平成5(ワ)399 損害賠償請求

裁判年月日・裁判所
平成14年5月10日 神戸地方裁判所
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判決文本文76,814 文字)

判決平成14年5月10日神戸地方裁判所平成5年(ワ)第399号の1 損害賠償請求事件 主文 1 被告引受参加人は,原告Aに対し金325万1935円,原告Bに対し金129万9795円,原告太東物産株式会社に対し金553万8680円,原告Cに対し金468万2484円,原告Dに対し金28万3790円,原告Eに対し金338万8096円及びこれらに対する平成5年3月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原告らのその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用中,原告Aと被告引受参加人との間に生じた費用はこれを5分し,その3を原告Aの負担とし,その余を被告引受参加人の負担とし,原告Bと被告引受参加人との間に生じた費用はこれを10分し,その9を原告Bの負担とし,その余を被告引受参加人の負担とし,原告太東物産株式会社と被告引受参加人との間に生じた費用はこれを2分し,その1を原告太東物産株式会社の負担とし,その余を被告引受参加人の負担とし,原告Cと被告引受参加人との間に生じた費用はこれを10分し,その7を原告Cの負担とし,その余を被告引受参加人の負担とし,原告Dと被告引受参加人との間に生じた費用はこれを5分し,その4を原告Dの負担とし,その余を被告引受参加人の負担とし,原告Eと被告引受参加人との間に生じた費用はこれを5分し,その4を原告Eの負担とし,その余を被告引受参加人の負担とする。 4 この判決は,主文第1項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 1 被告引受参加人は,別紙債権目録原告欄記載の原告らに対し,それぞれ同目録請求金額欄記載の金員及びこれらに対する平成5年3月25日から各支払済みまで年5分の割合による金 理由 第1 請求 1 被告引受参加人は,別紙債権目録原告欄記載の原告らに対し,それぞれ同目録請求金額欄記載の金員及びこれらに対する平成5年3月25日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 3 仮執行宣言第2 事案の概要本件は,昭和63年頃より平成3年頃までの間に,原告6名がそれぞれ脱退前の旧被告会社(以下「旧被告」ともいう。)従業員の勧誘に応じて,ワラント取引をしたことにより損害を被ったとして,主位的に旧被告の組織的不法行為(民法709条)を理由に,予備的に従業員の違法勧誘による使用者責任(民法715条)に基づき,旧被告から平成13年10月1日,その営業上の権利義務を包括承継した被告引受参加人に対し,原告らが旧被告との取引により被った損失相当の損害賠償合計金7105万1525円及びこれらに対する訴状送達の日の翌日(平成5年3月25日)から民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払いを求める事案である。 1 前提事実等(1) 当事者旧被告(野村ホールディングス株式会社,旧商号は野村證券株式会社)は,東京都中央区に本店を有し,有価証券についての自己売買,売買の委託の媒介・取次・代理,引受・売出し,募集又は売出しの取り扱いについて,大蔵大臣から免許を受けたいわゆる総合証券会社である。 被告引受参加人は,旧被告から,本件訴訟係属中の平成13年10月1日,証券業その他証券取引法に基づき営む業務に関する営業上の権利義務(本件訴訟物を含む。)を承継した(なお,旧被告は,関係当事者の同意を得て本件訴訟から脱退した。)(当裁判所に顕著な事実である。)。 (2) ワラントの意義ワラントとは,新株引受権ないしこれを表章する 承継した(なお,旧被告は,関係当事者の同意を得て本件訴訟から脱退した。)(当裁判所に顕著な事実である。)。 (2) ワラントの意義ワラントとは,新株引受権ないしこれを表章する証券のことであり,ある会社の株式を一定の期間内に,一定の価格で,一定量購入することのできる権利が付与された証券をいう。すなわち,昭和56年の商法改正によって発行が認められた新株引受権付社債の別名をワラント債と言うが,ワラントとは分離型のワラント債から社債部分を切り離して,新株引受権証券だけを独立して流通させたものである。 (3) ワラントの商品構造ア権利行使価格権利行使価格とは,新株引受権を行使して新株を取得しようとする際に新たに払い込むことが必要な一定の価格を言う。 ワラント債発行時に定められ,ワラント債の最終発行条件決定時における当該ワラント銘柄の株価の102.5%と決められるのが通例である。 イ権利行使期間権利行使期間は,ワラントの発行時に定められるが,社債の満期償還日あるいはその前の一定日とされ,発行後4~5年とされるものが多い。この権利行使期間を経過すると,ワラントは無価値となる。 ウワラントの価格決定ワラントの価格は,基本的に当該銘柄の株価の変動に連動して決定されるが,以下の要素により独自の値動きを示す。 すなわち,ワラントの価格は,パリティ(理論価格)と呼ばれる部分と,プレミアムと呼ばれる部分の二つの要素から成り立っており,この要素の相関関係により決定される。 まず,新株引受権としてのワラントの基本的財産価値を表し,株価と当該ワラントの権利行使価格の差額に,引き受けられる株数を掛け合わせた理論的価値をパ この要素の相関関係により決定される。 まず,新株引受権としてのワラントの基本的財産価値を表し,株価と当該ワラントの権利行使価格の差額に,引き受けられる株数を掛け合わせた理論的価値をパリティという。この仕組みから,現在株価が権利行使価格を下回ると,パリティはマイナスとなり,購入したワラント銘柄の現在株価が権利行使価格と取得額一株あたりのワラント購入コストを上回らなければ権利行使するメリットは投資家に存しないことになる。 次に,ワラントの市場価格には,将来の株価の上昇への期待や需給関係,権利行使期間の長短などの要素により形成される部分があり,これをプレミアムという。これは,権利行使期間内の当該銘柄の株価に対する期待度などから形成されるため,必ずしも株価の変動とは一致しない場合もある。 主にこの2つの要素により決定されるワラントの価格変動は,株式の変動に比べて数倍以上も大きいものとなる効果がある。パリティの部分は,株価と権利行使価格の差額部分だけがワラントの価値として取り上げられるため,ワラントの価格変動の割合は,株価の変動割合に比較して時には数倍から数十倍にも大きく反映されることもあり,これをギアリング効果という。さらには,プレミアムの部分では将来の株価変動についての予想に加え,権利行使期間の長短,市場全体の動勢など多くの不確定要素をもとに将来のワラント価格の変動を予想して価格が形成される。このように,ワラントの価格が変動割合の大きい不確定要素によって形成される結果,投資商品としてのワラントは非常に投機的で変動割合の高いハイリスク・ハイリターンな商品といえる。 エワラントの取引リスクワラントのリスクは,主に権利失効リスクと価格変動リスクであり,その最大値は,投資金額の全額 変動割合の高いハイリスク・ハイリターンな商品といえる。 エワラントの取引リスクワラントのリスクは,主に権利失効リスクと価格変動リスクであり,その最大値は,投資金額の全額に限られている。 a 権利失効リスク権利失効リスクとは,ワラントは新株引受権付き社債の新株引受権部分を独立して流通させた商品であり,社債部分が存在しない以上,新株引受権を行使しないまま権利行使期限日を徒過する事で無価値になるというリスクである。 b 価格変動リスク価格変動リスクとは,上述のギアリング効果という株価の変動に比較して大きい理論価格の変動を受けるリスクである。 c 為替リスク外貨建てワラントの場合,価格が外貨建てで表示されることから,売買約定代金は当日の為替レートによる影響を受ける。もっとも,為替リスクは外貨建て預金や外国のファンド等の外貨建て金融商品一般に共通するリスクであり,ワラント特有のリスクではない。さらには,これら外貨建て預金等の場合とは異なり,国内企業の発行する外貨建てワラントの価値は,国内市場において円の行使価格と円の実勢株価との関係を織り込んで決定されるのであるから,新株引受権を行使する場合を除けば,国内の投資家が円で投資をする場合の為替リスクはほとんど存在しないと言ってよい。 2 本件の主要な争点(1) 主位的請求についてアワラント取引一般の違法性の有無イ本件ワラント取引は,旧被告会社ぐるみで行った組織的詐欺といえるか(2) 予備的請求についてア本件各勧誘行為における違法性の判断要素a 適合性原則違反の有無b 説明義務違反の有無c 不 織的詐欺といえるか(2) 予備的請求についてア本件各勧誘行為における違法性の判断要素a 適合性原則違反の有無b 説明義務違反の有無c 不当勧誘イ原告らと旧被告の間の各取引における違法性の有無(3) 原告らの損害額について 3 争点に関する当事者の主張(1) 主位的請求についてアワラント取引一般の違法性の有無(原告らの主張)a  公序良俗違反ワラントの特質として,権利行使期間と権利行使価格が存在することによるリスクの巨大さ,一般投資家が容易に理解できない取引手法の複雑さ,相対取引による価格決定の不明朗さ・取引の不公正さ,顧客は権利内容の記載のほとんどない預かり証の交付を受けるだけであり金融商品としての明確性・流通性に欠ける,自己の思惑通りの取引を展開できるという証券会社の構造的うま味があること,といったことがあり,これらの特質を有するワラントを一般投資家に取引を勧誘すること自体が公序良俗に反し許されない。 (被告引受参加人の主張)ワラント商品の特質から,これを一般投資家に勧誘することが公序良俗に反する旨の上記主張は争う。 イ本件ワラント取引は,旧被告会社ぐるみで行った組織的詐欺といえるか(原告らの主張)a 原告ら一般投資家がワラントについての経験,知識を有していないことを奇貨として,リスクなどワラントの本質的事項を故意に秘し,株式の銘柄切り替えのごとき虚偽の説明を行って,ワラントが株式や投資信託と同様の金融商品の一種であると誤信させ,或いは断定的判断を提供し,安全確実有利な商品の一種であると誤信させ,ワラント購入代金名下に金員を交付させたもので 偽の説明を行って,ワラントが株式や投資信託と同様の金融商品の一種であると誤信させ,或いは断定的判断を提供し,安全確実有利な商品の一種であると誤信させ,ワラント購入代金名下に金員を交付させたもので,このような被告の外務員の行為は悪質な詐欺に当たり,上記行為は,会社ぐるみで行ったものであり,被告自身の組織的詐欺である。 (被告引受参加人の主張)従業員を適切に指導していなかったと言うことは過失にこそなれ故意とはならない以上,故意を要件とする詐欺には当たらない。 (2)予備的請求についてア本件各勧誘行為の違法性の判断要素a 適合性原則違反の有無(原告らの主張)旧被告が原告らのごとき一般投資家に進んでワラントの取引を勧めることは,証券会社が顧客を勧誘して投資を行わせるに際しては,顧客の属性,資産状態,資金の性格,投資の目的,投資経験の有無・内容等に照らして最も適合した投資勧誘を行う必要があるという適合性の原則に違反する違法なものである。 (被告引受参加人の主張)顧客の属性,資産状態,資金の性格,投資の目的,投資経験の有無・内容等に照らしても,旧被告が原告らにワラントを勧誘することは適法であり,これをもって適合性の原則に反する違法行為ということはできない。 b 説明義務違反の有無(原告らの主張)証券会社が,ワラント取引を一般投資家に対し勧誘する場合には,勧誘している取引が投機取引であることを相手方に周知徹底させ,ワラント取引の仕組み,危険性,行使期間,価格決定要因等について十分な説明をすべき取引法上の法的義務を負う。 具体的には,取引開始時に説明書を交付し,直接口 を相手方に周知徹底させ,ワラント取引の仕組み,危険性,行使期間,価格決定要因等について十分な説明をすべき取引法上の法的義務を負う。 具体的には,取引開始時に説明書を交付し,直接口頭でワラントの商品構造,取引形態や危険性などを本人に分かるように説明し,本人がそれを理解し「紙くず」になるリスクを納得したことを確認する作業として,確認書を徴求するという全ての説明義務を果たして初めて,一般投資家にワラント取引を行わせる前提条件が満たされる。 (被告引受参加人の主張)投資家は自己責任の下,自らの判断により,自らの資金で,各種投資商品に対して投資をするのであって,その判断の前提としてその投資対象の商品について,その商品の内容や特性その他必要と考える事項の調査をすべき責任ないし注意義務は投資家自身にある。 証券会社が提供している各種投資商品の内容や特性その他様々な投資情報は,投資家に対するサービスとして行っているものであり,証券会社は,投資家に対して,投資商品の内容等について説明すべき法律上の義務は負担していない。 したがって,投資対象商品についての調査義務は,投資判断をする投資家自身にあるのであって,証券会社に一般的に説明義務があるわけではない。 c 不当勧誘(原告らの主張)① 虚偽表示,誤解を生ぜしめる行為証券会社の豊富な経験,情報,高度の専門的知識を有していることに対して,一般の顧客は証券会社の推奨にはそれなりの合理的理由が存在するものと信頼して投資決定するものであることから,証券会社は有価証券の売買に関し,虚偽の表示をする行為を証券取引法50条1項5号,証券会社の健全性の準則等に関する省令1条1号 なりの合理的理由が存在するものと信頼して投資決定するものであることから,証券会社は有価証券の売買に関し,虚偽の表示をする行為を証券取引法50条1項5号,証券会社の健全性の準則等に関する省令1条1号(平成4年改正前)により禁止されており,これに反する勧誘は私法上の注意義務にも違反する違法なものとなる。 ② 断定的判断の提供上記①と同様に,証券取引法50条1項1号は,有価証券の価格が騰貴することの断定的判断を提供して勧誘する行為を禁止しており,これに反する勧誘は違法なものとなる。 (被告引受参加人の主張)証券会社が,顧客に証券取引を勧誘するに当たり,虚偽の表示をする行為や,有価証券の価格が騰貴することの断定的判断を提供して勧誘する行為が,それぞれ証券取引法50条1項5号,証券会社の健全性の準則等に関する省令1条1号(平成4年改正前)や証券取引法50条1項1号により禁止されていることは認めるが,本件において,旧被告会社の営業担当社員は,本件原告らに対し,上記各法条において禁止されているような虚偽の表示をしたり,断定的判断の提供をして勧誘したことはない。 イ原告らと旧被告の間の各取引における違法性の有無a 原告Aの取引について① 適合性原則違反の有無(原告Aの主張)原告Aは,昭和63年頃から,貯蓄のため,投機性の低い株式の現金取引や転換社債等の証券に限って投資してきており,信用取引や先物取引等の投機性の高い取引の経験はなく,このような者にワラント取引を勧誘することは,適合性原則に違反する違法なものである。 (被告引受参加人の主張)原告Aは,本件ニチメンワラント取引 引の経験はなく,このような者にワラント取引を勧誘することは,適合性原則に違反する違法なものである。 (被告引受参加人の主張)原告Aは,本件ニチメンワラント取引を開始した平成元年5月当時,満40歳で,靴の製造販売会社を経営する者であり,それまでに旧被告会社(神戸支店)との間で昭和62年頃から株式の現物取引,転換社債など証券取引を始めており,投機的取引の経験も有する者であるほか,本件ニチメンワラントの取引開始当時,同被告会社への預かり金額がワラントを勧誘することができる旧被告会社の基準(1000万円以上)を充たしていたうえ,複数の証券会社から情報をとったり,新聞の株式欄を読んだりしながら,あくまで自らの判断で取引を行っていた(例えば,昭和62年9月1日の松下電器株から昭和63年10月13日のバイエル株まで約1年に及ぶ間,取引が行われていないが,この間担当者Vが勧誘していないはずはないので,原告AがVの勧誘にもノーと言い続けていたということである。)。 ② 説明義務違反の有無(原告Aの主張)原告Aが本件ワラントを購入するに際しては,ワラントには権利行使期限と権利行使価格が存在すること,権利行使期限を経過した場合はもちろん,株価が権利行使価格を超える見込みがない場合には無価値になってしまうこと等の説明はおろか,そもそも原告Aに勧めたワラントとはどういう種類の証券なのかということ,値動きも激しく高いリスクが存すること,等について一切の説明はなかった。 Vは,電話で原告Aの「ワラントとはいったい何か。」との質問に対し,「株と一緒ですわ。ただ,上がるときも下がるときも株より早く値が動きます。けど,絶対儲かります。Aさんに損はさせません。 Vは,電話で原告Aの「ワラントとはいったい何か。」との質問に対し,「株と一緒ですわ。ただ,上がるときも下がるときも株より早く値が動きます。けど,絶対儲かります。Aさんに損はさせません。」と答えるのみであったため,原告Aはワラントを株式の一種と思い込んでいた。 ワラント取引説明書は確認書とともに,取引の後日に郵送されてきたものであり,Vが同説明書に即してワラントの説明をしたことはなかった。 以上から,旧被告担当者の原告Aに対するワラント取引の勧誘は,説明義務に違反する違法なものである。 (被告参加引受人の主張)Vは,原告Aから株式の現物取引により生じていた評価損を損切りして他の適当な銘柄に乗り換えたいとの相談を受け,原告Aに対し電話で,株式よりも値動きの幅が大きく,ハイリスク・ハイリターンではあるが,株式よりも短期に利益を得られる可能性のあるワラントという商品があるとして勧誘した。 これに対し原告Aが第4回ニチメンワラントの購入を承諾したため,Vは原告Aの会社に赴き,ワラント取引説明書を交付し,改めてその説明書に即してワラントの性質,権利内容,値動き,リスク,権利行使の方法,権利行使期間等について十分説明したところ,原告Aはその内容を十分理解した上でワラント取引に関する確認書に署名捺印した。 このように,被告従業員は原告Aに対し,ワラント取引の開始時点において十分にワラントの説明を行っており,これに対して原告Aは確認書を提出している。 ③ 不当勧誘(原告Aの主張)原告Aは,平成2年5月中旬,当時同人が所有していた日本航空株式会社の株式を売却し, Aは確認書を提出している。 ③ 不当勧誘(原告Aの主張)原告Aは,平成2年5月中旬,当時同人が所有していた日本航空株式会社の株式を売却し,その代金でスズキ自動車株式会社株式を購入することをVに一任したところ,スズキ自動車株式会社の株式を購入できず,日本航空株式会社の株式も同数を買い戻すことはできなくなったことから,Vから日本航空株式会社ワラントを購入してはどうかとの勧誘を受けた。 Vが原告Aにワラントの購入を勧誘するに当たっては,「ワラントは株式と同じものである。同社のワラントは間違いなく値が上がる。」「このワラントなら,間違いなく儲かる。」との言葉を用い,この言葉を信用して原告Aはワラントを購入したものである。 (被告引受参加人の主張)原告Aは,平成元年12月4日,第1回日本航空ワラント35ワラントを購入し,同月20日に売却して10万4000円あまりの損失を出しているが,この間のワラント取引に何らの苦情も述べておらず,この時点において原告Aはワラントにより損を出して売却した経験を持つ証券なのであるから絶対に儲かるものでないことは十分承知していたはずである。 b 原告Bの取引について① 適合性原則違反の有無(原告Bの主張)原告Bは,子供たちの結婚資金等や老後の資金としての貯蓄を目的に証券取引を開始したため,先物取引のような投機性の高い危険な種類の取引は一切行っていない。 また,証券につき特に研究したことなどなく,被告担当者が勧誘する種類の取引及び銘柄をそのまま信じて,言われるままに株式や転換社債,投資信託を購入したのである以上,このような原告Bにワラン ていない。 また,証券につき特に研究したことなどなく,被告担当者が勧誘する種類の取引及び銘柄をそのまま信じて,言われるままに株式や転換社債,投資信託を購入したのである以上,このような原告Bにワラント取引を勧誘することは,適合性原則に違反する違法なものである。 (被告引受参加人の主張)原告Bは,旧被告神戸支店と取引をする以前から,旧被告以外の証券会社とも信用取引を含む取引があり,証券取引に関する十分な知識と経験を持っていたのであり,さらに,原告Bの証券投資に対する態度は,徹底して自らの判断で取引をするというものであり,担当者が勧める銘柄でも自分が納得しなければ決して取り引きしなかったし,取引に当たっては銘柄,数量,時期等については原告B自らが自己の相場観に基づいて決定していたのであり,原告Bは株式取引のベテランであった。 ② 説明義務違反の有無(原告Bの主張)原告Bは,旧被告会社とのファンド取引で生じた損失を補いたいと考えていたところ,Wは「ワラントは短期勝負で,しかも絶対に儲かります。このワラント取引で,短期間で,何百万,何千万と儲けた人もいるのです。間違いありません。」と述べるのみで,ワラントについて何ら説明することなく勧誘を行い,また,説明書の交付も受けないままに,その言のみを信じた原告Bは本件ワラント取引を開始した。原告Bは,平成3年秋頃ワラントの問題点を指摘した新聞報道に接したときにワラントについて初めて一応の知識を得るに至ったに過ぎない。 以上から,被告担当者の原告Bに対するワラント取引の勧誘は,説明義務に違反する違法なものである。 (被告引受参加人の主張)原告Bが被告神 以上から,被告担当者の原告Bに対するワラント取引の勧誘は,説明義務に違反する違法なものである。 (被告引受参加人の主張)原告Bが被告神戸支店で初めてワラントを購入したのは,昭和62年2月27日の日本ペイントのワラントからであり,当時の被告神戸支店担当者Fは,原告Bにワラントを勧めるに当たって,ワラントの性質,権利内容,値動き,リスク,権利行使の方法,権利行使期間等を十分説明して取り引きしている。 