昭和25(れ)53 賍物運搬,同牙保

裁判年月日・裁判所
昭和25年4月11日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人鍛治利一の上告趣意は別紙書面記載のとおりであつて之に対する当裁判所 の判断は次のとおりである。  第一点について。

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判決文本文2,087 文字)

主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人鍛治利一の上告趣意は別紙書面記載のとおりであつて之に対する当裁判所の判断は次のとおりである。 第一点について。 然し乍ら原判決は、被告人がAから同人等が盗んできた判示のダツトサン小型自動車一台の売却方を依頼されその盗品たるの情を知り乍ら之を承諾しBを呼んできて同人に右ダツトサン一台をなるたけ高価に売却してくれるようにと依頼し、こゝに同人と共謀の上、之をC、Dに代金五万五千円で売却周旋してやつたという事実を認定しているのである。そうして、所論の被告人がAの依頼を受け同人のBに対する右売却依頼の意思表示を機械的に伝達したものに過ぎなかつたとの事実は原判決の認定しなかつたところであるばかりでなく、被告人がAの依頼によりBを呼んできたとしても、同人はBに対して判示のダツトサン一台をなるたけ高価に売却してくれるようにと、更らに依頼したものであることは挙示の証拠により明らかであるから被告人の判示第一の一の所為が売買の周旋行為に該当すること勿論である。 論旨は理由がない。 第二点について。 然しながら、原判決はその挙示引用の証拠に依て、被告人とBが共謀の上、Aの依頼に依り判示のダツトサン一台の売却方周旋したという事実を認定しているのであつて、原審挙示の証拠による右認定が実験則に違背するものとはいえないのである。してみれば、被告人が右Bの売却斡旋の行為に直接関与しなかつたこと、所論のとおりであつたとしても、被告人としてはその共謀者たるBに依て遂行せられた判示第一の一の賍物牙保の行為の責任を免れないこと当然である。論旨は原審の認- 1 -定しなかつた事実に基いて論をなすものであつて採用に値しない。 第三点について。 成る程、原判決は、被告人に対する検事の聴取書中 牙保の行為の責任を免れないこと当然である。論旨は原審の認- 1 -定しなかつた事実に基いて論をなすものであつて採用に値しない。 第三点について。 成る程、原判決は、被告人に対する検事の聴取書中の同人の供述記載の中、判示第一の二の乗用自動車に関する部分を省略して摘示しているのであるが、判示第一の一のダツトサンの売却周旋の事実と、第一の二の乗用自動車の運搬の事実とは別個独立の事実であつて、而も右検事の聴取書に依れば、被告人はこの両者の場合ともAは真夜中に車を持つてきたり、車のある所え被告人を連れていつたりして而も売主の名前も云はず、売値も云はなかつたのであるから被告人としては怪しい物である事を感ずかねばならぬ筋合で、殊にダツトサンの場合は車の前の硝子に、判示の組合の名が書いてあることをAが車を持つてきた折気付いたので、それが同人の物でないことは判つていたというのであるから、原判決が右被告人の検事に対する供述記載の中判示第一の二に関する部分を省略して摘録しても証拠の趣旨に反して被告人の供述記載を引用したとの非難は当らない。そうして又右の「怪しい物である事を感ずかねばならぬ筋合であります」とある部分は、必ずしも他人の想像を述べた趣旨のものと解すべき理由はなく、被告人も感ずいて居たという意味をふくむものと解し得るからこの点の論旨も理由がない。 次に原判決は被告人の判示知情の点は、所論の被告人の検事に対する供述記載丈けで認定したものではなく、その挙示引用の各証拠を綜合して認定しているのであつて右認定が実験則に反するものとはいえない。論旨は結局原判決の引用しなかつた証拠に基くか或ひは原判決引用の証拠の趣旨を殊更被告人の利益に解釈して原判決の事実認定を攻撃するに帰するから理由がない。 第四点について。 成る程原判決引用の原審第一回公判調書中A 引用しなかつた証拠に基くか或ひは原判決引用の証拠の趣旨を殊更被告人の利益に解釈して原判決の事実認定を攻撃するに帰するから理由がない。 第四点について。 成る程原判決引用の原審第一回公判調書中Aの供述に依れば判示第一の二の乗用自動車一台を大阪市a区bc南方の畑の傍らから判示の場所迄運転移動させたのは- 2 -Aであつたことは所論のとおりであるが原判決は、被告人が同人から右自動車の運搬方依頼され之を承諾して右自動車の助手席に乗り込んでAの運搬行為に協力加功した事実を以て同人と共に該贓品たる自動車を運搬したものと認定した趣旨であること、原判決の事実摘示とその引用の証拠とを対照して読めばわかるのである。そうして右被告人の所為が贓物の運搬にあたること勿論であるから論旨は理由がない。 第五点について。 然し乍ら原判決は被告人の判示第一の二の所為は刑法第二五六条第二項に該当すると明記しているのであつて、この点の論旨は原判決の誤解に基くものというべく理由がないものである。 よつて、旧刑訴法第四四六条を適用して主文のとおり判決する。 右は裁判官全員の一致した意見である。 検察官橋本乾三関与昭和二五年四月一一日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官長谷川太一郎裁判官井上登裁判官河村又介裁判官穂積重遠- 3 -

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