの事情からすれば,原告において,本件承継不許可処分及び本件起業不認可処分により生じる著しい損害を避けるため緊急の必要があるということができるから,同項2号に該当し,原告は,上記各処分について審査請求を経ないで,取消訴訟を提起することができる。 ウ同項3号に該当するか否かについては,裁決を経ることに相当の長い年月を要する場合,手続を怠ったことに責められない事情がある場合,行政庁の態度等から裁決の結果が予想される場合には,同項3号に該当するというべきである。原告は,平成11年9月2 経ることに相当の長い年月を要する場合,手続を怠ったことに責められない事情がある場合,行政庁の態度等から裁決の結果が予想される場合には,同項3号に該当するというべきである。原告は,平成11年9月29日の本件先行不許可処分について,農林水産大臣に対して直ちに先行審査請求をしたにもかかわらず,同大臣においてP3漁業許可の有効期間である平成13年6月30日までに裁決をせず,放置したのであり,このことについて,原告が総務省の行政監察に調査してもらったところ,審査請求があっても裁決をしなくてもよいとの回答であった。このため,本件先行不許可処分がされてから前訴取消訴訟を提起するまで11か月も経過した上, ,,前訴取消訴訟の審理中に上記有効期間が経過してしまったことにより前訴取消訴訟に係る訴えは却下されてしまい,原告は,前訴取消訴訟の審理中であったため,上記有効期間の終了に伴う新たな許可の申請もすることができなかった。また,本件承継不許可処分及び本件起業不認可処分は,基本的に,P4協会の副申書がなければ不許可等とするという点で,本件先行不許可処分と同じであるから,原告が上記各不許可等処分について審査請求をしても,先行審査請求における上記の対応と異なる対応を期待することはできず,裁決されずに放置されるだけである。 さらに,前記イのとおり,本件起業認可申請及び本件承継許可申請に係る許可の有効期間は3年しかないため,審査請求を経なければならないとすれば訴えの利益を欠くことになりかねず,仮に,勝訴判決が確定しても,原告が漁業に従事することができる期間はほとんどなくなる。これらの事情からすれば,原告において,本件起業認可申請及び本件承継許可申請について裁決を経ないことについて正当な理由があるといえる,,,,ので同項3号に該当し原告は とんどなくなる。これらの事情からすれば,原告において,本件起業認可申請及び本件承継許可申請について裁決を経ないことについて正当な理由があるといえる,,,,ので同項3号に該当し原告は上記各処分について裁決を経ないで取消しを求める訴えを提起することができる。 エ以上によれば,原告が裁決を経ないで本件起業認可申請及び本件承継許可申請をしたことは,行政事件訴訟法8条2項2号又は3号に該当するものとして適法であり,審査請求前置に違反しない。 (2)本件先行不許可処分の違法性【原告の主張】ア本件先行不許可処分は,県調整規則23条1項3号の「漁業調整又は水産資源の保護培養上必要があると認める場合」に該当することを処分理由としてされたものであり,その判断は,旧県取扱方針4(2)①に基づき,原告が本件先行承継許可申請の際にP4協会の副申書を添付しなかったことを唯一の理由としてされたものである。しかしながら,県調 整規則は,被告県知事が漁業の許可等をする際に,海区委員会の意見をきくことを求めている(23条4項)ものの,その賛成意見を漁業の許可等の条件としているものではなく,あくまで資源保護又は漁業調整上不許可とすべき合理的理由の存否を審査することを求めている。P4協会は,県調整規則等に規定がなく,その設立,運営,加入等について何ら法的規制を受けない任意団体にすぎず,その副申書とは,そのような協会が上記許可等の申請に賛成するという趣旨を記載した書面であり,その発行の手続についても何ら規制がされていないのであるから,P4協会が県調整規則23条1項3号の漁業調整等の事由とは無関係の事由で副申書を発行しないことも十分考えられる。旧県取扱方針は,単なる被告県知事の取扱いの内部指針であるにすぎず,法的拘束力がない上,,,γ海域にお 23条1項3号の漁業調整等の事由とは無関係の事由で副申書を発行しないことも十分考えられる。旧県取扱方針は,単なる被告県知事の取扱いの内部指針であるにすぎず,法的拘束力がない上,,,γ海域においてP5協会が設立されたのは平成4年でありそれ以前にβ海域においてのみP4協会の副申書を要求していたとは考えられないから,旧県取扱方針4(2)①の上記副申書の添付を要求する指針は歴史的にごく浅いものにすぎない。被告県知事が旧県取扱方針4(2)①に拘束されるとしてP4協会の副申書が添付されていないことを理由に申請を不許可とすることは,上記のようなP4協会の書面による賛成意見を絶対要件とするものであって,県調整規則において全く要件とされていない事由を上記許可等の条件とすることになるから,漁業法や県調整規則に明らかに違反するものであり,適正な法令の執行義務を放棄するものといわざるを得ない。別紙7調査結果一覧表によれば,22府県中,P4協会のような任意団体の副申書がないかぎり,底びき網漁業の許可等の申請について許可をしないところは皆無であり旧県取扱方針4(2),①に合理性がないことは明らかである。22府県中には,漁協の組合員であることやその副申書等を要件とするところがあり,これにより漁業従事者としての最低限の条件を充足しているか否かを判断する上で便利 であるということができるとしても,漁協が漁業調整等の機能を果たしているようなことはなく,申請者が組合員であるか否かによって漁業調整上の支障が生ずることはあり得ない上,申請者が組合員ではない具体的事情を調査すれば足りるのであるから,組合員であることなどを絶対的要件とする合理的理由はない。P4協会も漁業調整等の機能を果たしているとはいえないのであるから,漁協の副申書を要件とするよりもP4協会の副 調査すれば足りるのであるから,組合員であることなどを絶対的要件とする合理的理由はない。P4協会も漁業調整等の機能を果たしているとはいえないのであるから,漁協の副申書を要件とするよりもP4協会の副申書を要件とする方が合理的であるともいえない。被告県知事は,上記許可等の申請について,P4協会の副申書が添付されていない場合であっても,その理由を十分に調査した上,当該申請を許可することについて,県調整規則23条1項3号の事由に該当するか否かを合理的に検討し,同事由に該当しないと判断する場合には当該申請を許可しなければならないというべきである。 イ原告は,P2漁協に加入していた父と共に,昭和54年ころから,漁業を専業としてまじめに営んでおり,父が平成▲年▲月に死亡した際には,P2漁協に父の後継者として原告を組合員にするよう申請したものの,父が死亡する数年前から,父の属するグループとP2漁協の一部幹部との間で漁業権漁業である海苔養殖に係る出荷問題について対立が生じるようになり,P2漁協の一部幹部が原告に対して嫌悪感を示していたため,同幹部が原告を組合員とすることに強硬に反対し,父の組合員資格について原告の母名義にするよう指示し,原告はやむなく上記指示に従った。その後,P2漁協は,母が老齢化したとして組合員資格を剥奪し,組合員資格の原告への名義変更を認めなかったため,原告は,漁協の組合員であることを要する海苔養殖を断念し,同組合員であることを要しない許可漁業である底びき網漁業を中心として営むことを決意して,その許可を受けているP3から本件漁船と許可の譲渡を受けて,本件先行承継許可申請をしたものである。原告は,P4協会にあえて加入 しなかったのではなく,加入の申請をしたにもかかわらず,P4協会において原告が漁協の組合員でないことを唯一の理 譲渡を受けて,本件先行承継許可申請をしたものである。原告は,P4協会にあえて加入 しなかったのではなく,加入の申請をしたにもかかわらず,P4協会において原告が漁協の組合員でないことを唯一の理由として原告の加入を拒否したものであり,原告がP4協会から副申書を得ることができない理由は,原告が漁協の組合員ではないことだけにある。海区委員会も,旧県取扱方針4(2)①を絶対視し,本件先行承継許可申請について,P4協会の副申書がないことだけを理由に不許可処分が相当であるとの意見を出したにすぎず,同副申書さえあれば,他に不許可にすべき理由がないことを前提とした意見を出している。そうである以上,原告の本件先行承継許可申請については,県調整規則23条1項3号の「漁業調整又は水産資源の保護培養上必要があると認める場合」に該当しないのであり,被告県知事が本件先行承継許可申請についてP4協会の副申書が添付されていないことを理由に不許可とする本件先行不許可処分をしたことは違法である。前訴1審判決も,本件先行不許可処分について違法,,であるとして取り消す旨の判決をしており前訴控訴審判決においては訴えの利益がないものとして却下判決がされたものの,本件先行不許可処分が違法であることに変わりはない。 ウ以上によれば,本件先行承継許可申請について,県調整規則23条1項3号に該当する事由はなく,被告県知事が原告に対してした本件先行不許可処分は,違法である。 【被告らの主張】ア底びき網漁業は,原則として禁止され(漁業法66条1項,許可に)より禁止が解除される許可漁業である。県調整規則23条1項3号は,漁業調整又は水産資源保護培養上必要があると認める場合には,漁業の許可や起業の認可をしないことができる旨,同8条6項は,許可等の判断について必要と認める書類 漁業である。県調整規則23条1項3号は,漁業調整又は水産資源保護培養上必要があると認める場合には,漁業の許可や起業の認可をしないことができる旨,同8条6項は,許可等の判断について必要と認める書類の提出を求めることができる旨規定しており,これらの規定に基づき,旧県取扱方針4(2)①は,県調整規則23 条1項3号の該当性の判断資料として,β海域を操業区域とする許可についてP4協会の副申書を添付することを求めている。漁業調整は,漁業者の資格や資質とも関係する概念であるほか,現実に海洋上で操業される漁業の問題であるから,漁業者の自主的な,民主的な実現が求められ,水産業協同組合法に基づく漁協が自主的な漁業調整の役割を果たしている。特に,底びき網漁業は,船舶数と比較して漁業資源が乏しく,一定場所に操業が集中するなどの漁業調整上の問題を抱えており,漁業者の協調やマナーの遵守を要する漁業であるから,漁業者による自主的な規制が必要不可欠である。別紙7調査結果一覧表のとおり,徳島県を除く22府県のうち香川県及び鳥取県を除く府県は,過去に漁協の組合員ではない者に許可した実例はなく,香川県及び鳥取県においても,許可を受けていた者が漁協を脱退した場合に許可したことがあるにすぎない。許可の要件として漁協の組合員であることを要求している県が9県存在するほか,その他の府県のうち11県も漁協の意見書等の添付を要求しており,事実上漁協の組合員であることを許可の前提としているなど,漁協の組合員であることを要件としていないのは1県にとどまる。 このように,ほとんどの県は,直接又は間接に,漁協の組合員であることを前提とするなどしており,このような取扱いは,申請者について漁協の組合員であるか否かによって差別するものではなく,漁業調整等において重要な役割を果たしている漁 接又は間接に,漁協の組合員であることを前提とするなどしており,このような取扱いは,申請者について漁協の組合員であるか否かによって差別するものではなく,漁業調整等において重要な役割を果たしている漁協の組合員であるかどうかを重視し。 ,,て判断しようとしているにすぎない徳島県には昭和47年以前からβ海域においてP4協会が設立され,底びき網漁業についての紛争の防止や解決のほか,操業自主規制,稚魚放流等の大きな役割を果たしている。