平成28(ワ)2346 国家賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
平成31年1月30日 京都地方裁判所
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判決文本文24,690 文字)

主文 1 被告は,原告Aに対し,45万1550円及びこれに対する平成26年2月20日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告は,原告Bに対し,10万6073円及びこれに対する平成26年2月20日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は,原告Aに生じた費用の7分の6及び被告に生じた費用の11分の9を原告Aの負担とし,原告Bに生じた費用の5分の2及び被告に生じた費用の55分の1を原告Bの負担とし,原告ら及び被告に生じたその余の費用を被告の負担とする。 5 この判決は,第1項及び第2項に限り,仮に執行することができる。ただし,被告が原告Aに対し34万円,原告Bに対し8万円の担保を供するときは,その仮執行をそれぞれ免れることができる。 事実及び理由 第1 請求 1 被告は,原告Aに対し,312万5501円及びこれに対する平成26年2月20日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告は,原告Bに対し,16万0789円及びこれに対する平成26年2月20日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 訴訟物等本件は,平成26年2月20日午後1時30分頃,原告Aが京都市道上において普通自動二輪車(以下「本件車両」という。)で転倒した事故(以下「本件事故」という。)は,道路の管理に瑕疵があったために発生したとして,原告Aが,道路の管理者である被告に対し,国家賠償法(以下「国賠法」という。)2条1項に基 づき,損害賠償金316万3001円のうち312万5501円及びこれに対する不法行為日(本件事故日)である平成26年2月20日から支払済みまで民法所定の年5分の割合に いう。)2条1項に基 づき,損害賠償金316万3001円のうち312万5501円及びこれに対する不法行為日(本件事故日)である平成26年2月20日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求め(第1事件),本件車両の所有者である原告Bが,本件事故により本件車両が損傷したとして,被告に対し,国賠法2条1項に基づき,損害賠償金16万0789円及びこれに対する平成26年2月20日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた(第2事件)事案である。 2 前提事実(当事者間に争いがないか,後掲各証拠又は弁論の全趣旨により認められる。)⑴ 本件事故の発生(原告Aの年齢,穴ぼこの形状及び打撲部位につき,甲1,乙1~3,6,7,原告A本人。その余は当事者間に争いがない。)ア日時平成26年2月20日午後1時30分頃イ場所京都市a 区b 町c 番地先京都市道(以下「本件道路」という。)。本件道路及びその周辺の状況は,別紙のとおりであった。 ウ事故車両普通自動二輪車京都せ6973(本件車両)運転者:原告A(昭和30年7月3日生,本件事故時58歳)所有者:原告B(原告Aの子である。)エ事故態様原告Aが本件車両で本件道路を西向きに走行中,本件道路上に存在した穴ぼこ(東西の幅約65cm,南北の幅約50cm,深さ約6.5cm。以下「本件穴ぼこ」という。)に本件車両の前輪がはまり転倒し,原告Aは右頭部及び体の右側を道路に打った。 ⑵ 責任原因本件道路に本件穴ぼこが存在していたことについて,被告による道路の管理に瑕疵(国賠法2条1項)があった(当事者間に争いがない。)。 ⑶ 原告Aの通院状況原告Aは,本件事故により傷害を負ったとして,以下の傷病名 存在していたことについて,被告による道路の管理に瑕疵(国賠法2条1項)があった(当事者間に争いがない。)。 ⑶ 原告Aの通院状況原告Aは,本件事故により傷害を負ったとして,以下の傷病名で次のとおり 通院した(ただし,本件事故との因果関係に争いがある。)。 ア医療法人きらめき会大井整形外科(以下「大井整形」という。甲2の1)頚椎捻挫,右膝・頭部・右肘打撲,耳鳴平成26年2月21日から平成27年1月31日まで(実通院日数201日)イ医療法人社団堀部耳鼻咽喉科医院(以下「堀部医院」という。甲3の1)左感音難聴,左耳鳴平成26年3月31日から平成27年2月4日まで(実通院日数36日)ウ京都市立病院(甲4の1)左難聴,左耳鳴平成26年5月13日から同年6月9日まで(実通院日数5日)エ京都第二赤十字病院(甲5の1)左難聴,左耳鳴平成27年4月10日から同年5月8日まで(実通院日数3日)⑷ 原告Aの後遺障害(ただし,本件事故との因果関係に争いがある。)ア大井整形のC医師は,平成27年1月31日,同日を症状固定日として,次の内容の後遺障害診断書を作成した(甲6)。 [傷病名]頚椎捻挫,耳鳴,頭部打撲[自覚症状]頚部痛,耳鳴,両手しびれ,肩こり感イ京都第二赤十字病院のD医師は,平成27年7月9日,同年5月8日を症状固定日として,次の内容の後遺障害診断書を作成した(甲7)。 [傷病名]左難聴,左耳鳴[自覚症状] 左側高音感音難聴に伴う耳鳴が常時ある。 ウ原告Aは,損害保険料率算出機構の事前認定により,左耳鳴に伴う難聴については自動車損害賠 ]左難聴,左耳鳴[自覚症状] 左側高音感音難聴に伴う耳鳴が常時ある。 ウ原告Aは,損害保険料率算出機構の事前認定により,左耳鳴に伴う難聴については自動車損害賠償保障法施行令別表第二の12級相当(以下,等級のみを記載する。),頚椎捻挫後の頚部痛,両手しびれ等の症状については14級9号に該当し,併合12級との後遺障害認定を受けた(甲10)。 ⑸ 既払金原告Aは,原告Bが保険契約を締結していた東京海上日動火災保険株式会社から人身傷害保険金として459万0791円,労働者災害補償保険(以下「労災」という。)から療養補償給付として89万4803円,休業補償給付として205万2000円,障害一時金として156万円の合計909万7594円を受領した(保険契約者につき甲15。その他は当事者間に争いがない。)。 3 争点及び当事者の主張⑴ 争点⑴-過失相殺(被告の主張)本件道路は非常に見通しの良い直線道路であり,本件事故が午後1時30分に発生し,天候が晴れであったことを考慮すると,自動二輪車の運転手にとって本件穴ぼこを発見し,これを回避することは容易であった。本件事故以前に本件穴ぼこで事故が発生した事実は確認されていない。また,原告Aは,本件事故当時,本件道路の近隣に居住し,本件道路を頻繁に通行しており,本件事故の発生以前から本件穴ぼこの存在を把握していた可能性は非常に高く,把握していたことを前提に過失割合が判断されるべきである。