【DRY-RUN】主 文 本件控訴を棄却する。 当審における訴訟費用は被告人の負担とする。 理 由 主任弁護人南出一雄の陳述した控訴趣意は、記録に編綴の弁護人服部喜一
主文 本件控訴を棄却する。 当審における訴訟費用は被告人の負担とする。 理由 主任弁護人南出一雄の陳述した控訴趣意は、記録に編綴の弁護人服部喜一郎名義の控訴趣意書の記載と同じであるから、これを引用する。 控訴趣意第一及び第二について。 所論は、要するに、被告人か磁石を用いてパチンコ玉の所持を自己に移した点は不正であるけれども、その目的はパチンコ玉を景品交換の用具に供するために一時使用するに過ぎないものでパチンコ玉そのものを領得<要旨>しょうとする意思はないのであるから、窃盗ではなく詐欺未遂罪であるというのである。しかし、不法領得の</要旨>意思とは権利者の物に対する支配を排除し、これを自己の所有物としてその所有権の内容を実現する意思に外ならないから、たとえ目的はパチンコ玉を景品交換の用具に供するにあつたとしても、それは所有者の意思に基かず磁石を用いてパチンコ玉の所持を自己に移すものであり、しかもそのパチンコ玉を景品と交換すると否とは自由であるから、かくの如きは即ちパチンコ玉の所有者の支配を排除してその所有権の内容を実現するものというべく、これを以て所論のように所謂使用窃盗とみるべきではなく、パチンコ玉に対する不法領得の意思が存するものと解するのが相当である。されば、原判決が原判示事実を窃盗罪を以て問擬したのは相当であつて、所論のような擬律錯誤の違法は存しない。論旨は理由がない。 同第三について。 記録を精査し、被告人の経歴、前科関係、本件犯行の動機、態様その他諸般の情状を斟酌考量するに、原判決の量刑を目して重きに失し不当であるとは認め難い。 論旨は理由がない。 よつて、刑事訴訟法第三百九十六条により本件控訴を棄却すべきものとし、なお当審における訴訟費用の負担につき同法第百八十一条 原判決の量刑を目して重きに失し不当であるとは認め難い。 論旨は理由がない。 よつて、刑事訴訟法第三百九十六条により本件控訴を棄却すべきものとし、なお当審における訴訟費用の負担につき同法第百八十一条第一項を適用して、主文のとおり判決する。 (裁判長裁判官鈴木禎次郎裁判官蓮見重治裁判官細野幸雄)
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