平成18(あ)568 殺人,強盗予備,銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件

裁判年月日・裁判所
平成21年1月22日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 名古屋高等裁判所 金沢支部
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判決文本文1,395 文字)

- 1 -主文本件上告を棄却する。 理由 弁護人湯山孝弘の上告趣意のうち,憲法違反をいう点は,死刑制度がその執行方法を含め憲法に違反するものでないことは当裁判所の判例(最高裁昭和22年(れ)第119号同23年3月12日大法廷判決・刑集2巻3号191頁,最高裁昭和26年(れ)第2518号同30年4月6日大法廷判決・刑集9巻4号663頁,最高裁昭和32年(あ)第2247号同36年7月19日大法廷判決・刑集15巻7号1106頁)とするところであるから,理由がなく,その余は,判例違反をいう点を含め,実質は事実誤認,量刑不当の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。 なお,所論にかんがみ記録を調査しても,刑訴法411条を適用すべきものとは認められない(第1審判決及び原判決で,本件殺人及び銃砲刀剣類所持等取締法違反の共犯者と認定されているAが,同人自身の刑事裁判で無罪となった事実は,本件の判断を左右しない。)。 付言すると,本件は,被告人が,共犯者らと共謀の上,(1)暴力団組長方に押し入って金品を強取する計画の下,けん銃,脇差し,バール等を準備するなどしてその予備を行ったという強盗予備,(2)上記計画の実行予定者が警察に逮捕されて同計画が失敗したことから,同計画が同組長側に発覚することを恐れたBらから同組長夫妻の殺害を依頼され,同組長方において,同組長(当時56歳)及びその妻(当時52歳)を所携のけん銃で射殺し,その際,けん銃2丁を適合実包12個と共に携帯して所持したという殺人,銃砲刀剣類所持等取締法違反の事案である。 - 2 -被告人は,共犯者から依頼され,報酬等を目当てに本件各犯行に及んだものであって,その動機等に酌量の余地は認められない。取り分け本件殺人は,自宅にいた被害者両名に対し,被告人において,至近距離から頭部等 告人は,共犯者から依頼され,報酬等を目当てに本件各犯行に及んだものであって,その動機等に酌量の余地は認められない。取り分け本件殺人は,自宅にいた被害者両名に対し,被告人において,至近距離から頭部等に向けてけん銃を発射して即死させるという,残虐な態様で敢行されているところ,特に女性被害者に対する犯行では,必死になって命乞いをする無抵抗の同女を情け容赦なく射殺しており,誠に非情な犯行というほかなく,その罪質は極めて悪質である。2名の尊い生命を奪った結果は甚だ重大であって,遺族らの処罰感情はもとより極めて厳しい。 また,白昼,住宅街にある民家において,けん銃により敢行された同犯行が,近隣住民や社会一般に与えた影響も大きい。そして,被告人は,けん銃の加重所持等により懲役7年となったものを含め,いずれも実刑となった懲役前科4犯を有しており,規範意識は鈍麻しているものと認められる。 以上のような事情に照らすと,本件についての被告人の刑事責任は極めて重大であるといわざるを得ないから,記録上うかがわれる被告人にとって酌むべき事情を考慮しても,原判決が維持した第1審判決の死刑の科刑は,当裁判所もこれを是認せざるを得ない。 よって,刑訴法414条,396条,181条1項ただし書により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。 検察官慶徳榮喜公判出席(裁判長裁判官涌井紀夫裁判官甲斐中辰夫裁判官泉徳治裁判官宮川光治裁判官櫻井龍子)

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