平成22(ワ)18759 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
平成23年5月16日 東京地方裁判所
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判決文本文48,398 文字)

平成23年5月16日判決言渡同日原本交付裁判所書記官平成22年(ワ)第18759号損害賠償請求事件口頭弁論終結日平成23年2月16日判決札幌市<以下略>原告株式会社プロサイト同訴訟代理人弁護士森田政明同補佐人弁理士森 正澄東京都新宿区<以下略>被告アップルジャパン株式会社同訴訟代理人弁護士林 いづみ同訴訟代理人弁理士大島 厚 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は,原告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求被告は,原告に対し,1億0200万円及びこれに対する平成22年6月17日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は,別紙商標権目録1ないし3記載の各商標(以下,それぞれ「原告商標1」などといい,原告商標1ないし3を併せて「原告各商標」という。)について商標権(以下,それぞれ「原告商標権1」などといい,原告商標権1ないし3を併せて「原告各商標権」という。)を有する原告が,被告に対し,被告が別紙被告商品目録1及び2記載の各商品に関する広告に別紙被告標章目録記載1及び2の各標章(以下,それぞれ「被告標章1」,「被告標章2」とい い,これらを併せて「被告各標章」という。)を付して頒布するなどした行為が,原告各商標権を侵害すると主張して(商標法25条,37条1号,2条3項1号,8号),民法709条及び商標法38条3項に基づき,平成19年11月から平成22年4月までの損害賠償として1億0200万円及びこれに対す 侵害すると主張して(商標法25条,37条1号,2条3項1号,8号),民法709条及び商標法38条3項に基づき,平成19年11月から平成22年4月までの損害賠償として1億0200万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成22年6月17日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 1 争いのない事実等(争いのない事実以外は,証拠等を末尾に記載する。)(1) 当事者原告は,コンピュータによる事務処理及び技術計算の請負,パッケージソフトウェアの開発及び販売並びに事務機器の販売を業とする会社である。 被告は,パーソナルコンピュータ,コンピュータ関連機器のハードウェア及びソフトウェア並びにマイクロコンピュータを基礎とするパーソナルコンピュータシステム及びコンピュータに関連する付属機器の販売を業とする会社である。 (2) 原告の商標権原告は,別紙商標権目録1ないし3記載の各商標権(原告各商標権)を有する(甲1,34,67ないし70)。 (3) 被告の行為被告は,別紙被告商品目録1及び2記載の各商品(以下,別紙被告商品目録1記載の各商品を総称して「被告コンピュータ商品」といい,別紙被告商品目録2記載の各商品を総称して「被告OSソフトウェア商品」といい,「被告コンピュータ商品」と「被告OSソフトウェア商品」を総称して「被告各商品」という。また,別紙被告商品目録1記載の各商品を「MacOSXv10.5 Leopard搭載のMacコンピュータ」又は「MacOSXv10.6 SnowLeopard搭載のMacコンピュータ」ともいい,別紙被告商品目録2記載の各商品を,順に「Mac OSXv10.5 Leopardソフトウェア」,「Ma SXv10.6 SnowLeopard搭載のMacコンピュータ」ともいい,別紙被告商品目録2記載の各商品を,順に「Mac OSXv10.5 Leopardソフトウェア」,「MacOSXv10.6 SnowLeopardソフトウェア」,「MacBoxSetソフトウェア」ともいう。なお,「MacBoxSet」は,「MacOSXv10.6 SnowLeopard」ソフトウェア,「iLife’09」ソフトウェア及び「iWork’ 09」ソフトウェアの各DVD3枚組の商品である。)を販売している。 2 争点(1) 被告による被告各標章の使用が,原告各商標と同一又は類似の商標の使用として,原告各商標権の侵害行為又は侵害とみなす行為(商標法37条1号)に該当するか否か。 ア被告各標章は,「商標」(商標法2条1項1号)として使用されているか否か。 イ被告各標章は,原告各商標と同一又は類似の商標に該当するか否か。 (2) 原告各商標権の効力が商標法26条1項2号により被告各標章に及ばないか否か。 (3)ア原告商標権1に基づく原告の被告に対する権利行使が権利濫用に当たるか否か。 イ原告商標2及び3の商標登録に商標法46条1項1号(同法3条1項3号,6号,4条1項16号)所定の無効事由があり,原告の原告商標権2及び3の行使が商標法39条において準用する特許法104条の3第1項の規定に基づき制限されるか否か。 (4) 原告の損害第3 争点に対する当事者の主張 1 被告各標章は,「商標」(商標法2条1項1号)として使用されているか否か(争点(1)ア)。 (原告の主張) 被告各標章が使用されている被告の商品は,別紙被告商品目録1及び2記載の各商品(被告各商品)で 商標」(商標法2条1項1号)として使用されているか否か(争点(1)ア)。 (原告の主張) 被告各標章が使用されている被告の商品は,別紙被告商品目録1及び2記載の各商品(被告各商品)である。商標法上「商品」の意義について特に定義はされていないが,商標法1条の立法趣旨からすれば,取引市場に提供され,それぞれが選択と代替性を有する多数の競合する対象物の中から,特定の対象物を目印(商標)によって選択し入手し得る限りにおいては,その対象物こそが商標法上の「商品」である。そして,被告は,次のとおり,被告各標章を被告各商品の商標として使用している。 (1) 被告各標章が被告各商品の識別標識として使用されていることア被告標章1は被告OSソフトウェア商品の識別標識であること被告の「QuickLook」ソフトウェア(甲66)は,被告OSソフトウェア商品に組み込まれており,被告標章1は,被告OSソフトウェア商品の商品識別機能を保持している。すなわち,「QuickLook」ソフトウェアは,「MacOSXv10.5 Leopardソフトウェア」以降の被告OSソフトウェア商品に搭載されたソフトウェアであって,それ以前の被告のOSソフトウェア商品には存在しなかった。 そして,被告のOSソフトウェア商品においては,被告標章1によって表示されるソフトウェアの有無により,被告のOSソフトウェア商品間の種類の区分け(甲65)がされるとともに,他社のOSソフトウェア商品との識別がされるものであるから,被告標章1は,被告OSソフトウェア商品の商品識別機能を保持している。 したがって,被告が被告OSソフトウェア商品に被告標章1を使用することは,商標としての使用に当たる。 イ完成品(被告コンピュータ商品)に組み込まれた部品(被告OSソフ 機能を保持している。 したがって,被告が被告OSソフトウェア商品に被告標章1を使用することは,商標としての使用に当たる。 イ完成品(被告コンピュータ商品)に組み込まれた部品(被告OSソフトウェア商品)の商標権侵害について完成品に組み込まれた部品の商標権侵害に関しては,商標の付された商品が部品として完成品に組み込まれた後であっても,その部品が元の商品 としての形態ないし外観を保っていて,その商標が当該部品の商品識別機能を保持していると認められる場合は,商標権の侵害が成立するものである(最高裁平成8年(あ)第342号同12年2月24日第一小法廷決定)。そして,「QuickLook」ソフトウェアが搭載された被告OSソフトウェア商品は,被告コンピュータ商品に組み込まれた後であっても,その存在が認識されるとともに,被告標章1は,被告OSソフトウェア商品の商品識別機能を保持しているから,被告が被告OSソフトウェア商品に被告標章1を用いる行為は,商標としての使用に当たる。 (ア) 被告OSソフトウェア商品は被告コンピュータ商品に組み込まれた後も独立商品性があること「QuickLook」ソフトウェアを搭載した被告OSソフトウェア商品は,被告コンピュータ商品にインストールされた後も,ソフトウェアの独立商品性を維持している。 すなわち,コンピュータは,「コンピュータ,ソフトなければただの箱」の川柳に象徴されるように,それ自体では機能し得ず,必ずソフトウェアを必要とするものである(甲71)。さらに,一般需要者は,コンピュータを購入する場合,どのような基本ソフトウェア(OS)がインストールされているかを見定めて選択する(甲72)。また,コンピュータの販売促進のカタログ等においても,基本ソフトウェアの記載は,必須項目であ 購入する場合,どのような基本ソフトウェア(OS)がインストールされているかを見定めて選択する(甲72)。また,コンピュータの販売促進のカタログ等においても,基本ソフトウェアの記載は,必須項目である。このように,コンピュータとソフトウェアの間には,相互補完及び相互依存的な特殊事情が存在する。 被告コンピュータ商品の販売促進広告においては,後記(2)のとおり,被告OSソフトウェア商品に「QuickLook」又は「クイックルック」ソフトウェアの表示がされている(甲47~50,60)。 このように,「QuickLook」ソフトウェアが搭載された被告OSソフトウェア商品は,被告コンピュータ商品をして所定のソフトウ ェア機能を発揮させるものであり,この被告OSソフトウェア商品は,被告コンピュータ商品に組み込まれた後も,そこに被告OSソフトウェア商品の存在することが明示され,かつ,認識されるものであるから,独立商品性を維持していることが明らかである。 (イ) 被告OSソフトウェア商品は被告コンピュータ商品に組み込まれた後も商品識別機能があること「QuickLook」ソフトウェアが搭載された被告OSソフトウェア商品は,それ自体が単体で広告され(甲8),かつ,取引され,インターネット検索でも「QuickLook」で多数ヒット(甲23)する等しており,コンピュータにおけるファイル操作を簡便化させる上で極めて重要な役割を果たすものである。 また,「QuickLook」ソフトウェアが搭載された被告OSソフトウェア商品は,前記第2の1(3)のとおり,基本的には,それ自体が商取引の対象物であり,被告コンピュータ商品に組み込まれた後も,そこに被告OSソフトウェア商品の存在が認識されるので,独立商品性を維持している。 さらに,「Quic とおり,基本的には,それ自体が商取引の対象物であり,被告コンピュータ商品に組み込まれた後も,そこに被告OSソフトウェア商品の存在が認識されるので,独立商品性を維持している。 さらに,「QuickLook」ソフトウェアが搭載された被告OSソフトウェア商品には,被告コンピュータ商品への組み込み前及び組み込み後において,一貫して被告各標章が表示されているのであるから,一般需要者及び取引者は,被告OSソフトウェア商品が被告コンピュータ商品に組み込まれた後においても,被告各標章により被告OSソフトウェア商品を認識するものである。 したがって,被告各標章は,被告OSソフトウェア商品が被告コンピュータ商品に組み込まれた後であっても,なお,被告OSソフトウェア商品についての商品識別機能を保持している。 (ウ) アップグレード用の被告OSソフトウェア商品は,それ自体が「Q uickLook」の商品であることアップグレード用の被告OSソフトウェア商品は,被告コンピュータ商品とは別異の取引対象となるのであるから,これらソフトウェア自体が,「QuickLook」の商品である。 (エ) 小括以上のとおり,被告各標章は,被告OSソフトウェア商品を表示するものであり,「QuickLook」ソフトウェアが搭載された被告OSソフトウェア商品は,被告コンピュータ商品に組み込まれた後も,独立商品性を維持しており,被告各標章は,被告OSソフトウェア商品が被告コンピュータ商品に組み込まれた後であっても,なお,被告OSソフトウェア商品についての商品識別機能を保持している。 したがって,被告が被告OSソフトウェア商品に被告各標章を用いる行為は,商標としての使用に当たる。 ウ完成品(被告コンピュータ商品)の商標権侵害について原告は,ソ 保持している。 したがって,被告が被告OSソフトウェア商品に被告各標章を用いる行為は,商標としての使用に当たる。 ウ完成品(被告コンピュータ商品)の商標権侵害について原告は,ソフトウェアのみならず,コンピュータ(電子応用機械器具)についても商標権を有している。 完成品であるコンピュータは,前記のとおり,それ自体では機能せず,必ずソフトウェアを必要とするものである。そして,コンピュータの購入に際しては,搭載されたソフトウェア,とりわけOSがその判断基準となるものであるから,コンピュータの取引において,ソフトウェアの商標は,コンピュータ選択の商品識別機能を有することは明らかである。 具体的には,被告コンピュータ商品に被告OSソフトウェア商品が搭載されることにより,被告コンピュータ商品とQuickLookプログラムとが結合して独自のプレビュー機能を有する1つのまとまったシステムを構成し,このシステムが取引市場において多数存在する他社同種のコンピュータシステムとの間で,「QuickLook」を標章として,選択 され,識別されるのである。 したがって,被告が被告コンピュータ商品に被告各標章を用いる行為は,商標としての使用に当たる。 (2) 被告各標章の具体的な使用態様についてア商品に標章を付する行為(商標法2条3項1号)被告コンピュータ商品のディスプレイ上に「クイックルック」の文字が表示されることは,被告が被告各商品に被告標章2を付す行為に該当する(甲49)。 