P4協会は,β海域の底びき網漁業者の全員が加入し,規約等も整備され,その事業に公正に取り組んでいるのであり,漁港ごとの漁協よりも,底びき網漁業という漁業種別の広域的な団体として漁業調整等の 役割を果たすのに適した団体であり,徳島県としても,P4協会との間で,紛争解決の協力,稚魚の放流,減船の要望等について連絡や協調を図ってきているほか,P4協会が公共性や公正性を失うことのないよう指導している。被告県知事は,県調整規則23条1項3号に該当するか否かの判断について相当程度広範な裁量権を有しており,底びき網漁業における漁業調整等の必要性の判断について,P4協会の方が,漁協よりも,公正に,的確になし得るものと期待することができ,優れていると考えたため,上記判断をP4協会に委ねることとして,底びき網漁業の許可申請に副申書を添付させることにした方針を採用したものであり,上記裁量権の範囲内のものというべきである。 ,,,イ原告は本件先行承継許可申請に際しP4協会の副申書を添付せず被告県知事から,上記副申書を添付するよう指導されたものの,漁協の組合員でないために上記副申書を得ることができなかった旨の書面を提出した。P4協会としては,漁協の組合員ではない原告の加入を認めると,まとまりがつかなくなるとの判断により, 指導されたものの,漁協の組合員でないために上記副申書を得ることができなかった旨の書面を提出した。P4協会としては,漁協の組合員ではない原告の加入を認めると,まとまりがつかなくなるとの判断により,原告に対し,副申書を発行しなかったのである。本件先行承継許可申請については,原告が本件漁船売買契約の際にP3から許可を受けるために必要な手続について説明を受けていたはずであるのに,本件先行承継許可申請の際にP4協会の副申書が必要であることを知らなかったこと,P3も,漁協やP4協会に対し,原告にP3漁業許可を譲渡したことを説明していないこと,原告の底びき網漁業についての認識が実際の操業実態と全く異なっており,原告が底びき網漁業に従事した経験があるか否かが疑わしいこと,原告において漁業調整上の協調精神等があることを確認することができないこと,漁協の協力なく,水揚げ場所等を確保することができるか否かの確認をすることができないことなどの疑念がある。被告県知事は,原告が本件先行承継許可申請の際にP4協会の副申書を添付せず,旧県 取扱方針4(2)①の許可要件を充足しなかった上海区委員会の意見県,(調整規則23条4項)も,現時点では不許可処分が相当であるというものであったため,県調整規則23条1項3号に基づき,本件先行承継許,。 可申請について本件先行不許可処分をしたものであるから違法はないウ以上によれば,本件先行不許可処分は,県知事が県調整規則23条1項3号に該当するものとしてしたものであり,適法である。 (3)本件承継不許可処分の違法性【原告の主張】ア県調整規則28条1項の申請は,申請者が,承継した許可の有効期間中に漁業の許可を譲り受けていれば足り,その有効期間が経過した場合でも,再度申請時期となった場合には改めて申請をするこ 原告の主張】ア県調整規則28条1項の申請は,申請者が,承継した許可の有効期間中に漁業の許可を譲り受けていれば足り,その有効期間が経過した場合でも,再度申請時期となった場合には改めて申請をすることができるというべきである。前記(2)【原告の主張】のとおり,本件先行不許可処分は違法であり,前訴1審判決において取り消す旨の判決がされているのであり,前訴控訴審判決において訴えの利益を欠くとして却下判決が,。 されたものの本件先行不許可処分の違法性がなくなったわけではない被告県知事は,本件先行不許可処分以外の承継許可の申請をすべて許可し,その承継許可を得た者に継続して許可をしているのであるから,原告は,違法な本件先行不許可処分を受けなければ,P3漁業許可について承継許可を得た上,平成13年6月及び平成16年6月にいずれも許可を得て,底びき網漁業に従事することができていた。原告は,P3漁業許可の有効期間が満了した平成13年6月に許可の申請をしなかったものの,原告に,前訴1審判決前に本件先行不許可処分が違法であるとの前提に立って許可の申請をするよう要求することは酷であるから,これをしなかったことで一切許可を得ることができないというのはあまりに形式的である。本件承継許可申請は,P3漁業許可の有効期間の経過後にされたものであるものの,県調整規則28条1項に基づく許可の申 請として有効であるというべきである。 イ漁業法及び県調整規則は,底びき網漁業の操業数に上限を設定するこ,,とにより漁業調整又は水産資源の保護培養を図っているのであるから被告県知事は,上記上限内であるかぎり,従前許可を受けていた者には許可すべきである。告示によれば,漁業法66条3項に基づき,徳島県における底びき網漁業について,本件漁船が該当する総トン数5トン以上10 県知事は,上記上限内であるかぎり,従前許可を受けていた者には許可すべきである。告示によれば,漁業法66条3項に基づき,徳島県における底びき網漁業について,本件漁船が該当する総トン数5トン以上10トン未満の船舶の隻数を632隻と定めているのに対し,徳島県において99パーセントを占めるβ海域を操業海域とする上記船舶の許可数については,平成4年が265隻,平成7年が251隻,平成10年が248隻,平成13年が239隻となっており,農林水産大臣が定めた上記隻数をはるかに下回っているのであるから,このような場合には,被告県知事において,特段の事情がないかぎり,許認可すべきである。このような事情からすれば,仮に,本件承継許可申請が厳密には県,,調整規則28条1項の要件に該当しないとしても本件承継許可申請は同項を準用して有効であるというべきである。 ウ以上によれば,本件承継許可申請は,県調整規則28条1項又は同項の準用により有効な申請ということができ,県調整規則23条1項各号にも該当しないのであるから,同申請について不許可とした被告県知事による本件承継不許可処分は,違法である。 【被告らの主張】本件承継許可申請は,県調整規則28条1項に基づく申請である。同項に基づく許可は,その申請者が譲り受けた船舶の受けていた従前の許可の残存する有効期間について許可されるものにすぎず,従前の許可の有効期間が経過してしまうと,同許可が消滅してしまって許可の対象がなくなってしまうのでから,同項に基づく申請は,当然に,従前の許可の有効期間中にされなければならない。原告は,P3漁業許可についての県調整規則 28条1項に基づく申請を,その有効期間である平成13年6月30日までに申請しなければならないのであり,本件承継許可申請は,同日経過後に申請されたものであ は,P3漁業許可についての県調整規則 28条1項に基づく申請を,その有効期間である平成13年6月30日までに申請しなければならないのであり,本件承継許可申請は,同日経過後に申請されたものであるから,被告県知事が本件承継許可申請について不許可とする本件承継不許可処分をしたことは適法である。 (4)本件起業不認可処分の違法性【原告の主張】ア本件起業不認可処分は,県調整規則23条1項3号の「漁業調整又は水産資源の保護培養上必要があると認める場合」に該当することを処分理由とし,その判断は,新県取扱方針4-1に基づき,知事が定める許可申請の期間の開始日の前日現在において,許可又は起業の認可がされていない許可枠については,これを許可しないこととされ,今回,β海域を操業海域とする許可申請数は,平成16年5月31日現在の許可数より1件多くなったので,申請の優先順位について,現に当該漁業の許可を受けている者を優先したことによるものである。しかしながら,新,,。 県取扱方針4-1は単なる内部的な指針にすぎず法的拘束力はない平成16年5月7日に急きょ新県取扱方針4-1が定められる以前には,元々許可を有する者又はその者から譲り受けた者に対してのみ許可するという方針が採られていたとはいえるものの,新県取扱方針4-1によれば,許可申請の期間の開始日の前日現在に許認可されていない許可枠については許可されないことになる以上,それ以前に許可を有しない原告の本件起業認可申請が許可されることはあり得ないことになる上,上記の方針により許認可を受けることができないのは原告以外には存在しないのであるから,新県取扱方針4-1は,原告による本件起業認可申請を予想し,これを認可せざるを得ない事態を回避するために定められたものであることは明らかである。底びき網漁業に は原告以外には存在しないのであるから,新県取扱方針4-1は,原告による本件起業認可申請を予想し,これを認可せざるを得ない事態を回避するために定められたものであることは明らかである。底びき網漁業については,既に許可された許可数以上に増大させないという現状維持が国の現在の基 本方針であり,一切新たな許認可を認めない新県取扱方針4-1は,国の基本方針に沿うものではない。前記(3)【原告の主張】イのとおり,徳島県における許可数は,告示の許可限度数と比較して余裕がある上,年々減船数が増加する傾向にあるのに対し,被告らが適正な許認可数について何ら合理的な見解を有していないような状況であって,新県取扱方針4-1に何ら合理性はなく,同方針に抵触するとしても,県調整規則23条1項3号に該当するとはいえない。 【】,,イ前記(2)原告の主張のとおり本件先行不許可処分は違法であり原告は,違法な本件先行不許可処分を受けなければ,P3漁業許可につ,。 いて承継許可を得た上平成13年6月に許可を受けていたはずであるその場合,平成16年の許可申請の期間の開始日の前日における許認可数が原告に対する許認可数も含んだ数(X)となるから,本件起業認可申請について新県取扱方針4-1に抵触するような事態になることはなく,当然に認可されていたはずである。ところが,被告県知事が違法な本件先行不許可処分をしたため,平成16年の許可申請の期間の開始日の前日における許認可数が原告に対する許認可数を除いた数(X-1)となったにすぎないのであって,本件起業認可申請について認可したとしても,許認可数が本件先行承継認可申請について許可した場合の数(X)を超えることはなく,何ら不合理な事態は生じない。被告県知事が違法な本件先行不許可処分をした上,新県取扱方針4-1を機 認可したとしても,許認可数が本件先行承継認可申請について許可した場合の数(X)を超えることはなく,何ら不合理な事態は生じない。被告県知事が違法な本件先行不許可処分をした上,新県取扱方針4-1を機械的に,。 適用して本件起業不認可処分をすることは極めて不合理な結果となるウ以上によれば,被告県知事が本件起業認可申請について新県取扱方針4-1に基づき県調整規則23条1項3号に該当することを理由に不認可とした本件起業不認可処分は,違法である。 【被告らの主張】ア本件起業不認可処分は,県調整規則23条1項3号に基づくものであ り,その適用に当たっての知事の裁量権を行使する際の基準である新県取扱方針では許可枠のγ海域β海域相互間の移譲を認めないこと4,,(-3,県調整規則8条2項の知事が定める許可申請の期間の開始日の)前日現在において,許可又は起業の認可がされていない許可枠については,これを許可しないこと(4-1)とされている。漁業法66条3項に基づく告示における底びき網漁業の隻数の最高限度については,別紙6最高限度・許可数一覧表の最高限度欄記載のとおりであり,徳島県ではγ海域とβ海域とで漁業形態が異なるので,被告県知事において,上記各海域ごとに許可の枠数を事実上設定して同表の許可数欄記載のとおり許可している。被告県知事は,底びき網漁業について,国の施策と同じく,減船事業を推進してきており,その結果,β海域における許可数は減少してきたものである。