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平成11(ワ)13440 損害賠償

裁判所

平成13年11月30日 大阪地方裁判所

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50,488 文字

平成11年(ワ)第13440号損害賠償請求事件(一部認容・控訴) 主文 1 被告らは,原告らに対し,連帯して,それぞれ70万円及び同各金員に対する平成8年12月22日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。2 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。3 訴訟費用はこれを20分し,その1を被告らの,その余を原告らの各負担とする。4 この判決は,第1項に限り仮に執行することができる。事実及び理由 第1 請求被告らは,連帯して,原告Aに対して2175万0287円,同Bに対して602万円,同Cに対して1650万7158円,同Dに対して3129万55  72円,同Eに対して602万円,同Fに対して602万円,及び同各金員に対する平成8年12月22日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。第2 事案の概要本件は,原告らが被告らに対し,被告らが別紙1物件目録記載1の建物(以下「本件マンション」という。)を建築したことにより風害が発生し,同物件目録記載2・,3・の各建物に居住することができなくなったとして,共同不法行為に基づき,連帯して,損害賠償及び最初に被害が発生した平成8年12月22日から民法所定の年5分の割合による遅延損害金を請求した事件である。1 前提事実(証拠等により認定した事実は,証拠等を掲げる。)・当事者等ア原告ら(ア) 原告Aと同Bは夫婦であり,同Cはその間の子である(以下,3名を「原告Aら」という。)。原告A及び同Cは,昭和60年11月20 日,別紙1物件目録記載2・の土地(以下「原告A土地」という。)及び同目録記載2・の建物(以下「原告A建物」といい,両者を併せて「原告 。原告A及び同Cは,昭和60年11月20 日,別紙1物件目録記載2・の土地(以下「原告A土地」という。)及び同目録記載2・の建物(以下「原告A建物」といい,両者を併せて「原告A宅」という。 (以下,3名を「原告Aら」という。)。原告A及び同Cは,昭和60年11月20 日,別紙1物件目録記載2・の土地(以下「原告A土地」という。)及び同目録記載2・の建物(以下「原告A建物」といい,両者を併せて「原告 。原告A及び同Cは,昭和60年11月20 日,別紙1物件目録記載2・の土地(以下「原告A土地」という。)及び同目録記載2・の建物(以下「原告A建物」といい,両者を併せて「原告A宅」という。)を,それぞれ持分5分の3,5分の2の割合で購入し,昭和61年1月から,原告Cを含め,同所において居住を始めた。なお,原告A宅は,本件マンション東側に位置し(別紙2図面参照),木造瓦葺2階建で,昭和52年4月20日に新築されたものであった(甲1号証,3号証,63号証)。(イ) 原告Dは,昭和58年1月19日,別紙1物件目録記載3・及び・の各土地(以下「原告D土地」という。)並びに同目録記載3・の建物(以下「原告D建物」といい,両者を併せて「原告D宅」という。)を,訴外Gと,それぞれ持分5分の4,5分の1の割合で購入し,同所において居住を始めた。なお,原告D宅は,本件マンション東側に位置し(別紙2図面参照),木造瓦葺2階建で,昭和52年8月1 0日に新築されたものであった(甲2号証の1及び2,4号証)。(ウ) 原告Eは,昭和61年,原告Dと婚姻し,原告Fは,平成7年4月,原告D及び同Eとの間に生まれた子であり(以下,3名を「原告D ら」という。),原告Eは婚姻後,同Fは誕生後,原告D宅において居住を始めた(弁論の全趣旨)。イ被告ら(ア) 被告丸紅株式会社(以下「被告丸紅」という。)は,各種商品卸を主たる業とする総合商社で,本件マンションの事業主(売主)である。(イ) 被告株式会社竹中工務店(以下「被告竹中工務店」という。)は,一般土木建築工事を主たる業とする株式会社で,本件マンションの共同設計・施工者である。(ウ) る。(イ) 被告株式会社竹中工務店(以下「被告竹中工務店」という。)は,一般土木建築工事を主たる業とする株式会社で,本件マンションの共同設計・施工者である。(ウ) 被告株式会社都市建(以下「被告都市建」という。)は,土木建築サービスを主たる業とする株式会社で,本件マンションの共同設計者である。ウその他株式会社風工学研究所(以下「風工学研究所」という。)は,昭和53年に設立された耐風工学及び風環境に関する民間の調査研究機関で,ビル風など現実に発生する風環境の変化などの問題に対するコンサルティングをしている。 社で,本件マンションの共同設計・施工者である。(ウ) 被告株式会社都市建(以下「被告都市建」という。)は,土木建築サービスを主たる業とする株式会社で,本件マンションの共同設計者である。ウその他株式会社風工学研究所(以下「風工学研究所」という。)は,昭和53年に設立された耐風工学及び風環境に関する民間の調査研究機関で,ビル風など現実に発生する風環境の変化などの問題に対するコンサルティングをしている。藤井邦雄(以下「藤井」という。) は,平成3年1月から平成12年10月まで,同研究所の代表取締役所長であった(証人藤井)。・原告ら宅付近は,ほとんどが3階建以下の中低層の建物からなる良好な住宅地であり,周辺地域は,本件マンションを除き,ほぼ平坦である(甲24号証の1及び2,36,37号証)。また,原告ら宅は,画地規模80ないし90平方メートル程度の木造2階建住宅を標準的使用とする住宅地域にあり,西側に本件マンションが立地し,東側及び北側には戸建一般住宅地域が形成され,南側は共同住宅等が建築されている(甲28号証,乙22号証の1及び 2)。都市計画法上,第2種中高層住宅専用地域(建ぺい率60パーセント,容積率200パーセント),第2種高度地域に含まれ,南海a線 「b」駅の南東方約220メートル,地下鉄c線「d」駅の北西方約770メートルに位置している(甲76号証,乙22号証の1及び2)。・被告らは,本件マンションの建築を計画し,建築基準法59条の総合設計制度を採用し(その結果,容積率の割増が適用された。), 堺市の に位置している(甲76号証,乙22号証の1及び2)。・被告らは,本件マンションの建築を計画し,建築基準法59条の総合設計制度を採用し(その結果,容積率の割増が適用された。), 堺市の建築指導課等の担当部署及び緑政課とも協議した上で,設計計画を行い,その後,原告らを含む近隣住民とも何度も協議会を行って,当初の計画案より東棟(A棟)及び南棟(B棟)の一部の階数を減らしたり,北側公開空地部分をまとめて配置して運動公園化したり,あずまやを廃するなど,住民側の意見を採り入れるなどして,最終的な設計計画案(現行案)を作成した(弁論の全趣旨)。・本件マンションは,別紙2図面記載のとおり,A棟(12階高さ34.85メートル),B棟(20階(一部14階) 高さ56.85メートル),C棟 (20階(一部12階) 高さ56.85メートル)からなっており,北に向いて「コ」の字型をしている。 公開空地部分をまとめて配置して運動公園化したり,あずまやを廃するなど,住民側の意見を採り入れるなどして,最終的な設計計画案(現行案)を作成した(弁論の全趣旨)。・本件マンションは,別紙2図面記載のとおり,A棟(12階高さ34.85メートル),B棟(20階(一部14階) 高さ56.85メートル),C棟 (20階(一部12階) 高さ56.85メートル)からなっており,北に向いて「コ」の字型をしている。被告らは,平成7年2月22日,本件マンション建築に着工し,同年9月7日,本件マンションの1階工事を開始した。そして,平成8年7月31日,A棟を竣工させ,同年12月ころには,B棟,C棟を20階まで建ち上げ,平成9年3月11日,全体を竣工させた。なお,本件マンションと原告ら宅との距離は,約20メートルである。・風速は時間的に常に変動しているので,ある時間内の平均値で表す。日本では平均化時間10分間の平均風速値を「平均風速」とし,平均化時間2ないし3秒の風速値を「瞬間風速」としている。また,風速のデータを日単位で表す場合,1日を通じて「平均風速」を連続的に観測して得られたその日の最大値を「日最大平均風速」,1日を通じて連続的に観測して得られた「瞬間風速」の最大値を「日最大瞬間風速」という。同様に 場合,1日を通じて「平均風速」を連続的に観測して得られたその日の最大値を「日最大平均風速」,1日を通じて連続的に観測して得られた「瞬間風速」の最大値を「日最大瞬間風速」という。同様に,月(年)単位で表す場合は,平均風速の最大値を「月(年)最大平均風速」,瞬間風速の最大値を「月(年) 最大瞬間風速」という。また,最大瞬間風速と最大平均風速との比を突風率(ガストファクター)といい,およその突風率は,平地・上空では1.2から1.5,郊外・住宅地では1.5から2.0,市街地では2.0から3.0である(甲20号証)。・風の高さによる変化は,次のとおりである。すなわち,地表付近の風は,地表面の摩擦力の影響(地形,樹木,建物などの影響)を受け,地表付近ほど風速は減少する。高さによる風速変化(これを風速の鉛直分布という。)の状態は,地表面の状況(田園地帯や草原, 樹木や低層建築物が密集する地域,中層建築物が密集する地域,高層建築物が密集する地域等)により異なるが,多くの場合,べき法則(指数分布則)で表される。 証)。・風の高さによる変化は,次のとおりである。すなわち,地表付近の風は,地表面の摩擦力の影響(地形,樹木,建物などの影響)を受け,地表付近ほど風速は減少する。高さによる風速変化(これを風速の鉛直分布という。)の状態は,地表面の状況(田園地帯や草原, 樹木や低層建築物が密集する地域,中層建築物が密集する地域,高層建築物が密集する地域等)により異なるが,多くの場合,べき法則(指数分布則)で表される。しかしながら,上空では,地表面の影響が及ばないため風速は一定に近くなる。また,地表面の粗さ(粗度)の中に埋没した地点の風速は,近接する建物など粗度要素の直接的影響のため,単純なべき指数では表すことができない。このため,日本建築学会の建築物荷重指針・同解説では,地表面粗度に応じ,一定の高さ以上又は一定の高さ以下では,風速は一定としている。例えば,原告ら宅付近が該当する粗度区分Ⅲ(樹木・低層建築物が密集する地域,あるいは中層建築物(4から9階)が散在している地域)では,べき指数分布が適用できるのは地上高さ5メートルまでで,それより下から地上までの風速は一定と 区分Ⅲ(樹木・低層建築物が密集する地域,あるいは中層建築物(4から9階)が散在している地域)では,べき指数分布が適用できるのは地上高さ5メートルまでで,それより下から地上までの風速は一定とみなしている(甲20号証,75号証)。・被告らは,原告らを含む近隣住民で組織する二つの自治会と協議の上,平成6年11月(観測点2については12月)から平成10年11 月30日までの間,別紙2図面の「観測点1」及び「観測点2」(いずれも高さ6メートルの位置以下,単に「観測点1」又は「観測点2」という。)に風速計及び風向計を設置し,本件マンション付近の風環境を観測した(以下,同観測により得られたデータ(甲7号証の1ないし 5)を「本件観測データ」という。)。・本件観測データと対比することが考えられる風速に関するデータは次のとおりである。すなわち,一つは,原告ら宅から南南東約1.5キロメートルの距離で大阪府立大学農学部内にある気象庁アメダス堺地域気象観測所 (以下「堺観測所」という。)における観測データである。地上高さ6.5メートルで観測されている。しかしながら,観測データは,平均風速のデータしかなく,瞬間風速のデータはない。もう一つは,原告ら宅からほぼ北約14キロメートルの距離にある大阪管区気象台における観測データである。 ある。すなわち,一つは,原告ら宅から南南東約1.5キロメートルの距離で大阪府立大学農学部内にある気象庁アメダス堺地域気象観測所 (以下「堺観測所」という。)における観測データである。地上高さ6.5メートルで観測されている。しかしながら,観測データは,平均風速のデータしかなく,瞬間風速のデータはない。もう一つは,原告ら宅からほぼ北約14キロメートルの距離にある大阪管区気象台における観測データである。昭和43年から平成5年 1月末までは地上高さ53.0メートル,同年2月1日から平成11年2月23日までは地上高さ94.2メートルで観測されている。観測データは,平均風速のデータのみならず瞬間風速のデータもある(甲70号証,乙11号証,証人藤井)。2 争点・権利侵 タは,平均風速のデータのみならず瞬間風速のデータもある(甲70号証,乙11号証,証人藤井)。2 争点・権利侵害の有無・過失の有無・因果関係の有無・損害及び損害額 3 争点に対する当事者の主張・争点・(権利侵害の有無)について(原告らの主張)次の各事実を総合すれば,本件マンション建築によって原告ら宅付近の風環境が変化し,原告らの権利を侵害したことは明らかであり,かつ,その程度は受忍限度を超える。ア原告らが体験した風による被害原告らは,本件マンションが建築されるまで,風による被害もなく平穏に生活してきた。しかしながら,本件マンションが20階付近まで建築された平成8年秋ころから,原告ら宅付近で強風が吹くようになった。平成8年12月からは,特に風の強い日,原告ら宅前の道路を歩行中の者が,強風のため身体ごと飛ばされそうになったり,原告ら宅の洗濯物や物干竿,スリッパが飛ばされた。また,原告らは, 強風のため,風に対し強い恐怖心を感じるとともに,爆風音のため,眠れない日があった。平成8年12月22日,強風のため,原告A宅においては,雨戸がガタガタと大きな音を出しながら揺れ続け,家屋が大きく揺れる状況が続き,洗濯物干場のプラスチック製波板の屋根が一部破損したほか,屋根瓦の一部が飛散した。ところで,別紙3最大平均風速比較グラフを見ても,平成6年12月の月最大平均風速は毎秒7メートル,平成7年12月は毎秒6.7メートル,平成8年12月は毎秒11.1 メートルであるところ,原告ら宅から南南東約1.5キロメートルの距離にある堺観測所での月最大 ガタと大きな音を出しながら揺れ続け,家屋が大きく揺れる状況が続き,洗濯物干場のプラスチック製波板の屋根が一部破損したほか,屋根瓦の一部が飛散した。