平成3年の本件オムロンワラントの勧誘に当たっても,Gは,原告Bに対して,ワラントはハイリスク,ハイリターンであること,信用取引の追証のように値下がりしても投資金額を超えて損をすることはないことなどの他,ワラントの性質,権利内容,値動き,リスク,権利行使の方法,権利行使期間等について説明し,原告Bは,すでにワラントの商品知識を有していたので,Gの説明を十分理解していた。 さらに,三井造船ワラントの取引の際には,上記同様の説明を口頭でするほか,国内新株引受権証券取引説明書及び外国新株引受権証券取引説明書を交付し,その内容の確認を得た上で,原告Bから確認書を受領している。 ③ 不当勧誘(原告Bの主張)原告Bは,本件ワラントの購入以前のファンドによる多額の損失につきGに苦言を呈した際に,Gはこの損失を補うことができるからとワラントの危険性については全くふれず,ただワラントは短期間で必ず儲かるものであるとの断定的判断の提供,誤導表示による勧誘を執拗にしたために,原告BはGの同発言を信じて,本件ワラントの購入を承諾させられた。 (被告引受参加人の主張)原告 との断定的判断の提供,誤導表示による勧誘を執拗にしたために,原告BはGの同発言を信じて,本件ワラントの購入を承諾させられた。 (被告引受参加人の主張)原告Bは独自の相場観に基づいて取引を行ってきたのであり,Gが原告Bの損失を補うべく発言をしたことはなく,原告Bが保証金を追加しなければ信用取引を続行することが困難となったため,その回復手段の相談を受けたGが上記の説明をした上でワラント取引を勧誘したに過ぎない。 c 原告太東物産株式会社(以下,「原告太東物産」という。)の取引について① 適合性原則違反の有無(原告太東物産の主張)a 原告太東物産は平成元年7月頃から株式投資を開始したものの,現物取引に限定され,投機的かつ難解な取引をしたことはなく,そのような取引を希望したこともなかった。 b 原告太東物産は,原告太東物産代表者H(以下,「H」という。)が貿易業の片手間に原告太東物産名義での株式投資をしていたに過ぎないものであり,ワラント取引を開始したのは株式投資自体を開始して4ヶ月も経過していない平成元年11月1日であり,証券取引に関する知識はほとんど有していなかった。 cHが本件ワラント取引に投じた金員は,原告太東物産の運転資金として蓄えていた財産であり,原告太東物産にはこれ以上の資金を証券取引に充てる余裕は一切なかった。 以上から,原告太東物産は,資力・能力・意向いずれの面から見ても,ワラント取引の不適格者と言わざるを得ないことは明白であり,このような原告太東物産にワラント取引を勧誘することは,適合性原則に違反する違法なものである。 (被告引受参加人の主 見ても,ワラント取引の不適格者と言わざるを得ないことは明白であり,このような原告太東物産にワラント取引を勧誘することは,適合性原則に違反する違法なものである。 (被告引受参加人の主張)a 原告太東物産は,神戸市X区で貿易業を営む会社であって,代表者のH社長は,外国貿易を営む経済人であり,ワラントのリスクについては十分承知しており,自身の判断と指示により本件2件のワラント(全日空ワラント及び第4回神戸製鋼所ワラント)を売却しているのであって,ワラントの危険性・商品性を十分認識したうえで購入していることは明らかである。 b 原告太東物産は,旧被告との本件2件のワラント取引までに既に住友商事ワラントのほか3件のワラント取引を行っており(旧被告以外に山一証券神戸支店とも取引を行っている。),証券取引にはかなり精通しており,自らの意見をはっきり述べるタイプである(Iの後任にJを指名してくる位である。)。 ② 説明義務違反の有無(原告太東物産の主張)IがHに対し,ワラントの商品構造自体の説明やワラントのリスクの告知は全く為されておらず,「株の損を補填する。一任してください。損させるようなことは絶対にしない。」と確実に利益が得られるかのような説明のみで,ワラント取引を積極的に勧誘した。 Hは当初乗り気ではなかったものの,Iが断定的に保証したことで旧被告会社が虚偽の事実を申し向けることはないであろうと信じ,ワラント取引を開始することとした。 原告太東物産が本件ワラント取引に先立って行っていたとされる3件のワラント取引については,Iが原告太東物産の株式売却代金の預託金の中から原告太東物産に無断でワラント とした。 原告太東物産が本件ワラント取引に先立って行っていたとされる3件のワラント取引については,Iが原告太東物産の株式売却代金の預託金の中から原告太東物産に無断でワラントを購入し,原告太東物産方に「ワラント取引説明書」を持参したのみで説明をしなかったものであり,原告太東物産の意思に基づくものではない。 以上のとおり,旧被告は原告太東物産に対し説明義務を履行しない違法な勧誘行為を行ったものである。 (被告引受参加人の主張)Iは,上記ワラント取引の開始に当たり,平成元年7月27日頃,Hに対し,ワラントの商品構造及び株式より値動きが激しく,ハイリスク,ハイリターンであること等をワラント商品説明書に沿って説明し,ワラント取引を勧誘したところ,Hは興味を持ち,本件ワラント取引に先立つ同月28日に住友商事ワラントを買い付けた。旧被告は,改めて同人に対しワラントの性質,権利内容,値動き,リスク,権利行使の方法,権利行使期間等を説明するとともに,同人からワラント取引に関する確認書に記名押印を得てこれを受領したのであるから,同人はワラントの性質,リスクについて十分理解していた。 そのうえで,原告太東物産は本件ワラントに至るまでに合計3回のワラント取引を行っており,ワラント取引についての知識経験を十分有した上で,自己の責任で本件ワラント取引を行った。 ③ 不当勧誘(原告太東物産の主張)Iは原告太東物産に対し,「株の損を補填する。一任して下さい。損させるようなことは絶対にしない。」と執拗に勧誘し,証券取引法で禁止されている断定的判断の提供による勧誘及び利益保証に該当するのみならず,危険性をことさ に対し,「株の損を補填する。一任して下さい。損させるようなことは絶対にしない。」と執拗に勧誘し,証券取引法で禁止されている断定的判断の提供による勧誘及び利益保証に該当するのみならず,危険性をことさらに秘して取引をさせようと企図している点で,重要な事項につき誤解を生ぜしめる表示に該当する。 したがって,Iの本件勧誘行為は違法なものである。 (被告引受参加人の主張)原告太東物産が株式により損金を生じたのは,ワラントの購入資金として平成元年10月19日にソニー株を売却したときのみであり,本件ワラントの勧誘に当たり,Iが,「株の損を補填する。」などの発言をした事実はない。 d 原告Cの取引について① 適合性原則違反の有無(原告Cの主張)原告Cは,証券取引は敬遠していたものの,昭和63年頃から株式取引を開始したが,現物取引に限定され,投機的かつ難解な取引の経験もなく,そのような取引を希望したこともなかった。原告Cは家族で従事する酒類小売店経営の片手間に株式投資をしていたに過ぎない上,ワラント取引を開始したのは株式取引経験が1年未満で証券取引に関する知識もほとんど有していない平成元年1月18日であった。 原告Cのワラント投資資金は,原告Cの従事する酒類小売店の運転資金として蓄えていた財産であり,原告Cにはこれ以上の資金を証券取引に充てる余裕は一切なかった。 原告Cは学歴・職業からしてもワラントの危険性について何らの説明もなく理解することは不可能であり,資力・能力・意向いずれの面から見ても,ハイリスクなワラント取引の不適合者である。 旧被告担当者がこのよ もワラントの危険性について何らの説明もなく理解することは不可能であり,資力・能力・意向いずれの面から見ても,ハイリスクなワラント取引の不適合者である。 旧被告担当者がこのような原告Cに本件ワラント取引を勧めたことは,適合性の原則に違反するものである。 (被告引受参加人の主張)原告Cは,証券取引についての知識があり,青木の勧誘の話も一つ一つ良く聞くタイプの投資家であり,経済に対する十分な知識及び理解力があり,投資に関する判断がはっきりしており的確な判断のできる投資家であった。 原告Cの昭和63年9月当時の投資金額は3,000万円を超えており,年齢(51歳)や経営者であるという属性,証券投資についての理解力,判断力等からしても,原告Cはワラント取引にふさわしい投資家であったと言えるので青木がワラントの買付を勧誘したのである。 ② 説明義務違反の有無(原告Cの主張)a 原告Cは,旧被告より,そもそも原告Cに勧めるのが「ワラント」という証券であること,ワラントとは株式そのものとは全く異なるものであること,値動きも激しく高いリスクが存すること等をはじめ,権利行使期限・権利行使価格の存在,権利行使期限を経過した場合はもちろん,株価が権利行使価格を超える見込みがない場合には無価値になってしまうこと,ドル建てであること等の説明は一切なく,ワラントについての説明書も購入後にただ原告Cの下に郵送してきたのみであった。 b 原告Cは「儲かる商品があるから買い換えてほしい」とのKの勧誘についてはほとんどそのまま承諾して取引をするのが通例であり,原告Cが旧被告と取引している対象商品について,転換社債以外は全 b 原告Cは「儲かる商品があるから買い換えてほしい」とのKの勧誘についてはほとんどそのまま承諾して取引をするのが通例であり,原告Cが旧被告と取引している対象商品について,転換社債以外は全て株と思いこんでいたため,原告Cの取引銘柄がワラントであることは全く意識していなかった。 原告CはKの言うがままに内容の確認をすることもなく確認書に署名,押印するのみであった。 旧被告担当者がLに変わってからも,Kと同様,取引商品については何の説明もなく,自己の言いなりに商品取引をさせていた。 以上のとおり,旧被告担当者の原告Cに対するワラント取引の勧誘は,説明義務に違反する違法なものである。 (被告引受参加人の主張)aKは原告Cに対し,昭和63年9月19日に原告C方を訪問し,三井東圧のワラントの買付を勧誘した際,ワラント取引説明書を見せながら,ワラントの性質,権利内容,値動き,リスク,権利行使の方法,権利行使期間等を十分に説明した。 b さらに,Kは原告Cに対し「ワラント価格表」を使用して,三井東圧ワラントの権利行使価格,権利行使期間,ワラント価格,株価等を具体的に説明し,三井東圧の株価の上昇が期待できるのであれば,現物株式に投資するより投資効率の高いワラントを買い付けてはどうかとワラントの購入を勧誘した。 c 原告Cはワラントの商品性を十分理解した上,同ワラントを購入した。その後,Kは同月26日に原告C方を訪問し,再度ワラントについて説明書に沿った説明をした上で,原告Cから「ワラント取引に関する確認書」に記名捺印を受けている。 d 昭和63年11月に旧被告会社の担当者がKからLに変わり,Lが 度ワラントについて説明書に沿った説明をした上で,原告Cから「ワラント取引に関する確認書」に記名捺印を受けている。 d 昭和63年11月に旧被告会社の担当者がKからLに変わり,Lが担当後初めて神戸製鋼所ワラントの取引を勧誘するにあたっては,原告Cを訪問し,改めてワラントの性質のほか,ワラントの価格変動の激しさ,権利行使期間が経過すれば,ワラントの経済的価値はゼロになること,外国証券であるので,為替変動のリスクがあること等を説明している。 e 以上の次第であるから,原告Cは,本件各取引についてもワラントについて十分理解した上で行っていることは明白である。 f 旧被告においては平成2年1月以降,ワラントの商品性がわかりやすく記載されている「外貨建てワラント時価評価のお知らせ」と題する書面を郵送するシステムを採用し,原告Cに対しても平成2年1月31日付より3か月ごとに送付されており,原告Cはこれらの受領後もワラントの商品内容について一切異議の申し立て等をしていない。 g 原告Cは,平成3年8月28日に,ワラント時価評価及び権利行使期限等の確認書に記名押印をして旧被告に提出している。 h 平成4年5月25日に旧被告神戸支店担当者がLからYに交代する際の引継においても,原告Cはワラントについても異議を述べず,残高承認証に記名押印している。 ③ 不当勧誘(原告Cの主張)Lは原告Cに対し,「株の損を取り戻す。これからはワラントの時代だ。関東では今は皆ワラントしかやっていない。最後まで持っていれば元金は大丈夫です。投資すれば必ず儲かるから。」と断定的に保証したので,原告Cはこれを し,「株の損を取り戻す。これからはワラントの時代だ。関東では今は皆ワラントしかやっていない。最後まで持っていれば元金は大丈夫です。投資すれば必ず儲かるから。」と断定的に保証したので,原告Cはこれを信用しワラントを購入したものである。 このような勧誘は,証券取引法で禁止されている断定的判断の提供による勧誘及び利益保証に該当するのみならず,危険性をことさらに秘して取引をさせようと企図している点で,重要な事項につき誤解を生ぜしめる表示に該当する。 したがって,Lの本件勧誘行為は違法なものである。 (被告引受参加人の主張)Lは,Kからの引継の挨拶を行い,原告CからはK時代に損失の発生を経験したワラントについて何らのクレームもなく,円滑に引継が行われ,最初に神戸製鋼所ワラントを勧誘した際には,ワラントのリスクを丁寧に説明した上で,「ワラント価格表」を用い,神戸製鋼の株価の上昇が期待できる局面であることを説明した。 e 原告Dの取引について① 適合性原則違反の有無(原告Dの主張)原告Dは,通常の株式取引については,一応の知識は有しているが,仕事の片手間に行っていたものであり,ワラント取引のような投機的色彩の強い銘柄に投資したことは皆無で,証券取引の年数の割には証券取引についての知識もむしろ貧弱であり,資力・能力・意向いずれの面から見ても,ワラント取引の不適合者であることから,このような原告Dにワラント取引を勧誘することは,適合性原則に違反する違法なものである。 (被告引受参加人の主張)投資については,原告Dは全て自分の判断で行っており,注文も顧客から出すいわゆる「客注」をもっぱら 性原則に違反する違法なものである。 (被告引受参加人の主張)投資については,原告Dは全て自分の判断で行っており,注文も顧客から出すいわゆる「客注」をもっぱらとして,旧被告に対しては投資判断の参考となる情報を求めるという姿勢であった。 ② 説明義務違反の有無(原告Dの主張)a 旧被告担当者Gは原告Dに対し,ワラントが転換社債とは違って権利だけを分離させた投機性のかなりある証券であることは説明されたものの,それ以上に,ワラントの特質についての重要な説明は一切しなかった。 b 原告DがGから勧誘を受けた際に受けた説明は,「ワラントというものがあって,株よりも簡単に儲かる。」,「金利が下がるので(クレジット会社である)日本信販を買えば必ず儲かる。」,「株価は今が底だから簡単に上がる。」などと,確実に利益が得られるかのような説明を3~4分したのみであった。 cGの説明は,ワラントの商品構造に関するものは一切なく,「新株引受権」「権利行使期間」「権利行使価格」と言った言葉自体を一度も使っていない。 dGは原告Dに対し,「外国新株引受権証券取引説明書」「国内新株引受権証券取引説明書」については,購入時において何ら説明をすることなく,本件ワラント購入から相当期間経過後に一方的に送りつけてきたうえ,「確認書」については,何の説明もなく原告Dに署名捺印を求めて回収していった。 e 以上の次第であるから,旧被告担当者の原告Dに対するワラント取引の勧誘は,説明義務に違反する違法なものである。 (被告引受参加人の主張)a 平成2 e 以上の次第であるから,旧被告担当者の原告Dに対するワラント取引の勧誘は,説明義務に違反する違法なものである。 (被告引受参加人の主張)a 平成2年5月15日夜,Gが原告Dの自宅に架電し,第4回日本信販ワラントを案内した。 b そこで,ワラントについて,その性質,権利内容,値動き,リスク,権利行使の方法,権利行使期間等を説明した。 c 原告Dが同月23日に神戸支店に来店した際,今後の日本信販の株価の見通しについて説明し,ワラントについてはワラント説明書に沿って再度説明したところ,原告Dは,上記説明書の内容を確認した上,同説明書の最終頁にある「国内新株引受権証券及び外国新株引受権証券の取引に関する確認書」に署名捺印したうえ,旧被告に差し入れた。 ③ 不当勧誘(原告Dの主張)Gは原告Dに対し,上記の通り「株よりも簡単に儲かる。」等のセールス文言を用いて勧誘しているが,これは証券取引法で禁止されている断定的判断の提供による勧誘及び利益保証に該当するし,また,ハイリスクであることをことさらに秘している点で,重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示に該当することから,Gの勧誘行為は強い違法性を帯びた行為と言うべきである。 (被告引受参加人の主張)Gは,原告Dに対し,相場は戻り相場の局面であること,日本信販は株価が高値の時の半分まで下がっており,下落のリスクは少なく,金融が緩和してくれれば金融株だけに上昇率が大きいと思われ,ワラント価格も高値の時の4,5分の1と低いこと等を原告Dに説明し,20ワラントの買付を勧めたところ,原告Dは10ワラントを購入するに至った 金融が緩和してくれれば金融株だけに上昇率が大きいと思われ,ワラント価格も高値の時の4,5分の1と低いこと等を原告Dに説明し,20ワラントの買付を勧めたところ,原告Dは10ワラントを購入するに至ったものである。 f 原告Eの取引について① 適合性原則違反の有無(原告Eの主張)a 原告Eは,昭和61年春までは貯蓄の一環として株式現物取引,公社債などの手堅い取引をしたことはあったが,原告Eの取引は株式については一部上場の比較的安全な資産株銘柄を長期保有するタイプであり,自ら投資情報を積極的に集めたり求めたりするわけでもなかった。 b 昭和61年以降も,割り箸等の製造業に従事する片手間に旧被告担当者からの電話に応じて取引をするという程度であった。 c 原告Eは信用取引や先物取引といった,短期間に投資額を全損するおそれのある投機的かつ難解な取引を一切したことはなかったし,また,そのような取引を望んだこともなかった。あるいは店頭株のような投機的色彩の強い銘柄に投資したことも皆無であった。 d 原告Eは株式相場の動向については,もっぱら旧被告担当者を通じてのみ情報を得ていたものであり,取引もやはりもっぱら旧被告担当者の推奨に応じて為されていたものである。 e 原告Eは,旧被告会社との取引年数の割には,証券取引についての知識はむしろ貧弱な方であった。 f 原告Eの有していた金融資産は金3000万円程度であり,旧被告会社に預けている金員や,購入有価証券は老後資金の預金代わりという性格の金員に過ぎず,余資を証券取引に当てるといった余裕のある資力 f 原告Eの有していた金融資産は金3000万円程度であり,旧被告会社に預けている金員や,購入有価証券は老後資金の預金代わりという性格の金員に過ぎず,余資を証券取引に当てるといった余裕のある資力状態ではなかった。 以上の次第であるから,原告Eは,資力・能力・意向のいずれの面から見てもワラント取引のような仕組みが超難解でかつ投資額全額を失うおそれのある超ハイリスクな取引に耐えられるだけの適性を有していたとは到底いえない者であり,このような原告Eにワラント取引を勧誘することは,適合性原則に違反する違法なものである。 (被告引受参加人の主張)a 原告Eと旧被告間の最初のワラント取引約定は昭和61年5月9日に旧被告姫路支店において始まっており,本件青森支店でのワラント取引以前に,すでにワラント取引を経験しており,十分な知識を有していたものである。 b 原告Eは大変慎重な投資家であり,旧被告担当者が具体的な商品について勧誘する際にも,その商品内容や当該銘柄に関する情報について正確に説明しなければ,当該取引を決断することはなかった。 ② 説明義務違反の有無(原告Eの主張)a 旧被告青森支店担当者のM及び姫路支店担当者のNは原告Eに対し何一つ説明義務を尽くしていない。 bNは「最初の取引なので名刺代わりに儲けていただきます,絶対に損はさせません。」などと確実に利益が得られるかのような説明をしたのみであり,Mも「株式同様の商品であり,株が上がれば株式以上に儲かる。」などというような説明をしたのみであり,旧被告は原告Eに対し危険性の告知を全くしていない。 うな説明をしたのみであり,Mも「株式同様の商品であり,株が上がれば株式以上に儲かる。」などというような説明をしたのみであり,旧被告は原告Eに対し危険性の告知を全くしていない。 c ワラントの商品構造自体についての説明,並びに旧被告が勧めている本件ワラントは具体的にどうであるかについての説明は,いずれも両担当者からは全く何一つなされていない。 d 旧被告担当者Mは,本件ワラント取引の際,原告Eに対し確認書を徴求しているが,その際にも特にワラントの内容の説明を受けることはなく,取引の形式を整えるために,形式的に署名捺印を求められたものである。このような書類に形式的に署名捺印があることをもって,旧被告の説明義務が全うされたものとは到底いえない。 e 以上の次第であるから,旧被告担当者の原告Eに対するワラント取引の勧誘は,説明義務に違反する違法なものである。 (被告引受参加人の主張)a 原告Eの最初のワラント取引である昭和61年当時,旧被告姫路支店担当者Nは,原告Eに対し,ワラントの商品性について,その性質,権利内容,値動き,リスク,権利行使の方法,権利行使期間等の説明を慎重に行い,原告Eの理解を得た上で銘柄としての扶桑薬品の業績,内容等株価の見通しを説明した。 b 旧被告青森支店担当者Mは,昭和63年7月11日,電話により原告Eに対しワラント買付の勧誘をした際には,原告Eは既にワラント取引の経験があり,ワラントについて十分な理解があったが,慎重でかつ独自の相場観を有する投資家であり,また,旧被告青森支店における最初のワラント取引であったため,Mは改めて,原告Eに対し,ワラントの商品説明について,その性質,権利内容,値動き,リスク,権利 重でかつ独自の相場観を有する投資家であり,また,旧被告青森支店における最初のワラント取引であったため,Mは改めて,原告Eに対し,ワラントの商品説明について,その性質,権利内容,値動き,リスク,権利行使の方法,権利行使期間等の説明を行い,原告Eはこれを理解して購入した。 c 昭和61年の姫路支店での取引当時には,「ワラント取引に関する説明書」は作成されていなかったため,その確認書も交付はされていなかったものの,旧被告青森支店での取引の際には,「ワラント取引に関する説明書」が原告Eに交付され,「確認書」に原告Eが署名捺印の上,これを旧被告に交付した。 