β海域の場合,γ海域の場合よりも大型の船舶を用いており,別紙6最高限度・許可数一覧表の許可数記載のとおり,告示が定める比較的大型の5トン以上の船舶の隻数は計226隻にすぎないのであるから,β海域における平成16年の許可申請期間の前日の220という許可数は,上記最高限度と開きがある 許可数記載のとおり,告示が定める比較的大型の5トン以上の船舶の隻数は計226隻にすぎないのであるから,β海域における平成16年の許可申請期間の前日の220という許可数は,上記最高限度と開きがあるとはいえない。 被告県知事は,従前から,上記新県取扱方針のとおり,いったん減少した許可を増加させない方針で許可又は起業の認可をしてきており,上記新県取扱方針は,従前の取扱いの方針を明文化したものにすぎず,原告に許可や起業の認可を与えない目的で定められたものではない。これにより,底びき網漁業への新規参入は困難となるものの,漁業調整上の措置としてやむを得ない。 イ本件起業認可申請が操業海域とするβ海域における平成16年の許可申請期間の前日である許可数には,平成13年の許可申請期間にP3や,。 原告から申請がなかったためP3漁業許可の許可数が含まれていないそのため,同海域を操業海域とする許可申請数は,本件起業認可申請を 含めて,平成16年5月31日現在の許可数を1件超えることになり,申請優先順位について,現に当該漁業の許可を受けている者を優先し,県調整規則23条4項に基づき海区調整委員会の意見も不認可が相当であるとの意見であったので,本件起業認可申請について不認可とする本件起業不認可処分をしたものである。 ウ以上によれば,被告県知事が本件起業認可申請について県調整規則23条1項3号に該当することを理由に不認可とした本件起業不認可処分は,適法である。 (5)本件登録不許可処分の違法性【原告の主張】前記(3)【原告の主張】のとおり,本件承継不許可処分は違法であり,,,,本件承継許可申請についてこれを不許可とする事由もないから原告は本件承継許可申請について許可を受けることができたはずである。被告県知事が本件漁船登録申請について漁船法 処分は違法であり,,,,本件承継許可申請についてこれを不許可とする事由もないから原告は本件承継許可申請について許可を受けることができたはずである。被告県知事が本件漁船登録申請について漁船法11条2号に該当することを理由に不許可とした本件登録不許可処分は,違法である。 【被告らの主張】本件漁船登録申請に係る本件漁船の従事する漁業は,漁船法5条3号に該当する底びき網漁業であるから,同法11条2号により,その漁業について起業の許可等がないときには,上記申請を不許可とすることになる。 被告県知事は,原告に対し,上記漁業の承継許可申請である本件承継許可申請について不許可とする本件承継不許可処分をしたのであるから,本件漁船登録申請については,同法11条2号に該当する。被告県知事が本件漁船登録申請を不許可とした本件登録不許可処分は適法である。 (6)国家賠償請求の可否ア原告が被告県に対して被告県知事による本件先行不許可処分及び本件各不許可処分が違法であるとして国家賠償請求をすることができるか否か, 及びその損害額。 【原告の主張】前記(2)ないし(5)の各【原告の主張】によれば,被告県知事が原告に対してした本件先行不許可処分及び本件各不許可処分は,いずれも国家,。 賠償法上違法である上被告県知事の故意又は過失に基づくものである原告は,被告県に対し,上記各不許可処分により被った以下の損害の合計3544万4095円の賠償を求めることができる。 (ア)逸失利益2773万4095円a原告は,違法な本件先行不許可処分を受けたことにより,平成11年10月1日から平成13年6月30日までのP3漁業許可の有効期間分,本件先行承継許可申請について許可がされていれば,当然に同許可が再度許可されたはずであるから,同年7月1日から平成16年6月 1年10月1日から平成13年6月30日までのP3漁業許可の有効期間分,本件先行承継許可申請について許可がされていれば,当然に同許可が再度許可されたはずであるから,同年7月1日から平成16年6月30日までの有効期間分,違法な本件各不許可処分を受けたことにより,同年7月1日から少なくとも平成17年6月30日までの間の合計5年9か月間,上記許可に係る底びき網漁業に,。 従事することができずこれによる利益を得ることができなかったb「平成14年徳島県漁業の動き(中国四国農政局徳島統計・情」報センター編集,徳島農林水産統計協会発行。以下「平成14年統計」という)によれば,平成14年の徳島県の板びき網漁業(底。 びき網漁業)の生産額(漁獲高)は21億6400万円,漁労体数(船舶数)は283であるから,1船舶当たりの生産額(漁獲高)(),が年額764万6643円21億6400万円÷283となり1船舶当たりの必要経費率を50パーセントとして計算すると,1船舶当たりの年間収益は382万3321円となる。平成14年統計によれば,P3漁業許可に含まれる手繰第2種漁業及び手操第3(),()種漁業の生産額漁獲高は2億4400万円漁労体数船舶数 は122であるから,1船舶当たりの生産額(漁獲高)は200万円となり,同じく必要経費率を50パーセントとして計算すると,1船舶当たりの年間収益は100万円となる。1船舶当たりの板びき網漁業(底びき網漁業)の年間収益と手繰第2種漁業及び手操第3種漁業の年間収益との合計額は,482万3321円となる。 c以上によれば,原告は,違法な本件先行不許可処分及び本件各不許可処分の結果,前記bのとおり,1年当たり482万3321円の収益を得ることができなかったのであるから,前記aの期間である となる。 c以上によれば,原告は,違法な本件先行不許可処分及び本件各不許可処分の結果,前記bのとおり,1年当たり482万3321円の収益を得ることができなかったのであるから,前記aの期間である5年9か月分を計算すると,2773万4095円(482万3321円×5.75)の収益を喪失した。 (イ)本件漁船に係る損害371万円原告は,本件漁船売買契約において本件漁船を330万円で購入したものの,違法な本件先行不許可処分及び本件各不許可処分の結果,長期間にわたって本件漁船について操船することができず,係留させたままであったため,本件漁船は,事実上スクラップとせざるを得ない状態となり,以下の各損害を被った。 a本件漁船購入代金相当額330万円bドッグいれ10万円cローラー20万円d柱修理代5万円eバッテリー6万円(ウ)補償金100万円原告は,本件先行不許可処分及び本件各不許可処分を受けることなく,本件先行承継許可申請等について許可を得て,本件漁船について操船していたならば,δの火力発電所の建設に伴う本船イカリ補償金として100万円を得られたはずであるから,違法な上記各不許可処 分の結果,同額の損害を被った。 (エ)弁護士費用300万円(オ)合計3544万4095円【被告県の主張】前記(2)ないし(4)の各【被告らの主張】のとおり,被告県知事による本件先行不許可処分及び本件各不許可処分はいずれも違法ではなく,被告県知事に故意又は重大な過失もない。仮に,本件先行不許可処分等が違法であるとしても,何ら漁業調整上支障がない旨の説明をしない原告が底びき網漁業の許可を得ることができるとはいえない上,仮に,原告が底びき網漁業に従事したとしても,原告に底びき網漁業の経験があるとは考え難く,現実的に漁協 漁業調整上支障がない旨の説明をしない原告が底びき網漁業の許可を得ることができるとはいえない上,仮に,原告が底びき網漁業に従事したとしても,原告に底びき網漁業の経験があるとは考え難く,現実的に漁協の協力がなく操業することができるとはいえないから,上記各不許可処分により損害を被ったとはいえず,仮に,何らかの損害があったとしても,上記各不許可処分と原告の損害との間に相当因果関係はない。 イ消滅時効の成否【被告県の主張】(ア)仮に,原告が被告に対して被告県知事による本件先行不許可処分及び本件各不許可処分を理由に損害賠償請求をすることができるとしても,原告がB事件を提起したのは平成16年9月8日であるから,平成13年9月7日以前分の損害については,消滅時効が完成している(国家賠償法4条,民法724条。 )(イ)被告県は,原告に対し,平成16年10月25日の本件口頭弁論期日において,上記時効を援用する旨の意思表示をした。 【原告の主張】(ア)原告において,本件先行不許可処分が違法であり,被告県に対して損害賠償請求をすることができることを認識し得たのは,本件先行 不許可処分についての前訴1審判決がされた平成14年3月24日であるから,同日が消滅時効の起算日となり,消滅時効が完成するのは平成17年3月24日である。原告は,時効完成前にB事件を提起しているから,消滅時効は完成していない。 (イ)本件先行不許可処分に係る経緯等に照らせば,被告県が消滅時効を援用するのは,権利濫用として許されないというべきである。 第3当裁判所の判断 本案前の争点(審査請求前置違反)について(1)漁業法135条の2第1項は,被告県知事が同法66条1項等(同法65条1項の規定に基づく農林水産省令及び規則を含む)によってした本件。 承継不許可処分及 前の争点(審査請求前置違反)について(1)漁業法135条の2第1項は,被告県知事が同法66条1項等(同法65条1項の規定に基づく農林水産省令及び規則を含む)によってした本件。 承継不許可処分及び本件起業不認可処分については,審査請求に対する裁決を経た後でなければ提起することができないとしている。原告は,裁決を経ないで上記各不許可等処分の各取消しの訴えを提起し,審査請求期間である上記各不許可等処分の通知が送達された日である平成16年7月1日の翌日から60日以内(行政不服審査法14条1項)に審査請求をしなかったのであるから,審査請求前置の要件(行政事件訴訟法8条1項ただし書)を充足していないものということができる。 しかしながら,前記争いのない事実等によれば,原告は,本件先行不許可処分に不服があるとして農林水産大臣に対して先行審査請求をしたものの,結局,同請求について裁決がされなかったため,平成12年8月に前訴取消訴訟を提起し,平成14年3月29日に本件先行不許可処分を取り消す旨の前訴1審判決を得たものの,控訴審においてP3漁業許可の有効期間である平成13年6月30日が経過したことにより訴えが却下されてしまったものである。原告は,本件訴えにおいても,本件先行不許可処分について,先行審査請求及び前訴取消訴訟と同じく,P4協会の副申書が添付されていないことを理由に不許可としたことが違法であるとの主張を前提として,本件承 継不許可処分及び本件起業不認可処分が違法であると主張しており,先行審査請求の場合と違法事由を共通にしている上,前訴取消訴訟の終了後に,P4協会の副申書を添付させる取扱いに係る事情や審査請求の手続に係る事情に変更があったと認めることもできないことに照らすと,本件承継不許可処分及び本件起業不認可処分について審査請求をした 終了後に,P4協会の副申書を添付させる取扱いに係る事情や審査請求の手続に係る事情に変更があったと認めることもできないことに照らすと,本件承継不許可処分及び本件起業不認可処分について審査請求をしたとしても,農林水産大臣において,先行審査請求の場合と異なる速やかな対応をとることは期待し難いというべきである。上記各不許可等処分により不許可等とされた本件承継許可申請及び本件起業認可申請に係る漁業の許可の有効期間が3年間に限られていることから(県調整規則9条1項,審査請求の手続を経ていたので)は,前訴取消訴訟と同様に,許可の有効期間を経過してしまう可能性が高いというべきである。上記の事情にかんがみれば,原告が裁決を経ないで上記各不許可等処分について取消訴訟を提起したことについては,行政事件訴訟法8条2項2号の処分等により生ずる「著しい損害を避けるため緊急の必要があるとき」に該当するとまではいえないとしても,同項3号の裁決を経な「」。 