【DRY-RUN】主 文 原判決を破棄する。 被告人を懲役拾月に処する。 但し本裁判確定の日から参年間右刑の執行を猶予する。 理 由 検察官中倉貞重の控訴趣
主文原判決を破棄する。 被告人を懲役拾月に処する。 但し本裁判確定の日から参年間右刑の執行を猶予する。 理由検察官中倉貞重の控訴趣意は検察官木村重夫名義の控訴趣意書に記載してあるとおりであるから之を引用する。 控訴趣意第一点について原判決は本件五回に亘る窃盗中第一回の窃盗が執行猶予期間内の犯行たることを認定判示し刑法第二五条第<要旨>二項を適用し刑の執行猶予を言渡し同法第二五条の二を適用し保護観察に付する言渡をした。刑法第二五条と</要旨>同法第二七条を綜合して考察すると刑法第二五条第二項に執行を猶予せられたる者とあるのは執行猶予期間内に犯罪を犯した者を指すのでなく裁判時において現に執行猶予中の者を指すと解するを相当とする。記録に依ると本件第一回の窃盗は執行猶予期間内の犯行ではあるが原判決当時被告人は既にその期間を経過していることが認められる。 そうだとすれば被告人は刑法第二五条第二項の執行を猶予せられたる者に該当しない。 然るに原判決が本件第一回の窃盗が執行猶予期間内の犯行だからとて被告人に対し前記各法条を適用し前記の如き言渡をなしたのは刑法第二五条第二項の解釈適用を誤りひいて同法第二五条の二を不当に適用し保護観察に付すべからざる者に対しその旨の言渡をなした違法あるものにしてこの違法は判決に影響を及ぼすことが明らかであるから原判決は破棄を免れない。論旨は理由がある。 よつて爾余の論旨に対する判断を省略し刑訴法第三九七条第一項に則り原判決を破棄し同法第四〇〇条但書に則り更に判決することとする。 原判決が認定した罪となるべき事実に法令を適用すると判示各所為は刑法第二三五条に該当し刑法第四五条前段の併合罪だから同法第四七条第一〇条に則り犯情最も重い判示第五の罪の刑に法 判決することとする。 原判決が認定した罪となるべき事実に法令を適用すると判示各所為は刑法第二三五条に該当し刑法第四五条前段の併合罪だから同法第四七条第一〇条に則り犯情最も重い判示第五の罪の刑に法定の加重をした刑期範囲内で被告人を懲役一〇月に処し刑の執行猶予に付同法第二五条第一項を適用し主文のとおり判決する。 (裁判長裁判官西岡稔裁判官後藤師郎裁判官大曲壮次郎)
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