裁判所
昭和43年5月30日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所 昭和38(ネ)2849
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主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人平田政蔵の上告理由について。被上告人らの被相続人Dは売買により本件土地等の所有権を取得し、その引渡をも受けたものである旨、および右のような状況にある土地につき、右D不知の間に、上告人は訴外E信用金庫のため根抵当権および地上権の設定登記をし、その後に本件売買の残代金の催告をしたものである旨の原審の認定は、挙示の証拠により是認できる。かかる事実関係の下においては、契約当事者は信義則に従い、相手方が契約所期の目的を達するよう努める義務があるものであるから、本件土地が右のような状態にある場合においては、右Dが上告人の催告に応じて残代金を支払つても、右根抵当権および地上権が設定されているため、将来所有権を失う等不測の損害を蒙るおそれがあるので、本件契約解除の前提たる前記催告は、信義則に反する無効のものというべきである旨の原審の判断は、正当と認められ、原判決には所論の違法はない。論旨は、ひつきよう原審の適法にした証拠の取捨判断、事実の認定を争い、または原審の認定に副わない事実関係を主張し、これらを前提として原判決を非難するものであつて、採るを得ない。よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官入江俊郎裁判官長部謹吾- 1 -裁判官松田二郎裁判官岩田誠裁判官大隅健一郎- 2 - 裁判官 松田二郎 裁判官 岩田誠 裁判官 大隅健一郎
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