原告Aは,本件道路を通行した経験がほとんどなく,本件穴ぼこの存在を認識していなかった旨供述しているが,①本件事故当時の居所に関する原告Aの供述は不自然に二転三転しており,本件事故当時肩書住所地の知人宅に居住していた旨の原告Aの供述は信用し難く 本件穴ぼこの存在を認識していなかった旨供述しているが,①本件事故当時の居所に関する原告Aの供述は不自然に二転三転しており,本件事故当時肩書住所地の知人宅に居住していた旨の原告Aの供述は信用し難く,原告Aは本件事故当時も本件道路のごく近くであるd に居住していたと考えられること,②原告Aの述べる出発地(仕事先)と目的地(前記 知人宅)からして本件道路を通行する理由はなく,事故発生届に「自宅先にあるガレージ」が目的地であった旨記載されていることからすれば,目的地はd先の本件車両のガレージであったと考えられること,③原告Aが本件道路を通行した理由(普段から通行しているe 川の北側道路を直進してf 通に到達した際,g 通とf 通の交差点の信号が赤であったから,左折せずに本件道路を直進した。)が真実であれば,原告Aは本件事故以前にも前記知人宅に行く際に本件道路を通行する機会があったと考えられることから,一切信用できない。 そうすると,原告Aは,本件事故当時,脇見運転を行うなど,著しい前方不注視があったものと考えられ,本件事故の主たる発生原因は原告Aにあるから,少なくとも7割の過失相殺がされるべきである。 (原告らの主張)本件穴ぼこは,公園の出入り口の目の前にあるため,本件道路を走行する車両の運転手は,公園から道路に飛び出す児童の有無に注意をする必要があり,運転手にとって本件穴ぼこの発見が容易であるとはいえない。また,原告Aは,本件道路の近隣に居住していたが,本件道路を通行した経験はほとんどなく,本件事故当時,本件穴ぼこの存在を認識していなかった。 以上より,原告Aに前方不注視の過失があるとしても,過失割合は3割を超えることはない。 ⑵ 争点⑵-左耳鳴及び感音性難聴の発生,本件事故と後遺障害との間の ぼこの存在を認識していなかった。 以上より,原告Aに前方不注視の過失があるとしても,過失割合は3割を超えることはない。 ⑵ 争点⑵-左耳鳴及び感音性難聴の発生,本件事故と後遺障害との間の因果関係(原告Aの主張)ア左耳鳴等の発生本件事故により,原告Aは右側頭部を打撲して内耳振盪を生じ,contrecoupinjury(反衝損傷,反動損傷)により,打撲した右側頭部とは反対側の左耳に耳鳴及び感音性難聴(以下「左耳鳴等」という。)が生じた。 イ本件事故と後遺障害との間の因果関係 頚部痛・両手のしびれ原告Aは,前記第2の2⑶⑷記載のとおり,本件事故により頚部痛及び両手のしびれを発症し,14級9号に該当する後遺障害が残存した。 左耳鳴等原告Aは,本件事故以前に難聴・耳鳴を感じたことはなく,これを理由に耳鼻咽喉科を継続して受診したこともない。原告Aに残存した左耳鳴等は,本件事故により生じたものであり,これは前記第2の2⑷記載のとおり12級に相当する。 被告は,原告Aの左耳鳴等は,本件事故において生じたものではなく慢性中耳炎の悪化により生じたものであると主張するが,慢性中耳炎の治療を開始した平成26年5月27日時点でも内耳まで炎症が波及していた可能性は低いとされ,左耳鳴等が継続していた同年6月9日時点では外耳道の炎症所見は改善していた。また,原告Aは本件事故以前に左耳鳴等の症状はなく,その治療歴も存在しない。したがって,左耳鳴等は慢性中耳炎の悪化により生じたものではなく,被告の主張は失当である。また,被告が信用性を争うピッチ・マッチ検査及びラウドネスバランス検査は,労災における後遺障害認定に供するための検査として指定されているものであるし,自賠 じたものではなく,被告の主張は失当である。また,被告が信用性を争うピッチ・マッチ検査及びラウドネスバランス検査は,労災における後遺障害認定に供するための検査として指定されているものであるし,自賠責の後遺障害等級認定に際しては,同検査のみならず受傷機転や症状経過が考慮されており,それらに基づく等級認定は合理的である。 (被告の主張)ア本件事故と原告Aの頚部痛・両手のしびれとの間に因果関係は認められない。 イ本件事故と左耳鳴等との間には因果関係が認められない。その理由は次のとおりである。 ①慢性中耳炎は難聴及び耳鳴の原因となる疾患であるところ,平成26年 5月22日に撮影された原告Aの側頭部のCT検査では,左側の乳突蜂巣が白く写り,発達不良が認められ,これは中耳炎等の炎症が繰り返し起こることによる組織の癒着が原因となるものであるから,原告Aは,本件事故以前から慢性中耳炎の疾患を有し,かつ当該疾患を繰り返し発症していたと推察されること,②慢性中耳炎の症状として耳漏が挙げられるところ,原告Aは本件事故以前から左耳漏があったと述べていること,③慢性中耳炎の急性増悪は,アルコールの影響を受けて発症することが多いが,原告Aは毎日500ml のビール2本を飲んでいたこと,④右側頭部打撲を原因とする耳鳴は通常右耳に生じるが,原告Aの耳鳴は反対側の左耳に生じていること,⑤本件事故後に行われたCT検査では,原告Aの左耳に骨折等の外傷性変化がなく,神経学的所見としても異常がなかったこと,⑥耳鳴の認定のために行われたピッチ・マッチ検査及びラウドネスバランス検査は本人の自覚症状を述べるものに過ぎず,信用できないこと,⑦原告Aの主張するcontrecoupinjuryは外耳道のように骨や軟骨で構成される器官 たピッチ・マッチ検査及びラウドネスバランス検査は本人の自覚症状を述べるものに過ぎず,信用できないこと,⑦原告Aの主張するcontrecoupinjuryは外耳道のように骨や軟骨で構成される器官に異常を生じさせるものではないこと,⑧内耳振盪症の場合,外傷による一時的な意識障害の後に難聴・耳鳴・めまいといった症状が発症するが,この場合における聴力障害は数日から数箇月程度で回復することが通常であること,⑨本件事故による転倒の際,頭部で爆発音がしてキーンという耳鳴が常時生じるようになった旨の原告Aの供述は,耳鳴の治療開始が平成26年3月28日であること等に照らして信用できないことからすれば,原告Aに生じた左耳鳴等は,本件事故により生じたものではなく,本件事故以前から存在した慢性中耳炎の急性増悪により生じたものである。 ⑶ 争点⑶-原告Aの損害及びその額(原告Aの主張)ア治療費 91万5793円原告Aは,前記第2の2⑶記載のとおりの傷害を負って通院し,上記治療 費を要した。 イ通院交通費 2876円ウ文書料・画像取得費用 7080円エ休業損害 345万円原告Aは,本件事故前には個人で造園業を営んでいたが,本件事故により受傷したことから平成26年2月21日から平成27年1月31日まで345日間の休業を余儀なくされた。そして,給付基礎日額の60%が支払われる労災の休業補償給付として約12箇月で205万2000円が支給されていたこと,本件事故前には平均して1箇月20万円程度の支出があったことからすれば,原告Aの基礎 て,給付基礎日額の60%が支払われる労災の休業補償給付として約12箇月で205万2000円が支給されていたこと,本件事故前には平均して1箇月20万円程度の支出があったことからすれば,原告Aの基礎収入は,日額1万円であるといえる。そうすると,原告Aの休業損害としては345万円が認められるべきである。 