令和5(行ウ)65 所得税更正処分取消等請求事件

裁判年月日・裁判所
令和7年2月27日 東京地方裁判所 租税
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判決文本文31,187 文字)

令和7年2月27日判決言渡令和5年(行ウ)第65号所得税更正処分取消等請求事件主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 α税務署長が令和3年2月15日付けで原告に対してした平成27年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分のうち納付すべき税額(予定納税額控除前のもの)470万4400円を超える部分並びに過少申告加算税賦課決定処分 を取り消す。 2 α税務署長が令和3年2月15日付けで原告に対してした平成28年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分のうち納付すべき税額(予定納税額控除前のもの)267万4200円を超える部分並びに過少申告加算税賦課決定処分のうち加算税の額11万8000円を超える部分を取り消す。 3 α税務署長が令和3年2月15日付けで原告に対してした平成29年分の所得税及び復興特別所得税の更正処分のうち納付すべき税額(予定納税額控除前のもの)919万3900円を超える部分並びに過少申告加算税賦課決定処分のうち加算税の額79万9000円を超える部分を取り消す。 4 α税務署長が令和3年2月15日付けで原告に対してした平成30年分の所 得税及び復興特別所得税の更正処分のうち納付すべき税額(予定納税額控除前のもの)122万1800円を超える部分並びに過少申告加算税賦課決定処分を取り消す。 第2 事案の概要原告は、平成27年から平成30年にかけて、海外のカジノ施設においてカ ジノ行為の一種であるバカラを複数回行ったが、バカラにより得た所得はない ものとして平成27年分ないし平成30年分の所得税及び復興特別所得税(以下「所得税等」という。)の各確定申告を行ったところ、α税務署長から、予想が的中したゲーム が、バカラにより得た所得はない ものとして平成27年分ないし平成30年分の所得税及び復興特別所得税(以下「所得税等」という。)の各確定申告を行ったところ、α税務署長から、予想が的中したゲームごとに、配当として得たチップの額面相当額(収入)から同ゲームに賭けたチップの額面相当額(支出)を控除して一時所得の金額を算定すべきであるとして、同各年分の所得税等の各更正処分及び各過少申告加算税 賦課決定処分を受けた。 本件は、原告が、上記各処分のうち、原告の主張する税額を超える部分は違法であると主張して、同各部分の取消しを求める事案である。 1 所得税法の定め別紙1「所得税法の定め」に記載のとおりである。 2 前提事実(当事者間に争いがない事実、後掲各証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実並びに当裁判所に顕著な事実)(1) 原告原告は、パチンコ店の経営を行う株式会社Aの代表取締役である(甲14)。 (2) 原告によるカジノ行為等 ア原告は、平成27年から平成30年までの間、次の各会社(以下「本件各カジノ会社」という。)が運営する各カジノ施設(以下「本件各カジノ施設」という。)において、カジノ行為の一種であるバカラを複数回行った(以下、原告が行ったバカラを「本件バカラ」という。)。 (ア) 米国に所在するB(ただし、原告が本件バカラを行った記録があるの は平成27年及び平成30年のみ。なお、後記(イ)及び(ウ)の各会社は、いずれもBのグループ会社である。乙9)(イ) シンガポール共和国(以下「シンガポール」という。)に所在するC(ウ) 中華人民共和国マカオ特別行政区(以下「マカオ」という。)に所在するD(ただし、原告が本件バカラを行った記録があるのは平成30年の み。) イ ポール」という。)に所在するC(ウ) 中華人民共和国マカオ特別行政区(以下「マカオ」という。)に所在するD(ただし、原告が本件バカラを行った記録があるのは平成30年の み。) イ原告は、いわゆるVIP顧客(一定額以上の金額を預託するなどして高額の賭けを行う顧客)であり、本件各カジノ会社との間で、供与された1~2億円程度の信用枠の範囲内でチップを受け取ることができるクレジット契約(以下「本件各クレジット契約」という。)を締結した上で、本件各カジノ施設のVIP顧客専用のエリアにおいて本件バカラを行っていた (甲14)。 また、原告は、C及びD(以下「C等」という。)においては、VIP顧客を対象とするサービスプログラムである「ローリングプログラム」を利用していた(以下、原告がC等との間でそれぞれクレジット契約を締結した上で利用したローリングプログラムを「本件各プログラム」といい、原 告がBとの間で締結した上記クレジット契約と併せて「本件各プログラム等」という。)。 ウ原告が本件各プログラム等を利用して行った本件バカラの回数や期間等の詳細は不明であるが(後出の別紙4の1(2)参照)、Cのカジノ施設においてローリングプログラムを利用した期間は、次のとおりである(同別紙 の別表2~5の各「1 本件バカラに係る損益(詳細)」参照)。 (ア) 平成27年a 3月23日~同月25日(3日間)b 4月12日~同月13日(2日間)c 4月24日~同月27日(4日間) d 5月22日~同月25日(4日間)e 8月4日~同月6日(3日間)f 9月17日~同月18日(2日間)g 10月27日~同月29日(3日間)h 12月1日~同月3日(3日間) i 12月30日~同月31日(2日 e 8月4日~同月6日(3日間)f 9月17日~同月18日(2日間)g 10月27日~同月29日(3日間)h 12月1日~同月3日(3日間) i 12月30日~同月31日(2日間) (イ) 平成28年a 4月14日~同月15日(2日間)b 12月17日~同月18日(2日間)c 12月31日~平成29年1月4日(5日間)(ウ) 平成29年 a 1月29日~同月31日(3日間)b 7月18日~同月19日(2日間)(エ) 平成30年a 2月10日~同月13日(4日間)b 4月19日~同月20日(2日間) c 6月11日~同月12日(2日間)エ本件バカラ、ローリングプログラム及び本件各クレジット契約等の概要は、別紙2「本件バカラの概要等」に記載のとおりである(なお、同別紙において定める略称等は、以下の本文においても用いることとする。)。 (3) 確定申告 原告は、平成27年分ないし平成30年分(以下「本件各年分」という。)の所得税等について、α税務署長に対し、別紙3の表1ないし4の各「確定申告」欄のとおり、法定申告期限までに各確定申告をしたが、その際、本件バカラを行ったことにより生じた所得(以下「本件バカラ所得」という。)はないものとしていた(以下、この各確定申告に係る申告書を「本件各確定申 告書」という。乙1の1~4)。 (4) 本件各更正処分等α税務署長は、令和3年2月15日付けで、原告に対し、別紙3の表1ないし4の各「更正処分等」欄のとおり、本件各年分の所得税等の各更正処分(以下「本件各更正処分」という。)及び各過少申告加算税賦課決定処分(以 下、本件各更正処分と併せて「本件各更正処分等」という。)を行った。 (5) 不服申立て 所得税等の各更正処分(以下「本件各更正処分」という。)及び各過少申告加算税賦課決定処分(以 下、本件各更正処分と併せて「本件各更正処分等」という。)を行った。 (5) 不服申立てア原告は、令和3年5月12日、β 税務署長(同年4月22日の原告の納税地の異動に伴い、α 税務署長の事務の承継を受けた行政庁)に対し、本件各更正処分等の全部の取消しを求めて再調査の請求をしたところ、β税務署長は、同年8月4日付けで、これらをいずれも棄却する旨の再調査決 定をした(甲2)。 イ原告は、令和3年9月3日、本件各更正処分等の一部の取消しを求めて審査請求をしたところ、国税不服審判所長は、令和4年8月23日付けで、これらをいずれも棄却する旨の裁決をした(甲3の1・2)。 (6) 本件訴えの提起 原告は、令和5年2月15日、本件訴えを提起した。 3 本件各更正処分等の根拠及び適法性に関する被告の主張本件各更正処分等の根拠及び適法性に関する被告の主張は、後記5の被告の主張のほか、別紙4「本件各更正処分等の根拠及び適法性」に記載のとおりである。 なお、原告は、後記4の争点に関する部分を除き、その計算の基礎となる金額及び計算方法を争っていない。また、本件バカラ所得が一時所得(所得税法34条1項)に該当することについては、当事者間に争いがない。 4 争点(1) 「総収入金額」(所得税法34条2項)に係る争点 ア本件バカラ所得に係る「収入すべき金額」(所得税法36条1項。争点1)イ B換金制限による影響の有無(争点2。平成27年分に限る。)(2) 「その収入を得るために支出した金額」(所得税法34条2項)に係る争点ア本件バカラ所得に係る必要経費の範囲(争点3)イコミッション等に係る一時所 無(争点2。