- 1 -主文 一審被告の控訴に基づき,原判決主文第1項を取り消す。 上記取消しに係る一審原告らの請求を棄却する。 一審原告ら(A及びBを除く)の本件控訴を棄却する。 。 訴訟費用は,第1,2審を通じて,一審原告らの負担とする。 事実 及び理由第1控訴の趣旨(一審原告ら。ただし,A及びBを除く)。 原判決中一審原告ら敗訴部分を取り消す。 ,, 一審被告は宇都宮地方裁判所平成▲年(ワ)第▲号損害賠償請求事件に関し一切の公金の支出をしてはならない。 訴訟費用は,第1,2審とも一審被告の負担とする。 (一審被告) 原判決中一審被告敗訴部分を取り消す。 一審原告らの請求を棄却する。 訴訟費用は,第1,2審とも一審原告らの負担とする。 第2事案の概要 大田原市は,Cほか6名に対し,同人らがごみ処理施設へのごみの搬入阻止行動により同市の業務が妨害されたとして,損害賠償請求訴訟を提起したところ,Cが請求を認諾し,その他6名が請求を争った。 本件は,大田原市の住民である一審原告らが,大田原市がCに対する債権の行使をしないことが違法であるとして,地方自治法242条の2第1項3号の規定に基づき,その違法確認を求めるとともに,別件訴訟についての公金の支出が違法であるとして,同項1号の規定に基づき,その支出の差止めを求めた事案である。 ,,, 原判決は上記違法確認の請求を認容し上記差止めの請求を棄却したので- 2 -一審原告のうちA及びBを除く者並びに一審被告が,それぞれ敗訴部分を不服として控訴をした。 前提事実(1)一審原告らは,大田原市の住民である。 (2)一審被告は大田原市の市長であり地方自治法242条の2第1項1号,,,。 及び3号の執行機関として大田原市の財産の管理を行う 前提事実(1)一審原告らは,大田原市の住民である。 (2)一審被告は大田原市の市長であり地方自治法242条の2第1項1号,,,。 及び3号の執行機関として大田原市の財産の管理を行う義務を負っている(3)大田原市は平成15年7月25日Cほか6名を被告として同人ら住,,,民が平成14年12月2日から同月16日までの間,ごみ処理施設であるDへのごみ搬入の阻止行動をしたことによって同市の業務が妨害されたとして,損害賠償請求訴訟を提起した(宇都宮地方裁判所平成▲年(ワ)第▲号。 以下「別件訴訟」という(甲1,乙12)。)。 ,,,(4)Cは平成15年9月18日別件訴訟の第1回口頭弁論期日において請求を認諾した。これによって,大田原市のCに対する346万7544円の損害賠償請求権及びこれに対する平成14年12月17日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金請求権が訴訟上確定した(以下,この訴訟上確定したCに対する債権を「本件債権」という(甲1,2)。)。 (5)一審原告らは平成17年6月14日大田原市監査委員会に対し一審,,,被告がCに本件債権の支払を請求することを求める監査請求をし,同監査委,,。()員会は同年7月26日上記監査請求を棄却する旨の通知をした甲3(6)一審被告はCから平成18年6月19日付けで本件債権の弁済期限の延,長を求める旨の申出書が提出されたのを受けて,同月26日,地方自治法240条3項,同法施行令171条の6第1項4号の規定により,上記申出を承認する旨の通知書を発した(乙2,3,4の1,2)。 争点及び争点に関する当事者の主張(1)本件債権の不行使の違法性の有無(一審原告らの主張)- 3 -ア大田原市は,別件訴訟においてCに対す 旨の通知書を発した(乙2,3,4の1,2)。 争点及び争点に関する当事者の主張(1)本件債権の不行使の違法性の有無(一審原告らの主張)- 3 -ア大田原市は,別件訴訟においてCに対する本件債権について債務名義を得ながら,その後強制執行の手続をとっていないのは,財産の管理を怠る事実に該当する。 ,,イ普通地方公共団体が有する債権については政令の定めるところによりその督促,強制執行その他その保全及び取立てに関し必要な措置をとらなければならないとされており,客観的に存在する債権を理由もなく放置したり,免除したりすることは許されず,原則として,地方公共団体の長にその行使又は不行使についての裁量はない。本件債権は,債務名義のある債権であるから,強制執行手続をとることが義務づけられており,その手続をとらないことは違法である。 