- 1 -平成19年3月13日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成19年第1300号不正競争行為差止等請求事件(ワ)平成19年3月1日口頭弁論終結判決東京都港区<以下略>原告株式会社電通訴訟代理人弁護士大野聖二同井上義隆補佐人弁理士中村仁東京都中央区<以下略>被告A主文 被告は「dentsu」の文字を含むドメイン名又は別紙ドメイン名目録記,載のドメイン名を取得し,保有し,又は,使用してはならない。 被告は,別紙ドメイン名目録記載のドメイン名の登録抹消申請手続をせよ。 被告は,原告に対し,50万円及びこれに対する平成19年2月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 原告のその余の請求を棄却する。 訴訟費用は,これを4分し,その1を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。 この判決は,第1項ないし第3項に限り,仮に執行することができる。 事実 及び理由第1原告の請求 主文第1項及び第2項と同旨 被告は,原告に対し,200万円及びこれに対する平成19年2月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 - 2 -第2当事者の主張 原告( ) 原告の業務に係る商号,商標 原告は,商号を「株式会社電通(英文社名「DENTSUINC。 」.」以下,まとめて「原告商号」という)を有し(甲1「DENTSU」又。 ),「」(「」。)はdentsuの文字部分を含む登録商標以下原告商標というを多数有しており(甲9,10,11の各枝番,これらの中には「den)tsu」のロゴからなる商標(甲10の2)や「DENTSU」の文字のみからなる商標が存在する。 ( ) 被告によるドメイン名の取得及び 有しており(甲9,10,11の各枝番,これらの中には「den)tsu」のロゴからなる商標(甲10の2)や「DENTSU」の文字のみからなる商標が存在する。 ( ) 被告によるドメイン名の取得及び保有 被告は,平成18年11月21日,別紙ドメイン名目録記載の八つのドメイン名(以下,それぞれを「本件ドメイン名1」などといい,本件ドメイン名1ないし本件ドメイン名8を併せて「本件各ドメイン名」という)の登。 録を行い,本件各ドメイン名を使用する権利を取得し,その後,本件各ドメイン名を保有している(甲5の各枝番。 )( ) 原告商号及び原告商標と本件各ドメイン名の類似性 原告商号の要部は「電通「DENTSU」の文字部分である。また,,」,原告商標の中にはdentsuのロゴからなる商標甲10の2やD「」()「ENTSU」の文字のみからなる商標が存在する。 本件各ドメイン名は「dentsu」の文字部分とそれ以外の文字部分,から構成されるところ「dentsu」を除く文字部分は多くのドメイン,名に共通するものであり,出所識別機能を有するものではないから,本件各ドメイン名の要部は「dentsu」部分である。 原告商号,原告商標及び本件各ドメイン名の要部は,いずれも称呼が「デンツウ」であって同一である。また,原告商標と本件各ドメイン名は要部において外観が酷似している。原告商号と本件各ドメイン名の各要部はローマ- 3 -字の大文字表記であるかローマ字の小文字表記であるかという多少の差異は認められるものの,大文字表記か小文字表記かの差異が識別力の相違をもた,。 らすものではないから原告商号と本件各ドメイン名は外観が類似しているしたがって,本件各ドメイン名と原告商号及び原告商標は同一ないし少なくとも類似している。 ( ) 差異が識別力の相違をもた,。 らすものではないから原告商号と本件各ドメイン名は外観が類似しているしたがって,本件各ドメイン名と原告商号及び原告商標は同一ないし少なくとも類似している。 ( ) 不正の利益を得る目的 ア被告は,原告に対し,平成18年12月1日付け電子メール(甲13)にて,本件各ドメイン名を10億円以上の金員にて買い受けるよう通告してきた(甲7。以下,同文書を「甲7文書」という。 。)イ被告が本件各ドメイン名の登録に要した費用はわずか4万6998円にすぎない(甲8,14。 )ウ被告は,原告に対し,本件各ドメイン登録ないし維持に要した費用を大幅に超過した上記譲渡代金(10億円以上)を提示しており,本件各ドメイン名を不当に高額な値段で転売する目的,つまり,不正の利益を得る目的で有していることは明らかである。 ( ) 営業上の利益を侵害するおそれ アドメインを取得した場合には,サーバーを用意することにより,当該ドメイン名をアドレスとするホームページを容易に開設することができる(甲19。 )イしたがって,被告が本件各ドメイン名を保有することは,本件ドメイン名をアドレスとするホームページを開設することを可能とするものであり,これにより,原告の営業上の利益を侵害する高度の蓋然性が認められる。 ( ) 以上から,被告が本件各ドメイン名を取得し,保有する行為は,不正競争 防止法2条1項12号の定める不正競争行為に該当し,原告は,当該不正競争行為によって営業上の利益を侵害されるおそれがある。 - 4 -( ) 損害の額 本件訴訟の提起及び遂行には,原告訴訟代理人及び補佐人に依頼することが不可避であり,そのための費用としては200万円が相当である。同費用は,被告の上記不正競争行為に起因し,被告の不正競争行為は, 本件訴訟の提起及び遂行には,原告訴訟代理人及び補佐人に依頼することが不可避であり,そのための費用としては200万円が相当である。同費用は,被告の上記不正競争行為に起因し,被告の不正競争行為は,故意又は少なくとも過失に基づくものであり,同費用は,被告の不正競争行為と相当因果関係がある損害である。 