平成27年分に限る。)(2) 「その収入を得るために支出した金額」(所得税法34条2項)に係る争点ア本件バカラ所得に係る必要経費の範囲(争点3)イコミッション等に係る一時所得との内部通算の可否(争点4) 5 争点に関する当事者の主張 (1) 争点1(本件バカラ所得に係る「収入すべき金額」)(被告の主張)ア本件バカラ所得の収入の捉え方カジノ施設においては、金銭をカジノ行為に直接用いることが禁止されており、顧客は、金銭をチップに換えてカジノ行為をする。そのため、チ ップは、現金代用物として額面相当額の金銭的価値を表象している。 原告が本件バカラにおいて配当として得たライブチップは、その額面相当額をもって、①通貨に換金して金銭を得ることができるほか、通貨に換金せずとも、②NNチップに交換するなどして新たなゲームに用いたり、③本件各カジノ会社に対する債務の返済に充てたりして(以下、①を「換 金」、②を「ゲーム利用」、③を「充当」という。)、本来的に生ずることとなる経済的出捐を回避することができる。 このように、ライブチップは、額面相当額の経済的価値を有し、金銭に代わるものとして使用できることから、原告がライブチップを配当として得ることは、本件各カジノ会社から原告に対して経済的価値の流入があっ たことを意味する。そして、これによる経済的利益は、ライブチップの額面相当額による金銭評価が可能であるから、その額面相当額が所得税法における収入となる。 したがって、本件バカラ所得の収入は、原告が本件バカラで予想を的中させたことにより配当として得たライブチップに係る経済的利益である。 イ本件バカラ所得の収入を総収入金額に計上すべき時期所得税法はいわゆる権利確定主義を採用して が本件バカラで予想を的中させたことにより配当として得たライブチップに係る経済的利益である。 イ本件バカラ所得の収入を総収入金額に計上すべき時期所得税法はいわゆる権利確定主義を採用しているから、一時所得においても、現実の収入がなくても、その収入の原因たる権利が確定的に発生した場合には、その時点で所得の実現があったものとして、権利発生の時期の属する年分の課税所得を計算すべきである。 そして、原告が本件バカラで予想を的中させたことにより配当として得 たライブチップに係る経済的利益という収入の原因たる権利が確定的に発生するのは、原告の予想が的中した時点である。 (原告の主張)ア本件バカラ所得の収入の捉え方(ア) ライブチップは、本件各カジノ会社が所有する備品であり、本件各カ ジノ施設外に持ち出すことが原則として禁止され、その換金も本件各カジノ会社に対してのみ行うことができるにとどまる。このように、ライブチップは、特定の場所・条件においてのみしか利用可能性がなく、不特定多数の当事者間における自由な取引は観念できないから、その客観的交換価値は0円である。 また、顧客に帰属せず、かつ、それ自体に金銭的価値のないライブチップを課税所得とみた上で課税処分により租税債権を確定させても、当該租税債権の差押えによる徴収ができない(国税徴収法47条、国税徴収法基本通達47-5及び47-7)。 したがって、ライブチップそれ自体に経済的価値を認めることはでき ない。 (イ) 本件各プログラム等を利用して行われる本件バカラは、これを利用せずに行われるバカラとは、権利義務関係の規律が全く異なるから、本件バカラ所得の収入を検討するに当たっては、本件各プログラム等により規律される権利義務関係に着目しなければなら 件バカラは、これを利用せずに行われるバカラとは、権利義務関係の規律が全く異なるから、本件バカラ所得の収入を検討するに当たっては、本件各プログラム等により規律される権利義務関係に着目しなければならない。 原告は、本件各プログラム等の規定上、本件各プログラム等が終了し、厳重な本件確認等手続を経ない限り、配当として受け取ったライブチップを換金又は充当することができなかった。また、ローリングプログラムについては、C等は単独の自由裁量によりこれを終了させることができる一方、顧客がこれを任意に終了させることを許容する規定はなく、 本件各クレジット契約における返済期日が本件各カジノ会社が請求した 時とされていることからすれば、原告は、各ゲームの予想が的中した時点では、本件各プログラム等を任意の時点で終了させることができなかった。 そして、ゲーム利用により得られる利益は射幸心が満たされるというものにとどまり、経済的価値を認めることはできない。 したがって、各ゲームの予想が的中した時点において、その配当として受け取るライブチップの額面相当額はいわば係数上のものにすぎないのであり、経済的価値の流入があったとはいえない。 (ウ) そうすると、本件バカラ所得の収入は、原告において、本件確認等手続を経た上で、未払債務を完済して本件各プログラム等が終了した時に 得られるものであり、精算後にライブチップの残高(本件各プログラム等の終了時に原告が保有しているチップの額面相当額から、本件各クレジット契約に基づき受け取ったチップの額面相当額を控除して残った金額を指す。以下同じ。)がある場合の当該残高に係る経済的利益ということになる。 イ本件バカラ所得の収入を総収入金額に計上すべき時期(ア) 一時所得の収入については、 を控除して残った金額を指す。以下同じ。)がある場合の当該残高に係る経済的利益ということになる。 イ本件バカラ所得の収入を総収入金額に計上すべき時期(ア) 一時所得の収入については、その支払がされて初めてこれを認識する場合が多いことからすれば、一時所得の総収入金額の収入すべき時期は、収入を受け取る側がするべきことを全て終えてその収入を無条件で入手できる状態になった時であると解すべきである。 (イ) 原告は、本件各プログラム等が終了したとしても、未払債務を完済しなければライブチップの換金による収入を得ることができなかった。また、ライブチップを換金するに当たっては、ライブチップを物理的にカウンターに持参することに加えて、厳重な本件確認等手続を経る必要があった。 そうすると、原告がするべきことを全て終えて収入を無条件で入手で きる状態になった時は、本件確認等手続を経た上で、未払債務を完済して本件各プログラム等が終了した時となる。 (2) 争点2(B換金制限による影響の有無)(被告の主張)上記(1)(被告の主張)アのとおり、本件バカラ所得の収入は、原告が本件 バカラで予想を的中させ配当として得たライブチップに係る経済的利益であるから、ライブチップの換金は、経済的価値を有するライブチップの利用方法の一つにすぎない。そのため、B換金制限は、本件の課税関係に影響を及ぼすものではない。 そもそも、B換金制限は、1日当たりの換金額の上限を定めるものにすぎ ず、顧客において翌日以降に換金することもできるのであるから、20万米ドルを超えたライブチップに係る経済的利益を原告が享受していなかったとみることはできない。 (原告の主張)原告は、Bにおけるクレジット契約の終了時、B換金制限のため、ライブ あるから、20万米ドルを超えたライブチップに係る経済的利益を原告が享受していなかったとみることはできない。 (原告の主張)原告は、Bにおけるクレジット契約の終了時、B換金制限のため、ライブ チップを20万米ドル以上換金することができず、また、その換金を翌日以降に持ち越すことができなかった。 したがって、平成27年分のBにおける本件バカラ所得の総収入金額は、20万米ドルが上限となる。具体的には、別紙4の別表1の1「平成27年分本件バカラに係る損益一覧表(米国)」の「①損益(US ドル)」のうち「2 月」欄の「225,300」及び「9月」欄の「2,518,800」は、いずれも上限の20万米ドルとして計算されるべきである。 (3) 争点3(本件バカラ所得に係る必要経費の範囲)(被告の主張)原告が本件バカラの配当として得たライブチップに係る経済的利益は、予 想の的中という結果を原因として生じたものであり、予想が外れた結果から は生じ得ない。 そうすると、予想が外れたゲームに賭けたチップの額面相当額は収入を得るために直接的に支出した金額に該当しないから、本件バカラ所得の金額の計算に際しては、ゲームごとに個別的に行い、予想が的中したゲームに賭けたチップの額面相当額のみを総収入金額から控除すべきである。 以上のとおり、本件バカラ所得の金額の計算上、総収入金額から控除することができるのは、予想が的中したゲームに賭けたチップの額面相当額に限られる。 (原告の主張)本件バカラ所得の収入であるライブチップの残高に係る経済的利益に直接 対応するのは、原告が参加した本件各プログラム等である。 そうすると、本件各プログラム等においては、予想を的中させたゲームに賭けたチップのみならず、予想が外れたゲーム に係る経済的利益に直接 対応するのは、原告が参加した本件各プログラム等である。 そうすると、本件各プログラム等においては、予想を的中させたゲームに賭けたチップのみならず、予想が外れたゲームに賭けたチップについても、本件各プログラム等の終了時までの支出とみることができる。 以上のとおり、本件バカラ所得の金額の計算上、総収入金額から控除する ことができるのは、本件各プログラム等において原告が賭けた全てのチップの額面相当額である。 (4) 争点4(コミッション等に係る一時所得との内部通算の可否)(原告の主張)ア原告は、C等において、ローリングプログラムを利用することにより、 本件各プログラムの終了時には常にコミッション等を得ていた。また、原告は、Bにおいて、VIP顧客としてホテルの宿泊代が無料になるといった便益を常に得ていた。これらはいずれも一時所得に係る収入に当たる。 このように、原告は、本件バカラ所得の収入がない場合であっても、上記の各一時所得に係る収入を得ていたのであり、むしろ、原告が本件各プ ログラム等を利用していたのは、これらの収入を得るためであった。 イ上記アの各一時所得に係る収入を得るためには、本件各プログラム等を利用した上で、各ゲームにおいてチップを賭けなければならないから、その必要経費となるのは、本件各プログラム等の各ゲームにおいて原告が賭けた全てのチップの額面相当額である。 そして、一時所得内における内部通算は可能であるから、本件各プログ ラム等に係る一時所得の総収入金額(本件バカラ所得の収入及び上記アの収入)からその収入を得るために支出した金額の合計額を控除して、一時所得の金額(特別控除前)を計算すると、次表(単位:円。金額の前の△は損失を示す。)のとおりとなる。な バカラ所得の収入及び上記アの収入)からその収入を得るために支出した金額の合計額を控除して、一時所得の金額(特別控除前)を計算すると、次表(単位:円。金額の前の△は損失を示す。)のとおりとなる。なお、次表の計算に当たっては、①Bについては、平成27年2月及び9月の収益をいずれも20万米ドルとし (上記(2)(原告の主張)参照)、②Cについては、平成28年12月31日~平成29年1月4日の損益(前提事実(2)ウ(イ)c、別紙4の別表3及び4参照)を平成29年に含めている。 年BCD一時所得(特別控除前)平成27 年59,587,533△314,400,349― 平成28 年―5,640,766―5,640,766平成29 年―35,319,295―35,319,295平成30 年△224,778,103209,071,799 △164,979,810 (被告の主張)一般的に、カジノ施設の顧客が金銭をチップに換える目的は、カジノ行為 をすることであって、コミッション等のインセンティブを得ることではない。 また、最大でも0.95%の割合で付与されるにすぎないコミッション等の獲得を目的にして金銭をチップに換えることは、経済合理性を欠く行為である。 そうすると、コミッション等が一時所得の総収入金額に該当するとしても、 原告が賭けたチップの額面相当額は、客観的に見て、コミッション等という収入を得るために支出した金額とはいえない。 第3 当裁判所の判断 1 争点1(本件バカラ所得に係る「収入すべき金額」)について(1) 判断枠組み等 ア所得税法は、一暦年を単位としてその期間ごとに課税所得を計算し、課税を い。 第3 当裁判所の判断 1 争点1(本件バカラ所得に係る「収入すべき金額」)について(1) 判断枠組み等 ア所得税法は、一暦年を単位としてその期間ごとに課税所得を計算し、課税を行うこととしているところ、同法36条1項は、その年分の各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、その年において収入すべき金額(金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもって収入する場合には、その金銭以 外の物又は権利その他経済的な利益の価額)とする旨定めている。 そして、同項が、上記期間中の収入金額又は総収入金額の計算について、「収入すべき金額」とする旨定め、「収入した金額」としていないことから考えると、同法は、現実の収入がなくても、その収入の原因となる権利が確定した場合には、その時点で所得の実現があったものとして、同権利確 定の時期の属する年分の課税所得を計算するという建前(いわゆる権利確定主義)を採用しているものと解される。このように、同法がいわゆる権利確定主義を採用したのは、課税に当たって常に現実収入の時まで課税することができないとしたのでは、納税者の恣意を許し、課税の公平を期し難いので、徴税政策上の技術的見地から、収入の原因となる権利の確定し た時期を捉えて課税することとしたものである。(最高裁昭和39年(あ)第2614号同40年9月8日第二小法廷決定・刑集19巻6号630頁、最高裁昭和43年(オ)第314号同49年3月8日第二小法廷判決・民集28巻2号186頁、最高裁昭和50年(行ツ)第123号同53年2月24日第二小法廷判決・民集32巻1号43頁参照) イそして、所得税法36条1項が、金銭とは別に、金銭以外の物又は権利 その他経済的 、最高裁昭和50年(行ツ)第123号同53年2月24日第二小法廷判決・民集32巻1号43頁参照) イそして、所得税法36条1項が、金銭とは別に、金銭以外の物又は権利 その他経済的な利益それ自体をもって収入の対象としていることは明らかであるから、かかる経済的価値がその価額を確定し得る状況の下で個人に流入したといえるだけの具体的事情がある場合には、当該個人に現実の収入があるものというべきであり、その時点において、何らかの制約により当該経済的価値を直ちに金銭に換価し得なかったとしても、そのことのみ により収入のあることが否定されることにはならないと解するのが相当である。 上記の制約には、その生じる根拠、目的、内容、収入実現に係る他の事情との関係等において様々なものがあり得るところであり、それらのいかんによって、収入実現過程における当該制約の意味合いやそれが収入の対 象たる利益の内容に与える影響等も異なり得るのであるから、収入の有無を判断するに当たっては、それらの諸事情を考慮した上で、当該制約により上記経済的価値の流入を否定すべき特段の事情があるといえるかどうかが検討されるべきである。 (2) 本件バカラ所得の収入の捉え方 アライブチップに額面相当額の経済的価値を認めることができるかについて(ア) 原告は、本件バカラにおいて、取得したチップを賭け、その予想が的中した場合には、配当としてライブチップを受領していたものと認められる。 上記(1)イのとおり、所得税法36条1項は、金銭以外の物又は権利その他経済的な利益それ自体をもって収入の対象としているから、配当として得たライブチップに額面相当額の経済的価値を認めることができるか否かを検討する。 (イ) ライブチップは、その額面相当額につい の他経済的な利益それ自体をもって収入の対象としているから、配当として得たライブチップに額面相当額の経済的価値を認めることができるか否かを検討する。 (イ) ライブチップは、その額面相当額について本件各カジノ施設において 換金できるほか、本件各プログラム等を利用する場合であっても、NN チップに交換するなどして新たなゲームに利用することができ、また、本件各カジノ会社の裁量により、本件各クレジット契約に係る債務の返済に充当されることがある。 このように、ライブチップは、その額面相当額について換金、ゲーム利用又は充当することができるのであるから、同額分の経済的価値を有 するものといえる。 (ウ) 原告は、上記第2の5(1)(原告の主張)ア(ア)のとおり、①ライブチップは、特定の場所・条件においてのみしか利用可能性がなく、不特定多数の当事者間における自由な取引は観念できないから、その客観的交換価値は0円である、②差押えによる徴収の対象にし得ないライブチッ プを課税対象とみることはできないことから、ライブチップそれ自体に経済的価値を認めることはできない旨主張する。 しかし、上記①については、所得税法は、人の担税力を増加させる経済的価値は全て所得を構成するとする包括的所得概念を採用しており、その課税対象は不特定多数の当事者間で自由な取引が観念できる資産に 限られるものではない上、配当としてライブチップを受領した者であれば、ライブチップの額面相当額について換金又は充当することができるほか、NNチップに交換するなどして新たなゲームに利用することもできる以上、ライブチップに額面相当額の経済的価値があることは否定できないものである。 また、上記②については、同法上、課税対象となる収入や所得を差押えが可能な たなゲームに利用することもできる以上、ライブチップに額面相当額の経済的価値があることは否定できないものである。 また、上記②については、同法上、課税対象となる収入や所得を差押えが可能なものに限る旨の規定は見当たらない。 したがって、原告の上記主張は採用することができない。 イライブチップの経済的価値の収入該当性について(ア) 原告は、本件バカラにおいて、その予想を的中させることにより配当 としてライブチップを得ることになるが、そのライブチップは額面相当 額について上記アの経済的価値を有するものである。 したがって、原告が配当としてライブチップを得ることは、ライブチップの経済的価値がその価額を確定し得る状況の下で個人に流入したものといえるから、ライブチップに係る経済的利益について原告に現実の収入があるものといえる。 (イ)a 原告は、上記第2の5(1)(原告の主張)ア(イ)のとおり、本件各プログラム等の規定上、本件各プログラム等が終了し、厳重な本件確認等手続を経ない限り、配当として受け取ったライブチップを換金又は充当することができなかった旨主張するので、当該制約により上記(ア)の経済的価値の流入を否定すべき特段の事情があるといえる かどうかを検討する。 b 原告は、本件バカラにおいて予想を的中させて配当としてライブチップを得た時点で、その後のゲームをスキップすることにより(別紙2の第1の1参照)、当該ライブチップを本件各プログラム等の終了時まで保持することができたものである。 そして、本件各プログラム等の終了後、ライブチップを換金するに当たり、Cに限らず、B及びDにおいても、本件確認等手続を経る必要があるとしても、本件確認等手続は、マネーロンダリングや金融犯罪の探知・予防のため 件各プログラム等の終了後、ライブチップを換金するに当たり、Cに限らず、B及びDにおいても、本件確認等手続を経る必要があるとしても、本件確認等手続は、マネーロンダリングや金融犯罪の探知・予防のため、正当なカジノ行為により獲得されたチップであることを確認するものである(別紙2の第2の4参照)。そうする と、ライブチップの換金は、マネーロンダリング等の不正が認められるなどの特段の事情のない限り、本件確認等手続によって妨げられるものではないというべきである。本件において、原告がマネーロンダリング等の不正をしていたと認めるに足りる証拠はないから、原告は、本件各プログラム等が終了しさえすれば、確実にライブチップ を換金することができたといえる。 また、原告においては、本件各プログラム等の終了時にはライブチップを未払債務に充当することができ、本件各プログラム等の利用中であっても、NNチップに交換するなどして新たなゲームに利用することができたものである。 以上によれば、本件各プログラム等の終了時まで換金又は充当す ることができないという制約は、上記(ア)の経済的価値の流入を否定すべき特段の事情とはいえない。 c 原告は、上記第2の5(1)(原告の主張)ア(イ)のとおり、本件各プログラム等を任意の時点で終了させることはできなかったとも主張するが、上記bのとおり、原告は、配当として得たライブチップを本 件各プログラム等の終了時まで保持できたことからすれば、本件各プログラム等を任意に終了させることができたか否かは上記bの判断を左右するものではない。 また、次のとおり、原告は、本件各プログラム等を任意に終了させることができたといえるから、本件各プログラム等が終了するまで ライブチップを換金又は充当することができ を左右するものではない。 また、次のとおり、原告は、本件各プログラム等を任意に終了させることができたといえるから、本件各プログラム等が終了するまで ライブチップを換金又は充当することができないことは、ライブチップを直ちに金銭に換価し得ないという制約であるとは認められない。 すなわち、ローリングプログラムの期間を30日とする旨の定めはあるものの、これを超えて、顧客において任意の時点でその終了を 申し出ることは禁じられておらず、C等が、同申出を承諾してローリングプログラムを終了することは許容されているといえる(Cも、一方的にローリングプログラムを終了させる権利は顧客に与えられていない旨述べるにとどまる。甲16の2)。 そして、原告が、令和2年11月18日の税務調査において、「「プ ログラム」は自分で任意に終了することができますが、「プログラム」 を終了するまではチップを現金に換金できません。」と回答していること(乙19)、Cにおける本件各プログラムの利用期間をみても、その多くは2日程度、長くとも5日間にとどまること(前提事実(2)ウ)、一方、本件各カジノ会社がその自由裁量により、原告の意に沿わない時期に本件各プログラム等を終了したと認めるに足りる証拠 がないことからすると、原告が、任意の時点で本件各プログラム等の終了を申し出さえすれば、本件各カジノ会社はこれを承諾していたものと認めるのが相当である。 したがって、本件各プログラム等が終了するまでの間、ライブチップを換金又は充当することができなかったとしても、原告は、本件各 プログラム等を任意に終了させることができたから、いつでも、ライブチップを換金又は充当することができたといえる。 ウしたがって、原告は、本件バカラにおいて配当としてライブチッ 告は、本件各 プログラム等を任意に終了させることができたから、いつでも、ライブチップを換金又は充当することができたといえる。 ウしたがって、原告は、本件バカラにおいて配当としてライブチップを受け取ることにより、ライブチップに係る経済的利益という収入を得たといえる。 (3) 収入の権利確定時期についてア原告は、本件バカラにおいて、その予想を的中しさえすれば、他に特段の行為等を要することなく、配当としてライブチップを確実に受領することができたといえる。 したがって、原告は、原告の予想が的中した時点で、ライブチップに係 る経済的利益を得るための権利行使が可能になったといえるから、その時点をもって、収入の原因となる権利が確定したものと解される。 イ(ア) 原告は、上記第2の5(1)(原告の主張)ア(ウ)及びイのとおり、本件バカラ所得の収入は本件各プログラム等の終了時のライブチップの残高に係る経済的利益であることを前提に、原告が同収入を無条件で入手 できる状態になった時は、本件確認等手続を経た上で、未払債務を完済 して本件各プログラム等が終了した時である旨主張する。 原告の上記主張は、本件各プログラム等において行われた各ゲームを一体とみた上で、その場合の収入とは何かを検討したものであると解されるので、本件各プログラム等において行われた各ゲームを一体とみるべきか否かについて検討する。 (イ) まず、バカラにおいては、各ゲームの勝敗に応じて、ライブチップの配当又は没収が都度行われ、また、ゲームごとの参加は任意であり、途中のゲームをスキップすることも可能であるから、各ゲームはそれぞれ独立しているものといえる(別紙2の第1の1)。一方、ローリングプログラムは、顧客の賭け金総額を把握し、コミッション は任意であり、途中のゲームをスキップすることも可能であるから、各ゲームはそれぞれ独立しているものといえる(別紙2の第1の1)。一方、ローリングプログラムは、顧客の賭け金総額を把握し、コミッション等を計算するた めの便宜から、利用するチップをNNチップとライブチップに分けているものの、本件各プログラム等を利用したからといって、バカラというゲームのルールやチップの配当基準が変更されるわけではない(乙5、8)。 また、ローリングプログラムを利用した場合にはその終了時に未払債 務を支払うことにより、所定のコミッション等を得られるが、コミッション等は、顧客がローリングプログラムの有効期間中の各ゲームに賭けたNNチップの合計額に応じて付与されるものであるから、配当として得たライブチップに係る経済的利益とは別個独立のものとして存在するものである。なお、Bでは、ライブチップの使用実績に応じてインセン ティブが付与されるが(乙8、9)、これも、コミッション等と同様のものといえる。 そして、本件各プログラム等の終了時に支払うべき未払債務は、原告が信用枠の範囲内でチップを受け取った時点でその金額を含めて確定しており、本件各プログラム等の終了時に確定するものではない(なお、 本件各カジノ会社の自由裁量により、本件各プログラム等の終了時に保 有していたチップが充当されることはあり得るが(別紙2の第2の2)、それは、既に確定した未払債務に充当されるものにすぎず、本件各プログラム等の終了時まで未払債務の金額が確定していなかったということではない。)。 以上のとおり、本件各プログラム等を利用することによって、本件各 プログラム等において行われた各ゲームを一体とみるべき根拠は見当たらない。 したがって、原告の上記(ア)の とではない。)。 以上のとおり、本件各プログラム等を利用することによって、本件各 プログラム等において行われた各ゲームを一体とみるべき根拠は見当たらない。 したがって、原告の上記(ア)の主張は採用することができない。 2 争点2(B換金制限による影響の有無)について本件バカラ所得の収入は、原告が予想を的中させ配当として得たライブチッ プに係る経済的利益であるところ、B換金制限は、1ゲーム日当たりの換金額の上限を定めるものにすぎず(別紙2の第2の3)、換金自体を否定するものではない上、ゲーム利用及び充当を制限するものでもないから、原告が予想を的中させた時点において、その配当として得る予定のライブチップに経済的価値があることを否定し得るものではない。 原告は、ライブチップの換金を翌日以降に持ち越すことはできなかった旨主張するが、これを認めるに足りる証拠はない。 したがって、B換金制限の存在は、本件バカラ所得の収入を検討するに当たり、考慮すべき事由とはならない。 3 争点3(本件バカラ所得に係る必要経費の範囲)について (1) 所得税法34条2項の趣旨所得税法34条2項は、一時所得の金額は、その年中の一時所得に係る総収入金額からその収入を得るために支出した金額(その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る。)