平成14(行ウ)9 軽油引取税更正処分取消等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成15年2月13日 大阪地方裁判所 租税
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判決文本文10,160 文字)

主文 原告の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 被告大阪府中央府税事務所長が平成13年4月13日付けで原告に対してした軽油引取税に係る更正処分のうち不足金額3025万3608円の部分を取り消す。 2 被告大阪府は,原告に対し,3532万2108円並びにうち3025万3608円に対する平成13年5月2日から支払済みまで年7.3パーセント,うち55万3500円に対する同年6月5日から支払済みまで年7.3パーセント及びうち451万5000円に対する同年12月26日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は,被告大阪府中央府税事務所長が,原告に対して,軽油引取税に係る更正処分を行ったところ,原告が輸入軽油に関する軽油引取税の納税義務者は輸入業者であると主張して,被告大阪府中央府税事務所長に対し,上記更正処分の取消しを求めるとともに,被告大阪府に対し,過誤納金返還請求権及び国家賠償請求権に基づき,上記更正処分に従って原告が納入した軽油引取税及び延滞金相当額並びに本件訴訟に要した弁護士費用の支払を求める事案である。 1 争いのない事実等(1) 原告は,平成13年法律第8号による改正前の地方税法(以下「旧法」という。)700条の6の4による東京都知事の指定を受けた特約業者であり,700条の11による登録特別徴収義務者である。 (2) 原告は,平成12年7月ないし平成13年1月までの間,原告大阪支店において,別紙記載の経路により,有限会社八州洋行から輸入軽油(以下「本件軽油」という。)を引き取り,それぞれ消費者に引き渡した(甲12~18(各枝番を含む。))。 (3) 原告は,平成12年7月から平成13年1月までの軽油引取税の申告に当たり,本件軽 軽油(以下「本件軽油」という。)を引き取り,それぞれ消費者に引き渡した(甲12~18(各枝番を含む。))。 (3) 原告は,平成12年7月から平成13年1月までの軽油引取税の申告に当たり,本件軽油は既に輸入業者が軽油引取税を申告納付し軽油引取税が課された軽油であるとして,旧法700条の5第2号により,被告大阪府中央府税事務所長(以下「被告事務所長」という。)に対し,それぞれ八州洋行の課税済証明書を添付して軽油引取税納入申告書を提出し,課税免除の申告を行った。 (4) 原告は,大阪府中央府税事務所(以下「府税事務所」という。)担当者から,本件軽油に関し,輸入業者から原告までの商流に沿った各社の課税済申告書をすべて提出するよう連絡を受けた。そこで,原告は,仕入先に依頼してこれを入手し,平成13年2月に府税事務所に提出した。 (5) 原告は,平成13年3月ころ,府税事務所担当者から,本件軽油に関し,輸入業者の納付申告書等課税済みの証明となるものを提出するように連絡を受けた。原告は,同月23日,府税事務所に対し,本件軽油に関する申告納付を確認できるものとして,平成12年12月分の申告書の写しを送付したが,同月分以外の申告書の写しは提出しなかった。 (6) 本件軽油に係る軽油引取税のうち,平成12年12月分については既に輸入業者において申告納付されていたが,それ以外の軽油引取税については,輸入業者が申告納付しておらず未課税のままである。 (7) 被告事務所長は,平成13年4月13日付けで,平成12年12月分を除く本件軽油について課税免除を承認せず,これらの軽油の引渡し数量を当初申告の課税標準量に加え,法定欠減量分100分の1を差し引いた数量に税率(1リットル当たり32.1円)を乗じて軽油引取税額を算出し,当初の申告額との差額(不足金額)を3025 軽油の引渡し数量を当初申告の課税標準量に加え,法定欠減量分100分の1を差し引いた数量に税率(1リットル当たり32.1円)を乗じて軽油引取税額を算出し,当初の申告額との差額(不足金額)を3025万3608円とする軽油引取税に係る更正処分(以下「本件処分」という。)をした。 (8) 被告事務所長は,同年6月ころ,原告に対し,前記不足金額分の軽油引取税(以下「本税」という。)の延滞金55万3500円を,同月8日を支払期限として支払うよう請求した。 原告は,被告大阪府に対し,同年5月1日に本税を納入し,同年6月4日に延滞金を納入した。 (9) 原告は,同年6月6日付けで,大阪府知事に対し,本件処分の審査請求を行ったが,大阪府知事は,同年11月1日付けで,本件処分の審査請求を棄却する旨の裁決をなし,同月5日,裁決書が原告に送達された。 (10) 旧法の定め700条の3第1項軽油引取税は,特約業者又は元売業者からの軽油の引取り(特約業者の元売業者からの引取り及び元売業者の他の元売業者からの引取りを除く。)で当該引取りに係る軽油の現実の納入を伴うものに対し,その数量を課税標準として,当該軽油の納入地(括弧内省略)所在の道府県において,その引取りを行う者に課する。 700条の4第1項軽油引取税は,前条に規定する場合のほか,次の各号に掲げる者の当該各号に掲げる消費又は譲渡に対し,当該消費又は譲渡を同条第1項に規定する引取りと,当該消費又は譲渡をする者を同項に規定する引取りを行う者とみなし,その数量を課税標準として,(中略),第5号の場合にあっては当該消費又は譲渡をする者の当該消費又は譲渡について直接関係を有する事務所又は事業所所在の道府県において,それぞれ当該消費又は譲渡をする者に課する。 5号特約業者及び元売業者以外の者が軽油の製造又は輸入 費又は譲渡をする者の当該消費又は譲渡について直接関係を有する事務所又は事業所所在の道府県において,それぞれ当該消費又は譲渡をする者に課する。 5号特約業者及び元売業者以外の者が軽油の製造又は輸入をして,当該製造又は輸入に係る軽油を自ら消費し,又は他の者に譲渡する場合における当該軽油の消費又は譲渡700条の5道府県は,次に掲げる軽油の引取りに対しては,第700条の11第4項の規定による道府県知事の承認があった場合に限り,軽油引取税を課さないものとする。 2号既に軽油引取税を課された軽油に係る引取り700条の10軽油引取税の徴収については,特別徴収の方法によらなければならない。ただし,第700条の3第3項から第6項まで又は第700条の4の規定によって軽油引取税を課する場合その他特別の必要がある場合における徴収は,申告納付の方法によるものとする。 (11) 旧法は,平成13年3月30日に一部改正され,元売業者及び特約業者以外の者が行う軽油の輸入を「引取り」とみなして課税することになったため(地方税法700条の4第1項6号),元売業者及び特約業者以外の者が軽油を輸入しようとする場合は,軽油の引取りが行われた月の翌月末日ではなく,輸入の時(通関許可時)までに軽油引取税を申告しなければならなくなった。改正後の地方税法は平成13年4月1日に施行され,同法700条の4第1項6号の規定は同年6月1日以降に輸入される軽油について適用される(平成13年法律第8号附則1,12条)。 2 争点及び当事者の主張(1) 平成12年12月分を除く本件軽油に係る軽油引取税を原告に課することの可否(争点(1))(原告の主張)ア旧法700条の4第1項5号によれば,元売業者及び特約業者以外の者が輸入した軽油については,輸入者による輸入軽油の譲渡自体が課税客 油引取税を原告に課することの可否(争点(1))(原告の主張)ア旧法700条の4第1項5号によれば,元売業者及び特約業者以外の者が輸入した軽油については,輸入者による輸入軽油の譲渡自体が課税客体であり,当該譲渡をする者に対して課するとされている。旧法700条の4が「前条に規定する場合のほか」と規定していること,また700条の10が,700条の3のような原則的な課税については特別徴収の方法とするとしながら,ただし書きにおいて700条の4による課税については申告納付の方法とすると定めていることから,700条の4は700条の3の例外規定であって,700条の3が輸入軽油について適用されることはありえない。したがって,本件軽油に係る軽油引取税の納税義務者は輸入業者であって,本件処分は課税要件がなく,租税法律主義に違反するものである。 イ原告は,本件軽油を仕入れる際,仕入先から課税済証明書を入手し,仕入先に対して軽油引取税額分を含めた代金額を支払っており,仕入額が不当に低いということはなかった。旧法制度の下では,輸入軽油については,輸入業者が,毎月末日までに前月初日から末日までの間の取引内容をその消費又は譲渡について直接関係を有する事務所等の所在地の道府県知事に申告することになっており,譲渡時期と申告期限が著しくずれているため,極めて短期間に多数の業者が介在して行われる軽油取引において,課税済みとして出回っている軽油が取引時点において課税済みであるか否かを確認することができないという状況であった。このような立法の不備があるにもかかわらず,特別徴収義務者であるとの一事をもって特約業者に納税義務を認め,実質二重課税となるような法解釈を採るべきでない。輸入軽油については特約業者が介在しない取引もあり,商流に特約業者が介在したことを契機に軽油引取 務者であるとの一事をもって特約業者に納税義務を認め,実質二重課税となるような法解釈を採るべきでない。輸入軽油については特約業者が介在しない取引もあり,商流に特約業者が介在したことを契機に軽油引取税の納税義務を認めるべきではない。