平成26(ワ)25384 証書真否確認請求事件

裁判年月日・裁判所
平成27年2月10日 東京地方裁判所
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判決文本文2,517 文字)

- 1 -平成27年2月10日判決言渡同日原本交付裁判所書記官平成26年(ワ)第25384号証書真否確認請求事件口頭弁論終結日平成26年12月16日判決 東京都文京区<以下略>原告株式会社ビーエスエス 東京都江東区<以下略>被告インターナショナル・システム ・サービス株式会社 同訴訟代理人弁護士池 田 浩一郎 主文 本件訴えを却下する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由 第1 請求別紙1~3の文書がいずれも真正に成立したものではないことを確認する。 第2 事案の概要 1 本件は,原告が,被告に対し,原告作成名義の別紙1~3の文書(以下「本件各文書」と総称する。)は偽造されたものであるなどと主張して,本件各文書が真正に成立したものではないことの確認を求めた事案である。 2 争点に関する当事者の主張(1) 本件訴えの適法性(原告の主張)ア 「法律関係を証する書面」本件各文書は,被告からの借用金額を期日までに返済しないときは,被告が,① 原告が保有する特許権の所有権の移転,② BSS-PA- 2 -CK及び部品マイスタの技術情報及びソースコード等の引渡し,③ 役務の提供,④ 原告代表者が保有する原告の株式の引渡しに係る債権を取得し,原告及び原告代表者が債務を負うことを証するものであり,民事訴訟法134条所定の「法律関係を証する書面」である。 本件各文書に記載され 原告代表者が保有する原告の株式の引渡しに係る債権を取得し,原告及び原告代表者が債務を負うことを証するものであり,民事訴訟法134条所定の「法律関係を証する書面」である。 本件各文書に記載された「借用金額」及び「期日」は,平成9年10月31日付け借用証書(乙3)の記載と併せ読めば特定されるから,特定に欠けるところはない。また,「特許権」は,原告が平成8年~9年に登録出願し本件各文書の作成日当時出願手続中であった3件の特許権を意味する。 イ確認の利益(ア) 本件各文書は,原告と被告の間の訴訟や,原告の関連会社が当事者となっている訴訟において証拠として提出された。本件各文書が真正に成立したものでないことを早期に確定させ,犯罪行為を抑止する必要がある。 (イ) 原告は,原告と株式会社サンライズ・テクノロジーの間の訴訟につき再審請求をするために本件各文書が真正に成立したものでないことを確認する必要がある。 (ウ) 原告ないしソフトウェア部品株式会社が保有するプログラム著作権に関する法的不安を除去するため,本件各文書が真正に成立したものでないことを確認する必要がある。 (被告の主張)ア 「法律関係を証する書面」本件各文書は,「借用金額」「期日」「特許権の所有権」「提出」及び「貴社の指示に従った作業を中心に実施する会社」等の特定がなく,民事訴訟法134条所定の「法律関係を証する書面」に当たらない。 イ確認の利益- 3 -本件各文書の成立の真正について即時確認の利益がない。 (2) 本件各文書の成立の真正(被告の主張)本件各文書は真正に成立したものである。 (原告の主張)原告代表者は本件各文書を作成しておらず,本件各文書は真正に成立したものではない。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(本 )本件各文書は真正に成立したものである。 (原告の主張)原告代表者は本件各文書を作成しておらず,本件各文書は真正に成立したものではない。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(本件訴えの適法性)について(1) 民事訴訟法134条所定の「法律関係を証する書面」とは,書面自体の記載内容から直接に一定の現在の法律関係の存否が証明される書面をいうものと解される(最高裁昭和28年10月15日判決民集7巻10号1083頁参照)。 これを本件についてみるに,本件各文書の記載内容は,別紙1~3のとおり,「インターナショナル・システム・サービス株式会社 X専務取締役様」という宛名の下に,「借用金額が期日までに返済されなかった場合には,下記事項をお約束させて頂きます。」として,① 原告所有の特許権の所有権を被告に移転する,② BSS-PACK及び部品マイスタに関する技術情報,ソースコード及びオブジェクトコードを被告に提出する,③ 原告は被告の指示に従った作業を中心に実施する会社になる,④ 原告代表者保有のBSSの株式を被告に提出することを約束するという趣旨の記載があり,末尾に原告の会社名及び代表取締役Yの記名並びに原告の押印がされている。 以上のとおり,本件各文書は,そこに記載された「借用金額」,「期日」等の特定を欠いており,どのような場合に①~④の約束をするのかが明らかではないことからすれば,本件各文書について,直接に一定の現在- 4 -の法律関係の存否が証明される書面であるとは認められない。したがって,本件各文書は同条所定の「法律関係を証する書面」に当たらない。 これに対し,原告は,本件各文書中の「借用金額」及び「期日」は,別紙2及び3の各文書に記載された作成日と同じ日付けの借用証書(乙3)を参照することにより特 「法律関係を証する書面」に当たらない。 これに対し,原告は,本件各文書中の「借用金額」及び「期日」は,別紙2及び3の各文書に記載された作成日と同じ日付けの借用証書(乙3)を参照することにより特定されると主張するが,上記借用証書は本件各文書と一体性を有しない文書であり,本件各文書の記載から上記借用証書を参照すべきことは読み取れないから,原告の主張は採用できない。 (2) また,(1)に説示したところによれば,本件各文書の成否を確認することにより,原告の現在の法律上の権利又は法律上の地位に存する危険又は不安定が除去されるものではないから,確認の利益も認められない。 2 結論以上によれば,争点(2)について判断するまでもなく,本件訴えは不適法であるから,これを却下することとして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第46部 裁判長裁判官長谷川浩二 裁判官清野正彦 裁判官髙橋彩

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