ところで,別紙3最大平均風速比較グラフを見ても,平成6年12月の月最大平均風速は毎秒7メートル,平成7年12月は毎秒6.7メートル,平成8年12月は毎秒11.1 メートルであるところ,原告ら宅から南南東約1.5キロメートルの距離にある堺観測所での月最大 の月最大平均風速は毎秒7メートル,平成7年12月は毎秒6.7メートル,平成8年12月は毎秒11.1 メートルであるところ,原告ら宅から南南東約1.5キロメートルの距離にある堺観測所での月最大平均風速の観測データが,平成8年1 2月を境に大きな変化を生じているわけではない。したがって,平成8年12月の時点では,既に,原告ら宅には,本件マンション建築によって生じた風によって物理的な被害が発生していることは明らかである。平成10年9月22日,台風7号が襲来したが,原告A宅においては,玄関の格子入り硝子が割れ,雨水が浸入し,屋根瓦140枚が飛散したほか,玄関横の植木の枝(直径7ないし8センチメートル)が2か所折れた。また,原告D宅においても,家屋が大きく揺れ,天井から雨漏りがしたほか,屋根瓦が30枚飛散し,2階ベランダのトタン屋根も破損した。平成11年5月27日,強風のため,原告D宅の屋根瓦が飛散し,2階ベランダの金属製雨戸が外れ,飛ばされた。イ最大瞬間風速の重要性等(ア) 物を壊す,家屋に影響を及ぼす,日常生活に支障を来す等の風の力は,瞬間的に吹く風の強さによるものであって,時々刻々と変化する風を平均化した風の力ではない。この点,風工学の専門家である東京大学生産技術研究所教授村上周三らの提案した風環境評価基準(以下「村上基準」という。別紙4村上基準参照)も,日最大瞬間風速を基準としている。また,新聞記事でも,台風等の被害について,最大瞬間風速を用いた記事内容となっているところ,それは最大瞬間風速が被害発生の直接的原因であって,平均風速よりも重要であるとの理解に基づいている。したがって,風環境の変化を検討する際,重視すべきは平均 用いた記事内容となっているところ,それは最大瞬間風速が被害発生の直接的原因であって,平均風速よりも重要であるとの理解に基づいている。したがって,風環境の変化を検討する際,重視すべきは平均風速ではなく瞬間風速である。 いた記事内容となっているところ,それは最大瞬間風速が被害発生の直接的原因であって,平均風速よりも重要であるとの理解に基づいている。したがって,風環境の変化を検討する際,重視すべきは平均 用いた記事内容となっているところ,それは最大瞬間風速が被害発生の直接的原因であって,平均風速よりも重要であるとの理解に基づいている。したがって,風環境の変化を検討する際,重視すべきは平均風速ではなく瞬間風速である。(イ) 平成8年2月(本件マンション建築以前),観測点1における月最大平均風速は毎秒5.3メートル,月最大瞬間風速は毎秒10.5メートルであったが,平成10年2月(本件マンション建築完成後)には,月最大平均風速は毎秒13.6メートル,月最大瞬間風速は毎秒24.6メートルとなっており,明らかに風環境が変化している。(ウ) 本件観測データによれば,本件マンションが20階付近まで建築された平成8年12月1日から平成10年11月30日までの間に,日最大瞬間風速が毎秒17.2メートル(一般に台風は最大平均風速が毎秒17.2メートルの熱帯低気圧をいう。)以上の風が吹いた日は,別紙5台風の強さの風が吹いた日記載のとおりであって,30回にも及んでいる。(エ) 月最大平均風速を,本件マンション建築前後で比べてみても,別紙3最大平均風速比較グラフ記載のとおり,著しい風環境の変化を認めることができる。ウ村上基準(ア) 風環境を評価する基準としては,どの方向からどのくらいの頻度でどのくらいの強さの風が吹いてくるかを総合的に評価する必要があることから,風速とその発生頻度の双方を取り入れた基準がより適切であるところ,この主なものとして,わが国では,村上基準と風工学研究所の提案した風環境評価基準(以下「風工学研究所基準」という。別紙6風工学研究所基準参照)が多く利用されている。風工学研究所基準は,平均風速と発生頻度を 村上基準と風工学研究所の提案した風環境評価基準(以下「風工学研究所基準」という。別紙6風工学研究所基準参照)が多く利用されている。風工学研究所基準は,平均風速と発生頻度を基準としており,瞬間風速のデータがなくても風環境評価をすることができる点で簡易さ,使いやすさがあるのに対し,村上基準は,瞬間風速と発生頻度を基準としており,瞬間風速のデータがそろっている場合には,環境評価の精度がよい。そして,本件マンション建築による風環境を評価するに際しては,最大瞬間風速のデータが存在するため,村上基準によるのが適切である。 利用されている。風工学研究所基準は,平均風速と発生頻度を基準としており,瞬間風速のデータがなくても風環境評価をすることができる点で簡易さ,使いやすさがあるのに対し,村上基準は,瞬間風速と発生頻度を基準としており,瞬間風速のデータがそろっている場合には,環境評価の精度がよい。そして,本件マンション建築による風環境を評価するに際しては,最大瞬間風速のデータが存在するため,村上基準によるのが適切である。村上基準は,東京都の「環境影響評価技術指針」においても,評価の指標として筆頭に挙げられ,また,日本建築学会の環境小委員会でも非常に適切なものとして高い評価を受けている。(イ) 別紙7村上基準該当データは,本件観測データに村上基準を適用して評価したものである。これによれば,観測点1の風環境は, 本件マンション建築前,ランク2(住宅街や公園)であり,その中でも,許容値の上限ではなく良好な風環境にあったと評価できる。しかしながら,本件マンション建築によって,ランク3(事務所街)を超え,ランク4(ランク3を超える場合)の風環境へ変化した。なお,ランク3(事務所街)として許容できる日をわずか1日だけ超えてランク4になった場合も,ランク3(事務所街)の上限を確実に超えた厳しい風環境として捉える必要があり,ランク3(事務所街)と同等とみなすことはできない。なお,観測点2においては,本件マンション建築前後を通じて風環境に変化はなかった。(ウ) 村上基準によれば,ランク4は事務所街でも許容されず,住宅街においてはラン ことはできない。なお,観測点2においては,本件マンション建築前後を通じて風環境に変化はなかった。(ウ) 村上基準によれば,ランク4は事務所街でも許容されず,住宅街においてはランク3も許容されない。実際,東京都などでは明文化しているわけではないが,新たに建築する建築物により,ランク4にはならないよう,また,いきなりランク1からランク3にならないよう指導していることが多い。エ風工学研究所基準別紙8風工学研究所基準該当データは,本件観測データに風工学研究所基準を適用して評価したものである。それによれば,観測点1における風環境は,本件マンション建築によって,ランクB(住宅地・市街地)からランクC(事務所街)へ変化した。なお,観測点2 における風環境には変化がなかった。オ風速比の変化本件観測データと堺観測所での観測データを比較すると,強風が顕著に現われる風向である南西,西,西南西での平均風速(堺観測所の平均風速が毎秒3メートル以上の場合)の風速比は,本件マンションの建築前が,それぞれ0.70,0.67,0.86であったのが,建築後は1.34,1.15,1.17へと変化している。 からランクC(事務所街)へ変化した。なお,観測点2 における風環境には変化がなかった。オ風速比の変化本件観測データと堺観測所での観測データを比較すると,強風が顕著に現われる風向である南西,西,西南西での平均風速(堺観測所の平均風速が毎秒3メートル以上の場合)の風速比は,本件マンションの建築前が,それぞれ0.70,0.67,0.86であったのが,建築後は1.34,1.15,1.17へと変化している。すなわち,その風速比の変化の相対倍率は,それぞれ1.91倍,1.72倍,1. 36倍になったことになる。建物等に作用する風圧力は風速の2乗に比例するので,このような風速比の変化は,風圧力に換算すると, 3.6倍,3倍,1.8倍となる。この点,被告ら作成の調査報告書でも,一般市街地風(以下「一般風」という。)の風速比1.2倍以上の領域を風速増加領域として問題としているように,従来の一般的な木造家屋では一般風の2割を超える風を想定しておらず, 査報告書でも,一般市街地風(以下「一般風」という。)の風速比1.2倍以上の領域を風速増加領域として問題としているように,従来の一般的な木造家屋では一般風の2割を超える風を想定しておらず,逆にいえば,一般風の2割を超える風速(風圧力では1.44倍)は,家屋に重大な影響を及ぼす可能性が極めて高い風速である。南西,西,西南西の風向での風速比が1.34,1.15,1.17へと変化していることについては,本件マンションと堺観測所とが約1.5キロメートル離れていることや風速比のばらつきを考慮すると,観測点1での堺観測所の平均風速を1とした場合の本件マンションの建築前に対する建築後の風速比の相対倍率は約1.3倍程度と解することができる。このように,風速比が1.3倍になるということは,家屋そのものに重大な影響を及ぼす可能性の極めて高い変化であり,風害による生活障害を検討する上では看過できない重大な変化である。(被告らの主張)ア原告らが体験した風による被害原告らが,日常,どのような風による被害を被っているかは知らない。本件マンションが竣工した後,原告ら宅に,物理的に被害が発生したのは,平成10年9月22日の台風7号の襲来時が最初である。 その際,原告A宅には,玄関扉の硝子破損,扉枠一部破損,屋根瓦約40枚(目視)飛散,破損,雨樋破損,1階洗濯場波板屋根破損,2階物干場波板屋根破損,1階部屋漏水,植木の枝折れ等の被害が発生し,原告D宅には,屋根瓦約16枚(目視)飛散,破損, 雨樋破損,2階物干場波板屋根破損,雨戸破損,屋根裏板めくれ,1階及び2階漏水等の被害が発生した。 したのは,平成10年9月22日の台風7号の襲来時が最初である。 その際,原告A宅には,玄関扉の硝子破損,扉枠一部破損,屋根瓦約40枚(目視)飛散,破損,雨樋破損,1階洗濯場波板屋根破損,2階物干場波板屋根破損,1階部屋漏水,植木の枝折れ等の被害が発生し,原告D宅には,屋根瓦約16枚(目視)飛散,破損, 雨樋破損,2階物干場波板屋根破損,雨戸破損,屋根裏板めくれ,1階及び2階漏水等の被害が発生した。上記原告ら宅の被害は,本件マンション建築によるものではなく, 飛散,破損, 雨樋破損,2階物干場波板屋根破損,雨戸破損,屋根裏板めくれ,1階及び2階漏水等の被害が発生した。上記原告ら宅の被害は,本件マンション建築によるものではなく,台風7号によるものであり,その被害は,原告ら宅以外でも発生している。なお,平成8年12月22日,突風が吹き,原告A建物の瓦等に若干の被害があったことは認める。ただし,同日は,大阪管区気象台の事後発表によれば,「最大瞬間風速26.8メートル,曇り時々雨後晴,雷を伴う。」という日であり,大阪地方全般において,突風の吹く条件が整っていた。イ最大瞬間風速の重要性等に対する反論(ア) 受忍限度を超えているか否かを判断するにあたっては,被害者が,日常的・恒常的にどのような被害を受け続けているか,それによって耐え難い苦痛を受けているかが問われるべきである。したがって,本件においては,瞬間的な風速のみではなく,日常的にどのような風が吹くのか,すなわち,日平均風速や年平均風速等もより重要な要素となる。また,風環境に対する評価方法としては,様々なものがある。現在,国内外で提案されている確率的評価方法は主なもので5種類あり(①ベンワーデン,②ダベンポート,③ローソン,④ハント,⑤メルボルン),これらの評価方法では,風速として,平均風速(ただし,平均化時間は,1時間,15分間,10分間と様々である。),瞬間風速,あるいは平均風速と風速の標準偏差の双方を用いている。このように,風環境に対する評価に用いる風速として,平均風速と瞬間風速のどちらが適当かについては,未だ定説があるわけではない。(イ) 原告らは,あくまで1日の最大瞬間風速を る。このように,風環境に対する評価に用いる風速として,平均風速と瞬間風速のどちらが適当かについては,未だ定説があるわけではない。(イ) 原告らは,あくまで1日の最大瞬間風速を基準にして,別紙5台風の強さの風が吹いた日記載のとおりの強風が吹いた旨主張するが,これを日最大平均風速の平均値でみれば,毎秒11.1メートルにすぎないし,当日の1日の平均風速の平均値は,毎秒4.6メートルである(別紙9対照表参照)。 のように,風環境に対する評価に用いる風速として,平均風速と瞬間風速のどちらが適当かについては,未だ定説があるわけではない。(イ) 原告らは,あくまで1日の最大瞬間風速を基準にして,別紙5台風の強さの風が吹いた日記載のとおりの強風が吹いた旨主張するが,これを日最大平均風速の平均値でみれば,毎秒11.1メートルにすぎないし,当日の1日の平均風速の平均値は,毎秒4.6メートルである(別紙9対照表参照)。したがって,原告らが,恒常的に台風程度の風にさらされているわけではない。なお,確かに,毎秒17.2メートルの風は,熱帯性低気圧を台風とする基準風速ではあるが,台風の認定基準は瞬間風速ではなく平均風速である。したがって,瞬間風速毎秒17.2メートルの風が直ちに台風と同レベルの風とは評価できない。本件観測データによれば,日最大平均風速が台風としての認定基準風速を上回ったのは,平成10年の台風7号が襲来した時の平成10年9月22日のみである。ウ村上基準(ア) 村上基準の「評価する強風のレベルと許容される超過頻度」における日最大瞬間風速毎秒15メートル以上(レベル2),毎秒20メートル以上(レベル3)の許容超過頻度は,そのパーセント値が極めて低値であり,台風,季節風などの自然現象が発生した場合,直ちにランクが繰り上がってしまう可能性を内包している評価基準である。本件観測データ(観測点1)によれば,日最大瞬間風速毎秒 10メートル以上(レベル1)及び毎秒15メートル以上(レベル2)の頻度は,ランク3の許容範囲内にある。しかしながら,日最大瞬間風速毎秒20メートル以上(レベル3)の頻度が,許容値の「5日」を1日超え 上(レベル1)及び毎秒15メートル以上(レベル2)の頻度は,ランク3の許容範囲内にある。しかしながら,日最大瞬間風速毎秒20メートル以上(レベル3)の頻度が,許容値の「5日」を1日超え「6日」であったことから,結果としてランク4とされているにすぎない。(イ) 村上基準は,住民の意識調査に基づき,その評価尺度が決定されているものの,疫学的・科学的検証としては対象人数が17名と少なく,風に対する意識が人それぞれによって千差万別であって,普遍性のある基準作りが困難であることを示している。(ウ) 村上基準は,あくまで,風環境評価における「好ましい風環境はいかにあるべきか」の基準であって,同基準を超えると直ちに不法行為責任が基礎づけられるわけではない。 (イ) 村上基準は,住民の意識調査に基づき,その評価尺度が決定されているものの,疫学的・科学的検証としては対象人数が17名と少なく,風に対する意識が人それぞれによって千差万別であって,普遍性のある基準作りが困難であることを示している。(ウ) 村上基準は,あくまで,風環境評価における「好ましい風環境はいかにあるべきか」の基準であって,同基準を超えると直ちに不法行為責任が基礎づけられるわけではない。エ風工学研究所基準(ア) 風工学研究所基準は,累積頻度55パーセントの風速は年平均風速に対応し,累積頻度95パーセントの風速は日最大平均風速の年平均値に対応すると解説されている(甲20号証)。(イ) 本件観測データ(観測点1)を,風工学研究所基準にあてはめると,年平均風速レベル(累積頻度55パーセント)では,ランクB(住宅地・市街地としての風環境,一般的風環境)の許容範囲内にある。ただし,日最大平均風速レベル(累積頻度95パーセント)では, ランクC(事務所街としての風環境,比較的強い風が吹いても我慢できる場所)の許容範囲内であり,ランクBを超えている。しかしながら,事務所街に存する低層住宅の住民が,仮に事務所街の風環境にあったとしても,これをもって直ちに全ての住民が日常的に耐え難い風害にさらされているとはいえない。オ風速比の変化風速の変化が,どの程度の の住民が,仮に事務所街の風環境にあったとしても,これをもって直ちに全ての住民が日常的に耐え難い風害にさらされているとはいえない。オ風速比の変化風速の変化が,どの程度の影響を及ぼすかという風環境の評価は,風速の発生頻度により評価するのが適切と考えられている。したがって,ことさら風速比のみを取り上げてビル風の影響を評価するのは妥当でない。カその他(ア) 受忍限度を超えるというためには,少なくとも社会通念上,被害者に対し,耐え難い精神的苦痛を恒常的・継続的に発生せしめることが必要である。本件では,強風時のみに発生するという瞬間的な被害であり,少なくとも恒常的被害とはいえない。また,損害賠償義務を基礎づけるものとしては,その頻度は別にして,実害の発生が最小限度必要であるところ,本件では,原告らについて,本件マンションによる実害は発生していない。(イ) 本件マンション及び原告らの居住する地域は,当時,第2種住居専用地域であり,第3種高度指定を受けている地域であり,一定の要件はあるものの,高層住宅の建築が可能な地域であった。 的な被害であり,少なくとも恒常的被害とはいえない。また,損害賠償義務を基礎づけるものとしては,その頻度は別にして,実害の発生が最小限度必要であるところ,本件では,原告らについて,本件マンションによる実害は発生していない。(イ) 本件マンション及び原告らの居住する地域は,当時,第2種住居専用地域であり,第3種高度指定を受けている地域であり,一定の要件はあるものの,高層住宅の建築が可能な地域であった。また,堺市においても高層化が計画的に意図されていた地域であって,本件マンションもその趣旨に沿うものであった。・争点・(過失の有無)について(原告らの主張)被告らは,住宅地において,高層マンションを建築する場合,近隣住民及びその家屋等に風害を起こさないよう十分に調査,検討すべき注意義務があるにもかかわらず,次のとおり同義務に違反し,本件マンションを注文,施工,設計,管理した。ア被告らは,風洞実験(問題となる周辺の地形地物等を勘案し,現地で発現すると考えられる自然風 義務があるにもかかわらず,次のとおり同義務に違反し,本件マンションを注文,施工,設計,管理した。ア被告らは,風洞実験(問題となる周辺の地形地物等を勘案し,現地で発現すると考えられる自然風を再現した風洞流を風洞内で発生させ,その流れの中に本件マンション等の敷地周辺の地上物を縮小した模型を設置し,風向,風圧等を測定する実験)を行うことにより,本件マンション建築による風環境の変化を予測できた。しかも,原告らは,被告らに対し,同実験を行うよう本件マンション建築前から要請してきた。しかしながら,被告らは,同実験を行わず,既往の風洞実験結果等の類似事例を参考にした簡易な解析手法(以下 「風環境予測システム」という。)を用いて検討し,風環境は本件マンション建築前とほぼ同等のレベルに保たれるという誤った予測をして,本件マンションを建築した。イ原告ら近隣住民は,本件マンション建築前から,同マンション建築による風害を懸念し,被告らに対し,風害の発生,防風対策等について説明を求めてきた。これに対し,被告らは,次のように回答した。(ア) 本件マンションは,一般のオフィスビルに比べ,バルコニー等で形状に凹凸があるため,ビル風の影響はほぼないと考えられる。(イ) 確かに,ビル街の谷間風はあると思うが,通常,マンションにおいては,さほど強いとは思えない。 近隣住民は,本件マンション建築前から,同マンション建築による風害を懸念し,被告らに対し,風害の発生,防風対策等について説明を求めてきた。これに対し,被告らは,次のように回答した。(ア) 本件マンションは,一般のオフィスビルに比べ,バルコニー等で形状に凹凸があるため,ビル風の影響はほぼないと考えられる。(イ) 確かに,ビル街の谷間風はあると思うが,通常,マンションにおいては,さほど強いとは思えない。(ウ) 被告らは,風害対策として,大阪市立大学工学部教授川村純夫(以下「川村」という。)の指導で,防風林を設置するべく,植栽を行うよう計画している。ウ被告らによる植栽の効果は全く現れていない。被告らは,本件マンションを大きく建てたため,防風のための植栽の場所が十分に確保されておらず,防風効果を発生させる 行うよう計画している。ウ被告らによる植栽の効果は全く現れていない。被告らは,本件マンションを大きく建てたため,防風のための植栽の場所が十分に確保されておらず,防風効果を発生させるだけの十分な植栽がされていない。また,被告らが,現に風害が発生している中で,防風林の植栽,追加植栽等を行うのは当然のことである。また,行政法規を遵守して建築することなど当然のことである。(被告らの主張)ア  そもそも,風環境評価については,流体力学上の諸要因も検討される必要があり,風工学の専門家ですら,風害を予測することは困難である。被告らは,本件マンション建築に先立ち,川村の協力を得て,本件マンションが,周辺地域の風環境に及ぼす影響に関し,風環境予測システムを用いて検討した。同検討は,本件マンションが建築されることにより,①剥離流による建物側面の風速増加域,②谷間風による建物間の風速増加域, ③逆流による建物前面の風速増加域を,過去に研究機関で実施された百数十種類の風洞実験結果を用い,種々の形態をした建物に適応し得るよう経験的拡張をし,強風時において本件マンションの影響により風速が増加する領域を想定するものであった。そして, 同検討によれば,風環境は,結論として,敷地内の植栽等による防風効果によって,建築前と比較してほぼ同等レベルに保全されるとの予測であった。以上のように,被告らは,風工学の専門家に周辺風環境の変化の予測を依頼し,上記結論を得ていたのであるから,原告の主張する風害が仮に発生したとしても,被告らの事前予測の手法が,適切,許容される手法であった以上,被告らに予見可能性は存在しなかった。 のであった。そして, 同検討によれば,風環境は,結論として,敷地内の植栽等による防風効果によって,建築前と比較してほぼ同等レベルに保全されるとの予測であった。以上のように,被告らは,風工学の専門家に周辺風環境の変化の予測を依頼し,上記結論を得ていたのであるから,原告の主張する風害が仮に発生したとしても,被告らの事前予測の手法が,適切,許容される手法であった以上,被告らに予見可能性は存在しなかった。イ  被告らは,本件 のであるから,原告の主張する風害が仮に発生したとしても,被告らの事前予測の手法が,適切,許容される手法であった以上,被告らに予見可能性は存在しなかった。イ  被告らは,本件マンション壁面にバルコニーを設置することによって凹凸を造りだし,剥離流の低減に努めた。また,本件マンション周辺手摺部の角を面落としするなどして,周辺地域への風害を最小限に止めるように努めた。また,被告らは,近隣住民対策として, 防風のための植林を実施し,かつ,防風植栽を可能な範囲でさらに増やすなどの対策を実施済みである。ウ  本件マンションは,建築基準法に適合し,かつ,堺市との協議により,防災区域の確保,公開緑地の設置,一定範囲の公園としての堺市への寄贈等,全ての行政法規を遵守して建築したものである。また,被告らは,本件マンション建築に当たって,近隣住民や堺市の様々な要望に応じて,現行案を決定した。本件マンション敷地北側に,公開空地をまとめて配置したのも,日影規制の関係のみならず,近隣住民の意向に沿ったものであり,その結果,本件マンションの配置が南側に寄ったことが,原告ら宅に対する風の影響がより大きくなってしまった原因であると推認できる。・争点・(因果関係の有無)について(被告らの主張)ア堺観測所のデータ(日最大平均風速)との比較(ア) 別紙10日最大平均風速の風速階級別出現頻度(堺観測所)は,本件マンション建築前後の期間における堺観測所での日最大平均風速の風速階級別出現頻度である。これによれば,同別紙に「建設前」,「建設中1」とある期間(以下,別紙の統計期間については,単に「建設前」,「建設中1」のように記載する。)は,日最大平均風速毎秒 速階級別出現頻度である。これによれば,同別紙に「建設前」,「建設中1」とある期間(以下,別紙の統計期間については,単に「建設前」,「建設中1」のように記載する。 ン建築前後の期間における堺観測所での日最大平均風速の風速階級別出現頻度である。これによれば,同別紙に「建設前」,「建設中1」とある期間(以下,別紙の統計期間については,単に「建設前」,「建設中1」のように記載する。)は,日最大平均風速毎秒 速階級別出現頻度である。これによれば,同別紙に「建設前」,「建設中1」とある期間(以下,別紙の統計期間については,単に「建設前」,「建設中1」のように記載する。)は,日最大平均風速毎秒10メートル以上の観測データがなく,反面,「建設中 2」,「建設後」,「建設中2-建設中1」は,「建設前」に比べ高い風速の頻度が明らかに増加しており,また,「建設前」,「建設中1」には見られなかった毎秒10メートル以上の風速も発生している。また,「建設後」,「後期」においても,強風が吹いたことが確認できる。 また,「前期」と「建設中2-建設中1」を比較すると,毎秒5メートル以上の風が吹いた日数はほぼ変わらないが,毎秒6ないし10メートルの風速においては有意な差がある。よって,本件マンションB棟及びC棟建築の影響以前に,当該期間に強風の頻度が増加していたといえる。したがって,本件観測データ(観測点1)における強風の頻度が,本件マンション建築によるものとはいえない。(イ) 原告らが主張する堺観測所の過去10年間のデータと観測点1との風速比を用いた風環境の評価手法には,次のような問題点があり妥当でない。a  上記手法では,ガストファクター(突風率)の値の仮定の仕方により,結果がいくらでも異なり,ガストファクターの値が0.1異なるだけで,ランク3からランク4へなるのであるから,いくら10年間の統計気象データを使用したとしても,適切な手法とはいえない。また, ガストファクターの値として本件マンション建築前後の観測データの平均値として1.9を使用しているが,風速が高くなる程ガストファクターは小さくなる傾向があること,観測点1の建設前の値は1.88,建設 クターの値として本件マンション建築前後の観測データの平均値として1.9を使用しているが,風速が高くなる程ガストファクターは小さくなる傾向があること,観測点1の建設前の値は1.88,建設後の値は1.77であるから,両者の平均値は1.825であることから,これを無視して一律に平均値1.9を使用している点も不合理である。 程ガストファクターは小さくなる傾向があること,観測点1の建設前の値は1.88,建設 クターの値として本件マンション建築前後の観測データの平均値として1.9を使用しているが,風速が高くなる程ガストファクターは小さくなる傾向があること,観測点1の建設前の値は1.88,建設後の値は1.77であるから,両者の平均値は1.825であることから,これを無視して一律に平均値1.9を使用している点も不合理である。b  長期間の観測データに基づく風環境評価の推定方法としては,ワイブル分布が普遍的に使用され,また,本件でもワイブル分布を使用するのが適切なところ,上記手法は,何の説明もなくグンベル分布により近似している。グンベル分布を使用する際の観測値は独立でなければならないところ,強風は日を超えて吹き続けることもしばしばあるため,日最大平均風速は互いに独立とは限らず,グンベル分布を使用するのは妥当でない。また,観測値とグンベル分布の適合性が示されていない点など非常に問題がある。また,被告らにおいて,日最大平均風速の出現頻度として建設後1年間のデータを使用して,上記評価手法により,実際に検証したところ,実測値と推定値が大きく異なり,同手法自体妥当でないことが明らかとなった。したがって,上記手法により導き出された結果も妥当でない。イ大阪管区気象台のデータ(日最大瞬間風速等)との比較(ア) 別紙11日最大瞬間風速の風速階級別出現頻度(大阪管区気象台)は,本件マンション建築前後の期間における大阪管区気象台での日最大瞬間風速の風速階級別出現頻度である。別紙12日最大平均風速の風速階級別出現頻度(大阪管区気象台)は,本件マンション建築前後の期間における大阪管区気象台での日最大平均風速の風速階級別出現頻 間風速の風速階級別出現頻度である。別紙12日最大平均風速の風速階級別出現頻度(大阪管区気象台)は,本件マンション建築前後の期間における大阪管区気象台での日最大平均風速の風速階級別出現頻度である。別紙13年最大平均風速の順位表(大阪管区気象台)は,昭和4年から平成3年までの大阪管区気象台における63年間の年最大平均風速の順位表である。これらによれば,日最大瞬間風速毎秒20メートル以上の発生頻度が,「建設中2-建設中1」以降,飛躍的に増加している。また,年最大平均風速の過去63年間の順位表(データ)からすると,「建設前」の最大平均風速毎秒16.1メートル及び「建設中1」の最大平均風速毎秒15.6メートルが,63年間の中で60番目前後に位置づけられている強風の吹かなかった期間(年)に該当していた。 間の年最大平均風速の順位表である。これらによれば,日最大瞬間風速毎秒20メートル以上の発生頻度が,「建設中2-建設中1」以降,飛躍的に増加している。