そもそも,本件軽油の軽油引取税については,輸入業者の事務所等所在地の道府県に徴収権限があるのであり,大阪府には徴収権限がない。それにもかかわらず,特約業者である原告が大阪府内において輸入軽油の取引を行ったために,大阪府が徴収権限を得るのは違法である。被告事務所長も,平成12年12月分軽油引取税については輸入業者が申告納付していたため,原告に対して更正処分を行っておらず,輸入業者を納税義務者であると認めているのであるから,他の月についても同様に扱うべきである。 ウ東京都をはじめ大阪府以外の地方自治体は,平成13年4月ころ,地方税法の改正を受けて,同月以降,輸入軽油について輸入業者が軽油引取税の申告納付を行っていない場合には,特約業者に対し軽油引取税を課税する旨の通知を出し,それ以前においては,特約業者に対して課税処分を行わないことを明らかにし,実際に課税処分を行うこともなかった。それに対して,大阪府は,事前の通知を出すこともなく(原告が被告事務所長の通知を知ったのは平成13年8月9日である。)本件処分を行っており,他の地方自治体と全く対応が異なっており,まさに法の恣意的解釈というべきで,租税公平原則に反している。 エ以上によれば,本件軽油に係る軽油引取税は,本件軽油を輸入した輸入業者に課税すべきであり,原告に対する課税は違法である。 (被告の主張)ア軽油引取税は,旧法700条の3に規定しているとおり,原則として,特約業者又は元売業者から現実の納入を伴う軽油を引き取る者を納税義務者とし,当該特約業者又は元売業 は違法である。 (被告の主張)ア軽油引取税は,旧法700条の3に規定しているとおり,原則として,特約業者又は元売業者から現実の納入を伴う軽油を引き取る者を納税義務者とし,当該特約業者又は元売業者を特別徴収義務者とする課税方式を採用し,税相当額はその後の流通過程において軽油価格に転嫁され,最終的には消費者が実質的に負担することを予定している。その原則に対し,負担の公平の見地や軽油引取税の目的税たる性格等から租税負担の回避を防止するために,例外的に,旧法700条の4のみなす規定等が設けられている。旧法700条の4が,「前条に規定する場合のほか」と規定しているのは,700条の4が700条の3を補充するものであり,700条の3の規定を排除するものではないことを示している。 本件軽油は,別紙記載のとおり,輸入業者から数社の取引を経て,特約業者である原告が現実の納入を伴う引取りを行い,これを消費者に現実の納入を伴う引渡しを行ったものである。調査の結果,平成12年12月分を除く本件軽油については,当該輸入業者に対し課税権を有する道府県が軽油引取税の課税を行っていないことが明らかになり,平成12年12月分を除く本件軽油の引取りが旧法700条の5に規定する「既に軽油引取税が課された軽油に係る引取り」とは認められなかったことから,被告事務所長は,平成12年12月分を除く本件軽油に関して課税免除の承認をせず,原告が未課税の軽油を消費者等に現実の納入を伴う引渡しを行ったと判断し,原則どおり,700条の3第1項の規定により,特約業者である原告を特別徴収義務者であると認めて,本件処分を行ったものである。なお,今後,本件処分の対象となった本件軽油につき輸入業者に対して課税された場合には,本件処分のうち該当する部分は取り消され,納入された税額は還付されることにな と認めて,本件処分を行ったものである。なお,今後,本件処分の対象となった本件軽油につき輸入業者に対して課税された場合には,本件処分のうち該当する部分は取り消され,納入された税額は還付されることになる。 イ被告事務所長は,課税されていない軽油が課税済軽油として取引される事例が増加したことから,平成11年3月に,原告を含む軽油引取税の特別徴収義務者に対し,課税済軽油であることが証明されない場合には特別徴収義務者より軽油引取税を徴収する旨の文書を送付している。原告は課税免除の申告の際,同文書に添付された課税済軽油に係る引取数量等一覧表を使用していることから,同文書が原告に送付されていることは明らかである。原告は,東京都等が平成13年4月の地方税法改正を受けて同月以降の輸入軽油の取引から課税処分を行い,同月以前の取引については課税しない旨の通知を行ったと主張するが,同法改正により改正されたのは輸入軽油に係る課税方式であり,課税済軽油に係る課税免除の取扱いの規定については改正されておらず,また当該改正規定の適用は平成13年6月1日以降の輸入軽油についてのみであるから,東京都等の通知が平成13年4月以前の輸入軽油について課税しないという趣旨のものでないことは明らかである。 ウ特別徴収義務者が課税済軽油の引取りを行い,課税免除の承認を受ける場合には,旧法700条の11,同法施行規則18条の11第1項2号に規定する当該軽油の数量,先に軽油引取税を課された状況及び軽油引取税を課された後の当該軽油の流通の状況が記載された書面を添付して知事の承認を受けなければならないとされている。