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主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人佐佐木祿郎の上告理由について。論旨は、原判決がDは被上告人Bを代理する権限がなかつた旨判示したのを非難するのである。しかし、所論のDが本件山林の管理をEに委任した事実、Dが代替地の交渉を一人で行つた事実があつたからといつて、これらの事実はDがBを代理する権限なくして行つたことになつても、ために、逆に代理権限があるということにはならない。また、EがBを知らず、Dの依頼のみによつて山林を管理し納税令書の交付を受けて納税した事実は、原判決の認めていない事実であるのみならず、かかる事実によつてもDに代理権限があつたものということはできない。論旨はさらに、表見代理を主張するのであるが、かかる主張は原審でなされないのみならず、BがDに対して代理権を与えた旨表示した事実もなく、Dが代理権限を持ち権限外の行為をしたというのでもないので、表見代理の問題を生ずることはない。よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官島保裁判官河村又介裁判官垂水克己裁判官石坂修一- 1 -
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