ウ一審被告は,原判決後,地方自治法240条3項,同法施行令171条の6第1項4号の規定により,本件債権の弁済期の延期をした。しかし,同号による弁済期の延期は,債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり,かつ弁済につき特に誠意を有すると認められることを要すると定められているところ,Cは,宅地,畑,居宅等を所有し,本件債権を弁済する資力に欠けるところはなく,弁済期の延期を許容する要件に欠け,一審被告による弁済期延期の措置は違法である。したがって,弁済期延期の措置をとったことによって,本件債権について強制執行手続をとらないことが適法になることはない。 エそもそも,一審被告は,Cとの間において,取立てをしない約束の下に同人を味方に取り込み,別件訴訟を提起し,Cに認諾させたものである。 前記の弁済期の延期の措置についても,それに至った経緯に照らすと,一審被告とCとの間の偽装行為にすぎず,一審被告の本 ない約束の下に同人を味方に取り込み,別件訴訟を提起し,Cに認諾させたものである。 前記の弁済期の延期の措置についても,それに至った経緯に照らすと,一審被告とCとの間の偽装行為にすぎず,一審被告の本件債権の不行使は違法である。 (一審被告の主張)ア地方自治法242条の2第1項3号の「財産の管理」とは,当該財産の- 4 -財産的価値の低下を防ぎ,良好な状態に維持・保存する財務的処理を直接の目的とする財産管理に限るものであり,当該地方公共団体の有する財産的価値が何らかの影響を受ける場合にのみ,財産の管理を怠る事実の確認として住民訴訟の対象となるものであるその趣旨からすれば同号の怠。 ,「る事実」の判断には,地方公共団体に損害が発生することを要するというべきである。本件債権は,私法上の債権であり,訴訟手続上認諾されたもので,その消滅時効の期間は10年であり,当面時効が完成することはないから,本件債権を行使しないことによって,大田原市に損害が生じているとみることはできない。 イ別件訴訟は,大田原市が,Cを含む7名に対して連帯して損害金の支払を求めたものであり,他の6名について訴訟が係属している現状では,本件債権の行使をしないことは,一審被告の裁量権の範囲内にある。 ウ一審被告は,平成18年6月26日,Cの申出により,本件債権の弁済期を延期する措置をとり,その旨を同人に通知したから,手続的にも違法とするところはない。 (2)別件訴訟への公金の支出の違法性の有無(一審原告らの主張)ア前記のとおりCには本件債権の弁済をする資力があり,一審被告は,同人から本件債権の回収を行えば足り,別件訴訟を維持する必要はなく,別件訴訟への公金の支出は違法である。原判決は,Cへの債権の行使が必ずしも可能とはいえないとし,地方自治法施行令171条の2 告は,同人から本件債権の回収を行えば足り,別件訴訟を維持する必要はなく,別件訴訟への公金の支出は違法である。原判決は,Cへの債権の行使が必ずしも可能とはいえないとし,地方自治法施行令171条の2第3号によっても,別件訴訟の維持が違法でないとした原判決は,前提事実を誤っており,不当である。 イ一審被告は,Cのみに賠償責任を負わせ,他の者に賠償を求めないことが,その者らの反社会的行動を容認することになり,公正さを欠く旨主張する。しかし,Cは当時の自治会長として首謀者であった者であり,Cが- 5 -大田原市に支払った損害金を同人と他の者との間でどのように分担するかについては,行政が介入してはならない事柄である。大田原市は,ごみ搬入阻止行動に参加した者のうち一部の者をねらい打ちにして別件訴訟を提起しており,そもそも40年間劣悪な焼却炉を押しつけた上,住民との協議を拒否して,新焼却炉を押しつけたのであり,その代表者である一審被告が,C以外の別件訴訟の被告らの行為を反社会的行動と非難するのは笑止である。 (一審被告の主張)別件訴訟は,Cら7名が,共同してごみ搬入阻止行動をとったことを理由として,連帯して損害金を支払うことを求めたものであり,Cが大田原市の,。 ,,請求を認諾したとしても他の者が責任を免れるものではないCは当時自治会長の立場にあったためやむを得ずごみ搬入阻止行動に加わったものであり,C一人にのみ賠償責任を負わせ,首謀者である他の者に賠償を求めないことは,その者らの反社会的行動を容認することになり,著しく公正を欠く。