令和6年9月12日判決言渡令和6年(行ケ)第10029号審決取消請求事件口頭弁論終結日令和6年7月16日判決 原告株式会社ロッテ 同訴訟代理人弁理士田中尚文 被告特許庁長官 同指定代理人馬場秀敏同鈴木雅也同須田亮一 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は、原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 特許庁が不服2023-4986号事件について令和6年1月29日にした審決を取り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 第2 事案の概要 1 特許庁における手続の経緯等⑴ 原告は、令和4年4月14日、「マーくん」の文字を標準文字で表してなる商標に係る出願(原出願。商願2022-43434号、甲1)をしたが、 その指定商品のうちの第25類「野球用ユニフォーム、野球靴、運動用特殊 靴、運動用特殊衣」及び第28類「野球用具、ゴルフ用具、ゴルフクラブ用ヘッドカバー、運動用具」について、同年10月25日、商標法(以下「法」という。)10条1項の規定による出願(分割出願)をした(商願2022-122382号、以下、その出願を「本願」と、本願に係る商標を「本願商標」という。甲2)。 ⑵ 原告は、本願につき令和4年11月1日付け拒絶理由通知を受け(甲3)、同年12月2日付け意見書を提出したが(甲6)、同月16日付けで拒絶査定がされたことから(甲7)、令和5年3月27日、拒絶査定不服審判を請求した(不服2023-4986号、甲8)。原告は、同日受付の手続補正書により 意見書を提出したが(甲6)、同月16日付けで拒絶査定がされたことから(甲7)、令和5年3月27日、拒絶査定不服審判を請求した(不服2023-4986号、甲8)。原告は、同日受付の手続補正書により、本願の指定商品のうち第28類の指定商品を「野球用具、運動用具」に 補正し(甲9)、その結果、本願の指定商品は、第25類「野球用ユニフォーム、野球靴、運動用特殊靴、運動用特殊衣」及び第28類「野球用具、運動用具」となった(以下、補正後の指定商品を、「本願指定商品」という。)。 ⑶ 特許庁は、令和6年1月29日、「本件審判の請求は、成り立たない。」とする審決(以下「本件審決」という。)をし、その謄本は、同年2月19日に 原告に送達された。 ⑷ 原告は、令和6年3月19日、本件審決の取消しを求めて、本件訴えを提起した。 2 本件審決の理由の要旨本件審決の理由は、要するに、本願商標は、登録第6516337号商標(以 下「引用商標」という。甲4、5)と類似し、その指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、法4条1項11号に該当するというものである。 3 引用商標の内容⑴ 商標(標準文字) Markun. ⑵ 商品の区分並びに指定商品第28類「ゴルフマーカー用ホルダー」(以下「引用指定商品」という。) 4 取消事由本願商標と引用商標との類否判断の誤り、本願指定商品と引用指定商品との類否判断の誤り 第3 当事者の主張取消事由(本願商標と引用商標との類否判断の誤り、本願指定商品と引用指定商品との類否判断の誤り)についての両当事者の主張は以下のとおりである。 〔原告の主張〕 1 本願商標の構成等 ⑴ 外観本願商標は、「マーくん」の標準文字で表されてなる。 品と引用指定商品との類否判断の誤り)についての両当事者の主張は以下のとおりである。 〔原告の主張〕 1 本願商標の構成等 ⑴ 外観本願商標は、「マーくん」の標準文字で表されてなる。 ⑵ 称呼本願商標は、その文字に照応して、「マークン」の称呼が生ずる。 ⑶ 観念 ア千葉ロッテマリーンズは、原告と関連する株式会社千葉ロッテマリーンズが管理運営する一般社団法人日本野球機構に所属するプロ野球の球団であるところ、後記イのような同球団の公式マスコットキャラクターに係る取引の状況からして、本願商標からは、「千葉ロッテマリーンズの公式マスコットキャラクター」の名称の観念が生じる。 イ(ア) 千葉ロッテマリーンズは、一般社団法人日本野球機構の会員で、パシフィック・リーグに所属する球団である。同球団は、毎日オリオンズを前身とし、その後、名称・親会社・本拠地につき幾度かの変更を経て、平成4年(1992年)より千葉県千葉市を本拠地とし、球団名も千葉ロッテマリーンズに改められ、現在に至っている(甲13の1~3)。千 葉ロッテマリーンズに係る商標権等は、原告が一元的に管理している。 (イ) 千葉ロッテマリーンズの公式マスコットキャラクター「マーくん」の宣伝活動等やグッズ販売の状況は、以下のとおりである。 千葉ロッテマリーンズは、千葉市への本拠地移転を機に、ホームスタジアムの所在地である海浜幕張地区をイメージしつつ、球団を象徴するようなマスコットキャラクターとして、かもめの雄雌をモチーフとした 「マーくん」と「リーンちゃん」なる愛称のキャラクターを平成5年(1993年)に採用した(甲14~15)。 「マーくん」は、かもめの雄をモチーフとするマスコットキャラクターであり、平成14年(2002年)と令和 「リーンちゃん」なる愛称のキャラクターを平成5年(1993年)に採用した(甲14~15)。 「マーくん」は、かもめの雄をモチーフとするマスコットキャラクターであり、平成14年(2002年)と令和4年(2022年)のリニューアルを経て、現在の姿になっており(甲16)、その主な活動は、千 葉ロッテマリーンズの試合会場で観客を盛り上げるためのパフォーマンスの披露等を中心とするファンサービスにあるところ、平成28年(2016年)には通算で1500試合出場を果たし、さらに、令和5年(2023年)には2000試合出場を達成し、盛大なセレモニーが催され、その模様は各種メディアで取り上げられた(甲13の3、甲17~31)。 そして、その活動開始以降、千葉ロッテマリーンズの球団や所属選手の動向、ならびに、百貨店等での優勝セールの開催等といった球団に関するニュースでも「マーくん」についての言及が頻繁になされており(甲32~161)、その中には、スタジアムでのダンスパフォーマンスの披露等のいわば「マーくん」の本業ともいえる千葉ロッテマリーンズの試 合開催に関係するものが当然に含まれているが、初詣のための参拝、結婚式の飛び入り参加、地域幼稚園や保育園への来園、パラパラダンスの披露、大相撲の断髪式への参加、大雨被災地への訪問、千葉県をホームとするプロサッカーチーム同士の対戦試合の激励といった、おおよそ野球との関連性が希薄とも思える場面での様々な活動や各種イベントへの 参加も多く報道等されている(甲109~161)。 