仮に日額1万円の基礎収入が認められないとしても,原告Aは,本件事故前に,造園業の閑散期である1月から5月までは月額2万円程度,繁忙期である6月から12月までは月額20万円程度の収入を得ていたから,平成26年2月から同年5月まで及び平成27年1月の休業損害は月額2万円,平成26年6月から12月までは月額20万円とすべきである。 オ後遺障害逸失利益 295万6850円原告Aは,本件事故後に親方であったEが死亡してからは,Eから顧客を引き継ぎ,経費を差し引いても,Eの生前と比較して収入は倍増した。そのため,原告Aは,症状固定後には平成27年賃金センサスの高卒男性60~64歳の平均賃金である372万5400円の収入を得られる蓋然性があった。仮に同金額が認められないとしても,少なくとも日額1万円(前記エ)に365日を乗じた365万円を基礎収入額とすべきである。また,原告Aは,頚部痛・両手のしびれ及び左耳鳴等の後遺障害を負い,これは前記第2の2⑷ウのとおり併合12級に該当することから,労働能力を14%喪失しているといえる。そして,原告Aは,症状固定時に60歳であったことから, 67歳までの7年間につき労働能力を前記割合喪失したといえる。 よって,後遺障害逸失利益としては,次のとおり295万6850円を下回ることはない。 3,650,000 円×0.14×5.78 年間につき労働能力を前記割合喪失したといえる。 よって,後遺障害逸失利益としては,次のとおり295万6850円を下回ることはない。 3,650,000 円×0.14×5.7864(7 年のライプニッツ係数)=2,956,850 円カ通院慰謝料 178万8333円原告Aは,本件事故による傷害の治療のため,前記第2の2⑶記載のとおり443日間の通院治療を余儀なくされた。そのため,通院慰謝料は前記金額が相当である。 キ後遺障害慰謝料 280万円原告Aの後遺障害は併合12級であり,後遺障害慰謝料は280万円が相当である。 クヘルメット 3万7500円ヘルメットは原告Aが平成24年11月頃3万7500円で購入したものである。 ケ既払金(前記第2の2⑸のとおり) ▲909万7594円なお,被告主張の素因減額は争う。 コ弁護士費用 30万2163円サ合計 316万3001円これらの損害の一部として312万5501円の支払を求める。 (被告の主張)ア治療費治療費の発生の事実は認めるが,本件事故との因果関係を争う。左耳鳴等は本件事故により生じたものではないし,頚椎捻挫の治療費については,症状固定までの期間が頚椎捻挫の一般的な治療期間と比較して非常に長く,すべての期間において因果関係が認められるわけではない。 イ通院交通費 交通費の発生の事実は認めるが,本件事故との因果関係を争う。 ウ文書料 較して非常に長く,すべての期間において因果関係が認められるわけではない。 イ通院交通費 交通費の発生の事実は認めるが,本件事故との因果関係を争う。 ウ文書料・画像取得費用本件事故との因果関係を争う。 エ休業損害原告Aが造園業に従事していたこと,休業の事実は認め,その余は争う。 原告Aの休業は,専ら同人が事故前に患っていた痛風と別の事故による右膝の傷害によるものであり,本件事故と休業との間の因果関係が認められない。 原告Aは自営業者であり,労災の給付基礎額は,原告Aの申告のみに基づいて算出された可能性があり,基礎収入の額についても立証が尽くされていない。また,原告Aは,平成28年に国民健康保険料の7割を法定減額されており,所得額は年額33万円以下であったといえる。また,平成27年の所得を年額80万円と申告している。原告Aの造園業による収入については,これを裏付ける資料は存在しないため,原告A主張の収入を得ていたとはいえない。 オ後遺障害逸失利益原告Aに生じた後遺障害と本件事故との間の因果関係を争う。基礎収入については前記エのとおりである。 カ通院慰謝料本件事故と通院治療との間の因果関係が認められない。 キ後遺障害慰謝料原告Aに生じた後遺障害と本件事故との間の因果関係を争う。 クヘルメット原告Aは,本件事故後に京都市立病院において,「ヘルメット破損せず。」と発言しているし,ヘルメットが破損したことについての証拠はない。よって,ヘルメットは破損したとは認められない。また,仮にヘルメットが本件 事故により破損していたとしても,購入から1年4箇月が経過していたことからすれば,購入価格と ついての証拠はない。よって,ヘルメットは破損したとは認められない。また,仮にヘルメットが本件 事故により破損していたとしても,購入から1年4箇月が経過していたことからすれば,購入価格と同額が損害として認められることはない。 ケ素因減額原告Aは本件事故以前から慢性中耳炎に罹患していたが,これが本件における損害の発生ないし拡大の一因となっており,公平の観点から,相応の素因減額がされるべきである。 ⑷ 原告Bの損害及びその額(原告Bの主張)本件事故により,原告B所有の本件車両が損傷し,修理費用として16万0789円が生じた。 (被告の主張)修理費用が本件事故により生じたかが不明であり,因果関係が認められない。 第3 争点に対する判断 1 事実経過前記第2の2,後掲各証拠又は弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 ⑴ 本件穴ぼこの存在本件道路及びその周辺の状況は別紙のとおりであり,本件道路は,南北に走るf 西通,f 通と交差する市道であり,その東側も東f 通まで東西に一直線に伸びていた(乙1。以下,本件道路を含むe 川の北側の東西に走る道路を「e川の北側道路」という。)。本件穴ぼこは,本件道路に面したh 公園の出入り口前(別紙の矢印の先の楕円の辺り)に存在しており,その大きさは,東西の幅約65cm,南北の幅約50cm,深さ約6.5cm であり,アスファルトがはがれて土が見えており,本件道路を西進する車両からは比較的見やすい位置・状態のものであった(乙1ないし3)。 被告は,平成22年6月に本件穴ぼこがある箇所の横に存在していた穴ぼこ を補修していたが,その当時には本件穴ぼこは存在しておらず,本件事故に至るまで,本件穴ぼこの存在を認識して 被告は,平成22年6月に本件穴ぼこがある箇所の横に存在していた穴ぼこ を補修していたが,その当時には本件穴ぼこは存在しておらず,本件事故に至るまで,本件穴ぼこの存在を認識していなかった(乙29の1p3)。 ⑵ 本件事故の発生平成26年2月20日午後1時30分頃,原告Aが仕事先からの帰りにe 川の北側道路を直進し,本件道路を時速約30km で西進中,本件穴ぼこに本件車両の前輪がはまり,本件車両ごと右に転倒し,本件車両が原告Aの体より前方に投げ出され,原告Aは右頭部及び体の右側を道路に打ちつけ,道路に擦られた(甲1,乙28,31,原告A本人)。なお,本件事故当時の京都市は晴れており,道路は乾燥していた(乙4,28)。 ⑶ 本件事故後の原告Aの通院状況ア原告A(本件事故当時58歳)は,本件事故当日には軽度の打撲と自己判断して自宅で療養したが,痛みに耐えきれず,翌日の平成26年2月21日,大井整形を受診し,左耳鳴,右手脱力等を訴え(カルテにその旨の記載がある。乙9p2,乙31),C医師から頚椎捻挫,右膝右肘打撲,頭部打撲との診断を受けた。そして,その治療のため,平成27年1月31日まで通院を継続し,頚部痛等に対する消炎鎮痛治療を受けた。