また,年最大平均風速の過去63年間の順位表(データ)からすると,「建設前」の最大平均風速毎秒16.1メートル及び「建設中1」の最大平均風速毎秒15.6メートルが,63年間の中で60番目前後に位置づけられている強風の吹かなかった期間(年)に該当していた。加えて,原告らに現実の被害を出した台風7号を含む「後期」の最大平均風速毎秒24. 8メートルが,過去63年の中で12ないし 13位に位置する強風の吹いた期間(年)に該当していた。(イ)  別紙14対照表記載の年月日における大阪管区気象台の風向風速は,原告が訴状において抽出した年月日の本件観測データ (観測点1)と大阪管区気象台のデータ(日最大平均風速及び日最大瞬間風速)を対比した表である。これによれば,観測点1の風速が大阪管区気象台の風速を上回るのは,31回中5回のみであり,上回った場合でも,最大値で毎秒2.6メートル,最小値で毎秒0.8メートルにすぎない。また,風向もほぼ同一と評価できる。したがって,原告らの抽出した年月日の強風は,当日の気象現象でほぼ説明がつき,本件マンション建築によるビル風でないことが証明されている。ルにすぎない。また,風向もほぼ同一と評価できる。したがって,原告らの抽出した年月日の強風は,当日の気象現象でほぼ説明がつき,本件マンション建築によるビル風でないことが証明されている。(ウ) 大阪管区気象台と本件マンションとは,約14キロメートルの距離があるが,大阪平野では,気象条件がほぼ同一であり(だからこそ,天気予報において,大阪府では,南部・北部などの区別がない。),両者を比較することは可能である。また,大阪管区気象台の高さは,94.2メートル(平成5年2月1日から平成11年2月23日)又は22.9メートル(平成11年2月24日以降)であるところ,日本大学生産工学部教授丸田栄蔵(以下「丸田」という。)作成にかかる検討書(乙18号証)によれば,地上6メートルにおける瞬間風速が地上100メートルにおける瞬間風速と同等になる場合も十分あり得ると考えられ,地上6メートルにおける最大瞬間風速が,地上94.2メートルにおける最大瞬間風速に比べ,必ずしも小さくなるとは限らず,両者が同等になる場合も十分にあり,両者を比較することは可能である。 であるところ,日本大学生産工学部教授丸田栄蔵(以下「丸田」という。)作成にかかる検討書(乙18号証)によれば,地上6メートルにおける瞬間風速が地上100メートルにおける瞬間風速と同等になる場合も十分あり得ると考えられ,地上6メートルにおける最大瞬間風速が,地上94.2メートルにおける最大瞬間風速に比べ,必ずしも小さくなるとは限らず,両者が同等になる場合も十分にあり,両者を比較することは可能である。(原告らの主張)ア堺観測所のデータ(平均風速等)との比較(ア) 観測点1は高さ6メートル,堺観測所は高さ6.5メートルでそれぞれ観測されていること,観測点1と堺観測所付近は,概ね同様の地表面粗度であることから,本件マンション建築による風環境の変化を検討するのに,堺観測所のデータと比較することは意味がある。風速比は,気象現象を捨象した風速の変化をとらえることができ,ビル風の検討にあたっては風速比が基本的なデータとなる。(イ)  本件マンションの することは意味がある。風速比は,気象現象を捨象した風速の変化をとらえることができ,ビル風の検討にあたっては風速比が基本的なデータとなる。(イ)  本件マンションの建築前後の風速比の変化は,上記・(原告らの主張)オ記載のとおりであり,堺観測所の風速(平均風速)を1とすると,観測点1での本件マンション建築前の風速は0.5ないし1未満であったが,本件マンションの建築後は,1ないし1.5に変化している。また,「建設前」,「建設中1」の各期間は,日最大平均風速が毎秒10メートル以上を観測したことがないのに対し,「建設中2-建設中1」,「建設中2」,「建築後」の各期間では,毎秒10メートル以上の風速を観測し,本件マンションの建築前に比べ, 高い風速の頻度が明らかに増加している。(ウ) 堺観測所の過去10年間(平成3年1月から平成12年12月)のデータを用いて(日最大平均風速を日最大瞬間風速に換算する際の係数であるガストファクターを1.9として計算),同データと観測点1との風速比を用いて,風環境の評価を行ったところ,本件マンションが建築されていなければ,たとえ大阪地方で上位12ないし13位の強風が吹いても観測点1は,ランク2に少し入った程度であったはずだが,本件マンション建築によってランク4になっていることがわかる。仮に,上記ガストファクターを1.8とした場合でも,建築後においてはランク3になるものの,レベル2(日最大瞬間風速毎秒15メートル以上)では,頻度が6.11パーセントであり, ランク3の許容値である7パーセントの上限ぎりぎりであり,レベル3(日最大瞬間風速毎秒20メートル以上)でも,1.1 点1は,ランク2に少し入った程度であったはずだが,本件マンション建築によってランク4になっていることがわかる。仮に,上記ガストファクターを1.8とした場合でも,建築後においてはランク3になるものの,レベル2(日最大瞬間風速毎秒15メートル以上)では,頻度が6.11パーセントであり, ランク3の許容値である7パーセントの上限ぎりぎりであり,レベル3(日最大瞬間風速毎秒20メートル以上)でも,1.1 大瞬間風速毎秒15メートル以上)では,頻度が6.11パーセントであり, ランク3の許容値である7パーセントの上限ぎりぎりであり,レベル3(日最大瞬間風速毎秒20メートル以上)でも,1.17パーセントであって,ランク3の許容値である1.5パーセントに近い数字となっており,ランク3の上限にあることは変わりない。イ大阪管区気象台のデータ(日最大瞬間風速等)との比較(ア) 風速は,一般に,観測場所の高さ,周辺の状況によって異なる。また,気象庁の作成したパンフレットにも,風速は,地形や周辺の建物などに大きく影響され,同じ市区町村であっても,周辺の地形や建物の影響によって風速は異なると説明されている。ところで, 本件マンション(観測点1)と大阪管区気象台は,14キロメートル程度離れており,瞬間風速を比較することはできない。(イ) 風速には,観測場所の高さが大いに関係するところ,大阪管区気象台が高さ94.2メートル(平成5年2月1日から平成11年2月2 3日)であるから,大阪管区気象台のデータの方が高くて当然である。また,周辺状況にしても中高層ビルが建ち並び都心にある大阪管区気象台と低層建築物の密集する地域である原告ら宅付近とでは,地表面粗度も異なっている。そこで,大阪管区気象台を地表面粗度Ⅳとし,原告ら宅付近を地表面粗度Ⅲとし,上記観測場所の高さの差も考慮し,両者が同一の気象条件下にあるとすると,風速比は,同気象台の風速を1とすれば0.68となる。・  争点・(損害及び損害額)について(原告らの主張)ア損害の発生原告らは,①洗濯物が干せない,②物干竿が飛ばされる,③建物が破損されるなどの日常的被害のほか,④建物 争点・(損害及び損害額)について(原告らの主張)ア損害の発生原告らは,①洗濯物が干せない,②物干竿が飛ばされる,③建物が破損されるなどの日常的被害のほか,④建物の倒壊や瓦の飛散,⑤強風のため人が転倒するなどの生命,身体,財産に対する大きな損害を被った。 び損害額)について(原告らの主張)ア損害の発生原告らは,①洗濯物が干せない,②物干竿が飛ばされる,③建物が破損されるなどの日常的被害のほか,④建物 争点・(損害及び損害額)について(原告らの主張)ア損害の発生原告らは,①洗濯物が干せない,②物干竿が飛ばされる,③建物が破損されるなどの日常的被害のほか,④建物の倒壊や瓦の飛散,⑤強風のため人が転倒するなどの生命,身体,財産に対する大きな損害を被った。イ不動産価値(ア) 本件マンション建築後,原告ら宅付近の風環境は,ランク3(事務所街)を超えており,住宅地としては,到底使用することができない。また,資材置場としてなら使用することも不可能ではないが,原告ら宅は住宅街に位置している上,土地の広さをも考慮すると,用途はおよそ考えられない。したがって,原告ら宅を購入する者は存在せず,原告ら宅は無価値であると評価できる。(イ) 平成13年6月30日当時,仮に本件風害が生じていなければ,原告A宅は2162万9000円の価値がある。よって,原告Aの不動産に対する損害額は1297万7400円(持分5分の3),原告Cの不動産に対する損害額は865万1600円(持分5分の2)である。(ウ) 平成13年6月30日当時,仮に本件風害が生じていなければ,原告D宅は2088万4000円の価値がある。よって,原告Dの不動産に対する損害額は2088万4000円である。ウ慰謝料額一人あたり500万円エ弁護士費用原告A 377万2887円原告B 102万円原告C 285万5558円原告D 541万1572円原告E 102万円原告F 102万円オまとめ(各原告の合計額) 285万5558円原告D 541万1572円原告E 102万円原告F 102万円オまとめ(各原告の合計額)原告A 2175万0287円原告B 602万円原告C 1650万7158円原告D 3129万5572円原告E 602万円原告F 602万円(被告らの主張)ア損害の発生争う。仮に不動産に対し何らかの損害が認められるとしても,同損害は風害を根拠とするものであるから,建物の損害に限定される。土地に対しては具体的な損害はない。仮に風害によって原告らの土地に一定の利用制限が観念できるとしても,同利用制限の内容を具体的に特定することは困難であり,損害の発生を観念することはできない。イ不動産価値原告らの不動産評価は高額にすぎ,平成13年1月1日当時,原告A土地は1917万8000円,原告D土地は1791万6000円,原告A建物は57万8000円,原告D建物は65万2000円と評価されるべきであり,結局,原告A宅は1975万6000円,原告D宅は185 6万8000円の価値しかない。 しても,同利用制限の内容を具体的に特定することは困難であり,損害の発生を観念することはできない。イ不動産価値原告らの不動産評価は高額にすぎ,平成13年1月1日当時,原告A土地は1917万8000円,原告D土地は1791万6000円,原告A建物は57万8000円,原告D建物は65万2000円と評価されるべきであり,結局,原告A宅は1975万6000円,原告D宅は185 6万8000円の価値しかない。ウ損害補填被告らは,原告Aら及び同Dらに対し,それぞれ70万円を支払った。マンション建築によるいわゆる工事迷惑料としての補償金は, 1世帯あたり,5万ないし10万円が相場であるといわれており,上記70万円は,相場を大きく上回る。そして,金員の分配方法も第1列と第2列以下で分配金に差が設けられていること,連合自 , 1世帯あたり,5万ないし10万円が相場であるといわれており,上記70万円は,相場を大きく上回る。そして,金員の分配方法も第1列と第2列以下で分配金に差が設けられていること,連合自治会の中で,再度,原告らの所属するe町自治会第1組に再分配されたこと, 分配した平成7年12月当時,既に原告を含む近隣住民との間で,本件マンションによるビル風の危惧が,協議の議題となっていたことからすると,70万円の金員は,当事者の合理的意思解釈として,本件マンションによるビル風の影響を補償する趣旨を包含するものである。そして,原告らの主張するビル風による日常生活上の影響の程度からすると,当該金員によって全て補填されたものと評価できる。第3 当裁判所の判断 1 事実上記第2の1(前提事実)及び証拠(甲8号証の1ないし3,9号証の1及び2,10,11号証,12号証の1ないし10,13ないし15号証,18  号証,19号証の1ないし33,20号証,21号証の1ないし18,24号証の1及び2,25ないし28号証,35ないし37号証,43号証の1ないし  17,54号証,62,63号証,65号証,乙1,2号証,3号証の1及び2,原告B本人,同E本人)並びに弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。・  被告らは,本件マンション建築を計画し,堺市の関連部署との折衝を経て,建築計画案を作成した上で,付近住民との協議を行い, 何度も説明会を実施し,付近住民の意見をなるべく採り入れた上で,建築計画を変更していった。 5ないし37号証,43号証の1ないし  17,54号証,62,63号証,65号証,乙1,2号証,3号証の1及び2,原告B本人,同E本人)並びに弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。・  被告らは,本件マンション建築を計画し,堺市の関連部署との折衝を経て,建築計画案を作成した上で,付近住民との協議を行い, 何度も説明会を実施し,付近住民の意見をなるべく採り入れた上で,建築計画を変更していった。また,その中で,風害についても説明を行った。・  平成6年6月8日,被告らは,f住宅自治会長らに対し,本件マンション建築に関する説明会を開催した。同説明会において,被告 ていった。また,その中で,風害についても説明を行った。・  平成6年6月8日,被告らは,f住宅自治会長らに対し,本件マンション建築に関する説明会を開催した。同説明会において,被告都市建は,住民からの,風害発生の有無の確認及び風洞実験の要求に対し,一般のオフィスビルに比べ,マンションはバルコニー等で形状に凹凸があるためにビル風の影響はほとんどないと考えられること,万一,当該建物による実害が出れば,丸紅が責任を持って補修・補償することを回答した。また,被告丸紅は,住民からの,風害発生時における責任の所在についての質問に,建物が存在する限り,丸紅が,第三者への売却後でも責任を持つことを協定書に明記する旨回答した。・  同月10日,被告らは,e町自治会第1組の住民に対し,本件マンション建築に関する説明会を開催した。同説明会において,被告丸紅は,住民から,20階という高さを前提とした風害についての説明を求められたのに対し,風害についての詳細なパターンがないが,経験的にはマンションは凸凹しているので実害は少ないと思っている,しかし,万一,実害が発生した場合,必要に応じて補修・補償する旨回答した。また,被告竹中工務店は,経験的な予測を求められ,ビル街の谷間風は確かにあると思うが,通常マンションではそんなに強いとは思えない旨回答した。・  同年7月22日,本件マンション付近の住民は,堺市に対し,本件マンション建築による風害の発生等を危惧し,同建築に反対する旨の陳情を行った。・  e地区丸紅マンション対策協議会は,被告丸紅に対し,風害対策等の要望が含まれた同年9月7日付け「要望書」を提出し,被告らは,同月10日付け「平成6年9月7日付 れ,ビル街の谷間風は確かにあると思うが,通常マンションではそんなに強いとは思えない旨回答した。