特別徴収義務者が課税済軽油の引取りを行う場合には,課税された状況や流通経路を確認することが要請されているのである。したがって,中間介在業者の存在や直近の仕入先が発行する課税済 らないとされている。特別徴収義務者が課税済軽油の引取りを行う場合には,課税された状況や流通経路を確認することが要請されているのである。したがって,中間介在業者の存在や直近の仕入先が発行する課税済証明書を信用したことによって免責されるものではない。特に,本件軽油の価格が一般市価よりかなり安いものであることからすれば,課税済軽油であるか否かについて十分な確認をする必要がある。 (2) 過誤納金返還請求権及び国家賠償請求権の成否(争点(2))(原告の主張)本件処分が違法であることは前述のとおりである。本件処分が取り消された場合,原告が平成13年5月1日に本税として納入した3025万3608円及び同年6月4日に延滞金として納入した55万3500円は過誤納金となるから,被告大阪府は,本税及び延滞金合計額並びにそれらに対する各納入の翌日から支払済みまで年7.3パーセントの割合による還付加算金(地方税法17条の4)を支払う義務がある。 また,原告は,被告事務所長による違法な本件処分により,取消訴訟の提起を余儀なくされ,訴訟代理人に対して,平成13年12月25日に本件訴訟着手金として136万5000円を支払い,成功謝礼として315万円の支払を約束した。これらは被告事務所長の不法行為と相当因果関係のある損害であるから,被告大阪府は,合計451万5000円及びこれに対する同月26日から支払済みまで民法所定の遅延損害金である年5パーセントの割合による金員を支払う義務がある。 (被告の主張)争う。 第3 争点に対する判断 1 争点(1)(平成12年12月分を除く本件軽油に係る軽油引取税を原告に課することの可否)について(1) 軽油引取税は,道府県税として設けられた消費税の一種であり,道路特定財源としての目的税とされている。地方税法は,軽油の製造,輸入 く本件軽油に係る軽油引取税を原告に課することの可否)について(1) 軽油引取税は,道府県税として設けられた消費税の一種であり,道路特定財源としての目的税とされている。地方税法は,軽油の製造,輸入から消費に至るまでの流通段階の中で,元売業者又は特約業者からの引取りの時点をとらえて軽油引取税を課するのを原則とし(旧法700条の3第1項),元売業者又は特約業者その他の者を条例により特別徴収義務者として指定し,これらの者に申告納入させることとしている(700条の10,700条の11)。これは,軽油の通常の流通過程が,元売業者が輸入した原油を精製して軽油を製造し,特約業者,販売業者を経て,消費者に譲渡されて消費されるというルートをたどることから,元売業者及び特約業者について指定制度をとって,行政的にコントロールし,これらの者を特別徴収義務者とすることにより,安定した徴税を確保する趣旨であると解される。しかし,軽油の流通ルートには様々なものがあり,必ずしも元売業者又は特約業者による軽油引取税の申告納入がなされない取引もあり得ることから,旧法700条の4は,これらの取引に関し,課税の公平を図る見地から,軽油の消費や譲渡行為を引取りとみなして課税する方法を採っている。特約業者及び元売業者以外の者が軽油を輸入し,これを他の者に譲渡する取引については,旧法700条の4第1項5号により,その譲渡行為を引取りとみなして課税することとされる。 また,旧法700条の5は,既に軽油引取税を課された軽油に係る引取りに対して,道府県知事の承認があった場合に限り,軽油引取税を課さないものとすると定めているが,この規定は,軽油の流通過程において,700条の3及び700条の4に定める課税要件を具備する納税義務者が複数存在し得ることを前提に,二重課税を防止するために,道府 課さないものとすると定めているが,この規定は,軽油の流通過程において,700条の3及び700条の4に定める課税要件を具備する納税義務者が複数存在し得ることを前提に,二重課税を防止するために,道府県知事の承認によってその調整を行うこととしている規定である。 以上のような旧法700条の4の制度趣旨や個別の課税免除により二重課税を防止する規定の存在からすると,700条の4は700条の3の規定の適用を排除するような例外規定ではなく,700条の3を補充する規定と解すべきである。そして,このような理解が「前条に規定する場合のほか」と定める旧法700条の4の文理解釈としても合理的であるといえる。 (2) 前述の争いのない事実のとおり,平成12年12月分を除く本件軽油に係る軽油引取税については,輸入業者によって申告納付されていない。