○ 主文一被告が原告に対し、昭和四七年五月三一日付でした、 1 原告の昭和四四年三月分の源泉徴収にかかる所得税の税額を金五九〇、〇〇〇円とする源泉徴収納税義務告知処分(国税不服審判所長の同四八年五月一〇日付裁決で一部取消された後のもの)、 2 同四五年四月分の源泉徴収にかかる所得税の税額を金四八、四〇〇円とする源泉徴収納税義務告知処分、 3 同四六年五月分の源泉徴収にかかる所得税の税額を金一二四、九〇〇円とする源泉徴収納税義務告知処分、 4 同四六年一一月分の源泉徴収にかかる所得税の税額を金六一、九〇〇円とする源泉徴収納税義務告知処分、 5 右1ないし4の所得税額に対応する不納付加算税の賦課決定処分(1に対応するものは国税不服審判所長の裁決により一部取消された後のもの)はいずれもこれを取消す。二訴訟費用は被告の負担とする。○ 事実第一、当事者の求めた裁判一請求の趣旨主文同旨二請求の趣旨に対する答弁原告の請求をいずれも棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。第二当事者の主張一請求原因 1 原告は電気製品の製造販売を目的とする株式会社であるところ、被告は原告に対し昭和四七年五月三一日付で、源泉徴収にかかる所得税額を次表A欄記載のとおりとする源泉徴収納税義務告知処分およびこれに対応する同表B欄記載のとおりの不納付加算税賦課決定処分(以下これら-ただし昭和四四年三月分については後記裁決により一部取消された後のものーを本件各処分という)をした。原告はこれを不服として被告に対し異議申立をしたが棄却されたので、さらに国税不服審判所長に対し審査請求をしたところ、同所長は昭和四八年五月一〇日付で同四四年三月分につき、所得税額を前表C欄記載の、不納付加算税を同じくD欄記載の各金額とする一部取消の、その余については棄却する旨の各裁決を 対し審査請求をしたところ、同所長は昭和四八年五月一〇日付で同四四年三月分につき、所得税額を前表C欄記載の、不納付加算税を同じくD欄記載の各金額とする一部取消の、その余については棄却する旨の各裁決をした。 対し審査請求をしたところ、同所長は昭和四八年五月一〇日付で同四四年三月分につき、所得税額を前表C欄記載の、不納付加算税を同じくD欄記載の各金額とする一部取消の、その余については棄却する旨の各裁決を 対し審査請求をしたところ、同所長は昭和四八年五月一〇日付で同四四年三月分につき、所得税額を前表C欄記載の、不納付加算税を同じくD欄記載の各金額とする一部取消の、その余については棄却する旨の各裁決をした。2 しかしながら本件各処分は、被告において、原告が当該処分にかかる年月中に定年に達した従業員に支給した金員を、退職金ではなく給与であるとみなしてなしたものであり、右は原告の退職金の性質の判断を誤り、かつ所得税法の解釈を誤つた違法なものであるから、本件各処分の取消を求める。二請求原因に対する認否ならびに被告の主張 1 請求原因第1項は認め、第2項は争う。2 所得税法上の退職所得とは、退職手当金、一時恩給その他の退職により一時に受ける給与及びこれらの性質を有する給与に係る所得をいい(同法三〇条)、ここでいう退職とは雇傭者が自発的にあるいは強制的に、またはいわゆる定年によりその職を去る場合、および職務の内容または職制上の地位の激変があり、実質的にその職を去つたのと同じ状況にある場合をいうのであり、ある給付が退職(手当)金とされるためには原則として社会通念上の退職事実が存することが必要なのである。そして所得税法においては、退職所得に対する課税につき同法三〇条二項以下によつて特別の優遇措置がとられているのであり、これは退職金が退職時に一時に支給され、通常これが失業手当、勤務に対する謝礼金的性質とともに雇傭契約に基づく役務提供に対する対価としての給与の一部後払たる性質を有していることから、長期間の累積所得に対する超過累進税率の適用の不合理性を是正するとともに、退職者の老後の生活を支える機能を有する資金に軽課して、民生安定を課税面からも実施しようという政策的趣旨によるものである。3 ところで原告は別紙第一目録A欄記載の者に対し、B欄記載の年月日に もに、退職者の老後の生活を支える機能を有する資金に軽課して、民生安定を課税面からも実施しようという政策的趣旨によるものである。