・  同年7月22日,本件マンション付近の住民は,堺市に対し,本件マンション建築による風害の発生等を危惧し,同建築に反対する旨の陳情を行った。・  e地区丸紅マンション対策協議会は,被告丸紅に対し,風害対策等の要望が含まれた同年9月7日付け「要望書」を提出し,被告らは,同月10日付け「平成6年9月7日付 の陳情を行った。・  e地区丸紅マンション対策協議会は,被告丸紅に対し,風害対策等の要望が含まれた同年9月7日付け「要望書」を提出し,被告らは,同月10日付け「平成6年9月7日付貴要望書に対するご回答」と題する書面にて回答した。同書面において,被告らは,本計画地東側地域がほとんどが3階建以下の建物の集合である良好な住宅地域であることを承知し,本件マンションの建築計画については,最大限配慮した旨回答し,風害対策については,本件マンションに起因する風によって本建物の周辺家屋に被害が発生した場合には, 直ちに修理又は補償等の誠意ある措置を責任をもって行うこと,本件マンションに起因するか否かの立証義務は被告らが負うことを明言した。・  同年9月14日,被告らは,f住宅自治会及びe町自治会の建設対策委員会役員に対し,本件マンション建築に関する説明会を開催した。同説明会において,被告都市建は,風害対策について,住民側からの立証なしで被告丸紅が補償する区域を設けたらどうかという意見に対して,被告丸紅に反証義務があることを明言し,上記のような区域分けは受け入れられない旨回答した。・被告竹中工務店(竹中技術研究所)は,本件マンション周辺の風環境を調査する目的で,平成6年11月5日,観測点1(高さ6メートルの位置)に,同年12月ころ,観測点2(高さ6メートルの位置)に,それぞれ風速計及び風向計を設置し,本件マンション付近の風環境の観測を開始した。・平成7年1月ころ,被告らは,本件マンションが周辺風環境に及ぼす影響に関し,風環境予測システムを用いて検討を行い,川村の監修による調査書(甲35号証)を作成した。上記風環境予測システムは,風速増加域に関する百数十 告らは,本件マンションが周辺風環境に及ぼす影響に関し,風環境予測システムを用いて検討を行い,川村の監修による調査書(甲35号証)を作成した。 ,本件マンション付近の風環境の観測を開始した。・平成7年1月ころ,被告らは,本件マンションが周辺風環境に及ぼす影響に関し,風環境予測システムを用いて検討を行い,川村の監修による調査書(甲35号証)を作成した。上記風環境予測システムは,風速増加域に関する百数十 告らは,本件マンションが周辺風環境に及ぼす影響に関し,風環境予測システムを用いて検討を行い,川村の監修による調査書(甲35号証)を作成した。上記風環境予測システムは,風速増加域に関する百数十種類の風洞実験結果を用い,これらを種々の形態をした建物に適応し得るように経験的に拡張し,強風時において建物の影響により風速が増加する領域を推定するものであった。上記風環境予測システムを用いた検討結果によれば,原告ら宅は,当該計画地の卓越9方向に対する風速増加域には含まれず,また,風速増加域に含まれると予測された領域についても,計画敷地内の植栽により風速は低減され,風環境は現状とほぼ同等のレベルに保たれることとなっていた。・平成7年1月20日,第1回e町自治会第1組代表打合せ会が行われた。同打合せ会において,被告丸紅及び同竹中工務店は,住民から,ビル風についてのさらなる説明と,第三者による調査の実施の検討を求められたが,ビル風については従前どおりであるし,第三者による調査も,既に有識者が堺市に意見を提出済みであり,さらに第三者に調査の実施を依頼することは難しい旨回答した。また,住民からの風洞実験の実施を求める意見に対しては,風洞実験は,あくまで実験であり必要ないし,風速計のデータ等により,実際にビル風による風害が生じたことが判明した場合には,補償の協議をする旨回答し,ビル風についての再度の説明を求める意見については, 再度の説明を検討する旨回答した。・同年2月15日,第2回e町自治会第1組代表打合せ会が行われた。同打合せ会において,被告丸紅及び同竹中工務店は,住民からの一般市街地風については,植栽によって現状とほぼ同等レベルに保たれるとのことだが,台風等の毎秒30メートル以 組代表打合せ会が行われた。同打合せ会において,被告丸紅及び同竹中工務店は,住民からの一般市街地風については,植栽によって現状とほぼ同等レベルに保たれるとのことだが,台風等の毎秒30メートル以上の強風時の風の影響についての説明がないとの質問に対し,台風等の強風時の影響については,再度有識者に検討してもらう旨回答した。 植栽によって現状とほぼ同等レベルに保たれるとのことだが,台風等の毎秒30メートル以 組代表打合せ会が行われた。同打合せ会において,被告丸紅及び同竹中工務店は,住民からの一般市街地風については,植栽によって現状とほぼ同等レベルに保たれるとのことだが,台風等の毎秒30メートル以上の強風時の風の影響についての説明がないとの質問に対し,台風等の強風時の影響については,再度有識者に検討してもらう旨回答した。・同月22日,被告らは,本件マンション建築に着工した。・ e町自治会第1組代表は,被告らに対し,①今回の調査では台風等に対する「強風災害的評価」がされておらず不安であること,②風速増加予測結果について,当該計画地の卓越風向(9方向)のみではなく,全風向に対して考察する必要があること,当該計画地の周辺には風速比が1.2以上の領域が存在するところ,風圧は風速の2乗に比例するから,1.44倍以上になり,台風等の強風時には被害の増大が予想されること,③防風対策について,風速増加予測結果に基づく対策計画ではなく,全風向を考慮した対策計画が必要であること,防風植栽による防風対策は2次的対策であり十分とはいえず,基本的には,建築物の高さ,周辺住宅との距離,建築物の形態等による1次的対策を検討すべきであること等の要望を行った。これに対し,平成7年3月6日,被告竹中工務店は,①本件計画では植栽の設置により,強風時においても敷地周辺の風速は現状と同等,あるいはそれ以下に低減されるため,本計画の建築後に特に構造的被害が増加するという心配はなく,したがって,「強風災害的評価」は行っていないこと,②風速増加予測結果からも明らかなとおり,風速増加域は,計画建物のコーナー部近辺に生じるため,全風向を考えた場合にも,調査結果に示した防風対策案により十分対応できること,植栽の設 ていないこと,②風速増加予測結果からも明らかなとおり,風速増加域は,計画建物のコーナー部近辺に生じるため,全風向を考えた場合にも,調査結果に示した防風対策案により十分対応できること,植栽の設置により敷地周辺の風速比1.2以上の領域においても,風速は現状と同等,あるいはそれ以下に低減されるため,風圧力も現状に比べ増加する心配はないこと,③上記②のとおり, 植栽の設置により,防風対策は十分であること等を回答した。・同年4月13日,e町自治会と被告らは,次の内容を含む協定を締結した。 ナー部近辺に生じるため,全風向を考えた場合にも,調査結果に示した防風対策案により十分対応できること,植栽の設置により敷地周辺の風速比1.2以上の領域においても,風速は現状と同等,あるいはそれ以下に低減されるため,風圧力も現状に比べ増加する心配はないこと,③上記②のとおり, 植栽の設置により,防風対策は十分であること等を回答した。・同年4月13日,e町自治会と被告らは,次の内容を含む協定を締結した。第6条(風害対策)1.被告らは風速記録計を本件工事予定地内に2か所(内1か所は既設)設置し,常時記録する。2.本建物完成後についても,本建物に起因する風によって本建物の周辺地域に人的又は物的被害が発生した場合には,被告らは, 直ちに修理又は補償等の誠意ある措置を責任をもって行うものとする。なお,本建物に起因するか否かの立証義務(e町自治会の推薦する公的な第三者に立証を依頼する場合も含む。)は,被告らにあるものとする。3.被告らは風害対策として本建物の構造,植樹(防風林的配慮)に十分意を用いる。道路への落葉除去は被告らが対処する。・同年12月17日,被告丸紅は,原告らを含むe町自治会第1組代表に対し,本件マンション建築に伴う振動・騒音・塵埃飛散等に対する29軒分の補償金として1260万円を支払った。同補償金は,建築工事に伴ういわゆる迷惑料であり,風環境の悪化に対する補償を含む趣旨ではなかった。原告Aら及び同Dらは,上記1260万円の内それぞれ60万円を受領した。さらに,原告らの所属するe町自治会第1組は,上記同様いわゆる建築工事に伴う迷惑料として300万円を受領 ではなかった。原告Aら及び同Dらは,上記1260万円の内それぞれ60万円を受領した。さらに,原告らの所属するe町自治会第1組は,上記同様いわゆる建築工事に伴う迷惑料として300万円を受領し,原告Aら及び同Dらは,その内10万円をそれぞれ受領した。・本件マンションの内A棟(12階)は,平成8年7月31日に竣工し,B棟,C棟も,同年12月ころには,20階まで建ち上がった。・平成8年12月22日,原告A宅は,強風を受け,洗濯物干場のプラスチック製波板が一部破損した。その後も強風が続いたため,原告ら住民は,翌年,被告丸紅に対し,協議会を開いて欲しい旨依頼したが,被告丸紅は,風害については,本件観測データによって客観的な判断をする必要があり,現段階で話合いをしても意味がないという理由で同依頼を拒絶した。 に竣工し,B棟,C棟も,同年12月ころには,20階まで建ち上がった。・平成8年12月22日,原告A宅は,強風を受け,洗濯物干場のプラスチック製波板が一部破損した。その後も強風が続いたため,原告ら住民は,翌年,被告丸紅に対し,協議会を開いて欲しい旨依頼したが,被告丸紅は,風害については,本件観測データによって客観的な判断をする必要があり,現段階で話合いをしても意味がないという理由で同依頼を拒絶した。・平成9年3月9日,第8回e町自治会第1組打合せ会が行われた。同打合せ会は,住民からの,年末年始から今まで経験したことがない程の強風が吹いており,恐怖感さえ抱いているとの意見が表明された上で,風害についての話合いが行われ,被告らは,①防風対策として植栽を追加していること,②葉がまだ十分に繁っていないので防風効果が少ないこと,③実害が出た場合は事業主として補修又は補償することを説明した。また,原告Aらは,風速計のデータ収集は建設後1年間としているようであるが,双方が納得いくまで継続して行ってほしい旨要望した。・本件マンションは,同月11日,全体が竣工した。・同年4月30日,第9回e町自治会第1組打合せ会が行われた。風害対策について話合いが行われ,被告らは,第8回打合せ会と同様,①現状の防風林が繁って効果が出るまで待って欲しいこと,②その間に生 同年4月30日,第9回e町自治会第1組打合せ会が行われた。風害対策について話合いが行われ,被告らは,第8回打合せ会と同様,①現状の防風林が繁って効果が出るまで待って欲しいこと,②その間に生じた実害については補修又は補償することを説明した。また,原告Aらは,再度,風速計は住民側の同意なしに撤去しないように要望し,被告丸紅は了解する旨回答した。・平成10年8月8日,第10回e町自治会第1組打合せ会が行われ,被告丸紅及び同竹中工務店は,本件マンション完成後1年間の風速測定結果について被告竹中工務店より報告を行い,防風林を可能な範囲で設置したが,有効な防風効果は得られなかったことを説明した。また,本件マンション建築により,周囲の風が強くなるにもかかわらず,防風林によって風が弱くなるという誤解を招くような説明をしたことを詫び,防風林により期待した防風効果が得られなかったが,これ以上有効な対策はとれないので,直接影響を受けている方々 に対しては金銭的な解決を要望すること,さらに,4年間風速計を設置しデータを取ってきたが,風の影響が把握できたので,風速計は撤去することを説明した。 説明した。また,本件マンション建築により,周囲の風が強くなるにもかかわらず,防風林によって風が弱くなるという誤解を招くような説明をしたことを詫び,防風林により期待した防風効果が得られなかったが,これ以上有効な対策はとれないので,直接影響を受けている方々 に対しては金銭的な解決を要望すること,さらに,4年間風速計を設置しデータを取ってきたが,風の影響が把握できたので,風速計は撤去することを説明した。これに対し,住民,特に原告Aらは,風速計は住民側の同意がなければ撤去できない約束であると述べ,風速計の撤去に反対したが,被告丸紅及び同竹中工務店は,これ以上データを取ることは意味がない,損害が生じた場合には,被告丸紅に損害と本件マンションとの因果関係がないことの立証責任があるところ,被害の補償については今までのデータを基に判断できること, 台風等で実害があった場合は,立証責任が被告らにあるということで補償するので,風速計は外す旨説明した。その後,被告丸紅は,e町自治会第1組代表(原告Aを含む。)に対 に判断できること, 台風等で実害があった場合は,立証責任が被告らにあるということで補償するので,風速計は外す旨説明した。その後,被告丸紅は,e町自治会第1組代表(原告Aを含む。)に対し,同年11月末日限りで,風速計を撤去する旨手紙(甲14号証) にて伝えた。・同年9月22日,台風7号が襲来し,原告D宅の屋根瓦が飛散し,2階ベランダのトタン屋根が破損したほか,雨樋が外れる,数か所から雨漏りがするという被害が発生した。また,原告A宅においても,屋根瓦が飛散したほか,数か所から雨漏りがするという被害が発生した。これに対し,被告竹中工務店は,瓦の飛散した部分にビニールをかぶせるという応急処置をし,その後,被告丸紅は,原告らに対し 「台風7号により,家屋被害を受けられた皆様へ」(甲15号証)と題する書面を交付した。同書面には,被告丸紅は,本件被害は本件マンションによる風害ではなく,純粋に台風による被害であったと考えており,同考えに賛同するならば,工事業者及び費用負担につき協議する旨記載されていた。原告らは,同依頼を拒絶し,被告丸紅も,原告らの修理依頼に応じなかったため,修理がされなかった。ただし,原告らは,割れた瓦だけは放置すると危険なので屋根から下ろした。その後,弁護士を通じて話し合った結果,平成11年3月,上記被害については被告丸紅が修理した。 ションによる風害ではなく,純粋に台風による被害であったと考えており,同考えに賛同するならば,工事業者及び費用負担につき協議する旨記載されていた。原告らは,同依頼を拒絶し,被告丸紅も,原告らの修理依頼に応じなかったため,修理がされなかった。ただし,原告らは,割れた瓦だけは放置すると危険なので屋根から下ろした。その後,弁護士を通じて話し合った結果,平成11年3月,上記被害については被告丸紅が修理した。