令和6(ワ)8204 共通義務確認請求事件

裁判年月日・裁判所
令和7年2月28日 東京地方裁判所
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判決文本文21,857 文字)

令和7年2月28日判決言渡同日原本領収裁判所書記官令和6年(ワ)第8204号共通義務確認請求事件口頭弁論終結日令和6年12月6日判決 主文 1 被告らが、別紙対象消費者目録記載⑴の対象消費者に対し、個々の消費者の事情によりその金銭の支払請求に理由がない場合を除いて、次の金銭支払義務を連帯して負うことを確認する。 ⑴ 被告会社と別紙対象消費者目録記載⑴の対象消費者との間で締結された別紙 商品等目録記載⑴の商品に係る売買契約に基づき支払われた売買代金相当額並びに対象消費者が特定適格消費者団体に支払うべき報酬及び費用に相当する額の不法行為に基づく損害賠償の支払義務⑵ 前記⑴の請求に係る金員に対する別紙商品等目録記載⑴の商品の売買代金の各支払日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払義務 2 被告らが、別紙対象消費者目録記載⑵の対象消費者に対し、個々の消費者の事情によりその金銭の支払請求に理由がない場合を除いて、次の金銭支払義務を連帯して負うことを確認する。 ⑴ 被告会社と別紙対象消費者目録記載⑵の対象消費者との間で締結された別紙商品等目録記載⑵の商品に係る売買契約に基づき支払われた売買代金相当額並びに 対象消費者が特定適格消費者団体に支払うべき報酬及び費用に相当する額の不法行為に基づく損害賠償の支払義務⑵ 前記⑴の請求に係る金員に対する別紙商品等目録記載⑵の商品の売買代金の各支払日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払義務 3 被告らが、別紙対象消費者目録記載⑶の対象消費者に対し、個々の消費者の事 情によりその金銭の支払請求に理由がない場合を除いて、次の金銭支払義務を連帯し て 遅延損害金の支払義務 3 被告らが、別紙対象消費者目録記載⑶の対象消費者に対し、個々の消費者の事 情によりその金銭の支払請求に理由がない場合を除いて、次の金銭支払義務を連帯し て負うことを確認する。 ⑴ 被告会社と別紙対象消費者目録記載⑶の対象消費者との間で締結された別紙商品等目録記載⑶の商品に係る売買契約に基づき支払われた売買代金相当額並びに対象消費者が特定適格消費者団体に支払うべき報酬及び費用に相当する額の不法行為に基づく損害賠償の支払義務 ⑵ 前記⑴の請求に係る金員に対する別紙商品等目録記載⑶の商品の売買代金の各支払日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払義務 4 訴訟費用は、全審級を通じ、被告らの負担とする。 事実 及び理由第1 請求 主文同旨第2 事案の概要原告は、消費者の財産的被害等の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律(以下「法」という。)2条10号にいう特定適格消費者団体である。本件は、原告が、別紙商品等目録記載⑴ないし⑶の商品(以下「本件各商品」という。) を販売した事業者である被告会社及び本件各商品の勧誘等を行った被告Aが別紙対象消費者目録記載⑴ないし⑶の各対象消費者(以下「本件各対象消費者」という。)に対して虚偽又は実際とは著しくかけ離れた誇大な効果を強調した説明をして本件各商品を販売するなどしたことが不法行為に該当すると主張して、被告らに対し、平成29年法律第45号による改正前の法3条1項5号又は同改正後の同項4号に基 づき、不法行為に基づく損害賠償支払義務として、本件各対象消費者が支払った本件各商品の売買代金相当額並びに本件各対象消費者が特定適格消費者団体に支払うべき報酬及び費用相当額の金銭の支払義 基 づき、不法行為に基づく損害賠償支払義務として、本件各対象消費者が支払った本件各商品の売買代金相当額並びに本件各対象消費者が特定適格消費者団体に支払うべき報酬及び費用相当額の金銭の支払義務を負うことの確認を求めるとともに、これに対する売買代金の各支払日から各支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払義務を負うことの確認を 求めて、法2条4号所定の共通義務確認の訴えを提起した事案である。 差戻し前の第1審(東京地裁平成31年(ワ)第11049号)は支配性要件を欠くとして本件訴えを却下し、原告がこれを不服として控訴したところ、差戻し前の控訴審(東京高裁令和3年(ネ)第2677号)も、本件は、本件各対象消費者ごとにその過失の有無及び割合を異にし、因果関係の存否に関する事情も様々であるから、「簡易確定手続において対象債権の存否及び内容を適切かつ迅速に判断することが 困難であると認めるとき」(法3条4項)に該当し、支配性要件を欠くとして、原告の控訴を棄却した。これに対し、原告が上告受理申立てをしたところ、上告審(最高裁令和4年(受)第1041号同6年3月12日第三小法廷判決・民集78巻1号1頁)は、これを受理する旨の決定をした上で、本件について、過失相殺及び因果関係に関して本件各対象消費者ごとに相当程度の審理を要するとはいえないから、上記差 戻し前控訴審の判断には同項の解釈適用を誤った違法があるとして、差戻し前控訴審判決を破棄し、差戻し前第1審判決を取り消して、本件を当裁判所に差し戻した。なお、原告は、当審において、本件各対象消費者の範囲を、被告会社のウェブサイトを通じて本件各商品の売買契約を締結した消費者である旨特定した。 以上を踏まえた当審におけ 、本件を当裁判所に差し戻した。なお、原告は、当審において、本件各対象消費者の範囲を、被告会社のウェブサイトを通じて本件各商品の売買契約を締結した消費者である旨特定した。 以上を踏まえた当審における本件の争点は、本案前の争点として、多数性の有無(争 点1)及び被告Aの被告適格(争点2)並びに本案の争点として、被告らの勧誘の違法性の有無(争点3)である。 1 前提事実(争いのない事実並びに後掲証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)⑴ 原告は、法2条10号にいう特定適格消費者団体である。 ⑵ 被告会社は、平成28年10月1日以降、被告会社が運営するウェブサイトにおいて、①別紙商品等目録⑴記載の商品(仮想通貨バイブルと称するⅮⅤⅮ5巻セット。以下「仮想通貨バイブル」という。)の販売価格を4万9800円(以下、販売価格はいずれも税込み)又は5万9800円とし、②別紙商品等目録記載⑵の商品(仮想通貨バイブルにⅤIPクラスと称する複数の特典を付加したもの。以下「VIPク ラスセット」という。)の販売価格を9万8000円とし、③別紙商品等目録記載⑶ の商品(ハイスピード自動AIシステムと称するシステム〔以下「本件システム」という。〕及びこれに付帯するサービス。以下「パルテノンコース」という。)の販売価格を49万8000円として、それぞれ購入を勧誘し、本件各商品を販売した。 ⑶ 被告Aは、被告会社が仮想通貨バイブル及びVIPクラスセットの勧誘をしたウェブサイト(甲3、4。以下「本件ウェブサイト1」という。)上において仮想通貨 バイブル及びⅤIPクラスセットの説明をし、また、被告会社がパルテノンコースの勧誘をしたウェブサイト(以下「本件ウェブサイト2」といい、本件ウェブサイト1と併せて「本件 。)上において仮想通貨 バイブル及びⅤIPクラスセットの説明をし、また、被告会社がパルテノンコースの勧誘をしたウェブサイト(以下「本件ウェブサイト2」といい、本件ウェブサイト1と併せて「本件各ウェブサイト」という。)上に掲載されたパルテノンコースを説明する内容の動画(甲5、6。以下「本件動画」という。)及び仮想通貨バイブル内の動画に出演した(乙B1、5〔各枝番含む。〕)。 2 争点についての当事者の主張⑴ 争点1(多数性の有無)について(原告の主張)本件各ウェブサイトを通じて被告会社から本件各商品の購入をした者はいずれも少なくとも数十人以上は存在しており、本件は、多数性の要件を満たす。 (被告会社の主張)本件各商品の購入者がいずれも数十人以上いることは認める。 (被告Aの主張)ア本件各ウェブサイトを通じて本件各商品を購入した消費者がそれぞれ相当多数存在したということは証明されていない。被告Aは、本件各商品の販売開始当時、 自らが主催するAドラゴンアカデミーと称するオンライン塾の塾生約3500人及びビジネス大学と称するオンライン塾の塾生約2000人に対しては、LINE及び各会員サイト内のメッセージ機能によって、直接、本件各商品の販売ページへのリンク(本件各ウェブサイト上の申込みボタンをクリックした後に表示されるクレジットカード会社の決済サイトのURL等)を案内していたから、被告会社から本件各商品 を購入した者の中には、本件各ウェブサイトを経由することなく同リンクを通じて購 入した者が多数存在した。 イまた、多数性の要件が充足されるためには、権利行使を行う可能性が高い、購入した商品に対して苦情を申し立てている消費者が多数存在することを要すると解するべきであるところ、 した者が多数存在した。 イまた、多数性の要件が充足されるためには、権利行使を行う可能性が高い、購入した商品に対して苦情を申し立てている消費者が多数存在することを要すると解するべきであるところ、本件では、そのような立証はされていない。 ウしたがって、本件は、多数性の要件を満たさない。 ⑵ 争点2(被告Aの被告適格)について(原告の主張)被告Aは、VIPクラスセットにおける特典及びパルテノンコースにおける付帯サービス(役務)の内容を債務として履行する者であり、また、本件ウェブサイト1及び本件動画において本件各商品の購入を自ら勧誘するとともに、本件各商品を開発し、 被告会社をして本件各商品の勧誘をさせた者である。したがって、被告Aは、本件各商品の「消費者契約の債務の履行をする事業者」又は「消費者契約の締結について勧誘をし、当該勧誘をさせ、若しくは当該勧誘を助長する事業者」(法3条3項2号)に該当し、被告適格が認められる。 (被告Aの主張) 被告Aは、仮想通貨バイブル及びパルテノンコースを不特定多数に向けて宣伝した者にすぎないから「勧誘をする事業者」には当たらない。また、被告Aは、仮想通貨バイブル又は本件システムを自ら作成して被告会社に譲渡した者でもないから「勧誘を助長する事業者」には当たらず、これらの販売を履行する者でもないから「債務の履行をする事業者」にも当たらない。したがって、本件訴えについて、被告Aの被告 適格は認められない。 ⑶ 争点3(被告らの勧誘の違法性の有無)について(原告の主張)ア本件ウェブサイト1における仮想通貨バイブルの勧誘の内容は、秘密の手続、日本初公開の最新テクノロジーを用いて、誰でも簡単、確実に多額の利益を得られる と思わせるものであった。また ア本件ウェブサイト1における仮想通貨バイブルの勧誘の内容は、秘密の手続、日本初公開の最新テクノロジーを用いて、誰でも簡単、確実に多額の利益を得られる と思わせるものであった。また、VIPクラスセットの勧誘の内容も、ⅤIPクラス と称する特典を仮想通貨バイブルと併せて購入することで、誰でも簡単、確実に多額の利益を得られると思わせるものであった。しかし、仮想通貨バイブル及びVIPクラスセットは、仮想通貨の稼ぎ方として抽象的な説明のみをするものであり、誰でも簡単、確実に多額の利益を得られるような内容のものではなかった。したがって、仮想通貨バイブル及びVIPクラスセットの勧誘は、虚偽又は著しく誇大な効果を強調 して説明したものとして違法であり、不法行為となる。 イまた、仮想通貨バイブルの価格について、100万円でも安すぎると説明しつつ、7万円とした上で、特別割引価格などと説明していたが、7万円で販売した実績はなかった。VIPクラスセットの価格についても、特典だけで60万円相当と説明しつつ販売していたが、60万円で販売された実績はなかった。したがって、これら の商品の勧誘は、著しい有利誤認を招き、販売実績のない価格との比較をして顧客の価値判断を誤らせたものとして違法であり、不法行為となる。 ウ本件動画におけるパルテノンコースの勧誘の内容は、本件システムは、簡単な初期設定を済ませば、人工知能が24時間365日資金を増やし続け、誰でも仮想通貨で稼ぐことができるというものであった。しかし、本件システムは、簡単な初期設 定でAIが24時間365日資金を増やし続けるものではなく、損失のリスクを伴う法定通貨のバイナリーオプション取引を行うものであり、勧誘の内容とその実態は著しく乖離していた。また、本件シス 設 定でAIが24時間365日資金を増やし続けるものではなく、損失のリスクを伴う法定通貨のバイナリーオプション取引を行うものであり、勧誘の内容とその実態は著しく乖離していた。