すなわち、「マーくん」の活動は、プロ野球の球団運営に直接的に関係するものに限られておらず、この他にも、小学校などへの消毒用アルコールディスペンサーの寄贈、スポーツ振興のためのチケット寄贈、清掃活動への参加 「マーくん」の活動は、プロ野球の球団運営に直接的に関係するものに限られておらず、この他にも、小学校などへの消毒用アルコールディスペンサーの寄贈、スポーツ振興のためのチケット寄贈、清掃活動への参加、千葉海上保安部によって任命された一日海上保安官への就任、千葉県警本部によって任命された交通安全広報大使への就任、ラ ンドセルカバーの寄贈、チャリティーオークションの企画、小学生への算数ドリルの配布、献血協力・応援マナー向上・交通安全・選挙投票の啓発や呼びかけ等の社会貢献を目的とした活動も積極的に買って出ており(甲162~187)、このような野球の枠に収まらない「マーくん」の30年以上の長期にわたる多種多様な活動は、結果として、千葉ロッ テマリーンズの名声や人気の向上に大いに寄与している。 千葉ロッテマリーンズにおいても、「マーくん」の無料派遣、小学校へのランドセルカバーや算数ドリルの配布等によって「マーくん」のこれらの活動をバックアップすると共に、スタジアム来場者等を対象とした「マーくん」を模した人形ぬいぐるみやこれを冠したうちわの配布等を 行って「マーくん」の周知に努めており(甲188~204)、自身が発行に直接携わる雑誌やチームのオフィシャルイヤーブック等の刊行物でも「マーくん」を頻繁に登場させ(甲205~216)、他者が発行する千葉ロッテマリーンズの球団や選手を特集する雑誌等でも「マーくん」を大いにアピールし、交流戦で毎年話題となる同球団の告知ポスターで も「マーくん」を前面に押し出し(甲217~227)、幅広い層への「マーくん」の浸透を図っている。 そして、このような「マーくん」の活動のサポート、イメージの構築や名声の維持向上への尽力といった、千葉ロッテマリーンズの長期にわたるたゆまぬ努力により、「マーく 「マーくん」の浸透を図っている。 そして、このような「マーくん」の活動のサポート、イメージの構築や名声の維持向上への尽力といった、千葉ロッテマリーンズの長期にわたるたゆまぬ努力により、「マーくん」は、千葉ロッテマリーンズの球団 運営の裏方を支える単なるマスコットキャラクターとしての位置付けで はなく、運営活動全般で大役を担う、同球団を象徴するマスコットキャラクターへと成長を遂げ、もはや球団自身と「マーくん」のイメージとは密接に関連しており、千葉ロッテマリーンズもその事実を存分に認識し、「マーくん」のバースデー企画や写真撮影会、ファンクラブ入会者への「マーくん」のグッズの配布等の多くのイベントを近年も引き続き打 ち出すことにより(甲228~240)、球団と「マーくん」の更なる周知といった相乗効果を図りつつ、そのイメージや人気を最大限活用した球団運営を行っており、現在では、球団の歴史や近況を語るうえで「マーくん」への言及は欠かせないものとなっている。 上記活動の結果、「マーくん」は様々なメディアで取り上げられており (甲241~246)、複数のオンライン辞書でも、「マーくん」が千葉ロッテマリーンズのマスコットキャラクターの名称として採録されており(甲10~12)、「マーくん」については球団の公式通話アプリでも配信されていることに加え、X(旧Twitter)での自身のフォロワー数は10万人を超えていることからも、「マーくん」が一定の発信力 をもっており(甲247~248)、我が国においては、千葉ロッテマリーンズのマスコットキャラクターといった、特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情が認められる。 さらに「マーくん」にあっては、その認知度を活かして、より地域に根差し のマスコットキャラクターといった、特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情が認められる。 さらに「マーくん」にあっては、その認知度を活かして、より地域に根差した活動も精力的にこなしており、千葉県内での他のマスコットキ ャラクターとの共演、千葉県に本拠地を置く他のスポーツチームとのPR活動、千葉都市モノレールにおけるラッピング車両の運行、ナンバープレートの採用等への協力も行い(甲249~258)、これらに加え、地域経済等の更なる発展のために、地域銀行での定期預金の募集や振り込み利用の促進活動、県内の工場で製造されるビール缶の採択、千葉県 銚子市の企業が製造するサバカレー缶の採択での名称利用の協力といっ た、千葉県内の企業の事業活動のサポートも行っている(甲259~267)。 「マーくん」の活動は、千葉ロッテマリーンズの球団と異業種の事業者との業務提携や他のプロ野球の球団の公式マスコットキャラクターとのコラボの実現でも確認でき(甲268~278)、その他にも度々メデ ィアに取り上げられていることに鑑みると(甲279~288)、「千葉ロッテマリーンズの公式マスコットキャラクター」の名称としての「マーくん」は日本全国に響き渡っており、その分野も野球に限られることなく、幅広い分野であることが広く知られ、「マーくん」が我が国で注目を集めていることは疑いようのない事実である。 日本のプロ野球球団では、球団のマスコットキャラクターの変更は決して珍しくないものであるところ、「マーくん」についてはデザインの変更はあったものの 、30年以上にもわたって名称は変更されておらず、他球団のマスコットキャラクターでの報道記事でも「マーくん」への言及が度々見受けられ(甲289~296)、また ついてはデザインの変更はあったものの 、30年以上にもわたって名称は変更されておらず、他球団のマスコットキャラクターでの報道記事でも「マーくん」への言及が度々見受けられ(甲289~296)、また、各球団のマスコットキ ャラクターの人気投票やアンケート調査でも度々上位にランキングされている(甲297~299)。 なお、「マーくん」に関する情報は、千葉県内にとどまらず、千葉県外で広く発行される新聞記事にも掲載されている(甲388~408)。 以上のような、千葉ロッテマリーンズの球団運営や千葉県内にとどま らない、「マーくん」の広範かつ継続的な活動は、野球ファンのみならず、広く一般公衆に対しても、「マーくん」が「千葉ロッテマリーンズの公式マスコットキャラクター」であるとの印象、記憶、連想をさせるに足り得ることは明らかである。 上記のとおり、「マーくん」は、千葉ロッテマリーンズの公式マスコッ トキャラクターを容易に認識させるものであるところ、その認知度に伴 って当然に顧客吸引力も高い水準にあり、千葉ロッテマリーンズと異業種の事業者とのコラボや、他球団のマスコットキャラクターとのコラボにおける商品販売といった実際の商取引において、多くの商品との関係で商標として使用されており、「マーくん」を使用した商品としては、例えば、ポーチ、Tシャツ、タオル、バッグ、キャップ、ハンディファン、 宅配用惣菜、バースデーケーキ、マグカップ、キーホルダー、巾着袋、飲料、コースター、グローブ、シューズ、ぬいぐるみ等といった、老若男女問わず好まれる、コラボの定番的な商品が挙げられる(甲300~319)。 