【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理 由 上告代理人太田常雄、同松井正道、同城戸勉の上告理由第一点について。 所論の
主 文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理 由 上告代理人太田常雄、同松井正道、同城戸勉の上告理由第一点について。 所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当とし て是認することができ、その過程に所論の違法はない。諭旨は、採用することがで きない。 同第二点ないし第五点について。 原審の適法に確定したところによると、Dカントリー倶楽部はそれ自体独立して 権利義務の主体となるべき社団としての実体を有せず、同倶楽部理事長は訴外E観 光株式会社(以下「訴外会社」という。)所有のゴルフ場施設の管理運営を訴外会 社から委ねられ、その業務を代行しているにすぎず、Dカントリー倶楽部会員権は、 会員が訴外会社の代行者たる同倶楽部理事長に対して入会を申し込み、同倶楽部の 規則所定の理事会の承認と入会保証金の預託を経て理事長がこれを承諾することに よつて成立する会員の訴外会社に対する契約上の地位であり、その内容として会員 は、訴外会社所有のゴルフ場施設を同規則に従い優先的に利用しうる権利及び年会 費納入等の義務を有し、入会に際して預託した入会保証金を五年の据置期間経過後 は退会とともに返還請求することができ、また、会員は同倶楽部理事会の承認を得 て会員権すなわち以上のような内容を有する債権的法律関係を他に譲渡することが できる、というのであつて、右事実関係に照らすと、本件Dカントリー倶楽部会員 権はいわゆる預託金会員組織のゴルフ会員権と称せられるものにあたることが明ら かである。 以上のような性質を有するいわゆる預託金会員組織ゴルフ会員権を目的とする譲 - 1 - 渡担保設定契約において、設定者が、譲渡担保権者の換価処分により将来右ゴルフ 会員権を取得した第三者のために、その譲渡に必要 うな性質を有するいわゆる預託金会員組織ゴルフ会員権を目的とする譲 - 1 - 渡担保設定契約において、設定者が、譲渡担保権者の換価処分により将来右ゴルフ 会員権を取得した第三者のために、その譲渡に必要なF理事会の承認を得るための 手続に協力することをあらかじめ承諾している場合には、被担保債権の履行期の経 過に伴い譲渡担保権者が取得した換価処分権能に基づく第三者への売却によつて、 ゴルフ会員権は設定者に対する関係では売渡を受けた第三者に有効に移転し、右売 却の時に被担保債権は、換価額が債権額を超えるときは全額につき、換価額が債権 額に足りないときは換価額の限度で、満足を得たこととなり、これに伴つて譲渡担 保関係も消滅し、設定者は、右換価額が譲渡担保権者の債権額を超えるときはその 超過額を譲渡担保権者から清算金として受領することができるが、ゴルフ会員権に ついては債務を弁済してその回復をはかる機会を確定的に失い、これを取得した右 第三者のために、F理事会の譲渡承認を得るための手続に協力する義務を有するに 至るものというべく、また、設定者は、譲渡担保権者が清算金を支払うのと引換え にのみ右義務の履行に応ずるとの同時履行の抗弁権を第三者に対して行使すること は許されない、と解するのが、相当である。それゆえ、原審の適法に確定した事実 関係のもとにおいて、上告人の所論同時履行の抗弁権を排斥して被上告人の上告人 に対する本件会員権譲渡に伴う名義変更承認願協力請求を認容した原審の判断は、 正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、採用する ことができない。 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主 文のとおり判決する。 最高裁判所第三小法廷 裁判長裁判官 天 野 武 一 訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主 文のとおり判決する。 最高裁判所第三小法廷 裁判長裁判官 天 野 武 一 裁判官 関 根 小 郷 裁判官 坂 本 吉 勝 - 2 - 裁判官 江 里 口 清 雄 裁判官 高 辻 正 己 - 3 -
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