いことにつき正当な理由があるときに該当すると解するのが相当である(2)以上によれば,原告が裁決を経ないで本件承継不許可処分及び本件起業不認可処分の取消しの訴えを提起したことには,正当な理由があるから,上記の訴えは,適法である。被告県知事の審査請求前置違反の主張は理由がない。 本件先行不許可処分の違法性について(1)認定事実前記争いのない事実等並びに証拠(個別に記載するもののほか,A及びBの各10,21,22,A乙8,9,12,証人P6,原告本人)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 ア原告の漁業従事歴等について(ア)原告の父は,P2漁協の組合員として,漁業権漁業である海苔養殖 漁業を営んでおり,原告は,昭和54年ころから,その父の漁業を手伝っていた。原告の父ほか4名は,海 告の漁業従事歴等について(ア)原告の父は,P2漁協の組合員として,漁業権漁業である海苔養殖 漁業を営んでおり,原告は,昭和54年ころから,その父の漁業を手伝っていた。原告の父ほか4名は,海苔の出荷問題を理由に,P2漁協により海苔の養殖漁場を減らされたため,原告の父を除く4名がP2漁協を相手に訴訟を提起するなど,原告の父ほか4名とP2漁協とが深刻に対立するようになり,原告もP2漁協の幹部の一部と口論となるなどしていた。原告の父は,上記訴訟が係属中の平成▲年に死亡したため,原告やその母は,P2漁協に対し,P2漁協の組合員名義を原告の父から原告に変更するよう求めたものの,P2漁協の理事等が原告をP2漁協の組合員とすることに強硬に反対したため,P2漁協は,原告の母に対し,平成元年12月2日付けで,原告への組合員名義の変更について役員会で結論が出なかったので,原告の父の組合員名義を一度原告の母名義に変更しておき,原告に変更するかどうかについては,その後に理事会の結論が出るまで留保する旨回答した(A及びBの各18の1。原)告の母は平成2年6月19日P2漁協にその持分権を原告に譲渡名,,(義変更)したいと申し込んだものの,P2漁協は,原告の母に対し,海苔養殖漁業について原告の母でも操業することができること,原告が再三にわたり組合理事者を罵る言動に及んでおり,このような者に組合加入を認めることはできないことを理由に,上記申込みを承認することが()。 ,できない旨回答したA及びBの各甲18の2このような経緯から原告は,P2漁協に加入することを断念し,漁協の組合員でなくとも営むことができる自由漁業に従事することにした。 (イ)P2漁協は,平成6年6月14日付けで,同月11日開催の理事会において,原告の母が正組合員の資格を満た することを断念し,漁協の組合員でなくとも営むことができる自由漁業に従事することにした。 (イ)P2漁協は,平成6年6月14日付けで,同月11日開催の理事会において,原告の母が正組合員の資格を満たしていないと判断した旨通知した(A及びBの各甲18の3。これに対し,原告の母は,同月2)7日付けで,P2漁協に対し,上記通知に異議を申し立てた(A及びBの各甲18の4。P2漁協は,同年7月19日付けで,原告の母に対) し,上記異議に理由がないと判断した旨通知した(A及びBの各甲18の5。原告の母は,P2漁協に対し,平成7年3月6日付けの内容証)明郵便により,原告の母について,同人が購入した底びき網漁業の許可の名義変更手続をしない理由について回答するよう求めたのに対し(A及びBの各甲18の7,P2漁協は,原告の母に対し,同月16日付)けで,上記理由について,底びき網漁業の業者の同意を得られなかったと回答した(A及びBの甲18の8。P2漁協は,原告の母に対し,)同年6月29日付けで,組合員の脱退の処理をした旨通知した(A及びBの各甲18の6。 )(ウ)原告は,平成2年以降,自由漁業に従事していたものの,許可漁業,,である底びき網漁業を営むことを決意し平成10年ころから約1年間底びき網漁業を営むP7の漁船に乗り,底びき網漁業に従事した。原告は,本件漁船について底びき網漁業の許可であるP3漁業許可を受けていたP3から,平成11年3月4日,本件漁船やP3漁業許可を代金330万円で購入する本件漁船売買契約を締結するとともに,原告がP3漁業許可を承継することの承諾を得た(A及びBの各甲11の1ないし3,9及び10,A乙3の1,4。 )イ本件先行不許可処分について(ア)原告は,被告県知事に対し,平成11年4月12日付けで,別紙 業許可を承継することの承諾を得た(A及びBの各甲11の1ないし3,9及び10,A乙3の1,4。 )イ本件先行不許可処分について(ア)原告は,被告県知事に対し,平成11年4月12日付けで,別紙2先行承継許可申請目録記載のとおり,底びき網漁業の特例許可(承継許可)である本件先行承継許可申請をした(A及びBの各甲11の1。 )原告は,その申請において,原告がP3漁業許可を承継することを承諾する旨のP3名義の承継承諾書(A及びBの各甲11の2,原告がP)7の底びき網漁業の漁船に1年間乗り子として乗っていたことを証明する旨のP7名義の漁業従事証明書(A及びBの各甲11の5)等の書類を添付したものの,旧県取扱方針4(2)①において添付することを求め られているP4協会の副申書(賛成意見を記載した書面)は添付しなかった。 (イ)被告県の担当職員は,原告が本件先行承継許可申請をした際,旧県取扱方針4(2)①に基づき,原告に対し,P4協会の副申書を添付するよう要請した。原告は,P4協会に対し,加入と副申書の発行を要請したものの,P4協会から,原告が漁協の組合員ではないことを理由に,P4協会への加入を拒否され,その副申書も発行してもらえなかったため,被告県知事に対し,漁協の組合員でないためにP4協会の副申書を得ることができなかった旨の同年7月12日付けの書面を(A及びBの各甲11の6,A乙3の5)提出した。その時点で,被告県の担当職員は,本件先行承継許可申請について,旧県取扱方針4(2)①の例外としてP4協会の副申書を添付しなくても許可する場合があり得るとは全く考えていなかったため,原告に対し,P4協会の副申書を提出すること,,,ができない理由等について具体的に説明するよう指導せずP4協会P2漁協等に対する調査等もしなかった。 があり得るとは全く考えていなかったため,原告に対し,P4協会の副申書を提出すること,,,ができない理由等について具体的に説明するよう指導せずP4協会P2漁協等に対する調査等もしなかった。 ,,,(ウ)被告県知事は県調整規則23条4項に基づき海区委員会に対し本件先行承継許可申請について意見を求め,海区委員会は,同年9月21日付けで,被告県知事に対し,現時点では不許可処分が相当であるものの,原告が所定の手続を行った場合には許可されたい旨の意見を提出した(A及びBの各甲13。 )(エ)被告県知事は,本件先行承継許可申請について,同月29日,原告がP4協会の副申書を添付しなかったことを理由に旧県取扱方針4(2),①に従い,県調整規則23条1項3号に該当するとして,本件先行承継許可申請について不許可とする本件先行不許可処分をした。 (オ)原告は,同年11月11日付けで,農林水産大臣に対し,本件先行()。 不許可処分について先行審査請求を申し立てたA及びBの各甲17 (カ)原告は,平成12年,本件先行不許可処分の取消しを求める前訴取消訴訟を徳島地方裁判所に提起した。その審理中である平成13年6月ころ,原告は,被告県知事から,P4協会に再度加入申請をしてみたらどうかと提案されたため,再度P4協会への加入と副申書の発行を要請したものの,原告が漁協の組合員ではないことを理由に拒否された。原告やP3は,P3漁業許可の有効期間の満了に伴う許可の申請をしなかった。徳島地方裁判所は,平成14年3月29日,本件先行不許可処分が違法であるとして,これを取り消す旨の前訴1審判決をした(A及びBの各甲7。 )(キ)高松高等裁判所は,被告県知事の控訴に対し,平成14年9月27日,P3漁業許可の有効期間である平成13年6月30日が経過 として,これを取り消す旨の前訴1審判決をした(A及びBの各甲7。 )(キ)高松高等裁判所は,被告県知事の控訴に対し,平成14年9月27日,P3漁業許可の有効期間である平成13年6月30日が経過したこ,,とにより前訴取消訴訟に係る訴えが訴えの利益を欠くに至ったとして前訴1審判決を取り消し,訴えを却下する旨の前訴控訴審判決をし(A及びBの各甲8,最高裁判所は,原告の上告及び上告受理申立てに対)し,平成15年2月27日,上告を棄却するとともに,上告審として上告を受理しない旨の前訴上告審決定をした(A及びBの各甲9。 )ウP4協会等について(ア)P4協会は,β等を操業区域とする底びき網漁業の業者を構成員として遅くとも昭和50年代には設立されていた任意団体であり,平成5年度中には,上記区域の許可を受けている全船が加入するに至った。P4協会は,会費等をもって運営され,会長をはじめとする役員が選出され,役員会,委員会,総会等が開催されている。P4協会は,休漁日を定めたり,クルマエビの放流をしたり,減船に備えた補償金の積立てをしたり,他の漁業の業者等との間で協定を結んだりするなどの活動を行ってきた。 (イ)P5協会は,γ海域等を操業区域とする底びき網漁業の業者を構成 員として平成4年ころ設立された任意団体であり,平成6年3月ころ,上記区域の許可を受けている全船が加入するに至った。 エ旧県取扱方針等について(ア)被告県知事は,昭和46年12月ころ,海区委員会と協議した上,漁業法66条1項の許可等について,漁業法や県調整規則が定める許可要件等を判断するための基準として,旧県取扱方針を定めた。 (イ)被告県知事は,県調整規則23条1項3号の漁業調整又は水産資源の保護培養上必要があると認める場合に該当するか否かを判断するための 可要件等を判断するための基準として,旧県取扱方針を定めた。 (イ)被告県知事は,県調整規則23条1項3号の漁業調整又は水産資源の保護培養上必要があると認める場合に該当するか否かを判断するための基準について,平成6年3月ころには,底びき網漁業の許可を受けた全漁船がP4協会等に加入したことから,海区委員会と協議の上,旧県取扱方針を一部変更して,承継許可(県調整規則28条1項)の申請等について,β海域を操業区域とする許可についてP4協会の副申書の添付をしなければ許可等をしないことなどを定めた(旧県取扱方針4(2)①等。A及びBの各甲12。 )(ウ)β海域を操業区域とする底びき網漁業の承継許可については,平成9年4月から平成12年10月までの間に本件先行承継許可申請を含む57件の申請があり,本件先行承継許可申請を除く申請については,いずれもP4協会の副申書が添付されており,そのすべてが許可されている(A及びBの各甲15。 )オ他の府県の取扱い徳島県以外の22府県における底びき網漁業についてのP4協会と同様の任意団体の有無,同漁業の許可に当たっての要件等は,別紙7調査結果一覧表のとおりである(A事件及びB事件の各平成17年5月27日付け,,,の22府県に対する各調査嘱託の結果B甲19の1ないし23A乙326,B乙4,5,7ないし10の各1,2。 )(2)本件先行不許可処分の違法性について ア漁業法は,底びき網漁業について都道府県知事の許可を要する許可漁業とし(66条1項,農林水産大臣において都道府県ごとに上記許可をす)ることができる船舶の隻数等の最高限度を定めることができ,都道府県知事において上記により定められた最高限度を超える船舶について許可をすることができないとした上で(同条5項,都道府県知事は,漁業調整等 ことができる船舶の隻数等の最高限度を定めることができ,都道府県知事において上記により定められた最高限度を超える船舶について許可をすることができないとした上で(同条5項,都道府県知事は,漁業調整等)のために,漁業者の数又は資格に関する制限等について規則を定めることができるとしている(65条1項。