平成13(ワ)551 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
平成15年7月10日 前橋地方裁判所
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判決文本文10,500 文字)

平成15年7月10日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成13年(ワ)第551号損害賠償請求事件口頭弁論終結日平成15年2月26日判決 主文 1 被告は,原告Aに対し,金1384万0049円及びこれに対する平成12年12月22日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告は,原告B,同C及び同Dに対し,それぞれ金460万6683円及びこれに対する平成12年12月22日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は,これを5分し,その2を原告らの負担とし,その余は被告の負担とする。 5 この判決は,第1,2項に限り、仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求(1) 被告は,原告Aに対し,金2690万7064円及びこれに対する平成12年12月22日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (2) 被告は,原告B,同C及び同Dに対し,各金896万9021円及びこれに対する平成12年12月22日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (3) 訴訟費用は被告の負担とする。 (4) 仮執行宣言第2 事案の概要本件は、交通事故による損害賠償請求事件であり、a町議会議員の被害者Eが被告運転の車と衝突して3日後に死亡したが、原告ら遺族(妻、子供3人)において、被害者に生じた損害を相続したとして、被告に対し、損害賠償請求し、被告は、被害者の過失(過失相殺)を主張し、損害額を争った事案である。 1 争いのない事実(1) 交通事故(以下「本件事故」という。)の発生ア日時平成12年12月22日午後8時48分ころイ場所群馬県佐波郡a町b番地ウ加害車 た事案である。 1 争いのない事実(1) 交通事故(以下「本件事故」という。)の発生ア日時平成12年12月22日午後8時48分ころイ場所群馬県佐波郡a町b番地ウ加害車普通乗用車(群馬cせd。以下「本件車両」という。)運転者被告エ被害者  Eオ態様被害者が現場道路を歩行横断中、北方から南方へ走行してきた加害車に衝突されたもの。 (2) 被告の責任被告は,加害車両を自己のために運行の用に供していた。 (3) Eの受傷と死亡Eは,本件事故により,全身打撲の傷害を負い,平成12年12月22日から同月24日までF市民病院に入院したが,同日午前5時53分死亡した。 2 原告らの主張(1) Eの受傷・死亡による損害ア治療費(文書料を含む) 43万1175円イ入院雑費 3900円1日当たり1300円×3日=3900円ウ入院付添費 1万8000円Eは、瀕死の重傷で危篤状態であり、原告A(妻)及びその他の原告ら(子供ら)も付き添った。1日当たり6000円×3日=1万8000円エ入院慰謝料 5万0000円オ逸失利益 6708万3430円(訴状では5164万0728円)(ア) Eは、昭和15年1月30日生(死亡時満60歳)の健康な男性であり、妻である原告AとG大学4年の長男(地元にUターン後、同大学に再入学)及びその妻と生活しており、自らの収入によりこれらの家族の生計を維持していた。 (イ) H工業有限会社からの給与  2841万5412円(訴状では2335万8204円 ーン後、同大学に再入学)及びその妻と生活しており、自らの収入によりこれらの家族の生計を維持していた。 (イ) H工業有限会社からの給与  2841万5412円(訴状では2335万8204円)AEは、タイル工事等を営むH工業有限会社の代表取締役であったが、同社は従業員5名の小会社であり、Eが自ら工事見積もり、資材の仕入、職人の手配等をしていた。 B 本件事故前年度(平成11年度)のEの同社からの給与は年額432万1440円であった。 C 同金額を基礎に、平均余命期間(平成11年簡易生命表によれば20.91年)の3分の2である13年を就労可能年数(実際には定年がないので、この年数は控え目なものである。)とし、生活費割合を3割とし、中間利息をライプニッツ係数9.3935を乗じることにより控除すると2841万5412円となる。 D 計算式432万1440円×(1ー0.3)×9.3935=2841万5412円(イ) a町議会議員 2828万2524円AEは、平成元年10月、a町議会議員に当選し、平成5年10月及び平成9年10月の選挙も当選した。 