そして、千葉ロッテマリーンズの公式グッズ販売でも「マーくん」は 使用されており、アパレル、ユニフォーム、キャップ、ハンデ ず好まれる、コラボの定番的な商品が挙げられる(甲300~319)。 そして、千葉ロッテマリーンズの公式グッズ販売でも「マーくん」は 使用されており、アパレル、ユニフォーム、キャップ、ハンディファン、タオルといった野球観戦に欠かせない商品から、LINEスタンプ、エレキギター、マスク、よだれかけといった意外性のある商品に至るまで、その種類は多岐にわたり(甲320~335)、好評を博している。 したがって、このように数多くの商品との関係で決して短い期間では なく「マーくん」が商標として使用されていることも考慮すると、実際の商取引においても、「マーくん」は「千葉ロッテマリーンズの公式マスコットキャラクター」の名称としての観念を十分に生じさせるものであって、千葉ロッテマリーンズの使用に係る「マーくん」の標章は、需要者、取引者をして、これが千葉ロッテマリーンズの公式マスコットキャ ラクターであり、千葉ロッテマリーンズの業務に係る商品であると容易に認識できるといった取引の状況がある。 ウ上記イのような取引の状況を踏まえると、「マーくん」は、「千葉ロッテマリーンズの公式マスコットキャラクター」の名称を容易に連想させ、ひいては、本願商標を使用した本願指定商品に接した需要者、取引者も同様 に、特定の観念の生じない造語として捉えるよりは、「千葉ロッテマリーン ズの公式マスコットキャラクター」の名称の観念を認識することは明らかである。 本件審決は、本願商標について特定の観念は生じないとしたが、商標の類否は具体的な取引状況に基づいて判断されるべきであり、本件につきその取引状況等を勘案した場合、本願商標からは、「千葉ロッテマリーンズの 公式マスコットキャラクター」の名称の観念が生ずることが明らかであり、本願商標から づいて判断されるべきであり、本件につきその取引状況等を勘案した場合、本願商標からは、「千葉ロッテマリーンズの 公式マスコットキャラクター」の名称の観念が生ずることが明らかであり、本願商標から特定の観念は生じないとした本件審決の認定は誤りである。 エ本件審決は、仮に、本願商標から「千葉ロッテマリーンズの公式マスコットキャラクター」の著名な名称の観念が生じる場合でも、引用商標からも同じ観念が生じるとし、その理由として、「我が国において、同じ称呼が 生じる平仮名、片仮名及び欧文字を相互に変換して表記することは、取引において、一般的に行われている事情があることから、『Markun.』は、『マーくん』を欧文字で表記したものと容易に認識し得る」(本件審決2頁31行目ないし34行目)とした。 しかし、引用商標「Markun.」は、末尾に「.(ドット)」の記号が 配されていることに加え、「マーくん」の正式なアルファベット表記は「MAR-KUN」であること(甲336)も考慮すると、仮に「.(ドット)」の記号を構成要素に含まない「マーくん」を欧文字に変換したとしても、引用商標と同一にはならないことは明らかである。 さらに、引用商標「Markun.」を日本語に変換したとしても、「マ ー」の片仮名と「くん」の平仮名がそれぞれ選択して変換されるとは到底考え難く、本願商標と引用商標とを相互に変換するとしても、本願商標は「Markun.」とは変換されず、引用商標が「マーくん」と直ちに変換されることもなく、両者は一対一対応の関係にはないばかりか、本願商標は、「マーくん」といった「マー」の片仮名と「くん」の平仮名とを結合さ せた表現で十分に周知されていることにも鑑みると、片仮名や平仮名を構 成要素としない引用商標から「千葉 本願商標は、「マーくん」といった「マー」の片仮名と「くん」の平仮名とを結合さ せた表現で十分に周知されていることにも鑑みると、片仮名や平仮名を構 成要素としない引用商標から「千葉ロッテマリーンズの公式マスコットキャラクターの名称」ほどの意味合いが認識される可能性は皆無といえ、本件審決の上記の判断は誤りである。 2 引用商標の構成等⑴ 外観 引用商標は、「Markun.」の標準文字で表されてなる。 ⑵ 称呼引用商標は、「Markun」の文字、および、「.(ドット)」の記号に照応して、「マークン」及び「マークンドット」の称呼が生じ得る。 被告は、引用商標の構成中の「.」は終止符(ピリオド)を認識させると主 張するが、「.」の記号は、終止符(ピリオド)のほかに、単語や文節の末尾に配され、各単語や文節を区切る点(ドット)の記号として使用されることも多分にあることや、運動に関する分野で使用されている標章においても、「.」が「ドット」と称呼されていることなどの取引の実情があることから(甲344~347、354~357)、引用商標からは「マークンドット」の称 呼が生じる。 ⑶ 観念「Markun.」は、一般の辞書等に載録されている成語ではなく、我が国において特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められず、いわゆる造語として把握されるから、こ れより特定の観念は生じない。仮に何らかの観念を生じるとしても、その指定商品たる「ゴルフマーカー用ホルダー」との関係で「マークする(目印を付ける)」程度を連想させるにとどまる。 3 本願商標と引用商標の類否⑴ 本願商標は、「マーくん」の片仮名と平仮名から構成されてなるのに対し、 引用商標は、「Marku マークする(目印を付ける)」程度を連想させるにとどまる。 3 本願商標と引用商標の類否⑴ 本願商標は、「マーくん」の片仮名と平仮名から構成されてなるのに対し、 引用商標は、「Markun.」のアルファベットと記号「.(ドット)」から 構成されてなるものであって、本願商標と引用商標とは、外観において大きく相違する。 前記のとおり、本願商標を構成する「マーくん」の文字からは「マークン」の称呼が生じ、引用商標「Markun.」からは、「Markun」のアルファベットに照応した「マークン」の称呼及びその構成全体に照応した「マ ークンドット」の称呼が生じ得る。そして、引用商標から「マークン」の称呼が生ずるとした場合、本願商標と引用商標とはその称呼を共通にするといえるものの、「マークンドット」の称呼が生じる場合には、音が相違し、語調・語感等が異なり、称呼は明らかに異なる。 本願商標「マーくん」は、複数のオンライン辞書にも採録される(甲10 ~12)と共に、千葉ロッテマリーンズの公式マスコットキャラクターとして広く親しまれていることから、「千葉ロッテマリーンズの公式マスコットキャラクター」の名称としての観念が生ずる。