また、本件システムは1000万円相当の価値があると説明しつつ、本来の価値の20分の1以下で販売すると説明されていたが、本件システムは到底1000万円の価値があるものではなかった。したがって、パルテノンコースの勧 誘は、虚偽又は著しく誇大な効果を強調したものとして違法であり、不法行為となる。 (被告会社の主張)ア被告らは、本件各商品について、事実に基づいた効果の説明をしたのであって、虚偽又は著しく誇大な効果を強調し説明して販売、勧誘したものではない。 すなわち、仮想通貨バイブル及びVIPクラスセットについては、いち早く仮想通 貨取引に参入することによって大きな利益を得る可能性が高まる手法の説明を行っ ていたにすぎず、誰でも簡単、確実に多額の利益を確保できるような期待を抱かせる内容の説明はしていない。また、誰でも簡単に稼げるという部分は、成功者の実例に基づく勧誘文句で、虚偽でも誇大でもない。 パルテノンコースについても、本件システムは、AI学習機能が付いたシステムを使って専従的に取引を行っている者と同一の取引を自動で行うことができるもので あり、短期的には負け続けることもあるが長期的にみれば確実に利益が出るものであるし、本件システムが1000万円相当の価値があるとはいっていないから、虚偽又は著しく誇大な効果を強調した説明はしていない。 イまた、価格についての説明も、仮想通貨バイブルにつき100万円するものを値引き販売しているなどとは説明していないし、VIPクラスセットにつき仮に特典 部分を単体で売り 説明はしていない。 イまた、価格についての説明も、仮想通貨バイブルにつき100万円するものを値引き販売しているなどとは説明していないし、VIPクラスセットにつき仮に特典 部分を単体で売り出すとしたらその程度の金額をもらってもおかしくないと説明したにすぎない。したがって、購入者の有利誤認を招くものではない。 (被告Aの主張)ア被告Aの仮想通貨バイブルについての説明は、仮想通貨の正しい理解をしてもらい、仮想通貨バブルの波に多くの人に乗ってもらうことを目的としており、消費者 は本件ウェブサイト1での3回にわたる動画配信による事前説明をみれば仮想通貨バイブルがどのような内容のものか容易に判断することができたから、被告Aの説明内容と仮想通貨バイブルの内容は整合しているし、誰でも簡単、確実に多額の利益が確保できることを要とした説明をしたものではない。仮に、そのような説明であると解釈されたとしても、仮想通貨バイブルの内容を実践すれば、誰でも確実に多額の利 益を確保することができたから、説明内容と仮想通貨バイブルの内容に齟齬はない。 イ VIPクラスセットについての事前説明は、被告AからLINEで仮想通貨に関する新しい情報を受けることができ、かつ、セミナーに参加することで人脈を作ることができるというものであり、実際に、仮想通貨等に関する最新情報を流し、セミナーにも招待しているから、説明内容とVIPクラスセットの内容に齟齬はない。 ウパルテノンコースについての説明内容の要は、本件システムを提供すること、 被告Aが2日間の合宿を開催すること及び合宿が終了してから3か月間、被告AがLINEで質問に答えることで仮想通貨への投資効果を図ることというものであるところ、被告Aは、実際に合宿を開催し 被告Aが2日間の合宿を開催すること及び合宿が終了してから3か月間、被告AがLINEで質問に答えることで仮想通貨への投資効果を図ることというものであるところ、被告Aは、実際に合宿を開催し、その後3か月間、LINEで購入者からの質問に対応した。本件システムは、全自動トレードの場合に起こり得る予期せぬリスクに対応するために4人のプロトレーダーが監視し、そのAI学習機能に基づいて仮想 通貨に関するトレードを行い、購入者はそのトレーダーを選択して資金を投入すれば、そのトレーダーの取引と同じ取引を自動的に行うというものであり、継続して行えばプラスとなり大きな利益をもたらす性能を持つシステムであったから、説明内容は、パルテノンコースの内容に整合していた。 エまた、本件各商品の価格についての被告Aの説明は、価格の設定過程を詳細に 述べたものにすぎず、本件各商品の内容からしてその額も高額とはいえないから、同説明が購入者の価値判断を誤らせるものとはいえない。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実前提事実に後掲証拠及び弁論の全趣旨を併せ考慮すれば、以下の事実が認められる。 ⑴ 本件ウェブサイト1の記載内容被告会社は、平成28年10月頃、仮想通貨バイブル及びVIPクラスセット(仮想通貨バイブルに加えて、特典として、被告Aが参加するLINEグループへの参加、新しい暗号通貨の公開セミナー及び被告AのバースデーセミナーのVIP席への招待を内容とするもの)の勧誘用の本件ウェブサイト1を開設し、そのURLが貼られ たメールやLINEを送信して、これらの商品の勧誘をした。 本件ウェブサイト1には、冒頭に、被告A及び同人の実績を紹介する次のア及びイの文言が記載され、続いて、「3ヶ月で16億円稼いだ暗号通貨で稼ぐ方法 ールやLINEを送信して、これらの商品の勧誘をした。 本件ウェブサイト1には、冒頭に、被告A及び同人の実績を紹介する次のア及びイの文言が記載され、続いて、「3ヶ月で16億円稼いだ暗号通貨で稼ぐ方法の全てを即金手法から長期投資通貨手法までを徹底解説」、「2週間で100万円など短期的な稼ぎ方から1万円が数年で60億円になるといった中長期的な稼ぎ方まで暗号通貨 で稼ぐ方法を初心者にも分かりやすく徹底解説」する商品として仮想通貨バイブルが 紹介され、その申込みを勧誘するウの文言が記載されるとともに、被告A自身の言葉として仮想通貨バイブル及びⅤIPクラスセットについて説明するエないしケのとおりの記載がされた後に、申込みボタンが表示されていた(甲3、4)。 ア 「ハイパーミリオネア・Aが参加者にわずか3ヶ月で16億円稼がせた“秘密の手続き”で日本人全員を億万長者にする歴史的プロジェクトが遂に始動!」(甲3 [1丁]、4[1丁])イ 「日本初公開の最新テクノロジーを利用し18歳の高校生から90歳のおじいちゃんまで日給3万円~30万円の不労所得を手に入れたビジネス初心者が続出中!」