主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人らの負担とする。 理由 上告代理人小泉幸雄、同内田省司、同井手豊継、同小澤清實、同田中利美、同津田聰夫、同辻本章、同名和田茂生、同林田賢一、同前田豊の上告理由について一所論は、上告人らの本件訴えのうち、毎日午後九時から翌日午前七時までの間、本件空港を一切の航空機の離着陸に使用させることの差止めを請求する部分(以下「本件差止請求」という。)は、民事訴訟によって解決されるべき事柄であるにもかかわらず、これを民事上の請求としては不適法であるとした原審の判断には、民事訴訟法の解釈適用を誤った違法がある、というのである。 二本件空港は、空港整備法二条一項二号にいう第二種空港であって、同法四条一項の規定により運輸大臣が設置し、管理するものであるところ、このような本件空港において民間航空機の離着陸の差止めを請求することは、民事上の請求としては不適法であるとした原審の判断は、正当であり(最高裁昭和五一年(オ)三九五号同五六年一二月一六日大法廷判決・民集三五巻一〇号一三六九頁参照)、右判断に所論の違法はない。 また、自衛隊の使用する航空機(以下「自衛隊機」という。)について、その離着陸の差止めを請求することは、防衛庁長官にゆだねられた自衛隊機の運航に関する権限の行使の取消変更ないしその発動を求める請求を包含することになるものであるから、行政訴訟としてどのような要件の下にどのような請求をすることができるかはともかくとして、民事上の請求としては不適法であるというべきであり(最高裁昭和六二年(オ)第五八号平成五年二月二五日第一小法廷判決・民集四七巻二号六四三頁参照)、自衛隊機に関して本件差止請求に係る訴えを不適法とした原審- 1 -の判断は、結論におい べきであり(最高裁昭和六二年(オ)第五八号平成五年二月二五日第一小法廷判決・民集四七巻二号六四三頁参照)、自衛隊機に関して本件差止請求に係る訴えを不適法とした原審- 1 -の判断は、結論において正当として是認することができる。 次に、原審が適法に確定したところによると、本件空港に係る被上告人とアメリカ合衆国軍隊(以下「米軍」という。)との関係は条約に基づくものであるから、被上告人は、条約ないしこれに基づく国内法令に特段の定めがない限り、米軍の本件空港の使用を制限し得るものではなく、関係条約及び国内法令に右のような特段の定めはない。そうすると、上告人らが米軍の使用する航空機の離着陸等の差止めを請求するのは、被上告人に対してその支配の及ばない第三者の行為の差止めを請求するものというべきであるから、その請求は、その余について判断するまでもなく、主張自体失当として棄却を免れない(前記第一小法廷判決参照)。しかしながら、右請求に係る訴えを不適法として却下した一審判決を取り消して請求を棄却することは不利益変更禁止の原則に触れるから、右却下部分に対する控訴は棄却するほかなく、原判決は結局において相当である。 論旨は採用することができない。 よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官味村治の補足意見があるほか、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 裁判官味村治の補足意見は、次のとおりである。 私は、最高裁昭和六二年(オ)第五八号平成五年二月二五日第一小法廷判決・民集四七巻二号六四三頁において、一定の要件の下に自衛隊機の運航の規制に関する行政訴訟の可能性を認めた裁判官橋元四郎平の補足意見に同調したが、本件においてもこれを引用する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官大堀誠 規制に関する行政訴訟の可能性を認めた裁判官橋元四郎平の補足意見に同調したが、本件においてもこれを引用する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官大堀誠一裁判官味村治裁判官小野幹雄- 2 -裁判官三好達裁判官大白勝- 3 -
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