- 1 -平成26年5月30日名古屋高等裁判所平成25年(行コ)第60号,第75号一般乗用旅客自動車運送事業の乗務距離の最高限度を定める公示処分の取消等請求,事業用自動車の使用停止処分等差止請求控訴事件,同附帯控訴事件(原審・名古屋地方裁判所平成22年(行ウ)第29号〔甲事件〕,同第34号〔乙事件〕) 主文 1 本件控訴に基づき,原判決主文第3項ないし第5項を次のとおり変更する。 2 本件訴えのうち,中部運輸局長が平成21年10月28日付けで被控訴人に対してした一般乗用旅客自動車運送事業における指定地域及び乗務距離の最高限度を定める公示(中運局公示第98号)の取消しを求める部分並びに中部運輸局長が平成22年6月7日付けで被控訴人に対してした事業用自動車の使用停止処分及び附帯命令(中運自監第145号)の取消しを求める部分をいずれも却下する。 3 本件附帯控訴を棄却する。 4 訴訟費用は,第1,2審を通じて,これを4分し,その1を被控訴人の負担とし,その余を控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨及び附帯控訴の趣旨 1 控訴の趣旨(1) 原判決中,主文第1項ないし3項をいずれも取り消す。 (2) 本件訴えのうち,被控訴人が,その営業所に属する隔日勤務運転者を,1乗務(出庫から帰庫までの連続した勤務をいう。以下,本項及び次項において同じ。)当たりの乗務距離(ただし,高速自動車国道〔高速自動車国道法4条1項に規定する高速自動車国道をいう。〕及び自動車専用道路〔道路- 2 -法48条の4に規定する自動車専用道路をいう。〕を利用した場合には,その距離を控除する。以下,本項及び次項において同じ。)が360㎞を超えても事業用自動車に乗務さ び自動車専用道路〔道路- 2 -法48条の4に規定する自動車専用道路をいう。〕を利用した場合には,その距離を控除する。以下,本項及び次項において同じ。)が360㎞を超えても事業用自動車に乗務させ,その営業所に属する日勤勤務運転者を,1乗務当たりの乗務距離が270㎞を超えても事業用自動車に乗務させることができる地位を有することの確認を求める部分(以下,この訴えを「本件確認の訴え」といい,本件確認の訴えに係る請求を「本件確認請求」という。)を却下する。 (3) 本件訴えのうち,中部運輸局長に対し,被控訴人の営業所に属する隔日勤務運転者については,1乗務当たりの乗務距離が360㎞を超えて事業用自動車に乗務させたことを理由として,日勤勤務運転者については,1乗務当たりの乗務距離が270㎞を超えて事業用自動車に乗務させたことを理由として,道路運送法(以下「法」という。)40条に基づく自動車その他の輸送施設の当該事業のための使用の停止,事業の停止又は許可の取消しの各処分の差止めを求める部分(以下,この訴えを「本件差止めの訴え」といい,本件差止めの訴えに係る請求を「本件差止請求」という。)を却下する。 (4) 被控訴人のその余の請求をいずれも棄却する。 (5) 訴訟費用は,第1,2審を通じて,被控訴人の負担とする。 2 附帯控訴の趣旨(1) 原判決中,中部運輸局長が平成21年10月28日付けでした一般乗用旅客自動車運送事業における指定地域及び乗務距離の最高限度を原判決別紙1記載のとおり定める公示(以下「本件公示」という。)の取消しを求める訴え(以下「本件公示取消しの訴え」という。)を却下した部分を取り消す。 (2) 本件公示を取り消す。 (3) 訴訟費用は,第1,2審を通じて,控訴人の負担とする。 第2 事案の概要- 3 - 以下「本件公示取消しの訴え」という。)を却下した部分を取り消す。 (2) 本件公示を取り消す。 (3) 訴訟費用は,第1,2審を通じて,控訴人の負担とする。 第2 事案の概要- 3 - 1 本件は,一般乗用旅客自動車運送事業(タクシー事業)を営む被控訴人が,(1)本件公示が違法である旨主張して,①主位的には本件公示が行政事件訴訟法3条2項にいう処分に当たることを前提に本件公示の取消しを(本件公示取消しの訴え),予備的には行政事件訴訟法4条にいう当事者訴訟として,本件公示に係る乗務距離の最高限度を超えて運転者を事業用自動車に乗務させることができる地位の確認を求めるとともに(本件確認の訴え),②本件公示に係る乗務距離の最高限度を超えたことを理由とする道路運送法(以下「法」という。)