(甲2の1ないし7,乙9)イ原告Aは,C医師から,「通院当初から耳鳴を訴えたが,全く改善が見られなかった。」として,平成26年3月28日,堀部医院を紹介された(乙9p9)。なお,この点については,原告Aは,同月10日,被告担当者に対し,「耳鳴が治らないので,先生からは,様子を見て耳鼻咽喉科を受診する必要があるかもしれないと言われた。」と伝えていた(乙29の1p2)。 原告Aは,同月31日,紹介された堀部医院を受診し,耳鳴を訴えて聴力検査を受けたが は,様子を見て耳鼻咽喉科を受診する必要があるかもしれないと言われた。」と伝えていた(乙29の1p2)。 原告Aは,同月31日,紹介された堀部医院を受診し,耳鳴を訴えて聴力検査を受けたが,標準純音聴力検査の結果,左高音(4000Hz,8000Hz)の聴力低下が認められ,左耳の平均聴力レベル(6分法)は31.7dBであった(乙7p12・15,乙9p10・11)。初診時,原告Aは,F医 師に対し,「左耳に耳鳴,たまに右もなる。」,「転倒は右の側頭部を打つ。耳鳴は左の耳。そのときは両方キーンときた。」旨述べた(乙7p15)。 F医師は,以上の診察の結果,C医師に対する診療情報提供書において,病名を「左耳鳴」とし,「聴力検査にて左高音の低下を認め,おそらく事故によるものと思われ,耳鳴で夜中目覚めると眠れないとの訴えもあり,投薬加療することとした。」旨を記載した(乙9p10)。 ウ原告Aは,同年5月13日,堀部医院の紹介で京都市立病院の耳鼻咽喉科を受診し,聴力検査を受けたが,堀部医院とほぼ同等の検査結果となった(乙7p5)。また,同月22日,京都市立病院において耳のCT検査が実施されたが,画像所見では,側頭骨骨折の所見なし,中耳や内耳にも明らかな外傷性変化なし,あえて言えば若干左側にて乳突蜂巣の発達が不良で,慢性中耳炎後などが疑われるとされた。そこで,京都市立病院耳鼻咽喉科のG医師は,原告Aの標準純音聴力検査で左難聴の増悪が認められたこと及び前記CT検査の結果を踏まえ,外傷性の変化よりも慢性中耳炎の急性増悪を考えて治療を開始することとした。(乙7p6・8・9,乙10p13,乙13(枝番も含む。以下同じ。))原告Aの左慢性中耳炎は,同年5月27日の時点で,左鼓膜全体に発赤,前下象限に穿孔,少量の排膿があり,外耳道 始することとした。(乙7p6・8・9,乙10p13,乙13(枝番も含む。以下同じ。))原告Aの左慢性中耳炎は,同年5月27日の時点で,左鼓膜全体に発赤,前下象限に穿孔,少量の排膿があり,外耳道に発赤・腫脹が認められたが,内耳までの炎症波及の可能性は低いとの所見であった(甲32,乙10p4)。 同年6月9日,原告Aの左慢性中耳炎の急性増悪は,治療により外耳道の炎症所見が改善し,排膿は消失して軽快したが,左耳鳴は軽快することなく残存していた(甲32,乙7p10,乙10p5)。G医師は,F医師に対し,同日付診療情報提供書において,中耳炎症状は軽快したが耳鳴は軽快せず,耳鳴に関しては保存的加療を継続するほかない旨を記載して,F医師に引き継いだ(乙7p10)。 エ原告Aは,同年6月24日に堀部医院を再診し,耳の聞こえが以前よりひ どく日常会話も成り立たないほどであると訴え,難聴と耳鳴がひどいと診断された(乙7p16)。 その後も原告Aは左耳鳴を継続的に訴え,処置を受けたが,平成27年1月28日に実施された標準純音聴力検査では,左耳の平均聴力レベル(6分法)は35.0dB であった(乙7p12)。そして,平成27年2月4日までは本件事故の治療として労災の給付を受けて通院し,その後は国民健康保険に切り替えて,少なくとも平成28年8月24日頃まで堀部医院の通院加療を継続していた(甲3,乙7,弁論の全趣旨)。 オ原告Aは,頚部痛,耳鳴,両手しびれ,肩こり感を訴え,大井整形に継続して通院して消炎鎮痛処置や投薬を受けていたが,平成27年1月31日,C医師から症状固定と診断された(甲6,乙9)。 カまた,原告Aは,労災の保険給付の決定を受けるために,同年4月10日から,地方労災医員である京都第二赤 けていたが,平成27年1月31日,C医師から症状固定と診断された(甲6,乙9)。 カまた,原告Aは,労災の保険給付の決定を受けるために,同年4月10日から,地方労災医員である京都第二赤十字病院耳鼻咽喉科のD医師の診察を受けた。そして,同日,同月20日及び同年5月8日施行の標準純音聴力検査では,左側聴力レベルがそれぞれ34.2dB,33.3dB,33.3dB であり,左側聴力レベルは33.3dB であると診断された。さらに,同年4月20日施行の脳性聴幹反応検査では,右側は50dB で明瞭なV波が認められ,左側は70dB で明瞭なV波が認められた。同日実施されたピッチ・マッチ検査では,左側で8000Hz でピッチマッチし,ラウドネスバランス検査は65dB であった。これらの検査所見を踏まえて,D医師は,左側高音感音難聴に伴う耳鳴が常時あるものと考えて医学的に矛盾しないと判断した。 (乙11p1・7・8)以上の経過を経て,原告Aは,左側高音感音難聴に伴う耳鳴が常時あるとして,D医師から,同年5月8日をもって症状固定と診断された(甲7)。 ⑷ 本件事故前後の原告Aの生活状況ア原告Aは,本件事故以前に交通事故により右膝を骨折し,後遺障害の認定 を受けていた(乙10p2,原告A本人)。また,本件事故以前から痛風を患っていた(甲34,乙7p1,原告A本人)。 原告Aは,G医師に対し,本件事故以前から耳漏がある旨申告したものの(乙10p18),少なくとも平成24年6月頃から本件事故までには,耳鼻咽喉科を継続的に受診したことはなかった(甲34,42,弁論の全趣旨)。 イ原告Aは,本件事故前に確定申告及び住民税等の地方税の申告をしていなかった(弁論の全趣旨)。また,平成26年度及び平成27年度は原告 受診したことはなかった(甲34,42,弁論の全趣旨)。 イ原告Aは,本件事故前に確定申告及び住民税等の地方税の申告をしていなかった(弁論の全趣旨)。また,平成26年度及び平成27年度は原告Aに市民税及び府民税は課されていなかった(甲40,41)。さらに,原告Aは,平成28年6月1日に,京都市i 区長に対し,国民健康保険用の所得申告として,平成27年の所得が給与収入80万円であると申告した(甲35)。 ウ原告Aは,本件事故前から造園業を営み,剪定,庭造り,掃除等を行い収入を得ていたが(甲16,原告A本人),本件事故後,平成26年2月21日から平成27年1月31日まで345日間休業しており(争いがない。),労災からその期間の休業補償給付の支払を受けた(甲9)。 原告Aは,本件事故当時,個人で造園業を営んでいたEの下で造園業をしていた。繁忙期である6月から12月までは剪定などで月額20万円程度の収入があったが,閑散期である1月から5月までは月額2万円程度の収入しかなく,その間は同居人の支援を得て生活していた。平成27年2月頃にEが亡くなり,原告Aが同人の仕事(顧客や仕事道具)を引き継いだ。そして,Eの仕事を引き継いだことにより,原告Aの収入はEの生前よりも増加した。 (原告A本人,弁論の全趣旨(原告第4準備書面p3))エ原告Aは,平成26年1月又は同年2月,労災に給付基礎日額1万円で加入し,平成29年5月15日にも保険料として3万0740円を支払っている(甲11,25,原告A本人)。