これに対し、引用商標「Markun.」は、いわゆる造語として把握されることから、これより特定の観念は生じないか、あるいは、その指定商品たる「ゴルフマーカー用ホルダー」 との関係で「マークする(目印を付ける)」程度を連想させるにとどまり、いずれにしても、本願商標と引用商標とは、観念において顕著な差異を有する。 ⑵ 本願商標と引用商標とは、「マークン」の称呼において共通する可能性があるものの、本願商標と引用商標は外観上大きく異なる上、本願商標が「千葉ロッテマリーンズの公式マスコットキャラクター」の名 。 ⑵ 本願商標と引用商標とは、「マークン」の称呼において共通する可能性があるものの、本願商標と引用商標は外観上大きく異なる上、本願商標が「千葉ロッテマリーンズの公式マスコットキャラクター」の名称として認知されて おり、その認知の程度が極めて高いことからすると、本願商標と引用商標の外観と観念における差異は、両商標の類否を判断するに際して看過できないほどに顕著なものである。そして、引用商標から「マークンドット」の称呼を生じる場合は、本願商標とは、7音と4音という音数に顕著な差異があり、語調・語感も異なり、称呼において相まぎれることもないから、本願商標と 引用商標とは、称呼においても相違する。したがって、本願商標と引用商標 は類似しておらず、本願商標と引用商標が類似するという本件審決の判断は誤りである。 4 本願指定商品と引用指定商品との類否⑴ 引用指定商品は「ゴルフマーカー用ホルダー」のみであるところ、これは、「ゴルフ競技のラウンド中に競技球を一時的に拾い上げる必要が生じた場合、 競技球の箇所をマークするために使用する人工物(ゴルフマーカー)」を保持するための道具であって、その需要者は、ゴルフの愛好者に限られるのに対し、本願指定商品中の「第25類野球用ユニフォーム、野球靴」並びに「第28類野球用具」は、野球競技で使用される商品であって、野球の愛好者が主な需要者となる。 すなわち、両商品は需要者の範囲が明らかに異なるものであるところ、引用指定商品は、その嗜好性の高さからゴルフ用具を専門に扱う店舗で販売されることが多く、本願指定商品中の「第25類野球用ユニフォーム、野球靴」並びに「第28類野球用具」は、野球用具専門店や野球人口の多さから一般のスポーツショップでも販売されることもあり、また「 されることが多く、本願指定商品中の「第25類野球用ユニフォーム、野球靴」並びに「第28類野球用具」は、野球用具専門店や野球人口の多さから一般のスポーツショップでも販売されることもあり、また「ゴルフマーカ ー用ホルダー」がスポーツショップで販売される場面があることはあり得るものの、店舗内に設けられたゴルフ用具コーナーに陳列されており、いずれにしても、両商品は、販売場所が重複しない。 ⑵ これらに加え、本願指定商品と引用指定商品とは、用途も異なり、完成品と部品との関係にないことをも考慮すると、両商品に同一又は類似の商標を 使用したとしても、同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれは皆無であることから、本願指定商品と引用指定商品とは類似の関係にないことは明らかである。 したがって、本願指定商品と引用指定商品とは類似せず、これらが類似するとした本件審決の判断は誤りである。 5 法4条1項11号への該当性 本願商標と引用商標は類似しておらず、本願指定商品と引用指定商品とは類似しないから、本願商標は法4条1項11号に該当せず、本願商標が同号に該当するとした本件審決の判断は誤りである。 〔被告の主張〕 1 本願商標の構成等 ⑴ 外観本願商標は、「マー」の片仮名と「くん」の平仮名とを結合した「マーくん」の文字を標準文字で表してなる。 ⑵ 称呼本願商標は、その構成文字に相応して、「マークン」の称呼が生じる。 ⑶ 観念ア本願商標の「マーくん」の文字は、一般の辞書等に載録されておらず、かつ、我が国において特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情があるともいえないことから、特定の観念を有しないものといえる。 イ(ア) 本願商 おらず、かつ、我が国において特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情があるともいえないことから、特定の観念を有しないものといえる。 イ(ア) 本願商標は、「千葉ロッテマリーンズの公式マスコットキャラクター」の観念を生じるものではない。 (イ) 原告が主張する千葉ロッテマリーンズの公式マスコットキャラクター「マーくん」の宣伝活動等やグッズ販売の状況は、以下のとおり、「マーくん」の文字が同球団の公式マスコットキャラクターとして広く認識さ れていたことを裏付けるものとはいえず、原告が主張する実情を踏まえたとしても、本願商標「マーくん」は、特定の観念を有しないものというべきである。 a 千葉ロッテマリーンズの試合会場の観客は、同球団のファンなど千葉ロッテマリーンズに関心がある者が大部分であることに加え、球場 内外での活動において観客等の目を引くのは、かもめを擬人化したマ スコットキャラクターの容姿(外観)であって、「マーくん」の文字のみが特に注目されて活動が行われているなどの実情もみられないことから、球場内外においてマスコットキャラクターによって継続的にファンサービスが行われてきたとしても、当該活動に基づいて、千葉ロッテマリーンズに関する知識又は関心をもたない全国の需要者の間に、 「マーくん」の文字自体が「千葉ロッテマリーンズの球団公式マスコットキャラクターの名称」を想起させるほど広く認識されていたと判断することはできない。 b また、提出された多くの証拠においては「マーくん」の記載はあるものの、同一記事・記載の中に、「ロッテ球団のマスコットキャラクタ ーのマーくん」、「千葉ロッテマリーンズのマスコットキャラクターのマーくん」など、千葉ロッテマリーンズ(千 くん」の記載はあるものの、同一記事・記載の中に、「ロッテ球団のマスコットキャラクタ ーのマーくん」、「千葉ロッテマリーンズのマスコットキャラクターのマーくん」など、千葉ロッテマリーンズ(千葉ロッテ、ロッテ球団)の語を伴って使用されているか、又は、「マーくん」のキャラクター(イラスト、ぬいぐるみ、着ぐるみなど)とともに使用されている。 c 各種イベントへの参加については、一部、春期に合宿やオープン戦 を行っている鹿児島で参加したものなどもみられるが、それ以外のほとんどの活動は、日本プロフェショナル野球協約により千葉ロッテマリーンズの地域権が保護される保護地域である千葉県及び同球団の本拠地とされる千葉マリンスタジアム(ZOZOマリンスタジアム)(乙27~30)におけるものであって、千葉市内を中心とした千葉県内 での活動にとどまる。 