・同年5月27日,強風により,被告D宅の屋根瓦がはがれたほか,2階ベランダの雨戸が外れた。屋根瓦については,被告丸紅が修理した。・そのほかにも,原告らは,冬場には洗濯物が風で飛んでしまって外に干せなかったり,夜眠れないなどの経験をし,特に風が強い日は,建物自体が揺れるとか,地響きがするとか が修理した。・そのほかにも,原告らは,冬場には洗濯物が風で飛んでしまって外に干せなかったり,夜眠れないなどの経験をし,特に風が強い日は,建物自体が揺れるとか,地響きがするとか,爆音がするといった感覚を持つようになり,平成12年6月23日,原告Dらは,風環境の悪化を理由に原告D宅から転居した。また,原告Aらも,同月ころ,風環境の悪化を理由に原告A宅から転居した。2 争点・(権利侵害の有無)について・風環境評価及びあてはめ本件については,争点1につき判断する前提として,風環境基準につき,どのような評価基準を採用するかが問題となるので,まず,この点について検討する。ア風環境の評価基準証拠(甲20号証,61号証の3,69号証,証人藤井)及び弁論の全趣旨によれば,風環境評価基準については,現在様々なものがあり,一つの分類として,風速のみを基準とする評価基準と風速及び頻度を考慮する基準とがあること,この点,風環境を評価する場合,どの風向から,どの程度の頻度で,どの程度の強さの風が吹くのかを総合的に評価する必要があることから,風速及び頻度を考慮する基準が妥当であると一般的に考えられており,風速のみを基準とした評価方法(例えば,ビューフォートの風力階級)は,風害の評価には通常使用されていないこと,風速及び頻度を考慮する基準としては,村上基準や風工学研究所基準があること,被告らが作成し,原告ら住民に提出した「(仮)g計画周辺の風環境に関する調査結果」(甲24号証の1及び2,36,37号証)においても,村上基準及び風工学研究所基準によって風環境が評価されていること,風速について,村上基準は瞬間風速を使用し,風工学研究所基準は ューフォートの風力階級)は,風害の評価には通常使用されていないこと,風速及び頻度を考慮する基準としては,村上基準や風工学研究所基準があること,被告らが作成し,原告ら住民に提出した「(仮)g計画周辺の風環境に関する調査結果」(甲24号証の1及び2,36,37号証)においても,村上基準及び風工学研究所基準によって風環境が評価されていること,風速について,村上基準は瞬間風速を使用し,風工学研究所基準は 査結果」(甲24号証の1及び2,36,37号証)においても,村上基準及び風工学研究所基準によって風環境が評価されていること,風速について,村上基準は瞬間風速を使用し,風工学研究所基準は平均風速を使用してそれぞれ風環境を評価するものであること,平均風速は,一般的な生活に与える様々な風を数値的に反映していると考えられ,生活上における風の影響を想像すれば自ずと明らかなとおり,生活上の風環境を判断する上で重要であることはいうまでもないが,瞬間的な風の力が建物や人に影響を与え,時にはそれにより生命,身体の危険が生ずること,その意味で風の被害を検討するに当たっては,瞬間風速を使用した基準によるのが相当であること,ただ,瞬間風速のデータは全国で多数設置されている気象庁アメダス地域観測所では観測されていないし,風洞実験でも瞬間風速を十分再現することができないことから,平均風速を使用した基準も使いやすい基準ということがいえることが認められる。以上から,本件については,瞬間風速を基礎とした村上基準の適用を重視し,風工学研究所基準も参考として検討することとする。これに対し,被告らは,村上基準は,日最大瞬間風速毎秒20メートル以上の枠(レベル3)に入る許容超過頻度のパーセント値が極めて低値であるため,台風等の気象現象により,ランクが簡単に上昇してしまう旨主張する。しかしながら,通常は,日最大瞬間風速毎秒10メートル(レベル1),15メートル(レベル2),20メートル(レベル3)の3つの枠に入る日数は,ほぼ連動していると考えられ,確かに,被告らの指摘するような問題点はあるものの,基準としては適切なものと考え,実際に風環境を評価する上で, ートル(レベル3)の3つの枠に入る日数は,ほぼ連動していると考えられ,確かに,被告らの指摘するような問題点はあるものの,基準としては適切なものと考え,実際に風環境を評価する上で,同問題点を考慮に入れつつ評価すれば足りると考えられる。 ル3)の3つの枠に入る日数は,ほぼ連動していると考えられ,確かに,被告らの指摘するような問題点はあるものの,基準としては適切なものと考え,実際に風環境を評価する上で, ートル(レベル3)の3つの枠に入る日数は,ほぼ連動していると考えられ,確かに,被告らの指摘するような問題点はあるものの,基準としては適切なものと考え,実際に風環境を評価する上で,同問題点を考慮に入れつつ評価すれば足りると考えられる。イ  評価基準の内容(ア) 村上基準甲第61号証の1によれば,村上基準は,別紙4村上基準記載のとおりであるが,同基準は,東京都における風の観測と住民の意識調査結果を基に分析して作成した風環境評価尺度であり,空間の使用目的に応じて,風による影響を受けやすい順番にランク 1,ランク2,ランク3の分類を設定している。なお,同基準には,ランク4というものは存在しないが,ランク3を超える場合をランク4と呼ぶことがある。ランク1の空間用途例としては住宅地の商店街や野外レストラン,ランク2の空間用途例としては住宅街や公園,ランク3 の空間用途例としては事務所街がある。村上基準の考えによれば,ランク4は,風環境としては論外という認識であり,空間用途例は設定されていない。そして,同基準は,各ランクに対し,日最大瞬間風速毎秒10メートル(レベル1),15メートル(レベル2),20メートル(レベル3)を基準にした許容超過頻度(日数)を与え,当該風環境が,どのランクに該当するかを判断するものである。上記3つの許容頻度のうち1つでも充足しなければ,そのランクとしてはふさわしくないと評価される。なお,村上基準は,地上1.5メートルの高さでの風を基準としたものである。村上基準におけるランク3は,厳しい風環境にあり,一般的に住宅街では許容される風環境ではない。また,ランク3を超えるランク メートルの高さでの風を基準としたものである。村上基準におけるランク3は,厳しい風環境にあり,一般的に住宅街では許容される風環境ではない。また,ランク3を超えるランク 4は事務所街といえども許容されない風環境であることを示している。(イ) 風工学研究所基準甲第20号証によれば,風工学研究所基準は,別紙6風工学研究所基準記載のとおりであるが,同基準は,東京都における風の観測を基に,地域により風速の発生頻度に違いがあることから,平均風速の累積頻度により,別紙6風工学研究所基準記載のとおり,住宅地,市街地,事務所街のそれぞれの風環境の境界を設定し,これにより領域A,B,C,Dが定められている。 されない風環境であることを示している。(イ) 風工学研究所基準甲第20号証によれば,風工学研究所基準は,別紙6風工学研究所基準記載のとおりであるが,同基準は,東京都における風の観測を基に,地域により風速の発生頻度に違いがあることから,平均風速の累積頻度により,別紙6風工学研究所基準記載のとおり,住宅地,市街地,事務所街のそれぞれの風環境の境界を設定し,これにより領域A,B,C,Dが定められている。領域Aは,住宅地としての風環境又は比較的穏やかな風環境が必要な場所,領域Bは,住宅地・市街地としての風環境,一般的風環境,領域Cは, 事務所街としての風環境又は比較的強い風が吹いても我慢できる場所,領域Dは,超高層建物の足元で見られる風環境,一般には好ましくない風環境と評価されている。ただし,上記領域の境界は,東京都での観測データを基に作成したものであり,大阪など他の都市に当てはめるには多少の無理があり,本来は各主要都市において風観測を行い,同様の風環境評価尺度を作成することが望ましいとされている。同基準は,通常,累積頻度55パーセント及び95パーセントでの風速を求め,その風速により風環境を評価するものである。累積頻度55パーセントの風速はそれぞれの風環境での平均的な風速に,累積頻度95パーセントの風速は日最大平均風速の年間のほぼ平均値(週1度程度吹く比較的早い風速)に相当するといえる。また,同 頻度55パーセントの風速はそれぞれの風環境での平均的な風速に,累積頻度95パーセントの風速は日最大平均風速の年間のほぼ平均値(週1度程度吹く比較的早い風速)に相当するといえる。また,同基準においては,いずれか一方の評価指標風速を満足しない場合,次の領域に分類される。つまり,累積頻度55パーセントと95パーセントで妥当する領域が異なる場合,どちらか厳しい方をとるという判定基準となっている。なお,累積頻度55パーセントと95パーセントで妥当する領域が異なる場合というのは,ある特定の風向で極めて強い風が起きる場合等である。ウ原告ら宅付近の風環境以上の基準をあてはめ,原告ら宅付近の風環境を判断することとする。村上基準のあてはめは,藤井鑑定(甲60号証)を参考とし, 風工学研究所基準のあてはめは,竹中技術研究所の調査結果(甲24号証の1及び2,36,37号証)を参考とすることとする。その前提として,藤井鑑定(甲60号証,70号証,71号証の1及び2,72号証,75号証,77号証)の信用性について検討する。 場合等である。ウ原告ら宅付近の風環境以上の基準をあてはめ,原告ら宅付近の風環境を判断することとする。村上基準のあてはめは,藤井鑑定(甲60号証)を参考とし, 風工学研究所基準のあてはめは,竹中技術研究所の調査結果(甲24号証の1及び2,36,37号証)を参考とすることとする。その前提として,藤井鑑定(甲60号証,70号証,71号証の1及び2,72号証,75号証,77号証)の信用性について検討する。(ア) 藤井鑑定の信用性被告らは,藤井が原告らと利害関係は一切なく第三者として鑑定を行ったとする点について疑問がある旨主張する。しかしながら,藤井が原告と利害関係があることを示す証拠はなく,また,鑑定それ自体を検討してみても特段利害関係を窺わせる事情は認められず,被告ら(竹中技術研究所)の作成した調査書等(村上基準を適用し,藤井と同じような評価をしている。)に照らしても,主たる鑑定結果(甲60号証)は妥当であると考えられる。確かに,被告らと藤井との間に,風工学,風環境評価基準等に対する見解の相違等は と同じような評価をしている。)に照らしても,主たる鑑定結果(甲60号証)は妥当であると考えられる。確かに,被告らと藤井との間に,風工学,風環境評価基準等に対する見解の相違等はみられるものの,被告らの主張によっても,藤井の中立性に問題があり,藤井の全ての鑑定,意見等が信用できないとはいえない。(イ) 村上基準のあてはめ証拠(甲24号証の1及び2,36,37号証,60号証)によれば,本件観測データに村上基準をあてはめると,別紙7村上基準該当データ記載のとおりであると認められる。原告ら宅付近(観測点1)は,本件マンション建築前,村上基準において,ランク2であったのが,本件マンション建築後ランク3を超えてランク4となり,住宅街としての風環境としては許容されない環境となっている。また,別紙4村上基準の「日最大瞬間風速と生活環境障害」記載のとおり,「家が揺れた。」「歩行中吹き飛ばされそうになった。」等というレベルの日最大瞬間風速毎秒15メートルを超える日数(レベル2)が,建築前は2日であったのが建築後は26日となっているほか,「風のために危険を感じた。」というレベルの日最大瞬間風速毎秒20メートルを超える日数(レベル3)が,建築前は0日であったのが建築後は6日となっている。したがって,本件マンション建築後の風環境は,建築前に比べて生活環境障害を受けるレベルの強風が吹く日数が大幅に増加した。 」等というレベルの日最大瞬間風速毎秒15メートルを超える日数(レベル2)が,建築前は2日であったのが建築後は26日となっているほか,「風のために危険を感じた。」というレベルの日最大瞬間風速毎秒20メートルを超える日数(レベル3)が,建築前は0日であったのが建築後は6日となっている。したがって,本件マンション建築後の風環境は,建築前に比べて生活環境障害を受けるレベルの強風が吹く日数が大幅に増加した。なお,観測点 2は,本件マンション建築前後を通じ,いずれもランク2であった。なお,被告らは,村上基準の適用に際し,日最大瞬間風速毎秒10メートル(レベル1),15メートル(レベル2),20メートル は,本件マンション建築前後を通じ,いずれもランク2であった。なお,被告らは,村上基準の適用に際し,日最大瞬間風速毎秒10メートル(レベル1),15メートル(レベル2),20メートル(レベル 3)と区切らずに,毎秒10メートル以上という基準のみで評価する場合があり,その方法によれば,本件マンション建築後の原告ら宅付近の風環境は,ランク2により近接したランク3に該当する旨主張する。確かに,被告らが主張するように,毎秒10メートル以上という基準で評価する場合もある(乙17号証)。しかしながら,証拠(甲61号証の1,69号証,証人藤井)によれば,上記方法は簡易な評価方法であって,毎秒10メートル(レベル1),15メートル(レベル2),2 0メートル(レベル3)という基準で行うのが一般的で正確な評価を行うことができる上,特に,毎秒20メートル以上の風速が複数回にわたって認められるような場合には,毎秒10メートル以上か否かという区切りは概括的であるとの印象を拭いきれず,正確性は低いものと認められるため,この点に関する被告らの主張は理由がない。(ウ) 風工学研究所基準のあてはめ証拠(甲24号証の1及び2,36,37号証)によれば,本件観測データに風工学研究所基準をあてはめると,別紙8風工学研究所基準該当データ記載のとおりであると認められる。風工学研究所基準によれば,原告ら宅付近(観測点1)における風環境は,本件マンション建築前,領域Bにあったのが,本件マンション建築後,累積頻度55パーセントの風速が領域B(上限)に,累積頻度95パーセントの風速が領域C(上限)にあり,結果として領域C(上 ション建築前,領域Bにあったのが,本件マンション建築後,累積頻度55パーセントの風速が領域B(上限)に,累積頻度95パーセントの風速が領域C(上限)にあり,結果として領域C(上限)になったことが認められる。 環境は,本件マンション建築前,領域Bにあったのが,本件マンション建築後,累積頻度55パーセントの風速が領域B(上限)に,累積頻度95パーセントの風速が領域C(上限)にあり,結果として領域C(上 ション建築前,領域Bにあったのが,本件マンション建築後,累積頻度55パーセントの風速が領域B(上限)に,累積頻度95パーセントの風速が領域C(上限)にあり,結果として領域C(上限)になったことが認められる。