また,原告Aは,平成29年5月の1箇月間に,社会保険料や仕事関係の費用として,少なくとも8万円余りを支出した(甲17~31)。 2 医学的知見⑴ 難聴・耳鳴耳鳴の検査は,通常問診票を使った評価とオージオメーター 月間に,社会保険料や仕事関係の費用として,少なくとも8万円余りを支出した(甲17~31)。 2 医学的知見⑴ 難聴・耳鳴耳鳴の検査は,通常問診票を使った評価とオージオメーターを使った検査を組み合わせて行われる(乙17)。ピッチ・マッチ検査は,耳鳴検査の中で最も基本的な検査であるところ,同検査における耳鳴同定音の長期再現性は良好とされる(甲33)。 頭部又は下顎に直接外力が加えられて一時的に感音性難聴を起こすものを内耳振盪症という。本来の内耳振盪症は数週間内,ごくまれに数箇月間で回復するが,数箇月を過ぎても回復しない例もある。病理学的には,強大音が内耳に障害を与えると同じように,頭蓋の強い振動のため有毛細胞と蓋膜との接触にひずみや離断が起きたり,内耳の中に出血が生じたりして,電解質の素成が異常となり,血管条や血管が一時的に収縮して栄養障害に陥るとの機序による(乙27p496・497)。また,ラセン神経節内の出血や内耳道篩状部の聴神経・平衡神経の裂傷による浮腫,聴覚伝導路での裂傷や出血・浮腫,ライスネル膜や球形嚢膜の裂傷,微少な耳胞の骨折なども原因として考えられる(乙27p497)。 ⑵ contrecoupinjury頭部に対する打撃による衝撃で脳が移動し,頭蓋腔内に陰圧が生じて引っ張られることによる打撃部位と対側の脳や血管の損傷をいう。これにより頭部打撲した側と反対の耳のみに難聴・耳鳴が生じることもあり得るし,両側性のことも多い。両側性の場合には左右の聴力や聴力型に差のある場合も多い。外傷による難聴は一般に外傷を受けた側に生じるが,contrecoupinjury による感音性難聴の場合,外傷を受けた対側により強い難聴が生じる場合もある。 (甲32,乙26,27)⑶ 慢性中耳 は一般に外傷を受けた側に生じるが,contrecoupinjury による感音性難聴の場合,外傷を受けた対側により強い難聴が生じる場合もある。 (甲32,乙26,27)⑶ 慢性中耳炎外耳道最深部に位置する鼓膜を境として外側を外耳,内側を中耳といい,中 耳腔で生じる代表的感染性疾患として急性中耳炎及び慢性中耳炎がある(乙15)。慢性中耳炎の大きな原因の一つは,含気蜂巣の発育が悪いという先天的要素であり,症状としては耳漏,難聴,耳鳴などがあり,耳鳴はない場合も多いが,訴える場合には通常,低音性の耳鳴であり,高音性の耳鳴も可能性はある(甲32,乙16)。 3 争点⑴-過失相殺⑴ 前記1⑴⑵のとおり,本件事故当日は晴れていたこと,本件道路は東西に直線で伸びていること,本件穴ぼこは,東西の幅約65cm,南北の幅約50cm,深さ約6.5cm という比較的大きなものであり,また,アスファルトがはがれて土が見える状態であって,走行車両からは比較的見やすい位置・状態にあったことが認められる。そうすると,時速30km 程度で走行していた原告Aにおいても,本件穴ぼこを発見して回避することは比較的容易であったと評価できるから,本件穴ぼこを回避しなかった原告Aには前方不注視の過失がある。 一方,原告Aは,本件穴ぼこの近隣(別紙のf 通に面する「d」)に少なくとも平成25年9月頃まで居住し,本件事故当時住民票上の住所としていた事実が認められるが(甲1,16,原告A本人),どの程度本件道路を使用していたかは証拠上確定できず,かつ,本件穴ぼこがいつ生じたのかも明らかではない。 そうすると,本件事故の時点で原告Aが本件穴ぼこの存在を認識していたとまでは認めることはできず,原告Aの過失は大きいとはいえない。 以上の かつ,本件穴ぼこがいつ生じたのかも明らかではない。 そうすると,本件事故の時点で原告Aが本件穴ぼこの存在を認識していたとまでは認めることはできず,原告Aの過失は大きいとはいえない。 以上の事実を考慮すれば,原告Aには4割の過失があると認めて過失相殺をするのが相当である。 ⑵ これに対し,原告Aは,本件穴ぼこは,公園の出入り口の目の前にあるため,本件道路を走行する車両の運転手は,公園から道路に飛び出てくる児童の有無に注意をする必要があり,運転手にとって発見が容易であるとはいえないと主張する。確かに,公園から出てくる児童等に注意し,道路上の穴ぼこへの注意が疎かになること自体は否定しがたいが,本件穴ぼこが,見やすい位置にある 比較的大きい穴ぼこであることに鑑みると,前記割合での過失相殺は免れない。 ⑶ 他方で,被告は,原告Aが本件事故の発生以前から本件穴ぼこの存在を把握していた可能性は非常に高く,把握していたことを前提に過失割合が判断されるべきであるなどと主張するが,これを裏付ける的確な証拠はない。原告Aは本件事故以前に本件穴ぼこを認識していた事実はないと供述しており,これを排斥することができない。そうすると,被告の主張は採用できない。 被告は,本件事故当時の居所に関する原告Aの供述が二転三転していること等から,本件穴ぼこの存在を認識していなかった旨の原告Aの供述は信用できない旨主張する。しかし,原告Aの供述が本件事故当時の居所に関して二転三転していること(甲1,16,42,乙31)は,原告ら代理人弁護士に対する供述過程における過誤とも考えられるから,そのことから直ちに原告Aの供述一切が信用できないということにはならないし,本件事故当時の居所について虚偽の供述をしていると認めることもできない(なお,乙24の 述過程における過誤とも考えられるから,そのことから直ちに原告Aの供述一切が信用できないということにはならないし,本件事故当時の居所について虚偽の供述をしていると認めることもできない(なお,乙24の「本件穴ぼこは,本件道路の北側に存在するため,西に向かって走行する際には問題は生じない。原告Aは,本件道路を西向きに走行する機会はあったが,東向きに走行した経験はほどんどなかった。」旨の記載も,本件事故当時,原告Aが本件道路を西進していたことを考慮すれば,誤解・誤記の類と考えられる。)。また,原告Aの述べる出発地と目的地からすれば,必ずしも本件道路を通行する必要はないが(乙32,原告A本人),g 通とf 通の交差点が混雑するのでこれを避けるためe 川の北側道路を通行したという原告Aの供述は不合理とまではいえず,原告Aが作成した事故発生届に「自宅先のガレージ」が目的地であった旨記載されていること(乙31)を考慮しても,本件事故当時,原告Aがd を自宅とし,その先(本件道路の西方)に本件車両のためのガレージを有していたとは認め難く,原告Aが本件道路を日常的に通行していたと認めるべき根拠があるとはいえない。また,原告Aがe 川の北側道路を普段から通行しており(原告A本人p16),本件事故以前に本件道路を通行する機会があったと考 えられるからといって,いつ生じたか不明である本件穴ぼこについて,本件事故当時,原告Aがこれを認識していたとまでは認めることはできない。 4 争点⑵-左耳鳴及び感音性難聴の発生,本件事故と後遺障害との間の因果関係⑴ 左耳鳴等の存在ア前記1⑶カによれば,原告Aは,標準純音聴力検査において30dB を上回る値が認められているため,左耳に難聴があったといえる。