平成29年刑第1416号窃盗被告事件平成30年1月29日宣告主文被告人を懲役1年に処する。 この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。 被告人をその猶予の期間中保護観察に付する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は,平成29年6月10日午後0時4分頃,東京都足立区ab丁目c番d号A株式会社B店において,同店店長C管理のマヨネーズ1個等15点(販売価格合計4180円)を窃取した。 (量刑の理由)被告人は,本件と同じ被害店舗における食料品の万引きにより平成26年4月7日に罰金30万円に処せられ,平成29年5月16日には,やはりスーパーマーケットにおける食料品の万引きにより,懲役1年,3年間執行猶予に処せられていたのに,またしても同様の犯行に及んだものである。その手口は,被害店舗に入店後,シャツの胸ボタンを外して商品を隠し入れる準備をした上で,カートに欲しい商品を入れ,その中から一部の商品をシャツの中やズボンのポケットの中に隠し入れ,残りの商品のみを精算して店外に出るというものであり,手慣れた悪質なものである。その動機も,商品を万引きすれば,浮いたお金を妻の老人ホーム代に回せるというものであるし,被害額もこの種事案としては少額とはいえない。被告人は,平成22年以降,万引きにより度々検挙された末に,本件犯行に及んでいることに照らせば,被告人の盗癖は深刻であり,今回は実刑をもって臨むことも十分に考慮されるところである。 他方,①被告人が事実関係を認め,法に従って償いをする旨述べていること, ②被告人が万引きを繰り返してきた背景には,認知機能の低下の影響がうかがわれること,③保釈が許可された後,被告人の長女が弁護人の助言を得て奔走した結果,社会福祉士による更生支援計画が策定され,現在, ②被告人が万引きを繰り返してきた背景には,認知機能の低下の影響がうかがわれること,③保釈が許可された後,被告人の長女が弁護人の助言を得て奔走した結果,社会福祉士による更生支援計画が策定され,現在,被告人は介護老人福祉施設に入所しており,同施設では一人で外出することが許されていないことから,再犯のおそれが著しく低くなっていること,④被告人には他の犯罪傾向が認められないこと,⑤被告人が高齢で健康状態も芳しくないこと,といった事情が認められる。加えて,被害店舗に対する被害弁償の努力が行われていることといった事情も考慮すると,情状に特に酌量すべきものがあるから,再度の執行猶予を付することとした。 (求刑・懲役1年6月)平成30年1月29日東京地方裁判所刑事第13部 裁判官家令和典
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