被告県知事は,上記漁業法の規定に)基づき,底びき網漁業の許可に関して県調整規則を制定し,同23条において,上記許可の申請について不許可事由を定めており,その定めの内容に照らすと,不許可事由に該当するか否かの判断について,裁量権を有するということができる。被告県知事が上記許可の申請について上記不許可事由に該当することなどを理由にした不許可処分が,漁業法等に照らして不合理であって,被告県知事が漁業法により委ねられた裁量権を逸脱又は濫用したと評価される場合には違法になるというべきである。 イ前記(1)の認定事実によれば,被告県知事は,底びき網漁業の許可ないし起業の認可の申請について,県調整規則23条1項3号の不許可事由である「漁業調整又は水産資源の保護培養上必要があると認める場合」に該当するか否かの判断基準について,本件先行不許可処分の当時,旧県取扱方針として定めており,本件先行承継許可申請について,旧県取扱方針4(2)①に従って,原告がP4協会の副申書を添付しなかったことだけを理由に,県調整規則23条1項3号に該当するとして不許可にする本件先行不許可処分をしたものである。 漁業調整及び水産資源の保護培養等は,水産行政上重要な課題であるとともに,海洋上での実際の漁業の操業に係る事柄でもあるから,漁業者間の協調,漁業者の自主的な規制の制定やその遵守等によって,自主的,民主的に実現されることを期待すべき問題であるということができる。漁業 にお での実際の漁業の操業に係る事柄でもあるから,漁業者間の協調,漁業者の自主的な規制の制定やその遵守等によって,自主的,民主的に実現されることを期待すべき問題であるということができる。漁業 においては,水産業協同組合法に基づき設立される協同組合である漁協が存在し,漁協は,漁業者を構成員とする組織として,自主的な取決めを定めて,組合員にその遵守を求めたり,組合員間の人的関係を形成することによって,漁業者間の円満な操業の実現を図ったりするなど,自主的な漁業調整の役割を果たすことを期待し得る組織であるということができる。 底びき網漁業の許可の申請をした者が漁協の組合員であることや,漁協の副申書(賛成意見を記載した書面)を得ていることなどを根拠に,漁業調整等において支障がないと判断するのは合理的であり,別紙7調査結果一覧表のとおり,徳島県を除く府県中に,底びき網漁業の許可において,漁協の組合員であることや漁協の副申書等を要件とするところがあるのも,上記のような理由によるものであると思われる。また,前記(1)の認定事実によれば,徳島県内には,β海域を操業区域とする底びき網漁業の漁業者を構成員とするP4協会が遅くとも昭和50年代に設立され,P4協会は,法令に基づかない任意団体であるものの,組織としての体制を整え,休漁日を定めたり,クルマエビの放流をしたり,減船に備えた補償金の積立てをしたり,他の漁業の業者等との間で協定を結んだりするなどの漁業調整等を目的とした活動をしてきており,平成5年度中には,上記区域の許可を受けている全船が加入する団体となっている。P4協会は,底びき網漁業という同種の漁業の漁業者が会員となっている団体であることから,多種の漁業の漁業者が組合員となっている漁協に比べ,底びき網漁業についての漁業調整等を図ることをより期待し得 。P4協会は,底びき網漁業という同種の漁業の漁業者が会員となっている団体であることから,多種の漁業の漁業者が組合員となっている漁協に比べ,底びき網漁業についての漁業調整等を図ることをより期待し得る団体ということができる。このような底びき網漁業の団体であるP4協会の性質,組織形態,活動実績等に照らせば,徳島県において,底びき網漁業の許可の申請をした者がP4協会の会員であることや,P4協会の副申書を得ていることなどの事情をもって,漁業調整等において支障がないと判断するのは合理的である。そうすると,被告県知事において,旧県取扱方針4(2)①の定める 判断基準に従って,底びき網漁業の承継許可等の申請について,P4協会の副申書の提出を求め,これが提出された場合に,県調整規則23条1項3号の不許可事由に該当しないものとして,当該申請を許可することとしているのは,漁業法等に照らして合理性があるというべきである。 旧県取扱方針4(2)①は,β海域を操業海域とする底びき網漁業の許可又は起業の認可について,P4協会の副申書を添付した場合のほかは「許可又は起業の認可はしない」と規定し,被告県知事が,底びき網漁業の承継許可等の申請(県調整規則28条1項)についてP4協会の副申書が添付された場合に県調整規則23条1項3号の不許可事由に該当しないと判断するにとどまらず,β海域を操業区域とするものについてP4協会の副申書が添付されない場合には,例外なく,同号の不許可事由に該当すると判断すべきものとしている。前記(1)の認定事実によれば,原告がP4協会の副申書を発行してもらえない理由は,原告が漁協の組合員でないことにあるから,旧県取扱方針4(2)①は,上記許可等において,P4協会の副申書の添付を絶対的な要件とすることによって,漁協の組合員であることをも絶対 してもらえない理由は,原告が漁協の組合員でないことにあるから,旧県取扱方針4(2)①は,上記許可等において,P4協会の副申書の添付を絶対的な要件とすることによって,漁協の組合員であることをも絶対的な要件とする意味を含むことになる。 しかしながら,漁業法や県調整規則は,申請者が漁協ほか漁業者の団体の構成員であることを許可漁業である底びき網漁業の許可の要件として明示していない。申請者が漁協やP4協会に加入等の申込みをしたにもかかわらず,申請者に必ずしも責任があるとはいえない事由等により,漁協やP4協会の不公正ないし不平等な判断がされたために,漁協やP4協会に加入することができない事態も想定し得るのであるから,申請者が漁協やP4協会の構成員ではないことのみから,直ちに漁業調整等の実現に支障をきたすおそれがあるとすることは必ずしも合理性があるとはいえない。 被告県知事は,底びき網漁業の承継許可等の申請において,当該申請者に当該許可を受けることについて異議のないことの同意を得た旨の承継承諾 書(旧県取扱方針4(2)①参照。A及びBの各甲11の2)や,当該申請者が上記漁業に従事していたことを証明する漁業従事証明書の添付を要求する取扱いとしている。これらの点を併せ考慮するならば,底びき網漁業の承継許可等の申請をした者について,従前から漁業に従事して,漁協やP4協会に加入の申込みをするなどしたにもかかわらず,申請者に必ずしも責任があるとはいえない事由等により加入が認められず,そのためにP4協会の副申書の発行を受けることができず,これを添付することができなかったことが認められる場合等においても,旧県取扱方針4(2)①を形式的に適用して,一切の例外を認めず,P4協会の副申書の添付がされていないことだけを理由に,上記申請について,県調整規則23条1項 なかったことが認められる場合等においても,旧県取扱方針4(2)①を形式的に適用して,一切の例外を認めず,P4協会の副申書の添付がされていないことだけを理由に,上記申請について,県調整規則23条1項3号の不許可事由に該当するとして不許可とすることは不合理であるというべきである。被告県知事は,底びき網漁業の承継許可等の申請について,P4協会の副申書が添付されていない場合であっても,旧県取扱方針4(2)①を形式的に適用して一律に不許可とすべきではなく,申請者に対して,P4協会の副申書の発行を受けられないというのであれば,その理由について説明を求め,漁協やP4協会に加入することができない具体的な事情について説明する書面や,底びき網漁業を営むに当たってP4協会等の方針に沿った行動をとることを誓約する書面等を提出させるなどし,必要に応じて,申請者,漁協,P4協会等に対して確認や調査をした上で,県調整規則23条1項3号の漁業調整等の観点から不許可とすべき事由があるといえるか否かを具体的に検討した上で許可するかどうかを判断すべきである。申請者は,底びき網漁業の許可等の要件や申請手続について十分に認識しているとは考え難いから,申請者において,自発的に具体的な事情について説明をせず,上記書面等を提出してこなかったとしても,申請者に対して上記の説明や書面の提出を求めないまま,P4協会の副申書が添付されていないことだけを理由に不許可とすることは,漁業法等に照らし て不合理であり,被告県知事が漁業法により委ねられた裁量権を逸脱又は濫用したものとして違法であるというのが相当である。 前記(1)の認定事実によれば,原告は,被告県知事に対し,県調整規則28条1項に基づき,底びき網漁業の承継許可申請である本件先行承継許可申請をした際,原告がP3漁業許可を承継す いうのが相当である。 前記(1)の認定事実によれば,原告は,被告県知事に対し,県調整規則28条1項に基づき,底びき網漁業の承継許可申請である本件先行承継許可申請をした際,原告がP3漁業許可を承継することを承諾する旨のP3名義の承継承諾書や,原告が底びき網漁業の漁船に1年間乗り子として乗っていたことを証明する旨のP7名義の漁業従事証明書等を添付しただけで,P4協会の副申書を添付しなかったため,被告県の担当職員によりこれを添付するよう要請され,副申書を取得しようと試みたものの,漁協の組合員でないためにこれを得ることができず,その旨の書面を提出したものである。これに対し,被告県の担当職員は,旧県取扱方針4(2)①について例外を認めることは念頭になく,原告に対し,更に漁協やP4協会に加入することができない具体的な事情について説明する書面を提出するよう求めることも,申請者,漁協,P4協会等に対して確認や調査もしないまま,被告県知事において,P4協会の副申書が添付されていないことを唯一の理由として,本件先行承継許可申請を不許可とする本件先行不許可処分をしたものである。被告県知事が本件先行不許可処分をした際の海区委員会の意見は,本件先行承継許可申請について不許可処分が相当であるとしているものの,原告がP4協会の副申書を添付するという手続的な要件を充たしていないことだけを理由としており,それ以外に漁業調整等の観点から具体的に不許可事由があることを理由としているものではない。 そうである以上,被告県知事は,本件先行不許可処分について漁業法や県調整規則によって委ねられた許可の権限を適正に行使しなかったものというべきである。加えて,前記(1)の認定事実によれば,原告は,昭和54年ころから,その父と共に漁業に従事しており,その父の死亡に伴って,P2漁協に 委ねられた許可の権限を適正に行使しなかったものというべきである。加えて,前記(1)の認定事実によれば,原告は,昭和54年ころから,その父と共に漁業に従事しており,その父の死亡に伴って,P2漁協における父の組合員名義を原告に変更するよう申請したものの, その父や原告自身がP2漁協の一部幹部と対立していたことを理由に加入を拒否されたものであり,原告が自ら積極的に漁業に加入しなかったわけではなく,原告が漁協に加入することができないことについて,必ずしも原告に責任があるとは認め難い事情もうかがわれる上,本件先行不許可処分に対する原告の先行審査請求の申請書に,水産資源の保護培養等のために漁業法令を遵守する旨の記載があることから(A及びBの各甲17,)本件先行承継許可申請の際にも,原告において,被告県の担当職員からの求めがあれば,底びき網漁業を営むに当たってP4協会等の方針に沿った行動をとることを誓約する書面を提出したであろうことが推測される。