B 第2回の選挙は、無所属候補の中ではトップ当選であり、同町の選挙の候補者数は定員22名を僅かに上回るに過ぎないのが慣例(第1回は無投票)であるから、経験則上少なくとも満72歳までの12年間は議員活動を続けていたと考えるのが相当である。 C 本件事故前年度(平成11年度)のEの給与は、年額455万8580円であった。この金額を基礎に、生活費控除割合を3割とし、この間の中間利息を12年間のライプニッツ係数8.8632円を乗じることにより控除すると2828万2524円となる。 55万8580円であった。この金額を基礎に、生活費控除割合を3割とし、この間の中間利息を12年間のライプニッツ係数8.8632円を乗じることにより控除すると2828万2524円となる。 D 計算式455万8580円×(1ー3)×8.8632=2828万2524円(ウ) 株式会社Iの役員報酬 394万5270円(訴状では請求せず)A 収入年額60万円B 就労可能年数  13年(前記)C 生活費控除割合 3割D 中間利息控除 9.3935E 計算式60万円×(1ー0.3)×9.3935=394万5270円(エ) 国民年金 566万6728円(訴状では請求せず)A 満60歳以後、その請求が可能となるが、別紙年金計算書(略)記載のとおり、満70歳で請求した場合、その逸失利益は809万5317円となる。 B 活費控除を3割とすると566万6728円となる。 (オ) 町村議会議員共済の共済年金 77万3496円(訴状では請求せず)A 満72歳までの12年間議員活動を続け、別紙年金計算書(略)のとおり、満73歳から支給を受けた場合、その逸失利益は110万4995円となる。 B 生活費控除を3割とすると77万3496円となる。 カ死亡慰謝料 2800万0000円Eは、一家の支柱そのものであり、遺族である原告らの精神的苦痛を慰謝する金額は、2800万円を下らない(訴状では2600万円)。 キ葬儀費 120万0000円 あり、遺族である原告らの精神的苦痛を慰謝する金額は、2800万円を下らない(訴状では2600万円)。 キ葬儀費 120万0000円原告らが、法定相続分にしたがい分担することになっている。 ク以上合計 9678万6505円ケ既払金 3042万9675円自賠責保険への被害者請求による。 コ未払額 6635万6830円(訴状では4891万4128円)サ弁護士費用 663万5683円(訴状では490万0000円)シ未払損害額合計 7299万2513円(訴状では、5381万4127円)(2) 相続原告AはEの妻,同B,同C及び同DはEの子であり,外にEの相続人はいない。 (3) よって,被告に対し,自賠法に基づく損害賠償として,原告Aは金2690万7064円,その余の原告3名は各金896万9021円及びこれらに対する本件事故発生の日である平成12年12月22日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払いを求める。 3 被告の主張(原告の主張に対する認否等)(1) 原告の主張(1)についてアアの治療費は認める。 イイの入院雑費 3300円1日当たり1100円×3日=3300円ウウの入院付添費否認する。 完全看護であった。 エエの入院慰謝料 3万6900円8200円×3日×1.5=3万6900円オオの逸失利益(ア) (ア)について 2335万8204円(訴状主張の額の限度 院慰謝料 3万6900円8200円×3日×1.5=3万6900円オオの逸失利益(ア) (ア)について 2335万8204円(訴状主張の額の限度で認める。)(イ) (イ)ないし(オ)について否認する。 カカの死亡慰謝料 1800万円キキの葬儀費用 100万円クケの既払金認める。 ケサの弁護士費用不知。 コ以上合計 1239万9904円(2) 原告の主張(2)は不知。 (3) 被告の抗弁(過失相殺)Eは,夜間(午後8時48分頃),幹線道路である本件道路を,被告運転車両の進行方向の直前を斜めに横断している。また,Eは相当酒を飲んでいたことがうかがわれる。 よって,本件事故現場付近が商店街であったとしても,Eには35パーセントを下回らない過失がある。 5 抗弁に対する原告らの認否争う。 6 争点(1) 事故態様(過失割合)(2) 損害第3 当裁判所の判断(争点1について) 1 甲17,18,28,30,乙1,2,6の1~5,乙7ないし9,被告本人の供述によれば、以下の事実が認められる。 (1) 本件事故現場付近は商店街であり,パチンコ店のネオンによって,周囲は明るく,見通しは良好であったが,被告の前方不注視(過失)によりEの発見が遅れたため,本件事故を回避できなかった(別紙交通事故現場見取図(略)参照。乙1)。 (2) Eは,本件事故現場道路を横断する際,車両が接近していないかどうかを確認する必要があるのに,それを怠った落度があり、また,事故当時は夜間であったけれども,本件車両はライトを点灯していたので、同車両に容易に気づき得るはずであるが,気づくのが遅れ、その結果、同車両が接近してく 必要があるのに,それを怠った落度があり、また,事故当時は夜間であったけれども,本件車両はライトを点灯していたので、同車両に容易に気づき得るはずであるが,気づくのが遅れ、その結果、同車両が接近してくる直前に斜め横断しており,危険性が高いものであった。 (3) 本件事故現場道路は主要な道路ではあるが,道路幅,歩道との区分のされ方などよりすると、幹線道路であるとは言えない(見取図(略)参照)。 (4) Eは、本件事故の前,飲酒をしていたことが窺えるが,その酒量や酩酊度合は定かではなく,本件事故に与えた影響は不明である。 (5) 本件事故当時の本件車両の速度について言えば、実況見分調書(乙1)、文献(甲30)によれば,本件車両のスリップ痕は3.9メートルであること、制動の開始直後に本件車両とEが衝突していること、被告がEを認識して急制動をして停車するまで19.6メートルであること、Eが本件事故によって15.6メートル跳ね飛ばされたと思われることなどの事実が認められ、これらの事実からすると,本件車両が4本ともスタッドレスタイヤであったことを加味しても,その速度は時速40キロメートルから50キロメートルであると考えられる。 2 以上の事情を総合して斟酌すると,本件事故における被害者(E)の過失割合は25パーセントとするのが相当である。 (争点2について) 1 損害(証拠等認定根拠は各項目に掲記)(1) 治療費(文書料を含む) 43万1175円争いがない。 (2) 入院雑費 3900円前記のとおり、Eは、3日間入院しており、その間の入院雑費は一日1300円,合計3900円が相当である。 (3) 入院付添費 3900円前記のとおり、Eは、3日間入院しており、その間の入院雑費は一日1300円,合計3900円が相当である。 (3) 入院付添費 1万8000円甲2の1,2、甲3によれば、Eは,瀕死の状態でF市民病院に搬入されており、近親者の付添看護は必要であったというべく、入院付添費は、1日6000円、合計1万8000円が相当である。 (4) 入院慰謝料 4万8000円1日当たり1万6000円、合計4万8000円が相当である。 (5) 逸失利益 4644万5291円ア H工業有限会社 2335万8204円(ア) 甲24(平成11年分所得税確定申告書)によると,E(昭和15年1月30日生)は、本件事故発生前年の平成11年度に,H工業有限会社より年間432万1440円の給与(収入)を得ていたことが認められる。 (イ) 原告Bの供述、甲23等によると、Eは、本件事故時(平成12年12月22日)、満60歳であり、上記会社の代表取締役として就労していたので、Eの就労可能年数は,平均余命期間20.54年(平成12年簡易生命表)の約2分の1である10年とし、ライプニッツ係数7.7217,生活費控除割合3割として計算すると,2335万8204円となる。 式 4,321,440×(1-0.3)×7.7217=23,358,204イ a町議会議員 1381万5141円(ア) 甲24によれば,Eは、本件事故当時、a町議会議員であり、平成11年度に455万 23,358,204イ a町議会議員 1381万5141円(ア) 甲24によれば,Eは、本件事故当時、a町議会議員であり、平成11年度に455万8580円の給与の支給を受けていたことが認められる。 (イ) Eの残りの任期(平成13年10月までの1年)における給与に関しては逸失利益を肯定するのが相当であるが,次期以降(平成13年10月以降)において立候補しかつ当選するとしてよいか。 A この点,被告は,地方議員の地位は選挙によって変わるものであり,その地位は極めて危ういものであるから,当選を前提とする議員の給与は逸失利益の対象とならないと主張する。 B しかし,死亡による損害の算定において,賠償すべき損害とされるのは,事故と相当因果関係のあるものであれば足りるところ,本件事故がなければ、Eは当選したか否か(因果関係の判定)は、必ずしも選挙の結果を待たなければならない訳ではない。 確かに、選挙の結果は通常予測し難く,したがって,選挙の結果による公職の報酬が損害と認められる事例は,きわめて限られたものというべきであるが,可能性が高いと認められる場合にまで,事故との因果関係を否定することは相当でない(東京高裁平成6年2月22日判決・金融商事判例959号38頁参照)。 C ところで、原告B本人の供述によれば,Eが次期同町議会議員選挙に立候補する意思を有していたことは明らかであり、また、甲25ないし27によれば、Eは過去3回連続で同町議会議員に当選しており,そのうち,平成元年10月の選挙は無投票だったものの,後2回においては定数22のうち2位(平成5年10月)と10位(平成9年10月)で当選しており、いずれにおいても、次回選挙において落選の可能性が高 のうち,平成元年10月の選挙は無投票だったものの,後2回においては定数22のうち2位(平成5年10月)と10位(平成9年10月)で当選しており、いずれにおいても、次回選挙において落選の可能性が高いという事情は認められず、むしろ,これまでの得票数、当選順位,議席数、立候補者数などの諸事情に鑑みれば,次回選挙においてEが落選する可能性は低いというべきである。 