そして,特約業者である原告は,これら未課税の軽油について,現実の納入を伴う引取りを行い,これらを消費者に現実の納入を伴う引渡しを行っているのであるから,当該軽油の引取りが旧法700条の3第1項に該当し,かつ700条の5による課税免除を受けることができないことは明らかである。したがって,原告が平成12年12月分を除く本件軽油に係る軽油引取税の特別徴収義務者であるとしてなされた本件処分は適法であるといえる。 (3) 原告は,輸入軽油に係る軽油引取税については軽油の譲渡時期と軽油引取税の申告期限が著しくずれており,課税済みであるとして取引された軽油が,取引時点において本当に課税済みであるか否かについて確認することができないにもかかわらず,特別徴収義務者たる特約業者であるとの一事のみで課税されるべきでないと主張する。しかし,特別徴収義務者が課税済軽油に係る引取りについて課税免除の承認を受ける場合には,旧法700条の11第4項,同 ず,特別徴収義務者たる特約業者であるとの一事のみで課税されるべきでないと主張する。しかし,特別徴収義務者が課税済軽油に係る引取りについて課税免除の承認を受ける場合には,旧法700条の11第4項,同法施行規則18条の11第1項2号に規定する当該軽油の数量,先に軽油引取税を課された状況及び軽油引取税を課された後の当該軽油の流通の状況が記載された書面を添付して道府県知事の承認を受けなければならないとされている。したがって,特別徴収義務者が課税済軽油の引取りを行う場合には,課税された状況や流通経路を確認することが当然要請されているのであり,原告の主張は失当である。 また,原告は,本件軽油の軽油引取税については,輸入業者の事務所等所在地の道府県に徴収権限があるのであって,大阪府には徴収権限がないにもかかわらず,特約業者である原告が大阪府内において輸入軽油の取引を行ったからといって,大阪府が徴収権限を得るような解釈はすべきでないと主張する。しかし,本件処分時において,旧法700条の3第1項に該当しかつ700条の5による課税免除の適用のない軽油の引取りが大阪府内で行われたのであるから,大阪府が徴収権限を有するのは当然である。 更に,原告は,東京都をはじめ大阪府以外の地方自治体においては,平成13年4月の地方税法改正を受け,特約業者に対し,同月1日以降に行われる未課税輸入軽油の取引に限り特約業者に対する課税処分を行うとの通知がなされており,このような通知がなされるのは,他の地方自治体が,旧法の下では,輸入軽油について未課税であっても特約業者に課税することはできないという解釈を採っていたことを示しており,本件処分は旧法の解釈を誤った違法なものであると主張する。証拠(甲8~11)によれば,東京都等において,平成13年3月に,特約業者に対し,同年4月以 できないという解釈を採っていたことを示しており,本件処分は旧法の解釈を誤った違法なものであると主張する。証拠(甲8~11)によれば,東京都等において,平成13年3月に,特約業者に対し,同年4月以降,輸入軽油の課税免除申告に当たって,未課税の事実が判明した場合には特約業者に課税を行うとの内容の通知がなされている。しかし,平成13年4月に改正されたのは,輸入軽油に係る課税方式であり,課税済軽油に係る課税免除の取扱い規定については旧法のままである。そして輸入軽油に係る課税方式に関する規定の適用は平成13年6月1日以降に輸入される軽油についてのみであるから,改正地方税法施行後も,同年5月31日までに輸入された軽油については,輸入業者が申告納付していない未課税軽油が流通し,特別徴収義務者である特約業者が引き取るという改正前と同様の事態が生じることは当然想定されうるところである。したがって,東京都等の他の地方自治体の通知によって,それらの地方自治体が,平成13年4月1日以前の輸入軽油について課税しないという旧法の解釈を行っているということはできず,本件処分が旧法の解釈を誤った違法なものという原告の主張は採り得ない。 (4) 以上によれば,平成12年12月分を除く本件軽油につき,原告が軽油引取税の特別徴収義務を負うとして行われた本件処分は適法である。 2 争点(2)(過誤納金返還請求権及び国家賠償請求権の成否)について本件処分は,前述のとおり適法であるから,その余の点について判断するまでもなく,原告の被告大阪府に対する請求は理由がない。 3 結論よって,原告の請求はいずれも理由がないから,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第7民事部裁判長裁判官山下郁夫裁判官山田明裁判官小泉満理子 ,原告の請求はいずれも理由がないから,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第7民事部裁判長裁判官山下郁夫裁判官山田明裁判官小泉満理子

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