イ商品に関する広告等の行為(商標法2条3項8号前段)被告コンピュータ商品及び被告OSソフトウェア商品に関するカタログに「QuickLook」ソフトウェアが付属ソフトであること及びこの「QuickLook」ソフトウェアが被告コンピ 3項8号前段)被告コンピュータ商品及び被告OSソフトウェア商品に関するカタログに「QuickLook」ソフトウェアが付属ソフトであること及びこの「QuickLook」ソフトウェアが被告コンピュータ商品に搭載される旨記載して頒布することは,被告が被告各商品に関する広告に被告標章1を付して頒布する行為に該当する(甲8)。 ウ電磁的方法による商品情報提供行為(商標法2条3項8号後段)被告コンピュータ商品に関するカタログのウェブサイト上での提供において,被告コンピュータ商品に搭載されたソフトウェアないし付属ソフトウェアの紹介中に「QuickLook」の文字を使用することは,被告が被告各商品に関する広告を内容とする情報に被告標章1を付して電磁的方法により提供する行為に該当する(甲47,48,50,52,54,56,58,60)。 また,「QuickLookプログラミングガイドの紹介」(甲66)は,被告コンピュータ商品に搭載されるソフトウェアである「QuickLook」ソフトウェアが,アプリケーション開発者に当該アプリケーションソフトウェアの機能拡張に供すべく,独立単体で用いられるものであること(いわゆるプラグイン)を示すものであり,ウェブサイト上で「Q uickLook」の文字を使用することは,被告が被告各商品に関する広告を内容とする情報に被告標章1を付して電磁的方法により提供する行為に該当する。 (被告の主張)被告は,次のとおり,被告各標章を商標として使用するものではない。 (1) 被告各商品には,別の出所識別標識があり,被告各標章を被告各商品の出所識別標識と解する余地はないこと原告が被告各標章が使用されたと主張する被告各商品は,「MacOSXv10.5 Leopard搭載のMacコンピ 識があり,被告各標章を被告各商品の出所識別標識と解する余地はないこと原告が被告各標章が使用されたと主張する被告各商品は,「MacOSXv10.5 Leopard搭載のMacコンピュータ」,「MacOSXv10.6 SnowLeopard搭載のMacコンピュータ」,「MacOSXv10.5 Leopardソフトウェア」,「MacOSXv10.6 SnowLeopardソフトウェア」,「MacBoxSetソフトウェア」である。 本件の事実関係において,これらの商品の出所識別機能として使用されているのは,①ハウスマークとしての「Apple」及びリンゴ図形商標(アップルマーク)であり,また,被告各商品の固有名称(商標)として,②「MacOSXv10.5 Leopard」,「MacOSXv10.6 SnowLeopard」,「MacBoxSet」の各OSの商品名,及び,③「MacBook」「iMac」等の各コンピュータの商品名にほかならない。 このように,被告各商品の出所識別標識は,①ないし③に尽きるのであって,①ないし③以外に被告各商品の出所識別標識は存在しないから,被告各標章を被告各商品の出所識別標識と解する余地はない。 また,後記のとおり,被告各商品における被告各標章の使用態様は,被告OSソフトウェア商品に含まれる,数百の機能のうちの一つの機能の名称を記述したものにすぎないから(甲30等),この点からも,被告各標章を被 告各商品の出所識別標識と解する余地はない。 (2) 「QuickLook」機能は,商標法上の「商品」に該当せず,これを独立のソフトウェア商品と捉えた原告の主張は失当であることア原告が,被告各商品(被告OSソフトウェア商品及び被告 (2) 「QuickLook」機能は,商標法上の「商品」に該当せず,これを独立のソフトウェア商品と捉えた原告の主張は失当であることア原告が,被告各商品(被告OSソフトウェア商品及び被告コンピュータ商品)が「QuickLook」機能(アプリケーションを起動せず,ファイルを開かずにプレビュー表示することにより,ファイルの中身を素早く見る(quicklook)ことができる機能。以下同じ。)を有していることをもって,同機能を被告OSソフトウェア商品に含まれる独立の「ソフトウェア商品」と捉え,その商品の名称として被告各標章が使用されていると主張しているとすれば,次のとおり,「QuickLook」機能を,独立の「ソフトウェア商品」と捉える原告主張は,主張自体失当である。 イ商標法上,商標権侵害が成立するためには,少なくとも,登録商標と同一ないし類似する標章を被告が「指定商品」又は「指定役務」について商標として使用しなければならない(商標法25条,37条1項)。この場合,「商品」というためには,市場において独立して商取引の対象として流通に供されるものでなければならず,また,商品についての登録商標の「使用」があったというためには,当該商品の出所識別標識として商標法2条3項,4項所定の行為がされることを要する(東京高等裁判所平成12年(行ケ)第117号平成13年2月28日判決等)。 したがって,コンピュータ・プログラム商品としては,①有体物としてのパッケージ商品(記録媒体にコンピュータ・プログラムを記憶させたもの),又は,「ダウンロードによる記録可能な電子計算機プログラム」商品であって,②市場において独立して商取引の対象として流通に供されるものであることが必要である。 よって,被告OSソフトウェア商品に組み込まれた一つの機能 ドによる記録可能な電子計算機プログラム」商品であって,②市場において独立して商取引の対象として流通に供されるものであることが必要である。 よって,被告OSソフトウェア商品に組み込まれた一つの機能は,①で あり,かつ,②のとおり,その機能自体が市場において独立した商品として個別に取引されているという場合でなければ,商標法上の「商品」には該当しない。 この点,被告は,「QuickLook」機能を,独立取引対象としての,有体物のソフトウェア商品や,ダウンロードによる記録可能な電子計算機プログラムや,電子出版物の商品としては,一切提供していない。 むしろ,甲30にも,「アプリケーションを開かずにほとんどのファイルの中身を素早くプレビューできる新機能QuickLook,…などが加わっています。」「Leopardに加わるもう一つの機能,QuickLookは,アプリケーションを開くことなく,ほとんどどんなファイルでもプレビューしたり,メディアファイルを再生したりすることさえできる革新的な新手法です。」と記載されているとおり,「QuickLook」は,被告コンピュータ商品用に被告が開発したOS(オペレーティング・システム)が有する数百の機能の一つを記述する名称として使用されているにすぎないことは,証拠上も明らかである。 ウまた,商標法50条(不使用取消審判)に関する,知的財産高等裁判所平成17年(行ケ)10246号平成17年7月20日判決において,商標の使用の対象たるソフトウェアの独立商品性が認められたソフトウェア(日本語OCRソフト)は,①コンピュータ・プログラムとしては同梱された文書管理ソフトウェアとは別個のものであり,②インストール画面において,インストール対象のソフトウェアとして当該ソフトウェアを選択して別個にイ フト)は,①コンピュータ・プログラムとしては同梱された文書管理ソフトウェアとは別個のものであり,②インストール画面において,インストール対象のソフトウェアとして当該ソフトウェアを選択して別個にインストールできるものであり,③インストール後の起動も別個のものとなっているものである。 この点,被告OSソフトウェア商品が有する機能の一つである「QuickLook」機能は,①(被告OSソフトウェア商品と分離できるような)コンピュータ・プログラムとして別個のものではなく,②選択的に 別個にインストールできるようなものではなく,③別個に起動できるようなものでもない。 したがって,被告OSソフトウェア商品が有する機能の一つである「QuickLook」機能は,独立して取引される対象ではなく,商標法上の商品に該当しないことは明らかである。 また,前記の知的財産高等裁判所の判決は,前記の当該ソフトウェア(日本語OCRソフト)について,その包装箱の表面に当該標章が表示されているとの事実認定に基づき,需要者としてはその包装箱に付された当該商標によって「商品(当該ソフトウェア)」を識別することになると認定し,その包装箱内のソフトは独立した商品であり,その包装箱の当該標章が「商標」として使用されていると判断している。 この点,被告OSソフトウェア商品の包装箱に,被告各標章は,一切表示されておらず,消費者は,被告OSソフトウェア商品の包装箱から被告各標章を視認することもできない。 したがって,この点からも,被告各標章は,何ら独立した商品の存在を示すことなく,また,商標として使用されていないことが明らかである。 エ小括以上のとおり,被告各商品はもとより,その他の被告の商品においても,「QuickLook」の名称の下で独立して 示すことなく,また,商標として使用されていないことが明らかである。 エ小括以上のとおり,被告各商品はもとより,その他の被告の商品においても,「QuickLook」の名称の下で独立して取引される商品は,一切存在しない。したがって,「QuickLook」機能は,独立して商取引の対象として流通に供される物ではないというほかなく,これを商標法上の「商品」ということはできない。 言い換えれば,被告の被告各標章の使用態様において,被告各標章は,原告商標権の侵害の対象となり得る原告各商標の指定商品(の出所等)を表示する標識として用いられたものではなく,被告各標章が商標として使用されている「商品」は存在しない。 (3) 被告各標章は,被告OSソフトウェア商品の機能の表示にすぎないことア商標の本質は,需用者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものとして機能すること,すなわち,商品又は役務の出所を表示し,識別する標識として機能することにあると解される。商標法1条は,この商標の機能を前提として,「商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り」等と規定していることが明らかであって,このような商標法の趣旨に基づき,商標法は,26条において商標権の効力が及ばない場合を定めている。 また,判例法上,商標がこのような出所表示機能・出所識別機能を果たす態様で用いられているといえない場合には,仮に,形式的には商標法2条3項各号に掲げる行為に該当するとしても,当該行為は,商標の「使用」に当たらないと解して商標権侵害の成立を否定するのが相当であるとされている。 次のとおり,被告による被告各標章の使用態様は,いずれも「QuickLook」(素早く見る)機能を記述したものであって,被告各商品において,原 侵害の成立を否定するのが相当であるとされている。 次のとおり,被告による被告各標章の使用態様は,いずれも「QuickLook」(素早く見る)機能を記述したものであって,被告各商品において,原告各商標の指定商品についてその出所表示機能・出所識別機能を果たす態様で用いられている(すなわち,本来の商標としての「使用」(商標的使用)がされている。)とはいえない。 イ前記(2)のとおり,被告OSソフトウェア商品には,その新機能の一つとして,「アプリケーションを起動せず,ファイルを開かずにプレビュー表示することにより,ファイルの中身を素早く見る(quicklook)ことができる」という機能が含まれており(甲30),この機能を使うことにより,文書,画像,音楽,ムービーファイルを,大きく見やすいウインドウで簡単にプレビュー表示することができる。また,前記のとおり,「quicklook」,「素早く見ること」「サッと見る」という意味で日常用語として普通に用いられている英語であり,前記の機能の 意味するところを端的に表現したものにすぎない。 一般にソフトウェア商品は,いくつもの機能を有し,その機能は,機能を端的に指称する名称で呼ばれることが多い。例えば「コピー」(複写),「ペースト」(貼付)などがその機能名称の代表的なものである。被告は,「コピー」「ペースト」等の用語と同じく,被告OSソフトウェア商品の有するところの,ファイル等を「素早く見る(quicklook)」ことができる機能をそのまま「QuickLook」「クイックルック」と指称し,普通の書体によるローマ文字「QuickLook」及び片仮名「クイックルック」と記述しているにすぎない。このことは,たとえばワープロソフトにおける「コピー」や「ペースト」の表示と同じであ 指称し,普通の書体によるローマ文字「QuickLook」及び片仮名「クイックルック」と記述しているにすぎない。このことは,たとえばワープロソフトにおける「コピー」や「ペースト」の表示と同じであって,「コピー」「ペースト」の表示は,当該ワープロの持つ機能を表示しているにすぎず,これらが当該ワープロの出所を表示することはあり得ない。 同様に,被告OSソフトウェア商品が有している「素早く見る機能」を示す「QuickLook」の表示が被告OSソフトウェア商品自体の出所を表示することはないし,現にそのような出所表示として使用されているとの証拠は一切存在しない。むしろ,被告が被告各標章を前記の機能を記述するものとして使用しているにすぎないことは,甲30,甲47,甲48,甲66等における記載や,前記の当該機能と「QuickLook」の有する意味との整合関係から明らかである。 ウ以上のとおり,被告による被告各標章の使用態様は,いずれも,原告各商標の指定商品について,その出所表示機能・出所識別機能を果たす態様で使用されたものとはいえない(商標的使用でない)から,原告各商標権侵害は成立しない。 (4) 被告各標章の使用態様についての反論ア甲49に関する商標法2条3項1号の主張について 原告は,甲49における被告コンピュータ商品のディスプレイに「クイックルック」の文字が表示されることをもって,商標法2条3項1号の「商品に標章を付する行為」に該当すると主張する。 しかしながら,甲49における「“img08524.pdf”をクイックルック」との表示は,「“img08524.pdf”という名のPDFファイルをクイックルックする」,すなわち,「被告OSソフトウェア商品の「QuickLook」機能を使用して同ファイルを開 イックルック」との表示は,「“img08524.pdf”という名のPDFファイルをクイックルックする」,すなわち,「被告OSソフトウェア商品の「QuickLook」機能を使用して同ファイルを開かずに素早く見る」ということを記述する,当該機能の案内表示であることが,それ自体から明らかである。 すなわち,この表示と並列して表示されているのは,例えば「開く」「このアプリケーションで開く」「“img08524.pdf”を圧縮」等であり,その中にあって「“img08524.pdf”をクイックルック」の表示は,実際に当該ファイルを開くことなくクイックルックする(素早く見る)という選択肢を示す案内表示であって,この「クイックルック」が商標(商品識別標識)として表示されているものでないことは,あまりにも明白である。 なお,前記(2)のとおり,被告各標章が表示する対象は,被告OSソフトウェア商品に含まれる一つの機能であって,被告各標章が表示対象とする「商品」は,そもそも存在しないのであるから,その意味でも,甲49の「クイックルック」の表示が「商品」に標章を付する行為に該当しないことは明白である。 イ甲8に関する商標法2条3項8号前段の主張について原告は,甲8において「被告コンピュータ商品及び被告OSソフトウェア商品に関するカタログに「QuickLook」ソフトウェアが付属ソフトであること及びこの「QuickLook」ソフトウェアが被告コンピュータ商品に搭載される旨記載して」いると主張するが,そもそも,甲 8には,そのような記載は一切なく,原告の主張は,事実に反する(なお,原告は,「Quick」と「Look」間にスペースを空けずに表示しているが,甲8における表示は,「Quick」と「Look」間にスペースのある普通 記載は一切なく,原告の主張は,事実に反する(なお,原告は,「Quick」と「Look」間にスペースを空けずに表示しているが,甲8における表示は,「Quick」と「Look」間にスペースのある普通の態様であり,この点でも,原告の主張は事実に反し不当である。)。 甲8(付録)の8頁は,「QuickLookで瞬時に把握」との標題の下で,「効率的なファイルブラウズもMacのメリット。全文検索機能やiPodでおなじみのCoverFlow表示に加えて,スペースバーを押せば写真やPDF,ビジネス文書などを確認できる。ソフトの起動を待つイライラとはさよならだ。」という記述により,OSである「SnowLeopard」における「QuickLook」機能を説明している箇所が存在するにすぎない。むしろ,「QuickLook」が機能であってソフトウェアでないことは,前記の「ソフトの起動を待つイライラとはさよならだ。」との記述からも容易に理解できるところである。 したがって,原告の主張する甲8(付録)の記述についても,「QuickLook」によって表示・特定される「商品」がそもそも存在せず,被告の使用態様における「QuickLook」は,被告OSソフトウェア商品の内容(機能)を記述的に表示するものにすぎないから,原告各商標権侵害は成立しない。 ウ甲47,48,50,52,54,56,58,60,66に関する商標法2条3項8号後段の主張について前記(2)のとおり,本件において,「QuickLook」によって表示・特定される「商品」は,そもそも存在せず,被告の使用態様における「QuickLook」は,被告OSソフトウェア商品の内容(機能)を記述的に表示するものにすぎないから,次のとおり,「商品」の存 在を前提とした商標法 も存在せず,被告の使用態様における「QuickLook」は,被告OSソフトウェア商品の内容(機能)を記述的に表示するものにすぎないから,次のとおり,「商品」の存 在を前提とした商標法2条3項8号後段に関する原告の主張に理由はない。 甲47は,被告OSソフトウェア商品に含まれる機能の一つである「QuickLook」の機能の内容や使用方法を説明しているウェブページにすぎない。甲48は,後記のとおり,被告の関知しない第三者のウェブページである。さらに,甲50,52,54,56,58,60は,いずれも被告コンピュータ商品の仕様説明として,各コンピュータに搭載(または「付属」ないし「インストールされている」)ソフトウェアとして被告OSソフトウェア商品の商品名を記載し,当該商品に付したかっこ書きの中で,当該商品に「QuickLook」機能が含まれていることを説明しているにすぎない。 したがって,原告が商標の使用と主張するいずれの記載も,機能の説明的記述にすぎず,「QuickLook」を何らかの商品の出所識別標識として使用したものでないことは明らかである。 また,甲66に関する原告の主張は,次のとおり,甲66についての誤った理解に基づくものであり失当である。 そもそも「プラグイン」とはITの分野では,ソフトウェアに機能を追加する小さなプログラムのことを指すものであり,仕様が公開され,第三者が自由にプラグインを開発・公開できるようになっていることも多い(乙4)。 実際に甲66も,被告が,「QuickLook」機能に対応していないアプリケーションソフトウェアについて,第三者であるソフトウェア技術者に対し,「QuickLook」機能を使えるようにするために埋め込むプログラムであるプラグインをどのように作成するかを ていないアプリケーションソフトウェアについて,第三者であるソフトウェア技術者に対し,「QuickLook」機能を使えるようにするために埋め込むプログラムであるプラグインをどのように作成するかをアドバイスするガイドである。そこには,「QuickLook」に関する当該プラグインを容易に作成できるようテンプレートも用意されているが,これらは,第三者であるソフトウェア技術者が使用するツールであり,被告 は,「QuickLook」テクノロジーに関する技術仕様を公開,提供しているだけであって,自らプラグインを作成も頒布もせず,「QuickLook」の表示を使用することもない。むしろ,甲66(1枚目上段本文の1行目)に記載されているとおり,「QuickLookは,MacOSXバージョン10.5に導入されたテクノロジー」であり,甲66は,「QuickLook」機能に対応していないアプリケーションソフトウェアに対し,「QuickLookによるユーザーへの表示が可能な形式に変換するプラグインを追加できます。」ということを説明する文書にすぎない。 したがって,甲66における「QuickLook」の表示も,「商品」に関して使用されているものということができないことは明らかである。 エ原告が被告の使用態様として主張するもののうち,次のものは,そもそも被告の行為ではないから,主張自体失当である。 (ア) 甲7の1,2(写真)について甲7の1,2の撮影対象となっているものは,第三者による販売行為であって,被告の行為ではない。被告は,甲7の1,2の撮影対象には一切関与しておらず,その存在すら関知していない。 この点をおいても,甲7の1は,そこから判読できる記載からすれば,いずれも,「MacOSXLeopard」に含 は,甲7の1,2の撮影対象には一切関与しておらず,その存在すら関知していない。 この点をおいても,甲7の1は,そこから判読できる記載からすれば,いずれも,「MacOSXLeopard」に含まれる機能の内容を説明する記述にすぎず,いかなる意味においても,商標の使用には該当しないことが明らかである。また,甲7の2の記載内容も,「MacOSXLeopard」に含まれる代表的な機能を列挙するなかで,クイックルック機能もそのうちの一つとして紹介しているものにほかならないから,これらの記述も,いかなる意味においても,商標の使用に該当しないことが明らかである。 (イ) 甲8(付録)について甲8(付録)は,被告が作成したものではなく,株式会社アスキー・メディアワークスが発行する「MacPeople」誌の雑誌付録である。よって,そもそも,これは,被告の使用行為に該当しない。なお,甲8(付録)について商標法2条3項8号前段の使用に該当するとの原告の主張が失当であることは,前記イのとおりである。 (ウ) 甲48(ウェブページ)について原告は,甲48について,証拠説明書に「作成者」を「被告」とし,「立証趣旨」を「被告のQuickLookソフトウェアが,プラグインソフトウェアであって,本体プログラムに追加可能であることを示す事実」と記載しているが,これらは事実に反する。 まず,「作成者」を「被告」としている点について,甲48は,被告とは一切関係のない第三者のウェブページであり,被告は,甲48について一切関知も関与もしていないから,これは,被告の使用行為ではない。 また,「被告のQuickLookソフトウェアが,プラグインソフトウェアであって,本体プログラムに追加可能であることを示す事実」としている点につ していないから,これは,被告の使用行為ではない。 また,「被告のQuickLookソフトウェアが,プラグインソフトウェアであって,本体プログラムに追加可能であることを示す事実」としている点について,前記ウのとおり,被告は,QuickLookテクノロジーに関する技術仕様を公開,提供しているだけであって,自らプラグインを作成も頒布もせず,「QuickLook」の表示を使用することもない。前記のとおり,被告は,「QuickLook」機能を,独立取引対象としての,(有体物の)ソフトウェア商品や,ダウンロードによる記録可能な電子計算機プログラムとしては,一切提供していない。「「QuickLook」ソフトウェア」なるソフトウェア商品は存在しないし,被告は,被告の「QuickLook」機能を,「追加可能なプラグインソフトウェア」として,一切提供してい ない。 2 被告各標章は,原告各商標と同一又は類似の商標に該当するか否か(争点(1)イ)。 (原告の主張)(1) 原告商標1と被告標章1についてア原告商標1は,「QuickLook」の欧文字に,「oo」のやや中央部に黒点を配記したものであって,「Q」及び「L」を大文字で他の文字を小文字とする「QuickLook」の欧文字横一連に記載された外観と,「クイックルック」の称呼,「Quick=即」「Look=見」から「即見(すぐ見る)」の観念を備える。 イ被告標章1は,「Q」及び「L」を大文字で他の文字を小文字とする「QuickLook」の欧文字を,「Quick」と「Look」の間に若干(1文字分弱)の間隔を設けて,横一連に配してなるものであり,「QuickLook」の外観と,「クイックルック」の称呼,「Quick=即」「Look=見」から「即見」の観念 「Look」の間に若干(1文字分弱)の間隔を設けて,横一連に配してなるものであり,「QuickLook」の外観と,「クイックルック」の称呼,「Quick=即」「Look=見」から「即見」の観念を生じる。 ウ原告商標1と被告標章1とを対比すると,両者は,外観上,「Q」及び「L」を大文字で他の文字を小文字とする「QuickLook」の欧文字を横一連に表記して構成される点で同一である。原告商標1と被告標章1は,原告商標1が「oo」のやや中央部に黒点を配記したものであるのに対し,被告標章1にはこれが無い点,原告商標1が「QuickLook」の欧文字を「oo」の箇所のみ接着し他は等間隔で配置しているのに対し,被告標章1が「Quick」及び「Look」を等間隔に配置し,これらの間に前述の1文字分弱の間隔を設けている点の二点において異なる。このように,両者は,外観が酷似し,称呼も唯一「クイックルック」の同一称呼を生じ,観念も「即見」の同一観念を生じる。 したがって,取引者・需要者が外観,称呼,観念を手掛かりに商品商標 を記憶することにかんがみた場合,被告標章1には,「QuickLook」の外観,「クイックルック」の称呼,「即見(すぐ見る)」の観念が重畳的に又は混在したイメージとして記憶され,原告商標1との外観の酷似性と称呼・観念の同一性が作用する結果,原告商標1との間で,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがある。 実際の商品取引の宣伝広告(甲2,8)による取引の実情をみても,被告標章1は,原告商標1との間で,商品の出所のみならず商品の品質についても誤認混同を生ずるおそれがあることが明らかである。 (2) 原告商標1と被告標章2について原告商標1と称呼,観念を同一とする原告商標3が商標登録されていることからす の品質についても誤認混同を生ずるおそれがあることが明らかである。 (2) 原告商標1と被告標章2について原告商標1と称呼,観念を同一とする原告商標3が商標登録されていることからすると,被告標章2は,原告商標1に類似する商標である。 (3) 原告商標2と被告標章1について被告標章1は,原告商標2と外観,称呼,観念のいずれにおいても一見して明らかに同一である。 (4) 原告商標3と被告標章2について被告標章2は,原告商標3と外観,称呼,観念のいずれにおいても一見して明らかに同一である。 (5) 被告各商品と指定商品との同一性被告各商品は,原告各商標権の指定商品の「電子応用機械器具及びその部品」に該当する。 (被告の主張)否認し,争う。 3 原告各商標権の効力が商標法26条1項2号により被告各標章に及ばないか否か(争点(2))。 (被告の主張)次のとおり,被告各標章の使用は,商標法26条1項2号に該当するから, 原告各商標権の効力は,同号により被告各標章に及ばない。 (1) 被告は,本件において,被告OSソフトウェア商品の有する幾多の機能のうちの一つである「アプリケーションを開かずにファイルの中身を素早くプレビューできる」という機能の内容を,需要者に対して情報伝達するために,そのことが端的に理解される「QuickLook」(素早く見る)(一瞥)という用語を普通の書体を用いて記述している。すなわち,被告は,当該機能について,「一瞥(quicklook)」するという機能の内容をそのまま,普通書体のローマ文字による表記方法「QuickLook」として,又は,普通書体の片仮名文字による表記方法「クイックルック」として,記述しているものである。 k)」するという機能の内容をそのまま,普通書体のローマ文字による表記方法「QuickLook」として,又は,普通書体の片仮名文字による表記方法「クイックルック」として,記述しているものである。 したがって,被告の使用する被告各標章は,いわゆる記述的名称として商標法26条1項2号所定の「当該商品の品質,効能を普通に用いられる方法で表示する商標」にほかならず,原告各商標権の効力は,被告各標章に及ばない。 (2) なお,原告商標1は,「QuickLook」の文字のみからなるものではなく,「Quick」と「Look」の2単語をスペースを空けずに一体化し,かつ,「Look」における「oo」が寄り目を表したように図形化されているところに特徴(顕著性)が認められて登録されたものであり,原告商標1のうち,言語としての「QuickLook」自体は,「素早く見る」という意味であることが明らかであるから,その意味に対応する商品(例えば,ファイルを開かずに中身を素早く見るためのコンピュータソフトウェア等)については,十分な識別力を有しないものである。このように,原告商標1は,登録商標の禁止権(類似)の範囲に品質表示が含まれるものであって,「その商標自体は不登録理由に該当しないため商標登録を受けることができ,したがって,類似部分については禁止権の効力が及ぶこととなったが,その類似部分に本条(注:商標法26条)に掲げられたものを含む ため,その部分にまで商標権の効力を及ぼすのは妥当ではないと考えられるときに,当該部分の禁止的効力を制限する場合」(特許庁編「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説[第18版]」1299頁)にほかならない。 したがって,被告による被告各標章の使用態様は,商標法26条1項2号が適用される典型的な場合である。 (3) 庁編「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説[第18版]」1299頁)にほかならない。 したがって,被告による被告各標章の使用態様は,商標法26条1項2号が適用される典型的な場合である。 (3) また,特徴的図形を含まない原告商標2及び3は,後記5の(被告の主張)のとおり,商標法46条に基づく無効事由を有するものであり,前記(1),(2)の主張は,原告商標2及び3にも同様に当てはまることである。 (4) 以上のとおり,被告各標章の使用は,「商品の効能(機能)を普通に用いられる方法で記述する行為」にほかならず,商標法26条1項2号に該当するから,原告各商標権の効力は及ばない。 (原告の主張)被告各標章の使用は,商標法26条1項2号に該当しない。その理由は,後記5の(原告の主張)と同様である。 4 原告商標権1に基づく原告の被告に対する権利行使が権利濫用に当たるか否か(争点(3)ア)。 (被告の主張)原告商標1に基づく原告の被告に対する権利行使は,次のとおり,権利濫用に当たり許されない。 (1) 原告は,被告に対し,平成21年3月23日付けで,原告商標1に基づく商標権侵害を主張する警告書(甲13)を送付した。被告は,原告に対し,同年4月14日付けで,同警告書について,被告の行為が原告の商標権を侵害しないことを回答した(甲14)。被告は,その回答において,原告商標1が,標準文字商標ではなく,ローマ字の「Look」のうちの「oo」部分の内部に目玉のデザインを配することを特徴とする図形からなる商標として登録されたものであるのに対して,被告による被告各標章の使用態様は, 「一瞥(quicklook)」するという機能の内容をそのまま,普通の書体によるローマ文字で「QuickLook」と記述したものであるから,両者の表 告による被告各標章の使用態様は, 「一瞥(quicklook)」するという機能の内容をそのまま,普通の書体によるローマ文字で「QuickLook」と記述したものであるから,両者の表示は,「同一」でなく,むしろ,要部において明らかに相違していることなど,いかなる意味においても商標権侵害は成立し得ないことを詳細に説明して回答したものである。 その後,原告は,1年以上の間,被告に対して一切の連絡をせず,原告商標1の商標権の設定登録の日(平成17年5月10日)から5年を経過した後,平成22年5月21日付けで本訴を提起した。 (2) そもそも,「quicklook」(クイックルック)は,「素早く見ること」「サッと見る」という意味で日常用語として普通に用いられている英語であって,その使用は,何人にとっても自由に使用することが保障されるべきものである。そして,前記のとおり,原告商標1は,外観の特徴的な図形に識別性を認められて登録されたものにすぎず,「quicklook」(クイックルック)という用語そのものについて商標登録されたわけではないから,原告にその使用を独占する権利がないことは明らかである。 (原告の主張)原告商標1に基づく原告の被告に対する権利行使は,次のとおり,権利濫用に当たらない。 (1) 原告は,原告商標1について不使用取消審判請求がされたので,請求不成立審決を得る必要があり,また,ヒューレットパッカードデベロップメントカンパニーエルピーの商標登録出願(甲11)の拒絶査定の確定(平成22年4月上旬)を待つ必要があった。しかも,拒絶査定の確定を知るには約1か月かかるため,本件訴訟の提起が平成22年5月21日となったものである。被告は,被告が回答をしてから1年以上の間,原告から一切の連絡がなかったと主張する った。しかも,拒絶査定の確定を知るには約1か月かかるため,本件訴訟の提起が平成22年5月21日となったものである。被告は,被告が回答をしてから1年以上の間,原告から一切の連絡がなかったと主張するが,それは,このような事情があったためであるから,何ら不合理でない。 (2) また,被告は,原告商標1について識別性がないと回答していたので,原告は,原告の言い分が正当であることを確認すべく,別途,原告商標2及び3(「QuickLook」,「クイック」の各標準文字商標)を出願して特許庁の判断を仰ぎ,その結果,各出願につき商標登録を得たものである。 5 原告商標2及び3の商標登録に商標法46条1項1号(同法3条1項3号,6号,4条1項16号)所定の無効事由があり,原告の原告商標権2及び3の行使が商標法39条において準用する特許法104条の3第1項の規定に基づき制限されるか否か(争点(3)イ)。 (被告の主張)原告商標2及び3の商標登録には,次のとおり,商標法46条1項1号所定の無効事由があるから,原告の原告商標権2及び3の行使は,商標法39条において準用する特許法104条の3第1項の規定に基づき許されない。 すなわち,原告商標2及び3は,少なくとも,クイックルック機能(ファイルを素早く見る機能)を有するコンピュータ,コンピュータソフトウェア等の商品については,その機能をそのまま記述するものにほかならず,何人も自由に使用することを保障されるべきものとして独占不適応なものであって,識別力を欠くものであるから,商標法3条1項3号又は6号に該当する。また,それ以外の,クイックルック機能(ファイルを素早く見る機能)を有しないコンピュータ,コンピュータソフトウェア等の商品については,商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあり,同法4条 に該当する。また,それ以外の,クイックルック機能(ファイルを素早く見る機能)を有しないコンピュータ,コンピュータソフトウェア等の商品については,商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあり,同法4条1項16号に該当する。 (原告の主張)次のとおり,原告商標2及び3は,指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」について使用されるに当たり自他商品識別力を有し,商標としての機能を果し得るものであるから,商標法3条1項3号に掲げる商標に該当しない。 (1) 原告商標2及び3は普通名称でないこと原告商標2及び3は,辞書等にその意味内容が掲載されていない造語商標 である。片仮名文字の「クイックルック」は,一般的な国語辞典(甲73)や日本語大辞典(甲74),広辞苑(甲75)に掲載されていない。また,欧文字の「QuickLook」も,英和辞典(甲76ないし78)はもとより,英和大辞典(甲79)にも掲載されていない。 このように,原告商標2及び3は,一般的に使用される標章ではない。 (2) 原告商標2及び3の意味内容は多義的であること原告商標2及び3において,「クイック」「Quick」及び「ルック」「Look」の単語レベルに分解し,これらを組み合わせて,用語の意味内容を検討すれば明らかなように,「クイックルック」「QuickLook」の意味内容は,多義的であって一定したものがない。 すなわち,「クイック」及び「Quick」には,「動作のすばやいこと。」(甲73),「はやいこと。すばやいこと。」(甲74),「「索引の作成法の一」「動作の速やかなさま。速いさま。」(甲75)」,「①(動作などが)速い,敏速な,②りこうな,(頭の働き・理解が)鋭い,③短気な」(甲76),「①(動作・行動などが)速い,すばやい,迅速な,機敏な,② 作の速やかなさま。速いさま。」(甲75)」,「①(動作などが)速い,敏速な,②りこうな,(頭の働き・理解が)鋭い,③短気な」(甲76),「①(動作・行動などが)速い,すばやい,迅速な,機敏な,②(人が)理解が早い,賢い,(感覚などが)鋭い,敏感な,③(性質などが)短気な,怒りっぽい,④(資産などが)すぐ現金化できる,⑤(人が)生きている」(甲77),「①動きの速い,機敏な,敏捷に動く,(進行・手順などが)即座の,急速な,(…するのに)すばやい,迅速な,②瞬時の,時間のかからない,すぐ終わる,「類語」fast,rapid,③せっかちな,性急な,短気な,がまんのない,④(感情・感覚が)鋭い,鋭敏な,⑤理解が早い,利口な,賢い,⑥(曲りなどが)鋭い,急な,⑦生きている,⑧(火・炎・熱が)激しい,燃えさかった,(炉が)熱い,⑨《金融》すぐ現金化〔換金〕できる,当座の,流動性のある,⑩《採鉱》(鉱脈などが)鉱石を含む,生産的な,⑪(衣類が)ぴったり〔きちんと〕(身に)合う」(甲78)等の多様な意味内容がある。 また,「ルック」及び「Look」には,「他の語と複合して,ある雰囲気を作り出す服装を表す。「サファリ・-」」(甲73),「様子。スタイル。モード。用例カレッジ・―。」(甲74),「外観。特に服装についていう。「ミリタリー・-」」(甲75),「自動詞①(気をつけて)見る,注視する,眺める,②・・・のように見える,…のようす〔顔つき〕をする,③(家などが)…向きである,…に面する,④注意する,気をつける,他動詞①〔人など〕を見つめる,熟視する,②(目つき・表情などで)…を示す,lookabout:見回す,…を探す,lookafter:…の世話をする,…に気をつける,lookaround:…を見回す,lookat:… ,熟視する,②(目つき・表情などで)…を示す,lookabout:見回す,…を探す,lookafter:…の世話をする,…に気をつける,lookaround:…を見回す,lookat:…に注目する,見る,lookback:ふり返る,lookdown:…を見おろす,lookfor:…を探す,lookforwardto:…を楽しみにして待つ,lookin:…を(ちょっと)のぞく,…に立ち寄る,lookinto:…の中をのぞく,…を調べる,looklike:…のように見える,…しそうである,lookon:…を傍観する,…とみなす,lookout:外を見る,…を警戒する,…に注意する,lookover:…にざっと目を通す,lookthrough:…を通して見る,…を調べる,lookto:…の方を見る,…に注意する,…にたよる,lookup:上をみる,…を調べる,lookupto:…をあおいで見る,〔人〕を尊敬する,名詞①見ること,②目つき,容ぼう,顔つき,外観,様子,」(甲76),「自動詞①(人・動物が)見る,注視〔注目〕する,見ようとする,②(人・物が)…に見える,(外見上)のように見える,…に似ている,…しそうだ,…らしい,③(家などが)〔…の方に〕向く,…に面している,④〔命令形で;しばしば怒りやいらだちを示して〕ほら,いいかい,⑤〔…しようと〕努める,他動詞①(人が)(事)を目つきで示す,態度・顔つきで表す,②(人が)〔…かどうかを〕(見て)確かめよ,調べよ,③(人)の〔…を〕じっと見 つめる,直視する,…を見つけようとする,捜す,…を調べる,④…にふさわしく見える,…のように見える,⑤〔…することを〕期待する,⑥(人)を見つめて〔…〕させる,⑦〔…であるように〕気をつける,注意す める,直視する,…を見つけようとする,捜す,…を調べる,④…にふさわしく見える,…のように見える,⑤〔…することを〕期待する,⑥(人)を見つめて〔…〕させる,⑦〔…であるように〕気をつける,注意する,lookabout:見回す,捜し回る,lookafter:(人・物)の世話をする,(事)に気をつける,注意する,」(甲77)等の多様な意味内容がある。 