前記のとおり,一審被告がCに対する本件債権を行使しないことは裁量,。 権の範囲内であるから別件訴訟を維持することが違法であるとはいえない第3当裁判所の判断 当裁判所は,一審原告らの請求はいずれも理 おり,一審被告がCに対する本件債権を行使しないことは裁量,。 権の範囲内であるから別件訴訟を維持することが違法であるとはいえない第3当裁判所の判断 当裁判所は,一審原告らの請求はいずれも理由がないものと判断するが,その理由は以下のとおりである。 本件債権の不行使の違法性の有無について(1)ア地方自治法240条2項は「普通地方公共団体の長は,債権(同条1,項で,金銭の給付を目的とする普通地方公共団体の権利と定義されているについて政令の定めるところによりその督促強制執行その他そ。),,,の保全及び取立てに関し必要な措置をとらなければならないと同条3。」,項は「普通地方公共団体の長は,債権について,政令の定めるところにより,その徴収停止,履行期限の延長又は当該債権に係る債務の免除をする- 6 -ことができる」と定める。 。 イ地方自治法240条2項を受けた同法施行令171条の2は普通地方,「公共団体の長は,債権(中略)について,地方自治法231条の3第1項又は前条の規定による督促をした後相当の期間を経過してもなお履行されないときは,次の各号に掲げる措置をとらなければならない。ただし,171条の5の措置をとる場合又は171条の6の規定により履行期限を延長する場合その他特別の事情があると認める場合はこの限りでないと,。」しその2号は債務名義のある債権中略については強制執行の手,,「(),続をとること」と定める。 。 ウ地方自治法240条3項を受けた同法施行令171条の6第1項は普,「通地方公共団体の長は,債権(中略)について,次の各号の一に該当する場合においては,その履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合において,当該債権の金額を適宜分割して履行 ,「通地方公共団体の長は,債権(中略)について,次の各号の一に該当する場合においては,その履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合において,当該債権の金額を適宜分割して履行期限を定めることを妨げない」とし,その4号は「損害賠償金又は不当利得による返。 ,還金に係る債権について,債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難でありかつ弁済につき特に誠意を有すると認められるときと,,。」定めるさらに同条2項は普通地方公共団体の長は履行期限後にお。 ,,「,いても,前項の規定により履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合においては,既に発生した履行の遅滞に係る損害賠償金(),。」。 その他の徴収金中略に係る債権は徴収すべきものとすると定める(2)地方自治法施行令171条の2第2号は債務名義のある債権について督,促しても履行されないときは,強制執行の手続をとることを地方公共団体の長に義務づけているが,同条ただし書は,徴収停止の措置をとる場合,履行期限を延長する場合その他特別の事情があると認める場合は,その義務を解除しているので,以下,本件についてそのような事情があるかどうかを検討する。 - 7 -(3)後掲証拠及び弁論の全趣旨によれば前記前提事実のほか次の各事実が,,認められる。 ア平成9年1月,ダイオキシン類発生防止等ガイドラインが示され,厚生省(現厚生労働省)のごみ処理の広域化の方針もあり,平成11年4月,栃木県那須地域においては,大田原市を含む事務組合がごみ処理施設の建設を行うこととなり,建設場所を既存のごみ処理施設がある大田原市α地内として計画が進められ,平成13年9月26日,E建設工事の入札を経て,工事業者が選定され,施設の建設が始 務組合がごみ処理施設の建設を行うこととなり,建設場所を既存のごみ処理施設がある大田原市α地内として計画が進められ,平成13年9月26日,E建設工事の入札を経て,工事業者が選定され,施設の建設が始まった。