(甲3[1丁]、4[1丁])ウ 「自動的に億万長者になることを本気で決意したら今すぐ下にあるお申し込み ボタンをクリックしてフォームに必要事項を入力し、お申し込み手続きをしてください」(甲3[2丁]、4[3頁])エ 「こんにちは。Aです。何かのご縁でこのサイトにたどり着いたあなたはすでに億万長者になることが約束されたも同然です。本当におめでとうございます。これからあなたに実践者がたった半年ほどの間に16億円も稼いでしまった日本初公開 の最新の方法をお伝えしていこうと思います。すでに実践中の彼らは3年以内に確実に億万長者になると うございます。これからあなたに実践者がたった半年ほどの間に16億円も稼いでしまった日本初公開 の最新の方法をお伝えしていこうと思います。すでに実践中の彼らは3年以内に確実に億万長者になると断言します。」(甲3[4ないし5丁]、4[10頁])オ 「史上最高のタイミング、史上最高の指導者による塾生に3ヶ月で16億円稼がせたノウハウを完全解説した「仮想通貨バイブル」を公開します。」「この教材は「暗号通貨で稼ぐ」ことに特化した世界初の教材です。」(甲3[9丁]、4[20、21 頁])カ 「このⅮⅤⅮを学んであなたが得られる変化を考えるとはっきり言って100万円でも安すぎると思います。」「仮想通貨バイブルの価格は・・・7万円です。(略)通常、このようなプロジェクトの参加費は安くても最低30万円はかかりますよね。 塾生が3ヶ月で16億円稼いだ成果が実証済みのノウハウが詰め込まれていますか ら30万円の参加費でもタダ同然だと思います。(略)それが7万円ですから、参加し ない理由はありませんね。」「今回は・・・さらに特別に割引し(略)提供させていただくことにしました。」(甲3[14丁]、4[31ないし33頁])キ 「より「確実」に、より「早く」億万長者になりたいという方を対象としたVIPクラスをご用意しました。」「VIPクラス限定特典1 無期限の億万長者インサイダーLINEグループこのLINEの参加者からは間違いなく1年以内に億万 長者が生まれることになります。」(甲3[15丁]、4[34、35頁])ク 「最短最速で億万長者になりたいと思うなら迷わずVIPクラスで参加することをお勧めします。」(甲3[18丁]、4[40頁])ケ 「では、億万長者になる準備はいいですか?今すぐ下記のボタンをクリック 最速で億万長者になりたいと思うなら迷わずVIPクラスで参加することをお勧めします。」(甲3[18丁]、4[40頁])ケ 「では、億万長者になる準備はいいですか?今すぐ下記のボタンをクリックして「仮想通貨バイブル」をお申し込みください。」(甲3[19丁]、4[41頁]) ⑵ 仮想通貨バイブルの内容仮想通貨バイブルには、被告Aが仮想通貨について講演する内容の動画が収められており、その内容は次のとおりである。 ア第1巻では、仮想通貨の正式な名称、仮想通貨と法定通貨の違い、仮想通貨の必要性、仮想通貨の代表であるビットコインの成り立ちや普及状況などが説明されて いる(乙B1の1、乙B5の1)。 イ第2巻では、仮想通貨の稼ぎ方として、①安いときに買って高いときに売るFX的な取引の方法、②アービトラージ(取引所によって異なる仮想通貨のレート差の利用)で稼ぐ方法、③マイニング会社に出資してリターンを得るなど、マイニングに参加して報酬を得て稼ぐ方法、④市場未公開の仮想通貨をプレセールの段階で購入し て数年保持して稼ぐ方法、⑤市場未公開の仮想通貨の代理店となって紹介報酬を得る方法、⑥仮想通貨の使用や取引をする上で必要となる商品をアフィリエイトにより紹介して紹介報酬を得る方法、⑦仮想通貨に関するニュースメディアを作成して広告収入を得る方法、⑧セミナーを開催するなどしてその対価を稼ぐ方法などが紹介されている。また、上記④の稼ぎ方において購入するべき市場未公開の仮想通貨につき、2 000種類以上あると言われている仮想通貨のうち95%以上が詐欺といえるとこ ろ、詐欺の手段となっている仮想通貨と本物の仮想通貨の見分け方として、本物の仮想通貨は、プレセールの第1期から市場公開されるまでに価格が2倍以上に上が 貨のうち95%以上が詐欺といえるとこ ろ、詐欺の手段となっている仮想通貨と本物の仮想通貨の見分け方として、本物の仮想通貨は、プレセールの第1期から市場公開されるまでに価格が2倍以上に上がることはなく、かつ、既存の仮想通貨ではなく当該新しい仮想通貨を使わなければならない必要性が明確になっている旨が説明されているが、具体的な必要性の有無の判定基準は説明されていない。(乙B1の2、乙B5の2) ウ第3巻では、仮想通貨取引経験者2人との対談という形式で、ビットコインの決済システムの構築・仮想通貨のシステム開発や、仮想通貨の魅力、成功体験、取引の際の留意点、将来性について話題が展開されている(乙B1の3、乙B5の3)。 エ第4巻では、貨幣に関する基礎知識について、貨幣の供給量が増え続けるのに伴い、貨幣の価値が下がり続けている旨の説明がされた後、仮想通貨は供給量が決ま っているので、需要があれば価値は上がるが、需要がなければ価値のないものとなる旨の説明がされている(乙B1の4、乙B5の4)。 オ第5巻では、パルテノン神殿を支えている何本かの柱が倒れても多数の柱があるため神殿自体は倒壊しないように、ビジネスと投資においても柱を多数立てることが大切であり、投資を行う場合には、結果を出している超一流の人から情報を得て、 その柱の中の幾つかの対象として仮想通貨を入れていくなどとビジネスや投資に関する被告Aの見解について説明がされている(乙B1の5、5の5)。 ⑶ VIPクラスセットの特典の履行被告らは、平成28年12月4日、仮想通貨バイブルの購入者向けに、仮想通貨バイブル特別セミナーを開催し、また、平成29年1月14日、ⅤIPクラスセットの 購入者を招待し、被告Aのバースデーセミナーを開催した(乙B14、15) 仮想通貨バイブルの購入者向けに、仮想通貨バイブル特別セミナーを開催し、また、平成29年1月14日、ⅤIPクラスセットの 購入者を招待し、被告Aのバースデーセミナーを開催した(乙B14、15)。 ⑷ パルテノンコースの勧誘被告会社から仮想通貨バイブル又はVIPクラスセットを購入した者に対しては、自動的にパルテノンコース(本件システムの提供に加えて、付帯サービスとして、被告Aによる2日間の合宿における仮想通貨投資関連事項についての指導及び合宿後 3か月間のメールとLINEによる同関連事項の質問への回答を内容とするもの)の 説明、勧誘をする本件動画が掲載され申込みボタンが表示される本件ウェブサイト2のURLが配信される仕組みとなっており、被告会社は、仮想通貨バイブル及びⅤIPクラスセットの購入者に対し、本件ウェブサイト2においてパルテノンコースの購入を勧誘した(甲5の1・2、乙B23)。 ⑸ 本件動画の内容 本件動画は、「Aからあなたへメッセージ」と題されており、被告Aは、本件動画において、次のとおり、パルテノンコースについて説明した。 ア 「あなたをより確実に、そしてより早く億万長者にするための一度限りの特別な提案です。」「金融系のシステムが世界で最も進歩している国であるイスラエルのある企業との業務提携が実現し、日本初公開となるシステムを特別に提供することがで きるようになったのです。」「AI、つまり人工知能、その名のとおり人工知能があなたの代わりにものすごいスピードで資金を増殖させてくれる驚愕のシステムです。」「このシステムを使うことによりあなたが暗号資産で稼ぐスピードが2倍、3倍、さらには5倍、10倍とアップしていくのです。」(甲5の1・2[1、3頁])。 イ 「あなたがハイスピード自動 テムです。」「このシステムを使うことによりあなたが暗号資産で稼ぐスピードが2倍、3倍、さらには5倍、10倍とアップしていくのです。」(甲5の1・2[1、3頁])。 イ 「あなたがハイスピード自動AIシステムを使ってお金を稼ぐためにやること は簡単な初期設定だけです。初期設定さえ済ませてしまえばあとはAI、つまり人工知能にお任せで大丈夫です。AIがあなたの代わりに24時間365日、あなたのお金を増やし続けてくれるのです。」(甲5の1・2[3ないし4頁])ウ 「放置しておくだけで勝手にお金が増えていくシステムですので、1000万円出してでも買いたいという人が殺到すると思います。」「本来の価値の20分の1以 下である50万円という参加費に設定させていただきます。」(甲5の1・2[6、7頁])。 エ 「本気で最短・最速で億万長者になりたいと思う方はぜひご参加ください。あなたのご参加をお待ちしております。」(甲5の1・2[7頁])⑹ 本件システムの内容 ア本件システムは、購入者がインターネットの登録ページからログインして、ト レードの対象にする資産、フォローするトレーダー、期間並びに投資額及び投資限度額を設定することにより、フォローした特定のトレーダーが行う金融取引と同様の取引が行われる仕様となっている。フォローするトレーダーには、プロから素人まで存在するが、その中には学習型AIを使用して取引を行う「Z.Z.」というイニシャルのトレーダーが存在した。(乙A7、8の1ないし3、11) イ本件システムによる取引は、仮想通貨自体の取引ではなく、法定通貨や仮想通貨であるビットコインを指標としたバイナリーオプション取引を内容とするものであった。バイナリーオプション取引とは、為替相場や株価指数 システムによる取引は、仮想通貨自体の取引ではなく、法定通貨や仮想通貨であるビットコインを指標としたバイナリーオプション取引を内容とするものであった。バイナリーオプション取引とは、為替相場や株価指数などを対象に、予め決められた時点、期間の騰落を予測し、ある値よりも高いか低いか、一定の範囲に収まっているかなど、二者択一で選ぶ取引であり、その勝率が常に100%であるという ことはなく、射幸性が高く、損失が出る可能性のある取引である。(甲11、乙A7、11、乙B7の1[19頁])⑺ パルテノンコースの付帯サービスの履行被告らは、平成29年1月頃から同年2月頃、東京都、大阪府及び福岡県内において、パルテノンコースの購入者に向けて、被告Aらが講師を務める2日間の合宿セミ ナーを開催し、被告Aが運用するパルテノンコース専用のLINEグループへの参加を案内した(乙B8ないし13)。 なお、本件システムは、平成29年5月頃から利用可能となったが、平成30年1月頃、同システムを開発した外国企業の所在地法においてバイナリーオプション取引が禁止されたことを理由として、利用停止となった(乙A11)。 ⑻ 本件各商品の購入者数被告会社からの本件各商品の購入者数は、仮想通貨バイブルが約4000人、VIPクラスセットが約1500人、パルテノンコースが約1200人であった。 なお、被告会社が本件各商品の販売をしていたウェブサイトは、本件各ウェブサイトのみであった。 2 争点1(多数性の有無)について ⑴前記認定事実のとおり、被告会社からの本件各商品の購入者数は、仮想通貨バイブルが約4000人、VIPクラスセットが約1500人、パルテノンコースが約1200人であった(前記1⑻)。そして、本件ウェブサイト 定事実のとおり、被告会社からの本件各商品の購入者数は、仮想通貨バイブルが約4000人、VIPクラスセットが約1500人、パルテノンコースが約1200人であった(前記1⑻)。そして、本件ウェブサイト1が仮想通貨バイブル及びVIPクラスセットの購入を一般消費者に勧誘するために開設されたものであること(同⑴)、これらの商品を購入した者は本件動画が掲載された本件ウェブサイ ト2を案内され、パルテノンコースの購入を勧誘される仕組みとなっていたこと(同⑷)、被告会社は本件各ウェブサイト以外では本件各商品の販売をしていなかったこと(同⑻)からすれば、本件各商品の上記各購入者数の大部分は、被告会社から本件各ウェブサイトを通じて本件各商品を購入した一般消費者(事業者ではない個人)であると推認するのが相当である。 したがって、本件各対象消費者は、対象消費者ごとの個別の訴訟よりも法の定める訴訟手続等を活用した方が審理の効率化が図られる程度に多数存在しているといえ、「相当多数の消費者」(法2条4号)に該当すると認められる。 ⑵アこれに対し、被告Aは、自らが主催するオンライン塾の塾生合計約5500人に対しては、直接、本件各商品の販売ページへのリンク(本件各ウェブサイト上の 申込みボタンをクリックした後に表示されるクレジットカード会社の決済サイトのURL等)を案内しており、本件各ウェブサイトを経由せずに同リンクを通じて本件各商品を購入した者が多数存在したから、本件各対象消費者は相当多数いない旨主張し、これに沿う証拠として、当時の被告Aの秘書の陳述書(乙B28)を提出する。 しかし、証拠(乙B19の1ないし10、12、乙B22の1ないし3、乙B31 の1ないし12)によれば、被告Aが販売開始前にドラゴンアカデミーの塾生らに対して本件 (乙B28)を提出する。 