40条に基づく処分の差止めを求め(本件差止めの訴え)(甲事件),さらに,(2)中部運輸局長が平成22年6月7日付けで被控訴人に対してした事業用自動車の使用停止処分及び附帯命令(中運自監第145号。以下「本件処分」という。)が違法である旨主張して,本件処分の取消しを求めた(以下「本件処分取消しの訴え」という。)(乙事件)事案である。 原審は,甲事件については,本件公示取消しの訴えを却下して,本件確認請求及び本件差止請求をいずれも認容し,乙事件については,本件処分のうち,附帯命令の取消しを求める部分に係る訴えを却下して,事業用自動車の使用停止処分のうち,運賃及び料金の額の事業用自動車内への表示義務違反を理由として10日車の使用停止を命じる部分を超える部分(点呼の記録義務違反を理由とする部分及び乗務距離の最高限度違反を理由とする部分)の取消しを求める限度で取消請求を認容し,その余の事業用自動車の使用停止処分に係る取消請求を棄却した。 控訴人は,上記各敗 録義務違反を理由とする部分及び乗務距離の最高限度違反を理由とする部分)の取消しを求める限度で取消請求を認容し,その余の事業用自動車の使用停止処分に係る取消請求を棄却した。 控訴人は,上記各敗訴部分を不服として控訴し,被控訴人は,上記各敗訴部分のうち,甲事件の主位的請求(本件公示の取消請求)を却下した部分を不服として,附帯控訴した。 2 本件の関係法令等の定めは,以下のとおり補正するほか,原判決「事実及び理由」の「第2 事案の概要」の2に記載のとおりであるからこれを引用する。 (1) 原判決5頁2行目の「ノルマの禁止」を,「ノルマを課すことの禁止」- 4 -と改める。 (2) 原判決6頁3行目の「道路運送法施行令」の次に,「(昭和26年政令第250号。以下『施行令』」という。)」を加える。 (3) 原判決6頁6行目及び8行目の「平成21年」の次に,「9月29日付け」をそれぞれ加える。 (4) 原判決7頁10行目,14行目から15行目にかけて及び23行目の「別紙3」を,「本件処分基準公示の別紙3」といずれも改める。 (5) 原判決8頁9行目の「別紙3」を,「本件処分基準公示の別紙3」と改める。 (6) 原判決8頁16行目の「別紙3-2」を,「本件処分基準公示の別紙3-2」と改める。 3 本件の前提事実(当事者間に争いがない事実,後掲証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実),争点及び争点に関する当事者の主張は,以下のとおり補正するほか,原判決「第2 事案の概要」の3ないし5に記載のとおりであるからこれを引用する。 (1) 原判決10頁7行目の「タクシー事業者」の次に,「のうち,標準的な経営状況にあると考えられる名古屋地区原価計算対象事業者」を加える。 (2) 原判決11頁13行目の「甲9」を,「甲7,9」と改める。 原判決10頁7行目の「タクシー事業者」の次に,「のうち,標準的な経営状況にあると考えられる名古屋地区原価計算対象事業者」を加える。 (2) 原判決11頁13行目の「甲9」を,「甲7,9」と改める。 (3) 原判決11頁18行目の「1月22日」を,「1月12日」と改める。 (4) 原判決11頁22行目の「(」の次に,「甲6,7,」を加える。 (5) 原判決11頁25行目の「通知」を,「各通知」と,26行目の「弁明書」を,「各弁明書」と,いずれも改める。 (6) 原判決14頁23行目の「とられているが,」の次に,「実質的には,あくまでも」を加える。 (7) 原判決14頁26行目の冒頭に,「極めて」を加える。 (8) 原判決15頁1行目の「課すものであるから,」から2行目の「確定す- 5 -る。」までを,以下のとおり,改める。 「課すものであり,不特定多数人に向けられたものとはいえない。