- 1 -平成21年11月5日判決言渡平成21年(行コ)第10002号審査結果無効確認請求控訴事件(原審・東京地裁平成21年(行ウ)第147号)口頭弁論終結日平成21年9月29日判決控訴人X被控訴人国処分行政庁特許庁長官指定代理人西尾健太郎同青木明子同市川勉同門奈伸幸同天道正和主文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実 当事者の求めた裁判(1)控訴人ア原判決を取り消す。 イ原告が平成18年8月18日になした国際予備審査の請求(国際出願番号PCT/JP2006/307179)に対し,特許庁審査官が請求項1~4,請求項5~8,請求項9~13,請求項14,請求項15,請求項18,請求項20について,国際事務局に報告した国際予備審査の結果が特許法29条に則さない無効なものであることを確認する。 ウ特許庁長官は,原告に対し,前項の審査結果が無効であるか否か正式に回- 2 -答せよ。 (2)被控訴人主文同旨 当事者の主張(1)控訴人の主張は,別紙(一)~(三)「控訴人の主張」記載のとおりである。 (2)被控訴人の主張は,別紙(四)「被控訴人の主張」のとおりである。 理由 一審原告たる控訴人の本件訴えは,(1)特許庁審査官のなした前記国際予備審査の結果報告は特許法29条に則さない間違ったものであるとして,その審査結果が無効であることの確認を求めるとともに,(2)行政事件訴訟法37条の3,3条6項2号の規定に基づき特許庁長官に対し,その審査結果が無効であるか否かの回答を求めるものである。 このうち上記(1)の無効確認の訴えは前記各記載に照らし行政事件訴訟法(以下「行訴法」という。)3条4項,36条にい 基づき特許庁長官に対し,その審査結果が無効であるか否かの回答を求めるものである。 このうち上記(1)の無効確認の訴えは前記各記載に照らし行政事件訴訟法(以下「行訴法」という。)3条4項,36条にいう「無効等確認の訴え」に,上記(2)の回答を求める訴えは控訴人も明示するように同法3条6項2号,37条の3にいう「義務付けの訴え」と解されるところ,これらはいずれも,対象とされる行政庁の行為が同法3条2項にいう「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」又は同法3条3項にいう「審査請求,異議申立てその他の不服申立てに対する行政庁の裁決,決定その他の行為」であることを前提とするものである。 すなわち,上記(1)において控訴人が無効確認を求める特許庁審査官の国際予備審査結果報告は,原判決も指摘するように,「予備的なかつ拘束力のない見解」を示すにすぎないものであるから,これをもって行訴法3条2項にいう「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」又は同法3条3項にいう「審査請求,異議申立てその他の不服申立てに対する行政庁の裁決,決定その他の行為」と解することはできない。また,上記(2)の特許庁長官に対し上記国際予備審査結果が無効か否かの回答を求めることは,上記のような事実上の効果を有するにすぎ- 3 -ない回答を求めることを内容とするものであって,行訴法3条6項2号にいう「行政庁に対し一定の処分又は裁決を求める」ことに当たらないし,これを求めることができる旨の法令上の根拠もない。 そうすると,特許庁審査官のなした上記国際予備審査結果報告が特許法29条の適用を誤ったものであるか否かを論ずるまでもなく,上記(1)(2)の本件訴えがいずれも不適法であることは明らかである。 なお,控訴人は,原審が口頭弁論を開くことなく判決をしたことをもって違法である 用を誤ったものであるか否かを論ずるまでもなく,上記(1)(2)の本件訴えがいずれも不適法であることは明らかである。 なお,控訴人は,原審が口頭弁論を開くことなく判決をしたことをもって違法である旨主張するようであるが,訴えが不適法でその不備を補正することができないことが明らかであるときは口頭弁論を経ずして判決をすることができる(行訴法7条,民事訴訟法140条)。控訴人の本件訴えはこれに該当すると解されるから,原審の上記措置をもって違法とすることはできない。 以上によれば,一審原告たる控訴人の本件訴えを不適法とした原判決は,結論において相当であるから,本件控訴は理由がない。 よって,控訴人のなした本件控訴を棄却することとして,主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第2部裁判長裁判官中野哲弘裁判官今井弘晃裁判官真辺朋子以下別紙省略
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