d 原告Eが購入したイトマンワラントの株価及びワラント価格が下落した際には,原告EからMにたびたび電話でワラント価格の問い合わせがあり,Mと原告Eは価格の見通しについて意見交換をするとともに,ワラント価格表に基づいてワラント価格の推移について説明した。このような経緯からしても,原告Eがワラントの商品性を理解していたことは明らかである。 ③ 不当勧誘(原告Eの主張)aNは,「最初の取引なので名刺代わりに儲けていただきます,絶対に損はさせません。」,Mも「株式同様の商品であり,株が上がれば株式以上に儲かる。」などというような説明をした上で勧誘している。 b 上記勧誘行為は証券取引法等で禁止されている断定的判断の提供による勧誘並びに利益保証による勧誘に該当する。 c また,ことによっては投資額全損を招来するにも関わらず,あたかも株式投資よりも有利であるかのように説明して勧誘しており,これはハイリスクであることを殊更に秘している点で重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示に よっては投資額全損を招来するにも関わらず,あたかも株式投資よりも有利であるかのように説明して勧誘しており,これはハイリスクであることを殊更に秘している点で重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示に該当する。 以上の点から,被告の各勧誘行為は強い違法性を帯びた行為と言える。 (被告引受参加人の主張)a 原告Eは,ワラント取引において,当初よりワラントの基本的な商品内容を十分に理解したうえでワラント取引を行っており,旧被告担当者のワラント勧誘行為には同原告主張のような違法性は全く存在しない。 b 原告Eは,Nのワラントの危険性も含めた基本的な商品内容の説明を聞いたうえで,慎重に判断し,リスクと有望性並びに扶桑薬品の業務内容及び同株の今後の見通し等についてNと意見が一致したため,同株価の上昇に期待して,同月9日に同ワラントを3ワラント,金75万6247円で買いつけたものである。 cMは,ワラントのハイリスク性に鑑み,当時,顧客にワラントを勧誘するときには,必ずワラント価格の値動きの激しさ及び権利行使期間の定めがあり,それが経過するとワラントは無価値になること,すなわち,ワラントのリスク面を必ず強調することにしていた。 (3) 原告ら主張の損害額ア原告Aについて(金825万4837円)a 日本航空ワラント買付年月日・金額平成2年 4月25日金825万4837円平成5年4月6日に行使期限を経過差引損益 △金825万4837円イ原告Bについて(金1550万6041円)a 平成5年4月6日に行使期限を経過差引損益 △金825万4837円イ原告Bについて(金1550万6041円)a オムロンワラント買付年月日・金額平成3年1月17日金1343万5500円売付年月日・金額平成3年1月18日金1401万7322円差引損益金58万1822円b 三井造船ワラント買付年月日・金額平成3年1月18日金1694万4750円売付年月日・金額平成3年2月7日金1660万3041円差引損益 △金34万1709円c 日新製鋼ワラント買付年月日・金額平成3年4月16日金1577万4375円平成8年4月18日に行使期限を経過差引損益 △金1577万4375円d 高島屋ワラント買付年月日・金額平成3年7月23日金333万5591円売付年月日・金額平成3年8月30日金335万9604円差引損益金2万4013円e 日本製鋼所ワラント買付年月日・金額平成3年7月23日金322万1287円売付年月日・金額平成3年9月6日金322万5495円差引損益 金額平成3年7月23日金322万1287円売付年月日・金額平成3年9月6日金322万5495円差引損益金4208円a~eの取引差損金1550万6041円ウ原告太東物産について(金1161万2873円)a 1回全日本空輸ワラント買付年月日・金額平成元年10月27日金864万0990円売付年月日・金額平成2年12月11日金159万6883円平成3年5月9日金4万2747円差引損益 △金700万1360円b 4回神戸製鋼所ワラント買付年月日・金額平成元年12月6日金542万6250円売付年月日・金額平成2年12月11日金81万4737円差引損益 △金461万1513円a~bの取引差損金1161万2873円エ原告Cについて(金1731万8342円)a 敷島紡績(第1回)買付年月日・金額平成元年1月18日金164万0925円売付年月日・金額平成元年2月21日金142万0333円差引損益 △金22万0592円b 住友化学(第2回)買付年月日・金額平成元年2月21日 42万0333円差引損益 △金22万0592円b 住友化学(第2回)買付年月日・金額平成元年2月21日金1709万7750円平成5年1月20日に行使期限を経過差引損益 △金1709万7750円 a~bの取引差損金1731万8342円オ原告Dについて(金141万8950円)a 日本信販ワラント買付年月日・金額平成2年5月16日金141万8950円平成5年4月6日に権利行使期限を経過差引損益 △金141万8950円取引差損金141万8950円カ原告Eについて(金1694万0482円)a 日本冶金工ワラント買付年月日・金額昭和63年7月11日金561万2820円売付年月日・金額昭和63年7月15日金632万5020円差引損益金71万2200円b イトマンワラント買付年月日・金額昭和63年9月20日金390万6420円売付年月日・金額昭和63年12月27日金529万6260円差引損益金138万9840円c 大成建設ワラント買付年月日・金額昭和63年12月22日金440万1912円 6260円差引損益金138万9840円c 大成建設ワラント買付年月日・金額昭和63年12月22日金440万1912円売付年月日・金額昭和63年12月26日金488万8697円差引損益金48万6785円d 熊谷組ワラント買付年月日・金額昭和63年12月27日金556万8862円売付年月日・金額平成元年1月27日金628万6384円差引損益金71万7522円e 日商岩井ワラント買付年月日・金額平成元年1月9日金543万7800円売付年月日・金額平成元年3月31日金631万2852円差引損益金87万5052円f 新日鐵ワラント買付年月日・金額平成元年2月8日金541万3675円売付年月日・金額平成元年3月30日金561万2823円差引損益金19万9148円gNKKワラント買付年月日・金額平成元年2月17日金560万6475円売付年月日・金額平成3年12月19日金2万3625円差引損益 △金558万2850円h 新日鐵ワラント買付年月日・金額平成元年2月17日金467万2062円売付年月日・金額平成3年12月19日金1万9688円 新日鐵ワラント買付年月日・金額平成元年2月17日金467万2062円売付年月日・金額平成3年12月19日金1万9688円差引損益 △金465万2374円i 大林組ワラント買付年月日・金額平成元年3月31日金439万5600円売付年月日・金額平成4年6月22日金1238円差引損益 △金439万4362円j 大林組ワラント買付年月日・金額平成元年3月31日金669万3300円売付年月日・金額平成4年6月22日金1857円差引損益 △金669万1443円a~jの取引差損金1694万0482円第3 当裁判所の判断 1 認定事実(1)原告Aと旧被告の取引経緯について前示「前提事実等」及び証拠(甲A第1,乙A第1,第2,第4の1ないし5,第5,第6,第8の1及び2,第9の1及び2,第10,第11,第13,第14,証人I,原告A本人)並びに弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 ア原告Aの取引経験原告Aは,平成元年当時満40歳(昭和23年3月14日生)で,神戸市立西代中学校を卒業し,昭和50年から神戸市長田区で靴の製造販売会社を営む者である(甲A第1)。 Iは,昭和62年6月頃,神戸市内の法人組織を担当して原告A方に飛び込み外交として赴いたが,原告Aと直接会うことはできずに伊藤ハムの株式に関する資料等を置いてきただけであ 甲A第1)。 Iは,昭和62年6月頃,神戸市内の法人組織を担当して原告A方に飛び込み外交として赴いたが,原告Aと直接会うことはできずに伊藤ハムの株式に関する資料等を置いてきただけであった。 原告Aは,上記資料を見て株式取引に興味を持ち,昭和62年6月26日,旧被告神戸支店に自ら赴いて取引口座を開設し,同日,約150万円で伊藤ハム株式を現物購入した。この取引が原告Aにとって最初の証券取引であった。 その後,Iは,原告A方を訪れた際に,同原告が既に口座を開設し,株式取引を開始していることを聞き及んだことから,その後は,Iが同原告の同年7月31日の転換社債,9月1日の株式の現物取引を担当した(乙A第4の1,第5,第10,第11)。 イ旧被告からのワラント取引の勧誘aIは,平成元年5月2日,預かり金額が金1000万円以上という旧被告会社内においてワラントを勧誘できる顧客の基準を満たしていた原告Aに対し,当初は電話で15分ほどかけて,株式よりも投資高率が良い商品がある,とニチメンワラントを勧誘した。 原告Aがこれを購入する意向を示したため,Iは,同日,同原告方を訪問し,価格動向を示すなどしてさらに勧誘したところ,同原告がニチメンワラントの購入を決断した。そこで,Iは,ワラント取引説明書(乙A第1,以下「説明書」という。)を示してワラントの商品性について,グラフを書くなどして約3,40分位説明した(もっとも,原告A本人は,Iが訪問した事実はなく,上記説明書も,後日郵送されてきた旨供述するが(甲A第1,原告A本人),原告Aの記憶は全体として不明確であるうえ,ワラント取引に関する確認書(乙A第2,以下「確認書」という。)の日付けが祝日を挟んで翌営業日である5月5 送されてきた旨供述するが(甲A第1,原告A本人),原告Aの記憶は全体として不明確であるうえ,ワラント取引に関する確認書(乙A第2,以下「確認書」という。)の日付けが祝日を挟んで翌営業日である5月5日付けとなっているところ,同原告の供述するように説明書が郵送されてきたもの(Iが訪問して持参したものではなく)であるとすれば,説明当日の5月2日に郵送手続きをとったとしても,休日(5月3日から5日まで)の関係で発送は5月6日となるので,5月5日に同原告のもとに届いているはずはないことなど,同原告の供述は,他の客観的証拠とも矛盾し,これをそのまま信用することはできない。)。 その際のIの商品(ワラント)説明は,説明書を用いたとはいえ,ワラント価格は,株と同様の値動きを示すものであるが,その変動幅が株のそれよりも大きいものであることを中心としたもので,権利行使期間等についての説明はなかった(この点,証人Iは,原告Aに対して,ニチメンワラントの勧誘に際し価格変動,理論価格とパリティによる価格形成,権利行使期間等の商品構造について図などを用いて詳細に説明した旨を供述するが,上記供述は,権利行使期間については,当時の残存期間が3年近くあり,ほとんど意識していなかった旨の供述に変遷していること,原告A本人は,Iの説明は一貫して,株よりも価格変動幅が大きいものであるということのみであったと供述していることに照らし,たやすく信用することができない。)。 そして,原告Aは,Iから上記説明書の交付を受けたものの,内容について確認することなく,同月5日に同原告の妻をして上記確認書に署名,押印させたうえで被告神戸支店に郵送し,同月10日頃Iに到達した。このニチメンワラントは,同年11月13日に金707万5922円で売却され,原告A となく,同月5日に同原告の妻をして上記確認書に署名,押印させたうえで被告神戸支店に郵送し,同月10日頃Iに到達した。このニチメンワラントは,同年11月13日に金707万5922円で売却され,原告Aは金22万9747円の取引差益を受けた。 b 同年12月4日にも,原告Aは,Iが日本航空ワラントの購入を電話で勧誘したのに応じてこれを購入しているが,Iは改めて詳細なワラントの商品説明をすることはなく,原告Aからも特に質問したこともなかった。 c 平成2年4月24日,原告Aは,Iからの電話により,スズキ自動車株式会社の株式は,エイズ新薬を同社が開発したとの情報があるから,すぐに株価が上がる旨の勧誘を受け,当時,原告Aが所有していた日本航空株式会社の株式を売却し,その代金でスズキ自動車株式会社の株式を購入する旨の注文をIにした。Iは,これを請けて日本航空株式会社の株を売却したが,上記情報によってスズキ自動車株式会社の株は連日のストップ高となっており,取引が成立せず,日本航空株式会社の株式も値上がり気配にあったことから,同数を買い戻すことはできなくなっていた。このことをIは翌25日,原告Aに報告するとともに,日本航空株式会社ワラント(以下「本件日本航空ワラント」という。)の購入を勧誘し,原告Aはこれに応じ購入を承諾した(なお,その際,Iは,原告Aに対し,本件日本航空ワラントの価格の見通しを示すとともに,同社の株式を購入するよりも投資高率が高いから,短期に損を取り戻すには本件ワラントが適している旨の勧誘文言を用いたであろうことは推認するに難くないが,この点につき,原告A本人の「(Iが)『ワラントは株式と同じものである。同社のワラントは間違いなく値が上がる。』との文言を用いて勧誘した。」旨の供述は,原告AがIの担当の とは推認するに難くないが,この点につき,原告A本人の「(Iが)『ワラントは株式と同じものである。同社のワラントは間違いなく値が上がる。』との文言を用いて勧誘した。」旨の供述は,原告AがIの担当のもとで既にワラント取引で損を経験していたことに照らし,たやすく信用することはできない。)。 ウワラント購入後の経過a 被告会社は,原告Aに対し,平成2年5月30日付けのものから,3か月に一回の間隔で「外貨建てワラント時価評価のお知らせ」(乙A第13)を郵送しており,これには,銘柄名,1ワラント当たりの社債額面及び通貨,ワラント数,買付時の明細と時価評価額が記載されている。 b 本件日本航空ワラントは,同年5月頃から含み損が生じる状態となり,同年8月末には金328万6238円程にまで値下がりし,その後も値下がりは続いた。これを受けて同年9月頃,Iとその上司であるZ課長は,原告Aの三光製靴に赴き,現下の相場環境と本件日本航空ワラントの見通し及び株価が戻る期待がもてることなどを説明し,同原告との話合いの結果,もう少し様子をみようということになった。その後,同年(平成2年)11月,Iが神戸支店から札幌支店に転勤になったため,後任の甲と共に原告A方に赴き,甲との引継ぎの挨拶をしたが,同原告からはとりたてて苦情などの申立てはなかった。 c 本件日本航空ワラントは,平成5年4月6日の権利行使期間の経過により無価値なものとなった。 (2)原告Bと旧被告の取引の経緯について証拠(甲C第1,第2,乙C第1ないし22,証人G,原告B本人)並びに弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 ア原告Bの取引経験a 原告Bは,平成3年当時,満56歳(昭和10年3月25日生)で,甲南大学 2,証人G,原告B本人)並びに弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 ア原告Bの取引経験a 原告Bは,平成3年当時,満56歳(昭和10年3月25日生)で,甲南大学を卒業し,昭和44年10月から日産地所株式会社の代表取締役を務めている者である(甲C第1),原告Bは,仕事の関係もあって日本経済新聞を講読していた。 原告Bは,昭和57年頃から日興證券などとの間で株式取引を始め,被告神戸支店との間で昭和61年5月に取引口座を開設して以来,旧被告との間で株式の現物取引,信用取引,店頭株式の取引,転換社債や外貨建ての投資信託のほか,昭和62年2月26日には日本ペイント株式会社ワラントの取引を行い,金250万円の利益を上げた。 その後,平成元年4月頃からは旧被告神戸支店従業員G(以下「G」という。)が同原告の担当として取引を行っていた(甲C第1,乙C第5,第11,第13)。 b 原告Bは,昭和61年5月12日に旧被告神戸支店に口座を開設してから約6か月後に,現物取引によって保護預かりにしてある株式の保管料がかからなくなること,取引の都度決済する手間が省けること,僅かな資金で取引ができる等の説明と勧誘を受け,原告Bもこれに納得して同年11月20日に日本製鋼株を買い付けたことで信用取引を開始し,同月26日に売却して金78万8721円の利益を上げた。 c 原告BがGを担当者とする取引を開始するに至った経緯については,原告Bが東レが新繊維を開発したとの記事を読み,株価も上がるのではないかと考えてGに相談したところ,Gもこれに賛同したことから,平成元年6月13日に東レ株を信用取引で購入したことに始まる。 その後は,Gが原告Bの経営する会社に赴いたり,電話 ではないかと考えてGに相談したところ,Gもこれに賛同したことから,平成元年6月13日に東レ株を信用取引で購入したことに始まる。 その後は,Gが原告Bの経営する会社に赴いたり,電話連絡をするなどして,週に2回以上の頻度でGが勧誘をし,原告Bが気に入った銘柄がある場合には買い注文が出されるという取引が続いた。 Gが担当する顧客の中で当時,信用取引を行っていた者は300人程のうち5人位であった。 原告Bは,信用取引において評価損が生じた場合に追加金を支払って売却するのではなく,買付時の値段で現物を引き取る,いわゆる現引を度々行っていたが,原告Bは,その時点での評価損を清算するいわゆる「損切」りよりも,将来の株価の上昇を期待して資金の手当てをしたうえで,現物で保有し続けることを望む傾向のある投資家であった。・d 平成2年1月中旬,ヨーロッパ市場の活性化を耳にした原告Bが,山井に良い銘柄はないかと尋ねると,Gはオーストリアエクィティファンド(以下「オーストリアファンド」という。)を海外の新規発行物として勧誘し,同月24日の約定で原告Bは,金1509万2376円でこれを購入した。 e 平成2年3月9日には,原告Bはキーエンス株を金1230万円で買い付けたことから店頭市場株式の取引を開始しており,この頃には原告Bの証券取引額は毎回数百万円以上,多いときで金1500万円を超える高額な取引となっている。 fGは,原告Bに対し,平成2年末頃から株式の信用取引やファンド以外にも短期の投機的商品としてワラントという商品があることや,その商品性を説明し,東急不動産ワラント等を勧誘していた。 翌平成3年に入るとオーストリアファンドの値が崩れ,損失も多額になっ 期の投機的商品としてワラントという商品があることや,その商品性を説明し,東急不動産ワラント等を勧誘していた。 翌平成3年に入るとオーストリアファンドの値が崩れ,損失も多額になっていたことから,原告BがGに対して苦情を述べると「ワラントでこの損失を取り戻しましょう。」とワラントの購入を勧誘された。 平成2年末から原告Bにワラントを紹介するに際し,Gは,原告廣彦に対し株式の信用取引と比較して説明し,保証金や追証が不要で投資価格の動きの大きな投資が可能であること,信用取引では損金が生じると追証を追加しなければならないが,ワラントの場合には投資金額の全損にリスクは限定されていること,外貨建てワラントには行使為替があり,為替の時価によるリスクが存在することについて説明した。また,平成3年1月16日にオムロンワラントの購入を勧誘する際にも,説明書を用いて権利行使期限が存在すること,及びギアリング効果についての説明も行ったうえで,確認書に原告Bの署名,押印を受けている(もっとも,原告Bは,このときワラントに関する知識も説明も全くなく,同原告の問い合わせに対しても,Gは「ワラントは短期勝負で,しかも絶対に儲かります。このワラント取引で短期間で何百万,何千万と儲けた人もいるのです。間違い有りません。」ということを繰り返すのみであり,ワラントという言葉は出てきたものの,その内容についての理解は一切なかったと供述する。しかしながら,上記のようなセールストークが仮にあったとしても,原告Bは,以前から信用取引を行っていて短期間の投機的商品にはリスクもまた大きいことについては十分に理解しているものと窺われること,上記ファンドで多額の損失を出しており,リスクについては敏感であったと推認されること,昭和62年には既にワラント取引の 的商品にはリスクもまた大きいことについては十分に理解しているものと窺われること,上記ファンドで多額の損失を出しており,リスクについては敏感であったと推認されること,昭和62年には既にワラント取引の経験を有すること,説明書の交付を受け,同原告が確認書に署名,押印していること等からすれば,同原告は,ワラントについて全く知識を持たないままに,前示セールストークを鵜呑みにしてワラントの商品性やリスクについて全く質問することなく信用し,金1300万円を超える商品の注文を行ったものとは到底考えられず,同原告本人の上記供述をそのまま信用することはできない。)。 h 原告Bは,上記勧誘を受け,平成3年1月17日の約定でオムロンワラントを金1343万5500円で買付け,翌18日付けで売却して金58万1822円の利益を計上するとともに,同日には三井造船ワラントを金1694万4750円で買付け,同年2月7日に売却して金34万1709円の損失を計上している。 イ旧被告からのワラント取引の勧誘平成3年4月に入っても,オーストリアファンドの価格は下落を続け,金800万円以上の損失となった。 そこで,原告Bは,Gに対し,短期間で損失を回復できる商品を要望したため,Gは,同月15日に新規発行の日新製鋼ワラントを株価の状況,パリティ,行使期限といったようなポイントを説明して勧誘した。Gの日新製鋼ワラントについての見通し等を聞いた原告Bは,同日買付の注文を出し,翌16日,日新製鋼ワラントを金1577万4375円で買いつけた。 ウワラント購入後の経過a 日新製鋼ワラントは,原告Bの購入直後には21ポイントを超えていたものが,一週間程で値下がりし始め,2か月後の6月末頃に半分の10ポイントを割り,その ウワラント購入後の経過a 日新製鋼ワラントは,原告Bの購入直後には21ポイントを超えていたものが,一週間程で値下がりし始め,2か月後の6月末頃に半分の10ポイントを割り,その後は8ポイント程を推移して再び回復することはなかった。 