そして,本件公示によって制限される権利の内容や課される義務の内容は,本件公示の記載内容により全て尽くされており,本件公示に後続する処分等によって,制限される権利の内容や課される義務の内容が初めて具体化されるものではないから,本件公示は,直接,被控訴人の権利を制限し義務を課すものであるといえ,処分性を有するものである。」(9) 原判決16頁1行目冒頭から10行目の末尾までを,以下のとおり改める。 「ア処分の蓋然性があるとの主張は争う。 本件乗務距離規制の違反を理由とする法40条に基づく処分のうち,事業停止処分及び許可取消処分については,一定期間内に自動車等使用停止処分を繰り返し受けなければ上記各処分がされることはないところ,被控訴人については,本件処分以外には,本件乗務距離規制の違反を理由とする処分を受けていないだけでなく,本件処分以降,本件 車等使用停止処分を繰り返し受けなければ上記各処分がされることはないところ,被控訴人については,本件処分以外には,本件乗務距離規制の違反を理由とする処分を受けていないだけでなく,本件処分以降,本件乗務距離規制に違反しないように配慮して運行をしており,本件乗務距離規制に違反する行為をした事実は把握されていない。 したがって,被控訴人においては,上記違反行為が反復継続的に行われるような状況にはなく,自動車等使用停止処分が累積加重的にされることによって,事業停止処分又は許可取消処分がされるに至る客観的に相当程度の蓋然性は認められないというべきである。 イ重大な損害を生ずるおそれがあるとの主張も争う。 上記のとおり,被控訴人に対して事業停止処分又は許可取消処分がされるに至る客観的に相当程度の蓋然性が存在するとはいえないのであるから,重大な損害を生ずるか否かを判断するに当たって考慮すべき処分の内容として,上記各処分を想定するのは相当でない。そして,被控訴人が主- 6 -張する事情により生じ得る損害は,結局のところ,売上げの減少(あるいは喪失)という経済的損害にすぎないから,当該処分の取消請求が認容され,当該判決が確定した後に金銭賠償によって容易に回復することができるというべきである。したがって,法40条に基づく行政処分により,被控訴人に重大な損害を生ずるおそれがあるとはいえない。 ウ以上のとおり,本件差止めの訴えは,訴訟要件である処分の蓋然性も,重大な損害を生ずるおそれも充足しておらず,不適法である。」(10) 原判決16頁20行目の「巡る」を,「めぐる」と改める。 (11) 原判決24頁4行目の「事故率等」を,「事故率のみならず,監査及び行政処分状況など」と改める。 (12) 原判決24頁6行目末尾の次に,改行の上,以下の 「巡る」を,「めぐる」と改める。 (11) 原判決24頁4行目の「事故率等」を,「事故率のみならず,監査及び行政処分状況など」と改める。 (12) 原判決24頁6行目末尾の次に,改行の上,以下のとおり加える。 「 すなわち,愛知県におけるタクシーを第一当事者(交通事故に関与した車両の運転者又は歩行者のうち,当該事故における過失が重い者をいい,過失が同程度の場合には人身損傷程度が軽い者をいう。以下同じ。)とする人身事故の発生件数の頻度は,平成9年から年々増加し,平成20年には平成9年の約1.47倍にまで増加している(乙40)。特に,名古屋交通圏における交通事故(物損事故も含む。)の発生件数の頻度は,平成18年からの3年間,ほぼ同程度で推移しており(乙26),名古屋市におけるタクシーによる人身事故の発生件数についても,上記期間,年間約700件前後,1日当たり約2件の頻度で推移しているのであって(乙41),減少傾向にあると評価することはできない。」(13) 原判決24頁9頁末尾の次に,改行の上,以下のとおり加える。 「 すなわち,名古屋交通圏におけるタクシーによる速度違反(法定速度違反又は指定速度違反)の通知件数は,平成13年度が70件(車両100両当たり1.00件),平成14年度が30件(同0.43件),平成15年度が62件(同0.86件),平成16年度が46件(同0.64件),- 7 -平成17年度が33件(同0.46件),平成18年度が58件(同0. 