そうだとすれば,本件先行承継許可申請については,P4協会の副申書が添付されていないものの,原告について,県調整規則23条1項3号の不許可事由があるとも,他の不許可事由があるともいうことはできない。 そうである以上,被告県知事による本件先行不許可処分は,漁業法等に照らして不合理であって,被告県知事が漁業法により委ねられた裁量権を逸脱又は濫用したものとして違法であると認めるのが相当である。 (3)以上によれば,被告県知事が原告に対して本件先行承継許可申請について旧県取扱方針4(2)①に従って県調整規則23条1項3号の不許可事由に該当することを理由に本件先行不許可処分をしたことは,裁量権を逸脱又は濫用したものであり,漁業法等に反し,違法である。 本件承継不許可処分の違法性について(1)原告は,違法 3号の不許可事由に該当することを理由に本件先行不許可処分をしたことは,裁量権を逸脱又は濫用したものであり,漁業法等に反し,違法である。 本件承継不許可処分の違法性について(1)原告は,違法な本件先行不許可処分を受けていなければ,P3漁業許可について承継許可を得た上,平成13年6月及び平成16年6月にいずれも漁業の許可を得ることができたはずであることなどを考慮すれば,①県調整規則28条1項の承継許可については,申請者が,有効期間中に漁業の許可,,を譲り受けていれば足りその後に許可の有効期間が経過した後であっても承継許可等の申請をすることができると解すべきであるから,本件承継許可 申請は,県調整規則28条1項に基づく申請として有効であり,②仮に,本件承継許可申請が同項の要件に該当しないとしても,徳島県内の底びき網漁業の許可数については,漁業法66条3項に基づき告示が定める隻数の最高限度をはるかに下回っていることからすれば,違法な本件先行不許可処分を受けなければ承継許可を得ていたはずの原告による本件承継許可申請は,同項の準用により有効であるというべきであるから,被告県知事が本件承継許可申請について県調整規則28条1項に該当しないことを理由に不許可とした本件承継不許可処分は,違法である,と主張する。 しかしながら,本件承継許可申請は,県調整規則28条1項に基づく申請であり(前記争いのない事実等,同申請は,底びき網漁業等の許可を受け)た者から,その許可の有効期間中に許可を受けた船舶を譲り受けるなどして当該漁業を営もうとする者がする承継許可の申請である。県調整規則によれば,底びき網漁業等の許可には,有効期間が定められ(9条1項,県調整)規則28条1項に基づく許可の有効期間については,従前の許可の残存期間に限られるのであり(同 許可の申請である。県調整規則によれば,底びき網漁業等の許可には,有効期間が定められ(9条1項,県調整)規則28条1項に基づく許可の有効期間については,従前の許可の残存期間に限られるのであり(同項ただし書,有効期間が満了した際には,当該許)可は失効し,改めて許可の申請をして新たな許可を得る建前になっている。 そうだとすれば,県調整規則28条1項に基づく承継許可等の申請については,従前の許可の有効期間中に申請をしなければならないと解するのが相当であり,従前の許可の有効期間の経過後には,当該許可が失効し,残存の有,,効期間がなく承継すべき従前の許可が存在しないことになるのであるからもはや申請をすることはできないというべきである。申請者において,従前の許可の有効期間中に譲り受けていれば足り,その有効期間が経過した場合であっても,承継許可等の申請をすることができるとの原告の上記主張を採用することはできない。本件承継許可申請において原告が承継したP3漁業許可の有効期間は,平成13年6月30日までであり(前記争いのない事実等,P3が上記有効期間の満了の際に改めて許可を得ていない以上,P3) 漁業許可は有効期間の経過により失効しており,本件承継許可申請が原告がP3漁業許可の有効期間の経過後にされたものであることは明らかであるから,本件承継許可申請は,県調整規則28条1項に基づく有効な申請であるとはいえない。 このように,県調整規則28条1項の許可があくまで従前の許可の有効期間について許可されるものであり,その有効期間満了後には,新たな許可を得なければならないものである以上,上記許可の申請を従前の許可の有効期間が経過した後にもすることができると解することはできず,そのような有効期間経過後の申請については,県調整規則28条1項の想定すると なければならないものである以上,上記許可の申請を従前の許可の有効期間が経過した後にもすることができると解することはできず,そのような有効期間経過後の申請については,県調整規則28条1項の想定するところではないというべきである。前記2に説示したとおり,本件先行承継不許可処分が違法であり,原告が被告県知事により本件先行承継許可申請について許可を得ることができたならば,基本的に,P3漁業許可の有効期間の満了時に新たな許可を得られたと考えられるほか,徳島県内の底びき網漁業の許可数が漁業法66条3項に基づき告示が定める隻数の最高限度を下回っているといった事情があり,本件承継許可申請を許可することにより漁業調整上も特段問題が生じることがうかがわれないということができるとしても,そのことによって本件先行承継許可申請について許可があったとみなすことができるようになるわけではないから,本件承継許可申請については,県調整規則28条1項の要件に該当しないというほかはなく,同項に基づく申請として有効であるということはできないばかりか,同項を準用して,有効であると解することもできないというべきである。 原告の上記主張は採用することができない。 (2)以上によれば,被告県知事が本件承継許可申請について県調整規則28条1項に該当しないことを理由に不許可とする本件承継不許可処分をしたことは,違法とはいえない。 本件起業不認可処分の違法性について (1)前記争いのない事実等並びに証拠(個別に記載するもののほか,A及びBの各甲21,22,A乙8,9,12,証人P6,原告本人)及び弁論の全趣旨によれば,以下の各事実が認められる。 ア原告ないしP3は,被告県知事がした本件先行不許可処分の取消しを求めて提起した前訴取消訴訟が審理中であったことなどから,被告県知事 原告本人)及び弁論の全趣旨によれば,以下の各事実が認められる。 ア原告ないしP3は,被告県知事がした本件先行不許可処分の取消しを求めて提起した前訴取消訴訟が審理中であったことなどから,被告県知事が平成13年5月25日に県調整規則8条2項に基づき底びき網漁業の許可について定めた許可の申請期間である同年6月1日から同月15日までの間に(B乙14,P3漁業許可について,有効期間(同月30日まで))の満了に伴う許可の申請をしなかった。 (,),イ被告県の水産課漁業調整室の担当調整漁船担当職員であるP6は,,平成16年4月同年7月に予定されていた底びき網漁業の許可に先立ち徳島県において従前から資源管理や漁業調整上採用されていた減船等の方針に基づく取扱いについて明文化して誤解等が生じることを防ぐため,旧県取扱方針を改定し,底びき網漁業(一般の底びき網漁業)について,減船によって生じた許可の空き枠分の許可をしないようにするため,被告県知事が県調整規則8条2項に基づき定める許可の申請期間の開始日現在において許可又は起業の認可がされていない許可枠については許可しない旨の規定(4-1)等を設けることとし,このことについて海区委員会と協議し,異議がない旨の回答を得た。被告県知事は,同年5月6日に上記の規定を設けた新県取扱方針を定めた(A乙4,B2の1ないし3。 )ウ原告は,被告県知事が県調整規則8条2項に基づき定めた許可の申請期間内である平成16年6月4日,被告県知事に対し,別紙3起業認可申請目録記載のとおり,底びき網漁業の起業の認可の申請である本件起業認可申請をした(A及びBの各甲6。被告県知事は,原告に対し,同月14)日付けで,本件起業認可申請について,β海域を操業区域とするものか,,,,γ海域を操業区域とするもの 申請である本件起業認可申請をした(A及びBの各甲6。被告県知事は,原告に対し,同月14)日付けで,本件起業認可申請について,β海域を操業区域とするものか,,,,γ海域を操業区域とするものかについて照会をし原告は県知事に対し ,(,)。 同月17日付けでβ海域を操業区域とする旨の回答をしたA乙12エ前記ウの許可の申請期間の開始日の前日である平成16年5月31日現在において,β海域を操業海域とする底びき網漁業の許可数(起業認可数を含む)は220(うち5トン以上10トン未満のものは66)であっ。 たのに対し,上記の底びき網漁業の許可ないし起業の認可の申請数は本件()起業認可申請を含めて221うち5トン以上10トン未満のものは67であり,上記許可の申請期間の開始日の前日現在の許可数よりも1件多くなった。このため,被告県知事は,新県取扱方針における底びき網漁業の許可(起業の認可を含む)については,許可枠のγ海域とβ海域との相。 互間の移譲を認めないこと(4-3,被告県知事が県調整規則8条2項)に基づき定める許可の申請期間の開始日現在において許可又は起業の認可(),がされていない許可枠については許可しない旨の規定4-1に従って上記の底びき網漁業の許可ないし起業の認可の申請数(本件起業認可申請を含む)のうち1件について,県調整規則23条1項3号の不許可事由。 に該当するものとして,不許可ないし不認可とすることにし,その際に,新県取扱方針には,上記の場合にどの申請を不許可ないし不認可にするかについて定めがないことから,実績者(現に当該漁業の許可又は起業の認可を受けている者)を優先する旨の県調整規則26条2項等に基づき,本件起業認可申請以外の申請が実績者からの申請であったため,本件起業認可申請を不認可とすることにした (現に当該漁業の許可又は起業の認可を受けている者)を優先する旨の県調整規則26条2項等に基づき,本件起業認可申請以外の申請が実績者からの申請であったため,本件起業認可申請を不認可とすることにした。 オ被告県知事は,県調整規則23条4項に基づき,海区委員会に対し,本件起業認可申請について意見を求め,海区委員会は,同年6月25日付けで,被告県知事に対し,本件起業認可申請について,県調整規則23条1項3号に基づき認可しないものとする被告県知事との協議のとおりで異議がない旨の意見を提出した(A及びBの各乙6。 )カ被告県知事は,前記オの海区委員会の意見を踏まえた上,同年6月28 日,本件起業認可申請について,前記エのとおり,新県取扱方針4-1等に従って,県調整規則23条1項3号の不許可事由に該当することを理由に不認可とする本件起業不認可処分をした(A及びBの各甲3。 )キ徳島県における底びき網漁業についての平成年代以降の漁業法66条3項に基づく農林水産大臣の定める船舶の隻数の最高限度及び許可(起業の認可を含む)については,別紙6最高限度・許可数一覧表記載のとおり。 である(A乙8,9,12。 )(2)前記(1)の認定事実によれば,被告県知事は,底びき網漁業の許可ないし起業の認可の申請について,県調整規則23条1項3号の不許可事由に該当するか否かの判断基準として,平成16年5月6日に改定した新県取扱方針,,,を定めており本件起業認可申請について新県取扱方針4-1等に従って県調整規則23条1項3号の不許可事由に該当することを理由に不認可とする本件起業不認可処分をしたものである。既に説示したとおり,被告県知事は,県調整規則23条1項3号の不許可事由に該当するか否かの判断をするに当たって裁量権を有しており,底びき網漁業の許可な 認可とする本件起業不認可処分をしたものである。既に説示したとおり,被告県知事は,県調整規則23条1項3号の不許可事由に該当するか否かの判断をするに当たって裁量権を有しており,底びき網漁業の許可ないし起業の認可の申請に対する不許可ないし不認可処分については,被告県知事が漁業法により委ねられた裁量権を逸脱又は濫用したと評価される場合に違法となるというべきである。