b 原告Bは,日新製鋼ワラントの評価損について苦言は呈したもののワラント取引を止めるのではなく,信用取引における損切りを嫌う投資傾向と同様に,行使期限まで間があるため,株価の回復を期待していた。 日新製鋼ワラントの値下がりが開始した後も,原告Bは,Gの勧誘に応じ,平成3年7月23日,高島屋ワラントを金333万5591円で,また,日本製鋼ワラントを金322万1287円で買い付け,同年9月初めにほぼ同額で売却した。 c そのほか,原告Bは,日本製鋼ワラントの評価額が判明してからも,Gを担当者として取引を継続しているが,同年9月には相場も低迷していたことから,Gに苦言を呈するようになり,Gは,被告会社営業課長O(以下「O」という。)とともに原告B方に赴き,今後は有利な商品を紹介する旨を約束した。これにより,Oの指示もあり,Gは,原告Bに対し新規公募株等を勧誘し,原告Bは,この後約1年にわたり利益を得た。 エ当事者の供述についてa 原告Bは,自己の証券取引の目的について,子供達の結婚資金等や夫婦の老後の資金を貯蓄しようという資産形成のために安定して有利な利回りのものを望んでおり,企業の将来性を買う,将来値上がりが期待できるものを買っておきたいというのが基本であって,あまりリスクの高いものは考えなかった,自ら証券取引について研究し,投機性の高い商品を扱うことは一切しておらず,各証券会社の担当者の勧めるまま堅実な取引をしていた旨の供述をする。 のが基本であって,あまりリスクの高いものは考えなかった,自ら証券取引について研究し,投機性の高い商品を扱うことは一切しておらず,各証券会社の担当者の勧めるまま堅実な取引をしていた旨の供述をする。 しかしながら,前示のとおり,原告Bは,株の現物取引のみならず,投機的色彩の高い外貨建てファンドや投資信託に加え,株式の信用取引や店頭市場の株式にも積極的に投資していること,個人名義のみならず会社名義を用いて証券取引を行い,その運用資金として借入金も存在すること,同原告の取引経過は,多いときには一週間に2回以上の売り買いを継続していることなどからすれば,,原告Bは,資産形成ではなく,むしろ熱心な投機目的であることが明らかであるから,原告Bの上記供述はたやすく信用することができない。 b 原告Bは,「国内新株引受権証券及び外国新株引受権証券の取引に関する確認書」(乙C第2),「外国証券取引口座設定約諾書」(乙C第3),「総合取引申込書」(乙C第5),「変更届」(乙C第18),「口座変更届」(乙C第19),「変更届」(乙C第20),「住所変更届」(乙C第21),「店頭取引に関する確認書」(乙C第22)中の各署名,押印のうち,「総合取引申込書」(乙C第5)のみが原告Bの署名であり,その余の署名,押印は日産地所P業務部長がG等の求めに応じて行ったものであって,同原告の署名,押印ではない旨供述する。 しかしながら,上記各書証の署名部分を相互に,また,当審における本人尋問宣誓書とも比較対照すると,その筆跡の特徴(山の第1画目,田の第1画目の特徴,同第3画目は縦棒が正しい書き順であるにもかかわらず,横棒を3画目としたうえで4画目の縦棒が5画目に続いて運筆されている点など)が酷似していることから,各署名は同一人により 画目,田の第1画目の特徴,同第3画目は縦棒が正しい書き順であるにもかかわらず,横棒を3画目としたうえで4画目の縦棒が5画目に続いて運筆されている点など)が酷似していることから,各署名は同一人によりなされたものであると認められる。 また,上記各書証に押印されている印影については,印章が原告Bの個人取引用及び会社の取引印であり,同原告の管理下にある印章であることからすれば(原告B本人),いずれも同原告により押捺されたものと推認するのが相当である(これを覆すに足りる証拠はない。)。 したがって,原告Bの上記供述も信用することができない。 (3)原告太東物産と旧被告の取引の経緯について証拠(甲D第1,乙D第1 第18,証人I,原告太東物産代表者H)並びに弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 ア原告太東物産の取引経験a 原告太東物産は,貿易業を営む株式会社であるが,代表者を務めるH以外に従業員はなく,実体は,Hの個人企業と変わらない。 bHは,昭和63年当時,満57歳(昭和5年9月6日生)で,東京商船大学航海科を卒業し,原告太東物産を経営しており,当時,原告太東物産は,高額所得法人名簿に登載され,約金5000万円から金6000万円の預金を保有していたが,証券取引の経験はなかった。 cHは,平成元年7月に被告神戸支店法人課の前示Iの勧誘により,同原告名義の法人口座を開設したことが証券取引を始める契機となった。 Iは,昭和62年5月頃から,いわゆる飛び込み外交の一環として担当地域内で高額所得法人名簿に登載されていた原告代表者H方を訪問していたが,Hは海外出張などで不在がちであり,H方には他に誰もいなかったことから,名刺 5月頃から,いわゆる飛び込み外交の一環として担当地域内で高額所得法人名簿に登載されていた原告代表者H方を訪問していたが,Hは海外出張などで不在がちであり,H方には他に誰もいなかったことから,名刺や資料を差し置いてくる程度であり,その状態は約2年程続いた。 d 平成元年7月10日頃,Iが営業のためH方を訪れると,偶然,Hと会うことができたため,積極的に株取引を開始するように勧誘した。 Hは,IがまるでHを父のように慕う熱心さと,積極的な勧誘に対し心を動かされた。 このことから,同月17日には,Iが東京放送新規公募株を「新規公募でどうですか。」などと熱心に勧誘したのに応じ,口座を開設するとともに同株式の買い注文をおこなった。 このときから始まったHの買い注文は,Iの具体的銘柄を指定した勧誘に対して,資金の手当てがつく限りにおいてIの勧めるとおりにHが承諾するというものであった。また,原告太東物産の買い注文についての決済はその都度に,殆ど全てが小切手で行われ,売り注文の決済は現金で行われていた。 e 原告太東物産が,旧被告会社を通じて証券取引を開始した以降は,旧被告会社の他に山一証券とも株式取引を開始するようになった。 イ被告からのワラント取引の勧誘a 平成元年7月27日には,Hは,住友商事ワラントを電話で勧誘し,Hがこれに買い注文を与えた。このワラント取引は,原告太東物産にとって前示の東京放送株式に続き2回目の証券取引であった。 原告太東物産に対するIの勧誘は「株と同じ。」であることと,違う点としてはワラントの価格形成構造(ポイント,株価と連動しているが変動幅はより大きいこと)が中心であり,今後の値動きについての見通しを述べるものにとどまった(も 勧誘は「株と同じ。」であることと,違う点としてはワラントの価格形成構造(ポイント,株価と連動しているが変動幅はより大きいこと)が中心であり,今後の値動きについての見通しを述べるものにとどまった(もっとも,この点につき,Iは,同日26日頃にワラント一般について,株と違い権利の売買であること,権利行使期間,パリティとプレミアム等の詳細な説明を勧誘の前日にH方に赴いて30分から40分かけて説明書に基づき図を書いて行い,その翌日に住友商事ワラントを勧誘した際にも,再び説明を加えた旨供述するが,ワラントの勧誘に行きながら,具体的な銘柄の準備をしていないことは営業方法として不自然であるばかりか,勧誘と説明に関する供述に種々変遷がみられ一貫していないことや,原告代表者の供述に照らし,証人Iの供述は,これをそのまま信用することができない。)。 bIは,翌28日,住友商事ワラントの買い注文を執行するのに必要な書類を作成するためにH方を訪れた。 このときIは,Hに対し,ワラント取引説明書に付着する確認書を切り離したうえで外国証券取引口座設定約定書を渡し,Hに署名,捺印させたうえで,これを受け取った。その際,Iから,同説明書に基づく説明はなく,「売るために必要ですから,押して下さい。」と言うので,原告代表者Hは,言われるままに社名,代表者のゴム印と代表者印を用いて記名押印をした。 c 住友商事ワラントは同年8月2日に受け渡され,旧被告会社発行の預り証がHに交付され,Hは,これに目を通したが,その記載内容についてIに質問することはなかった(なお,この点につき,Hは,銘柄,数量,価格については見たものの,行使期限は見ていない旨を供述するが,不自然であり信用することができない。)。 d 同年8月14日,同じくIの はなかった(なお,この点につき,Hは,銘柄,数量,価格については見たものの,行使期限は見ていない旨を供述するが,不自然であり信用することができない。)。 d 同年8月14日,同じくIの勧誘により,原告太東物産のソニー株買付の約定が成立した。 eIは,同年10月2日,原告太東物産に第2回旭化成ワラントの勧誘を電話で行った。 これに対し,Hは,資金がないことを告げると,Iは,住友商事ワラントの売却代金をもって,購入資金に充てるべく提案し,原告太東物産はこれに応じた。そこで,Iは,同日の約定で住友商事ワラントの売却と,第2回旭化成ワラントの買付を行い,翌3日に同原告方に赴き,住友商事ワラントの預り証に原告太東物産の記名押印を得て,これを回収し,第2回旭化成ワラントの預り証を同月5日に同人に交付した。 fIは,同月19日にはHに対し,神戸製鋼所が神戸レジャーワールド構想を発表したことで,神戸製鋼所の株式が人気となっており,株が上がるのであればワラントの方が投資効率が良いと勧めて,第5回神戸製鋼所ワラントを前示ソニー株を売却した代金で購入することを勧誘した。 この際,Iは,神戸製鋼所の含み資産,ポイント,権利行使期間を説明したが,いずれもワラント価格の推移についての参考資料という程度であり,ワラントの商品構造やリスクについての説明はなされていない。これに対し,Hが承諾したため,Iは同日の約定でソニー株の売り注文と第5回神戸製鋼所ワラントの買い注文を行った。これにより,差額の金30万7032円が現金で同月26日に出金処理された。 g 同年10月27日の約定で全日本空輸ワラントの購入がなされているが,その経過は,次のとおりである(乙D第4の1,第14,第15)① 10月2 26日に出金処理された。 g 同年10月27日の約定で全日本空輸ワラントの購入がなされているが,その経過は,次のとおりである(乙D第4の1,第14,第15)① 10月26日,神戸製鋼所ワラント売却の約定が成立した。 ② 同月26日神戸製鋼所ワラント売却手続に必要な預り証が発行された。③ 翌27日,全日本空輸ワラントの買い注文の約定が成立した。 ④ 同月31日,神戸製鋼所ワラントの売り渡しが行われ,代金のうち金8万3967円のみが現金で出金処理された。これにより,原告太東物産の口座は全日本空輸ワラントの代金相当額金864万0990円の残高となった。 ⑤ 同月31日付けで,原告太東物産の記名押印がなされた神戸製鋼所ワラントの預り証に被告神戸支店の回収済みの処理印が押捺されている。 ⑥ 同月31日付けで,受渡日を翌日の11月1日とする全日本空輸ワラントの預り証が発行されている。 ⑦ 翌11月1日,原告太東物産の口座残高の金864万0990円をもって,全日本空輸ワラントの代金決済と受渡しが行われた。 h 以上の経過と,証拠(甲D第1,乙D第18,証人I,原告太東物産代表者)を総合すると,全日本空輸ワラント購入に至る経緯について,次のとおり認められる。 ① 10月26日,Iは,ソニー株の売却益と神戸製鋼所ワラントの購入代金の差額金30万7032円を同月26日に出金処理し,原告太東物産方へ持参した。その際,Iは,当時のレジャーブームから航空会社の利用が増え,全日空の株価も上がるという見通しを示し,全日本空輸ワラントを勧誘した。しかし,Hが難色を示したので,一応利益が上がっている神戸製鋼所ワラントを売却して利益を確定させるととも ら航空会社の利用が増え,全日空の株価も上がるという見通しを示し,全日本空輸ワラントを勧誘した。しかし,Hが難色を示したので,一応利益が上がっている神戸製鋼所ワラントを売却して利益を確定させるとともに,その売却代金で全日本空輸ワラントを購入してはどうかと勧誘したところ,Hはこれを承諾した。 ② 10月31日,Iは,原告太東物産方へ神戸製鋼所ワラントの預り証と出金処理された金8万3967円を持参し,神戸製鋼所ワラントを売却し,全日本空輸ワラントの買い注文を出したことを報告したところ,原告太東物産は,Iの持参した神戸製鋼所ワラントの預り証に記名押印してこれをIに交付した。 ③ 11月2日頃,Iは,原告太東物産を訪れ,全日空ワラントの預り証をHに交付した。 ④(もっとも,原告太東物産代表者は,以上認定の経緯に反し,Iが原告太東物産の承諾もなく,全日本空輸ワラントを購入し,11月2日頃に「全日空を買いました。」と事後報告をしたのみである旨供述するが,全日本空輸ワラントの購入資金には神戸製鋼所ワラントの代金が充てられたこと,神戸製鋼所ワラントの売却に必要な預り証は10月26日に発行され,原告太東物産の署名押印がなされ,同月31日付けの回収印が存するので,この間に同原告の記名押印がなされたと認められることからすれば,遅くとも,10月31日の時点で同原告は神戸製鋼所ワラントの売却に承諾していたものと認めるのが相当であり,これに反する上記原告太東物産代表者の供述はたやすく信用することができない。)ウワラント購入後の経過a 原告太東物産に対しては,旧被告から「時価評価の外貨建てワラント時価評価のお知らせ」と題する書面が平成2年1月31日付けのものから3か月に1回の割合で郵送されている。そし 入後の経過a 原告太東物産に対しては,旧被告から「時価評価の外貨建てワラント時価評価のお知らせ」と題する書面が平成2年1月31日付けのものから3か月に1回の割合で郵送されている。そして,Hは,表面に記載の価格等は見ているものの,裏面記載のワラントの価格についての説明等は,これを読むことなく放置した。 b 原告太東物産は,Iの勧誘に応じて2銘柄程の株式の現物取引を行っているが,同年2月19日の約定による日本コンラックス株式以降は,同年12月14日まで買い注文を行っておらず,上記日本コンラックス株式は,5月30日に現物で引き出している。この頃から,同原告は,証券取引を被告会社ではなく,山一証券を中心に行うようになった。 c 同年夏頃,原告太東物産代表者Hは「外貨建てワラント時価評価のお知らせ」と題する書面を見て,保有している神戸製鋼所ワラント及び全日本空輸ワラントの価格が低下していることから,旧被告神戸支店を訪問してI及び当時の同支店営業課長Qに対し,苦情を述べたところ,I及びQは,Hに対し株価も反発する見通しであるとの見解を示し,もう少し売却を待ってみてはどうかと説明し,Hはこれに納得して従った。 d 同年9月27日,原告太東物産は,山一証券を通じて購入した大阪銀行株式1万2000株を被告神戸支店に預け入れた。 e 同年11月に,Iは,札幌支店に転勤となり,原告太東物産代表者H方に電話で転勤の挨拶をしたところ,Hは「じゃあ後任はJ君にしてくれ。」と述べ,Hの希望で担当がJ栄光となった。 f 原告太東物産の担当がJとなり,同人は,同年12月11日の約定で3銘柄の株式の現物取引を勧誘するとともに,同原告はJの勧誘により,上記神戸製鋼所25ワラント全部を金81万4737円で,また f 原告太東物産の担当がJとなり,同人は,同年12月11日の約定で3銘柄の株式の現物取引を勧誘するとともに,同原告はJの勧誘により,上記神戸製鋼所25ワラント全部を金81万4737円で,また,全日本空輸ワラントのうち35ワラントを金159万6883円で売却した。 これは,HがJに両ワラントについての見通しを尋ねたところ,Jがワラント価格の上昇が見込めないことから,「このままでは紙屑になってしまう。」と説明し,売却を勧めたことによるものである。 g 原告太東物産は,手元に残った全日本空輸1ワラントについても,平成3年5月9日,金4万2747円で売却し,これ以降,同年7月18日に預託していた株式の現物を引き出して以来,原告太東物産と旧被告との間に取引はない。 (4)原告Cと旧被告の取引の経緯について証拠(甲E第1,乙E第26,第27,証人K,同L,原告C本人)並びに弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 ア原告Cの社会的地位及び取引経験原告Cは,旧被告との間でワラント取引を開始した昭和63年9月20日当時,満51歳(昭和11年12月15日生)であり,兵庫県立神戸高等学校を卒業し,神戸市内で戦前から続く老舗の酒粕卸売業及び酒類販売業を経営していた。 同原告は,父が戦後間もなく株取引で失敗して資産を失ったことを母親から聞いており,証券取引には常にリスクが伴うものであることを十分に理解していた。 同原告は,旧被告と取引を開始する前には他の証券会社との間でも特段の証券取引の経験はなかった。 同原告は,昭和63年3月に旧被告神戸支店に取引口座を開設して以来,同年11月までは同支店従業員K(以下「K」という。)を担当者として,それ以降は同L(以下「L」と 引の経験はなかった。 同原告は,昭和63年3月に旧被告神戸支店に取引口座を開設して以来,同年11月までは同支店従業員K(以下「K」という。)を担当者として,それ以降は同L(以下「L」という。)が担当者となり,旧被告との間で株式の現物取引,ワラント取引などを行っていた。 イ旧被告からのワラント取引の勧誘並びに経過原告Cと旧被告との証券取引は,昭和63年3月29日,旧被告の担当者Kが同原告方を訪問し,太陽神戸銀行転換社債を金1000万円で買い付けたことに始まる。同原告には,昭和63年9月当時,短期投資に回すことのできる銀行借入の余剰金が金4千~5千万円程あった。旧被告の担当者Kは,昭和63年9月頃から原告Cに頻繁に電話で証券取引を勧誘するようになり,折りからの株式ブームと友人等の儲け話を聞いたことから,一流証券会社の幹部社員(課長)である担当者(K)を信用して証券取引をするようになった。 原告と旧被告との最初のワラント取引は,昭和63年9月20日の三井東圧ワラントの買い付けであり,Kは,同原告を前日に訪問し,三井東圧の株価の上昇が期待できるとして同原告に同銘柄の外貨建てワラントの買い付けを勧誘した。三井東圧ワラントは,期待に反し上昇せず,買付の一週間後に約1割の損失(金134万1478円)を出して売却したが,その後も,同原告は,別紙「ワラント取引一覧表」記載のとおり,次々とワラントの買付,売却を繰り返し,K担当時代の合計5回の取引のうち,3回は実現損失を経験した(5回の合計差引差損もマイナスである。)。 Kの後任者LがKと交替して原告Cを担当することになり,Lが昭和63年12月11日頃同原告方を訪問して第3回神戸製鋼所ワラントを勧誘し,同月12日,同原告は,これを買い付け,そ )。 Kの後任者LがKと交替して原告Cを担当することになり,Lが昭和63年12月11日頃同原告方を訪問して第3回神戸製鋼所ワラントを勧誘し,同月12日,同原告は,これを買い付け,その後も,別紙「ワラント取引一覧表」記載のとおり,Lの勧誘により敷島紡績ワラントなどを相次いで買い付けた。 ウワラント購入後の経過原告Cは,事業資金投入の必要から平成元年3月頃からLに対し,証券購入はやめて順次売却して清算するように求めた(争いがない。)。 Lはこれに応じ,同原告保有の株などを清算し始めたが,同原告は,住友化学ワラントだけは売却せず,これを保有し続けた(平成2年当時,株は下落傾向にあったが,同原告には,株はたとえ下がってもいずれは上がるという信念があった。)。住友化学ワラントについて,平成2年1,2月頃住友化学の株価が大幅に下落していたので,これを売却するか,あるいは保有し続けるかについて同原告とLとが意見交換をした結果,同ワラントの権利行使期間が平成5年1月20日まで約3年あることから,様子をみることで同原告も納得したが,その後,バブル経済が崩壊し,株価の下落とともに売却の機会が見出せないまま権利行使期間が経過するに至った。 エ当事者の供述について原告C本人は,Kの勧誘方法は,儲かる商品に買い換えるべきとの勧誘が中心で断定的に保証し(「儲かる商品がある。」「もっと上がる商品に切り換えましょう。」など。),危険性を殊更に秘して取引させようと企図するものであり,Lと替わってからも以前と同様であった旨供述する。 しかしながら,原告Cの上記供述は,これに反する証拠(証人K,同L)に照らし,そのまま信用することができない(すなわち,K,Lら担当者が,それぞれ担当 以前と同様であった旨供述する。 しかしながら,原告Cの上記供述は,これに反する証拠(証人K,同L)に照らし,そのまま信用することができない(すなわち,K,Lら担当者が,それぞれ担当交替の挨拶に原告C方を訪れた際にも,同原告から何ら異議や苦情がなかったというのであり(証人K,同L),また,同原告は,父が戦後間もなく株取引で失敗して資産を失ったことを母親から聞いており,証券取引には常にリスクが伴うものであることを十分に理解していたことが窺えるうえ,同原告自身も,旧被告との前示証券取引を通じて少なからぬ実現損失を経験しながらも,なお証券取引を相当の期間継続していることに鑑みると,仮に,上記担当者らが勧誘に際し,同原告主張のような断定的判断あるいは保証的言辞を弄したとしても,これをそのまま同原告において軽々に信用して買い付けたものとは通常考えられないからである。)。 (5)原告Dと旧被告の取引の経緯について証拠(甲F第1,第2の1ないし5,乙F第1ないし第37,証人G,原告D本人)並びに弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 ア原告Dの取引経験原告Dは,同志社大学商学部を卒業し,平成2年当時,満54歳(昭和10年1月5日生)で,ゴム軟化剤の製造販売会社の常務取締役であった(甲F第1)。 原告Dは昭和53年に父から相続により株式を取得したのを契機として株式取引を開始し,当初は三洋証券と取引をしていたが,昭和55年3月31年に旧被告神戸支店に取引口座を開設し,平成元年5月から前示Gが担当となった。 原告Dは,資産形成を目的として,日本経済新聞を購読しながら会社四季報等を参考に株式の現物取引,国債などの有価証券取引,投資信託などの取引を行う 成元年5月から前示Gが担当となった。 