昭和43(オ)683 家屋明渡請求

裁判年月日・裁判所
昭和46年6月17日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所 昭和38(ネ)1400
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人名倉宗一の上告理由について。  借家法一条の二にいう正当の事由とは、

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判決文本文996 文字)

主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告代理人名倉宗一の上告理由について。 借家法一条の二にいう正当の事由とは、賃貸借当事者双方の利害関係、その他諸般の事情を綜合考慮し、社会通念に照らし妥当と認むべき理由をいうものであつて、賃貸人が解約申入に際し、貸借人の家屋明渡により被る移転費用その他の損失を補償するため、いわゆる立退料等の名目による金員を提供すべき旨申し出で、右金員の支払と引換に家屋を明け渡すことを求めたときは、そのことも、正当事由の有無を判断するにつき、当然斟酌されるべきである。その場合、右金員の提供は、それのみで正当事由の根拠となるものではなく、他の諸般の事情と綜合考慮され、相互に補完し合つて正当事由の判断の基礎となるものであるから、解約の申入が金員の提供を伴うことによりはじめて正当事由を有することになるものと判断されるときでも、右金員が、明渡によつて借家人の被るべき損失の全部を補償するに足りるものでなければならない理由はないし、また、右金員がいかなる使途に供され、いかにして損失を補償しうるかを具体的に説示しえなければならないものでもない。 叙上の見地に立つて原判決を見るに、その措辞はやや簡に失する嫌いを免れないけれども、原審は、結局、当事者双方の本件家屋使用の必要度その他その認定にかかる諸般の事情を綜合斟酌するときは、被告人の解約申入は、その申出にかかる金三〇万円の金員の支払により上告人の不利益がその範囲で補償されるかぎりにおいて正当事由を具備したものとなしうる旨判断した趣旨と解されるのであり、原審認定の事実関係に照らせば、右判断は相当として是認することができ、原判決に所論の違法は存しない。 - 1 -論旨は、原判旨を正解しないか、または のとなしうる旨判断した趣旨と解されるのであり、原審認定の事実関係に照らせば、右判断は相当として是認することができ、原判決に所論の違法は存しない。 - 1 -論旨は、原判旨を正解しないか、または、これと異なる独自の見解に立つて原判決の違法をいうものにほかならず、採用することができない。 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官岸盛一裁判官岩田誠裁判官大隅健一郎裁判官藤林益三裁判官下田武三- 2 -

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