被告県知事が定めた新県取扱方針4-1等についてはあくまで県調整規則23条1項3号の不許可基準の該当性の判断における内部指針にすぎないものであるから,これに従って判断したからといって,必ずしも適法になるものではない。 そこで検討すると,底びき網漁業については,農林水産大臣によって漁業法66条3項に基づき別紙6最高限度・許可数一覧表の最高限度欄記載のとおり許可ないし起業の認可をすることができる船舶の隻数の最高限度が定められ,被告県知事が上記最高限度を超えて許可ないし起業の認可をすることができないことにして(漁業法66条5項,資源保護や漁業調整等が図ら) れているということができる。さらに,前記(1)の認定事実によれば,被告県知事は,底びき網漁業について,従前から減船の方針を採用しており,底びき網漁業の許可ないし起業の認可において,前回の許可数から廃業等により減少した許可件数分について新規に許可ないし起業の認可をせず,いったん減少した許可数を増加させない取扱いを採用し,資源保護や漁業調整等を図っているものといえる。被告県知事は,平成16年5月,旧県取扱方針を改定して新取扱方針を定め,被告県知事が県調整規則8条2項に基づき定める許可の申請期間の開始日の前日現在において許可又は起業の認可がされていない許可枠については許可しない旨(4-1)を定めており,このような新取扱方針の定めは 告県知事が県調整規則8条2項に基づき定める許可の申請期間の開始日の前日現在において許可又は起業の認可がされていない許可枠については許可しない旨(4-1)を定めており,このような新取扱方針の定めは,従前から採用されていた減少した許可件数分を増加させないという上記取扱いについて,許可の申請期間の開始日の前日現在の許可数を基準とする点で,その趣旨を徹底し,これを明確化したものということができる。被告県知事が底びき網漁業について減船の方針を採用すること自体は,資源保護や漁業調整等の観点から,不合理であるとはいえず,上記の減船の方針に基づく具体的な取扱いとして,いったん減少した許可数を増加させないことにすることについても,これによって底びき網漁業への新規参入が事実上不可能となるものの,減船の方針を推進するに当たって当面の間はやむを得ない措置であるということができる。徳島県内の底びき網漁業の許可ないし起業の認可数が農林水産大臣によって定められた最高限度数を下回っていること等の事情があるとしても,上記新県取扱方針4-1等が,漁業法等に照らして,直ちに不合理であるとはいうことはできない。前記のとおり,新県取扱方針が従前から採用されていた取扱いを明確化したものであると認められる以上,新県取扱方針が原告の本件起業認可申請の前月に定められたものであるからといって,原告の主張するように,本件起業認可申請を不認可とすることを目的として定められたものと認めることはできない。 しかしながら,前記2に説示したとおり,被告県知事が原告に対して平成11年9月29日にしたP4協会の副申書の添付がないことのみを理由とした本件先行承継不許可処分は,被告県知事が裁量権を逸脱又は濫用したものとして,違法であるというべきであり,本件先行承継許可申請については,副申書の点 たP4協会の副申書の添付がないことのみを理由とした本件先行承継不許可処分は,被告県知事が裁量権を逸脱又は濫用したものとして,違法であるというべきであり,本件先行承継許可申請については,副申書の点を除けば県調整規則23条1項3号の不許可事由があるとは認められない以上,許可されるべきものであったということができる。原告は,前訴取消訴訟において,P3漁業許可の有効期間が経過してしまったために訴えの利益を欠くことを理由として,訴えを却下する判決を受け,同判決が確定したため,本件先行不許可処分が違法であったにもかかわらず,底びき網漁業の許可を受けて営むことができないという原告にとって酷といえる状況に陥っている。底びき網漁業について一度許可を得た者が有効期間満了時に新たに許可の申請をした場合に許可されなかった者はいないと認められる(),,,こと証人P6からすれば原告は本件先行承継許可を得られていればP3漁業許可の有効期間の満了の際に許可の申請をすることによって,その許可を得ることができた可能性が高く,そうであれば,平成16年の申請期間の開始日の前日である平成16年5月31日現在の許可数(起業認可数を含む)には,原告に対する許可分も含まれることになり,本件起業認可申。 請を含む許可ないし起業の認可の申請数が平成16年5月31日現在の許可数を上回ることはなく,本件起業認可申請について,新県取扱方針4-1等によって,県調整規則23条1項3号の不許可事由に該当すると判断する理由はないことになる。別紙6最高限度・許可数一覧表によれば,底びき網漁業のβ海域を操業区域とする許可数については,平成13年の242件から平成16年には220件に減少し,農林水産大臣が定める最高限度数に対してもある程度余裕がある状態であるということができる。 これ 業のβ海域を操業区域とする許可数については,平成13年の242件から平成16年には220件に減少し,農林水産大臣が定める最高限度数に対してもある程度余裕がある状態であるということができる。 これらの事情を併せ考慮するならば,原告は,被告県知事による違法な本件先行不許可処分を受けたにもかかわらず,底びき網漁業の許可を受けられ ないという酷な状況に陥ったものであり,被告県知事において違法な本件先行不許可処分をしていなければ,本件起業認可申請について新県取扱方針4-1等によって県調整規則23条1項3号の不許可事由に該当することにはならなかったものであるということができる。被告県知事が違法な本件先行不許可処分をしておきながら,本件起業認可申請について新県取扱方針4-1等を形式的に適用して県調整規則23条1項3号の不許可事由があると判断することは,不公平ないし不合理であり,裁量権を逸脱又は濫用したものと評価するのが相当である。 (3)以上によれば,被告県知事が原告に対して本件起業認可申請について新県取扱方針4-1等に従って県調整規則23条1項3号の不許可事由に該当することを理由に本件起業不認可処分をしたことは,裁量権を逸脱又は濫用したものとして,違法である。 本件登録不許可処分の違法性について(1)本件漁船登録申請に係る本件漁船の従事する漁業は,底びき網漁業であるから,同漁業について許可又は起業の認可がない場合には,当該漁船の登録申請を不許可にすることになる(漁船法11条2号,5条3号,4条1項1号。前記3に説示したとおり,被告県知事は,原告に対し,本件漁船に)ついての底びき網漁業の許可の申請である本件承継許可申請について不許可とする本件承継不許可処分をしており,同処分を違法ということはできないから,本件漁船の従事する底びき網 原告に対し,本件漁船に)ついての底びき網漁業の許可の申請である本件承継許可申請について不許可とする本件承継不許可処分をしており,同処分を違法ということはできないから,本件漁船の従事する底びき網漁業については許可がないことになるので(なお,本件起業認可申請は,別紙3起業認可申請目録のとおり,本件漁船を使用することを前提としたものではない,本件漁船登録申請につい。)ては,漁船法11条2号の不許可事由に該当する。 (2)以上によれば,被告県知事が原告に対して本件漁船登録申請について漁船法11条2号を理由に不許可とした本件登録不許可処分は,違法であるとはいえない。 損害賠償請求の可否について(1)前記2に認定説示したところによれば,本件先行不許可処分は,被告県知事において,本件先行承継許可申請について,旧県取扱方針4(2)①を形式的に適用して,県調整規則23条1項3号の不許可事由に該当することを理由に不許可としたものであって,その裁量権を逸脱又は濫用した違法なものであるということができる。 しかしながら,既に認定説示したところによれば,徳島県におけるβ海域を操業区域とする底びき網漁業については,その漁業者のすべてが漁協の組合員であって,P4協会に加入しているほか,本件先行不許可処分の当時,底びき網漁業の承継許可等の申請においてP4協会の副申書が添付されていなかった事例はなかったことから(A及びBの各甲15,被告県知事にお)いて底びき網漁業の許可について,その申請にP4協会の副申書が添付されていない場合や,その申請者が漁協の組合員でない場合等に許可をすることは,全く想定していなかったということができる。別紙7調査結果一覧表によれば,22府県中,2県を除いて,漁協の組合員ではない者に対して底びき網漁業の許可をした事例はな 員でない場合等に許可をすることは,全く想定していなかったということができる。別紙7調査結果一覧表によれば,22府県中,2県を除いて,漁協の組合員ではない者に対して底びき網漁業の許可をした事例はなく,その許可をした2県についても,従前漁協の組合員であった者がその後脱退した事例であるから,他の府県においても,一般的に,漁協の組合員ではない者に対して許可をすることは想定されていないということができる。本件先行不許可処分の根拠となった旧取扱方針4(2)①は,海区委員会と協議した上で定められたものであり,徳島県内の漁業関係者において,底びき網漁業の許可の申請においてP4協会の副申書を添付させても不当ではないとの共通認識が形成されていたものと考えられる。これらの本件先行不許可処分当時の底びき網漁業についての実情や許可の状況等にかんがみるならば,原告が漁協の組合員ではなく,P4協会の副申書を添付していないといった事情の下で,被告県知事において,本件先行承継許可申請について,旧取扱方針4(2)①の定めを適用して県調整規則 23条1項3号の不許可事由に該当すると判断することが違法であると認識することができたとは考え難く,そのような判断をしたことは,結果的に,裁量権を逸脱又は濫用したものとして違法と評価されたとしても,本件先行不許可処分の当時にはやむを得なかったものというべきである。そうである以上,被告県知事において本件先行不許可処分をしたことについて過失があるとはいえないというのが相当である。 (2)また,前記4に認定説示したところによれば,本件起業不認可処分も違法であるということができる。 しかしながら,被告県知事において本件起業不認可処分の根拠とした新取扱方針4-1等が内容的に不合理であるとはいえない上,本件先行不許可処分については,前訴 認可処分も違法であるということができる。 しかしながら,被告県知事において本件起業不認可処分の根拠とした新取扱方針4-1等が内容的に不合理であるとはいえない上,本件先行不許可処分については,前訴取消訴訟において却下判決が確定し,取り消すなどされていなかったなどの事情にかんがみるならば,被告県知事が本件起業不認可処分について新取扱方針4-1等を適用して県調整規則23条1項3号の不許可事由に該当すると判断したことについては,結果的に,裁量権を逸脱又は濫用したものとして違法と評価されたとしても,本件起業不認可処分の当時,被告県知事において,そのような判断をすることが違法であると認識することができたとは考え難い。そうである以上,被告県知事において本件起業不認可処分をしたことについて過失があるとということはできない。 (3)その余の各処分が違法といえないことは既に説示したとおりである。 (4)以上によれば,原告の被告県に対する本件先行不許可処分及び本件各不許可処分についての国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求は,いずれも理由がない。 まとめ以上のとおりであるから,原告は,被告県知事に対し,本件起業不認可処分の取消しを求めることができる(A事件。