また,ピッチ・マッチ検査等により耳鳴があっ 左耳鳴等の存在ア前記1⑶カによれば,原告Aは,標準純音聴力検査において30dB を上回る値が認められているため,左耳に難聴があったといえる。また,ピッチ・マッチ検査等により耳鳴があったといえる。したがって,前記第2の2⑷イ記載のD医師の診断のとおり,原告Aには,平成27年5月8日の症状固定時において,左側高音感音難聴に伴う耳鳴が常時あるものと認定できる。 イ被告は,ピッチ・マッチ検査等は本人の自覚症状を述べるものに過ぎず,信用できない旨主張するが,ピッチ・マッチ検査は耳鳴の検査として最も基本的なものであり,長期再現性もあるとされている他,前記1⑶のとおり標準純音聴力検査で繰り返し聴力低下が確認され,耳鳴の訴えも持続していることからすれば,前記アのとおり認定することができ,被告の主張は採用できない。 ⑵ 本件事故と後遺障害との間の因果関係ア頚部痛等前記1⑵⑶によれば,①原告Aは本件事故により,本件車両ごと右に転倒し,右頭部及び体の右側を道路に打ち付けたこと,②本件事故の翌日に大井整形を受診して頚椎捻挫と診断され,その後,大井整形において継続的に頚部痛等に対する消炎鎮痛処置等を受けたが,頚部痛と両手しびれの残存を訴えていることが認められる。 本件事故により頭部を打撲したこと,本件事故直後から症状固定時まで一貫して頚部痛を訴え,頚部痛等について治療を受けているという原告Aの受傷機転・治療経過からすれば,前記第2の2⑷アウのとおり,原告Aは,本件事故により頚椎捻挫,頭部打撲の傷害を負い,14級9号に相当する頚部 痛と両手のしびれの後遺障害を残したまま,平成27年1月31日に症状固定したものと認定できる。 イ左耳鳴等前記1⑶⑷のとおり,①原告Aは,本件事故以前には, に相当する頚部 痛と両手のしびれの後遺障害を残したまま,平成27年1月31日に症状固定したものと認定できる。 イ左耳鳴等前記1⑶⑷のとおり,①原告Aは,本件事故以前には,耳鼻咽喉科を継続的に受診したことがなかったこと,②本件事故翌日の大井整形の初診時以降,各医療機関において継続して左耳鳴を訴え,平成26年3月31日以降,標準純音聴力検査で,左高音(4000Hz,8000Hz)の聴力低下及び左耳の聴力レベルの低下がみられたこと,③平成26年3月31日の堀部医院の初診時において,右耳にもたまに耳鳴が生じること,本件事故時には両耳にキーンときたことを述べていたこと,④同年6月9日に中耳炎による炎症所見が改善した後も左の耳鳴及び聴力低下が継続したことが認められる。また,contrecoupinjury により打撃を受けた側と対側に症状が生じ得るという医学的知見も指摘できる。原告Aは,本件事故直後は,両耳に耳鳴があり,右は治まってきたと供述するところ,紛争が顕在化する以前の耳鼻科受診当初のカルテにも,右耳にも耳鳴が生じる,両方の耳にキーンとする感覚があったとの訴えが記載されている。そうすると,同供述は信用でき,原告Aには当初は両耳に耳鳴があり,その後右耳のみ症状が軽快した事実が認定できる。 以上を踏まえると,原告Aは,本件事故以前には耳鼻咽喉科を継続的に受診しておらず,左耳にも不具合がなかったにもかかわらず,本件事故により,右側頭部を道路に打ち付け,頭部打撲の傷害を負い,その直後には両耳,その後はcontrecoupinjury により生じた左耳の耳鳴のみが継続し,前記のとおりの症状固定に至ったものと認定できる。 この点,大井整形のカルテ上,原告Aの耳鳴の治療は,本件事故の約1箇月後である同年3月28日から njury により生じた左耳の耳鳴のみが継続し,前記のとおりの症状固定に至ったものと認定できる。 この点,大井整形のカルテ上,原告Aの耳鳴の治療は,本件事故の約1箇月後である同年3月28日から開始されたことになっている点が指摘できる(乙9p1)。しかし,前記のとおり,大井整形の初診時のカルテに 左耳鳴の訴えについての記載があること,大井整形の堀部医院への診療情報提供書にも「当初より耳鳴があり,全く改善しません」との記載があること,同月10日に,原告Aが,被告担当者に対し,「耳鳴が治らないので,先生からは,様子を見て耳鼻咽喉科を受診する必要があるかもしれないと言われた。」と伝えている事実が認められることからすれば,大井整形のカルテにある耳鳴の治療開始日の記載は,前記認定判断を左右する事情ではない。 また,被告は,原告Aは本件事故により体の右側を打ち付けたのみであり,左耳に耳鳴が生じるのは不合理であるため,同耳鳴は本件事故によるものとはいえないと主張し,これに沿うH医師の意見書(乙14,25)を提出する。 しかし,打撲は右側頭部であるが,「contrecoupinjury」により,打撲した側と反対の耳に難聴・耳鳴が出現するのはあり得ることであるし,前記のとおり本件事故直後は両耳に耳鳴が生じていたのである。H医師は「頭部外傷によるcontrecoupinjury 現象では,耳鼻科領域の臨床所見としては,外耳道・鼓膜などに異常が生じることはなく,X線像でも,中耳腔内の出血も吸収されており,異常を認めないことが多い。」「この事案の患者様には,外耳道の異常が認められていることから,頭部外傷によるcontrecoupinjury 現象ではない。」との意見を述べているが(乙25),頭部外傷によるcontrecoupin 案の患者様には,外耳道の異常が認められていることから,頭部外傷によるcontrecoupinjury 現象ではない。」との意見を述べているが(乙25),頭部外傷によるcontrecoupinjury 現象の場合には外耳道に異常が生じることがないという前提自体に医学文献等の裏付けがなく,直ちに採用することはできない。よって,被告の主張は失当である。 また,被告は,原告Aの左側乳突蜂巣の発達不良,本件事故以前から左耳漏があった旨の申告及び,アルコールの摂取状態等から,原告Aの耳鳴は本件事故以前から原告Aの有していた慢性中耳炎の急性増悪によるものである可能性が高く,本件事故によるものであるとはいえないと主張し, これに沿うH医師の意見書(乙14,25)を提出する。 しかし,原告Aは,本件事故以前に耳鼻科に継続的に通院しておらず,慢性中耳炎の症状が発現していたとは認められないこと,本件事故後に中耳炎の症状がみられたが内耳までの炎症はなく,平成26年6月9日に炎症所見が改善した後も耳鳴が継続したこと,本件事故直後から左耳鳴等が発症したことからすれば,原告Aに生じた左耳鳴等は本件事故までに発症していた慢性中耳炎の急性増悪により生じたものではないと考えるのが合理的であり,被告の主張は採用できない。 ウ以上をまとめると,前記第2の2⑷ウの自賠責保険の事前認定の結果と同様に,原告Aは,本件事故により頚部痛及び両手のしびれの症状が発生,残存し,これは「局部に神経症状を残すもの」として14級9号の後遺障害に該当し,また,本件事故により左耳鳴・左感音性難聴の症状が発生,残存し,これは「耳鳴に係る検査によって難聴に伴い著しい耳鳴が常時あると評価できるもの」として12級に相当する後遺障害に該当し,その結果,原告Aは本件事故により併 左耳鳴・左感音性難聴の症状が発生,残存し,これは「耳鳴に係る検査によって難聴に伴い著しい耳鳴が常時あると評価できるもの」として12級に相当する後遺障害に該当し,その結果,原告Aは本件事故により併合12級の後遺障害を負ったものと認定できる。 