【DRY-RUN】主 文 本件控訴を棄却する。 理 由 弁護人東海林民蔵の控訴趣意は同人作成名義の控訴趣意書と題する末尾添附の書 免記載のとおりである。 第一点(一)―(五)
主文 本件控訴を棄却する。 理由 弁護人東海林民蔵の控訴趣意は同人作成名義の控訴趣意書と題する末尾添附の書免記載のとおりである。 第一点(一)―(五) 窃盗罪は他人の実力支配内に在る物を自己の実力支配内に移し排他的に之を自由に処分しうべ<要旨>き状態に置くことによつて完成するものであることは既に判例の存するところである。而して記録によると被</要旨>告人は判示A方の座敷の箪笥等の内から判示モーニングその他の衣類を盗み出しこれを被告人が持参した南京袋に詰め麻紐で荷造りしたがその頃Bが帰宅して発見されたので右袋をそのまま同家の勝手口に置き去りにして逃走したものであるから本件窃盗行為は既遂の域に達したものと認めるのが相当である。蓋し盗品が未だ所有者の住居内に存する一事を以つて所論の如く未遂なりと断ずることは相当でない。二者区別の要点は当該盗品に対する所有者の実力支配が仮令一時的にせよ失われ犯人が排他的に該盗品を自由に処分しうべき状態に置いたか否かの点に存するからである。故にこの区別のためには盗品の種類、性質は勿論住居の模様等もこれを度外視することはできない。本件盗品は衣類であり且つこれらの物は既に被告人が予ねて用意持参した南京袋に詰め終り麻紐まで施し勝手口まで運び出した瞬間に発見せられたものであるからこれらの物は既に所有者の実力支配の城を脱し被告人の実力支配下に入り被告人がこれを排他的に自由処分しうべき状態に置いたものと言わざるをえない。従つて更にこれを被害者方の屋外に持ち出さなければ既遂を以つて論ずることは無理であるという所論は容認できない。これと同一見解に出でた原判決には所論の如き法の解釈、適用を誤つたと認むべき点はない。論旨は理由がない。 (その他の判決理由は省略する。)(裁判長判事 ことは無理であるという所論は容認できない。これと同一見解に出でた原判決には所論の如き法の解釈、適用を誤つたと認むべき点はない。論旨は理由がない。 (その他の判決理由は省略する。)(裁判長判事渡辺辰吉判事鈴木勇判事河原徳治)
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