原告Dは,資産形成を目的として,日本経済新聞を購読しながら会社四季報等を参考に株式の現物取引,国債などの有価証券取引,投資信託などの取引を行うとともに,平成2年頃にはいわゆるホームトレーディングによる株式取引をも行う熱心さを持っていた。 原告Dは,Gが担当となってからの約1年間は取引を行わず,取引を行うようになってからも,「僕は素人なりに独自で判断をして株を売買しているんやから,あなたの勧誘は一切受けないよ。」「証券会社がオファーしてくる銘柄は,ある程度加熱感があるときで,株価も随分高いときであるから,そういうところは買いたくない。」という姿勢であった。 Gが担当となって約1年が経過した平成2年4月10日,原告Dかからの銘柄指定でCKD株,1000株,金114万3699円を買い付ける約定が成立した。 イ旧被告からのワラント取引の勧誘a 平成2年5月15日,夜8時半頃,Gは原告D方へ架電し,本件ワラント(第4回日本信販ワラント)の購入を勧誘した。その際,Gは,「日本信販株が大きく下がった後だから,仮に1割,2割上がったとしたら,ワラントの方がその2~3倍のリターンがある,これだけ下がった後でしたら2~3倍下がるリスクよりは2~3倍上がるリスクを取ってもいいんじゃないか。」との気持ちから同原告を勧誘し(証人G),日本信販ワラントの今後の見通しについて説明し,ワラントの商品性については,「行使価格という決まった価格で決まった株数を買える期限付きの権利」であり,「3年後の行使期限の時点で最悪でもゼロになるだけ。」と説明し,20ワラントで金300万円の購入を勧誘した。 b そこで,原告Dは,かねてより新聞記事や友人から 限付きの権利」であり,「3年後の行使期限の時点で最悪でもゼロになるだけ。」と説明し,20ワラントで金300万円の購入を勧誘した。 b そこで,原告Dは,かねてより新聞記事や友人から「ワラントは儲かる。」ということを耳にして興味を抱いていたこともあって,「面白そうだな,一回やってみるか。」と,日本信販ワラントの購入を承諾した。 この時点での原告Dのワラントに対する知識は,Gの勧誘文言の内容を理解していたこと,同原告は積極的な投資に対する姿勢をもっており,ワラントについての興味を従前から有していたこと,購入の翌日にはGに電話を架け,日本経済新聞に掲載されたポイントからの時価評価の概算方法を聞いてこれを理解していることから,行使期限内での新株引受権であること,株価との連動性,ギアリング効果があること,権利行使期限を徒過すれば価値はゼロになることなどについての理解があったものと認められる。 (この点につき,原告Dは,全くワラントについての具体的理解がなかった旨供述するが,上記供述は,証券会社の勧誘に対し,従来からむしろ消極的で慎重な姿勢を貫いてきた同原告が,ワラントについてのみ全く知識を持たないまま勧誘を受け入れたものとは考えられないところ,この点についての合理的説明はないこと,「新聞記事の見出しは見たが,内容は読んでいない。」旨の弁解に終始していることなどに照らして,信用することができない。)。 c さらに,原告Dは,ワラントのリスク面にも配慮し,Gの勧誘の半額,金150万円で購入できる範囲に限定し,さらに「1割でも金10万円でも利益が出たらすぐ売れ。」とGに指示を与えていた。 ウワラント購入後の経過a 原告Dの購入後,本件日本信販ワラントの買 できる範囲に限定し,さらに「1割でも金10万円でも利益が出たらすぐ売れ。」とGに指示を与えていた。 ウワラント購入後の経過a 原告Dの購入後,本件日本信販ワラントの買い気配値が,同年5月17日の16.66ポイントから,18日には16.56と,19日には15.81と下落を続け,同日の日本経済新聞に「日本信販が6割減益」との見出し記事が出ると,同社の株価とともに本件ワラント価格も急激に下落していき,22日には13.81と,そして23日には13.79ポイントとなった。 b 同月21日,Gは,日本信販ワラントの急落を受けて,原告Dに電話を架けたところ,同原告は憤慨し「何でこんな下がるものを勧めたんだ。」「お前の方で,この悪い話は知っていたんじゃないのか。」などと言い,上司に会わせろと迫った。そのため,Gは「まだ十分チャンスは出てくる。」と説明したものの,原告Dは納得しなかった。 c そこで,同月23日,原告Dは,旧被告神戸支店に赴き,Gとその上司である同支店営業課長のQに対し「こんな下がるものを買った覚えはない,このワラントを取り消せ。」などと強く苦情を述べたので,GとQは,ドルワラントハンドブックに登載の日本信販ワラントの動向を示し,「まだ(行使期限が)5年あるんだから,これは長くもちゃあ,そのうちすぐ上がりますよ。」などと見通しを伝え,原告Dに保有することを勧めた。 原告Dは,ワラント価格が株価と連動する以上,株価が上がればもとは取れると思い直し,売るつもりにはならなかった。そして「しょうがないな,自分も買ったと言ったんだから。その代わりちゃんと値動きなどもフォローしてくれよ。」と納得してこれを保有することとした。これを受けて,GとQは,同原告から,ワラント取引の た。そして「しょうがないな,自分も買ったと言ったんだから。その代わりちゃんと値動きなどもフォローしてくれよ。」と納得してこれを保有することとした。これを受けて,GとQは,同原告から,ワラント取引の説明書に付属する確認書に同原告の署名,押印を得た。 d この後,日本信販ワラントの価格は数回の反発を見たものの,原告上木の買値を上回ることはなかった。Gは,価格の反発の際に同原告に売却を勧めたこともあったが,同原告は売却損を出すことを嫌い,遂に売却するには至らなかった。 e 原告Dの下には平成2年5月31日付けから3か月に1回の割合で 「外貨建てワラント時価評価のお知らせ」と題する書面が,また,平成4年9月10日付けから3か月に1回の割合で「ワラント権利行使期間のお知らせ」と題する書面が郵送され,同原告はこれを読んでおり,平成2年7月31日から6か月に1回の割合で口座明細の報告書が郵送されるようになり,旧被告は,同原告から,これを確認した旨の同原告の署名,押印のある回答書を徴している。 f 平成4年5月には,Gが転勤となったため,Gは異動の挨拶のため原告D方を訪問し「いろいろご迷惑をおかけしてすみませんでした。」と述べた。この当時の同原告が保有する日本信販ワラントの価格は,気配値で0.01 ポイント,時価評価で金646円にまで下落していた。 エ当事者の供述について原告Dは,Gが「ワラントというものがあって,株よりも簡単に儲かる。」「金利が下がるので日本信販を買えば必ず儲かる。」などと確実に利益が得られるかのような説明をして本件ワラント(日本信販ワラント)の買付を勧誘した旨主張し,同原告本人もこれに副う供述をするが,Gの本件ワラント勧誘の方法は前示認定説示のとおりであり 」などと確実に利益が得られるかのような説明をして本件ワラント(日本信販ワラント)の買付を勧誘した旨主張し,同原告本人もこれに副う供述をするが,Gの本件ワラント勧誘の方法は前示認定説示のとおりであり(前示イa,b),証人Gの供述に照らしても,原告Dの上記供述はたやすく信用できず,他に,同原告の上記主張を認めるに足りる証拠はない。 (6)原告Eと旧被告の取引の経緯について証拠(甲H第1,第2,第3の1ないし3,乙H第1ないし第34,証人N,同M,同R,原告E本人)並びに弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 ア原告Eの取引経験a 原告Eは,平成元年当時,満59歳(昭和4年5月17日生)で,旧制姫路商業学校を卒業後,兵庫県姫路市及び青森県弘前市内において木製品製造販売業を営む者である。 b 原告Eは,昭和40年頃から神栄石野証券との間で貯蓄の一環として上場企業の指定銘柄を中心に株式現物取引,公社債,転換社債の取引を開始したが,信用取引,先物取引等の投機的取引の経験はない。 旧被告との間では昭和59年6月に旧被告姫路支店に,昭和62年4月に旧被告青森支店に,それぞれ取引口座を開設して以来,昭和61年頃から旧被告姫路支店従業員Nが,旧被告青森支店では同支店従業員のSが昭和63年3月まで,以後平成元年5月までは同支店従業員Mが,平成元年5月から同従業員Rが(以下,それぞれ「N」,「S」並びに「M」,「R」という。),それぞれ担当となり,株式の現物取引,ワラント取引等を行ってきた(各支店での取引の経過については後述する。)。 イ旧被告からのワラント取引の勧誘a 旧被告姫路支店での取引経過① 原告Eは,昭和59 等を行ってきた(各支店での取引の経過については後述する。)。 イ旧被告からのワラント取引の勧誘a 旧被告姫路支店での取引経過① 原告Eは,昭和59年6月15日,かねてより保有していたマツダ株式及び利付き電電公社債の保護預かりを依頼するため,旧被告姫路支店との間で口座を開設した。その際,現実に店頭に赴いたのは原告Eの妻であり,同原告の妻が総合取引申込書(乙H第5)に代署,捺印をした。この後,昭和61年までの間,原告Eがマツダ株を息子に譲渡するために引き出した以外には取引を行っていない。 ② 原告Eが,旧被告会社姫路支店長とゴルフコースで共にプレーをしたことを契機として,Nが昭和61年3月に姫路支店に着任後,同原告の担当となった。 原告Eは,当時2つの会社を経営し,年収が金1000万円を超すとともに,名門ゴルフコースの会員であるという資産家であった。 ③ 昭和61年4月,Nは,原告E宅を訪問し,玄関上がり口で同原告に対して着任の挨拶をするとともに,「最初の取引なので名刺代わりに何十万円か儲けていただきます。」と話し,今後は証券取引を積極的に行うよう勧誘した。 (もっとも,この点につき,証人Nは,この時,原告Eと姫路支店との初めての取引に繋がるものであったため,特に慎重にワラントの現物株式,投資信託,中期国債ファンドなども含めて商品説明を行ったと供述し,とりわけワラントについては,「ワラント及び分離型ワラント付社債について」と題する書面(乙H第32)を用いて,ワラントの意義から権利行使期間リスク,理論価値,株価との関係,投資対象としての商品性,リスク,流通価格とプレミアムの関係,外貨建てワラントについては為替リスクに と題する書面(乙H第32)を用いて,ワラントの意義から権利行使期間リスク,理論価値,株価との関係,投資対象としての商品性,リスク,流通価格とプレミアムの関係,外貨建てワラントについては為替リスクについての説明を行い,原告Eの理解が得られた旨供述する。 しかしながら,前示書面(乙H第32)は,旧被告会社営業企画部公社債部・転換社債部が発行したもので,社内限りの印が押されていることから,営業員等の教育のための内部資料であることが窺えるところ,そうだとすれば,未だ本格的な取引を開始していない顧客に対して安易に内部資料を提示することはないと考えられること,着任の挨拶をしたばかりの顧客に対し,具体的銘柄の提示もなしに,講義のような詳細な説明を行うということは不自然であって,これをそのまま信用することはできないこと,Nは,自己が行った説明内容については詳細な供述をする一方,説明した場所について,室内から玄関先へと供述内容が変遷しているうえ,しかも,玄関先の様子や立ち話か,それとも座っての話か,といった説明時の具体的状況につき記憶がない旨供述する等,原告Eの前示供述内容は,曖昧で不自然,不合理であって,信用性に乏しいものといわざるを得ない。 したがって,証人Nの上記供述は,これをそのまま信用することができない。)。 ④ Nは,昭和61年5月9日,野村證券株式と扶桑薬品ワラントを選定し,原告Eに電話でワラントの商品性,株価との連動性とギヤリング効果を説明したうえで,扶桑薬品ワラントの権利行使価格及び権利行使期限,会社業績の良さと株価の見通し等について説明し,勧誘を行ったところ,原告Eはこれを承諾し,3ワラントを金75万6247円で約定した。 (もっとも,原告Eは, 格及び権利行使期限,会社業績の良さと株価の見通し等について説明し,勧誘を行ったところ,原告Eはこれを承諾し,3ワラントを金75万6247円で約定した。 (もっとも,原告Eは,Nが同原告に対し,「絶対損はさせないから買いませんか。」などと述べるのみで,株式か債権かワラントかについての明確な説明を行っていない旨主張し,同原告本人も,これに副う供述をする。 しかしながら,原告Eは,会社経営を行いながら,これまでは他の証券会社での資産株を中心とした取引しか行ったことがなかったところ(原告E本人),初めてワラントを投資対象とし,旧被告姫路支店に口座を開設して初めて注文を出す取引であるにもかかわらず,旧被告側から明確を欠く不十分な説明を受けたのみで,承諾を与えたものとは通常考えられないところであるから,同原告の上記供述は,たやすく信用することができない。)。 ⑤ 昭和61年5月19日,約金10万円の値上がりが見られたため,Nが上記扶桑薬品ワラントの売却を勧誘したところ,原告Eは,これを承諾し,扶桑薬品3ワラントを金100万4717円で売却し,これにより金24万8470円の売却益を得た。 原告Eは,Nの言うがままに売却したところ,僅か10日間程で利益を得られたことから,Nの前示勧誘の言辞を思い出し,「さすが業界大手の野村證券(旧被告)が,必ず儲けさせると断言するだけのことはある。」と,Nを信頼するようになった。 ⑥ 原告Eは,その後も,Nの勧誘を信頼して取引を続けたものの,損益が混ざり始めるにつれてNからの勧誘も少なくなり,同原告の取引頻度は少なくなっていった。 ⑦ 昭和62年10月31日,原告EはNTT株,トヨタ自動車転換社 て取引を続けたものの,損益が混ざり始めるにつれてNからの勧誘も少なくなり,同原告の取引頻度は少なくなっていった。 ⑦ 昭和62年10月31日,原告EはNTT株,トヨタ自動車転換社債,東芝株,東洋製罐株,三井物産株を保護預かりの口座から引き出した。 b 旧被告青森支店(S担当)の取引経過① 昭和62年春,Sが原告Eの経営する青森の会社に飛び込み営業で訪問したことから開始した。 ② Sが担当している時点での原告Eの取引は,Sの電話による勧誘に対して原告Eが承諾を与え,必要書類は後日Sが届けるという形態で行われ,4月7日に東芝株式,NKK株式を買い付け,同月16日にはこれを売却し,金9万6733円の利益を上げているが,その後の同月23日に総合取引申込書に原告Eが署名,捺印し,取引口座が開設されるという順序であった(もっとも,この点につき,原告E本人は,旧被告青森支店の取引当初からMが同原告を担当していた旨供述するが,上記供述は,他の証拠(乙H第33)に照らし,信用することができない。)。 c 旧被告青森支店(M担当)の取引経過① 昭和63年3月から,原告Eの担当はMとなった。Mの担当開始時点で,同原告の取引高は約金830万円程の株式等が保護預かりとなっている状態であった。 ② 同年7月11日,Mは,原告Eに電話をかけ,鉄鋼株相場となることを理由として,日本冶金ワラントの買付を勧誘した。その際,Mは,原告Eを勧誘する電話の中で,ワラントは,値動きの激しいハイリスク・ハイリターンの商品であり,株価の上昇によって株式自体よりも値動きが激しく,投資効率が良いということ,権利行使期間が経過すると価値がなくなることを説明した(もっ ラントは,値動きの激しいハイリスク・ハイリターンの商品であり,株価の上昇によって株式自体よりも値動きが激しく,投資効率が良いということ,権利行使期間が経過すると価値がなくなることを説明した(もっとも,この点,原告E本人は,「(Mが)株が上がれば株よりもっと儲かるものがある。」と述べるのみで,ワラントについては何らの説明もなく,同原告は上記勧誘文言を妄信した旨供述するが,同原告は,当時,既にワラント取引を経験していたうえ,勧誘の対象が「日本冶金ワラント」であることを聞き知っていたこと(乙H第33,証人M)に照らして,同原告の上記供述は,これを信用することができない。)。 ③ 同日,原告Eは,上記勧誘により日本冶金ワラントを購入し,同月15日には再びMの勧めに応じてこれを売却し,金71万2200円の利益を上げている。 ④ 上記取引の後,Mは,原告E方に赴き,ワラント取引の開始に必要な説明書,確認書,外国證券取引口座設定約諾書を交付し,同原告が確認書,外国證券取引口座設定約諾書に署名押印した後,これらを旧被告青森支店に郵送した(もっとも,この点につき,証人Mは,前示日本冶金ワラントの勧誘に際し,再度,説明書に基づく説明を行った旨供述するが,同証人の供述は,原告E本人の供述に照らし,たやすく信用することができない。)。 ⑤ 9月2日,Mは同様に,「短期間で利益が出るから。」と原告義博に対し,イトマンワラントを金390万6420円で購入を勧誘し,同原告はこれを承諾した。 ⑥ Mの「短期間で利益が出る。」との言にも関わらず,購入後,数日が経過してもMからの連絡がないため,原告Eは,Mに対し数回問い合わせをしたが,これに対し,Mは,その度に,暫く時間を置いた後に価格が下落してい 短期間で利益が出る。」との言にも関わらず,購入後,数日が経過してもMからの連絡がないため,原告Eは,Mに対し数回問い合わせをしたが,これに対し,Mは,その度に,暫く時間を置いた後に価格が下落している旨を同原告に伝えるとともに,暫く売却はしない方が良いと答え,同原告もこれに従い,暫く保有することとした。 ⑦ Mは,大成建設ワラントについて,12月22日に金440万1912円での購入を,また,同月26日には金529万6260円で売却を原告Eに勧誘し,同原告は,これにそれぞれ承諾を与えたが,これにより,同原告は48万6785円の利益を上げた。 ⑧ 翌27日には,前記イトマンワラントの価格が再び上昇したため,Mの勧誘により,原告Eは,金529万6260円で売却し,金138万9840円の利益を上げるとともに,熊谷組ワラントを金556万8862円で購入した。 ⑨ その頃,原告Eは,Mの勧誘どおりの取引で利益が上がることから,Mの勧誘どおりに,投資の大部分をワラントに切り替えていった。 ⑩ 原告Eは,Mの勧誘により,平成元年1月9日,日商岩井ワラントを金543万7800円で,また,同年2月8日に新日鐡ワラントを金541万3675円で購入し,両ワラントはそれぞれ,Mの勧誘により同年1月27日,熊谷組ワラントを金628万6384円で売却し,金71万7522円の利益を得,3月30日,新日鐡ワラントを金561万2823円で売却し,金19万9148円の利益を得た。 ⑪ 2月17日には,NKKワラントを金560万6475円で,新日鐡ワラントを金467万2062円で,それぞれ購入し,3月31日には,大林組ワラントを金439万5600円及び金669万3300円の2回の取引で購入 には,NKKワラントを金560万6475円で,新日鐡ワラントを金467万2062円で,それぞれ購入し,3月31日には,大林組ワラントを金439万5600円及び金669万3300円の2回の取引で購入した。 ⑫ 原告Eは,,上記NKKワラント,新日鐡ワラント,大林組ワラントが,購入後,値下がりしたためにMに問い合わせると,待っていれば再び値上がりするとMに言われ,それを期待して様子を見ることとした。 ⑬ 5月に,Mが転勤となったため,MはRとともに原告E方に引継ぎの挨拶に訪れた。 原告Eは,上記のワラント3銘柄の評価損を気にしていたが,特に苦情をのべることもなく,残高確認書に署名,捺印してこれをMに交付した。 d 旧被告青森支店(R担当)の取引経過① 6月にRが担当となって以降は,上記ワラント3銘柄の評価損が拡大していることもあって,原告Eは,新たな買い注文を行わず,Rに対し,上記ワラント3銘柄の動向について相談すると,権利行使期間がまだ相当期間残っていることから,価格の値上がりを期待した方が良いとの結論になった。 ② 平成2年2月以降,旧被告会社では外貨建てワラントを保有する顧客に対し,「外貨建てワラント時価評価のお知らせ」と題する書面を3か月に1回送付しており,原告E方にも郵送されていた。 原告義弘は,同書面により,上記ワラント3銘柄の時価評価を知るとともに,裏面のワラントの商品性に関する説明を読み,権利行使期間の徒過により無価値となってしまうことを心配していた。 ③ 平成3年9月26日,原告Eは,保有していたキングジム転換社債の売却をかねて旧被告青森支店を訪問し,上記ワラント3 使期間の徒過により無価値となってしまうことを心配していた。 ③ 平成3年9月26日,原告Eは,保有していたキングジム転換社債の売却をかねて旧被告青森支店を訪問し,上記ワラント3銘柄の見通しについて,青森支店でR,T旧被告会社青森支店次席とともに話し合った。 Rは,権利行使期間が長期のものへと入れ替えることを提案したが,原告Eは,現在のままで少しでも良い条件で売却したいということから,これを受け入れなかった。 ④ 12月19日,上記ワラント3銘柄のポイントは,既に0.125から0.25ポイントの幅にまで下落していた。 Rは,旧被告会社のワラント最低価格が0.01ポイントに見直される予定であるため,大林組ワラントを残しての売却を提案した。 原告Eは,価値の下落が明白であるために売却を承諾し,上記ワラント3銘柄のうちNKKワラントを金2万3625円で,新日鐡ワラントを金1万9688円で売却し,両ワラント取引による金558万2850円及び金465万2374円の損失が確定した。 ⑤ 平成4年5月,Rは,転勤となったため,後任のUを連れて原告E方に挨拶に行くと,同原告は,旧被告青森支店との取引を中止したいと表明した。 ⑥ 6月10日,原告Eが,保護預かりとしていた野村證券転換社債,三井金属,川崎製鉄,NKKの現物株式を現物で返却し,同月17日には大林組ワラントを金1857円で売却資金669万1443円の損失が確定した。 2 主位的請求についての判断(1)ワラント取引一般の違法性の有無前示のワラントの特徴に見られるように(前示第2の1「前提事実等」3 ),ワラントは,複雑な価格決定の要素とハイリスク性 求についての判断(1)ワラント取引一般の違法性の有無前示のワラントの特徴に見られるように(前示第2の1「前提事実等」3 ),ワラントは,複雑な価格決定の要素とハイリスク性を有する商品ではあるが,他方,リスクは投資金額に限定されていること,ハイリターン性を有する商品であるという商品特性も認められ,これを一般投資家向けの投資商品とすることが直ちに違法と評価することはできない。