3 ところで原告は別紙第一目録A欄記載の者に対し、B欄記載の年月日にC欄記載のとおりの金員を退職金と称して支給した。これは原告の就業規則により定められている定年である勤続満一〇年に達した従業員に対して、同規則および退職金規程に従つて支給されたものである。 B欄記載の年月日に もに、退職者の老後の生活を支える機能を有する資金に軽課して、民生安定を課税面からも実施しようという政策的趣旨によるものである。3 ところで原告は別紙第一目録A欄記載の者に対し、B欄記載の年月日にC欄記載のとおりの金員を退職金と称して支給した。これは原告の就業規則により定められている定年である勤続満一〇年に達した従業員に対して、同規則および退職金規程に従つて支給されたものである。しかし、右支払を受けた従業員はその後も原告に勤務を続けており、勤務条件、定期昇給、年次有給休暇の算定、社会保険の加入等において何らの変化もみられない。4 すると、原告の定年制度は雇傭契約の一応の継続期間を示したものにすぎず、右期間経過毎に支給される給付は退職金という名目ではあるがその実質は、社会通念上承諾されているところの退職金ではなく、また前記退職所得課税に関する立法趣旨からいつても、これに対し所得税法上の退職所得として、優遇措置を認められるべきものではない。5 従つて前記給付は給与所得と解すべきものであるから、原告には右給与につき所得税の源泉徴収をし、かつこれを納付すべき義務があるにもかかわらず原告がこれをなさなかつたので、被告は別紙第一目録D欄記載の各給与に対する源泉徴収税額の該当年月分の合計額(E欄)につき、本件処分をなしたものである。三被告の主張に対する原告の反論 1 被告の主張第3項のうち、原告が被告主張のとおり各従業員に金員を支給した事実は認めるが、その余の被告の主張は全て争う。2 被告は原告の定年制度を雇傭契約の一応の継続期間を示したものにすぎないと主張するが失当である。すなわち、原告の現行の就業規則では定年を満五五才または勤続満一〇年に達した者と定め、例外的に一定の事由のある場合には再雇傭するという制度を採用している。これは昭和四〇年九 と主張するが失当である。すなわち、原告の現行の就業規則では定年を満五五才または勤続満一〇年に達した者と定め、例外的に一定の事由のある場合には再雇傭するという制度を採用している。これは昭和四〇年九月ころ原告が多額の負債をかかえて会社更正法の適用を申請するなど倒産状態にあつて、会社側では人件費の節減をはかり、従業員の高令化を防ぐ(原告の職種ではさほど熟練を必要としない)などのため、従業員側では会社の先行き不安から退職金を早期に確保するなどの理由により、勤続満一〇年定年制が労使双方で支持された結果採用されるに至つたものである。 のある場合には再雇傭するという制度を採用している。これは昭和四〇年九月ころ原告が多額の負債をかかえて会社更正法の適用を申請するなど倒産状態にあつて、会社側では人件費の節減をはかり、従業員の高令化を防ぐ(原告の職種ではさほど熟練を必要としない)などのため、従業員側では会社の先行き不安から退職金を早期に確保するなどの理由により、勤続満一〇年定年制が労使双方で支持された結果採用されるに至つたものである。そして前記の金員は右の勤続満一〇年による定年に達した者に対し、正に退職金として支給されたものである。ただ被告主張の者(別紙第一目録A欄)が原告に引き続き勤務しているのは、恒常的な若年労働者の不足のため、前記就業規則の例外規定に従つて定年退職者を再雇傭せざるを得なかつたためであつて、被告のいうように右規則が単に雇傭期間の一応の継続期間を示しているだけで、再雇傭が原則となつているわけでは決してないのであり、現に右の定年後そのまま退職したものもいるのである。3 また所得税法上の退職金は必ずしも社会通念上の退職時に支払われる給付のみを対象としているわけではなく、退職金規程が改正され、定年が延長された場合に旧定年に達した者に対して退職金が打切支給される場合の給付も、同法上退職所得と認められているのである。従つて本件の給付のように勤続満一〇年の定年に達した者に退職金として支給され、その後再雇傭された場合にその後の退職金の算定につきそれ以前の雇傭期間が一切加味されないという制度の下では、前記各従業員に支給された金員は所得税法上退職金として扱われるべきである。