その他の活動も千葉市内を中心とした千葉県内での活動にとどまるものであり、その活動が報道されている範囲についても、多くは、千葉県内ないしその周辺地域にとどまるものであるといえ、同球団に関する知識又は関心をもたない全国に及ぶ一般の消費者にとって、これ らの活動を掲載した雑誌やポスター等に触れる機会は必ずしも多くな い。 d インターネット上のウィキペディア、ニコニコ大百科等の記事において、「マーくん」の項に、「プロ野球・千葉ロッテマリーンズのマスコット」として記載されていることが認められるものの、これらのウェブサイトの閲覧者数等は不明であるばかりでなく、同じく「マーく ん」の項に「プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスの投手、田中将大の愛称。」の記載もある(甲12)ことからしても、これらの記事が「千葉ロッテマリーンズのマスコットキャラクターの名称」としての「マーく の項に「プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスの投手、田中将大の愛称。」の記載もある(甲12)ことからしても、これらの記事が「千葉ロッテマリーンズのマスコットキャラクターの名称」としての「マーくん」の認知度の向上にどのように寄与したのか不明であって、その認知度の高さを示すものとはいえない。 eX(旧Twitter)での「マーくん(千葉ロッテマリーンズ)」のフォロワー数は10万人を超えていることが認められるものの、これらのフォロワーは、千葉ロッテマリーンズのファン、又は千葉ロッテマリーンズに関心がある者であるといえる。本願指定商品及び引用指定商品の需要者は、千葉ロッテマリーンズに関する知識又は関心を もたない全国に及ぶ一般の消費者が広く含まれるものであることから、フォロワーの数は当該需要者の数に比して決して多いものとはいえない。 f 原告は、「千葉ロッテマリーンズの公式マスコットキャラクターの名称」である「マーくん」を使用した商品の取引状況について、同球団 の公式グッズ、及び、異業種の事業者や他球団のマスコットキャラクターとのコラボ商品の販売において、多岐にわたる商品に「マーくん」の文字を使用していることなどを挙げているが、本願商標「マーくん」の文字が使用された原告の業務に係る商品について、販売数量や売上額などの販売規模や、広告宣伝の期間や規模など、当該使用商品ない し本願商標が、本願指定商品の需要者の間に広く認識されていること を認めるに足りる客観的な証拠は何ら示されていない。 また、上記「マーくん」の文字の使用は、千葉ロッテマリーンズ(ロッテ、ロッテ球団、マリーンズなど)の語と、同球団のマスコットキャラクター(イラスト、ぬいぐるみ、着ぐるみなど)とともに使用されているものがほとん マーくん」の文字の使用は、千葉ロッテマリーンズ(ロッテ、ロッテ球団、マリーンズなど)の語と、同球団のマスコットキャラクター(イラスト、ぬいぐるみ、着ぐるみなど)とともに使用されているものがほとんどであることから(甲300~335)、これら 千葉ロッテマリーンズの球団を表す語やその球団マスコットキャラクターの容姿(イラスト、ぬいぐるみ、着ぐるみなど)が併記されてはじめて「マーくん」の文字が球団のマスコットキャラクターの名称であると認識し得るものといえ、上記証拠における記事・記載によって、千葉ロッテマリーンズに関する知識又は関心をもたない全国に及 ぶ一般の消費者が「マーくん」の文字のみから直ちに「同球団のマスコットキャラクターの名称」を想起し得るとはいい難い。 さらに、「千葉ロッテマリーンズの公式マスコットキャラクターの名称」である「マーくん」を使用した商品については、その大部分は千葉ロッテマリーンズに関心をもつ者が取引の対象者であるといえ、本 願指定商品の需要者のうち、千葉ロッテマリーンズに関心をもたない者であって、同球団のマスコットキャラクターに関する活動やその活動に関する報道に触れる機会が少ない全国の一般の消費者が、当該マスコットキャラクターを使用した商品に接する機会がそれほど多いということもできないから、千葉ロッテマリーンズの公式グッズなどの 商品の販売を考慮したとしても、本願商標から「千葉ロッテマリーンズのマスコットキャラクターの名称」の観念が生じるとはいえないというべきである。 ウ本願指定商品である「野球用ユニフォーム、野球靴、運動用特殊靴、運動用特殊衣服、野球用具、運動用具」は、野球に関する商品だけではなく、 様々な運動競技やスポーツに使用される「運動用特殊靴、運動用特殊衣服、 野球用ユニフォーム、野球靴、運動用特殊靴、運動用特殊衣服、野球用具、運動用具」は、野球に関する商品だけではなく、 様々な運動競技やスポーツに使用される「運動用特殊靴、運動用特殊衣服、 運動用具」をも含むものであるから、その需要者は、野球の競技者や野球に関心がある者に限られるものではなく、競技やスポーツを愛好し趣味として行う者や、新たにスポーツを始めたいと思う初心者など、全国に及ぶ一般の消費者(様々な競技やスポーツに関心をもつ全国に及ぶ一般の消費者)も広く含まれるものであるといえる。また、本願指定商品中の野球に 関する商品についても、それらの需要者には一般の消費者が含まれており、必ずしも千葉ロッテマリーンズに関する知識又は関心をもつ者とは限らない。したがって、本願指定商品の需要者は、必ずしも千葉ロッテマリーンズについての知識又は関心をもたない、全国に及ぶ一般の消費者が広く含まれるものであるといえる。 本願商標を構成する「マーくん」の文字は、日本全国にわたって、幅広い分野で広く一般の消費者の間に「千葉ロッテマリーンズの公式マスコットキャラクターの名称」として広く認識されているものとはいえず、本願商標に接した需要者が、これを「千葉ロッテマリーンズの公式マスコットキャラクターの名称」であると容易に連想するものとはいえないから、本 願商標からそのような観念は生じないというべきである。 エ上記のとおり、本願商標から「千葉ロッテマリーンズのマスコットキャラクターの名称」の観念が生じるとはいえないが、原告が主張するように、仮に「マーくん」の文字が「千葉ロッテマリーンズの公式マスコットキャラクターの名称」を表すものとして、我が国において広く認識されている と仮定した場合においては、商標の構成文字を同一の称 に、仮に「マーくん」の文字が「千葉ロッテマリーンズの公式マスコットキャラクターの名称」を表すものとして、我が国において広く認識されている と仮定した場合においては、商標の構成文字を同一の称呼の生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記することが一般的に行われている取引の実情があり、実際に「マーくん」又は「まーくん(マークン)」の文字が「MARKUN(Markun)」と変換して表記されている実情があることに加え、千葉ロッテマリーンズのマスコットキャラクター「マーくん」の正 式なアルファベット表記が「MAR-KUN」であって(甲336)、その 表記と引用商標との差異は、「.」