そして,商法が分離型の新株引受権付き社債の発行を認め,証券取引法もワラントの取引を認めていることからすれば,証券会社が顧客に投資商品の一つとしてワラントの購入を勧誘すること自体も,その勧誘行為が社会的相当性を逸脱するものでない限りは,違法性を構成するものではないというべきである。 (2)本件原告らのワラント取引(以下「本件ワラント取引」ともいう。)は, 旧被告会社ぐるみで行った組織的詐欺といえるか。 本件ワラント取引は,株価の高騰による,いわゆるバブル景気と,その崩壊前の,旧被告証券会社の積極的勧誘態勢を契機として行われたものであることは認められるものの,前示のとおり,ワラント取引を勧誘すること自体を捉えて,これを一般に違法と評価することはできず,旧被告会社が組織的に営業戦略の一環としてワラントを投資商品として顧客に積極的勧誘を行う態勢をとったとしても,そのこと自体が直ちに詐欺を構成するものということはできない。 (3)したがって,原告らの主位的請求は理由がない。 3 予備的請求についての判断(1)本件各勧誘行為の違法性についての判断要素およそワラント取引を初めとする投資行為は,本来的に危険性を伴う取引であって,投資家が自己の資金を如何なる投資商品に,どのような見通しに基づいて投資するかは, の違法性についての判断要素およそワラント取引を初めとする投資行為は,本来的に危険性を伴う取引であって,投資家が自己の資金を如何なる投資商品に,どのような見通しに基づいて投資するかは,投資家自身の判断に委ねられているのであって,かかる判断の結果生じた損失については,その判断を行った投資家が自己責任として負担すべきことが,投資行為一般を支える原則であることはいうまでもない。したがって,投資家は,自己責任の下,自らの判断により自らの資金で各種投資商品に対して投資をするのであって,その判断の前提として,その投資対象の商品について,その商品の内容や特性その他必要と考える事項の調査をすべき責任ないし注意義務は原則として投資家自身にあるものというべきである。 しかしながら,だからといって,かかる投資家に対し証券取引を勧誘する証券会社が如何なる勧誘をしても許されるものではないことは当然であり,とりわけ,証券会社と一般投資家との間には,情報量,専門的知識,経験等において歴然とした格差が存在するのであるし,一般投資家は,かかる情報量と知識,経験こそを信頼して特定の証券会社の顧客となり,取引を開始するという関係にある以上,証券会社は「投資家の投資目的,財産状況及び投資経験等に照らして明らかに過大な危険を伴う取引を積極的に勧誘するなどして,社会的に相当性を欠く手段又は方法によって不当に当該取引への投資を勧誘することを回避すべき注意義務がある。」(東京地方裁判所平成5年5月12日判決)と解するのが相当であり,かかる注意義務に反して,証券会社又はその使用人が,顧客となった投資家の投資目的,財産状況及び投資経験等に照らして明らかに適合性を欠く取引を勧誘したり,顧客が投資の危険性を判断するのに必要な投資対象の危険性についての十分な説明をするこ その使用人が,顧客となった投資家の投資目的,財産状況及び投資経験等に照らして明らかに適合性を欠く取引を勧誘したり,顧客が投資の危険性を判断するのに必要な投資対象の危険性についての十分な説明をすることなく取引を勧誘した場合には,当該勧誘における投資家及び証券会社を取り巻く具体的事情によっては,その勧誘行為は,社会的相当性を逸脱する違法なものとして不法行為を構成する余地もあるというべきである。 以上の次第であるから,本件各勧誘行為が違法性を有するものか否かを判断するにあたっては,適合性違反の有無や説明義務違反の有無が重要な要素となり,これらの要素の判断は,各勧誘行為が社会的相当性を逸脱するものであったか否かの観点から,顧客側の事情としては,年齢,職業等の一般的能力及び投資経験の有無,種類,傾向,主体性等の投資能力,他方,証券会社側の事情としては,営業員の行った説明の方法,程度,営業姿勢や各種法規制の遵守姿勢等の具体的事情を総合考慮して判断するのが相当である。 ア適合性原則違反の有無前示のとおり,証券会社が,顧客側の事情に適合した証券取引の勧誘を行うべき注意義務に反して行った勧誘もまた,社会的相当性を逸脱する勧誘として違法なものとなり得ることからすると,証券会社が顧客を勧誘して投資を行わせるに際しては,顧客の属性,資産状態,資金の性格,投資の目的,投資経験の有無・内容等に照らして最も適合した投資勧誘を行う必要があるという適合性の原則を認めることができる。 イ説明義務違反の有無a 証券会社に営業の自由が認められるとはいえ,証券取引は,一般投資家が投資額の全てを失う危険性を孕んだ取引であることに鑑みると,証券会社は,特定の投資商品を推奨して一般投資家を勧誘するような場合には,顧客が既に 営業の自由が認められるとはいえ,証券取引は,一般投資家が投資額の全てを失う危険性を孕んだ取引であることに鑑みると,証券会社は,特定の投資商品を推奨して一般投資家を勧誘するような場合には,顧客が既に当該投資商品の取引に不可欠な商品の構造や取引価格の形成・変動の仕組み,取引による利得や損失の危険などについて十分な説明を行い,それについて顧客の理解を得たうえで,顧客自らの責任と判断で取引ができるように配慮すべき信義則上の注意義務があると解するのが相当である。 このような信義則上の注意義務として,証券会社には顧客に対する説明義務があるというべきである。 b ワラント取引における説明義務の主要な内容としては,前示のワラントの投資商品としての性格から,①ワラントが株式そのものとは異なる債券であること,②ワラント価格は,株価に基本的に連動するが,ギアリング効果により株価に較べて大きく変動するものであること,③権利行使期間が存在しその期間の経過によってワラントは無価値になることが挙げられる。 c もっとも,前示のとおり,説明義務が投資家に投資判断を的確に行わしめるべく証券会社に課せられるものであることからすれば,上記内容の抽象的説明で足りるのではなく,投資家がワラント取引に入るか否か,銘柄の選定,購入後の売却時期の判断といった,ワラント取引に伴う投資判断を行うにあたり必要な危険性の理解が可能となる程度の状況に応じた具体的説明が必要であると解するのが相当である。 d ワラント勧誘時における具体的な説明内容としては,投資商品の利点の裏面として,①ワラントの投資リスクは投資額の全損を招来する危険性があること,②株価に較べて大きい値動きを示す以上,株価が下落する局面ではより劇的な値崩れを起こす可能性があること( 投資商品の利点の裏面として,①ワラントの投資リスクは投資額の全損を招来する危険性があること,②株価に較べて大きい値動きを示す以上,株価が下落する局面ではより劇的な値崩れを起こす可能性があること(以下「価格変動リスク」という。),③権利行使期間の徒過によって,ワラントが無価値になることに加え,マイナスパリティーの状態で権利行使期間が近づくにつれて,ワラント価格は激減していく危険性(以下「権利行使期限リスク」という。)等について,顧客が安易に価格の推移を見守るのみで,上記危険性を考慮要素に入れた売却時期を見誤ることのないように,顧客が認識理解し得る程度の説明を勧誘時に行うことが必要である。 ウ不当勧誘a 原告らが主張するとおり,豊富な経験,情報,高度な専門知識を有している証券会社が虚偽の表示をする行為を,証券取引法50条1項5号,証券会社の健全性の準則等に関する省令1条1号(平成4年改正前)は禁止しており,また,証券取引法50条1項1号は,有価証券の価格が騰貴することの断定的判断を提供して勧誘する行為を禁止している。 b もっとも,これら法令,通達等は,公法上の取締法規としての性質を有するものであり,これらの目的は,証券取引市場の公正や流通の円滑にあるのであって,当該規定に違反した行為が私法上も直ちに違法無効の評価を受けるものとはいえない。 c しかしながら,これらの規定に違反して証券会社及びその従業員が具体的勧誘行為に及んだ場合,その具体的事情にっては,当該勧誘行為が社会的相当性を逸脱するものとして,私法上も違法性を有するものとなり得る余地もあると解する。 (2)原告らと旧被告の間の各取引における違法性の有無以上の説示を踏まえ,前示認定の事実関係(第3の1)に基づき,原告らと 上も違法性を有するものとなり得る余地もあると解する。 (2)原告らと旧被告の間の各取引における違法性の有無以上の説示を踏まえ,前示認定の事実関係(第3の1)に基づき,原告らと旧被告の間の各個別取引における違法性の有無につき判断する。 ア原告Aの取引についてa 適合性原則違反の有無原告Aは,前示のとおり(第3の1(1)),本件ワラント(ニチメンワラント)取引当時,40歳であり,自ら会社経営を行ってきた者であること,旧被告との間で金1000万円を超える資金を投入して現物株式の取引を行った経験もあること,日本航空ワラントの購入に至る前にも,ニチメンワラント,日本航空ワラントについてIの勧誘を受けて取引を行っており,投機的取引の経験があることなどの事情が認められるのであって,前示認定の事実関係のもとでは,このような原告Aに前示の本件ワラント取引を勧誘すること自体が,適合性原則に違反する違法なものと評することはできない。 b 説明義務違反等の有無前示認定のとおり,Iは,原告Aに対し,平成元年5月のニチメンワラントの勧誘において,電話による勧誘の際,及び同原告方を訪問して説明書に基づき勧誘を行った際のいずれにおいても,ワラントの商品説明を行っていることは認められるものの,その内容は,前示の価格変動リスクについて,ワラント価格に,より大きい投資効率を上げられるという利点の説明に尽き,ワラントの危険性については,原告Aに十分な理解を得させるものではなかったこと,さらに,原告Aがその後のワラント取引の継続を通じて,また,平成元年12月20日約定の日本航空ワラントの売却により損失を被った際の経験を通じて,ワラントの上記価格変動リスクについては一応の理解をしたことが推 原告Aがその後のワラント取引の継続を通じて,また,平成元年12月20日約定の日本航空ワラントの売却により損失を被った際の経験を通じて,ワラントの上記価格変動リスクについては一応の理解をしたことが推認されるとしても,それ以外のワラントの危険性について補充説明をした形跡は窺われないことからすれば,Iが,原告Aに対して行った説明や取引経過などを全体として検討しても,原告Aに投資リスク及び権利行使リスクについて理解させるのに必要な程度の説明が,Iによりなされたものとは認められない。 このように,ワラントのリスクについて十分な説明を行わないままなされたIの本件ワラント勧誘は,原告Aがワラント取引のリスクを認識し,投資判断を行うに当たり必要な危険性を理解しないまま同原告をしてハイリスク・ハイリターンのワラント取引を行わしめたものであるから,Iは,原告Aに対し,本件ワラントの購入を勧誘するに当たり,証券会社ないしその従業員として必要な説明を尽くすべき義務を怠ったものというべきである。 c 不当勧誘上記認定事実によれば,Iは,本件ワラントの価格が上昇するであろう見通しをもっており,同銘柄の株式に較べてワラントの方が投資効率が高い旨の勧誘言辞を用いたことが認められるが,このような言辞をもって,投資勧誘における社会的相当性を逸脱する不当な勧誘言辞であるとすることはできず,他方において,原告Aは,本件ワラント取引に先立って,平成元年12月4日に日本航空ワラントを購入し,これにより売却損を出しているのであって,遅くともこの時点ではワラントが間違いなく儲かる性質の投資商品ではないことを認識していたものと推認するのが相当であるから,こような事情のもとでは,原告Aが前示勧誘言辞を妄信して本件ワラント取引に応じたものと解 の時点ではワラントが間違いなく儲かる性質の投資商品ではないことを認識していたものと推認するのが相当であるから,こような事情のもとでは,原告Aが前示勧誘言辞を妄信して本件ワラント取引に応じたものと解することはできず,前示言辞をもって直ちに社会的相当性を逸脱する不当な勧誘がなされたものと解することはできない。 d 小括以上によれば,Iが原告Aに対して本件ワラント購入の際に行った勧誘は,不当勧誘の点はともかく,少なくとも説明義務違反の点において違法性が認められ,不法行為を構成するものというべきである。 イ原告Bの取引についてa 適合性原則違反の有無前示認定のとおり(第1の1(2)),原告Bは,本件取引開始当時56歳であり,不動産会社の代表取締役を務め,日本経済新聞を購読するなど証券取引に対する一般的能力(理解力)が十分に認められること,昭和57年頃から株式取引を開始し,旧被告との間でも株式の現物取引に加え,信用取引,店頭株式の取引,転換社債や外貨建ての投資信託の他,ワラント取引についても経験を有しているなど,投機的証券取引の経験を多く有していること,取引金額においても,金1000万円を超える投資の例が散見され,これら投資の遂行に当たっては顧客側の積極的な態度が前提とされるところ,原告Bにおいても,自ら積極的に銘柄を選定し,提案するなどの投資家としての積極的投資態度が認められるうえ,投資能力も十分認められるのであって,このような原告Bに本件ワラント取引を勧誘すること自体が,適合性原則に違反する違法なものと評することはできない。 b 説明義務違反等の有無上記認定の事実によれば,Gは,原告Bに対し平成2年末頃から短期の投機的商品として信用取引等 原則に違反する違法なものと評することはできない。 b 説明義務違反等の有無上記認定の事実によれば,Gは,原告Bに対し平成2年末頃から短期の投機的商品として信用取引等と比較してワラントの商品性について説明しており,その内容としては,①投資リスクについて,信用取引と異なり追証が生じないことを例にとり,さらに,説明書を用いたうえで,②価格変動リスクについては,信用取引同様に投資価格の動きの大きな投資が可能であることを説明し,③権利行使期限リスクが存在することについてそれぞれ説明を行っており,同原告のこれまでの取引経験や証券取引に対する積極的態度に照らすと,かかる説明によってワラントの商品性について理解し得る程度の説明が一応なされたものと認めるのが相当である。 もっとも,上記説明は,ワラントの高収益性に重きを置くものであってオーストリアファンドによって損失を被ったばかりの同原告に勧誘するについては,Gとして,ワラントの危険性,とりわけ価格変動のリスクについても十分説明し,同原告がかかる危険性を引き受けるのに必要な理解を得られたうえで初めて取引を行うべきであるにもかかわらず,その後のワラント価格の推移に見られるように,同原告がさらに損失を拡大する可能性のあることを説明せず,単に上昇面での価格変動の大きさを強調するのみで「ワラントでこの損失を取り戻しましょう。」と,かかる局面においてもなお,積極的にワラント取引を勧誘している点において,証券会社の従業員として,顧客の資産状況や価格変動状況に応じた危険性についても説明すべき義務を怠ったものというべきであり,この点において説明義務違反の違法があるというべきである。 したがって,Gが,原告Bに対して行った勧誘は,説明義務を怠った違法があるとい も説明すべき義務を怠ったものというべきであり,この点において説明義務違反の違法があるというべきである。 したがって,Gが,原告Bに対して行った勧誘は,説明義務を怠った違法があるというべきである。 c 不当勧誘Gは,原告Bに対し,本件ワラント銘柄の見通しにつき自身の見解を述べ「ワラントで損失を取り戻しましょう。」との勧誘言辞を用いたことは認められるものの,他方では,ワラントの危険性等についても一応の説明をしているのであるし,他に断定的判断の提供,誤導表示による執拗な勧誘といった不当勧誘が存在した事情が認められない本件においては,Gの前示勧誘の言辞のみを捉えて,不当勧誘があったと評することはできない。 したがって,Gの原告Bに対する前示勧誘の言辞を捉えて不当勧誘をいう同原告の主張は理由がない。 d 小括以上の次第であるから,Gが原告Bに対して行った本件ワラントの勧誘行為を考察すると,同原告に対して損失の拡大の可能性を説明すべきであるのにこれを怠り,危険性の高いワラント取引を積極的に勧誘している点において,Gの勧誘行為には社会的相当性を逸脱する違法があったものと評すべきであり,不法行為を構成するものというべきである。 ウ原告太東物産の取引についてa 適合性原則違反の有無本件ワラント(第2回旭化成ワラント)取引に先立つ平成元年7月のワラント取引開始当時は,原告太東物産にとり2回目の取引であり,それまで証券取引の経験はなかったことからすれば,第2回目の証券取引でワラントの勧誘がなされていることは,同原告のワラント取引の適合性につき疑問の余地がないではない。 しかしながら,実際に証券取引の決定を行っ たことからすれば,第2回目の証券取引でワラントの勧誘がなされていることは,同原告のワラント取引の適合性につき疑問の余地がないではない。 しかしながら,実際に証券取引の決定を行っていた代表者Hは,最初のワラント取引(住友商事ワラント)開始当時は57歳であり,高額所得法人名簿に登載された原告太東物産の経営者であること,H個人も多額の預金を保有するなど,証券取引の理解力や証券投資に充てる資産にも欠けるところはなかったこと,本件ワラント(第2回旭化成ワラント)取引に至るまでにも3回のワラント取引を経験しているうえ,証券取引に積極的な態度を示し,かつ,短期で投機的な売買を行っていることが認められるのであって,このような原告太東物産について,ワラント取引を勧誘すること自体が,適合性の原則に違反する違法なものと評することはできない。 b 説明義務違反等の有無① Iは,平成元年7月27日約定の原告太東物産の最初のワラント取引(住友商事ワラント)の勧誘に当たり,Hに対し,ワラントの価格形成構造と価格変動リスクについて説明を行ったことは認められるが,それとても価格上昇の点に比重を置いたもので,同原告に危険性を理解させ得るものではなかったこと,Iから同原告に対する説明書の交付は,上記約定の翌日に行われたものであって,少なくとも同原告が勧誘に承諾を与えた時点では,IがHに対し,ワラントの危険性につき十分な説明を行ったとは認め難い。 ② 上記住友商事ワラントの売却から,その後の同年10月2日及び19日の各約定においても,Iが原告太東物産に対し改めてワラントの危険性につき説明したような形跡は本件証拠上窺われず,このときまでに原告太東物産がワラントの値動きの激しさを経験していたとはいえ,それは,せいぜい前 おいても,Iが原告太東物産に対し改めてワラントの危険性につき説明したような形跡は本件証拠上窺われず,このときまでに原告太東物産がワラントの値動きの激しさを経験していたとはいえ,それは,せいぜい前示の価格変動リスクについてようやく理解するに至ったという程度に止まるものと考えられる。 ③ 同月27日約定の本件住友商事ワラントの勧誘及びこれに対する原告太東物産の承諾に至る経緯においても,Iが改めてワラントの危険性について同原告に説明したような形跡は,本件証拠上,これを窺うことができない。 ④ 以上の次第であるから,Iは,原告太東物産に対し,ワラント取引に必要かつ十分な説明義務を履行しないまま勧誘行為を行った違法があるというべきである。 c 不当勧誘原告太東物産の主張によれば,本件ワラントの勧誘に際し,Iは,同原告に対し,断定的判断の提供による勧誘及び利益保証及び危険性を殊更に秘して取引をさせようと企図したという点で「重要な事項につき誤解を生ぜしめる表示」に該当する違法な勧誘を行ったというのである。 しかしながら,被告からの原告太東物産に対するワラント取引の勧誘については,前示認定のとおりであり(第3の1イ),同原告の主張するようにIが「株の損を補填する。」旨発言して勧誘したこと及びこれに副う原告代表者(H)の供述は,前示認定の事実及び証人Iの供述に照らし,たやすく信用することができないし,他に同原告の上記主張を認めるに足りる証拠はない。却って,Iによる本件ワラント(第5回神戸製鋼所ワラント)取引の勧誘が行われた平成元年10月26日当時においては,前示認定のとおり(第3の13イf),株式の売却損が生じていないばかりか,むしろ,金30万7032円にのぼる売却益をIが 回神戸製鋼所ワラント)取引の勧誘が行われた平成元年10月26日当時においては,前示認定のとおり(第3の13イf),株式の売却損が生じていないばかりか,むしろ,金30万7032円にのぼる売却益をIが原告太東物産に持参していることが認められる。 他に,Iが,勧誘に際し同原告に断定的判断を提供したとか,故意に危険性を秘して取引をさせようと企図したとの事実は,これを認めるに足りる証拠はない。 d 小括以上の次第であるから,旧被告担当者Iによる勧誘行為につき,適合性の原則違反及び不当勧誘をいう原告太東物産の主張はいずれも理由がないものの,ワラントの商品構造,殊にその危険性につき取引上必要にして十分な説明をせず,本件ワラント取引を勧誘したIの勧誘行為には,説明義務を怠った違法があるものとして,不法行為を構成するものというべきである。 エ原告Cの取引についてa 適合性原則違反の有無原告Cの社会的地位及び取引経験は,前示認定のとおりであり(第3の1(4)ア),ワラント取引を開始した昭和63年9月当時,満51歳で老舗の酒類販売業の経営者であって,それまで証券取引が株取引1年未満という投資経験であったものの,父親が株取引で失敗し資産を無くしたという話を母親から聞いており,証券取引に危険が伴うものであることは十分に認識し,経済や投資に対する一般の理解力もあるうえ,当時,事業資金として銀行から借り入れた余剰金4~5千万円を有し,別紙「ワラント取引一覧表」記載のとおり,金1000万円を超える証券投資を相次いで積極的に行っており,投資に対するはっきりした信念を有するなど,かかる原告Cについて,ワラントを含む証券取引を行う一般投資家として,その適格に欠けるところはないというべ 万円を超える証券投資を相次いで積極的に行っており,投資に対するはっきりした信念を有するなど,かかる原告Cについて,ワラントを含む証券取引を行う一般投資家として,その適格に欠けるところはないというべきである。 したがって,同原告につき,証券取引の適合性原則違反を言う同原告の主張は理由がない。 