- 1 -主文本件抗告を棄却する。 抗告費用は抗告人の負担とする。 理由 抗告人の抗告理由について民事訴訟において,訴訟上の救助の決定(以下「救助決定」という。)を受けた者の全部敗訴が確定し,かつ,その者に訴訟費用を全部負担させる旨の裁判が確定した場合には,救助決定は当然にその効力を失い,裁判所は,救助決定を民訴法84条の規定に従って取り消すことなく,救助決定を受けた者に対し,猶予した費用の支払を命ずることができると解するのが相当である。なぜなら,訴訟上の救助の制度は,民事訴訟においては原則として敗訴の当事者が訴訟費用を負担すべきこと(同法61条)を前提として,訴訟の準備及び追行に必要な費用を支払う資力がない者等に対し,勝訴の見込みがないとはいえないときに限り,救助決定により,訴訟及び強制執行につき裁判費用等の支払の猶予等をするものであって(同法82条1項,83条1項),その支払を免除するものではないのであるから,少なくとも,訴訟の完結により,救助決定を受けた者の全部敗訴が確定して勝訴の見込みが完全に失われ,その者が訴訟費用の全部を負担すべきことが確定した場合にまで救助決定の効力が維持されることは予定されていないというべきだからである。 原審の判断は,以上と同旨をいうものとして是認することができる。論旨は採用することができない。 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官藤田宙靖裁判官堀籠幸男裁判官那須弘平裁判官- 2 -田原睦夫裁判官近藤崇晴)
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