しかも,領域Cについても上限であり,領域Dに近接していることが認められる。なお,観測点2 における風環境は,本件マンション建築前後を通じて領域Bに該当した。・権利侵害ア人が生命・健康を維持して快適な生活を営む利益は,法的に保護されるべき人格権として認められるところ,良好な風環境等は,快適で健康な生活に必要な生活利益であって,法的な保護の対象になるというべきである。そして,上記・ウで認定した事実によれば,本件マンション建築後の風環境は,人が日常的に居住し生活する上で非常に厳しい風環境であると評価できる。一方,仮に本件マンション建築によって風環境が悪化したとしても,被告らは,上記1で認定した事実のとおり,堺市及び近隣住民とも協議の上,行政法規を遵守して本件マンションを建築したのであって,自己の権利を行使したにすぎず,本件マンション建築によって,原告ら宅付近の風環境を悪化させたとしても,それだけで直ちに不法行為が成立するとはいえない。しかしながら,すべて権利の行使は,その態様ないし結果において,社会観念上妥当と認められる範囲内でのみこれをなすことを要するのであって,権利者の行為が社会的妥当性を欠き,これによって生じた損害が,社会生活上一般的に被害者において受忍するを相当とする限度を超えたと認められる時は,その権利の行使は,社会観念上妥当な範囲を逸脱したものというべく,いわゆる権利の濫用にわたるものであって,違 上一般的に被害者において受忍するを相当とする限度を超えたと認められる時は,その権利の行使は,社会観念上妥当な範囲を逸脱したものというべく,いわゆる権利の濫用にわたるものであって,違法性を帯び,不法行為責任を生ぜしめるものといわなければならない。イ上記1及び2・ウで認定した事実によれば,①原告ら宅付近の風環境は,本件マンション建築前,村上基準によればランク2,風工学研究所基準によれば領域Bであったところ,本件マンション建築後,村上基準によればランク3を超えてランク4に,風工学研究所基準によれば領域Dに近接した領域C(ただし,これは累積頻度95パーセントの風速であって,累積頻度55パーセントの風速は領域B である。 のといわなければならない。イ上記1及び2・ウで認定した事実によれば,①原告ら宅付近の風環境は,本件マンション建築前,村上基準によればランク2,風工学研究所基準によれば領域Bであったところ,本件マンション建築後,村上基準によればランク3を超えてランク4に,風工学研究所基準によれば領域Dに近接した領域C(ただし,これは累積頻度95パーセントの風速であって,累積頻度55パーセントの風速は領域B である。)になり,原告らが感じた風による被害を考慮すると,人が生活する上で障害のある風環境に変化したと推測されること,②現実に,本件マンションが20階まで建ち上がった平成8年12月ころ以降,原告ら宅においては,風による物理的な被害が発生していること (同月22日,平成10年9月22日,平成11年5月27日等),③本件マンション及び原告ら宅付近は,良好な住宅地であり,ほとんどが3 階建以下の建物であり,被告らもそのことを十分に認識していたこと,④被告らは,本件マンション計画を変更するなどして,風環境の悪化を防止することが不可能とはいえなかったのに対し,原告らには,風環境の悪化を防止する手段がなかったと推測されること,⑤ 原告らは,昭和61年ころから,原告ら宅に居住し続けてきたところ,平成9年3月ころ,本件マンションが完成し,風環境が悪化したため,平成12年6月,やむなく転居するに至ったこと,⑥原告らは,本件マンション建築前から風環境の悪化を 居住し続けてきたところ,平成9年3月ころ,本件マンションが完成し,風環境が悪化したため,平成12年6月,やむなく転居するに至ったこと,⑥原告らは,本件マンション建築前から風環境の悪化を危惧しており,被告らと何度も交渉し,被告らは,風環境が悪化することはない,風害が発生した場合,被告らが補修・補償すると度々説明していたことが認められる。特に①の風環境の悪化の程度について,村上基準によれば,想定していないランク4に該当する上,同基準によればそもそもランク3でも厳しい風環境にあるとされている。この点,被告らは,村上基準の問題点(日最大瞬間風速毎秒15メートル以上の許容頻度のパーセント値が極めて低値であること)を指摘し,本件マンション建築後の本件観測データ(観測点1)に対し,たまたま台風等の強風が吹き,気象現象によってランクが上昇した可能性がある旨主張する。 度について,村上基準によれば,想定していないランク4に該当する上,同基準によればそもそもランク3でも厳しい風環境にあるとされている。この点,被告らは,村上基準の問題点(日最大瞬間風速毎秒15メートル以上の許容頻度のパーセント値が極めて低値であること)を指摘し,本件マンション建築後の本件観測データ(観測点1)に対し,たまたま台風等の強風が吹き,気象現象によってランクが上昇した可能性がある旨主張する。確かに,乙第11号証によれば,年最大平均風速の比較で見る限り,本件マンションの「建設前」,「建設中1」の観測を行った期間と 「建設後」の期間とでは,前者が,過去63年間の内で60番前後に位置づけられる強風の吹かなかった年に該当し,後者が12,3番前後に位置づけられる強風の吹いた年に該当するということは認められる。しかしながら,そもそもランク3でも風環境としては厳しいこと,証拠(甲70号証,71号証の1及び2,75号証)によれば,堺観測所の平均風速を1とした場合の観測点1の本件マンション建築前後の風向別風速比(堺観測所の平均風速が毎秒3メートル以上の場合)は, 約1.3倍になっていることが認められること(なお,観測点2においては1倍未満である。)からすると,本件マンション建築後には一般 向別風速比(堺観測所の平均風速が毎秒3メートル以上の場合)は, 約1.3倍になっていることが認められること(なお,観測点2においては1倍未満である。)からすると,本件マンション建築後には一般的に強風が吹く日が増加したとしても,その強風の最大瞬間風速も前同様に約1.3倍ほど上昇していると推測される以上,ランクの上昇についてもかなりの程度影響していると推測できること,風速計が撤去されなければ,その後のデータによって被告らの主張が立証できた可能性は否定できないが,上記1で認定した事実によれば,被告らは,原告らの度重なる要望にもかかわらず,仮に風害が発生した場合,被告らが立証責任を負い,原告らの損害に対し補修・補償をすると約束し,一方的に風速計を撤去したことが認められる以上,被告らにおいて,本件観測データが台風等に左右されたものであり,現実に風環境は悪化していない可能性を指摘する程度では,立証責任を果たしているということはできない。また,風工学研究所基準においても,累積頻度95パーセントの風速は領域Dに近接した領域Cになっており,人が生活する上であまり好ましくない風環境であると評価できる。 害に対し補修・補償をすると約束し,一方的に風速計を撤去したことが認められる以上,被告らにおいて,本件観測データが台風等に左右されたものであり,現実に風環境は悪化していない可能性を指摘する程度では,立証責任を果たしているということはできない。また,風工学研究所基準においても,累積頻度95パーセントの風速は領域Dに近接した領域Cになっており,人が生活する上であまり好ましくない風環境であると評価できる。そうすると,原告ら宅付近の風環境は,人が生活する上で障害のある風環境であると認めるのが相当である。ウ上記①ないし⑥の各事実を総合考慮すれば,被告らの本件マンション建築は,社会観念上妥当な権利行使としての範囲を逸脱し, 権利の濫用として違法性を帯びるに至ったものと解するのが相当である。したがって,被告らの本件マンション建築,設計等により,原告らの権利が侵害されたと認められる。3 争点・(過失の有無)について・予見可能性上記1で 解するのが相当である。したがって,被告らの本件マンション建築,設計等により,原告らの権利が侵害されたと認められる。3 争点・(過失の有無)について・予見可能性上記1で認定した事実によれば,①原告らは,被告らに対し,風環境の悪化を危惧し,何度も交渉を重ね,風環境について説明を求めたこと,②原告らは,被告らに対し,風洞実験によって風環境を予測することを求めたこと,③これに対し,被告らは,風洞実験は行わず,より簡易な予測方法である風環境予測システムによって風環境を予測し,風環境は悪化しない,仮に悪化した場合,被告らが補修・補償すると説明したことが認められる。そして,そもそも,本件マンションのような高層マンションを建築すれば,近隣の風環境に変化が生じる可能性は十分に考えられるところであり,観測点1での堺観測所の平均風速を1とした場合の本件マンション建築前に対する建築後の相対倍率は約1.3倍程度であり,風速の変化が非常に顕著である以上,建物の建築,設計等を主たる業務とする被告らにおいて,本件マンション建築による受忍限度を超える風環境の変化を予見できなかったということはできない。以上の事実によれば,被告らは,本件マンション建築によって,原告ら宅付近の風環境が受忍限度を超えて悪化することを十分に予見できたといえる。・風環境予測システム被告らは,風工学の専門家である川村に風環境の予測を依頼し,風環境予測システムによって,原告ら宅付近の風環境は変化しないとの予測結果を得ていたのであるから,予見可能性は存在しなかった旨主張する。 風環境の変化を予見できなかったということはできない。以上の事実によれば,被告らは,本件マンション建築によって,原告ら宅付近の風環境が受忍限度を超えて悪化することを十分に予見できたといえる。・風環境予測システム被告らは,風工学の専門家である川村に風環境の予測を依頼し,風環境予測システムによって,原告ら宅付近の風環境は変化しないとの予測結果を得ていたのであるから,予見可能性は存在しなかった旨主張する。しかしながら,上記風環境予測システムは,あくまで,過去に研究機関で実施された百数十種類の風洞実験結 ないとの予測結果を得ていたのであるから,予見可能性は存在しなかった旨主張する。しかしながら,上記風環境予測システムは,あくまで,過去に研究機関で実施された百数十種類の風洞実験結果を用いてシュミレーションされたにすぎず,予測の正確性という点で,風洞実験とは大きく異なるというべきある。そして,上記風環境予測システムによる検討結果を原告らに報告した後の第1回e町自治会第1組代表打合せ会(平成7年1月20日)において,被告丸紅及び同竹中工務店が,「風速計のデータ等により,実際にビル風による風害が生じたことが判明した場合には,補償について協議したいと考えております。」と述べていたことからすると,被告らの認識においても,予見可能性は失われていなかったと推測できる。また,本件のように,原告らとの間で何度も風環境について交渉がされ,低層家屋の多い風環境の良好な住宅街において,本件マンションのような高層マンションを建築する場合,風工学の専門家が行ったとしても,上記風環境予測システムの結果のみでは,予見可能性は失われないというべきである。さらに,被告らにおいても,観測点1付近における風環境の悪化を懸念して,防風のための樹木を,本件マンションと原告ら宅との間の部分に植樹しているのであって,その事実をもってしても,原告ら宅付近の風環境の受忍限度を超える悪化の予見可能性がなかったとする被告らの主張は失当である。4 争点・(因果関係の有無)について・立証責任の所在上記1で認定した事実によれば,本件協定書第6条によって,因果関係の立証責任が被告らに存在することは明らかである。したがって,被告らによって,本件マンション建築によって風環境が受忍限度を超えて悪化し で認定した事実によれば,本件協定書第6条によって,因果関係の立証責任が被告らに存在することは明らかである。 性がなかったとする被告らの主張は失当である。4 争点・(因果関係の有無)について・立証責任の所在上記1で認定した事実によれば,本件協定書第6条によって,因果関係の立証責任が被告らに存在することは明らかである。したがって,被告らによって,本件マンション建築によって風環境が受忍限度を超えて悪化し で認定した事実によれば,本件協定書第6条によって,因果関係の立証責任が被告らに存在することは明らかである。したがって,被告らによって,本件マンション建築によって風環境が受忍限度を超えて悪化したのではないということが立証される必要がある。・因果関係ア  本件全証拠によっても,原告ら宅付近の風環境の受忍限度を超える悪化が本件マンション建築によるものではないことを示す証拠はない。むしろ,堺観測所や大阪管区気象台の風速データとの比較等から,因果関係の存在が推測できる。イ  被告らは,堺観測所のデータを検討し,本件マンション建築前に比べ建築後の風速が強くなっていることから,観測点1における風速の増強は,本件マンション建築による影響ではなく,気象現象によるものである旨主張する。そして,確かに,別紙10日最大平均風速の風速階級別出現頻度(堺観測所)(乙11,12号証)によれば,堺観測所における日最大平均風速は,「建設中2-建設中1」や 「建設後」等の時期は,「建設前」や「建設中1」よりも強風の頻度が増加していることが認められる。しかしながら,堺観測所のデータを基にして観測点1の本件マンション建築前後の風速比を検討しても,上記2・イのとおり,堺観測所の平均風速を1とした場合に,観測点1における本件マンション建築前後の風速が約1.3倍速くなっていることは明らかであるから, 気象現象の影響により観測点1の風速が増強した可能性はあるにしても,堺観測所の風速の増強の割合を1.3倍も上回って増強しているのであるから,本件マンション建築と風速の増強との因果関係を否定することはできない(なお,観測点2では1倍未満である。)。 特に,本件マンション建築前後を通 3倍も上回って増強しているのであるから,本件マンション建築と風速の増強との因果関係を否定することはできない(なお,観測点2では1倍未満である。)。 特に,本件マンション建築前後を通じ,変化のあまりみられない観測点2のデータ(別紙3最大平均風速比較グラフ参照)を併せ考慮すると,気象現象のみにより観測点1の風速増強を説明することは困難であり,因果関係がないとはいえない。 に,本件マンション建築前後を通 3倍も上回って増強しているのであるから,本件マンション建築と風速の増強との因果関係を否定することはできない(なお,観測点2では1倍未満である。)。 特に,本件マンション建築前後を通じ,変化のあまりみられない観測点2のデータ(別紙3最大平均風速比較グラフ参照)を併せ考慮すると,気象現象のみにより観測点1の風速増強を説明することは困難であり,因果関係がないとはいえない。