平成14年11月21日には,ごみ焼却場の火入れ式が行われ,平成15年3月1日からは,焼却施設の本稼働が始まり,同年4月1日からは,Eも含めたDが本稼働を始めた(乙11)。 ,,,,,イ上記の過程において平成12年8月1日関係自治会のうちαβγの各自治会は環境保全協定の締結をしたが,一審原告らが所属するδ・。(,ε・ζ自治会との間での環境保全協定の締結には至らなかった乙11弁論の全趣旨)ウ本件処理施設の建設に反対する住民は,平成14年2月18日から同年3月2日まで,旧処理施設へのごみ搬入阻止行動を行い,さらに,同年12月2日から同月16日まで新処理施設へのごみ搬入阻止行動を行った。 大田原市の担当者は,上記阻止行動の前に,反対住民の属するδ・ε・ζ自治会の区長を務めるCと連絡をとり,情報を得るとともに,焼却炉の性能試験中でもあり,前回の阻止行動の際とは異なり,阻止行動があったときは,必要な法的措置を迅速にとれるよう準備を整えている旨を告げた。 Cは,実力行使は阻止するつもりであるが,全世帯の多数が実力行使をするのであれば区長として同調して行動せざるを得ない旨返答をした乙,。(5,11,14)エ大田原市の担当者は,一審被告が別件訴訟を提起する旨を公表した後,- 8 -Cと連絡をとったが,同人は,真意のほどはともかく,自らを含め共同して阻止行動をとった者らが損害賠償請求を受けることはやむを得ないとの発言をした(乙7から9)。 オCは,昭和▲年生で,高校卒業後,運輸会社に勤め,退職後,δ・ε・ζ はともかく,自らを含め共同して阻止行動をとった者らが損害賠償請求を受けることはやむを得ないとの発言をした(乙7から9)。 オCは,昭和▲年生で,高校卒業後,運輸会社に勤め,退職後,δ・ε・ζ自治会の区長を長らく務めていた者である。同人は,自宅の土地建物を所有しており,本件債権の弁済をする資力に特に問題がある様子はうかがわれない(乙14)。 カCは,ごみ搬入阻止行動においては,区長の立場から,他の反対派住民と同調して行動に参加したが,その後は,反対派住民とは立場を異にするようになった(乙14,弁論の全趣旨)。 (4)以上の事実に基づいて検討する。 ア前記(1)の法令の各規定を含む地方自治法240条同法施行令171条,から171条の7までの規定によれば,客観的に存在する債権を理由もなく放置したり免除したりすることは許されず,原則として,地方公共団体の長にその行使又は不行使についての裁量はない(最高裁平成12年(行ヒ)第246号同16年4月23日第二小法廷判決・民集58巻4号89,2頁。 )イ前記認定のとおり,一審被告は,Cの弁済期限延長の申出に対し,これを承認する旨の通知を発したが,乙3,4の1をみても,その根拠規定である地方自治法施行令171条の6第1項4号が定める「債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難である」ことの要件を検討した形跡が認められず,本訴においても,一審原告らが,Cに十分な弁済資力があるなどとして,上記弁済期限延期の措置が法令上の要件を欠く旨主張する,,。 ,のに対して一審被告において特に反論するところがないしたがって一審被告が本件債権について弁済期限の延期の措置をとったことを根拠として,本件債権の行使を差し控えることを正当化することはできない。 - 9 -ウところで,本件債権は 論するところがないしたがって一審被告が本件債権について弁済期限の延期の措置をとったことを根拠として,本件債権の行使を差し控えることを正当化することはできない。 - 9 -ウところで,本件債権は,大田原市が進めたごみ処理場建設の施策に反対する住民と同市との対立を背景として発生した住民側のごみ搬入阻止行動という実力行使によって生じた同市の損害を賠償する義務を内容とするものである。本件債権の発生には,ごみ処理に関する同市の施策の歴史,嫌悪施設を受け入れてきた住民の思い,新施設建設に当たっての諸情勢等の背景があることはもとより,住民の実力行使によって大田原市に生じた損害については,実力行使の有無と程度内容を行為者ごとに検討しつつ,これをどのように公平に負担すべきであるかという問題は当然考慮されなければならない。別言すれば,かかる錯綜した紛争について,C一人が責任を負担すれば足りるとし,これに係る問題を顧みる必要がないとすることも相当でない。