の合計額を控除し、その残額から一時所得の特別控除額を控除した金額とす る旨規定している。 これは、一時所得の金額の計算上、一時所得に係る収入、支出について、収入を生じた行為又は原因ごとに個別対応的に計算し、その反面、収入を生じない行為又は原因に係る支出は控除項目から除かれることを定めたものと解される。 (2) 検討 原告は、本 出について、収入を生じた行為又は原因ごとに個別対応的に計算し、その反面、収入を生じない行為又は原因に係る支出は控除項目から除かれることを定めたものと解される。 (2) 検討 原告は、本件バカラにおいて予想が的中した場合にはこれを原因として配当であるライブチップを得ることができるから、当該配当に個別的に対応する支出は、当該ゲームに賭けたチップの額面相当額といえる。これに対し、当該配当に個別的に対応しない支出、すなわち、予想が外れたゲームに賭けたチップの額面相当額は、何ら収入を発生させるものではないから、本件バ カラ所得に係る総収入金額から控除されるべきものではない。 このように、本件バカラ所得の金額の計算上、総収入金額から控除する「その収入を得るために支出した金額」は、予想が的中したゲームに賭けたチップの額面相当額に限られる。 したがって、本件バカラ所得に係る一時所得の金額の計算に当たっては、 ゲームごとに個別的に行い、予想が的中したゲームに賭けたチップの額面相当額のみを総収入金額から控除すべきである。 4 争点4(コミッション等に係る一時所得との内部通算の可否)について(1) 原告の主張の要旨原告は、上記第2の5(4)(原告の主張)のとおり、本件各プログラム等の 終了時に得られるコミッション等及びVIP顧客としてホテルの宿泊代が無料になるといった便益を、いずれも一時所得に係る収入とした上で、これを得るために支出した金額は、本件各プログラム等の各ゲームにおいて原告が賭けた全てのチップの額面相当額である旨主張するところ、原告が実際にコミッション等及び上記便益をどの程度取得していたのかについては証拠上明 らかでないが、これを措き、上記主張について検討する。 (2) 検討アコミッショ するところ、原告が実際にコミッション等及び上記便益をどの程度取得していたのかについては証拠上明 らかでないが、これを措き、上記主張について検討する。 (2) 検討アコミッション等は、ローリングプログラムの有効期間中に顧客がゲームに賭けたNNチップの合計額に応じて最大でも0.95%の割合で付与されるものであり、使用した金額に応じて付与されるインセンティブである。 また、原告の主張する便益も、ライブチップの使用実績に応じて付与さ れるインセンティブ(上記1(3)イ(イ))の一種と解される。 イ上記アのインセンティブは、配当として得たライブチップに係る経済的利益とは別個独立のものとして存在するものであるから(上記1(3)イ(イ))、同インセンティブ自体は、ゲームの勝敗にかかわらず、常にその収入金額以上の損失を発生させることによってしか得られない(少なくとも コミッション等については、最大でも正味ローリング・ターンオーバーの1.25%の割合が付与されるにすぎないから、収入金額が必要経費を超えることはあり得ず、常にマイナスとなる。)。そのため、本件各プログラム等を利用して同インセンティブを得ることの経済的合理性は、結局、バカラにおいて配当を得るために賭けたチップ(結果として予想が外れたゲ ームに賭けたチップを含む。)の損失を減じるという点にあるといえる。 そうすると、同インセンティブについて、これを一時所得に係る収入と解し得るとしても、原告が本件各プログラム等の期間中の各ゲームに賭けたチップは、客観的に見て、本件バカラにおいて配当を得るために支出したものというべきであり、同インセンティブを得るために支出したものと はいえない。 したがって、本件各プログラム等の各ゲームにおいて原告が賭けた全ての 件バカラにおいて配当を得るために支出したものというべきであり、同インセンティブを得るために支出したものと はいえない。 したがって、本件各プログラム等の各ゲームにおいて原告が賭けた全てのチップの額面相当額を、同インセンティブを得るために支出した金額として控除することはできない。 ウ以上のとおり、原告の上記(1)の主張は採用することができない。 5 本件各更正処分等の適法性 上記1から4までを踏まえて検討すると、本件各更正処分等は、別紙4に記載のとおり、いずれも適法である。 6 結論よって、原告の請求はいずれも理由がないからこれらを棄却することとして、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第2部 裁判長裁判官品田幸男 裁判官石神有吾 裁判官大久保陽久(別紙3、別紙4別表1~7省略) (別紙1)所得税法の定め 1 34条(一時所得)1項一時所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継 続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。 2項一時所得の金額は、その年中の一時所得に係る総収入金額からその収入を得るために支出した金額(その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る。)の合計額を控除 し、その残額から一時所得の特別控除額を控除した金額とする。 3項前項に規定する一時所得の特別控除額は、50万円(同項に規定する残額が50万円に満たない場合には、当該残 。)の合計額を控除 し、その残額から一時所得の特別控除額を控除した金額とする。 3項前項に規定する一時所得の特別控除額は、50万円(同項に規定する残額が50万円に満たない場合には、当該残額)とする。 2 36条(収入金額)1項その年分の各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金 額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、その年において収入すべき金額(金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもって収入する場合には、その金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額)とする。 2項前項の金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額は、当該物若し くは権利を取得し、又は当該利益を享受する時における価額とする。 3項略以上 (別紙2)本件バカラの概要等第1 本件バカラの概要 1 バカラのルール等(乙9、10)バカラとは、ディーラーが、バンカーとプレイヤーにトランプカードを2~ 3枚ずつ配布し、トランプカードの下1桁の合計が9に近い方が勝利となるゲームの勝敗を、顧客が予想するゲームである。ゲームは連続して行われ、一つのゲームの勝敗が決した後、新たなゲームが開始される。 顧客は、チップを賭けてゲーム参加し(ゲームごとに参加は任意であり、途中のゲームをスキップすることも可能である。)、予想が的中した場合には、的 中した内容に応じて一定額のチップを受け取ることができ、外れた場合には、賭けたチップが没収される。 2 チップの性質等(1) 通常のチップ(乙8、9)カジノ施設における顧客のカジノ行為は、金銭をその額に相当する価額(額 面相当額)のチップに換えた上で行われる。 顧客は、カジノ施設内に設置されたキャッシャー又はテーブルにおいて、現金をチッ カジノ施設における顧客のカジノ行為は、金銭をその額に相当する価額(額 面相当額)のチップに換えた上で行われる。 顧客は、カジノ施設内に設置されたキャッシャー又はテーブルにおいて、現金をチップに交換することができる。チップの受取方法には、現金を預け入れて交付を受けたカジノカードを職員等に示して、預け入れた金額を上限として受け取る方法(チップとして受け取らなかった残金は、精算時に返金 される。)や、カジノ会社との間でクレジット契約を締結し、その信用枠の範囲内で受け取る方法もある。 また、顧客は、チップを換金することができる。 (2) 特殊なチップ(乙5、8、9)ア顧客がローリングプログラム(後記第2の1参照)を利用する場合、顧 客の賭け金総額を把握することを目的として、ゲーム参加用の特殊なチッ プ(一般的なチップと異なり、自由に換金することができないもの。換金不能を意味するNon-Negotiable から「NNチップ」と呼ばれることがあり、以下、同呼称を用いる。)が使用される。 イ顧客は、ローリングプログラムを利用してカジノ行為をする場合、NNチップを賭けてゲームに参加し、予想が外れた場合にはNNチップが没収 され、予想が的中した場合には通常のチップを受け取る。