(ピリオド)と「-」(ハイフン)という記号の有無の違いに過ぎないことからすると、「マーくん」と称呼を共通にし、かつ、その正式なアルファベット表記とも近似する引用商標は、「千葉ロッテマリーンズの公式マスコットキャラクターの名称」である「マーくん」を欧文字表記したものと認識され得るものといえ、これより「千葉ロッテ マリーンズの公式マスコットキャラクターの名称」の観念が生じるものであるといわざるを得ず、その場合は、両商標は、観念が共通するものであるといえ、本願商標と引用商標の類似性が肯定されることとなる。 2 引用商標の構成等⑴ 外観 引用商標は、標準文字で、「Markun」の欧文字の末尾に「.」を付した構成よりなるものである。引用商標の構成中、末尾に配された「.」は、他の欧文字部分に比して小さく表記されていることから、これに接する取引者・需要者にとっては、外観上、「.」に比して大きく書された「Markun」の欧文字部分が印象的である一方、末尾に小さく表記された「.」は、特に印 象的なものとはいえない。 ⑵ 称呼ア我 需要者にとっては、外観上、「.」に比して大きく書された「Markun」の欧文字部分が印象的である一方、末尾に小さく表記された「.」は、特に印 象的なものとはいえない。 ⑵ 称呼ア我が国で慣れ親しまれていない欧文字からなる商標については、我が国において広く親しまれている一般的なローマ字読み又は英語風の読みをもとに、つづりの共通部分から称呼しやすい読みを適宜選択して称呼される ことが多いといえる。そうすると、引用商標を構成する「Markun」の欧文字中、「Mar」の文字部分は、語頭に共通する欧文字を含む「market(マーケット)」(乙6)、「march(マーチ)」(乙7)、「marble(マーブル)」(乙7)などの我が国でよく親しまれた英単語の読みに倣い「マー」と称呼されるのが自然なものであり、また、その構成中 「kun」の文字部分は、英単語において、「kun」で始まる又は終わる 語が、我が国で親しまれたものとしては見受けられないことから、そのような欧文字からなる商標については、我が国において広く親しまれているローマ字読みの発音をもって称呼されるのが一般的といえ、その構成文字に相応してローマ字読みに発音した「クン」と称呼されるのが自然なものであるといえる。したがって、引用商標の「Markun」の文字部分か らは、「マークン」の称呼が生じるものであるといえる。 イ引用商標の構成中の「.」は、その位置から、欧文字などの横書きの文の末尾に付する記号の一つである終止符(ピリオド)を認識させるものである(乙1)。 「.」(ピリオド)を有する標章については、その読みにおいて、以下に 挙げるように、「.」(ピリオド)を称呼していない事例もある。 ・ 「CLASSY.」に係るウェブサイト「C )。 「.」(ピリオド)を有する標章については、その読みにおいて、以下に 挙げるように、「.」(ピリオド)を称呼していない事例もある。 ・ 「CLASSY.」に係るウェブサイト「CLASSY.最新号」の見出しの下、「CLASSY.」の文字と「クラッシー」の文字が上下2段に記載されている(乙2)。 ・ 「FASHIONPRESS」という名のウェブサイト 見出しとして「bortsprungt.」の文字と「ボシュプルメット」の文字が上下2段に記載されており、その見出しの下、「ボシュプルメットについて」の項目に「bortsprungt.(ボシュプルメット)」の文字が記載されている(乙3)。 ・ 「ZOZOTOWN」に係るウェブサイト 「MILKFED.」の文字と「ミルクフェド」の文字が上下2段に記載されている(乙4)。 ・ 「レイクタウンアウトレット」に係るウェブサイト見出しとして「agnesb./アニエスベー」の文字が記載されている(乙5)。 してみれば、引用商標の構成において、「.」(ピリオド)の部分を称呼し ないものといえる。 ウそうすると、引用商標は、文字部分からは、「マークン」の称呼が生じ、末尾の終止符(ピリオド)を認識させる記号「.」の部分は称呼しないのが自然であるといえるから、引用商標の構成全体からは、文字部分に相応した「マークン」の称呼が生じるといえる。 ⑶ 観念引用商標を構成する「Markun」の文字部分についてみるに、当該文字は、一般の辞書等に載録されておらず、かつ、我が国において特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情があるともいえないことから、当該文字は、特定の観念を有しないものといえ る。 録されておらず、かつ、我が国において特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情があるともいえないことから、当該文字は、特定の観念を有しないものといえ る。 引用商標の構成中の「.」は、その位置から、欧文字などの横書きの文の末尾に付する記号の一つである終止符(ピリオド)を認識させるものであり(乙1)、それを認識させる以上に、具体的な観念をもって把握されるものではない。 そうすると、引用商標の構成全体からは、特定の観念を生じないものといえる。 3 本願商標と引用商標の類否⑴ 本願指定商品である「野球用ユニフォーム、野球靴、運動用特殊靴、運動用特殊衣服、野球用具、運動用具」の需要者は、野球をはじめ、様々な運動 競技やスポーツを行う者であり、かかる需要者には、競技やスポーツを愛好し趣味として行う者や、新たにスポーツを始めたいと思う初心者など、一般の消費者も含まれるものといえる。 また、引用指定商品の「ゴルフマーカー用ホルダー」は、ゴルフに関する商品であるから、その需要者は、ゴルフを趣味で行う者やゴルフに関心があ るゴルフ愛好者、新たにゴルフを始めたいと思う初心者などであって、一般 の消費者も含まれるものといえる。 したがって、本願指定商品及び引用指定商品の需要者は、いずれも、一般の消費者が含まれるものといえる。 ⑵ 本願商標と引用商標を比較すると、外観においては、本願商標は片仮名と平仮名の構成、引用商標は欧文字と記号の構成という文字種を異にする点、 及び引用商標の末尾に位置する「.」(ピリオド)の有無について相違するものの、商標の使用においては、商標の構成文字を同一の称呼の生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記することが一般的に行われている取引の実情 標の末尾に位置する「.」