主文 本件上告を棄却する。 当審における未決勾留日数中130日を本刑に算入する。 当審における訴訟費用は被告人の負担とする。 理由 弁護人河井匡秀の上告趣意のうち,判例違反をいう点は,事案を異にする判例を引用するもので,本件に適切でなく,その余は,量刑不当の主張であって,いずれも適法な上告理由に当たらない。 なお,所論にかんがみ,職権で判断すると,1,2審判決の認定によれば,被告人は,けん銃1丁を適合実包と共に携帯して所持し(銃砲刀剣類所持等取締法3条1項,31条の3第1項,2項),そのけん銃を用い対立する暴力団組事務所に向けて銃弾4発を発射した(平成11年法律第160号による改正前の銃砲刀剣類所持等取締法3条の13,銃砲刀剣類所持等取締法31条)上,被告人が犯人であることが捜査機関に発覚する前に,警察署に出頭し,警察官に対し前記事務所に自ら発砲した旨述べたが,その際,これらの犯行に使用したものとは異なるけん銃に発射を装う偽装工作を施して持参し,そのけん銃を使用したと虚偽の供述をしたものである。 以上によれば,【要旨】被告人は,前記各犯行について,捜査機関に発覚する前に自己の犯罪事実を捜査機関に申告したのであるから,その際に使用したけん銃について虚偽の事実を述べるなどしたことが認められるとしても,刑法42条1項の自首の成立を妨げるものではなく,その成立を否定した原判決の判断は,同条項の解釈を誤ったものといわなければならない。 しかし,記録に徴すると,被告人に対し前記両罪について自首を理由に刑の減軽をすることが相当とは認められないから,その法令違反は判決に影響を及ぼさない- 1 -というべきである。 よって,刑訴法414条,386条1項3号,181条1項本文 罪について自首を理由に刑の減軽をすることが相当とは認められないから,その法令違反は判決に影響を及ぼさない- 1 -というべきである。 よって,刑訴法414条,386条1項3号,181条1項本文,刑法21条により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官金谷利廣裁判官千種秀夫裁判官元原利文裁判官奥田昌道)- 2 -
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