原告のその余の各処分の取消請求)及び国家賠償法に基づく損害賠償請求は,いずれも理由がない。 第4 結論 以上によれば,原告の請求は,被告県知事に対する請求のうち,本件起業不認可処分の取消しを求める部分については理由があるから認容し,その余の被告県知事に対する請求及び被告県に対する請求はいずれも理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担について,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条,64条本文を適用して,主文のとおり判決する。 徳島地方裁判所第2民事部裁判長裁判官阿部正幸裁判 がないから棄却することとし,訴訟費用の負担について,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条,64条本文を適用して,主文のとおり判決する。 徳島地方裁判所第2民事部裁判長裁判官阿部正幸裁判官大西直樹裁判官高橋信慶 (別紙1)関連法令等 漁業法(1)漁業調整に関する命令(65条1項)農林水産大臣又は都道府県知事は,漁業取締その他漁業調整のため,以下の事項に関して必要な農林水産省令又は規則を定めることができる。 ア漁具又は漁船に関する制限又は禁止(3号)イ漁業者の数又は資格に関する制限(4号)(2)許可を受けない中型まき網漁業等の禁止(66条)ア底びき網漁業等を営もうとする者は,船舶ごとに都道府県知事の許可を受けなければならない(1項。 )イ農林水産大臣は,漁業調整のため必要があると認めるときは,都道府県別に前記ア(1項)の許可をすることができる船舶の隻数,合計総トン数若しくは合計馬力数の最高限度を定め,又は海域を指定し,その海域につき前記ア(1項)の許可をすることができる船舶の総トン数若しくは馬力数の最高限度を定めることができる(3項。 )ウ都道府県知事は,前記イ(3項)により定められた最高限度を超える船舶については,前記ア(1項)の許可をしてはならない(5項。 )(3)不服申立てと訴訟との関係(135条の2)農林水産大臣又は都道府県知事が第2章から第4章まで(前記(2)ア(66条1項等)に基づく農林水産省令及び規則を含む)の規定によってした。 処分の取消しの訴えは,その処分についての異議申立て又は審査請求に対する決定又は裁決を経た後でなければ,提起することができない(1項。 ) 農林水産省告示底びき網漁業の前記1(2)イ(漁業法66条3項)に基づき定められた最高 いての異議申立て又は審査請求に対する決定又は裁決を経た後でなければ,提起することができない(1項。 ) 農林水産省告示底びき網漁業の前記1(2)イ(漁業法66条3項)に基づき定められた最高 限度数は,別紙6最高限度・許可数一覧表の最高限度欄記載のとおりである。 漁船法(1)漁船の登録(10条)漁船(総トン数1トン未満の無動力漁船を除く)は,その所有者がその。 主たる根拠地を管轄する都道府県知事の備える漁船原簿に登録を受けたものでなければ,これを漁船として使用してはならない(1項。 )(2)登録の基準(11条)その申請に係る漁船の従事する漁業が,底びき網漁業等(5条3号,4条2号,漁業法66条1項)に該当する場合において,その漁業につき,起業の認可又は許可その他の処分がないとき(2号) 徳島県漁業調整規則(A乙7,B乙1)(1)許可の申請(8条)ア前記1(2)ア(漁業法66条1項)等による漁業の許可(以下「漁業の許可」という)を受けようとする者は,前記1(2)ア(漁業法66条1。 項)等による漁業(以下「船舶ごとに許可を要する漁業」という)にあ。 っては当該漁業ごと及び船舶ごとに,別記様式による申請書を知事に提出しなければならない(1項。 )イ後記(5)(25条)により定数が定められた漁業(以下「定数漁業」という)に係る前記アの許可の申請は,知事が定める期間中にしなければ。 ならない。ただし,後記(7)(28条1項)等により許可の申請をする場合は,この限りでない(2項。 )ウ知事は,前記アの期間を定めたときは,これを公示する(3項。 )エ知事は,前記アの申請書のほか,許可をするかどうかの判断に関し必要と認める書類の提出を求めることがある(6項。 )(2)許可の有効期間(9条)漁業の許可の有効期 ,これを公示する(3項。 )エ知事は,前記アの申請書のほか,許可をするかどうかの判断に関し必要と認める書類の提出を求めることがある(6項。 )(2)許可の有効期間(9条)漁業の許可の有効期間は,3年とする。ただし,後記(7)(28条1項) 等によって許可した場合は従前の許可の残存期間とする(1項。 )(3)起業の認可ア21条(ア)漁業の許可を受けようとする者であって現に船舶又はおもな漁具を使用する権利を有しないものは,船舶の建造に着手する前又は船舶若しくは漁具を譲り受け,借り受け,その返還を受け,その他船舶若しくは漁具を使用する権利を取得する前に,船舶ごとに許可を要する漁業にあっては当該漁業ごと及び船舶ごとに,あらかじめ起業につき知事の認可を受けることができる(1項。 )(イ)前記(ア)の認可を受けようとする者は,船舶ごとに許可を要する漁業にあっては当該漁業ごと及び船舶ごとに,別記様式による申請書を知事に提出しなければならない(2項。 )(ウ)前記(1)イないしエ等(8条2項ないし6項)は,前記(ア)の認可の申請に準用する(3項。 )イ22条知事は,起業の認可を受けた者がその起業の認可に基づいて許可の申請,,をした場合において申請の内容が認可を受けた内容と同一であるときは後記(4)ア(ア)ないし(ウ)(23条1項1号ないし3号)の一に該当する場合を除き,漁業の許可をするものとする(1項。 )(4)許可等をしない場合(23条)ア知事は,次の各号の一に該当する場合は,漁業の許可又は起業の認可をしない(1項。 )(ア)申請者が24条に規定する適格性を有する者でない場合(1号)(イ)その申請に係る漁業と同種の漁業の許可の不当な集中に至る虞がある場合(2号)()(ウ)漁業調整又は水産資源 項。 )(ア)申請者が24条に規定する適格性を有する者でない場合(1号)(イ)その申請に係る漁業と同種の漁業の許可の不当な集中に至る虞がある場合(2号)()(ウ)漁業調整又は水産資源の保護培養上必要があると認める場合3号 イ知事は,前記ア(ウ)により許可又は認可をしないときは,海区漁業調整委員会の意見をきくものとする(4項。 )(5)許可等の定数(25条)ア知事は,水産資源の保護培養又は漁業取締りその他漁業調整上必要があると認めるときは,前記1(2)ア(漁業法66条1項)に掲げる漁業のうち前記1(2)イ(同条3項)により知事が許可することができる船舶の隻数の最高限度が定められた漁業以外の漁業につき,漁業の許可又は起業の認可をする数の最高限度以下定数というを定めることがある (「」。)(項。 )イ前記1(2)イ(同条3項)により知事が許可をすることができる船舶の隻数の最高限度が定められたときは,当該隻数の最高限度は前記アの規定によって知事が定めた定数とみなす。 (6)許可等の基準(26条)知事は,定数漁業に係る許可又は起業の認可の申請をすべて認めるとすれば当該漁業の定数を超えることとなる場合において,その申請のうちに現に当該漁業の許可又は起業の認可を受けている者が当該漁業の許可の有効期間の満了日の到来のため改めてした申請があるときは,その申請に対して,他の申請に優先して許可又は起業の認可をするものとする(2項。 )(7)許可等の特例知事は,定数漁業のうち船舶ごとに許可を要する漁業の許可を受けた者から,その許可の有効期間中に許可を受けた船舶を譲り受けるなどして当該漁業を営もうとする者が,当該船舶について漁業の許可又は起業の認可を申請した場合において,その申請が次のいずれかの場合に該 けた者から,その許可の有効期間中に許可を受けた船舶を譲り受けるなどして当該漁業を営もうとする者が,当該船舶について漁業の許可又は起業の認可を申請した場合において,その申請が次のいずれかの場合に該当し,かつ,その申請の内容が従前の許可に係る漁業の許可の内容と同一であるときは前記(4),ア(ア)ないし(ウ)のいずれかに該当する場合を除き,漁業の許可又は起業の認可をするものとする(28条1項。 ) ・当該漁業の従事者が自立して当該漁業を営もうとする場合(4号) 底びき網漁業許可等に伴う取扱方針(1)平成16年5月7日施行の底びき網漁業許可等に伴う取扱方針(新県取扱方針。A乙4)ア許可の種類(1)(ア)底びき網漁業の許可の分類は,枠内許可(昭和38年4月19日農林省告示第499号による知事が許可することができる船舶の隻数)と枠外許可(自家用釣餌料の採捕を目的とする底びき網漁業)とに分類する。 (イ)枠内許可は,瀬戸内海における第1種共同漁業権内におけて当該漁業の内容となり得る水産動物の採補を目的とする底びき網漁業(貝けた)(「」。)漁業とそれ以外の底びき網漁業以下一般の底びき網漁業というとに分類する。 イ一般の底びき網漁業(4)(ア)許可することができる隻数(4-1)資源管理上,減船の取組みを促進する目的で,前記4(1)イ(県調整規則8条2項)の,知事が定める許可申請の期間の開始日の前日現在において,許可又は起業の認可がされていない許可枠については,これを許可しない。 (イ)トン数の階層(4-2)許可は,次のトン数階層別許可とする。 a総トン数5トン未満の船舶。 b総トン数5トン以上10未満の船舶。ただし,γにおける総トン数の最高限度は,6.5トン未満とする。 c総トン数10トン以上の 許可は,次のトン数階層別許可とする。 a総トン数5トン未満の船舶。 b総トン数5トン以上10未満の船舶。ただし,γにおける総トン数の最高限度は,6.5トン未満とする。 c総トン数10トン以上の船舶。ただし,βにおける総トン数の最高限度は,13.5トン未満とする。 (ウ)海域間の許可移譲等の禁止(4-3)許可は,γ海域又はβ海域のいずれかを操業海域とするものとし,許可枠のγ海域,β海域相互間の移譲は認めないものとする。ただし,知事が認めた者は,その限りでない((1) 。 )(エ)許可又は起業の認可申請の際の添付書類(4-5)許可又は起業の認可の申請をする者は,県調整規則27条に規定する場合を除き,βを操業区域とする許可については,徳島県P4協会,γを操業区域とする許可については,P5協会の副申書を添付するものとする。 (2)新県取扱方針の施行前の昭和46年12月15日底びき網漁業許可等に伴う取扱方針(旧県取扱方針。A甲12) 枠内許可にかかる底びき網漁業の許可又は起業の認可は,次による場合のほか許可又は起業の認可はしない。 (2)承継許可①漁業の許可を受けた者からその船舶を譲り受け,借り受け又はその返還を受け,その他船舶を使用する権利を取得する前にこの漁業を営もうとする者が,その船舶について当該船舶の所有者及び使用権利者の廃業とあわせて申請者に当該漁業の許可を受けることについて異議のないことの同意を得た場合であって,βを操業区域とする許可については,徳島県P4協会,γを操業区域とする許可については,P5協会の副申書を添付し許可又は起業認可申請をしたとき②漁業の許可を受けた者が,その許可を受けた漁業を廃止し,申請者に当該漁業の許可を受けることについて異議のないことの同意をしたその申請者が他の船舶により,βを 添付し許可又は起業認可申請をしたとき②漁業の許可を受けた者が,その許可を受けた漁業を廃止し,申請者に当該漁業の許可を受けることについて異議のないことの同意をしたその申請者が他の船舶により,βを操業区域とする許可については,徳島県P4協会,γを操業区域とする許可については,P5協会の副申書を添付し許可又は起業の認可をしたとき

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