しかし、証拠(乙B19の1ないし10、12、乙B22の1ないし3、乙B31 の1ないし12)によれば、被告Aが販売開始前にドラゴンアカデミーの塾生らに対して本件各商品の内容について動画等により説明し、その購入を勧誘したことが認められるものの、その際に、本件各ウェブサイトではなく、直接、本件各ウェブサイトから接続する先の決済サイトのURL等をリンク先として案内したことを裏付ける客観的証拠はない(かえって、被告Aがリンク先として提出する決済サイトの画面〔乙 B18、23〕は、購入した商品の送付先を記入する欄が設けられておらず、直接の 購入申込み先としては不自然である。)。加えて、被告Aが、差戻し前の第1審においては、仮想通貨バイブルの勧誘が本件ウェブサイト1のURLが貼られたメールやLINEで行われていること及びパルテノンコースの勧誘が本件ウェブサイト2のURLの配信により行われることを認めていたにもかかわらず(被告A第1準備書面〔2頁〕、被告A第3準備書面〔5頁〕)、当審において、全ての塾生に対して本件各ウ ェブサイトを経由しない購入方法のみを案内したという主張を初めてするに至ったという経緯や、これを受けて原告が原告に本件各商品についての被害情報を提供した者に対して購入経路を調査したところ、連絡先が判明して回答を得られた10人全員が本件ウェブサイト1を通じて仮想通貨バイブルを購入したと回答していること(甲48ないし50、弁論の全趣旨)をも考慮すれば、上記陳述書はにわかに信用するこ とができず、これによって本件各対象消費者が相当多数存在するという前記⑴の認定判断は左右されない。 なお、被告Aは、塾生らは事前説明等によって本件各商品の内容について承知していたから、本件ウェブサイ できず、これによって本件各対象消費者が相当多数存在するという前記⑴の認定判断は左右されない。 なお、被告Aは、塾生らは事前説明等によって本件各商品の内容について承知していたから、本件ウェブサイト1の説明内容や本件動画を見ずに購入を決意した者が多数存在するなどとも主張するが、それは、個々の消費者の事情による因果関係の問題 として簡易確定手続において問題となるべきであって、本件各ウェブサイトを通じて本件各商品を購入した消費者が相当多数存在することを否定する理由とはならない。 したがって、被告Aの上記各主張は採用することができない。 イまた、被告Aは、本件では苦情を申し立てている消費者が相当多数存在することが立証されていないとも主張する。 しかし、前記⑴のとおり、本件各対象消費者に該当する者は相当多数存在するところ、これらの者は、既に被害回復が図られていたり、対象債権を放棄していない限り、対象債権を行使する可能性があるといえ、現に苦情を申し立てていないというのみでは、多数性の要件を判断するに当たって「相当多数の消費者」(法2条4号)に含めることができないとはいえない(なお、本件全証拠によっても、本件各対象消費者のう ち大多数の者が被害回復が図られていたり、対象債権を行使する意思がないと認める ことはできない。)。したがって、被告Aの主張は失当である。 3 争点2(被告Aの被告適格)について前記認定事実によれば、被告Aは、本件ウェブサイト1において、仮想通貨バイブル及びⅤIPクラスセットの商品概要やこれらを購入することによる効果を自らの言葉により説明した上(前記1⑴エないしク)、「億万長者になる準備はいいですか? 今すぐ下記のボタンをクリックして「仮想通貨バイブル」をお申し込みください。」などとこ することによる効果を自らの言葉により説明した上(前記1⑴エないしク)、「億万長者になる準備はいいですか? 今すぐ下記のボタンをクリックして「仮想通貨バイブル」をお申し込みください。」などとこれらの購入を勧めていたものである(同ケ)。 また、被告Aは、同人からのメッセージと題する本件動画において、パルテノンコースの商品概要やこれを購入することによる効果を自ら説明した上(前記1⑸アないしウ)、「ぜひご参加下さい。あなたのご参加をお待ちしております」などとその購入 を勧めていたものである(同エ)。 このような本件ウェブサイト1及び本件動画の内容からすれば、被告Aは、自らが講演する内容の動画が収められたDVDや自らが参加する企画等を内容とする本件各商品について具体的に説明しながら、閲覧、視聴する消費者に対して積極的にその購入を勧めているのであって、単に本件各商品を不特定多数に向けて宣伝したにとど まらず、消費者の契約締結の意思形成に直接影響を与える程度に購入を働きかけているものといえる。したがって、被告Aは消費者契約の締結について勧誘をする事業者(法3条3項2号)に該当するから、被告Aには被告適格が認められる。 4 争点3(被告らの勧誘の違法性の有無)について⑴ 仮想通貨バイブルについて 前記認定事実によれば、本件ウェブサイト1においては、「“秘密の手続き”で日本人全員を億万長者にする歴史的プロジェクト」(前記1⑴ア)、「日本初公開の最新テクノロジーを利用し18歳の高校生から90歳のおじいちゃんまで日給3万円~30万円の不労所得を手に入れたビジネス初心者が続出中」(同イ)、「自動的に億万長者になることを本気で決意したら」(同ウ)、「億万長者になることが約束されたも同 然」「日本初公開の最新の方法」、 0万円の不労所得を手に入れたビジネス初心者が続出中」(同イ)、「自動的に億万長者になることを本気で決意したら」(同ウ)、「億万長者になることが約束されたも同 然」「日本初公開の最新の方法」、「すでに実践中の彼らは3年以内に確実に億万長者 になると断言」(同エ)、「3ヶ月で16億円稼がせたノウハウを完全解説」(同オ)などの文言を用いて、公開されていない特別なノウハウがあり、当該ノウハウによれば誰でも簡単、確実に多額の利益が挙げられる旨の説明が、断定的に繰り返しされていたものである。そして、そのノウハウの価値が100万円でも安すぎる、30万円でもタダ同然であるなどという記載も(同カ)、これを読んだ者に当該ノウハウが上記 説明内容どおりの特別なものであることを期待させ、信用させるものであったといえる。このような本件ウェブサイト1の内容からすれば、被告らは、仮想通貨バイブルを購入しさえすれば、秘密の手続、日本初公開の最新テクノロジーを用いて、誰でも簡単、確実に多額の利益を得ることができる旨を表示して、その購入を勧誘したものと認められる。 