そうすると,原告商標2及び3は,「すぐに(素早く)見る」すなわち「quicklook(at)」という意味に限られずに,「すぐに見回す「quicklook(about),quicklook(around)」」,「急にふり返る「quicklook(back)」」,「最初に探す「quicklook(for)」」,「ちょっと立ち寄る「quicklook(in)」」,「すぐに中をのぞく「quicklook(into)」」,「「急に警戒する「quicklook(out)」」,「せっかちに上を見る「quicklook(up)」」,「ぴったり合う服装「クイック(甲78の⑪)ルック(甲75)」」,「短気な様子「クイック(甲76の③)ルック(甲74)」」,「りこうそうな顔つき「quick(甲76の②)look(甲76の②)」」,「賢く見える「quick(甲77の②)look(甲77の②)」」等の意味内容や観念を有する。 このように,原告商標2及び3が極めて漠然とした広範な意味内容や観念を有する造語であることは明白であるから,原告商標2及び3は,指定商品「電子応用機械器具及びその部品」とりわけ「コンピュータ」「ソフトウェア」において,これらの品質や機能を表示するものでないことは明白である。 (3) 原告商標2及び3は,「コンピュータ」「ソフトウェア」の分野において通常使用される け「コンピュータ」「ソフトウェア」において,これらの品質や機能を表示するものでないことは明白である。 (3) 原告商標2及び3は,「コンピュータ」「ソフトウェア」の分野において通常使用される言葉ではないこと「新版コンピュータ英語活用辞典」(甲80),「2001-02パソ コン用語辞典」(甲81),「コンピュータ&情報通信用語辞典」(甲82),「最新・基本パソコン用語辞典」(甲83)には,「クイックルック」,「quicklook」は存在しない。なお,甲83は,多数の参考文献及び協力者(社)を擁しているところ,この協力者(社)には被告が加わっているにもかかわらず,「クイックルック」「quicklook」が掲載されていない。このことは,これが「コンピュータ」「ソフトウェア」の分野において通常使用される言葉ではないことを裏付けるものである。ほかにも,「初・中級者のためのパソコン・IT・ネット用語辞典」(甲84),「日経パソコン用語辞典2011」(甲85)において,「quicklook」,「クイックルック」は存在しない。 このように,「クイックルック」「quicklook」は,「コンピュータ」「ソフトウェア」の分野において通常使用される言葉ではない。 (4) 原告商標2及び3は「ソフトウェア」の品質等を表示するものでないこと原告商標2及び3は,その有する観念が特定のものに収れんされないことは前記のとおりであるが,「quicklook」の意味内容として,「すぐに(素早く)見る」に着目してみても,これは,「ソフトウェア」の品質等を表示するものではない。 ア特許庁商標審査基準は,商標法3条1項3号の規定について,「4.指定商品の「品質」,「効能」,「用途」等又は指定役務の「質」,「効能」,「用途」等を間接的に 質等を表示するものではない。 ア特許庁商標審査基準は,商標法3条1項3号の規定について,「4.指定商品の「品質」,「効能」,「用途」等又は指定役務の「質」,「効能」,「用途」等を間接的に表示する商標は,本号の規定に該当しないものとする。」としている。そして,「ソフトウェア」は,「コンピュータシステム上で何らかの処理を行うプログラムや手続き,およびそれらに関する文書を指す言葉である。日本語では略して「ソフト」ともいう。」(甲86)である。また,ソフトウェアの品質は,「プログラマの観点からはソースコードの品質,エンドユーザーの観点からはアプリケーション ソフトウェアの品質を意味する。」(甲87)ものであり,さらに,ソースコード品質としては,可読性,ソフトウェア保守等の容易性を,アプリケーションソフトウェア品質としては,信頼性をはじめとして,理解可能性,完全性,簡潔性等を意味するものである。 したがって,「quicklook」が,「すぐに(素早く)見る」を意味する,との観念を生ずるとしても,何をどのようにして見るのか,どのような操作・手順によって見るのか,そのソフトがシステムソフトウェア(OS)なのか,OSに組み込まれているのか,あるいは組み込まれていないアプリケーションソフトウェアなのか等について一定したものがなく,極めて漠然とした広範な意味を生ずるものである。さらに,「すぐに(素早く)見る」は,前述したソフトウェアの品質とは全く乖離しているものであることは明らかである。 このように,「quicklook」は,当該ソフトを用いて何かを見ることを暗示的に表現したものということはできても,指定商品「ソフトウェア」との関連において,商品が有する一定の品質を表示するものとして一般需要者,取引者に認識されるものでないことは 用いて何かを見ることを暗示的に表現したものということはできても,指定商品「ソフトウェア」との関連において,商品が有する一定の品質を表示するものとして一般需要者,取引者に認識されるものでないことは明白である。 イ商標登録の要件に自他商品識別力が要求されることは,日本のみならず各国も同様であるが,「QuickLook」商標は,日本はもとより,各国でも識別性を有するものとして商標登録がされている(甲22の1ないし甲22の6)。このような事実は,「QuickLook」商標が「ソフトウェア」の品質等を表示するものでないことを示している。 このような登録の事実は重要であり,とりわけ英語を母国語・通用語とする英語のニュアンスを明敏に看取できる諸国において,「QUICKLOOK」商標が登録されたことは,これが商品の品質等を表示するものでないことを示している。 6 原告の損害(争点(4)) (原告の主張)被告が原告各商標権を侵害したことにより原告が被った損害(使用料相当損害金)は,次のとおり,1億0200万円を下らない(商標法38条3項)。 (1) 国内パソコンの出荷台数と各社のシェア国内のパソコン出荷台数は,調査会社により1200万台を切る数値から1400万台を超える数値まで幅があるが,平成19年から平成21年にかけて,概ね1300万台前後と推測される。そして,市場シェアも調査会社により数値に差があるが,被告の市場シェアは,概ね3%程度と推測される。 (2) 「QuickLook」の出荷数「QuickLook」は,平成19年10月に出荷された被告OSソフトウェア商品から搭載された。被告の市場シェアが前記のとおり3%とすると,被告は,平成22年4月までの間に,97万5000台(1300万台×2.5年×3% ,平成19年10月に出荷された被告OSソフトウェア商品から搭載された。被告の市場シェアが前記のとおり3%とすると,被告は,平成22年4月までの間に,97万5000台(1300万台×2.5年×3%=97万5000台)を出荷したことになるが,平成21年度は,「iPhone」効果により,被告の市場シェアが倍増したとの報道もあることから,同期間の被告の出荷数は,累計100万台を下らない。 (3) 使用料相当損害金「QuickLook」がソフトウェアであることは紛れもなく,被告の商品を差別化するための戦略的な商品である。 被告OSソフトウェア商品の価格は,実勢で1本当たり約1万7000円である。これは,OSとしての全機能を含んだ価格であるが,この商品は,被告が満を持して開発したものであり,なかでも「QuickLook」は,その特徴的新機能として真っ先に広報文で紹介されており,目玉商品であることは,一目瞭然である。 したがって,「QuickLook」ソフトウェアの価格は,被告OSソフトウェア商品の価格の20%を下らない。 そして,原告の被告に対する商標使用料を3%とすると,使用料相当損害 金は,1億0200万円(100万台×1万7000円×20%×3%)と算定される。 (被告の主張)否認する。 第4 当裁判所の判断 1 被告各標章が商標として使用されているか否か(争点(1)ア)について商標は,当該商標を使用された結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるもの(商標法3条2項),すなわち自他商品識別機能及び出所表示機能を有するものとして登録されるのであるから,ある標章の使用が,商標権者の登録商標を使用する権利(同法25条)の侵害行為又は侵害とみなされる行為(同法36条1項 なわち自他商品識別機能及び出所表示機能を有するものとして登録されるのであるから,ある標章の使用が,商標権者の登録商標を使用する権利(同法25条)の侵害行為又は侵害とみなされる行為(同法36条1項,37条)といえるためは,当該使用される標章が自他商品識別機能及び出所表示機能を有する態様で使用されていることが必要である。 そこで,本件の事案にかんがみ,まず,被告各標章が自他商品識別機能及び出所表示機能を有する態様で用いられているか,すなわち,商標としての使用(商標的使用)がされているか否か(争点(1)ア)について検討する。 (1) 被告各標章の構成等ア(ア) 被告標章1は,別紙被告標章目録1記載のとおり,「Q」と「L」を大文字,他の文字を小文字として,「Quick」と「Look」の間に1文字弱程度の間隔を開けて,ゴシック体のローマ文字を横一連に配置した構成からなる標章である(甲47。甲50,52,54,56,58,60の被告のウェブサイト上の被告標章1に対応する標章中の「Q」の文字の字体は,「Q」の文字の右下部の直線状の部分が「O」の文字の内部にまで少し突き抜けている点において,厳密には被告標章1と全く同一ではないが,原告はこれらの標章も被告標章1に含まれるものとして主張しているところから,以下では,これらの標章も含めて 検討する。なお,甲56,58のウェブサイト上における被告標章1に対応する標章は,「Quick」と「Look」が文章中の行替えにより,二段にわたり表記されている。)。 (イ) 被告標章2は,別紙被告標章目録2記載のとおり,ゴシック体の片仮名文字を横一連に配置した構成からなる標章である(甲49)。 イ被告各標章は,いずれも「クイックルック」の称呼が生じると認められる。 ウ 「quick」(クイッ 2記載のとおり,ゴシック体の片仮名文字を横一連に配置した構成からなる標章である(甲49)。 イ被告各標章は,いずれも「クイックルック」の称呼が生じると認められる。 ウ 「quick」(クイック),「look」(ルック)は,いずれも,それぞれ「速い(すばやい)」,「見る」等の意味を有する英単語であることは,容易に理解することができる。そして,これらの英単語の組合せである「quicklook」(クイックルック)からは,「すばやく見る」等の意味を理解することができ,標準文字からなる原告商標2及び原告商標3並びにゴシック体のローマ文字を横一連に配置した構成からなる標章である被告標章1及びゴシック体の片仮名文字を横一連に配置した構成からなる標章である被告標章2からも,同様の意味を理解することができる。 また,実際の英語においては,「quicklook」(クイックルック)には,「aquicklook」(すばやく見ること),「haveaquicklookat~」(~をさっと(ちらっと)見る)という意味がある。(乙1,乙5の1及び2,弁論の全趣旨)(2) 被告各商品の商品名等ア被告のOSソフトウェア商品には,「MacOSX」(マックオーエステン)との表示が商品名として使用されており,被告OSソフトウェア商品には,バージョンにより,個別に「MacOSXv10.5Leopard」,「MacOSXv10.6 SnowLeopard」との表示が商品名として使用されているほか,「MacOS Xv10.6 SnowLeopard」,「iLife’ 09」,「iWork’ 09」との表示が商品名として使用されているDVD3枚組の商品の商品名として,「MacBoxSet」との表示が Xv10.6 SnowLeopard」,「iLife’ 09」,「iWork’ 09」との表示が商品名として使用されているDVD3枚組の商品の商品名として,「MacBoxSet」との表示が使用されている(争いのない事実及び甲30,33,47,50,52,54,56,58,60)。 イ被告コンピュータ商品には,「MacBook」,「MacBookAir」,「MacBookPro」,「iMac」,「Macmini」,「MacPro」等の表示が商品名として使用されている(甲50,52,54,56,58,60,62ないし64)。 ウ被告は,前記ア,イの商品名を被告各商品の商品名と表示して,被告各商品を販売している(前記ア,イ掲記の各証拠)。 (3) 被告各標章の使用態様ア甲49の被告コンピュータ商品のディスプレイ上の表示について甲49は,被告コンピュータ商品のディスプレイ上に表示された「Finderウインドウ」の「ファイル」の項目をクリックし,「ファイル」の項目に含まれる各項目を表示させた画面表示である。「ファイル」の項目の中には,他の項目の表示とともに,「“img08524.pdf”をクイックルック」との項目が表示されているところ,「“img08524.pdf”をクイックルック」との項目の表示と並列して表示されている他の項目の表示は,次のとおりである。 「新規Finderウインドウ」「新規フォルダ」「新規スマートフォルダ」「新規ディスク作成フォルダ」「開く」「このアプリケーションで開く」 「プリント」「情報を見る」「“img08524.pdf”を圧縮」「複製」「エイリアスを作る」「サイドバーに追加」「ゴミ箱に入れる」 のアプリケーションで開く」 「プリント」「情報を見る」「“img08524.pdf”を圧縮」「複製」「エイリアスを作る」「サイドバーに追加」「ゴミ箱に入れる」「“img08524.pdf”のディスクを作成...」