平成15(行コ)8 登録免許税還付通知拒絶処分取消等・同追加的併合請求控訴事件(原審・横浜地方裁判所平成13年(行ウ)第32号,平成14年(行ウ)第14号)

裁判年月日・裁判所
平成15年5月15日 東京高等裁判所 租税
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判決文本文2,473 文字)

主文 1 原判決中,控訴人に関する部分を取り消す。 2 被控訴人の請求を棄却する。 3 訴訟費用は,第1,2審とも,被控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨主文同旨第2 事案の概要等原判決の「事実及び理由」の第2ないし第5に記載のとおりであるからこれを引用する。 第3 当裁判所の判断 1 本件拒絶通知の処分性登録免許税の納税義務は,登記等の時に成立し(国税通則法15条2項12号),納税義務の成立と同時に特別の手続を要しないで納付すべき税額が確定する(同条3項5号)。しかし,このことから登録免許税の過誤納金の還付について行政処分が介在する余地はなく,過誤納金の納付者は直接国に対して不当利得金としてその返還を請求する訴訟を提起することができるという結論が当然に導かれるものではないのであって,過誤納金の還付の手続や還付についての争訟手続をどのように定めるかは,立法政策の問題である。 そこで,還付に関する法律の定めについて検討する。法1条は,法の趣旨として,「この法律は,登録免許税について,課税の範囲,納税義務者,課税標準,税率,納付及び還付の手続並びにその納税義務の適正な履行を確保するため必要な事項を定めるものとする。」と定めており,法31条は,過誤納金の還付の手続等を定めているものであるが,その2項は,「登記等を受けた者は,当該登記等の申請書に記載した登録免許税の課税標準又は税額の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったこと又は当該計算に誤りがあったことにより,登録免許税の過誤納があるときは,当該登記等を受けた日から1年を経過する日までに,その旨を登記機関に申し出て,前項の通知をすべき旨の請求をすることができる。」と定め,同条1項は,「登記機関は,過大に登録免許税を納付して登記等を受けたなど 記等を受けた日から1年を経過する日までに,その旨を登記機関に申し出て,前項の通知をすべき旨の請求をすることができる。」と定め,同条1項は,「登記機関は,過大に登録免許税を納付して登記等を受けたなどの事実があるときは,遅滞なく,当該過大に納付した登録免許税の額その他の事項を登記等の申請をした者又は登記等を受けた者の当該登録免許税に係る納税地の所轄税務署長に通知しなければならない。」と定めている。そして,法31条2項の規定による請求をすることができる登録免許税に係る過誤納金については,当該請求があった日(当該請求がないときは,同条1項の通知があった日)の翌日から起算して1月を経過する日の翌日からその還付のための支払決定の日までの期間の日数に応じ,その金額に年7.3パーセントの割合を乗じて計算した還付加算金をその還付すべき金額に加算しなければならないとされている(国税通則法58条1項3号,国税通則法施行令24条2項4号)。以上の法令の規定によれば,少なくとも法31条2項により還付通知請求ができるとされている場合においては,法31条は過誤納金の還付について排他的な手続を定めているものであり,登録免許税の還付請求に関する争訟手続は,法31条2項の還付通知請求をした上でその拒絶通知に対して抗告訴訟を提起するという方法に限られるとの立法政策がとられているものと解するのが相当である。 なお,国税通則法23条の定める更正の請求の制度は,申告が過大である場合に還付を求める排他的な手続であって,他の救済手続によることは許されないとされているが,法31条の還付通知請求の制度はこの更正の請求の制度と類似していることが明らかである。すなわち,まず,国税通則法23条1項柱書きの部分(各号列記以外の部分)と法31条2項を対比すると,その構造及び文言はほぼ同一であ 請求の制度はこの更正の請求の制度と類似していることが明らかである。すなわち,まず,国税通則法23条1項柱書きの部分(各号列記以外の部分)と法31条2項を対比すると,その構造及び文言はほぼ同一である。また,更正の請求の制度における請求期間は,立法当初は,原則として1月以内とされていたものが,昭和45年法律第8号による国税通則法の改正の際,「1月以内(当該国税が所得税又は法人税である場合には,2月以内)」から「1年以内」に改正されているところ,還付通知請求の請求期間も,立法当初は1月以内とされていたものが,上記改正に際して同時に「1月」から「1年」に改められている(昭和45年法律第8号附則15条)。このような更正の請求の制度と還付通知請求の制度の類似性からしても,還付通知請求の制度が更正の請求の制度と同様に,過誤納金について納付者が還付を求める排他的な方法として法定されたことが窺われる。 以上の検討によれば,法31条1項の登記機関の還付通知という行政処分によって過誤納金の還付請求権が具体的に発生するものであり,還付通知請求に対する拒絶通知は,その発生を妨げる法的効果を有する行政処分であると解される。 したがって,本件拒絶通知の取消を求める被控訴人の本件訴えは,適法である。 2 本件登録免許税額と過誤納の有無本件登録免許税の算定に違法はなく,本件納付において過誤納はない。その理由は,原判決の「事実及び理由」の「第6 争点に対する判断」の2項(原判決10頁19行目から14頁7行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。 第4 結論以上のとおり,原判決中,控訴人に関する部分は不当であり,本件控訴は理由があるから,上記部分を取り消して,被控訴人の請求を棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第4民事部裁判長裁判官 とおり,原判決中,控訴人に関する部分は不当であり,本件控訴は理由があるから,上記部分を取り消して,被控訴人の請求を棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第4民事部裁判長裁判官矢崎秀一裁判官高橋勝男裁判官佐村浩之は転補のため署名押印することができない。 裁判長裁判官矢崎秀一

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