他方で、仮想通貨バイブルの内容についてみると、第1、4、5巻においては、仮想通貨、貨幣、ビジネス及び投資等に関する一般的な内容の説明が展開されるにとどまっており(前記1⑵ア、エ、オ)、そもそも仮想通貨を用いた稼ぎ方の説明はされていない。第2、3巻においては、仮想通貨を用いた稼ぎ方等に関する説明が行われてはいるものの、安値で買い高値で売る、アービトラージで稼ぐ、マイニング会社に出 資するなど、いずれも、仮想通貨を用いて稼ぎ得る手法の一般的な内容が紹介されているにとどまり(同イ、ウ)、具体的な市場状況に照らした投資の対象銘柄、時期及び取引の具体的な実施手順等が誰もが実践可能な形で るなど、いずれも、仮想通貨を用いて稼ぎ得る手法の一般的な内容が紹介されているにとどまり(同イ、ウ)、具体的な市場状況に照らした投資の対象銘柄、時期及び取引の具体的な実施手順等が誰もが実践可能な形で教示されているものではなく、また、秘密の手続、日本初公開の最新テクノロジーともいえず、具体的に実践しようとする際にはこれに伴うリスクや労力も存在するため、高校生から高齢者まで誰もが簡 単、確実に多額の利益を得ることができるものとは言い難い。 そうすると、本件ウェブサイト1における仮想通貨バイブルについての説明、勧誘は、仮想通貨バイブルという商品の内容について著しく事実に相違する表示をし、その性能を社会通念上許容される範囲を超えて著しく誇張して行われたものであるから、不法行為法上違法なものというべきである。 ⑵ ⅤIPクラスセットについて 本件ウェブサイト1では、「より「確実」に、より「早く」億万長者になりたいという方を対象としたVIPクラスをご用意しました」、「1年以内に億万長者が生まれることになります」(前記1⑴キ)などの文言が用いられており、仮想通貨バイブルだけを購入するよりもより有利に多額の利益を得られる旨の説明が断定的にされていたものである。このような本件ウェブサイト1の内容からすれば、被告らは、ⅤIPク ラスセットを購入しさえすれば、仮想通貨バイブルだけを購入するよりも確実かつ早く、誰でも簡単、確実に多額の利益を得ることができる旨を表示して、VIPクラスセットの購入を勧誘したものと認められる。 他方で、ⅤIPクラスセットの基となる仮想通貨バイブルの内容が、誰でも簡単、確実に多額の利益を得ることができるものとは言い難いことは前記⑴のとおりであ り、ここに、LINEグループへの参加等の特典(前記1 Pクラスセットの基となる仮想通貨バイブルの内容が、誰でも簡単、確実に多額の利益を得ることができるものとは言い難いことは前記⑴のとおりであ り、ここに、LINEグループへの参加等の特典(前記1⑴キ)が加わったとしても、VIPクラスセットが、誰でも簡単、確実に多額の利益を得ることができるものであったとは認め難い。 そうすると、本件ウェブサイト1におけるⅤIPクラスセットについての説明、勧誘は、ⅤIPクラスセットという商品の内容について著しく事実に相違する表示をし、 その性能を社会通念上許容される範囲を超えて著しく誇張して行われたものであるから、不法行為法上違法なものというべきである。 ⑶ パルテノンコースについて本件動画では、「人工知能があなたの代わりにものすごいスピードで資金を増殖させてくれる驚愕のシステム」「このシステムを使うことによりあなたが暗号資産で稼 ぐスピードが2倍、3倍、さらには5倍、10倍とアップ」(前記1⑸ア)、「ハイスピード自動AIシステムを使ってお金を稼ぐためにやることは簡単な初期設定だけです。初期設定さえ済ませてしまえばあとはAI、つまり人工知能にお任せで大丈夫です。AIがあなたの代わりに24時間365日、あなたのお金を増やし続けてくれるのです。」(同イ)、「放置しておくだけで勝手にお金が増えていくシステム」(同ウ)な どの文言を用いて、本件システムは人工知能が24時間365日資金を増やし続ける ものである旨を説明していたものである。1000万円出してでも買いたいという人が殺到するという記載も(同ウ)、これを読んだ者に本件システムが同説明内容どおりのものであると期待させ、信用させるものであったといえる。このような本件動画の内容からすれば、被告らは、パルテノンコースを購入して本 いう記載も(同ウ)、これを読んだ者に本件システムが同説明内容どおりのものであると期待させ、信用させるものであったといえる。このような本件動画の内容からすれば、被告らは、パルテノンコースを購入して本件システムに簡単な初期設定を行いさえすれば、人工知能が24時間365日資金を増やし続け、誰でも常 に仮想通貨で稼ぐことができる旨を表示して、その購入を勧誘したものと認められる。 他方で、パルテノンコース及び同コースで提供される本件システムの内容についてみると、本件システムによる取引は、初期設定で任意のトレーダーをフォローすると、当該トレーダーと同様の取引がされるという仕様のものにすぎない(前記1⑹ア)。 したがって、トレーダーの中に学習型AIを使用して取引を行う「Z.Z.」というイ ニシャルのトレーダーが存在するため、「Z.Z.」をフォローすれば、AIを用いた取引を行う「Z.Z.」と同じ取引が可能となるものである(同)とはいえても、初期設定を行えばAIが代わりに24時間365日資金を増やし続けるシステムとはいえず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。また、本件システムによる取引は、損失が出る可能性のあるバイナリーオプション取引を内容とするから(同イ)、資金を 常に増やし続けるものとも、誰でも常に稼ぐことができるものともいえない。 そうすると、本件動画におけるパルテノンコースについての説明、勧誘は、パルテノンコースという商品の内容について著しく事実に相違する表示をし、その性能を社会通念上許容される範囲を超えて著しく誇張して行われたものであるから、不法行為法上違法なものというべきである。 ⑷ 被告らの主張についてア被告会社は、①仮想通貨バイブル及びVIPクラスセットについて、誰でも簡単に稼げるというのは成功者の実例に基 から、不法行為法上違法なものというべきである。 ⑷ 被告らの主張についてア被告会社は、①仮想通貨バイブル及びVIPクラスセットについて、誰でも簡単に稼げるというのは成功者の実例に基づく表示である、②本件システムを利用すると長期的には確実に利益が出るのであり、実際、平成29年11月に会員からLINEでアンケートをとったところ、約1300人以上がパルテノンコースに満足してい ると回答したから、パルテノンコースについて虚偽又は著しく誇大な説明はしていな いと主張し、これを裏付ける証拠として、同アンケート結果(乙A12の1、乙A13)及び本件システムを利用したことによって資産が増大したという購入者らの陳述書(乙A15、18、19)を提出する。 しかし、上記①については、仮想通貨によって利益を得たという者が実在したとしても、仮想通貨バイブル自体が、誰でも簡単、確実に多額の利益を得られる具体的な 内容を提供するものとはなっていないのであるから、誰でも稼げるものであるという表示の違法性を否定することにはならない。 上記②についても、前記⑶のとおり、本件動画では本件システムについて24時間365日資金を増やし続けるものと表示しており、短期的には損が生ずるなどとは説明していないのであるから、仮に長期的に使用すれば利益が生ずるとしても、同表示 が事実に相違し、不当に効果を誇張するものであったことは左右されない。また、被告会社が提出する証拠について検討しても、上記アンケート結果(なお、証拠提出されているのは約560人分のみである〔乙A12の1、乙A13、弁論の全趣旨〕。)は、「パルテノンへ参加して良かったですか」との質問に「いいえ」と答えた方は退会してもらっても大丈夫です、との説明がされた上での回答が求められたもの である〔乙A12の1、乙A13、弁論の全趣旨〕。)は、「パルテノンへ参加して良かったですか」との質問に「いいえ」と答えた方は退会してもらっても大丈夫です、との説明がされた上での回答が求められたものであるこ と(乙A13の407枚目)、上記アンケート実施後の平成29年12月には現にパルテノンコースの勧誘が著しく事実に相違すると訴える40人以上の購入者による集団訴訟が提起されていること(甲14、弁論の全趣旨)からすれば、被告会社の提出する証拠をもって、一般的な購入者が勧誘時の本件動画における説明についてパルテノンコースの内容と齟齬がないものと理解したと認めることはできない。したがっ て、被告会社の上記②の主張も理由がない。 イ被告Aは、①仮想通貨バイブルの購入者は、被告Aが配信した事前説明動画(乙B7の1ないし3)を観た後に購入申込みをしたものであり、同説明動画をみれば仮想通貨バイブルがどのような中身のものか容易に判断することができたから、誰でも簡単、確実に多額の利益を確保できることを要とした説明をしたものではない、②仮 想通貨バイブルで紹介した手法のうち、仮想通貨を購入して高値の時期に売却すると いう手法は誰でも簡単に実践できたし、その他の手法も誰でもできる簡単な方法であり、実際に、仮想通貨バイブルの販売後仮想通貨は大きく値上がりして、仮想通貨の購入者は大きな利益を得ているから、仮想通貨バイブルの内容を実践すれば誰でも確実に多額の利益を確保することができたという説明内容と、仮想通貨バイブルの内容の間に齟齬はないと主張する。 しかし、上記①については、被告Aが主張する事前説明動画の内容も、被告Aが新手法を教えた塾生らが3か月で16億円稼いだこと、その手法は仮想通貨によるもので、資金も要らず、リスクも基 張する。 しかし、上記①については、被告Aが主張する事前説明動画の内容も、被告Aが新手法を教えた塾生らが3か月で16億円稼いだこと、その手法は仮想通貨によるもので、資金も要らず、リスクも基本的に全然なく、ほとんど作業も不要であること、仮想通貨で億単位の利益を出せる大きな波が来つつあること、仮想通貨バイブルは稼ぎ方に特化したDVDである旨を述べていたものであって(乙B7の1ないし3)、本 件ウェブサイト1の内容と大きく異なるところはないから、上記事前説明動画を観たからといって、購入者らが、本件ウェブサイト1において、前記⑴及び⑵で認定した表示がされていないと理解するものとは認められない。 上記②については、被告らは、仮想通貨バイブルに収録されているノウハウが、秘密の手続ないし日本初公開の最新テクノロジーであり、100万円の価値があるなど と表示していたのであって、単に仮想通貨を買って値上がりすれば売却して売却益を得るという手法は、秘密の手続とも、最新テクノロジーともいえないことは明らかであり、結果的に仮想通貨が値上がりして多額の利益を確保した者がいるからといって、勧誘時の説明が、商品の内容について著しく事実に相違する表示をし、その効果を不当に著しく誇張したものであったことは否定されない。その他の手法についても、仮 想通貨バイブルが、誰もが簡単、確実に多額の利益を得ることができる方法を直ちに実践可能な程度に具体的に教示するものではないことは前記⑴のとおりであるから、同主張は理由がない。 5 小括以上によれば、被告らによる本件ウェブサイト1による仮想通貨バイブル及びⅤI Pクラスセットの勧誘並びに本件動画によるパルテノンコースの勧誘は、その余の点 について判断するまでもなく、違法であるところ、前 よる本件ウェブサイト1による仮想通貨バイブル及びⅤI Pクラスセットの勧誘並びに本件動画によるパルテノンコースの勧誘は、その余の点 について判断するまでもなく、違法であるところ、前記認定事実によれば、被告らは当該勧誘の内容も本件各商品の内容も十分認識していたものと認められるから(被告Aは、仮想通貨バイブルに自ら出演しただけでなく、本件システムの開発にも中心的に関わっていたものである〔甲5の2[3頁]〕。)、被告らには故意が認められ、被告らは、本件各ウェブサイトを通じて被告会社から本件各商品を購入した本件各対象消 費者に対し、不法行為責任を負う。 そして、上記違法な勧誘を受けた購入者は、その勧誘から生じた誤信に基づき本件各商品を購入したと考えることに合理性があるから、被告らは、個々の消費者の個別の事情がない限り、上記違法な勧誘に係る不法行為と相当因果関係のある損害として、本件各対象消費者に対し、支払われた売買代金並びに本件各対象消費者が特定適格消 費者団体に支払うべき報酬及び費用についての損害賠償義務を連帯して負う。 第4 結論よって、原告の請求は理由があるからこれを全部認容することとして、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第1部 裁判長裁判官大寄麻代 裁判官小津亮太 裁判官永瀬雄大

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