もちろん,大田原市による別件訴訟の提起は,議会における議決を経ているものと推認されるが,Cを除く別件訴訟の被告ら(一審原告らの一部と同じ)が,その請求を争い,平成15年の訴え提起以来,現時点においても一審判決に至っていないことに照らしても,住民らの損害賠償義務の存否・程度が一義的に明白とはいえず,客観的に判定すべき多彩な事柄をはらんでいることを表している。 本件債権は,債務名義を有する確定債権として存在し,法律的にはその債権の回収手続に障害がなく,債務者であるCには,その債権額を弁済する資力に問題がないが,本件債権発生の由来,その他上記の諸事情にかんがみれば,債権者である大田原市としては,C以外の住民に係る訴訟手続が完了していない現時点においては,本件債権の取扱いについて行政としての慎重な検討を要す 件債権発生の由来,その他上記の諸事情にかんがみれば,債権者である大田原市としては,C以外の住民に係る訴訟手続が完了していない現時点においては,本件債権の取扱いについて行政としての慎重な検討を要するというべきである。 したがって,一審被告が,別件訴訟の動向をみた上で本件債権の行使を検討することとして,現時点まで強制執行の手続に着手しないことは,地方自治法施行令171条の2ただし書の「その他特別の事情があると認める場合」に当たり,同条本文の規定による強制執行の手続をする義務が解- 10 -除されるものと解するのが相当である。 エ一審原告らは,一審被告が,取立てをしない約束の下にCを味方に引き入れて,別件訴訟を提起し,同人に認諾させた旨主張するが,前記のとおり,同人が別件訴訟の他の被告らと立場を異にするようになったことは認められるものの,一審被告とCとの間で本件債権を取り立てない約束があったとか,別件訴訟が馴れ合い訴訟であるといった事実を認めるに足りる証拠は認められず,上記主張は採用できない。 (5)以上のとおり一審被告が本件債権について督促及び強制執行の手続を,,しないことは,正当の理由があり,地方自治法242条の2第1項3号の怠る事実に当たらないから,怠る事実の違法確認を求める一審原告らの請求は理由がない。 別件訴訟への公金の支出の違法性の有無について前項で説示したとおり,一審被告が本件債権の行使をしないことが違法とはいえないから,一審原告が別件訴訟を維持する必要があり,これに対する公金の支出が違法であるということはできない。 ,,,,一審原告らはCが首謀者であったと主張するが同人が平成14年当時δ・ε・ζ自治会の区長であったことは前記のとおり認められるものの,それゆえに,直ちにごみ搬入阻止行動の首謀者と評価 ,,,,一審原告らはCが首謀者であったと主張するが同人が平成14年当時δ・ε・ζ自治会の区長であったことは前記のとおり認められるものの,それゆえに,直ちにごみ搬入阻止行動の首謀者と評価できるとまではいえず,本件債権の行使を留保している一審被告の措置を違法とする根拠とはならない。また,本件債権に係る損害賠償の負担を住民がどのように分担するかについて行政が介入するのが相当でないとしても,本件のように公共施設の業務の在り方をめぐり,入り組んだ法的紛争が伏在することがうかがわれる場合には,一審被告が損害賠償請求権の行使をどのように行うかを判断する上で,別件訴訟における請求原因事実の認定判断を含め,その帰すうを待ち,もって本件債権について適正な権利行使を期することが不相当であるとはいえない。 その他,一審被告が別件訴訟を維持することが違法であることを認めるに足- 11 -りる証拠は認められず,別件訴訟への公金の支出の差止めを求める一審原告らの請求は理由がない。 以上の次第で,原判決中財産の管理を怠る事実の違法確認の請求を認容した部分は不当であるから,一審被告の控訴に基づき,原判決主文第1項を取り消した上,当該請求を棄却し,別件訴訟への公金の支出の差止めの請求を棄却した部分は相当であるから一審原告らA及びBを除くの控訴を棄却するこ,(。)ととし,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第4民事部裁判長裁判官稲田龍樹裁判官浅香紀久雄裁判官高野輝久
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