D 以上の諸事情を彼此勘案すれば,Eは本件事故がなければ次回の選挙にも立候補し,当選して町議会議員の報酬を受けられた可能性が大きいというべきである。 ただ,次々回選挙以降の当選の可能性についてまでは,これを認めるに足りる証拠はない。 (ウ) したがって,平成17年10月までの5年間を任期とし,その間の中間利息をライプニッツ係数4.3294を乗じることにより控除し,かつ,生活費控除割合を3割として逸失利益を計算すると,1381万5141円となる。 式 4,558,580×(1-0.3)×4.3294=13,815,141ウ株式会社I経営者としての役員報酬 64万8622円(ア) 甲23,24,原告Bの供述によれば、Eは株式会社Iから取締役報酬として、平成11年度に60万円(月5万円)の給与収入を得ていたことが認められる。 被告は,Eは名目的取締役であり,上記収入は利益配当に等しいと主張するが、Eは株式会社Iの労務に全く従事していなかった訳ではなく、上記役員報酬には,労働の対価としての部分も含まれているというべきところ、上記収入のうち,どの割合までが労務としての対価であるかについては,Eがa町議会議員として多忙であったこと,H工業有限会社の代表取締役であったことなどを総合すれば,月5万円の収入の内の2割(月1万円、年間12万円)が労務と でが労務としての対価であるかについては,Eがa町議会議員として多忙であったこと,H工業有限会社の代表取締役であったことなどを総合すれば,月5万円の収入の内の2割(月1万円、年間12万円)が労務としての対価であり,その余は利益配当の性質を有するものとするのが相当である。 (イ) そして,本件事故時のEの年齢が60歳であったことに鑑み、Eの上記会社における就労可能年数は,平均余命期間20.54年(平成12年簡易生命表)の約2分の1である10年とし、ライプニッツ係数7.7217,生活費控除割合3割として計算すると,64万8622円となる式 120,000×(1-0.3)×7.7217=648,622エ年金の逸失利益 862万3324円(ア) 国民年金 412万3030円A 甲13(国民年金被保険者名簿)、甲15(調査嘱託回答書)によれば,Eは、国民年金の掛金を支払い,本件事故により死亡しなければ,上記回答書回答事項2(略)記載(別紙参照)どおりの年金を受給できたことが認められる。 B 被告は,国民年金の受給権は受給権者の死亡により消滅し相続性のないものであり,したがって、本件においては、国民年金は逸失利益の対象とならないと主張する。 しかし,国民年金は,当該受給権者に対して生活保障を与えることを目的とするものであるとともに,その者の収入に生計を依存している家族に対する関係においても,同一の機能を営むものというべきであるから,他人の不法行為により死亡した者の得べかりし国民年金は,その逸失利益として相続人が相続によりこれを取得し,加害者に対してその賠償を請求することができるものと解するのが相当である(最高裁平成5年9月21日第三小 為により死亡した者の得べかりし国民年金は,その逸失利益として相続人が相続によりこれを取得し,加害者に対してその賠償を請求することができるものと解するのが相当である(最高裁平成5年9月21日第三小法廷判決・最高裁判所裁判集民事169号793頁参照)。 C また,弁論の全趣旨によれば、Eは,事故当時年金を現実に受給していなかったが,請求すれば年金を受給できたものであり、したがって、本件事故によって死亡していなければ(例えば傷害を負ったような場合)確実にその請求をしていたであろうというべく、そして,逸失利益は当該本人が死亡していないことを仮定するものであるから,受給者が死亡により国民年金を受給できなくなったことを理由として逸失利益の相続性を否定するのは相当でない。 D 以下、本件国民年金についての逸失利益を計算する。 (A) Eがいつの時点において国民年金の支払を請求するか。この点、原告主張のように70歳とは社会通念上考えがたく,Eにおいて、生前、年金の受給開始時を特に言及していたとは認められないので、65歳とするのが相当である。 (B) 中間利息の控除については,Eの余命期間を20.54年(平成12年簡易生命表)とし,4年後(事故発生日平成12年12月22日の翌月30日で満61歳)の受給であるから,20年間のライプニッツ係数12.4622から4年間のライプニッツ係数3.5459を引き,その数値8.9163を乗じることとする。 (C) 生活費控除率については,Eには,前記のとおり10年間は,Hからの収入が見込まれるので,支給開始(65歳)から6年間の生活費控除率は3割とし,その余の10年間は5割とするのが相当である。 (D) 以上により計算すると412万3030円となる。 式 804,200×(12.4622-3.5459)×{6×(1-0 の生活費控除率は3割とし,その余の10年間は5割とするのが相当である。 (D) 以上により計算すると412万3030円となる。 