平成15年6月20日判決言渡同日原本受領裁判所書記官平成15年(ハ)第437号請負代金請求事件口頭弁論終結日平成15年6月6日判決 主文 1 東京簡易裁判所平成14年(ロ)第62693号支払督促申立事件の仮執行宣言付支払督促はこれを認可する。 2 督促異議申立て後の訴訟費用は,被告の負担とする。 事実及び理由 第1 原告の請求被告は,原告に対し,16万6530円及びこれに対する平成13年6月1日から支払済みまで年6パーセントの割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 請求の原因(1) 原告は,元請け会社である被告から,平成13年4月7日,以下の二つの物件につき,ハウスクリーニング工事の発注を受け(以下「本件工事」という。),代金合計16万6530円で下請けした。 ① 横浜市a区b町c-d-e fg号,3DK(代金8万7150円)② 横浜市h区i丁目jk号,3LDK(代金7万9380円)(2) 原告は,前記クリーニング工事を平成13年4月10日に完了し,被告に同日引き渡した。 (3) よって,原告は,被告に対し,上記請負代金及びそれに対する最終支払期限の翌日である平成13年6月1日から支払済みまで年6分の割合による遅延損害金の支払を求める。 2 被告の主張の要旨被告の取引先への施工依頼書は,定められた書式を用い,施工場所,日程,作業内容等を詳細に記載しているが,原告から受け取った本件工事施工に関する書類にはそれらの事柄が記載されておらず,単に住宅地図や平面図にメモ書きした資料に過ぎない。したがって,被告の正式な施工依頼書とは認められない。また,請求書の内容も,単にメモ書きしたもので,被 する書類にはそれらの事柄が記載されておらず,単に住宅地図や平面図にメモ書きした資料に過ぎない。したがって,被告の正式な施工依頼書とは認められない。また,請求書の内容も,単にメモ書きしたもので,被告の受注内容と整合性がない。 3 争点本件請負(下請け)契約の成立は認められるか。 第3 争点に対する判断 1 原告本人尋問の結果によれば,以下の事実が認められる。 (1) 原告は,平成13年3月30日ころ,被告A支店の営業担当者であるBから,請求の原因(1)記載の二つの物件のクリーニング工事の依頼を受け,同年4月初め,同人から住宅地図と両物件の平面図を示された。 (2) そこで,原告は,両物件の現場を見たところ,前記①記載の物件には既にクロス貼替工事が入っていた。原告は,Bにその旨を話し,クリーニング工事の見込み日数を伝えたところ,クロス工事が終了後に双方とも工事に入ってほしいと言われ,原告は,その指示に従い,同月10日までに両物件とも工事を完了し,被告に引き渡した。 (3) 請求書は,工事完了後直ぐに被告に送付し,5月末ころ再度Bに対し確認したところ,請求をずらすように言われたので,あえて日付をずらして発送した。 以上の事実が認められ,これに反する証拠はない。 2 被告は,工事施工に関する書類が,被告の定められた書式による正式な施工依頼書とは認められないと主張するので検討するに,証拠及び弁論の全趣旨によれば以下の事実が認められ,これに反する証拠はなく,本件請負契約は有効に成立しているものと認められる。 (1) 原告は,平成11年から,被告からクリーニング工事の依頼を受け,かなりの工事を施工してきた。この間本件契約の前までは,全体の6割近くは,工事依頼書で依頼を受けていたが,多忙期等の場合を含め4割から5割くらいが,住宅地図や現場の平 クリーニング工事の依頼を受け,かなりの工事を施工してきた。この間本件契約の前までは,全体の6割近くは,工事依頼書で依頼を受けていたが,多忙期等の場合を含め4割から5割くらいが,住宅地図や現場の平面図によって工事内容等を指示され,それに従い施工してきており,メモ書きによる工事施工の指示が日常業務の慣習として行われてきたこと。そして,これまでそのことで特にトラブルはなかったこと(原告本人)。 (2) 前記①の物件に関しては,住宅地図(甲7)や物件の平面間取図(甲8)には,当時B自身が営業担当として,例えば,現場の住所,部屋番号,クロス紙の品番,工事内容や日程など各項目について詳細に記載し,工事の指示を出しているところから,被告の原告に対する工事発注が明確になされたものと見られること。なお,同②の物件工事に関する書類は,現場で紛失したが,被告の受注書にはクリーニング工事もきちんと含まれているのを原告が確認しており,①と同様の依頼の仕方が取られていたことが窺われ,前同様,明らかに被告の工事施工依頼があったと見られること(原告本人)。 (3) 本件両物件のクリーニング工事は,原告がC有限会社や有限会社Dに依頼し,原告とともに作業をして①及び②の物件とも完了し(甲11),その後,Bから,両物件の残材処理の依頼を受け,被告A支店に現場の残材を運び込んだこと。 (4) 請求書についても,今回のような手書きで個別に詳しく書かれているものと,従来のように「別途一式」ということでまとめて出している場合(乙13)とでは,特に深い意味はなく,これまでその点が問題とされたこともなく,支払は行われてきたこと。 3 さらに,被告は,請求書の内容も,単にメモ書きしたもので,被告の受注内容と整合性がない,と主張するが,特に具体的主張・立証がない以上,それを認めるに足りな こともなく,支払は行われてきたこと。 3 さらに,被告は,請求書の内容も,単にメモ書きしたもので,被告の受注内容と整合性がない,と主張するが,特に具体的主張・立証がない以上,それを認めるに足りない。 4 以上認定の事実に加えて,弁論の全趣旨を綜合すれば,本件工事については,現場担当者であるBの指示だけでなく,上司であったE課長や他の担当者らも十分に認識していることが窺われ,また,工事代金請求後しばらくしてBが行方不明となった後,原告がEに対し状況説明をしていた事実等が認められ,被告の前記主張を認めることは到底できない。 5 以上の事実をもとに判断すると,本件につき支払督促申立事件の仮執行宣言付支払督促の認可を求める原告の請求は理由がある。 東京簡易裁判所民事第2室 裁判官中島寛
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