5 争点⑶-原告Aの損害及びその額⑴ 原告Aに生じた損害ア治療費 91万5793円 原告Aは,前記第2の2⑶記載のとおり,本件事故後に大井整形,堀部医院,京都市立病院及び京都第二赤十字病院に通院した事実が認められるが,これらの通院治療は,前記1⑶,4⑴の治療経過や後遺障害の程度等に照らすと,治療の必要性及び相当性が認められる。そうすると,これらの通院治療に要した上記金額(治療費の発生の事実は当事者間に争いがない。)は,本件事故と相当因果関係のある損害と認められる。 この点,被告は,原告Aの大井整形における頚椎捻挫の治療が一般的な治療期間より長く,必要性及び相当性を欠くと主張する。 確かに,頚椎捻挫は,捻挫型の軽症例ではその80%が1か月以内に,捻挫型の重傷例(頚椎運動制限があるもの)では85%が3箇月以内に症状軽快しており(乙5の1),6箇月以上の治療を要するものは約3%であるとされる(乙5の2)。しかし,これはあくまで治療経過の例に過ぎず,これをもって実際の治療経過等を無視して,6箇月以上の治療は不必要であるとか,不相当であるなどということはできない。 本件事故により,原告Aは,時速約30km で走行中の自動二輪車から投げ出され,右頭部及び体の右側を打ち付けており,体に強い衝撃を受けていると評価できるため,一般的な治療期間よりも治療期間が長くなることは不自然不合理とはいえない。また,C医師は,初診時から一貫 ら投げ出され,右頭部及び体の右側を打ち付けており,体に強い衝撃を受けていると評価できるため,一般的な治療期間よりも治療期間が長くなることは不自然不合理とはいえない。また,C医師は,初診時から一貫して原告Aの治療に当たっており,初診時からの症状経過をふまえて治療の必要性を認めたからこそ治療を継続していたものというべきである。そうすると,C医師による治療の必要性や症状固定の診断は尊重されるべきであって,C整形の全期間の治療について,治療の必要性及び相当性を認め,その治療費の全額が本件事故と相当因果関係のある損害に該当するというべきである。 イ通院交通費 2876円通院の費用については,証拠(甲8)に照らし原告A主張のとおりと認定できる。 ウ文書料・画像取得費用 7080円これまでの認定事実と証拠(甲12,13)に照らすと,原告Aが支出した前記の文書料及び画像取得費用は,本件事故による損害賠償請求のために必要な費用と認められるから,同額が本件事故と相当因果関係のある損害と認められる。 エ休業損害 148万5333円 休業の事実・必要性 原告Aが,本件事故後,平成26年2月21日から平成27年1月31日まで345日間休業した事実は,当事者間に争いがない。そして,原告Aは,本件事故当時造園業に従事していたが,前記1⑶のとおり,左耳鳴等により通院を余儀なくされ,頚部についても継続的に鎮痛治療を要する状態であったのであるから,造園業には支障があったと考えられ,前記休業期間の全部につき,休業の必要性があったものと認められる。 この点,被告は,原告 頚部についても継続的に鎮痛治療を要する状態であったのであるから,造園業には支障があったと考えられ,前記休業期間の全部につき,休業の必要性があったものと認められる。 この点,被告は,原告Aの休業は専ら本件事故前に患っていた痛風と別の事故による右膝の傷害によるものであり,本件事故と休業との間の因果関係が認められないと主張する。 しかし,原告Aは,本件事故以前には造園業に従事しており(甲16,原告A本人),本件証拠を精査しても,被告の指摘する痛風や右膝の傷害により仕事に支障を来していたことや,仕事を休んだことを裏付ける証拠はなく,被告の主張は採用できない。 基礎収入原告Aは,前記1⑷エ記載のとおり,本件事故前の平成26年1月又は2月に給付基礎日額1万円で労災に加入した事実が認められる。原告Aは個人で造園業を営む自営業者であり,前記1万円は原告Aの申告により決められたものと考えられるが,給付基礎日額が高ければ保険料の負担も高くなるから,給付基礎日額について不当に高額の申告をする動機は乏しい。また,原告Aは,繁忙期である6月から12月までは月額20万円,閑散期である1月から5月までは月額2万円程度しか収入がなかった旨供述するが,同供述は,前記のとおり原告Aが給付基礎日額1万円の労災保険に加入していた事実と繁忙期の収入が一致する点で整合的であるほか,同供述は同人の主張からすれば自己に不利なものも含んでいる。 そうすると,本件事故当時の原告Aの収入は,6月から12月までは月額20万円,1月から5月までは月額2万円であったと認定するのが相当であ る。 この点,被告は,原告Aは国民健康保険料の法定減額を受け,平成27年の所得を年額80万円と申告しているため,本件事故以前に原告Aの主 2万円であったと認定するのが相当であ る。 この点,被告は,原告Aは国民健康保険料の法定減額を受け,平成27年の所得を年額80万円と申告しているため,本件事故以前に原告Aの主張するような収入があったとはいえない旨主張する。 確かに,原告Aは国民健康保険用の所得申告において平成27年の所得を80万円と申告し,翌28年度の国民健康保険料について法定減額を受けているが(甲22,35,乙21),平成27年の所得は,本件事故により通院加療を行っていた期間の収入を含むことに加え,後述のとおり,本件事故により労働能力を一部喪失した後の収入額であるから,本件事故以前の原告Aの収入を推認するのに用いることは適切ではない。したがって,被告の主張は採用できない。 よって,休業損害は,次の計算により148万5333円となる(平成26年2月分については日割り)。 20,000 円÷30 日×8 日+20,000 円×3 箇月+200,000 円×7 箇月+20,000円=1,485,333 円オ後遺障害逸失利益 259万2262円 基礎収入本件事故以前の原告Aの収入は前記エ記載のとおりであったが,原告Aは,平成27年2月頃に亡くなったEから顧客・仕事を引き継いで収入が約2倍になったと供述する。Eの生前は,顧客が支払う報酬からEの取り分を除いたものが,原告Aの収入であったとすれば,2倍の増収は不自然とはいえない。また,閑散期である平成29年5月でさえも,社会保険料や仕事関係の支出として8万円余を支出した事実(1⑷エ)からすれば,本件事故後に原告Aの収入が増加したことは推認できる。 そうすると,原告Aにおいては,本件事故後に増収があり,それが継続するものと認め, 係の支出として8万円余を支出した事実(1⑷エ)からすれば,本件事故後に原告Aの収入が増加したことは推認できる。 そうすると,原告Aにおいては,本件事故後に増収があり,それが継続するものと認め,後遺障害逸失利益における基礎収入としては,賃金センサス の平成27年の男子高卒60~64歳の平均賃金が372万5400円であることを踏まえて,年320万円と認定するのが相当である。 原告Aは平成27年の高卒男性60~64歳の平均賃金程度の年収が得られる蓋然性があった旨を主張するが,上記認定金額を超える収入を得られた蓋然性は,本件全証拠によっても認定できない。 