式 804,200×(12.4622-3.5459)×{6×(1-0.3)+10×(1-0.5)}/16=4,123,030(イ) 町村議会議員の共済年金 450万0294円A 甲14,16によれば,Eは平成元年10月から同12年12月まで(135月),町村議会議員共済会の掛金総額322万9800円を支払っており,本件事故により死亡しなければ,その任期に応じた所定の年金を受給できたことが認められる(別紙甲16添付調査事項参照)。 そして,同年金の相続性及び逸失利益性については国民年金の場合と別異に解する必要はなく,これを積極に解するのが相当である。 B 前述のとおり,Eは、次期選挙(平成17年10月)までは当選可能性が認められるので,これを前提に支給額、逸失利益を算出する。 (A) Eは、65歳時に同年金の受給を開始するので、国民年金の場合と同様に中間利息の控除は,4年後の係数である8.9163を乗じることとする。 (B) 任期中(58か月)は掛金を支払う必要があるので,その分の掛金の合計に5年後のライプニッツ係数(0.7835)を乗じた額を控除する。 (C) 生活費控除率については、国民年金の場合と同様に,支給開始から6年間の生活費控除率は3割とし,その余の10年間の生活費控除率を5割とする。 (D) 以上により計算すると450万0294円となる。 式 {1,036,800×(12.4622-3.5459)-(31,200×58×0.7835)}×{6×(1-0.3)+10×(1-0.5)}/16=(9,244,419-1,417,821)×{6×(1-0.3)+10×( 4622-3.5459)-(31,200×58×0.7835)}×{6×(1-0.3)+10×(1-0.5)}/16=(9,244,419-1,417,821)×{6×(1-0.3)+10×(1-0.5)}/16=7,826,598×(4.2+5)/16=4,500,294C 原告は、満72歳まで12年間議員活動を続け、満73歳から年金支給を受けた場合を前提として、77万3496円を請求しているが、前記のとおり、平成17年10月までの5年間を任期としているので、同主張は採用しない。 (6) 死亡慰謝料 2600万0000円原告Bの供述によれば、Eは一家の支柱であったことが認められるので,死亡慰謝料は2600万円が相当である。 (7) 葬儀費 120万0000円120万円が相当である。 (8) 損害小計ア治療費 43万1175円イ入院雑費 3900円ウ入院付添費 1万8000円エ入院慰謝料 4万8000円オ逸失利益 4644万5291円2335万8204円+1381万5141円+64万8622円+(412万3030円+450万0294円)=4644万5291円カ死亡慰謝料 2600万0000円キ葬儀費用 120万0000円ク小計 7414万6366円 2 過失相殺(25%控除) 5560万9774円前記のとおり、Eにも25%の過失があるので、過 120万0000円ク小計 7414万6366円 2 過失相殺(25%控除) 5560万9774円前記のとおり、Eにも25%の過失があるので、過失相殺すると5560万9774円となる。 3 損害の填補(3042万9675円控除) 2518万0099円被告から原告らに,計3042万9675円が既に支払われており、この点争いはなく、5560万9774円から控除すると2518万0099円となる。 4 相続(1) 甲6ないし11によれば、原告の主張(2)の事実が認められ、したがって、上記2518万0099円につき、原告Aは2分の1,原告Bらは各6分の1ずつEの損害賠償請求権を相続した。 (2) 原告らの各相続分原告A 1259万0049円原告B,C,D 各419万6683円 5 弁護士費用本件訴訟の難易度,認容額,審理の経過等の事情に照らすと,本件事故と相当因果関係にある弁護士費用は、各損害額の約1割とし、以下のとおりとする。 (1) 原告A 125万0000円(2) 原告B,C,D 各41万0000円 6 損害額合計(1) 原告A 1384万0049円1259万0049円+125万円=1384万0049円(2) 原告B,C,D 460万6683円419万6683円+41万円=460万6683円第4 結論以上によれば,原告らの本訴請求は,原告Aについて1384万0049円,原告B,C,Dについて各460万6683円及びこれらに対する不法行為日である平成12年12月22日から支払済みまで民法所定 以上によれば,原告らの本訴請求は,原告Aについて1384万0049円,原告B,C,Dについて各460万6683円及びこれらに対する不法行為日である平成12年12月22日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度において理由があるからこれを認容し,その余は失当として棄却し,主文のとおり判決する。 前橋地方裁判所民事第2部裁判官東條宏

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