四原告の反論に対する被告の再反論原告が、その反論第3項で主張する定年 以前の雇傭期間が一切加味されないという制度の下では、前記各従業員に支給された金員は所得税法上退職金として扱われるべきである。四原告の反論に対する被告の再反論原告が、その反論第3項で主張する定年制延長の際の打切支給の場合においても、所得税法上退職所得と認められるのは、その定年が社会通念上相当であり、その実質からみて退職所得としての性格を有するものと認められる場合に限られるのであつて、原告の定年制は既に主張したように単なる一〇年という計算上の区切りにすぎず、何ら実質的な退職があつたとは認められないものであるから、満一〇年で支給される金員は退職金ではない。○ 理由一、請求原因第1項の事実、および原告が就業規則ならびに退職金規程に基づいて、勤続満一〇年の定年に達した別紙第一目録A欄記載の者に対し、B欄記載の年月日にC欄記載の金額を退職金という名目で支給した事実は当事者間に争いがない。 告の定年制は既に主張したように単なる一〇年という計算上の区切りにすぎず、何ら実質的な退職があつたとは認められないものであるから、満一〇年で支給される金員は退職金ではない。○ 理由一、請求原因第1項の事実、および原告が就業規則ならびに退職金規程に基づいて、勤続満一〇年の定年に達した別紙第一目録A欄記載の者に対し、B欄記載の年月日にC欄記載の金額を退職金という名目で支給した事実は当事者間に争いがない。二、本件の争点は、要するに右の各金員が所得税法上の退職所得に該当するものであるか否かであり、被告は、原告の勤続満一〇年定年制が雇傭契約の一応の継続期間を示したものに過ぎず、一〇年後も引き続き勤務を続ける従業員が殆んどであるから、右期間経過毎に支給される「退職金」なる金員は所得税法上退職所得とは認められない旨主張するので、まず原告の右定年制について検討する。1 成立に争いのない甲第一、第二号証、乙第一号証の一ないし七、第二、第三号証、原告代表者本人尋問の結果真正に成立したと認められる甲第三、第四号証、証人Aの証言、原告代表者本人尋問の結果および弁論の全趣旨を総合すると次の事実が認められる。原告は従来従業員の満五五才定年制を実施しており、定年時に支給する退職金を退職時の基本給に勤続年数を乗じた額としていたが、勤続年数が一〇年を越えた場合は一律一〇年分として と次の事実が認められる。原告は従来従業員の満五五才定年制を実施しており、定年時に支給する退職金を退職時の基本給に勤続年数を乗じた額としていたが、勤続年数が一〇年を越えた場合は一律一〇年分として計算されることになつていたため、従業員の間でかねてから不満が多く、退職金規程を改正して勤続年数に応じた退職金の支給を要求する声が高まつていた。ところが原告は昭和四〇年ころから経営が行き詰まり、多額の負債をかかえて同年九月会社更正法の適用を申請するに至り、同年一一月Bが管財人となつて更生計画をたて、これが認可されて後、同人が代表取締役社長に就任し、会社再建を進めることになつた。このような状況の下で、従業員側は、右Bとの話し合いの中で、前記の要望通りに退職金規程が改正されても会社がいつ倒産するかわからない状況ではそれは画餅に等しいものであり、それよりもむしろ勤続満一〇年で定年とし、その時点で退職金を支給してもらい、その後引き続き勤務する場合は再雇傭という形にして欲しい旨の要望をなすに至つた。 、これが認可されて後、同人が代表取締役社長に就任し、会社再建を進めることになつた。このような状況の下で、従業員側は、右Bとの話し合いの中で、前記の要望通りに退職金規程が改正されても会社がいつ倒産するかわからない状況ではそれは画餅に等しいものであり、それよりもむしろ勤続満一〇年で定年とし、その時点で退職金を支給してもらい、その後引き続き勤務する場合は再雇傭という形にして欲しい旨の要望をなすに至つた。他方会社側も右の勤続一〇年定年制を実施すれば、高令者に対する多額の給与負担を免れることになるうえ、さほど熟練を要しない職種であるから永年勤続者が退職しても会社運営に支障を来すおそれも少なく、さらに原告のような中小企業では満五五才の定年まで働いてもらうよりも四〇才前後で独立させてやるように指導していく方が本人のためにも良く、その意味で一つの区切りとして、また一つの目標として、一〇年定年制を実施する方が望ましいとの判断に到達した。