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主文 本件上告を棄却する。当審における訴訟費用は被告人の負担とする。理由 弁護人杉本粂太郎の上告趣意第一点について。所論は、本件犯行(第一審判決判示第一の事実)は被告人が昭和三二年一二月二八日盛岡地方裁判所花巻支部で判決を受けた詐欺被告事件の犯行(自転車騙取)以前の犯行であつて、本来本件は右自転車詐欺事件と併合してこれを起訴し同支部において併合審判すべきであつたのに事ここにいでなかつたのは違法であると主張するけれども、事件の状況により、検察官が同一人の犯した数罪を各別に起訴し、あるいは裁判所がこれを各別に審判することのありうることは法の予定するところであり、かような各別の起訴もしくは各別の審判を違法であるということはできない。記録によれば、所論自転車詐欺事件については昭和三三年四月九日有罪判決確定し、被告人はその刑に服役中同年六月五日本件起訴を受けたこと明らかであるから、原審が右確定事件を本件と併合して審判の対象とするごときことをしなかつたのは当然である。所論は、かように併合罪中の一部のみを起訴し右裁判確定後他を起訴審判した原判決は憲法三七条一項に違反するというが、憲法同条項にいう「公平な裁判所の裁判」とは「偏頗や不公平の虞のない組織と構成をもつた裁判所による裁判」を意味するものであること当裁判所大法廷の数次の判例(昭和二二年(れ)四八号同二三年五月二六日大法廷判決等)とするところであるから、違憲の所論は採用するに足りない。同第二点について。所論は、被告人の警察、検察庁における供述調書は作為的不自然かつ誘導による疑がある、しかるに関係人を証人として取り調べず右調書を証拠に採用したのは憲- 1 -法三八条一項に違反すると主張する。しかし、記録によれば、被告人の右各供述調 供述調書は作為的不自然かつ誘導による疑がある、しかるに関係人を証人として取り調べず右調書を証拠に採用したのは憲- 1 -法三八条一項に違反すると主張する。 二点について。所論は、被告人の警察、検察庁における供述調書は作為的不自然かつ誘導による疑がある、しかるに関係人を証人として取り調べず右調書を証拠に採用したのは憲- 1 -法三八条一項に違反すると主張する。しかし、記録によれば、被告人の右各供述調 供述調書は作為的不自然かつ誘導による疑がある、しかるに関係人を証人として取り調べず右調書を証拠に採用したのは憲- 1 -法三八条一項に違反すると主張する。しかし、記録によれば、被告人の右各供述調書は被告人及び弁護人においてこれを証拠とすることに同意しているので証拠能力あるものであること原判示のとおりであり、また、第一、二審は被害者その他の関係人を証人として公判廷で尋問しているのであるから、所論は前提を欠き、その余の論旨は事実誤認の主張にすぎず、すべて採用することができない。同第三点は、憲法三七条一項違反をいうが、実質は単なる量刑不当の主張にすぎず、同弁護人の追加上告趣意は事実誤認の主張にすぎず、すべて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。被告本人の上告趣意第一点(二)は本件は上記花巻支部で判決を受けた自転車詐欺事件と併合審判せらるべきであつたというが、所論の採りえないこと弁護人杉本粂太郎の上告趣意第一点において説示したとおりである。また所論は、本件は右詐欺事件と同一事件であつてすでに審理済みであると主張するが、右事件と本件とは犯行の日時、場所、相手方、目的物その他において互いに公訴事実を異にし同一性なきこと記録上明らかであるから右事件の既判力が本件に及ばないこともちろんであり所論は採用するに足りない。同(三)は、本件第一、二審の審理中被告人は前記自転車詐欺事件の確定判決により服役中であつたから本件につき防禦権を十分行使できなかつたというが、被告人はいかなる事項につき、いかなる点において、もしくはいかに不法に防禦権を制限されたかに関し何ら具体的に主張するところがないのみならず、記録によると、被告人は右確定判決により昭和三三年四月九日から同年一二月三日まで服役中、本件第一審及び第二審において各公判期日に自から出廷し、それぞれ国選弁 ら具体的に主張するところがないのみならず、記録によると、被告人は右確定判決により昭和三三年四月九日から同年一二月三日まで服役中、本件第一審及び第二審において各公判期日に自から出廷し、それぞれ国選弁護人の選任を受け、その国選弁護人も各公判期日に出廷し被告人防禦の任に当たつたことが認められ、別段被告人の防禦権、弁護人の援助を受ける権利が不法に侵害された事跡は認めることができない。 廷し、それぞれ国選弁 ら具体的に主張するところがないのみならず、記録によると、被告人は右確定判決により昭和三三年四月九日から同年一二月三日まで服役中、本件第一審及び第二審において各公判期日に自から出廷し、それぞれ国選弁護人の選任を受け、その国選弁護人も各公判期日に出廷し被告人防禦の任に当たつたことが認められ、別段被告人の防禦権、弁護人の援助を受ける権利が不法に侵害された事跡は認めることができない。所論は採用することができない。- 2 -その余の論旨はいずれも事実誤認の主張で刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。昭和三四年五月二六日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官垂水克己裁判官島保裁判官河村又介裁判官石坂修一- 3 -
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