被告被告が本件各ドメイン名を取得,保有している事実は認めるが,原告のその余の主張は争う。甲7文書は,脅迫する趣旨ではない。ドメイン名を取得,保有することは悪いことではない。 第3当裁判所の判断(,,,,,, 証拠 甲1 5の1ないし86の1・2 9ないし11の各枝番12ないし19)によれば,前記第2,1( ),( ),( )ア及び( )アの事実が 認められる。 本件各ドメイン名が原告商標ないし原告商号と類似するといえるか。 本件各ドメイン名は「dentsu」の文字部分に「.vc「.be,,」,」「.sc「.biz「.org「.me.uk「.org.uk」」,」,」,」,又は「.bz」を組み合せたものである「dentsu」の文字部分に付加。 された上記文字部分は,多くのドメイン名に共通して用いられるもので,国別トップレベルドメイン(ccTLD)や,これに個人利用,非営利団体利用等(),の属性を付与したドメイン等を示す部分であるから甲8及び弁論の全趣旨出所を表示する機能を有する部分は「dentsu」の文字部分である。し,たがって,本件各ドメイン名の要部は「dentsu」の文字部分である。 原告商標として主張されている商標には,標準文字で「DENTSU」と表記するものがある(商標登録第4619812号,商標登録第4682972号,商標登録第4710703号,商標登録第 字部分である。 原告商標として主張されている商標には,標準文字で「DENTSU」と表記するものがある(商標登録第4619812号,商標登録第4682972号,商標登録第4710703号,商標登録第4727381号。以下,これ- 5 -らをまとめて「本件商標」という。甲11の各枝番。 )本件商標と本件各ドメイン名は,称呼がいずれも「デンツー」であり,原告を想起させるものであるから観念も同一である。本件商標と本件各ドメイン名は,外観において,本件商標が大文字のローマ字表記であり,本件各ドメイン名が小文字のローマ字表記であるという点で違いがあるものの,いずれも装飾の施されていないローマ字であり,構成文字が全く同一であるから,外観も類似している。 したがって,本件各ドメイン名は本件商標に類似する。 また,原告商号の要部は「電通「DENTSU」の文字部分であり,本,」,件各ドメイン名の要部である「dentsu」とは,その称呼,観念において同一であり,類似することは明らかである。 証拠(甲5の各枝番及び甲8)によれば,被告が本件各ドメイン名の登録に要した費用は,本件ドメイン名1について6615円,本件ドメイン名2について5670円,本件ドメイン名3について6615円,本件ドメイン名4について1万0332円(3444円の3年分,本件ドメイン名5について1)万1970円(3990円の3年分,本件ドメイン名6について7496円)(3748円の2年分,本件ドメイン名7について7496円(3748円)),()の2年分本件ドメイン名8について1万1340円5670円の2年分の合計6万7534円であったと認められる。 前記1ないし3の認定事実によれば,被告は,不正の利益を得る目的で,原告商号及び原告の商標と類似する本件各ドメイン名 1万1340円5670円の2年分の合計6万7534円であったと認められる。 前記1ないし3の認定事実によれば,被告は,不正の利益を得る目的で,原告商号及び原告の商標と類似する本件各ドメイン名を使用する権利を取得し,保有しているといえるから,被告の行為は不正競争防止法2条1項12号の不正競争行為に当たる。また,被告のかかる不正競争行為によって原告は,営業上の利益を侵害されるおそれがあると認められる。 よって,原告は,被告に対し「dentsu」の文字を含むドメイン名又,,,,は本件各ドメイン名の取得保有及び使用の差止めという不作為の請求及び- 6 -別紙ドメイン名目録記載のドメイン名の登録抹消申請手続という作為の請求をすることができる(同法3条1項,2項。 ) 損害の額前記認定の事実及び弁論の全趣旨によれば,原告は,被告が本件各ドメイン名を取得して原告に対して本件各ドメイン名を10億円以上の金員にて買い受けるよう通告してきたため,原告訴訟代理人弁護士らに対して本件訴えの提起を依頼したことが認められる。 原告の請求の内容,本件事案の性質,訴訟追行の難易度等を考慮すれば,弁護士及び弁理士に本件訴え提起を依頼する費用として,50万円が被告の行為と相当因果関係のある損害と認められる。 第4 結論 よって,原告の請求は,被告に対し「dentsu」の文字を含むドメイ,ン名又は本件各ドメイン名を取得,保有及び使用の差止め,本件各ドメイン名の登録抹消申請手続並びに損害賠償金50万円及びこれに対する平成19年2月1日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で理由があるから認容し,その余は理由がないから棄却し,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第46部一裁判長裁判官設樂隆裁判官古河謙一- 7 - 主文 による金員の支払を求める限度で理由があるから認容し、その余は理由がないから棄却し、主文のとおり判決する。 理由 東京地方裁判所民事第46部一裁判長裁判官設楽隆裁判官古河謙一吉川泉裁判官 別紙ドメイン名目録 dentsu.vc dentsu.be dentsu.sc dentsu.biz dentsu.org dentsu.me.uk dentsu.org.uk dentsu.bz
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