かくして労使双方の意向が合致したので、勤続満一〇年定年制を実施することとなり、まず昭和四三年一〇月二一日実施の退職金規程上にこれが盛りこまれ、ついで同四五年一一月一六日就業規則が改正され、その二八条で「従業員の停年は満五五才とする。又は勤 満一〇年定年制を実施することとなり、まず昭和四三年一〇月二一日実施の退職金規程上にこれが盛りこまれ、ついで同四五年一一月一六日就業規則が改正され、その二八条で「従業員の停年は満五五才とする。又は勤続満一〇年に達したもの。ただし停年に達した者でも業務上の必要がある場合、会社は本人の能力、成績、および健康状態などを勘案して選考のうえ、あらたに採用することがある。」と規定されるに至つた。そして右退職金規程により勤続満一〇年に達した別紙第二目録A欄記載の者に対し、順次B欄記載の日時に退職金を支給した。そしてそのうちC、Dは右支給後ほどなく退職したが、その余の従業員は原告に引き続き勤務し、これらの者の役職、給与、有給休暇の算定等には変化がなく、また社会保険の切りかえもなされなかつたが、右の者のうちその後に再び退職したE、F、G、H、Iについての新たな退職金の算定には、前記一〇年間の勤続年数は加味されていなかつた。2 ところで所得税法は三〇条一項で、「退職所得とは、退職手当、一時恩給その他の退職により一時に受ける給与及びこれらの性質を有する給与に係る所得をいう。 原告に引き続き勤務し、これらの者の役職、給与、有給休暇の算定等には変化がなく、また社会保険の切りかえもなされなかつたが、右の者のうちその後に再び退職したE、F、G、H、Iについての新たな退職金の算定には、前記一〇年間の勤続年数は加味されていなかつた。2 ところで所得税法は三〇条一項で、「退職所得とは、退職手当、一時恩給その他の退職により一時に受ける給与及びこれらの性質を有する給与に係る所得をいう。」と規定し、給与所得の金額がその年中の給与等の収入金額から給与所得控除額を控除した残額とされている(同法二八条二項)のに対し、退職所得の金額はその年中の退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額の二分の一に相当する金額とされており(同法三〇条二項)、右の退職所得控除額は勤務年数に応じて逓増する(同条三項)とともに、退職所得は総所得金額とは分離して課税される(同法二二条一項)。このように退職所得を給与所得と区別して特に優遇する措置が認められているのは、退職手当が、通常退職金時に一時に支給されるものであり、その支給内容も通常在職年数に比例し、かつこれが失業手当ないし退職後の生活資 に退職所得を給与所得と区別して特に優遇する措置が認められているのは、退職手当が、通常退職金時に一時に支給されるものであり、その支給内容も通常在職年数に比例し、かつこれが失業手当ないし退職後の生活資金および在職期間の勤務に対する謝礼金的性質とともにその間の労働力提供の対価としての給与の一部後払い的性質を有するものであることから、このような退職時に一時に実現した長期間の累積所得たる退職所得に対して累進税率を適用し、あるいは他の年間所得と総合して累進税率を適用することは、一般の給与として支給した場合に比して重い課税をすることになり、課税負担の公平を害するだけでなく、退職者の退職後の生活のための資金を圧迫することにもなり、社会政策的に妥当でないからである。従つて使用者から被傭者に対して支給された金員が所得税法上の退職手当(退職金)に該当するためには、原則としてそれが被傭者の退職、すなわち雇傭契約の終了に伴い、退職者に支給されるものであることを要する。