受け取った通常のチップは、上記(1)のとおり換金できるほか、NNチップに交換することができる(以下、上記(1)の通常のチップを「ライブチップ」といい、ライブチップとNNチップを特に区別しない場合は単に「チップ」という。)。 第2 本件各カジノ会社の契約の概要 1 C等におけるローリングプログラム(乙4~6、9、弁論の全趣旨)C等の各カジノ施設のVIP顧客専用のエリアを利用する顧客は、C等との間の契約に基づき、当該顧客が賭けた金額 契約の概要 1 C等におけるローリングプログラム(乙4~6、9、弁論の全趣旨)C等の各カジノ施設のVIP顧客専用のエリアを利用する顧客は、C等との間の契約に基づき、当該顧客が賭けた金額の多寡に応じたインセンティブ(無料サービスやポイント等の還元サービス)が付与される「ローリングプログラム」を利用することができる。 ローリングプログラムの概要は、次のとおりである。 (1) 利用資格ローリングプログラムの契約締結時において、次のいずれかの条件を満たす者が、ローリングプログラムを利用することができる。 ア所定の最低額(Cにおいては2万5000シンガポールドル。以下同じ。) を現金で預託することイ所定の最低額につきC等により供与された信用枠に基づく借入れが可能であること(同条件に該当する顧客は「クレジットプレイヤー」と呼ばれ、原告はこれに該当する。当該借入れを利用するためには、クレジット契約を別途締結する必要がある。) ウ顧客自身の資金をもって、所定の最低額以上のNNチップを購入するこ と(2) 適用されるカジノ行為指定のエリアでプレーされるバカラ、クラップス及びルーレットを対象として、NNチップを使用するカジノ行為についてのみ適用される。 (3) 期間 契約締結日から起算して30日間(以下「有効期間」という。)の期間満了時に終了する。ただし、C等は、単独の自由裁量により、事前予告なく当該期間の長さを変更する権利を留保する。 (4) 正味ローリング・ターンオーバー正味ローリング・ターンオーバーとは、ローリングプログラムの有効期間 中に顧客が取得したNNチップの合計額(ライブチップと交換して取得するものを含む。)と、ローリングプログラム終了時に返却したNNチップの グ・ターンオーバーとは、ローリングプログラムの有効期間 中に顧客が取得したNNチップの合計額(ライブチップと交換して取得するものを含む。)と、ローリングプログラム終了時に返却したNNチップの合計額の差額(すなわち、顧客がローリングプログラムの有効期間中に各ゲームに賭けたNNチップの合計額)をいう。 (5) インセンティブ 顧客は、正味ローリング・ターンオーバーが最低基準額(Cにおいては5万シンガポールドル)を超えていた場合、インセンティブとして次の3つが付与される(以下、これらを併せて「コミッション等」という。)。ただし、C等は、その自由裁量により、最低基準額に満たない場合であっても後記イ・ウについては支払うことができる。 ア特典正味ローリング・ターンオーバーの0.1%相当額の特典(有効期間中に顧客が負担する宿泊代、飲食代及び航空運賃に充てることができる、いわゆるポイントと同様のもの)イローリング・コミッション 正味ローリング・ターンオーバーの0.4%~0.95%(プレミアム プレイヤーの場合、正味ローリング・ターンオーバーの額に応じて順次増加し、最大0.95%となる。)相当額の現金ウインセンティブ・ボーナス正味ローリング・ターンオーバーの0.2%相当額の現金(6) クレジットプレイヤー クレジットプレイヤーは、コミッション等の獲得条件として、C等に対する未払債務を完済しなければならない。 (7) 一般条項C等は、ローリングプログラムの顧客への通知なく、①預託口座内の資金、②顧客に支払い、又は付与されたローリング・コミッション又はインセンテ ィブ・ボーナスの金額の全部又は一部を、いつでも充当、相殺又は引き落としし、顧客のC等又はその関連会社に対する債務の 金、②顧客に支払い、又は付与されたローリング・コミッション又はインセンテ ィブ・ボーナスの金額の全部又は一部を、いつでも充当、相殺又は引き落としし、顧客のC等又はその関連会社に対する債務の全部又は一部の弁済に充てることができる。 C等は、単独の自由裁量により、予告なく、ローリングプログラムの規約を修正し、又はローリングプログラムを終了させることができる。 2 本件各クレジット契約の概要本件各クレジット契約の概要は、次のとおりである。 (1) B(乙3)アカジノクレジットは、カジノ行為の目的に限定して利用する。 イ信用枠の引き出しは、その都度別個の取引とみなされる。 ウ B又はその関連会社は、その自由裁量にて、借主が払戻しを請求する全てのチップを、まず借主がB又はその関連会社に対して負うクレジット未払残高(信用枠の範囲内でチップを受け取ったことにより生じた債務のこと。以下「未払債務」という。)に充当し、残額があればそれを借主に返金できる。 (2) C(乙2) ア貸主から借主への信用枠の供与は、借主が貸主のカジノ施設でカジノ行為をする目的に限り、貸主から借主にチップを提供する方法により行われる。貸主が借主に信用枠を供与する場合には、その都度、借主は貸主が要求する有価証券を作成することに同意する。 イ借主は、貸主に対し、信用枠の範囲内でチップを提供するよう要求する。 ウ貸主は、自らの自由裁量で決定する金額(ただし、上記イに定める上限額の範囲内とする。)のチップを借主に提供することに同意する。 エ借主は、C等に対して、受け取ったチップの金額を返済日に支払う。返済日は、有価証券の日付とする。 オ借主は、未払債務を、手数料その他いかなる控除も行うことなく、貸主 が に同意する。 エ借主は、C等に対して、受け取ったチップの金額を返済日に支払う。返済日は、有価証券の日付とする。 オ借主は、未払債務を、手数料その他いかなる控除も行うことなく、貸主 が指定する支払場所にて支払うか、または借主が署名した有価証券の支払用資金を銀行に入金する方法により支払うことに同意する。貸主は、借主からの返済額に対する割引、返戻金又はコミッションに関しては、ここに本契約の一部として組み込まれるプログラム契約に従い、かつ、借主が未払債務(当該割引、返戻金又はコミッションを控除する。)を完済した場合 に限り、その義務を負うものとする。 カ貸主は、借主が換金可能であるか又は換金を請求するチップに関して、その自由裁量により、本契約又はBの関連会社が供与するクレジット口座に基づく未払債務にまず充当できる。 (3) D(甲4の2の5) 上記(2)とほぼ同じ。 3 Bにおける換金制限(乙6)Bは、平成26年1月20日から平成29年5月18日までの間、米国民を除く顧客によるチップの換金について、1ゲーム日当たり20万米ドル(又は信用枠の20%相当額のいずれか低い方)に制限していた(以下、この制限を 「B換金制限」という。)。 4 チップを換金する際の手続(甲16の2~19、乙5、弁論の全趣旨)シンガポール法は、マネーロンダリング対策として、カジノ会社による本人確認及び取引確認の実施について規定しており、カジノ会社は、所定の場合には顧客に対する本人確認の実施を義務付けられ、また、マネーロンダリングや金融犯罪を探知・予防するため、カスタマーデューデリジェンス対策等を定め た内部方針、内部手続及び内部管理を策定・実行することを求められている。 Cは、これを受けて、カスタマーデューデリジ グや金融犯罪を探知・予防するため、カスタマーデューデリジェンス対策等を定め た内部方針、内部手続及び内部管理を策定・実行することを求められている。 Cは、これを受けて、カスタマーデューデリジェンスに関して厳重かつ徹底的な内部方針、内部手続及び内部管理を制定しており、チップを換金するに当たっては、チップが顧客による正当なカジノ行為の結果として獲得されたものであることを確認するなど、顧客に対するカスタマーデューデリジェンス対策 に係る手続(以下「本件確認等手続」という。)を実施している。 以上 (別紙4)本件各更正処分等の根拠及び適法性 1 本件バカラ所得の計算の前提(1) 本来あるべき計算本件バカラ所得に係る一時所得の金額の計算は、予想が的中したゲームごと に、配当として受けたチップの額面相当額から賭けたチップ(以下「賭け金」ということがある。)の額面相当額を控除して行い、個々に算出した所得金額を、予想が的中した時を収入計上時期として合計したものがその年における所得金額となる。 (2) α税務署長のした計算及びその合理性 α税務署長は、米国、シンガポール及びマカオの各税務当局から本件バカラに係る情報が記載された資料(以下「本件情報交換資料」という。乙11)によっても、本件バカラ所得に係るゲームごとの損益(配当として受けたチップ及び賭けたチップの各額面相当額)を把握することができなかった。 そこで、α税務署長は、次のとおり、本件情報交換資料から把握できる最小 単位で把握した損益をベースとし、また、このように最小単位で把握された損益が赤字損失の場合は、当該最小単位における一時所得の金額を0円として計算し、原告には、本件各年分において、少なくとも別表7の「総収入金額-支出」(合計 とし、また、このように最小単位で把握された損益が赤字損失の場合は、当該最小単位における一時所得の金額を0円として計算し、原告には、本件各年分において、少なくとも別表7の「総収入金額-支出」(合計)④欄記載の各金額の本件バカラ所得が生じており、かつ、その申告がされていないと判断した。 