ウ被告らは,大阪管区気象台のデータを比較の対象として使用し,原告ら宅付近の風環境の変化は気象現象によるものである旨主張する。そして,確かに,別紙11日最大瞬間風速の風速階級別出現頻度(大阪管区気象台),同12日最大平均風速の風速階級別出現頻度(大阪管区気象台),同13年最大平均風速の順位表(大阪管区気象台)(いずれも乙11,12号証)によれば,大阪管区気象台の観測データによっても,「建設中2-建設中1」以降強風の発生頻度が増加するとともに,「建設前」,「建設中1」に比べ,「後期」が強風の吹いた期間(年)に該当することは認められる。しかしながら,甲第77号証によれば,大阪管区気象台の日最大平均風速を基準とした場合の観測点1,観測点2及び堺観測所の風速比の変化は,別紙15大阪管区気象台の日最大平均風速を基準とした風速比の変化記載のとおりであり,各期間の平均値をみると,堺観測所においては0.51から0.56とほぼ一定であるのに対し,観測点1は,「建設前」,「建設中1」が0.49,0.47であるのに対し,「建設中2-建設中1」以降は0.61以上と急激な上昇を示し,観測点2は,「建設前」から漸減傾向を示してる。また,大阪管区気象台の日最大瞬間風速を基準とした場合の観測点1 に対し,「建設中2-建設中1」以降は0.61以上と急激な上昇を示し,観測点2は,「建設前」から漸減傾向を示してる。また,大阪管区気象台の日最大瞬間風速を基準とした場合の観測点1及び観測点2の風速比の変化は,別紙16大阪管区気象台の日最大瞬間風速を基準とした風速比の変化記載のとおりであり,各期間の平均値をみると,観測点2は,全期間を通じて0.6前後とほぼ一定であるのに対し,観測点1は,「建設前」,「建設中1」が0.64,0.63であるのに対し,「建設中2-建設中1」以降は,0.73以上と急激な上昇を示している。これによれば,大阪地方(大阪管区気象台や堺観測所)において全体的に風が強い時は,一般的には観測点1も観測点2も風が強くなるが,特に観測点1においては,「建設中2-建設中1」以降は,他の観測点に比べて一段と風が強くなっていると認められる。 ほぼ一定であるのに対し,観測点1は,「建設前」,「建設中1」が0.64,0.63であるのに対し,「建設中2-建設中1」以降は,0.73以上と急激な上昇を示している。これによれば,大阪地方(大阪管区気象台や堺観測所)において全体的に風が強い時は,一般的には観測点1も観測点2も風が強くなるが,特に観測点1においては,「建設中2-建設中1」以降は,他の観測点に比べて一段と風が強くなっていると認められる。そうすると,大阪管区気象台のデータを比較対象としても,観測点1における本件マンション建築と風速の増強との因果関係を否定することはできない。なお,被告らは,大阪管区気象台の観測データと本件観測データとを単純に比較すべきであると主張するもののようである(別紙14 対照表記載の年月日における大阪管区気象台の風向風速参照)が,証拠(甲70号証,74号証,乙13号証)によれば,風速は,測定場所の高さ,地形,周囲の建物の状況によって影響を受け,同じ市区町村であっても影響は異なるところ,観測点1との距離(約14キロメートル),高さ(地上94.2メートルと地上6メートル)と,地表面の状態等が大きく異なることから,本件観測データと大阪管区気象台のデータとを単純に比較することはできないと考えるべきである ロメートル),高さ(地上94.2メートルと地上6メートル)と,地表面の状態等が大きく異なることから,本件観測データと大阪管区気象台のデータとを単純に比較することはできないと考えるべきである。この点,丸田作成の検討書(乙18号証)には,地上6メートルレベルにおける瞬間風速が地上100メートルレベルにおける瞬間風速と同等になる場合も十分あり得る旨の記載がある。確かに,そうした瞬間もあり得るが,低い位置での瞬間風速は全体的傾向としては高い位置での瞬間風速より低いと考えるのが相当である(甲77号証)。エ被告らは,原告ら宅に風による物理的な被害が生じた平成10年9月22日(台風7号襲来時),平成11年5月27日等の日は,大阪府下で強風が吹き荒れた日であって,自然現象による被害である旨主張する。確かに,証拠(乙6号証の1ないし6,7号証の1及び2,8号証の1ないし6,9号証,10号証の1ないし3)によれば,上記被害発生日は,大阪府下において強風が吹いたことが認められる(なお,別紙14対照表記載の年月日における大阪管区気象台の風向風速参照)。 生じた平成10年9月22日(台風7号襲来時),平成11年5月27日等の日は,大阪府下で強風が吹き荒れた日であって,自然現象による被害である旨主張する。確かに,証拠(乙6号証の1ないし6,7号証の1及び2,8号証の1ないし6,9号証,10号証の1ないし3)によれば,上記被害発生日は,大阪府下において強風が吹いたことが認められる(なお,別紙14対照表記載の年月日における大阪管区気象台の風向風速参照)。しかしながら,上記イウのとおり,観測点1においては,堺観測所の平均風速を1とした場合の風速比が本件マンション建築前後で約1.3倍に上昇していること(これに対し,観測点2では1倍未満であること)等を考慮すると,上記のとおり,本件マンション建築により風速が増強され,それにより被害が発生したという可能性が高く,未だ因果関係がないとまでは認めることはできない。オしたがって,本件マンション建築と損害の発生との間に因果関係がないと認めることはできない。5 争点・(損害及び損害額)について・慰謝料 ないとまでは認めることはできない。オしたがって,本件マンション建築と損害の発生との間に因果関係がないと認めることはできない。5 争点・(損害及び損害額)について・慰謝料上記1及び2で認定した事実によれば,原告ら宅付近の風環境が受忍限度を超えて悪化したことが認められ,これにより原告らが精神的苦痛を被ったことが明らかである。そして,①平成8年秋,遅くとも平成8年12月22日以降,強い風が吹く日に原告らが感じた恐怖心の大きさ,②実際に原告ら建物に生じた物理的被害(ただし,平成10年9月22日の台風7号による被害については,被告丸紅において補修済み),③本件マンション建築前後における被告らとの交渉の経緯,④原告らは,結果的に,風環境の悪化から逃れるため長年住み慣れた環境を離れ,転居を余儀なくされたこと,⑤本件マンション建築前後における風環境のレベル差,⑥原告ら宅が,都市計画法上,第2種中高層住宅専用地域(建ぺい率60パーセント,容積率200パーセント),第2種高度地域に含まれていること,⑦被告らにおいても建築計画策定については付近住民の意見を考慮して計画変更を行っており,北側公開空地部分を広くとるなどした結果,原告ら宅への風の影響が強まった可能性も否定できないこと等の諸般の事情を総合考慮すれば,原告らが被った精神的苦痛に対する慰謝料としては,原告ら各自につき60万円を認めるのが相当である。 用地域(建ぺい率60パーセント,容積率200パーセント),第2種高度地域に含まれていること,⑦被告らにおいても建築計画策定については付近住民の意見を考慮して計画変更を行っており,北側公開空地部分を広くとるなどした結果,原告ら宅への風の影響が強まった可能性も否定できないこと等の諸般の事情を総合考慮すれば,原告らが被った精神的苦痛に対する慰謝料としては,原告ら各自につき60万円を認めるのが相当である。・不動産価値上記1及び2で認定した事実によれば,原告ら宅付近の風環境が悪化したことが認められるが,原告ら宅の不動産が無価値になったことを示す証拠は存在しない。この点,原告らは,風環境が悪化したことにより,居住できなくなったほか,売却することもで 環境が悪化したことが認められるが,原告ら宅の不動産が無価値になったことを示す証拠は存在しない。この点,原告らは,風環境が悪化したことにより,居住できなくなったほか,売却することもできなくなった旨主張し,それに沿う供述も存する。しかしながら,土地については,駐車場としての使用,強固な建物による利用等,風環境が悪化したとしても,使用価値は十分に存在しているのであって無価値であると認めることはできない。また,原告B及びEの各供述によっても,具体的に各原告ら宅の売却処分を依頼したのかどうかも不明であって,売却することができないとの事実を認めることはできない。さらに,そもそも,上記のとおり原告らの風環境の悪化は認められるものの,それに伴い原告らの所有する土地,建物の価格が下落したのか,仮に下落したとしてもその程度がいかばかりかということについては,具体的な立証がされていないし,風環境の悪化に伴う不動産価格の下落の有無ないしその程度をどのように判断するのかについて,一般的社会的コンセンサスも存在しない。そうすると,本件全証拠によっても,原告らの風環境の悪化の程度においては,未だ原告ら宅の不動産の価格が下落したとの事実を認めるには足りないといわざるを得ない。・弁護士費用本件にあらわれた一切の事情を考慮すると,弁護士費用として,原告各自につき10万円を本件マンション建築による損害と認めるのが相当である。・被告らが原告らに支払った70万円の趣旨上記1で認定した事実によれば,被告らは,平成7年12月ころ,原告Aら及び同Dらに対し,それぞれ70万円を支払ったことが認められる。 未だ原告ら宅の不動産の価格が下落したとの事実を認めるには足りないといわざるを得ない。・弁護士費用本件にあらわれた一切の事情を考慮すると,弁護士費用として,原告各自につき10万円を本件マンション建築による損害と認めるのが相当である。・被告らが原告らに支払った70万円の趣旨上記1で認定した事実によれば,被告らは,平成7年12月ころ,原告Aら及び同Dらに対し,それぞれ70万円を支払ったことが認められる。被告らは,同70万円の金員について,当事者の合理的意思解釈とし 記1で認定した事実によれば,被告らは,平成7年12月ころ,原告Aら及び同Dらに対し,それぞれ70万円を支払ったことが認められる。被告らは,同70万円の金員について,当事者の合理的意思解釈として,本件マンション建築によるビル風の影響にかかる補償の趣旨を包含するものであり,損害額に充当される旨主張する。しかしながら,①領収書(甲11号証)には,本件建築工事に伴う「振動・騒音・塵埃飛散等に対する」「補償金として」と記載されており, 風環境については何ら記載がないこと,②本件建築工事にかかる影響が,第1列と第2列で異なることからすれば分配金額に差異が設けられていても不自然ではないこと,③原告らは,当時,ビル風を非常に危惧し被告らと交渉していたことからすれば,むしろ曖昧な形で補償金を受領するとは考えにくいことから,上記70万円は,本件建築工事に伴ういわゆる迷惑料という趣旨であると解するべきであり,この点に関する被告らの主張は理由がない。6 まとめ以上によれば,本件マンションの設計,建築等により,原告らの権利が侵害され損害が発生したことを認めることができる。そして,被告丸紅は,本件マンションの事業主であり,被告竹中工務店及び被告都市建は,共同して本件マンションを設計し,被告丸紅と共に原告ら住民に対する説明会に関与するなど,共同行為者と認めることができ,共同不法行為により原告らに損害を与えたと認められる。第4 結語以上のとおり,原告らの請求は,被告らに,連帯して,各原告に対してそれぞれ70万円の支払及び最初に物理的な被害が発生した日である平成8年12月22日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を認める限度で理由があるからこれを認容し,原告らのそ 万円の支払及び最初に物理的な被害が発生した日である平成8年12月22日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を認める限度で理由があるからこれを認容し,原告らのその余の請求は理由がないからいずれもこれを棄却することとし,訴訟費用の負担につき民訴法61条,64条本文,65条1  項本文を,仮執行の宣言につき同法259条1項をそれぞれ適用して,主文のとおり判決する。 し,原告らのそ 万円の支払及び最初に物理的な被害が発生した日である平成8年12月22日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を認める限度で理由があるからこれを認容し,原告らのその余の請求は理由がないからいずれもこれを棄却することとし,訴訟費用の負担につき民訴法61条,64条本文,65条1  項本文を,仮執行の宣言につき同法259条1項をそれぞれ適用して,主文のとおり判決する。大阪地方裁判所第9民事部裁判長裁判官揖斐潔裁判官種村好子裁判官丸山秀三別紙1 物件目録1(一棟の建物の表示)所在堺市h町i丁j番地建物の番号 k構造鉄筋コンクリート造陸屋根地下1階付20階建床面積 1階  2428.56平方メートル2階  1934.51平方メートル3階  1934.51平方メートル4階  1934.51平方メートル5階  1934.51平方メートル6階  1934.51平方メートル7階  1934.51平方メートル8階  1934.51平方メートル9階  1934.51平方メートル10階  1934.51平方メートル11階  1934.51平方メートル12階  1934.51平方メートル 10階  1934.51平方メートル11階  1934.51平方メートル12階  1934.51平方メートル13階  1189.58平方メートル14階  1189.58平方メートル15階  1016.35平方メートル16階  1016.35平方メートル17階  1016.35平方メートル18階  1016.35平方メートル19階  1016.35平方メートル20階  1016.35平方メートル地下1階 6830.86平方メートル(敷地権の目的たる土地の表示)所在及び地番堺市h町i丁j番地目宅地地積 1万1746.02平方メートル2・所在堺市h町i丁地番 j 番地目宅地地積 89.20平方メートル・所在堺市h町i丁j番地家屋番号 j 番種類居宅構造木造瓦葺2階建床面積 1階  46.30平方メートル2階  25.92平方メートル3・所在堺市h町i丁地番 j 番2地目宅地地積 78.04平方メートル・所在堺市h町i丁地 在堺市h町i丁地番 j 番2地目宅地地積 78.04平方メートル・所在堺市h町i丁地番 j 番21地目宅地地積 5.29平方メートル・所在堺市h町i丁j番地の2家屋番号 j 番2種類居宅構造木造瓦葺2階建床面積 1階  46.71平方メートル2階  34.83平方メートル別紙2ないし16 省略

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