b 説明義務違反等の有無前示認定の事実(第3の1(4)アないしエ)及び証拠(証人K,同L,原告C本人)並びに弁論の全趣旨によれば,原告Cの当初の担当者K及びその後任者Lは,いずれも,同原告に対し,それぞれ最初のワラント取引(昭和63年9月20日の三井東圧ワラント,同年12月12日の神戸製鋼所ワラント)を勧誘するに際し,その各取引日の前に同原告を訪問したうえ,説明書(乙E1)ないしワラント価格表(乙E29)を示して,20~30分間程,ワラントの商品構造及び危険性(ハイリスク・ハイリターンであること(価格変動リスク),権利行使期限リスク,為替変動リスク)について一応の説明をしたことが認められる。しかしながら,前示のとおりワラントは複雑かつ難解な投資商品であることから,その仕組みや危険性を20~30分間程度の説明で十分に理解することは困難であると考えられることや,その説明の重点も,セールストークの常として危険性の説明と対比し,その高収益性,有利性の説明に偏する傾向にあることに加え,現に,同原告の買い付けた住友化学ワラントについてみれば,平成2年1,2月当時,大幅に下落し,その後もバブル経済の崩壊でさらに下落傾向が続いていたというのに,同原告はこれを売却しようとせず保有し続け,遂に売却の機会を見出せないまま権利行使期間を経過して失効させていることからすれば,旧被告側担当者がワラント商品の構造,危険性につき同原告に必要 というのに,同原告はこれを売却しようとせず保有し続け,遂に売却の機会を見出せないまま権利行使期間を経過して失効させていることからすれば,旧被告側担当者がワラント商品の構造,危険性につき同原告に必要かつ十分な理解を得させる程度の説明を尽くしたかは甚だ疑わしいものといわざるを得ない。 しかも,原告Cは,旧被告と取引している対象商品が,転換社債以外は全て株と思い込んでいたので,当該商品が株ではなく,ワラントであることを知ったのは,承認書(乙E24)作成の平成4年5月21日の時点であるというのであるから(原告C本人),同原告は,ワラント商品についての担当者らの説明を殆ど理解していなかったことが窺える。 これを要するに,旧被告担当者K,Lは,勧誘時において(さらにその後においても)ワラントの投資リスク,価格変動リスクのほか,権利行使期限リスク等について,顧客(原告C)が安易に価格の推移を見守るだけで,上記危険性を考慮に入れた売却時期を見誤ることのないように,顧客(原告C)が認識し得る程度の説明を行うべき義務を怠り,これにより,同原告に損害を被らせたものであることが認められる。 c 不当勧誘原告Cは,Lが「株の損を取り戻す。」「最後まで持っていれば大丈夫です,投資すれば必ず儲かるから。」等と同原告に断定的に保証した旨主張する。 しかしながら,同原告の上記主張に副う同原告本人の供述が,そのまま信用することができないことは,前示認定説示のとおりであり(第3の1(4)エ),他に,同原告の主張を認めるに足りる証拠はない。 また,旧被告担当者K及びLが,同原告に対し,「危険性を殊更に秘しワラント取引をさせようと企図した」ことは,本件における全証拠によってもこれを 告の主張を認めるに足りる証拠はない。 また,旧被告担当者K及びLが,同原告に対し,「危険性を殊更に秘しワラント取引をさせようと企図した」ことは,本件における全証拠によってもこれを認めることができない。 したがって,上記担当者らの不当勧誘をいう原告Cの主張は理由がない。 d 小括以上の次第であるから,適合性原則違反及び不当勧誘をいう原告Cの主張は理由がないが,同原告に対して,ワラント商品構造の危険性について,必要かつ十分な説明をせず,本件ワラント取引を勧誘した上記担当者K及びLの行為は,説明義務を怠った過失が認められ,不法行為が成立するものというべきである。 オ原告Dの取引についてa 適合性原則違反の有無前示認定のとおり,原告Dは,本件ワラント(第4回日本信販ワラント)取引開始当時,満54歳であり,ゴム軟化剤の販売会社の常務取締役として勤務していたこと,昭和53年頃から,相続により株式を取得をことを契機として株式取引を開始し,資産形成を目的として,株式の現物取引に加え,国債等の有価証券取引,投資信託等の証券取引の経験があること,投資にあたっては,日本経済新聞社や会社四季報等を参考に情報を得ていたこと,平成2年頃から,いわゆるホームトレーディングに参加するなどの積極的な姿勢を示していること,旧被告神戸支店との取引を通じても独自の相場観を持ち,安易に営業員の勧誘には乗らない慎重さを示していたことなどの事情が認められるのであって,このような証券取引の一般的資格・能力及び投資能力の双方を満たす原告Dに対し,前示本件ワラントを勧誘する行為自体が適合性の原則に違反する違法なものと評することはできない。 b 説明義務違反等の有無 一般的資格・能力及び投資能力の双方を満たす原告Dに対し,前示本件ワラントを勧誘する行為自体が適合性の原則に違反する違法なものと評することはできない。 b 説明義務違反等の有無前示認定のとおり(第3の1(5)イaないしc),旧被告担当者Gは,原告Dに対し,平成2年5月15日の前示本件ワラントを勧誘するに際し,電話で第4回日本信販ワラントの価格の見通しを説明しながら,上記①投資リスク,②価格変動リスク及び③権利行使期限リスクについての一応の説明を行っていることが認められる。 もっとも,上記説明は,夜8時半という時間帯に同原告宅に架電して行われたというに止まり,説明の中心はワラントの危険性の説明では,日本信販株の動向とワラント価格についての見通しであること,また,価格変動リスクについても価格の上昇面を強調する勧誘文言を多用しているきらいがあること,これらを総合すると,原告Dは,ワラントいう商品名を既に耳にしていたとはいえ,同原告にとっては,初めて取引を開始する商品なのであるから,かかる説明のみでは上記各リスクについて,一般の投資家が投資判断を行うことが可能といえる程の具体的な理解を得るには不十分であるといわざるを得ない。そして,現に,同原告が,ワラントの商品性に関する説明資料も持たないままで,電話による勧誘に応じて承諾して前示の本件ワラントの買付約定が成立したというのであって,かかる勧誘方法だけでは,およそ証券会社の従業員として,初めての(しかも難解で複雑かつ危険性の高い商品構造を有する)ワラント取引を開始する顧客に対する説明としては,必ずしも必要かつ十分な説明義務を果たしたものと認めることは困難である。 したがって,担当者Gが,原告Dに対して行った勧誘については,説明義務に反す 始する顧客に対する説明としては,必ずしも必要かつ十分な説明義務を果たしたものと認めることは困難である。 したがって,担当者Gが,原告Dに対して行った勧誘については,説明義務に反する違法があるといわざるを得ない。 c 不当勧誘この点については,前示のとおり(b),担当者Gは,原告Dに対し,前示の本件ワラント銘柄に対し,単にその見通しについての見解を述べたに止まり,それ以上に,同原告が主張するような断定的判断の提供や誤導表示による執拗な勧誘といった不当勧誘行為がなされた事実は,本件における全証拠によっても,これを認めることができない。 d 以上の次第であるから,担当者Gが原告Dに対して行った前示の本件ワラントの勧誘行為は,前示のとおり,説明義務違反の違法は免れないものの,適合性原則に違反するとか,不当勧誘行為に該当するとまで評することはできない。 カ原告Eの取引についてa 適合性原則違反の有無前示認定の事実(第3の1(6)アイ)及びその認定に供した前掲各証拠によれば,原告Eは,ワラント取引を開始した平成元年当時,満59歳で,旧制姫路商業学校を卒業して,現在は兵庫県姫路市と青森県弘前市に木製品製造業を営む2つの会社を持つ資産家であること(昭和63年当時は家族役員の分も含めた年収は約金2000万円),昭和40年頃から株式の現物取引,公社債,転換社債などを行っており,証券取引について長年の経験と知識を有し,通常の理解力に欠けるところはなく,自分なりの相場観を持つ慎重な投資家であること,本件(日本冶金)ワラント取引以前の昭和61年5月の時点で既に旧被告姫路支店との間でワラント(扶桑薬品ワラント)の取引をした経験を有することなどの事情が認められるのであ 持つ慎重な投資家であること,本件(日本冶金)ワラント取引以前の昭和61年5月の時点で既に旧被告姫路支店との間でワラント(扶桑薬品ワラント)の取引をした経験を有することなどの事情が認められるのであって,かかる原告Eに本件(日本冶金)ワラント取引を勧誘すること自体が適合性原則に違反する違法なものであるとする原告Eの主張は理由がない。 b 説明義務違反等の有無前示のとおり,原告Eは,本件(日本冶金)ワラント取引以前にも旧被告との間でワラント取引をした経験を有するものであるところ,昭和63年7月11日,Mが原告Eに対し,本件ワラントを勧誘した際,Mは,ワラントの危険性について上記①投資リスク,②価格変動リスク,③権利行使期限リスクについて,一応の説明を行っていることなどの事情が認められる。 しかし他方,原告Eは,上記姫路支店でのワラント取引は1回のみであり,しかも担当者Nの勧誘に従って短期間で利益を得た経験を有するにすぎないこと,担当者Mにしても,電話による会話の中で説明したに止まり,その説明も投資効率が株式よりも有利である旨の勧誘文言が中心であり,危険性の説明としては不十分なものであること,ワラント取引の説明書及び確認書の徴収は本件(日本冶金)ワラントの売却終了の後に行われ,これに基づく説明はなく,取引の形式を整えるための形式的,形骸化したものであること等の事情も認められるのであって,以上を総合勘案すると,Mの本件(日本冶金)ワラントの勧誘時における説明は,前示(31イd)の①ないし③の危険性のうち,とりわけワラントの複雑な仕組みから生ずる前示③(権利行使期限リスク)について,同原告が理解し得る程度に具体的な説明がなされることが必要であるところ,かかる説明がなされたことは認められないから,Mの説 わけワラントの複雑な仕組みから生ずる前示③(権利行使期限リスク)について,同原告が理解し得る程度に具体的な説明がなされることが必要であるところ,かかる説明がなされたことは認められないから,Mの説明を同原告が一応理解し,投資判断を行うには不十分なものであったことが窺われる。 このように,ワラントのリスクについて必要かつ十分な説明を行わないままでなされた担当者Mの本件(日本冶金)ワラント勧誘が,原告Eをして投資判断を行うに当たり必要な危険性を理解しないままでハイリスク・ハイリターンのワラント取引を行わしめたのであり,原告Eとしては,ワラント価格が下落していき無価値となるまでの間,自ら一定の損を覚悟で売り出すなどの適切な投資判断を行えず,株価の回復のみを期待するMらの言葉をそのまま信ずるほかはなかったのであるから,Mは,複雑難解なワラント取引についての知識が必ずしも十分ではない原告Eに対し,本件(日本冶金)ワラントの購入を勧誘するに当たり,証券会社の従業員として必要な説明を尽くすべき義務を怠ったものといわざるを得ない。 c 不当勧誘上記認定事実のもとでは,担当者Nが原告Eに対し「最初の取引なので名刺代わりに何十万か儲けていただきます。」旨の言辞を用いて勧誘したことが窺われ,同原告がかかる勧誘により扶桑薬品ワラントで短期間荷利益を得たことが,同原告においてMを通じ被告会社に対する信頼を次第に募らせるに至ったことは否定できないものの,それ以上に,本件(日本冶金)ワラント取引の勧誘において,Mが断定的判断の提供,利益保証あるいはハイリスクであることを故意に秘して有利性のみを強調した勧誘を行ったことは,これを認めるに足りる証拠はない。 したがって,被告の勧誘行為が,強い違法性を帯びたもので 利益保証あるいはハイリスクであることを故意に秘して有利性のみを強調した勧誘を行ったことは,これを認めるに足りる証拠はない。 したがって,被告の勧誘行為が,強い違法性を帯びたもので,不当勧誘に該当する旨の原告Eの主張は理由がない。 d 小括以上の次第であるから,原告Eに対し,商品構造,とりわけワラントの権利行使期間リスクについて必要かつ十分な説明をせず,ワラント取引を勧誘したMの行為には,説明義務違反の違法があるというべきであり,不法行為を構成するものということができる。 (3)まとめこれを要するに,原告らに対し旧被告従業員らが行った各勧誘行為は,前示認定説示の限度で,違法なものであり,不法行為を構成するものというべきであるから,旧被告(ひいては被告引受参加人)は民法715条に基づきき原告らに対しその被った損害を賠償すべき義務があるというべきである。 4 原告らの損害額についてそこで,以下では,前示違法性が認められた各勧誘行為につき,これにより原告らが被った損害の額について検討する。 (1)損害額の算定方法原告らの損害額の算定に当たっては,前示「ワラント取引一般の違法性の有無」(第3の2(1))において判断したとおり,ワラントの勧誘行為自体が直ちに違法となるものでない以上,各ワラント取引は有効に成立しているものと見るべきであるから,本件違法勧誘行為による不法行為の成立の際に,ワラントの購入金額自体を損害とみるべきではなく,売却又は権利行使期間の経過によって原告と旧被告間の各ワラント取引が終了し,その時点で確定した取引差損をもって,各違法勧誘行為による原告の損害額と解するのが相当である。 (2)損益相殺ワラ 使期間の経過によって原告と旧被告間の各ワラント取引が終了し,その時点で確定した取引差損をもって,各違法勧誘行為による原告の損害額と解するのが相当である。 (2)損益相殺ワラント取引の性質は,形式的には一回性の取引であるものの,証券会社の営業態様として特定の営業員がそれぞれの顧客を担当し,各担当者は顧客に対してそれぞれのノウハウに基づく情報提供や助言,勧誘を行うことで継続的な信頼関係を築きながら,証券会社がそれぞれの顧客から注文を受けるという態様が常となっているところ,本件においても,旧被告会社の従業員が,それぞれ担当する顧客である原告らに対して,本件各ワラント取引を勧誘し,原告らがこれに応じて複数のワラント取引を行うというように,各勧誘行為に基づく複数の取引は,原告と旧被告従業員間の継続的な担当関係を基礎にした一連の継続的な社会的関係にあると認められる。 そうだとすると,ワラントの違法勧誘行為による損害額を判断するに当たっては,原告と旧被告会社従業員の担当関係に基づく勧誘として一連の連続的な関係にある限りで,各ワラント取引には実質的一体性が認められ,一連の取引から生じた損失と利益を損益相殺した結果の差引損益額を損害額とするのが相当である。 (3)原告Aの取引について原告Aが旧被告会社従業員Iの担当で勧誘を受けて行った実質的一体性の認められる一連のワラント取引は,下記のとおりであるから,原告Aの損害額は金812万9837円と認められる。 記ア第4回ニチメンワラント買付年月日・金額平成元年5月2日金684万6175円売付年月日・金額平成元年11月13日金707万5922円 回ニチメンワラント買付年月日・金額平成元年5月2日金684万6175円売付年月日・金額平成元年11月13日金707万5922円差引損益金22万9747円イ第1回日本航空ワラント買付年月日・金額平成元年12月4日金746万4975円売付年月日・金額平成元年12月20日金736万0228円差引損益 △金10万4747円ウ日本航空ワラント買付年月日・金額平成2年4月25日金825万4837円平成5年4月6日に行使期限を経過差引損益 △金825万4837円以上ア~ウの取引差損金812万9837円(4)原告Bの取引について原告Bが旧被告会社従業員Gを担当とした勧誘を受けて行った実質的一体性の認められる一連のワラント取引は下記のとおりであるから,原告Bの損害額は金1299万7954円と認められる。 記ア日本ペイントワラント買付年月日・金額昭和62年2月26日金2340万1125円売付年月日・金額昭和62年3月2日金2590万9212円差引損益金250万8087円イオムロンワラント買付年月日・金額平成3年1月17日金1343万5500円売付年月日・金額平成3年1 損益金250万8087円イオムロンワラント買付年月日・金額平成3年1月17日金1343万5500円売付年月日・金額平成3年1月18日金1401万7322円差引損益金58万1822円ウ三井造船ワラント買付年月日・金額平成3年1月18日金1694万4750円売付年月日・金額平成3年2月7日金1660万3041円差引損益 △金34万1709円エ日新製鋼ワラント買付年月日・金額平成3年4月16日金1577万4375円平成8年4月18日に行使期限を経過差引損益 △金1577万4375円オ高島屋ワラント買付年月日・金額平成3年7月23日金333万5591円売付年月日・金額平成3年8月30日金335万9604円差引損益金2万4013円カ日本製鋼所ワラント買付年月日・金額平成3年7月23日金322万1287円売付年月日・金額平成3年9月6日金322万5495円差引損益金4208円ア~カの取引差損金1299万7954円(5)原告太東物産の取引について原告太東物産が旧被告会社従業員Iの担当で勧誘を受けて行っ 08円ア~カの取引差損金1299万7954円(5)原告太東物産の取引について原告太東物産が旧被告会社従業員Iの担当で勧誘を受けて行った実質的一体性の認められる一連のワラント取引は,下記のとおりであるから,原告太東物産の損害額は金1107万7360円と認められる。 記ア 3回住友商事ワラント買付年月日・金額平成元年7月28日金610万3125円売付年月日・金額平成元年10月2日金624万8823円差引損益金14万5698円イ 2回旭化成工業ワラント買付年月日・金額平成元年10月2日金597万4312円売付年月日・金額平成元年12月6日金597万5420円差引損益金1108円ウ 5回神戸製鋼所ワラント買付年月日・金額平成元年10月19日金833万6250円売付年月日・金額平成元年10月26日金872万4957円差引損益金38万8707円エ 1回全日本空輸ワラント買付年月日・金額平成元年10月27日金864万0990円売付年月日・金額平成2年12月11日金159万6883円平成3年5月9日金4万2747円差引損益 △金700万1360円オ 4回神 59万6883円平成3年5月9日金4万2747円差引損益 △金700万1360円オ 4回神戸製鋼所ワラント買付年月日・金額平成元年12月6日金542万6250円売付年月日・金額平成2年12月11日金81万4737円差引損益 △金461万1513円ア~オの取引差損金1107万7360円(6)原告Cの取引について原告Cが旧被告会社従業員K及びLの担当で勧誘を受けて行った実質的一体性の認められる一連のワラント取引は,下記のとおりであるから,原告Cの損害額は金1560万8280円と認められる。 記ア三井東圧買付年月日・金額昭和63年9月20日金1304万5500円売付年月日・金額昭和63年9月27日金1170万4022円差引損益 △金134万1478円イ三菱マテリアル(第6回)買付年月日・金額昭和63年10月4日金282万3450円売付年月日・金額昭和63年10月17日金274万9097円差引損益 △金7万4353円ウ大阪ガス(第1回)買付年月日・金額昭和63年10月6日金1000万8750円売付年月日・金額昭和63年10月13日金1082万4387円差引 買付年月日・金額昭和63年10月6日金1000万8750円売付年月日・金額昭和63年10月13日金1082万4387円差引損益金81万5637円エ丸紅買付年月日・金額昭和63年10月13日金1926万4000円売付年月日・金額昭和63年10月17日金1989万2487円差引損益金62万8487円オ伊藤忠(第3回)買付年月日・金額昭和63年10月17日金1037万2387円売付年月日・金額昭和63年10月31日金980万5273円差引損益 △56万7114円カ神戸製鋼所(第3回)買付年月日・金額昭和63年12月12日金2887万9260円売付年月日・金額平成元年2月3日金1288万3201円平成元年2月6日金1693万6226円差引損益金94万0167円キ敷島紡績(第1回)買付年月日・金額平成元年1月18日金164万0925円売付年月日・金額平成元年2月21日金142万0333円差引損益 △金22万0592円ク神戸製鋼所(第4回)買付年月日・金額平成元年2月6日金1488万3075円売付年月日・金額平成元年2月21日金16 △金22万0592円ク神戸製鋼所(第4回)買付年月日・金額平成元年2月6日金1488万3075円売付年月日・金額平成元年2月21日金1619万1791円差引損益金130万8716円ケ住友化学(第2回)買付年月日・金額平成元年2月21日金1709万7750円平成5年1月20日に行使期限を経過差引損益 △金1709万7750円ア~ケの取引差損金1560万8280円(7)原告Dの取引について原告Dが旧被告会社従業員Gの担当で勧誘を受けて行った実質的一体性の認められる一連のワラント取引は下記のとおりであるから,原告Dの損害額は,金141万8950円と認められる。 記ア日本信販ワラント買付年月日・金額平成2年5月16日金141万8950円平成5年4月6日に行使期限を経過した。 差引損益 △金141万8950円アの取引差損金141万8950円(8)原告Eの取引について原告Eが旧被告会社従業員M及びRの担当で勧誘を受けて行った実質的一体性の認められる一連のワラント取引は,下記アのとおりであるから,同原告の損害額は,金1694万0482円と認められる。 なお,原告Eは,旧被告姫路支店において下記イの取引を行っているが,本件で原告Eが主張する ント取引は,下記アのとおりであるから,同原告の損害額は,金1694万0482円と認められる。 なお,原告Eは,旧被告姫路支店において下記イの取引を行っているが,本件で原告Eが主張するア取引とは時期において1年以上の間隔があること,場所的にも青森支店と姫路支店とは全く異なっていること,担当者についても両支店間での引継等はなく,取引開始の経緯も異なっていることから,両支店における取引をもって,これを実質的一体のある一連の取引と認めることはできず,損益相殺とはなり得ないと解するのが相当である。 ア原告Eは,旧被告青森支店M及びRの勧誘を受け,旧被告との間で下記のワラント取引を行い,これにより,合計金1694万0482円の取引差損を受けた。 