これは、一時所得の金額の計算方法に可能な限り沿ったものであり、また、上記(1)のとおり計算されるべき真実の所得金額に最も近いものであり、かつ、これを下回ることから、納税者である原告に有利な金額であるので、合理性がある。 ア米国における本件バカラ所得の金額 Bに係る本件情報交換資料には、月ごとの損益が記載されていた(別表1 参照)。 同じ月中に原告が複数回の本件バカラを行い、その中に、予想が的中し配当を得たゲームと予想が外れて賭け金を失ったゲームがある場合、上記月ごとの損益には、これらの結果(損益)が合算されることになるから、予想が外れたゲームに係る賭け金の金額は、予想が的中したゲームに係る配当から控 除されることになる。 α税務署長は、利益が生じた月における当該利益の合計額をもってその年の本件バカラ所得に係る一時所得の金額(所得税法34条2項により、総収入金額からその収入を得るために支出した金額の合計額を控除した金額であり、特別控除額を控除する前の金額をいう。以下同じ。)を算定しているが、 これは、上記(1)により計算されるべき真実の所得金額と比較して、予想が外れたゲームに係る賭け金の額面相当額分を下回った金額となるので、納税者である原告に有利な金額となる。 また、α税務署長は、平成28年分及び平成29年分については本件バカラに係る取引はなく、平成30年分(12月分)の損益は赤字であったことか ら、これら 納税者である原告に有利な金額となる。 また、α税務署長は、平成28年分及び平成29年分については本件バカラに係る取引はなく、平成30年分(12月分)の損益は赤字であったことか ら、これらの年分の本件バカラ所得に係る一時所得の金額を0円と算定した。 イシンガポールにおける本件バカラ所得の金額Cに係る本件情報交換資料には、原告が会員カードをカジノ施設で提示するごとに付される識別番号(SlipID)を一つの単位として、当該単位ごとに開始時刻(TimeIn)及び終了時刻(TimeOut)並びに損益(EstimatedPatron Win/(Loss))等が記載されていた(別表2~5参照。以下、この識別番号ごとの単位を「会員カード提示単位」という。)。ただし、会員カード提示単位ごとの損益は、開始から終了までの一定の時間内に原告が参加した複数のゲームに係る損益が合算されたものであり、個々のゲームごとの損益ではなかった。 原告が会員カードを提示して複数回の本件バカラを行い、その中に、予想 が的中し配当を得たゲームと予想が外れて賭け金を失ったゲームがある場合、上記会員カード提示単位ごとの損益には、これらの結果(損益)が合算されることになるから、予想が外れたゲームに係る賭け金の金額は、予想が的中したゲームに係る配当から控除されることになる。 α税務署長は、会員カード提示単位ごとの損益のうち、利益が生じた単位 における当該利益の合計金額をもってその年の本件バカラ所得に係る一時所得の金額を算定しているが、これは、上記(1)により計算されるべき真実の所得金額と比較して、予想が外れたゲームに係る賭け金の額面相当額分を下回った金額となるので、納税者である原告に有利な金額となる。 ウマカオにおける本件バカラ所得 記(1)により計算されるべき真実の所得金額と比較して、予想が外れたゲームに係る賭け金の額面相当額分を下回った金額となるので、納税者である原告に有利な金額となる。 ウマカオにおける本件バカラ所得の金額 Dに係る本件情報交換資料には、年ごとの損益が記載されており、また、原告に利益が生じた年はなかった(別表6)。 当年中に原告が複数回の本件バカラを行い、その中に予想が的中して配当を得たゲームと予想が外れて賭け金を失ったゲームがある場合、当該年間損益には、これらの結果(損益)が合算されることになるから、予想が外れたゲ ームに係る賭け金の金額は、予想が的中したゲームに係る配当から控除されることとなり、予想が的中したゲームに係る利益(配当)があっても、予想が外れたゲームに係る損失(賭け金)が多ければ、年間損益は0円と算出されることとなる。 α税務署長は、本件バカラ所得に係る一時所得の金額を0円と算定してい るが、これは、上記(1)により計算されるべき真実の所得金額と同一かそれを下回る金額である。 2 本件各更正処分の根拠被告が本件訴訟において主張する原告の本件各年分の所得税等の納付すべき税額は、次のとおりである(なお、特段の記載がない部分は、本件各確定申告書に 記載された金額と同額である。ただし、国税通則法(以下「通則法」という。)1 18条1項により1000円未満の端数を切り捨てた後のものを含む。)。 (1) 平成27年分ア総所得金額(次の(ア)及び(イ)の合計額) 6億4095万0675円(ア) 給与所得の金額 9955万円(イ) 一時所得の金額(総所得金額に算入すべき一時所得の金額。以下同じ。) 5億4140万0675円原告の平成27年分 給与所得の金額 9955万円(イ) 一時所得の金額(総所得金額に算入すべき一時所得の金額。以下同じ。) 5億4140万0675円原告の平成27年分の本件バカラ所得の金額として、本件情報交換資料に基づき算定した、原告が平成27年中に米国又はシンガポールにおいて得た、次のa及びbの本件バカラ所得の金額の合計額(別表7の④欄)から一時所得の特別控除額50万円を控除した金額の2分の1に相当する金 額を指す(別表7の⑦欄)。 a 米国分(別表1の1「年間損益合計」の「③円換算額」欄)3億4137万7184円b シンガポール分(別表2の2「損益合計」の「②円換算額(利益合計)」欄) 7億4192万4167円イ分離先物取引に係る雑所得等の金額 593万2420円ウ所得控除の額の合計額 192万4998円エ課税総所得金額 6億3902万5000円上記アの金額から上記ウの金額を控除した後の金額(ただし、通則法11 8条1項により1000円未満の端数を切り捨てた後のもの。後記(2)ないし(4)の各エにおいて同じ。)を指す。 オ課税分離先物取引に係る雑所得等の金額 593万2000円カ納付すべき税額 2億4973万4300円次の(ア)及び(イ)の合計額に、(ウ)の額を加算した後の金額から、(エ)及び(オ) の各金額を控除した金額(ただし、東日本大震災からの復興のための施策を 実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(以下「復興財源確保法」という。)24条2項により100円未満の端数を切り捨てた後のもの。 後記(2)ないし(4)の各オにお 興のための施策を 実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(以下「復興財源確保法」という。)24条2項により100円未満の端数を切り捨てた後のもの。 後記(2)ないし(4)の各オにおいて同じ。)を指す。 (ア) 課税総所得金額に対する税額 2億8276万5250円上記エの金額に所得税法89条1項を適用して算出した金額を指す。 (イ) 課税分離先物取引に係る雑所得等の金額に対する税額88万9800円上記オの金額に租税特別措置法(以下「措置法」という。)41条の14第1項の税率(100分の15)を乗じて算出した金額を指す。 (ウ) 復興特別所得税の額 595万6756円上記(ア)及び(イ)の合計額2億8365万5050円に、復興財源確保法 13条を適用して算出した金額を指す。 (エ) 源泉徴収税額 3616万1079円(オ) 予定納税額 371万6400円(2) 平成28年分ア総所得金額(次の(ア)及び(イ)の合計額) 1億1955万8040円 (ア) 給与所得の金額 1億0770万円(イ) 一時所得の金額 1185万8040円本件情報交換資料に基づき算定した原告の平成28年分のシンガポールにおける本件バカラ所得の金額である2421万6081円(別表3の2「損益合計」の「②円換算額(利益合計)」欄)から一時所得の特別控除額5 0万円を控除した後の金額の2分の1に相当する金額を指す(別表7の⑦欄)。 イ分離先物取引に係る雑所得等の金額 0円ウ所得控除の額の合計額 0万円を控除した後の金額の2分の1に相当する金額を指す(別表7の⑦欄)。 イ分離先物取引に係る雑所得等の金額 0円ウ所得控除の額の合計額 201万7387円エ課税総所得金額 1億1754万円 上記アの金額から上記ウの金額を控除した後の金額を指す。 オ納付すべき税額 441万0900円次の(ア)の税額に、(イ)の額を加算した後の金額から、(ウ)及び(エ)の各金額を控除した金額を指す。 (ア) 課税総所得金額に対する税額 4809万7000円上記エの金額に所得税法89条1項を適用して算出した金額を指す。 (イ) 復興特別所得税の額 101万0037円上記(ア)の税額に、復興財源確保法13条を適用して算出した金額を指す。 (ウ) 源泉徴収税額 4216万5441円(エ) 予定納税額 253万0600円 (3) 平成29年分ア総所得金額(次の(ア)及び(イ)の合計額) 2億0901万9382円(ア) 給与所得の金額 1億4180万円(イ) 一時所得の金額 6721万9382円本件情報交換資料に基づき算定した原告の平成29年分のシンガポール における本件バカラ所得の金額である1億3493万8765円(別表4の2「損益合計」の「②円換算額(利益合計)」欄)から一時所得の特別控除額50万円を控除した後の金額の2分1に相当する金額を指す(別表7の⑦欄)。 イ分離先物取引に係る雑所得等の 65円(別表4の2「損益合計」の「②円換算額(利益合計)」欄)から一時所得の特別控除額50万円を控除した後の金額の2分1に相当する金額を指す(別表7の⑦欄)。 イ分離先物取引に係る雑所得等の金額 0円 次の(ア)の金額から(イ)の金額を差し引いた後の金額を指す。 (ア) 本年分の先物取引に係る雑所得等の金額 889万3698円(イ) 本年分で差し引く先物取引の差金等決済に係る所得の損失の額889万3698円ウ所得控除の額の合計額 207万6157円 エ課税総所得金額 2億0694万3000円 上記アの金額から上記ウの金額を控除した後の金額を指す。 オ納付すべき税額 3108万3500円次の(ア)の税額に、(イ)の額を加算した後の金額から、(ウ)及び(エ)の各金額を控除した金額である。 (ア) 課税総所得金額に対する税額 8832万8350円 上記エの金額に所得税法89条1項を適用して算出した金額を指す。 (イ) 復興特別所得税の額 185万4895円上記(ア)の税額に、復興財源確保法13条を適用して算出した金額を指す。 (ウ) 源泉徴収税額 5810万4078円 (エ) 予定納税額 99万5600円(4) 平成30年分ア総所得金額(次の(ア)ないし(ウ)の合計額) 4億1671万1937円(ア) 不動産所得の金額 △1万7482円(金額の前の△は損失を示す) (イ) 給与所得の金額 ウ)の合計額) 4億1671万1937円(ア) 不動産所得の金額 △1万7482円(金額の前の△は損失を示す) (イ) 給与所得の金額 1億9580万円(ウ) 一時所得の金額 2億2092万9419円本件情報交換資料に基づき算定した原告の平成30年分のシンガポールにおける本件バカラ所得の金額である4億4235万8839円(別表5の2「損益合計」の「②円換算額(利益合計)」欄)から一時所得の特別控除 額50万円を控除した後の金額の2分の1に相当する金額を指す(別表7の⑦欄)。 イ分離先物取引に係る雑所得等の金額 0円次の(ア)の金額から(イ)の金額を差し引いた後の金額を指す。 (ア) 本年分の先物取引に係る雑所得等の金額 3484万3786円 (イ) 本年分で差し引く先物取引の差金等決済に係る所得の損失の額 3484万3786円ウ所得控除の額の合計額 245万4651円エ課税総所得金額 4億1425万7000円上記アの金額から上記ウの金額を控除した後の金額を指す。 オ納付すべき税額 1億0193万1500円 次の(ア)の税額に、(イ)の額を加算した後の金額から、(ウ)及び(エ)の各金額を控除した金額を指す。 (ア) 課税総所得金額に対する税額 1億8161万9650円上記エの金額に所得税法89条1項を適用して算出した金額を指す。 (イ) 復興特別所得税の額 381万4012円 上記(ア)の税額に、復興財源確保法13条を適用して 上記エの金額に所得税法89条1項を適用して算出した金額を指す。 (イ) 復興特別所得税の額 381万4012円 上記(ア)の税額に、復興財源確保法13条を適用して算出した金額を指す。 (ウ) 源泉徴収税額 8270万5476円(エ) 予定納税額 79万6600円 3 本件各更正処分の適法性 被告が本件訴訟において主張する原告の本件各年分の所得税等の納付すべき税額は、次のとおりである。これらの税額は、いずれも本件各更正処分における納付すべき税額と同額であるから、本件各更正処分は適法である。 平成27年分(上記2(1)カ) 2億4973万4300円平成28年分(同(2)オ) 441万0900円 平成29年分(同(3)オ) 3108万3500円平成30年分(同(4)オ) 1億0193万1500円 4 本件各賦課決定処分の根拠被告が本件訴訟において主張する原告の本件各年分の過少申告加算税の額は、次のとおりである。 なお、原告において、本件各更正処分に基づき新たに納付すべき税額の計算の 基礎となった事実のうちに、本件各更正処分前における税額の計算の基礎とされていなかったことにつき、通則法65条(平成27年分については、平成28年法律第15号による改正前のもの。以下同じ。)4項1号(上記改正前の4項)にいう「正当な理由」があると認められるものはない。 (1) 平成27年分の過少申告加算税の額(次のア及びイの各金額の合計額) 3526万8000円ア通常分の過少申告加算税の額 2487万 があると認められるものはない。 (1) 平成27年分の過少申告加算税の額(次のア及びイの各金額の合計額) 3526万8000円ア通常分の過少申告加算税の額 2487万4000円原告の平成27年分の所得税等の更正処分(以下、「平成27年分更正処分」といい、他の年分も同様に表記する。)により原告が新たに納付すべきこととなった税額2億4874万円(ただし、通則法118条3項及び復興財源確 保法24条6項により1万円未満の端数金額を切り捨てた後のもの。下記(2)、(3)及び(4)アにおいて同じ。)に100分の10の割合を乗じて計算した金額を指す(通則法65条1項及び復興財源確保法24条4項)。 イ加重分の過少申告加算税の額 1039万4000円平成27年分更正処分により原告が新たに納付すべきこととなった税額2 億4874万6300円のうち、平成27年分の所得税等に係る期限内申告税額に相当する金額4086万5479円(通則法65条3項2号及び復興財源確保法24条4項に基づき、予定納税額371万6400円(上記2(1)カ(オ))、源泉徴収税額3616万1079円(同(エ))及び納付すべき税額98万8000円と50万円とのいずれか多い方の金額である4086万54 79円を超える部分に相当する税額2億0788万円(ただし、通則法118条3項及び復興財源確保法24条6項により1万円未満の端数金額を切り捨てた後のもの。下記(4)イにおいて同じ。)に100分の5の割合を乗じて計算した金額を指す(通則法65条2項及び復興財源確保法24条4項)。 (2) 平成28年分の過少申告加算税の額 54万4000円 平成28年分更正処分により原告が新たに納付すべきことと 指す(通則法65条2項及び復興財源確保法24条4項)。 (2) 平成28年分の過少申告加算税の額 54万4000円 平成28年分更正処分により原告が新たに納付すべきこととなった税額54 4万円に100分の10の割合を乗じて算出した金額を指す(通則法65条1項及び復興財源確保法24条4項)。 (3) 平成29年分の過少申告加算税の額 308万8000円平成29年分更正処分により原告が新たに納付すべきこととなった税額3088万円に100分の10の割合を乗じて算出した金額を指す(通則法65条 1項及び復興財源確保法24条4項)。 (4) 平成30年分の過少申告加算税の額(次のア及びイの各金額の合計額)1102万8500円ア通常分の過少申告加算税の額 1015万円平成30年分更正処分により原告が新たに納付すべきこととなった税額1 億0150万円に100分の10の割合を乗じて計算した金額を指す(通則法65条1項及び復興財源確保法24条4項)。 イ加重分の過少申告加算税の額 87万8500円平成30年分更正処分により原告が新たに納付すべきこととなった税額1億0150万6300円のうち、平成30年分の所得税等に係る期限内申告 税額に相当する金額8392万7276円(通則法65条3項2号及び復興財源確保法24条4項に基づき、予定納税額79万6600円(上記2(4)オ(エ))、源泉徴収税額8270万5476円(同(ウ))及び納付すべき税額42万5200円と50万円とのいずれか多い方の金額である8392万7276円を超える部分に相当する税額1757万円に100分の5の割合を乗じ て計算した金額を指す(通則法65条2項及 き税額42万5200円と50万円とのいずれか多い方の金額である8392万7276円を超える部分に相当する税額1757万円に100分の5の割合を乗じ て計算した金額を指す(通則法65条2項及び復興財源確保法24条4項)。 5 本件各賦課決定処分の適法性被告が本件訴訟において主張する原告の本件各年分の過少申告加算税の額は、次のとおりである。これらの税額は、いずれも本件各賦課決定処分における過少申告加算税の額と同額であるから、本件各賦課決定処分はいずれも適法である。 平成27年分(上記4(1)) 3526万8000円 平成28年分(同(2)) 54万4000円平成29年分(同(3)) 308万8000円平成30年分(同(4)) 1102万8500円以上

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