労働能力喪失率原告Aは,本件事故により併合12級の後遺障害を負ったことから,原告A主張のとおり,労働能力を14%喪失したものと認める。 労働能力喪失期間原告Aは,本件事故により併合12級の後遺障害を負ったことから,原告A主張の7年間の労働能力喪失期間の主張には理由がある。 小括以下の計算式により,後遺障害逸失利益は,259万2262円となる。 3,200,000 円×14%×5.7863(7 年に対応するライプニッツ係数)=2,592,262 円カ慰謝料 傷害慰謝料 170万円原告Aの受傷内容(12級相当の障害を残す頭部の打撲症状等),通院期間(ただし京都第二赤十字病院の通院は労災認定のための診察等であることに鑑みると実質的な治療期間は13箇月間とする。)などに鑑みれば,傷害慰謝料としては上記金額が相当である。 後遺障害慰謝料 280万円前記のとおり,原告Aは本件事故により併合12級相当の後 る。)などに鑑みれば,傷害慰謝料としては上記金額が相当である。 後遺障害慰謝料 280万円前記のとおり,原告Aは本件事故により併合12級相当の後遺障害を負ったのであり,後遺障害慰謝料としては280万円が相当である。 キヘルメット代 8000円これまでの事実と証拠(甲14,乙30)及び弁論の全趣旨によれば,本件 事故により本件事故当時原告Aがかぶっていたヘルメットが損傷したこと,同ヘルメットは原告Aが平成24年11月頃に3万7500円で購入したことが認められるところ,その損害額(時価)としては,8000円と認定する。 ク合計 治療関係費(ア~ウ) 92万5749円 休業損害等(エ,オ) 407万7595円 慰謝料合計(カ) 450万円 物損(キ) 8000円⑵ 素因減額被告は,原告Aの慢性中耳炎をもって素因減額を主張するが,前記4のとおり,原告Aの左耳鳴等の治療や後遺障害は本件事故によるものであり,慢性中耳炎が原告Aの損害の発生・拡大に寄与したと認めることはできない。よって,被告の主張は採用できない。 ⑶ 過失相殺前記⑴クの金額に争点⑴で認定した4割の過失相殺をすると,以下の金額となる。 ア治療関係費 55万5449円イ休業損害等 244万6557円ウ慰謝料合計 270万円エ物 55万5449円イ休業損害等 244万6557円ウ慰謝料合計 270万円エ物損 4800円⑷ 労災給付による損益相殺ア療養補償給付原告Aは,療養補償給付として89万4803円を受給しているが(前記第2の2⑸),これは前記⑶アの過失相殺後の治療関係費に充当され,他の費目には流用できない。これにより過失相殺後の治療関係費は全額填補されたことになる。なお,被告の責任額に充当されなかった療養補償給付は33万935 4円である。 イ休業補償給付及び障害一時金原告Aは,休業補償給付及び障害一時金として合計361万2000円を受給しているが(前記第2の2⑸),これは前記⑶イの過失相殺後の休業損害等に充当され,他の費目には流用できない。これにより,休業損害等は全額填補されたことになる。なお,被告の責任額に充当されなかった休業補償給付及び障害一時金は116万5443円である。 ウ残額以上より,過失相殺後の原告Aの人身損害としては,労災給付による填補後において,前記⑶ウの慰謝料合計270万円が残っていることになる。 ⑸ 人身傷害保険による損益相殺人身傷害保険金は,労災給付により填補されなかった原告A過失分の損害にまず充当され,その残額が前記⑷ウの270万円に填補されることになる。労災給付により填補されなかった原告Aの過失分の損害は次のアからエのとおりである。 ア治療関係費 3万0946円原告A過失分は37万0300円であり,これに⑷アの療養補償給付の残額33万9354円 からエのとおりである。 ア治療関係費 3万0946円原告A過失分は37万0300円であり,これに⑷アの療養補償給付の残額33万9354円を充当した残額は3万0946円である。 イ休業損害等 46万5595円原告A過失分は163万1038円であり,これに⑷イの休業補償給付及び障害一時金の残額116万5443円を充当した残額は46万5595円である。 ウ慰謝料合計 180万円慰謝料合計の原告A過失分は180万円である。 エ労災填補後の原告A過失分の残額合計(ア~ウ) 229万6541円オ人身傷害保険による填補額 229万4250円 原告Aが受領した人身傷害保険金459万0791円(前記第2の2⑸)から前記エの金額229万6541円を控除した229万4250円が,被告の責任額の原告Aの損害に填補される。 カ人身傷害保険の填補後の残額(⑷ウ-⑸オ) 40万5750円⑹ 人損と物損の合計額(⑶エ+⑸カ) 41万0550円⑺ 弁護士費用 4万1000円前記⑹の金額に,本件事案の難易,審理の経過等を併せ考慮すれば,本件事故と相当因果関係のある弁護士費用は上記のとおりと認められる。 ⑻ 合計(⑹+⑺) 45万1550円 6 争点⑷-原告Bの損害及び額⑴ 原告Bに生じた損害 16万0789円これまでの事実と証拠(甲14)及び弁論の全趣旨によれば,本件事故 45万1550円 6 争点⑷-原告Bの損害及び額⑴ 原告Bに生じた損害 16万0789円これまでの事実と証拠(甲14)及び弁論の全趣旨によれば,本件事故により原告B所有の本件車両が損傷し,その修理に16万0789円を要するものと認められる。 被告は,修理費用が本件事故により生じたかが不明であり,因果関係が認められないと主張するが,本件事故時に本件車両は転倒滑走していること,本件事故から1箇月以内と近接した時期に修理見積りがなされ(甲14),その費用も特段高額であるとはいえないことに照らすと,被告の主張は採用できない。 ⑵ 過失相殺 9万6473円前記⑴の金額に対し,原告Bの父親である原告Aの4割の過失(前記争点⑴)を被害者側の過失として過失相殺すると,上記金額となる。 160,789×(1-0.4)=96,473 円⑶ 弁護士費用 9600円前記⑵の金額に,本件事案の難易,審理の経過等を併せ考慮すれば,本件事故と相当因果関係のある弁護士費用は上記のとおりと認められる。 ⑷ 合計(⑵+⑶) 10万6073円 7 結論以上のとおり,原告Aの請求は,45万1550円及びこれに対する平成26年2月20日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で,原告Bの請求は,10万6073円及びこれに対する平成26年2月20日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由がある。 訴訟費用の負担の裁判について仮執行宣言を付するのは相当ではないため付さない。被告の申立てにより,民訴法259条3項 主文 0日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由がある。訴訟費用の負担の裁判について仮執行宣言を付するのは相当ではないため付さない。被告の申立てにより,民訴法259条3項に基づき主文のとおりの担保を供することを条件として仮執行を免れることができることとする。よって,主文のとおり判決する。 京都地方裁判所第4民事部 裁判長裁判官伊藤由紀子 裁判官大野祐輔 裁判官伊藤祐貴

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