記a 日本冶金工ワラント買付年月日・金額昭和63年7月11日金561万2820円売付年月日・金額昭和63年7月15日金632万5020円差引損益金71万2200円b イトマンワラント買付年月日・金額昭和63年9月20日金390万6420円売付年月日・金額昭和63年12月27日金529万6260円差引損益金138万9840円c 大成建設ワラント買付年月日・金額昭和63年12月22日金440万1912円売付年月日・金額昭和63年12月26日金488万8697円差引損益金48万6785円d 熊谷組ワラン 2円売付年月日・金額昭和63年12月26日金488万8697円差引損益金48万6785円d 熊谷組ワラント買付年月日・金額昭和63年12月27日金556万8862円売付年月日・金額平成元年1月27日金628万6384円差引損益金71万7522円e 日商岩井ワラント買付年月日・金額平成元年1月9日金543万7800円売付年月日・金額平成元年3月31日金631万2852円差引損益金87万5052円f 新日鐡ワラント買付年月日・金額平成元年2月8日金541万3675円売付年月日・金額平成元年3月30日金561万2823円差引損益金19万9148円gNKKワラント買付年月日・金額平成元年2月17日金560万6475円売付年月日・金額平成3年12月19日金2万3625円差引損益 △金558万2850円h 新日鐡ワラント買付年月日・金額平成元年2月17日金467万2062円売付年月日・金額平成3年12月19日金1万9688円差引損益 △金465万2374円i 67万2062円売付年月日・金額平成3年12月19日金1万9688円差引損益 △金465万2374円i 大林組ワラント買付年月日・金額平成元年3月31日金439万5600円売付年月日・金額平成4年6月22日金1238円差引損益 △金439万4362円j 大林組ワラント買付年月日・金額平成元年3月31日金669万3300円売付年月日・金額平成4年6月22日金1857円差引損益 △金669万1443円a~jの取引差額金1694万0482円ア,イの取引差損金1669万2012円イ原告Eは,旧被告姫路支店Nの勧誘を受け,同被告との間で,下記のワラント取引を行い,これにより金24万8470円の取引差益を得た。 記扶桑薬品ワラント買付年月日・金額昭和61年5月9日金75万6247円売付年月日・金額昭和61年5月19日金100万4717円差引損益金24万8470円 5 過失相殺について(1)過失相殺の可否ア原告らは,旧被告会社従業員による違法な勧誘に応じて行った各ワラント取引の結果,前示の各損害を被ったものであるが,証券投資を行う投資家としての自己責任の原則も (1)過失相殺の可否ア原告らは,旧被告会社従業員による違法な勧誘に応じて行った各ワラント取引の結果,前示の各損害を被ったものであるが,証券投資を行う投資家としての自己責任の原則もまた妥当するものというべきである。すなわち,投資家としては,証券会社の扱う商品には常に相当程度の危険性が伴うことを承知しているはずであり,殊に短期間に多くの利益を上げることができるような商品については,当然それだけ多くの危険が伴うものであることを理解すべきであり,このことは,本件原告らが本件各ワラント取引を行った昭和62年頃から平成3年にかけての,いわゆるバブル景気とその崩壊前後の時期という,新聞,雑誌やテレビ等のマスコミを中心として投資情報や勧誘文言が一般投資家に向けて大量に提供されていたという社会背景もあって,一般投資家も加わった投資熱の高まりによる証券取引への積極的な参加が社会風潮となると同時に,証券会社側からの勧誘も前示認定のとおり過熱化していたという気運の中にあっても,投資家として投資に参加する以上は,取引商品の仕組みやその危険性を理解するための努力もまた当然のこととして要求されることに変わりはない。 イ確かに,一般投資家が投資商品の仕組みやその危険性を理解するに際しては,証券会社と一般投資家の間に,情報量,専門的知識,経験等の大きな格差が存在することは否定し難いところであって,一方において,勧誘を行う証券会社に対して説明義務等が課せられることは前述のとおりであるが,他方において,自己の取引経験,資力や投資目的等に照らし,適切な投資商品の選択と引受可能な危険性の限度を最終的に決定できるのは投資家本人にほかならない以上,これを決定するのに必要な投資家自身の理解力を涵養するための努力として,取引商品の仕組みや危険性についての情報を 品の選択と引受可能な危険性の限度を最終的に決定できるのは投資家本人にほかならない以上,これを決定するのに必要な投資家自身の理解力を涵養するための努力として,取引商品の仕組みや危険性についての情報を自ら取得したり,あるいは証券会社に説明を求めるべきことが要請されることもまた当然である。 ウそれにもかかわらず,一般投資家が投資対象とする商品について十分理解しないまま,安易に取引を始め,さらには商品の仕組みや危険性についての情報が提供されながらも,これに注意を払わず触れようともしないというのでは,投資家に要請される努力を怠り,自らこれを放棄したものといわざるを得ない。 エそこで,本件で原告らが旧被告(ひいては被告引受参加人)に賠償を求め得る損害額を決定するに当たっては,本件ワラント取引の経過から,各原告が投資商品の仕組みやその危険性を理解するための努力を怠ったことなど一切の事情を勘案して,本件原告らの過失が損害の発生に寄与した割合を検討し,損害額から過失相殺をするのが,損害賠償法を支配する衡平の観念に照らし相当である。 (2)原告Aについてア前示のとおり,担当者Iの勧誘は違法なものではあるが,ワラント投資の適合性を具備する原告Aに対して,説明書を交付してワラントの商品性及び危険性について,不十分ながらも一応の説明を行っていること,上記説明書にはワラントの危険性についての説明がなされていること,Iには,その他の不当勧誘といった違法性の程度の高い勧誘を行った事実は認められないことなどを考慮すると,Iの勧誘行為の違法性の程度はさほど重大なものではないというべきである。 イ他方,原告Aは,会社経営者として一般人以上の経済的知識があると認められること,にもかかわらず,Iからワラントについての説明を受け,危険性 度はさほど重大なものではないというべきである。 イ他方,原告Aは,会社経営者として一般人以上の経済的知識があると認められること,にもかかわらず,Iからワラントについての説明を受け,危険性について理解できないことがあれば自ら質問するなど,積極的に努力をした形跡が窺えないこと,Iが開陳した相場の見通しなど安易に受け入れてこれを信用し,値動きの大きさについて上昇面にしか関心を寄せなかったこと,前示の本件ワラントが値崩れを起こしてからも,損失に目を奪われ,これを食い止めるために売却すべき時期を逃していること,平成2年11月以降,権利行使期間の満了までの2年以上の間,危険性を認識しながらも損失を回避するための適切な措置を講ずることなく,前示本件ワラントをそのまま放置していたことなどを勘案すると,前示の本件ワラントにより被った損害の発生自体及びその拡大にも寄与した原告Aの過失は大きいものと認めざるを得ない。 ウそうだとすると,前示の本件ワラント購入による前示損害額(金812万9837円)の発生には,原告Aの過失が大きく寄与したものというべきであり,前示のとおりの本件ワラント取引の経過,その他本件に顕われた一切の事情を総合勘案すると,過失相殺として考慮すべき原告Aの過失割合は,これを6割と認め,前示損害額(金812万9837円)からこれを控除した残額である金325万1935円(円単位未満四捨五入)をもって,同原告の認容損害額と認めるのが相当である。 (3)原告Bについてア前示のとおり,担当者Gの勧誘は違法なものではあるが,Gは,ワラント投資の適合性要件を十分に充足する原告Bに対して,事後的ではあるがワラント商品説明書を用いて,同原告が取引経験のある信用取引と比較したうえでワラントの商品性について再度の説明を行い, Gは,ワラント投資の適合性要件を十分に充足する原告Bに対して,事後的ではあるがワラント商品説明書を用いて,同原告が取引経験のある信用取引と比較したうえでワラントの商品性について再度の説明を行い,同原告もワラント取引の確認書に記名押印していること,前示説明書にはワラントの危険性について理解するに必要な説明が一応なされていること,担当者Iにも,説明義務を十分尽くさなかったという他には,不当勧誘といったような違法性の程度の高い勧誘を行ったという事実までは認められないことなどを考慮すると,その違法性の程度はさして重くはないものというべきである。 イ他方,原告Bは,これまでに十分な投機的取引の経験があり,一般人のレベル以上の投資能力や経済人としての経済的合理的な判断能力を有していたことが窺えること,そもそも投機性の高い外貨建てファンドで生じた損失の補填に目を奪われ,安易に多額の資金をワラントに注入していること,担当者Gによる一応の説明を受けているものの,もし,自己の甘受し得る投資リスクについての理解が不十分であったとすれば,Gに説明を求め,さらにはより安全な商品の選定を求めることが容易にできたにもかかわらず,これを怠って投機性の高いワラント取引の勧誘に応じて安易に承諾を与えていること,前示の本件ワラント取引の中でも,損失の拡大しない時期に売却処分することで損失の発生・拡大を防止することが可能であった銘柄が存在しているにもかかわらず,とりわけ,日新製鋼ワラントについては,同原告の損切りを嫌う投資傾向が災いして,売却を見送り,ワラントの価格変動の大きさに由来する危険性を認識しながら,敢えてこれをそのまま放置していたこと等の事情を勘案すると,本件損害の発生及び拡大に寄与した同原告の過失は極めて重大であるというべきである。 ウそうだと さに由来する危険性を認識しながら,敢えてこれをそのまま放置していたこと等の事情を勘案すると,本件損害の発生及び拡大に寄与した同原告の過失は極めて重大であるというべきである。 ウそうだとすると,本件ワラント購入による前示損害額(金1299万7954円)の発生には,原告Bの過失が寄与するところは極めて大きいものがあるというべきであり,上記のような前示の本件ワラント取引の経過,その他本件に顕われた一切の事情を総合斟酌すると,過失相殺として考慮すべき原告Bの過失割合は,これを9割と認め,前示損害額(金1299万7954円)からこれを控除した残額である金129万9795円(円単位未満四捨五入)をもって,同原告の認容損害額と認めるのが相当である。 (4)原告太東物産についてア前示のとおり,担当者Iの勧誘行為は違法なものというべきであるが,原告太東物産は,会社経営者として通常人の一般レベル以上の社会的判断力,経済的知識を有する者であることが窺えるところ,Iの熱心な勧誘に心を動かされたとはいえ,あたかも自らの投資判断に基づく決定権をほぼ放棄したかの如く,資金手当てがつく限り,Iの勧誘するとおりに買付,売付を承諾するという,軽率な投資姿勢で臨んでいたこと,前示の本件ワラントが原告太東物産にとって株式の現物取引に続く2回目の証券取引である以上,Iに対してワラントの商品性や危険性について,少なくとも自己の経験を有する株式現物取引との相違については,その認識,理解が十分でなければ納得するまで説明を求め,あるいは質問するなどしてこれを理解するよう努力すべきであるにもかかわらず,安易にIの勧誘文言を鵜呑みにするのみでこれを十分理解しようとする積極的努力を怠っていたこと,Iから交付を受けた説明書に基づき,詳しく説明を受けていないというのであ う努力すべきであるにもかかわらず,安易にIの勧誘文言を鵜呑みにするのみでこれを十分理解しようとする積極的努力を怠っていたこと,Iから交付を受けた説明書に基づき,詳しく説明を受けていないというのであるから,その記載内容について口頭で分かり易く説明するよう求め,あるいは自ら質問するなどして,その内容を認識,把握し確認すべきであるにもかかわらず,これを怠り,Iの言うままに確認書に記名押印してこれを差し入れていること,前示説明書や旧被告から送付された外貨建てワラント時価評価のお知らせなどの各種書類には,ワラントの危険性や商品内容について一応の説明がされているのであるから,同原告においてこれに目をとおして理解しようとすれば,その危険性等につきある程度の理解は可能であったものと考えられるところ,これら書類に特段の注意を払うことなく放置し,これを理解する努力を怠っていたものであるから,かかる同原告側の投資姿勢などを勘案すると,本件損害の発生・拡大につき,原告太東物産の過失が寄与した程度は少くないものといわざるを得ない。 イそうだとすると,前示の本件ワラント購入による上記損害額(金1107万7360円)の発生には同原告の過失も寄与しているところ,前示のような同原告と旧被告との間の本件ワラント取引の経過,その他本件に顕われた一切の事情を総合勘案すると,過失相殺として考慮すべき原告太東物産の過失割合は,これを5割と認め,同原告の前示損害額(金1107万7360円)からこれを控除した残額である金553万8680円をもって,同原告の認容損害額と認めるのが相当である。 (5)原告Cについてア前示のとおり,担当者K及びLの勧誘行為は違法と評価されるものではあるが,ワラント投資の適合性に欠けるところはないと認められる原告Cに対して,旧被告側か ある。 (5)原告Cについてア前示のとおり,担当者K及びLの勧誘行為は違法と評価されるものではあるが,ワラント投資の適合性に欠けるところはないと認められる原告Cに対して,旧被告側から,ワラント説明書が交付されてワラントの商品性(仕組みや構造)やその危険性について不十分ながらもある程度の説明がなされていること,前示説明書にはワラントの危険性についても分かりやすく説明されていること,Iには,前示の十分な説明義務を怠った過失はあるものの,それ以上に同原告が主張するような不当勧誘と評するような違法性の程度の高い勧誘行為を行った事実は,これを認めることができないことなどを勘案すると,前示勧誘行為の違法性の程度は,これをさほど重大視するには当たらないものというべきである。 イ他方,原告Cは,旧被告に対し,「ワラント取引に関する確認書」(乙E第2)や残高「承認書」(乙E第24」に記名押印してこれらを旧被告に差し入れていること,旧被告から同原告に対し,ワラントの商品性が分かり易く記載されている「外貨建てワラント時価評価のお知らせ」と題する書面が平成2年1月31日付から3か月毎に郵送されていること(乙E第11ないし23),前示のとおり,平成2年当時及びその後もバブル経済の崩壊で株価は下落傾向の一途を辿っているのに,同原告は住友化学ワラントを売却せず,「株はたとえ下がってもいずれは上がる。」という信念のもとに,これを保有し続け,遂に売却の機会を見出せないまま権利行使期間が経過して失効させていること等の事情が認められ,これらの事情を総合勘案すると,本件損害の発生及び拡大につき同原告側の過失が相当程度寄与しているものというべきである。 ウそうだとすると,前示の本件ワラント購入による原告Cの前示損害額(金1560万8280円)の ると,本件損害の発生及び拡大につき同原告側の過失が相当程度寄与しているものというべきである。 ウそうだとすると,前示の本件ワラント購入による原告Cの前示損害額(金1560万8280円)の発生には同原告の過失も相当寄与しているものというべきであるから,前示認定の本件ワラント取引の経過,その他本件に顕われた一切の事情を総合勘案すると,過失相殺として考慮すべき原告Cの過失割合は,これを7割と認め,同原告の前示損害額(金1560万8280円)からこれを控除した残額である金468万2484円をもって,同原告の認容損害額と認めるのが相当である。 (6)原告Dについてア前示のとおり,担当者Gの勧誘行為は違法なものというべきであるが,原告Dは,同志社大学商学部を最終学歴とし,当時,満54歳で販売会社の常務取締役であり,投機的な証券取引の経験もあり,独自の相場観を持ち,研究心旺盛で投資に積極的姿勢を示し,ワラント取引の適合性も十分に兼ね備えていたというのであり,Gは,かかる原告Dに対し,ワラントの商品性及び危険性について不十分ながらも説明をしていること,取引後に交付されたとはいえ,ワラント取引説明書にはワラント取引の危険性についても説明されていること,担当者Iについても,Gと同様に,不当勧誘といった違法性の程度の高い勧誘行為をした事実は認められないというのであるから,かかる事情を考慮すると,同原告に対する旧被告側の勧誘行為の違法性の程度は,さほど重大なものではなかったものというべきである。 イ他方,原告Dは,友人から聞いた「ワラントは儲かる。」という情報などで興味を持ったとはいえ,初めてワラント取引を開始するのであるから,ワラントの商品性,危険性について十分理解し,不明な部分については担当者に質問し,納得するまで口頭説明 ントは儲かる。」という情報などで興味を持ったとはいえ,初めてワラント取引を開始するのであるから,ワラントの商品性,危険性について十分理解し,不明な部分については担当者に質問し,納得するまで口頭説明を求めるなど,これを理解するように努めるべきであるのに,これを怠り,Gの勧誘に応じて軽率に承諾を与えていること,同原告は,一方ではワラントの自己の投資リスクを金150万円に限定し,利益が出た場合には売却する旨の指示を与え,さらには,ワラント価格を算定できるように時価評価の概算方法を聞き,これをある程度理解していたというのであるから,そのような原告Dの投資態度からすれば,一旦ワラント価格が下落を始めた際には,直ちに売却するなどの損失回避の措置を講ずるべきであり,かつ,そのような判断や指示をすることが同原告にとって,さして困難ではなかったと考えられるところ,同原告は損が確定すること(損切り)を嫌い,Gら担当者に保有を勧められた際にも,自ら「しようがないな,自分も買ったと言ったんだから。その代わりちゃんと値動きなどもフォローしてくれよ。」と述べて,これを漫然と保有し続けて売却の機会を逃していること,その後も,Gらが価格の反発の際に売却するよう勧めたにもかかわらず,売却損を嫌い,株価の上昇を期待して売却することなく保有し続けていたというのであり,かかる事情を勘案すると,本件損害の発生及びその拡大に同原告の過失が寄与したものであり,しかも,その寄与の程度は大きいものというべきである。 ウそうだとすると,本件ワラント購入による原告Dの前示損害額(金141万8950円)の発生には,同原告の過失が大きく寄与しているものというべく,そして,前示認定の本件ワラント取引の経過,その他,本件に顕われた一切の事情を総合勘案すると,過失相殺として考慮すべき原告Dの 950円)の発生には,同原告の過失が大きく寄与しているものというべく,そして,前示認定の本件ワラント取引の経過,その他,本件に顕われた一切の事情を総合勘案すると,過失相殺として考慮すべき原告Dの過失割合は,これを8割と認め,同原告の前示損害額(金141万8950円)からこれを控除した残額である金28万3790円をもって,同原告の認容損害額と認めるのが相当である。 (7)原告Eについてア前示のとおり,担当者M等の勧誘行為は違法というべきであるが,勧誘に際し,電話によるものとはいえ,ワラントがハイリスク・ハイリターンであること及び権利行使期限リスクなどの危険性につき一応の説明を行っていることや,事後的ではあるものの説明書等を原告Eに交付し,同原告から記名押印を得た確認書を徴していることなどに照らして考えると,その違法性の程度はさして重大視するに値しないものといえる。 イ他方,原告Eは,兵庫県及び青森県において木製品製造販売業を営む経営者であることに加え,20年以上にわたる豊富な証券取引の経験を有し,通常人に比し経済的知識や社会的判断力,投資能力において一般に優れているものと考えられること,しかも,同原告は前示の本件ワラント取引以前にも既にワラント取引を経験しており,その際にワラント取引の危険性について一応の説明を受けていながら,担当者の勧誘文言と取引の結果生じた少なからぬ利益に目を奪われ,その後ワラント取引を多数回継続するに至り,これらの取引を通じてワラント商品の構造や危険性(ハイリスク・ハイリターン性等)につきかなりの程度の認識,理解を得たものと考えられること,そして,若し理解に不十分な点があれば,これらの取引の過程において危険性などの具体的内容等につき説明を求めるなどして,自ら十分なまでに理解を得ることができ 度の認識,理解を得たものと考えられること,そして,若し理解に不十分な点があれば,これらの取引の過程において危険性などの具体的内容等につき説明を求めるなどして,自ら十分なまでに理解を得ることができる機会があったにもかかわらず,説明を求めたり質問,調査などをすることを怠り,安易に担当者M等の相場観,見通しに頼るのみであったこと,ワラントの価値が下落しても,損失の拡大を回避すべく相当な時期に損を覚悟で売却するなどの適切な判断,措置を行うことなく,漫然と従前の取引姿勢を堅持し当該ワラントを保有し続け,その結果,多大の損失を被るに至ったことなど,以上の諸事情を彼此勘案すると,本件ワラント取引により被った損害の発生とその拡大については,同原告の前示過失が大きく寄与しているものと言わざるを得ない。 ウそうだとすると,前示の本件ワラント購入による前示損害額(金1694万0482円)の発生には,原告Eの過失も大きく寄与しているものというべきであり,前示の本件ワラント取引の経過,その他,本件に顕われた一切の事情を総合勘案すると,過失相殺として考慮すべき原告Eの過失割合は,これを8割と認め,同原告の前示損害額(金1694万0482円)からこれを控除した残額である金338万8096円(円単位未満四捨五入)をもって,同原告の認容損害額と認めるのが相当である。 6 結語よって,原告らの本訴各請求は,主文第1項に掲記の限度で理由があるからこれを認容し,その余は理由がないからこれを棄却し,訴訟費用の負担につき,民訴法61条,64条本文を,仮執行の宣言につき同法259条1項をそれぞれ適用して,主文のとおり判決する。 神戸地方裁判所第6民事部 裁判官松村雅司 主文 につき同法259条1項をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する。 理由 神戸地方裁判所第6民事部 裁判官松村雅司

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