81件),平成19年度が48件(同0.68件),平成20年度が27件(同0.38件)となっており,平成13年度と平成14年度では半分以下に減少しているものの,平成15年度には再び倍増し,その後,平成15年度から平成17年度にかけて減少したが,再び平成18年度には2倍近くまで増 )となっており,平成13年度と平成14年度では半分以下に減少しているものの,平成15年度には再び倍増し,その後,平成15年度から平成17年度にかけて減少したが,再び平成18年度には2倍近くまで増加するなど,増減を繰り返している状況にあるものといえるのであって,たまたま平成18年度から平成20年度にかけて減少しているからといって,全体として減少傾向にあったとはいえない。 なお,平成21年度は13件(同0.19件),平成22年度が4件(同0.07件)となっており,平成23年度は21件(同0.34件),平成24年度は14件(同0.23件)と若干増えてはいるものの,公示制定前と比べれば低い数値で推移しており(乙106),本件乗務距離規制の効果の現れと見ることもできる。 d タクシーに対する需要が低迷し,平均的な走行距離が減少傾向にあるとしても,依然として長距離運転を行うタクシー運転者が存在すること(乙108),そして,そのような運転者にあっては,走行距離を伸ばすために速度違反が増えたり,休憩時間を削減したりする傾向にあるといえる(乙107の1~3)。」(14) 原判決28頁11行目末尾の次に,以下のとおり加える。 「本件加重処分規定は,その裁量権の行使に当たり,処分をするか否か,するとしてどのような処分とするかを選択するための基準を定めたものであるから,本件加重処分規定を適用してされた本件処分の適法性を審査するに当たっても,本件加重処分規定が法40条の趣旨・目的を達成する手段として著しく合理性を欠くところがないか,本件加重処分規定の内容が社会通念上著しく妥当性を欠いたものとなっていないかが検討されるべきであり,これが認められて初めて,本件加重処分規定を適用してされた本件処分は中部運- 8 -輸局長に委ねられた「裁量権の範囲をこえ 会通念上著しく妥当性を欠いたものとなっていないかが検討されるべきであり,これが認められて初めて,本件加重処分規定を適用してされた本件処分は中部運- 8 -輸局長に委ねられた「裁量権の範囲をこえ又はその濫用があった」(行訴法30条)ものとして違法になるというべきである。」(15) 原判決28頁16行目の「認められる」の次に,「(増車を行ったタクシー事業者については,その他のタクシー事業者よりも,違反を犯しやすく,また,利用者等から苦情が寄せられやすい傾向など,輸送の安全及び利用者の利便が低下する傾向があることを示す統計が現に存在する〔乙73,95,96〕。)」を加える。 (16) 原判決28頁21行目の「あくまでも」の次に,「法の目的である」を加える。 (17) 原判決29頁1行目の末尾の次に,「そして,本件加重処分規定は,あらかじめ基準として明示されているから,法の違反行為の抑止という機能も期待することができる。」を加える。 (18) 原判決29頁2行目の「したがって,」の次に,以下のとおり加える。 「本件加重処分規定は,平成12年改正の趣旨・目的(事前規制の緩和として,増車や新規参入の自由は認めつつも,事後規制として,監督体制を強化することによって,輸送の安全を確保し,道路運送の利用者の利益の保護及びその利便を図ること)に合致するものであり,同条の趣旨,目的とも整合するものであるといえ,」第3 当裁判所の判断 1 当裁判所は,被控訴人の本件公示取消しの訴え及び本件処分取消しの訴えは,いずれも不適法であるからこれを却下し,本件確認請求及び本件差止請求は,いずれも理由があるからこれを認容すべきと判断するが,その理由は,以下のとおり補正するほか,原判決「第3 当裁判所の判断」の1ないし4及び5(1)に記載のとおりであるか 確認請求及び本件差止請求は,いずれも理由があるからこれを認容すべきと判断するが,その理由は,以下のとおり補正するほか,原判決「第3 当裁判所の判断」の1ないし4及び5(1)に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 原判決30頁4行目の「相俟って」を,「相まって」と改める。 (2) 原判決30頁15行目の「法27条1項」の次に,「及び2項」を加える。 - 9 -(3) 原判決30頁21行目の「本件公示は,」の次に,「実質的には,」を加える。 (4) 原判決30頁23行目の「に対し,」の次に,「本件公示自体によって」を加える。 (5) 原判決31頁1行目の「相俟って」を,「相まって」と改める。 (6) 原判決31頁5行目の「すぎない。」を,「すぎないのであって,本件公示によって,制限される権利の内容や課される義務の内容が具体化されるものではない。そして,」と改める。 (7) 原判決32頁19行目の「至っていないものの,」の次に,「これは,被控訴人において,」を加える。 (8) 原判決32頁22行目の「運行してきた」の次に,「ことによる」を加える。 (9) 原判決32頁25行目の末尾の次に,改行の上,以下のとおり加える。 「 この点,控訴人は,被控訴人については,本件処分以外には,本件乗務距離規制の違反を理由とする処分を受けていない上,本件処分以降,本件乗務距離規制に違反しないように配慮して運行をしており,本件乗務距離規制に違反する行為をした事実は把握されていないとして,事業停止処分又は許可取消処分がされるに至る客観的に相当程度の蓋然性は認められないと主張する。 しかし,被控訴人が,名古屋交通圏内に営業所を有する一般乗用旅客自動車運送事業者であって,約100台の事業用自動車を保有し,これらを日々運行させて営業して 度の蓋然性は認められないと主張する。 しかし,被控訴人が,名古屋交通圏内に営業所を有する一般乗用旅客自動車運送事業者であって,約100台の事業用自動車を保有し,これらを日々運行させて営業していることに照らすと,上記事情をもって,被控訴人において,本件乗務距離規制違反を理由として,法40条に基づく処分(自動車等使用停止処分,事業停止処分又は許可取消処分)がされる蓋然性がないとまではいえない。 したがって,控訴人の上記主張は,採用できない。」- 10 -(10) 原判決33頁22行目の末尾の次に,改行の上,以下のとおり加える。 「 この点,控訴人は,被控訴人に対して事業停止処分又は許可取消処分がされる客観的に相当程度の蓋然性が存在するとはいえず,被控訴人に生じ得る損害は,売上げの減少(あるいは喪失)という経済的損害にすぎないから,金銭賠償によって容易に回復することができるとして,被控訴人に重大な損害を生ずるおそれがあるとはいえない旨主張するが,上記のとおり,被控訴人において,事業停止処分又は許可取消処分がされる蓋然性がないとはいえないし,被控訴人に生じ得る損害が経済的損害にすぎないともいえないから,控訴人の上記主張は採用できない。」(11) 原判決35頁25行目の「ついては,」の次に,「多くは,」を加える。 (12) 原判決36頁26行目の「共に」を,「ともに」と改める。 (13) 原判決40頁25行目の「乙28の1,28の2」を「乙28の1・2」と改める。 (14) 原判決41頁4行目の「通達」の次に,「(ただし,一部改正後の平成21年11月20日付けのもの)」を加える。 (15) 原判決53頁13行目の「(交通事故に関与した」から,15行目の「以下同じ。)」までを削除する。 (16) 原判決61頁26行目末尾の次 平成21年11月20日付けのもの)」を加える。 (15) 原判決53頁13行目の「(交通事故に関与した」から,15行目の「以下同じ。)」までを削除する。 (16) 原判決61頁26行目末尾の次に,改行の上,以下のとおり加える。 「 したがって,被控訴人の上記主張は,採用できない。」(17) 原判決63頁3行目の「なった」の次に,「(前記(1)イ,エ)」を加える。 (18) 原判決63頁8行目の「改められた」の次に,「(前記(1)ウ(カ))」を加える。 (19) 原判決68頁7行目の「危険運転」を,「事故率」と改める。 (20) 原判決73頁16行目の「減り続け」を,「減少傾向にあり」と改める。 (21) 原判決74頁1行目の「設けるまでもなく,」の次に,「景気の低迷に- 11 -よるタクシー需要の減少の影響を受けて,」を加える。 (22) 原判決75頁13行目の「必要性がある」の次に,以下のとおり加える。 「,④タクシーに対する需要が低迷し,平均的な走行距離が減少傾向にあるとしても,依然として長距離走行を行うタクシー運転者が存在し,そのような運転者にあっては,走行距離を伸ばすために速度違反が増えたり,休憩時間を削減したりする傾向にある」(23) 原判決77頁7行目の末尾の次に,以下のとおり加える。 「また,速度違反の通知件数の件にしても,少なくとも,本件公示直近の3年間については減少し続けていたことは,既に前記(ア)aで説示したとおりであり(なお,その後も,平成20年度の27件を下回る低い数値〔平成21年度は13件,平成22年度が4件,平成23年度が21件〕で推移している〔乙106〕。),このような状況下において,営業の自由に対して相当程度の制約をもたらす一方で,過労運転や危険運転等の防止を図る手段としては間接的な手 度が4件,平成23年度が21件〕で推移している〔乙106〕。),このような状況下において,営業の自由に対して相当程度の制約をもたらす一方で,過労運転や危険運転等の防止を図る手段としては間接的な手法にとどまる乗務距離規制を新たに導入する必要性を肯認するのは困難といわざるを得ないことは,上記①で述べたとおりである。」(24) 原判決77頁8行目の「以上のとおり」から同行目末尾までを,以下のとおり改める。 「上記④の点については,確かに,甲第107号証の1~3及び108号証からは,長距離運転を行うタクシー運転者が存在し,そのような運転者は,速度違反が増えたり,休憩時間を削減したりする傾向にあることがうかがわれるものの,これが名古屋交通圏における一般的なタクシーの走行状況を示すものであるかどうかは,同証拠からは判然とせず,他にはこれを認めるに足りる的確な証拠はない。」(25) 原判決77頁16行目の「まず最初に」から17行目の「検討するに,」までを,「本件処分は,被控訴人に対し,自動車の使用停止を命じた上,当該自動車の自動車検査証の返納等を命じたものである(前記前提事実(4)ウ- 12 -(ア))が,そのうち,自動車の使用停止を命じた部分については,被控訴人は,平成22年6月7日に本件処分を受け,同年7月1日までの上記処分期間(自動車使用停止期間)が経過したことは明らかであり,自動車の使用停止という処分の効果そのものは既に消滅している。なお,」と改める。 (26) 原判決78頁10行目の「認められる。」から26行目末尾までを,次のとおり改める。 「認められ,被控訴人について,平成22年6月7日に本件処分を受けたことにより,将来同一の違反をした場合に「再違反」として処分が加重されるという不利益が,その後3年間存続するといえるが り改める。 「認められ,被控訴人について,平成22年6月7日に本件処分を受けたことにより,将来同一の違反をした場合に「再違反」として処分が加重されるという不利益が,その後3年間存続するといえるが,かかる不利益も,平成25年6月7日の経過により消滅している。そして,現時点において,被控訴人において,上記処分を受けたことによる法律上の不利益が存続しているという事情は見出せない。 さらに,本件処分のうち,その余の附帯命令については,処分対象車両2台の自動車検査証の返納等を命令するものであって(前記前提事実(4)ウ(ア)),使用停止期間経過後はもはやその本来の執行はなく,これを取り消すことによって回復すべき法律上の利益は見出せない。 そうすると,本件処分取消しの訴えは,訴えの利益を欠き,不適法といわざるを得ず,却下を免れないから,本件処分の適法性(争点(5))については判断を要しない。」 2 結論そうすると,以上と結論が異なる原判決は一部相当ではないから,本件控訴に基づき,原判決を一部変更し,本件附帯控訴は理由がないので,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。 名古屋高等裁判所民事第4部 - 13 -裁判長裁判官筏津順子 裁判官金谷和彦 裁判官山本健一
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