(ピリオド)の有無について相違するものの、商標の使用においては、商標の構成文字を同一の称呼の生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記することが一般的に行われている取引の実情があり(乙8、9)、実際に「マーくん」又は「まーくん(マークン)」の文字が「M」「A」「R」「K」「U」「N」(小文字との相互変換も含む。)のつづ りと変換して表記されている取引の実情もある(乙10~13)ことに加え、本願商標と引用商標は、いずれも標準文字で表されていることからすれば、両者における文字種の相違が、取引者、需要者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとはいい難い。また、引用商標中の「.」(ピリオド)についても、末尾に位置しており、他の構成文字に 比べてもかなり小さく表記されていることから、外観上の顕著な差異として特に印象的なものとはいえない。 次に、称呼においては、本願商標より生じる「マークン」の称呼と引用商標から生じる「マークン」の称呼は共通するものであり、また、観念については、両商標はいずれも特定の観念が生じるものではないから、観念におい て比較できないものであるといえる。 そうすると、本願指定商品及び引用指定商品の需要者である一般の消費者は必ずしも商標の構成を細部にわたり記憶して取引に当たるものとはいえないところ、そのような需要者が通常有する注意力の程度を踏まえて、本願商標と引用商標の観念、称呼及び観念の要素を総合勘案すれば、両商標は、観 念において比較できないものの、外観上の相違が称呼の同一性を凌駕するほ どの差異として、需要者に認識されるとはいい難く、時と所を異にして離隔的に観察した場合、互いに紛れるおそれのある類似の商標であるといえる。 4 本願指 上の相違が称呼の同一性を凌駕するほ どの差異として、需要者に認識されるとはいい難く、時と所を異にして離隔的に観察した場合、互いに紛れるおそれのある類似の商標であるといえる。 4 本願指定商品と引用指定商品の類否⑴ 本願指定商品は、第25類「野球用ユニフォーム、野球靴、運動用特殊靴、運動用特殊衣服」及び第28類「野球用具、運動用具」であるところ、その 指定商品中「運動用具」は、「ゴルフ用具」を含む商品であるといえる(乙14)。 このことは、法6条2項で定める商標法施行令2条の規定による商品及び役務の区分に属する商品又は役務(同法施行規則別表(6条関係))において、第28類に属する商品として「九運動用具」が記載され、当該商品の下位 概念の商品として、「(一) 球技用具」の中に、「ゴルフ用具」が記載されていることからも明らかである(乙15、16)。 引用指定商品は、第28類「ゴルフマーカー用ホルダー」であるところ、原告も主張するとおり、「ゴルフマーカー用ホルダー」は、「ゴルフ競技のラウンド中に競技球を一時的に拾い上げる必要が生じた場合、競技球の箇所を マークするために使用する人工物(ゴルフマーカー)を保持するための道具」であり、ゴルフ競技をする上で使用する「ゴルフ用具」の一つであるといえ、ゴルフ用具を取り扱う販売店においても、ゴルフ用具の一つとして「ゴルフマーカー」及びその付属品といえる「ゴルフマーカー用ホルダー」を販売している実情もみられることから(乙17~19)、引用指定商品である「ゴル フマーカー用ホルダー」は、「ゴルフ用具」に含まれる商品であるといえる。 上記のとおり、本願指定商品中「運動用具」は、「ゴルフ用具」を含むものであり、また、引用指定商品「ゴルフマーカー用ホルダー」は、「ゴルフ用 ルダー」は、「ゴルフ用具」に含まれる商品であるといえる。 上記のとおり、本願指定商品中「運動用具」は、「ゴルフ用具」を含むものであり、また、引用指定商品「ゴルフマーカー用ホルダー」は、「ゴルフ用具」に含まれるものであるから、本願指定商品中「運動用具」は、引用指定商品「ゴルフマーカー用ホルダー」を含む商品であるといえる。 したがって、本願指定商品中「運動用具」は、引用指定商品「ゴルフマー カー用ホルダー」と同一又は類似する商品であるといえる。 ⑵ また、「運動用具」を含む本願指定商品の全体(第25類「野球用ユニフォーム、野球靴、運動用特殊靴、運動用特殊衣服」及び第28類「野球用具、運動用具」)と引用指定商品についても、いずれもスポーツを行うに際して使用される商品であり、各種競技に使用する商品を幅広く取り扱うスポーツ用 品メーカー(乙20~22)及びスポーツ用品店(乙23~26)は我が国において数多く存在することから、これらの商品の製造又は販売が同一事業者によって行われていることも多いものといえる。 さらに、これら商品の需要者は、各種競技やスポーツを行う一般の消費者を含むものであるといえることから、需要者の範囲を共通にする場合が多い ものといえる。 そうすると、本願指定商品と引用指定商品とは、これらの商品の製造及び販売が共通の事業者によって行われることも多く、また、その需要者の範囲も共通にする場合が多いといえることから、「運動用具」を含めた本願指定商品は、引用指定商品と類似する商品であるといえる。 ⑶ 原告は、本願指定商品のうちの第25類「野球用ユニフォーム、野球靴」及び第28類「野球用具」と引用指定商品(第28類「ゴルフマーカー用ホルダー」)を比較して、本願指定商品と引用指定商品は類似しないと 原告は、本願指定商品のうちの第25類「野球用ユニフォーム、野球靴」及び第28類「野球用具」と引用指定商品(第28類「ゴルフマーカー用ホルダー」)を比較して、本願指定商品と引用指定商品は類似しないと主張するが、本願指定商品は、第25類「野球用ユニフォーム、野球靴、運動用特殊靴、運動用特殊衣」及び第28類「野球用具、運動用具」であり、野球競技 で使用される商品に限られるものではないから、原告の主張は失当である。 本願指定商品は、野球競技で使用される商品に限られるものではなく、「野球用具」及び「ゴルフ用具」などを含む「運動用具」を指定商品に含むものであり、「運動用具」が、「ゴルフマーカー用ホルダー」などの「ゴルフ用具」を含むものであって、「運動用具」と「ゴルフマーカー用ホルダー」とが同一 又は類似する商品に該当することは、上記のとおり明らかである。また、「野 球用ユニフォーム、野球靴、野球用具」などの本願指定商品と、引用指定商品「ゴルフマーカー用ホルダー」とが類似する商品であるともいえる。 5 法4条1項11号への該当性本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用指定商品と同一又は類似する本願指定商品について使用をするものであるから、法4条1項11 号に該当し、本願商標が同号に該当するとした本件審決の判断に誤りはない。 第4 当裁判所の判断取消事由の有無等に対する判断は、以下のとおりである。 