しかしこの場合、被傭者が常に事業主体から完全に離脱しこれと絶縁することを要するものと解すべきではなく、例えば被傭者が一旦退職金名義の金員の支給をうけたのち引続き雇傭関係を継続している場合であつても、当該退職金が支給されるに至つた経緯など特段の事情があるときは、前記退職所得の制度趣旨に照しこれを税法上の退職所得と認めるべき場合が存するのであつて、現に所得税基本通達(昭和四五年七月一日直審(所)三〇)三〇ー二によれば、いわゆる定年に達した後引き続き勤務する使用人に対し、その定年に達する前の勤続期間にかかる退職手当として支払われる給与で、その給与が支払われた後に支払われる退職手当の計算上その給与の計算の基礎となつた勤続期間を一切加味しない条件の下に支払われるものもまた退職手当として取り扱うことになつて 所得と認めるべき場合が存するのであつて、現に所得税基本通達(昭和四五年七月一日直審(所)三〇)三〇ー二によれば、いわゆる定年に達した後引き続き勤務する使用人に対し、その定年に達する前の勤続期間にかかる退職手当として支払われる給与で、その給与が支払われた後に支払われる退職手当の計算上その給与の計算の基礎となつた勤続期間を一切加味しない条件の下に支払われるものもまた退職手当として取り扱うことになつて 手当として支払われる給与で、その給与が支払われた後に支払われる退職手当の計算上その給与の計算の基礎となつた勤続期間を一切加味しない条件の下に支払われるものもまた退職手当として取り扱うことになつているのである。3 これを本件についてみると、前記認定のように、原告の勤続満一〇年定年制は、一般にみられる定年制と比較して特異なものであり、また一〇年に達したとして退職金の支給を受けた従業員の大半が改めて明示の雇傭契約を締結することなく引き続き原告に勤務しており給与、役職等について何らの変化もない。しかしながら他方、右の定年制が就業規則に明記されている以上、従業員には一〇年に達した後引き続き雇傭されることを会社に要求する当然の権利はなく、再雇傭については原則として会社に選択権があるといわざるをえない。もつとも前記のように定年者の大半が引き続き原告に勤務しているが、これは原告代表者本人尋問の結果によれば、労働市場において退職者にかわるべき若い労働力を確保できなかつたことと、会社の主力になつて働くべき者が多く含まれていたことによるものであることが認められ、新たに明示の雇傭契約を結んでいない点についても、会社と被傭者間に黙示の再雇傭契約が締結されたものと解することができ、更に勤務条件等が変化していないことについても、原告代表者本人尋問の結果によれば、一〇年定年制採用当初の事務的な不慣れが原因であつたものであり、現在では明確に区切りをつけていることが認められる。これらの点、そして特に原告の定年制が、租税回避の目的で設定されたものではなく、前記認定のように原告の倒産状態からの再建過程にあつて労使双方の一致した意見により採用されたという特殊事情を総合すると、原告の従業員の勤続満一〇年定年制に基く退職は、その後の再雇傭の如何にかかわらず社会一般通念上も退職 倒産状態からの再建過程にあつて労使双方の一致した意見により採用されたという特殊事情を総合すると、原告の従業員の勤続満一〇年定年制に基く退職は、その後の再雇傭の如何にかかわらず社会一般通念上も退職の性格を有するものと認めるのが相当である。 使双方の一致した意見により採用されたという特殊事情を総合すると、原告の従業員の勤続満一〇年定年制に基く退職は、その後の再雇傭の如何にかかわらず社会一般通念上も退職 倒産状態からの再建過程にあつて労使双方の一致した意見により採用されたという特殊事情を総合すると、原告の従業員の勤続満一〇年定年制に基く退職は、その後の再雇傭の如何にかかわらず社会一般通念上も退職の性格を有するものと認めるのが相当である。そして、原告が別紙第一目録A欄記載の者に支給した「退職金」は、まさに右の満一〇年の定年に達した者に一時に支給されたものであること、また、引き続き再雇傭された右の者のうち、その後実際に退職するに至つた者に対する新たな退職金の計算については、再雇傭前の一〇年の勤続期間が一切加味されていないこと、および前記の所得税法上の退職所得の制度趣旨、前記通達等に鑑みると、本件「退職金」は、所得税法上給与所得とすべきものではなく、退職所得に該当するものと認むべきである。三、結論以上の次第で、原告が別紙第一目録A欄記載の者に対して支給した金員を給与所得であるとしてなされた被告の本件各処分は、結局すべて違法なものといわざるをえず、これの取消しを求める原告の請求はいずれも理由がある。よつて原告の請求を認容することとし、訴訟費用の負担につき民訴法八九条を適用して主文のとおり判決する。(裁判官奥村正策寺崎次郎山崎恒)別紙(省略)
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