【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理 由 上告代理人弁護士柴田治の上告理由第一点について。 しかし、原審の引用した各証
主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告代理人弁護士柴田治の上告理由第一点について。 しかし、原審の引用した各証拠(就中乙第三号証の一、二)によれば、本件家屋の売買契約によつて家屋の所有権が買主に移転した時期を、本件家屋の売買契約の成立した昭和二二年一〇月五日頃と異なる昭和二三年二月一九日であるとする原審の判示を肯認することができるのであつて、所論は結局原審の裁量に属する証拠の取捨判断及び事実認定を非難するに帰し、上告適法の理由とならぬ。 同第二点について。 しかし、所論に指摘する原判決理由中に借家法「第二条ノ二」とあるは「第一条ノ二」の誤記であることは判文の全趣旨に徴し明らかである。そしてかかる誤記は更正決定を以て訂正すれば足り、原判決破棄の理由とならない。されば、論旨は理由がない。 同第三点について。 しかし、上告人が本件家屋の買受後被上告人に対しその一部の明渡を求め、その結果一ヶ月後に本件家屋全部の明渡をする旨の合意が、被上告人との間に成立したとの所論の事実は、原審の認定しなかつたところであること、原判文上明白であるから、右事実の存在を前提とする論旨は失当である(なお所論証人D、E、Fの各証言中右事実に関する部分は原審がいずれも措信しがたいと判示しているのである。 そして原判決はその後段において右証人の証言を採用しているが、それは右各証人の証言中前記措信しない部分を除外しての趣旨であること、原判文の前後を通読することにより明白である)。また上告人がその居住している家屋の明渡をその所有- 1 -者Gから求められているとはいえ、その一事をもつて明渡の要求が本件解約の申入れを正当の事由ある場合たらしめることはできない。そしてその他の論旨の事実によ 居住している家屋の明渡をその所有- 1 -者Gから求められているとはいえ、その一事をもつて明渡の要求が本件解約の申入れを正当の事由ある場合たらしめることはできない。そしてその他の論旨の事実によるも、原審の認定したような上告人の本件家屋取得の経緯及び当事者双方の職業関係と比較対照するときは、上告人の本件賃貸借契約解約の申入に借家法一条ノ二の正当の事由があるものとは認め難いとの原審の判示は、これを肯認できるのであつて、原判決には所論の違法は認められない。 よつて民訴四〇一条、九五条、八九条に従い裁判官全員の一致で主文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官入江俊郎裁判官真野毅裁判官斎藤悠輔裁判官岩松三郎- 2 -
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