「検索...」「ラベル:」イ甲47のウェブページ上の表示について甲47は,被告のOSソフトウェア商品である「MacOSX」の主なアプリケーションの一つである「QuickLook」を説明するウェブページである。ウェブページの左上部には,「MacOSX」と被告のOSソフトウェア商品の商品名が表示され,その下に「概要」「主なアプリケーション」として,「DockとFinder」「Exposé」「Spotlight」「Safari」「Mail,iCal,アドレスブック」「iChat」「iTunes」「QuickTimeX」「PhotoBooth」「TimeMachine」等の他のアプリケーションの表示と並んで「QuickLook」との表示がされている。 ウェブページの中央上方に被告標章1が表示され,その下には,「ドキュメントを開くことなく,ワンクリックす(る)だけで,あっという間に中身をプレビュー(。)PDFやMicrosoftOffice文書のページを(めく)ったり,ビデオをフルスクリーンで観たり,(写)真をスライドショーで眺めることができます。」(括弧内の文字は,他の画 像に隠れており,当裁判所において補ったものである。)との説明,紹介が記載されている。また,同ウェブページには,「MacOSX」の主なアプリケーションである「QuickLook」を説明,紹介する記載として,次のような記載がある。 「QuickLookは,フ 記載されている。また,同ウェブページには,「MacOSX」の主なアプリケーションである「QuickLook」を説明,紹介する記載として,次のような記載がある。 「QuickLookは,ファイルを開かずに,複数のページで構成される文書からビデオまで,すべてのファイルをプレビューできる,革新的なテクノロジーです。ファイルを選択し,スペースバーを押すだけで,あっという間に洗練された透明のウインドウにファイルの内容が表示されます。探しているものははっきりしているけれども,多くのファイルを開いて見る時間がない。そんなときはQuickLookにお任せください。」「QuickLookでは,画像,テキストファイル,PDF文書,ムービー,Keynoteのプレゼンテーション,Mailの添付ファイル,MicrosoftのWord,Excel,PowerPointのファイルを含む,システム内のほとんどのファイルをプレビューできます。スペースバーを押すか,FinderのQuickLookアイコンをクリックするだけで,ファイルをQuickLookで見ることができます。ファイルはフルスクリーンでも表示できます。 ウインドウをダブルクリックすれば,そのファイルのアプリケーションが起動します。QuickLookはファイルを作成したアプリケーションを持っていないときも使えるので,同僚から送られてきた文書が開けない,というような心配はもう必要ありません。」「TimeMachineから復元するファイルを探しているのなら,QuickLookを活用してみましょう。探しているファイルが見つかったらQuickLookで内容を確認してから,デスクトップに戻せます。」 「QuickLookは,MacOSXのMailとiChatア みましょう。探しているファイルが見つかったらQuickLookで内容を確認してから,デスクトップに戻せます。」 「QuickLookは,MacOSXのMailとiChatアプリケーションにも使えます。たとえば,複数のファイルが添付されたメッセージを受け取ったとしましょう。それぞれをダウンロードして開く代わりに,QuickLookを使って,ワンクリックで見ることが可能です。PDF,MicrosoftOffice文書などのファイルを見るのに最適です。さらに,添付された写真をスライドショーで表示したり,iPhotoライブラリに加えることも簡単にできます。」ウ甲50,52,54,56,58,60のウェブページにおける表示について(ア) 甲50,52,54,56,58,60は,いずれも,被告コンピュータ商品の技術仕様を説明,紹介するウェブページの一部であり,説明,紹介されている被告コンピュータ商品は,それぞれ,甲50が「MacBook」,甲52が「MacBookAir」,甲54が「MacBookPro」の13インチモデル,甲56が「iMac」,甲58が「Macmini」,甲60が「MacPro」である。 (イ) 甲50には,ウェブページの左上部に,「MacBook」と被告コンピュータ商品の商品名の表示がされており,その技術仕様として,「サイズおよび重量」「プロセッサおよびメモリ」「ディスプレイ」等の項目についてそれぞれ説明,紹介の記載がされており,これらの項目と並列される「搭載ソフトウェア」の項目に,「・MacOSXv10.6 SnowLeopard (iTunes,TimeMachine,QuickLook,Spaces,Spotlight,Dashboa フトウェア」の項目に,「・MacOSXv10.6 SnowLeopard (iTunes,TimeMachine,QuickLook,Spaces,Spotlight,Dashboard,Mail,iChat,Safari,アドレスブック, QuickTime,iCal,DVDプレイヤー, PhotoBooth,FrontRow,XcodeDeveloperTools) 」との記載がされている。 (ウ) 甲52も,甲50と同様のウェブページの一部である。甲52には,「インストールされているソフトウェア」の項目に,「・MacOSXv10.6 SnowLeopard (iTunes,TimeMachine,QuickLook,Spaces,Spotlight,Dashboard,Mail,iChat,Safari,アドレスブック, QuickTime,iCal,DVDプレイヤー,PhotoBooth,FrontRow,XcodeDeveloperTools) 」,「・iLife (iPhoto,iMovie,iDVD,iWeb,GarageBand) 」との記載がされている。 (エ) 甲54も,甲50と同様のウェブページの一部である。甲54には,「ソフトウェア」の項目に,「・MacOSXv10.6 SnowLeopard (iTunes,TimeMachine,QuickLook,Spaces,Spotlight,Dashboard,Mail,iChat,Safari,アドレスブック,QuickTime,iCal,DVDプレイヤー,PhotoBooth,FrontRow,XcodeDeveloperTools) 」,「・iLife (iPhot ri,アドレスブック,QuickTime,iCal,DVDプレイヤー,PhotoBooth,FrontRow,XcodeDeveloperTools) 」,「・iLife (iPhoto,iMovie,iDVD,iWeb,GarageBand) 」との記載がされている。 (オ) 甲56も,甲50と同様のウェブページの一部である。甲56には,「付属ソフトウエア」の項目に,「MacOSXSnowLeopard」との標題の下に,「iTunes,TimeMachine,QuickLook,Spaces,Spotlight,Dashboard,Mail,iChat,Safari,アドレスブ ック,QuickTime,iCal,DVDプレイヤー,PhotoBooth,FrontRow,XcodeDeveloperToolsなど。」と記載され,最後に「MacOSXSnowLeopardについてさらに詳しく」とされている。また,「iLife」の標題の下に,「iPhoto,iMovie,GarageBand,iWebが含まれます。iLifeについてさらに詳しく」との記載がされている。 (カ) 甲58も,甲50と同様のウェブページの一部である。甲58には,「付属ソフトウェア」の項目に,「MacOSXSnowLeopard」の標題の下に,「iTunes,TimeMachine,QuickLook,Spaces,Spotlight,Dashboard,Mail,iChat,Safari,アドレスブック, QuickTime,iCal,DVDプレイヤー,PhotoBooth,FrontRow,XcodeDeveloperToolsなど。」と記載され,最後に「MacOS ,アドレスブック, QuickTime,iCal,DVDプレイヤー,PhotoBooth,FrontRow,XcodeDeveloperToolsなど。」と記載され,最後に「MacOSXSnowLeopardについてさらに詳しく」とされている。また,「iLife」の標題の下に,「iPhoto,iMovie,GarageBand,iWebが含まれます。iLifeについてさらに詳しく」との記載がされている。 (キ) 甲60も,甲50と同様のウェブページの一部である。甲60には,「付属ソフトウェア」の項目に,「MacOSXSnowLeopard」の標題の下に,「iTunes,TimeMachine,QuickLook,Spaces,Spotlight,Dashboard,Mail,iChat,Safari,アドレスブック, QuickTime,iCal,DVDプレイヤー,PhotoBooth,FrontRow,XcodeDeveloper Toolsなど。」と記載され,最後に「MacOSXSnowLeopardについてさらに詳しく」とされている。また,「iLife」の標題の下に,「iPhoto,iMovie,GarageBand,iWebが含まれます。iLifeについてさらに詳しく」との記載がされている。 エ甲62ないし64のウェブページについて甲62ないし64は,いずれも,原告が被告コンピュータ商品として特定する「iPodtouch」(甲62),「iPhone」(甲63),「iPad」(甲64)の技術仕様を説明するウェブページの一部を抜粋したものである。これらのウェブページには,いずれも,ウェブページの左上部に,「iPodtouch」(甲62),「iPhone ,「iPad」(甲64)の技術仕様を説明するウェブページの一部を抜粋したものである。これらのウェブページには,いずれも,ウェブページの左上部に,「iPodtouch」(甲62),「iPhone」(甲63),「iPad」(甲64)という各商品名が表示されている。そして,これらのウェブページには,いずれも,「QuickLook」あるいは「クイックルック」との表示は,全く記載されていない。 オ甲66のウェブページにおける表示について甲66は,被告の提供する「QuickLookプログラミングガイドの紹介」と題するウェブページである。甲66には,前記の表題の下に,次のような記載がある。 「QuickLookは,MacOSXバージョン10.5に導入されたテクノロジーで,SpotlightやFinderなどのクライアントアプリケーションによる,文書のサムネイルイメージやフルサイズでのプレビューの表示を可能にします。一般的なコンテンツタイプ,特にHTML,RTF,プレーンテキスト,TIFF,PNG,JPEG,PDF,QuickTimeムービーなどの文書に対しては,この機能が自動的にサポートされます。ただし,あまり一般的でない文書やプライベートなコンテンツタイプを含んだアプリケーションも,こ のQuickLook機能を利用できます。このようなアプリケーションには,QuickLookジェネレータ,すなわち,指定された文書をネイティブ形式からQuickLookによるユーザへの表示が可能な形式に変換するプラグインを追加できます。」「本書ではQuickLookテクノロジーについて解説し,アプリケーション開発者である読者の方を対象に,ジェネレータを作成してQuickLookで文書のサムネイルイメージやプレビューイメージ 「本書ではQuickLookテクノロジーについて解説し,アプリケーション開発者である読者の方を対象に,ジェネレータを作成してQuickLookで文書のサムネイルイメージやプレビューイメージを表示する方法を説明します。QuickLookジェネレータはCFPlugInスタイルのバンドルとして設計されていますが,プラグイン実装の詳細部分はすべて開発者に委ねられています。さらに,QuickLookジェネレータのプログラムインターフェイスはANSICインターフェイスですが,Cocoaフレームワークのメソッドを呼び出すObjective-Cコードを使ってジェネレータを記述できます。」「『QuickLookプログラミングガイド』は次の章で構成されています。 ・「QuickLookとユーザエクスペリエンス」では,QuickLookテクノロジーの機能を説明し,アプリケーションでこのテクノロジーを採用する利点を挙げます。QuickLookで特殊な意味を持つ用語の定義も行います。 ・「QuickLookのアーキテクチャ」では,QuickLookの各種のコンポーネントについて説明します。各コンポーネントの役割や,コンポーネント同士のやり取りなどを取り上げます。 ・「QuickLookプロジェクトの作成と設定」では,QuickLookジェネレータプロジェクトを作成する方法と,ジェネレータのプロパティを指定する方法を説明します。 ・「ジェネレータの実装の概要」では,サムネイルとプレビューを生成 するためのアプローチをいくつか要約し,各アプローチに最も適した状況を特定します。 ・「グラフィックスコンテキストにおけるサムネイルとプレビューの描画」では,ビットマップグラフィックス,単一ページのベクトルグラフィックス, か要約し,各アプローチに最も適した状況を特定します。 ・「グラフィックスコンテキストにおけるサムネイルとプレビューの描画」では,ビットマップグラフィックス,単一ページのベクトルグラフィックス,複数ページのベクトルグラフィックス用に最適化されたグラフィックスコンテキストにサムネイルとプレビューを描画する方法を示します。 ・「プレビューの動的な生成」では,RTFやHTMLなど,サポートされているコンテンツにテキストベースのプレビューを動的に生成する方法を説明します。HTMLプレビューの場合は,イメージなどの添付を含める方法も示します。 ・「文書へのプレビューとサムネイルの保存」では,アプリケーションでサムネイルやプレビューのイメージを文書に保存し,そのイメージをジェネレータでQuickLook用に簡単に取得する方法を紹介します。QuickLookに返されたイメージデータが,ImageI/Oフレームワークによってサポートされる形式の場合に使用すべき関数についても説明します。 ・「サムネイルへのCoreGraphicsイメージの割り当て」では,イメージがImageI/Oフレームワークによってサポートされる形式でない場合に,そのイメージ(CGImageオブジェクト)を返す方法を示します。 ・「プレビューとサムネイルの取り消し」では,QuickLookによって要求された場合に,プレビューとサムネイルの生成を取り消す方法を説明します。 ・「ジェネレータのデバッグとテスト」では,QuickLookジェネレータのデバッグとテストに使用できるツールとテクニックにつ いて説明します。」(4) 被告各標章の使用の商標的使用該当性以上を前提に,被告各標章の使用が商標的使用に該当するか否かについて検討する。 用できるツールとテクニックにつ いて説明します。」(4) 被告各標章の使用の商標的使用該当性以上を前提に,被告各標章の使用が商標的使用に該当するか否かについて検討する。 ア甲49の被告コンピュータ商品のディスプレイ上の表示について前記(3)アのとおり,甲49における「“img08524.pdf”をクイックルック」との表示は,「このアプリケーションで開く」,「“img08524.pdf”を圧縮」,「複製」,「“img08524.pdf”のディスクを作成...」等との表示と並列して表示されているものである。そして,「このアプリケーションで開く」,「“img08524.pdf”を圧縮」,「複製」,「“img08524.pdf”のディスクを作成...」等の表示は,いずれも,「開く」「圧縮」「複製」「作成」等の作業を行い,これらの機能を利用する際の案内表示であることが明らかであるから,「“img08524.pdf”をクイックルック」との表示に接した需要者,利用者は,「“img08524.pdf”」という名称のPDFファイルについて,「クイックルック」という作業を行い,この機能を利用する際の案内表示であると理解するものと解される。 ところで,証拠(甲7の1,2,甲8,30,47,48,65,66,乙5の2の5)及び弁論の全趣旨によれば,被告は,ファイルを開かずにファイルの内容をすばやくプレビュー表示するという,被告OSソフトウェア商品が有する機能を「QuickLook」(クイックルック)と表示していること,被告OSソフトウェア商品が当該機能を有することは,被告コンピュータ商品あるいは被告OSソフトウェア商品の利用者,需要者に,広く知られていることが認められる。 そうすると,「“img08524.pdf”を ソフトウェア商品が当該機能を有することは,被告コンピュータ商品あるいは被告OSソフトウェア商品の利用者,需要者に,広く知られていることが認められる。 そうすると,「“img08524.pdf”をクイックルック」との 表示は,「“img08524.pdf”」という名称のPDFファイルを開かずに同ファイルの内容をすばやくプレビュー表示するという機能を利用する,ということを記述した案内表示であり,この表示に接した被告コンピュータ商品あるいは被告OSソフトウェア商品の利用者,需要者は,被告OSソフトウェア商品あるいはこれを搭載した被告コンピュータ商品が有する,ファイルを開かずにファイルの内容をすばやくプレビュー表示するという機能を利用する際の案内表示であると認識するものと認めることができる。 以上によれば,「“img08524.pdf”をクイックルック」との表示は,被告OSソフトウェア商品あるいはこれを搭載した被告コンピュータ商品が有する,ファイルを開かずにファイルの内容をすばやくプレビュー表示するという機能を利用する際の案内表示であり,被告標章2が,被告コンピュータ商品あるいは被告OSソフトウェア商品の自他商品識別機能,出所表示機能を有する商標として表示されているものでないというべきである。 したがって,被告標章2は,甲49の被告コンピュータ商品のディスプレイ上において,被告コンピュータ商品あるいは被告OSソフトウェア商品の自他商品識別機能・出所表示機能を果たす態様で用いられているものと認めることはできないから,甲49の被告コンピュータ商品のディスプレイ上における被告標章2の使用は,商標としての使用(商標的使用)に当たらない。 イ甲47のウェブページ上の表示について前記(3)イのとおり,甲47のウェ 被告コンピュータ商品のディスプレイ上における被告標章2の使用は,商標としての使用(商標的使用)に当たらない。 イ甲47のウェブページ上の表示について前記(3)イのとおり,甲47のウェブページには,ウェブページの左上部に,被告のOSソフトウェア商品である「MacOSX」との商品名が表示され,その主なアプリケーションの一つとして,「iTunes」「TimeMachine」「iChat」「QuickTime X」「SpotLight」等の他のアプリケーションの表示と並んで「QuickLook」との表示がされている。 そして,甲47のウェブページには,被告のOSソフトウェア商品の主なアプリケーションの一つである「QuickLook」について,「QuickLookは,ファイルを開かずに,複数のページで構成される文書からビデオまで,すべてのファイルをプレビューできる,革新的なテクノロジーです。ファイルを選択し,スペースバーを押すだけで,あっという間に洗練された透明のウインドウにファイルの内容が表示されます。」「QuickLookでは,画像,テキストファイル,PDF文書,ムービー,Keynoteのプレゼンテーション,Mailの添付ファイル,MicrosoftのWord,Excel,PowerPointのファイルを含む,システム内のほとんどのファイルをプレビューできます。スペースバーを押すか,FinderのQuickLookアイコンをクリックするだけで,ファイルをQuickLookで見ることができます。」「TimeMachineから復元するファイルを探しているのなら,QuickLookを活用してみましょう。探しているファイルが見つかったらQuickLookで内容を確認してから,デスクトップに戻 imeMachineから復元するファイルを探しているのなら,QuickLookを活用してみましょう。探しているファイルが見つかったらQuickLookで内容を確認してから,デスクトップに戻せます。」「QuickLookは,MacOSXのMailとiChatアプリケーションにも使えます。たとえば,複数のファイルが添付されたメッセージを受け取ったとしましょう。それぞれをダウンロードして開く代わりに,QuickLookを使って,ワンクリックで見ることが可能です。PDF,MicrosoftOffice文書などのファイルを見るのに最適です。」等の記載がある。 このような甲47のウェブページに接したコンピュータ商品およびOS商品の需要者は,「QuickLook」が,ファイルを開かずにファイルの内容をすばやくプレビュー表示するという機能を有する,被告のO Sソフトウェア商品である「MacOSX」の主なアプリケーションの一つであると認識し,被告標章1も,当該機能を有する被告のOSソフトウェア商品の主なアプリケーションの一つを表示するものと認識すると認められる。 そして,被告は,後記エのとおり,ファイルを開かずにファイルの内容をすばやくプレビュー表示するという機能を使えるようにするために埋め込むプログラム(プラグイン)を作成するために必要な技術仕様を公開,提供していることが認められる。 しかしながら,前記アのとおり,被告は,ファイルを開かずにファイルの内容をすばやくプレビュー表示するという,被告OSソフトウェア商品が有する機能を「QuickLook」(クイックルック)と表示していることが認められるところ,後記エのとおり,被告は,当該機能を使えるようにするためのプログラム(プラグイン)を作成するために必要な技術 る機能を「QuickLook」(クイックルック)と表示していることが認められるところ,後記エのとおり,被告は,当該機能を使えるようにするためのプログラム(プラグイン)を作成するために必要な技術仕様の公開,提供をしていることは認められるものの,当該プラグインを自ら作成したり,これを配布したりするなどの行為を行っていると認めることはできないから,結局,被告が被告のOSソフトウェア商品の主なアプリケーションの一つとして表示する「QuickLook」(クイックルック)は,被告のOSソフトウェア商品の有する当該機能を,被告のOSソフトウェア商品の「アプリケーション」と称して表示したものにすぎないというべきである。 そうすると,甲47のウェブページの「QuickLook」との表示は,被告のOSソフトウェア商品が有する機能の一つを表示したものであり,甲47のウェブページに接した被告コンピュータ商品あるいは被告OSソフトウェア商品の需要者は,「QuickLook」が,被告のOSソフトウェア商品がアプリケーションとして有するファイルを開かずにファイルの内容をすばやくプレビュー表示するという機能を表示するも のであると認識するものと認められるが,他方で,被告のOSソフトウェア商品の出所については,甲47のウェブページの「QuickLook」の表示がその左上部に記載された,「MacOSX」の一機能として記載されていることからすると,被告のOSソフトウェア商品の出所については,その左上部に記載された「MacOSX」の標章から想起し,「QuickLook」の語から想起するものではないものと認められる。 したがって,被告標章1が甲47のウェブページにおいて被告OSソフトウェア商品の自他商品識別機能・出所表示機能を果 「QuickLook」の語から想起するものではないものと認められる。 したがって,被告標章1が甲47のウェブページにおいて被告OSソフトウェア商品の自他商品識別機能・出所表示機能を果たす態様で用いられているものと認めることはできないから,甲47のウェブページにおける被告標章1の使用は,商標としての使用(商標的使用)に当たらない。 ウ甲50,52,54,56,58,60のウェブページにおける表示について前記(3)ウのとおり,甲50,52,54,56,58,60のウェブページは,いずれも,被告コンピュータ商品の技術仕様を説明,紹介するウェブページであり,いずれのウェブページも,その左上部に,「MacBook」等の被告コンピュータ商品の商品名の表示がされている。 そして,「QuickLook」との語は,技術仕様として,「サイズおよび重量」「プロセッサおよびメモリ」「ディスプレイ」等の項目と並ぶ項目である「搭載ソフトウェア」「インストールされているソフトウェア」「ソフトウェア」あるいは「付属ソフトウェア」という項目の中に,「MacOSXSnowLeopard」という被告OSソフトウェア商品の商品名が記載された後に,甲50,52,54のウェブページにおいては,かっこ書きの中で「iTunes」「TimeMachine」「Spotlight」「Safari」「Mail」「iChat」「アドレスブック」「QuickTime」「iCal」「Ph otoBooth」等のアプリケーションとともに列記されており,甲56,58,60のウェブページにおいては,前記のアプリケーションとともに「…など」と列記されている。 そして,前記ア,イのとおり,被告は,ファイルを開かずにファ ともに列記されており,甲56,58,60のウェブページにおいては,前記のアプリケーションとともに「…など」と列記されている。 そして,前記ア,イのとおり,被告は,ファイルを開かずにファイルの内容をすばやくプレビュー表示するという,被告OSソフトウェア商品のアプリケーションが有する機能を「QuickLook」(クイックルック)と表示していることが認められ,被告OSソフトウェア商品が当該機能を有することは,被告コンピュータ商品あるいは被告OSソフトウェア商品の需要者に,広く知られていることが認められる。 そうすると,甲50,52,54,56,58,60のウェブページに接した被告コンピュータ商品あるいは被告OSソフトウェア商品の需要者は,被告標章1は,被告コンピュータ商品にインストールされているソフトウェアである被告OSソフトウェア商品が有する機能の一つであると認識するが,他方で,上記のウェブページの「QuickLook」の表示が,被告ソフトウェア商品の一機能として記載されていることからすると,被告OSソフトウェア商品の出所については,「MacOSXSnowLeopard」の商品名(標章),被告コンピュータ商品の出所については,「MacBook」等の商品名(標章)から想起し,「QuickLook」の語から想起するものではないものと認められる。 したがって,被告標章1が甲50,52,54,56,58,60のウェブページにおいて被告コンピュータ商品あるいは被告OSソフトウェア商品の自他商品識別機能・出所表示機能を果たす態様で用いられているものと認めることはできないから,甲50,52,54,56,58,60のウェブページにおける被告標章1の使用は,商標としての使用(商標的使用)に当たらない。 所表示機能を果たす態様で用いられているものと認めることはできないから,甲50,52,54,56,58,60のウェブページにおける被告標章1の使用は,商標としての使用(商標的使用)に当たらない。 エ甲66のウェブページにおける表示について前記(3)オのとおり,甲66のウェブページは,「MacOSXv10.5」に導入されたテクノロジーである「QuickLook」機能に対応していないアプリケーションについて,被告が第三者であるソフトウェア技術者等に対して,「QuickLook」機能(ファイルを開かずにファイルの内容をすばやくプレビュー表示するという機能)を使えるようにするために埋め込むプログラム(プラグイン)をどのように作成するかを案内するウェブページである。 被告は,このウェブサイトにおいて,「QuickLook」機能に関する技術仕様を公開,提供し,当該プラグインを容易に作成できるように,ひな形(テンプレート)も用意しているが,これらのひな形(テンプレート)は,第三者であるソフトウェア技術者等に使用させるためのものであり,被告が当該プラグインを作成したり,提供したりするものではない。 このように,甲66は,被告が,「QuickLook」機能を使えるようにするために埋め込むプログラム(プラグイン)を作成するために必要な技術仕様を公開,提供していることを示すものではあるものの,そこから,被告が当該プラグインの作成,頒布を行っていることをうかがうことはできないし,本件各証拠によっても,被告が,当該プラグインの作成,頒布を行っていると認めることはできない。 以上によれば,甲66のウェブページにおける「QuickLook」の表示は,被告OSソフトウェア商品である「MacOSXv10.5」に ,頒布を行っていると認めることはできない。 以上によれば,甲66のウェブページにおける「QuickLook」の表示は,被告OSソフトウェア商品である「MacOSXv10.5」に導入された,ファイルを開かずにファイルの内容をすばやくプレビュー表示するという機能を示す表示にすぎず,甲66のウェブページに接した被告コンピュータ商品あるいは被告OSソフトウェア商品の需要者は,被告標章1が,被告OSソフトウェア商品である「MacOS Xv10.5」に導入された機能であると認識し,他方で,被告OSソフトウェア商品である「MacOSXv10.5」の出所については,「MacOSXv10.5」の標章から想起し,「QuickLook」の語から想起するものではないものと認めることができる。 そうすると,被告標章1が甲66のウェブページにおいて被告コンピュータ商品あるいは被告OSソフトウェア商品の自他商品識別機能・出所表示機能を果たす態様で用いられているものと認めることはできないから,甲66のウェブページにおける被告標章1の使用は,商標としての使用(商標的使用)に当たらない。 オ甲62ないし64のウェブページについて前記(3)エのとおり,甲62ないし64のウェブページには,いずれも「QuickLook」あるいは「クイックルック」との表示は全く記載されていないから,当該ウェブページにおける被告による被告各標章の使用が商標としての使用(商標的使用)に当たるか否かを検討する前提を欠くものである。 カ甲7の1,2の写真,甲8の冊子(付録),甲48のウェブページについて次のとおり,甲7の1,2の写真,甲8の冊子(付録),甲48のウェブページは,被告がその使用行為の主体と認めることはで カ甲7の1,2の写真,甲8の冊子(付録),甲48のウェブページについて次のとおり,甲7の1,2の写真,甲8の冊子(付録),甲48のウェブページは,被告がその使用行為の主体と認めることはできず,被告が被告各標章を使用しているという原告の主張は,その前提を欠くというべきであるから,それらの標章の具体的な使用態様を検討するまでもなく,被告による商標としての使用(商標的使用)と認めることはできない。 (ア) 甲7の1,2の写真について甲7の1,2の写真は,北海道札幌市<以下略>所在の「ヨドバシカメラマルチメディア札幌店」において,原告従業員が平成21年4月17日に撮影したものである(弁論の全趣旨)。 この点,被告は,この撮影対象に一切関与しておらず,その存在すら関知していないと主張するところ,本件各証拠によっても,被告がこの撮影対象に関係していることをうかがわせる事情は認められない(原告は,これが被告の行為であると認めるに足りる事実を主張,立証していない。)。 したがって,この甲7の1,2の写真の撮影対象が,被告の行為であると認めることはできない。 なお,甲7の1には,「MacOSLeopard」の表題の下に大きく「QuickLook」と表記され,その下に「ファイルを開くなんで時代遅れ!ファイルを開かなくても中身の確認ができる機能。 QuickLookを使用すれば素早く内容がチェックできます。」と記載され,また,甲7の2には,「MacOSLeopard」の標題の下に「・クイックルックを使ってファイルを開かずにプレビュー」との記載があるが,これらの「QuickLook」,「クイックルック」の表記は,いずれも「MacOSLeopard」の機能を表示しているにすぎないものと認められる。 にプレビュー」との記載があるが,これらの「QuickLook」,「クイックルック」の表記は,いずれも「MacOSLeopard」の機能を表示しているにすぎないものと認められる。 (イ) 甲8の冊子(付録)について甲8の冊子(付録)は,株式会社アスキー・メディアワークスが発行する「MacPeople」誌の付録である(弁論の全趣旨)。 この点,被告は,甲8の冊子(付録)は,被告が作成したものでないと主張するところ,本件各証拠によっても,被告が甲8の冊子(付録)の作成等に関係していることをうかがわせる事情は認められない(原告は,甲8の冊子(付録)が被告の行為であると認めるに足りる事実を主張,立証していない。)。 したがって,甲8の冊子(付録)が,被告の行為であると認めることはできない。 なお,甲8の8頁には,「SnowLeopard」の表題の下に,「QuickLookで瞬時に把握」との項目があり,そこには,「効率的なファイルブラウズもMacのメリット。全文検索機能やiPodでおなじみのCoverFlow表示に加えて,スペースバーを押せば写真やPDF,ビジネス文書などを確認できる。ソフトの起動を待つイライラとはさよならだ。」との記載があるが,これも「SnowLeopard」の機能を表示しているにすぎないものと認められる。 (ウ) 甲48のウェブページについて甲48のウェブページは,第三者のウェブページである(甲48)。 この点,被告は,甲48のウェブページが,被告と一切関係のない第三者のウェブページであり,これに一切関知も関与もしていないと主張するところ,本件各証拠によっても,被告が甲48のウェブページに関係していることをうかがわせる事情は認められない(原告は,甲48のウェブページが被 ージであり,これに一切関知も関与もしていないと主張するところ,本件各証拠によっても,被告が甲48のウェブページに関係していることをうかがわせる事情は認められない(原告は,甲48のウェブページが被告の行為であると認めるに足りる事実を主張,立証していない。)。 したがって,甲48のウェブページが,被告の行為であると認めることはできない。 2 原告の主張について原告は,被告OSソフトウェア商品が,被告コンピュータ商品に組み込まれた後にも独立商品性を維持しており,被告各標章が被告コンピュータ商品の商品識別標識として機能しており,アップグレード用の被告OSソフトウェア商品は,ソフトウェア自体が「QuickLook」の商品であると主張する。 しかし,前記認定事実によれば,被告各標章は被告OSソフトウェア商品の機能を表示するものとして使用されているにすぎないことが認められるから,被告OSソフトウェア商品の独立商品性の有無にかかわらず,被告各標章が商標として使用されているもの(商標的使用)とは認められない。 原告は,被告標章1が被告OSソフトウェア商品の自他商品識別機能を有するものとして使用されている理由として,甲65を援用する。すなわち,甲65(ただし,被告作成の文書ではない。)には,「MacOSX 10. 5 Leopardを使って,古いOSに戻れないといえば,QuickLook(クイックルック)です。これは,作成したアプリケーションを使わずに,Finder上でプレビューするというもの。」という記載があるところ,原告は,この記載から,被告のOSソフトウェア商品間の区分けがされるとともに,他社のOSソフトウェア商品との識別がされると主張する。しかし,上記記載は,「MacOSX 10.5 Leopard」という商 この記載から,被告のOSソフトウェア商品間の区分けがされるとともに,他社のOSソフトウェア商品との識別がされると主張する。しかし,上記記載は,「MacOSX 10.5 Leopard」という商品を紹介するについて,同商品には「QuickLook(クイックルック)」という機能があることを示したものにすぎず,商品の識別標識として使用されているのは,「MacOSX 10.5 Leopard」であって,「QuickLook(クイックルック)」ではない。原告の主張は採用することができない。 また,原告は,被告コンピュータ商品に被告OSソフトウェア商品が搭載されることにより,被告コンピュータ商品とQuickLookプログラムとが結合して独自のプレビュー機能を有する1つのまとまったシステムを構成し,このシステムが取引市場において多数存在する他社同種のコンピュータシステムとの間で「QuickLook」を標章として,選択され,識別されると主張する。しかし,前記1(3)ウでみたとおり,「QuickLook」の標章は,被告ソフトウェア商品の中の多数の機能の1つを表すものとして使用されているのであり,それがコンピュータシステム全体を示す標章として使用されていることを認めるに足りる証拠はない。原告の主張は採用することができない。 3 小括以上によれば,原告の主張する被告による被告各標章の使用は,商標として の使用(商標的使用)に当たらないから,その余の点について判断するまでもなく,原告各商標権の侵害行為又は侵害行為とみなす行為(商標法25条,37条1号)のいずれにも該当しないというべきである。 第5 結論以上の次第で,原告の請求は,その余の点について判断するまでもなく,理由がないから棄却することとし,主文のとお 標法25条,37条1号)のいずれにも該当しないというべきである。 第5 結論以上の次第で,原告の請求は,その余の点について判断するまでもなく,理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第29部 裁判長裁判官大須賀滋 裁判官菊池絵理 裁判官岩慎は,転補のため,署名押印することができない。 裁判長裁判官大須賀滋 (別紙)商標権目録1登録番号第4853147号出願日平成16年8月3日登録日平成17年4月1日商標 商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務第9類耳栓,加工ガラス(建築用のものを除く。),アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又 器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具, 電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター,事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,スロットマシン,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,計算尺,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物 (別紙)商標権目録2登録番号第5351987号出願日平成21年9月11日登録日平成22年9月10日商標 QuickLook(標準文字) 商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務第9類写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し,及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオ 用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し,及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物第42類機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,機械器具に関する試験又は研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供 (別紙)商標権目録3登録番号第5351988号出願日平成21年9月11日登録日平成22年9月10日商標 クイックルック(標準文字) 商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務第9類写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し,及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物第42類機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自 プ,電子出版物第42類機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,機械器具に関する試験又は研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供 (別紙)被告標章目録 クイックルック

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