1 商標法4条1項11号における商標の類否判断の基準商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品又は役務に使用され た場合に、商品又は役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品又は役務に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引 使用され た場合に、商品又は役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品又は役務に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであり、かつ、その商品又は役務の取引の実情を明らかにしうる限り、その具体的な取引状況に基づいて判断するのが相 当である(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)。 2 本件商標の構成等⑴ 外観本願商標は、「マーくん」の文字を標準文字で表したものである。 ⑵ 称呼本願商標は、その文字に相応して、「マークン」の称呼が生じる。 ⑶ 観念ア 「マーくん」の語は、一般の辞書等に記載のある語ではない。 「マーくん」の語の意味に関して、ウィキペディアの「マーくん」の項 には、「1.プロ野球・千葉ロッテマリーンズのマスコット。」、「2.プロ 野球・東北楽天ゴールデンイーグルスの投手、田中将大の愛称。」と(甲12)、ニコニコ大百科の「マーくん」の項に、「本記事では、日本のプロ野球球団である『千葉ロッテマリーンズ』のマスコットについて解説。」とした上で、「曖昧さ回避」として、「『千葉ロッテマリーンズ』のマスコット。 本項で記述。」、「『ヘタリア』の登場キャラクターであるデンマークの愛称。 →マー君」、「兵庫県出身のプロ野球選手『田中将大』の愛称『マー君』の表記揺れ」(甲11)とそれぞれ記載されており、「マーくん」の語は、それらのとおり多義的に理解される語として認識されていることが認められる。 また、「マーくん」に係る千葉ロッテマリーンズのポスターについて報じ る報道(マイナビニュース)の ーくん」の語は、それらのとおり多義的に理解される語として認識されていることが認められる。 また、「マーくん」に係る千葉ロッテマリーンズのポスターについて報じ る報道(マイナビニュース)の「編集部が選ぶ関連記事」には、上記プロ野球選手である楽天球団の田中将大投手を指す「マー君」に関連する報道が複数(4件のうち3件)紹介されているものもある(甲222)。そして、原告の主張に係る千葉ロッテマリーンズのマスコットキャラクターである「マーくん」についても、新聞の全国紙等において、「マー君」と表記し て報道されている例もみられる(甲220、256〔読売新聞〕)。 これらのことは、「マーくん」といえば千葉ロッテマリーンズのキャラクターを指すものとして広く浸透し、一般に認識されているものであれば、容易には起こり得ないことともいえる。 これらの事情を考慮すると、「マーくん」の語は、特定の事物又は意味合 いを表すものとして一般に広く認識等されているとの事実を認めることはできず、本願商標からは特定の観念は生じないものというべきである。 イ原告は、千葉ロッテマリーンズのマスコットキャラクターに係る取引の状況からして、本願商標からは、「千葉ロッテマリーンズのマスコットキャラクター」の名称(「マーくん」)の観念が生じると主張し、本願商標は観 念において引用商標と異なり、両者は類似しない旨を主張する。 しかし、「マーくん」の語から、特定の観念が生じないことについては既に述べたとおりである。加えて、原告の提出する証拠を検討しても、「マーくん」に関連する報道における「マーくん」に係る記載は、「ロッテ球団のマスコットキャラクターのマーくん」、「千葉ロッテマリーンズのマスコットキャラクターのマーくん」などと、千葉ロッテマリーン 「マーくん」に関連する報道における「マーくん」に係る記載は、「ロッテ球団のマスコットキャラクターのマーくん」、「千葉ロッテマリーンズのマスコットキャラクターのマーくん」などと、千葉ロッテマリーンズやロッテ球団 などと球団を示す語を伴って使用されていたり、「マーくん」のキャラクターのイラストや着ぐるみの写真などとともに使用されているものである(甲16、18~20、61など)。これらによれば、千葉ロッテマリーンズの球団やそのマスコットキャラクターであることを表す語、あるいは球団のマスコットキャラクターの容姿(イラストや着ぐるみなど)が併記さ れていることではじめて、「マーくん」の文字が「球団のマスコットキャラクターの名称」であると認識されるものと認められる。 また、千葉ロッテマリーンズのマスコットキャラクターである「マーくん」による、野球とは関連性が希薄な活動への参加の実績についても、千葉県及び球団の本拠地とされる千葉マリンスタジアム(ZOZOマリンス タジアム)(乙27~30)におけるものであって、千葉市内を中心とした千葉県内での活動にとどまり、これらの活動を報じる各種新聞も、そのほとんどが地方紙、スポーツ紙(東京版)又は全国紙であっても地方版(その地域に関する記事を掲載する紙面。乙31)の記事としての掲載であり(甲38、49、52など)、ウェブサイトへの掲載も、内容のほとんどが 球団やそのマスコットキャラクターを紹介する記事であって(甲28、31など)、特にこれらの掲載内容が全国的に話題になったなどの事情を示す証拠もみられないことから、千葉ロッテマリーンズに関心がない全国の一般の消費者において、その多数がこれらの新聞記事やウェブサイトの掲載を閲覧しているとは認め難いものである。 したがって、千葉ロ もみられないことから、千葉ロッテマリーンズに関心がない全国の一般の消費者において、その多数がこれらの新聞記事やウェブサイトの掲載を閲覧しているとは認め難いものである。 したがって、千葉ロッテマリーンズの公式マスコットキャラクターに関 する周知活動については、対戦相手の他球場における活動を除き、そのほとんどは、千葉市内ないし千葉県内にとどまるものであって、その活動が報道されている範囲についても、多くは、千葉県内ないしその周辺地域にとどまるものと認められる。 現に、千葉県佐倉市周辺等を営業エリアとする企業のブログにも、千葉 ロッテマリーンズのロゴとマスコットキャラクターの写真が掲載され、「千葉ロッテマリーンズのマスコットに遭遇!マーくんと、リーンちゃんという名前だそうです。」(甲387の1)と記載されており、これによれば、千葉ロッテマリーンズのロゴとマスコット(人形)により「千葉ロッテマリーンズのマスコット」は認識されているとしても、知っていたのは そのキャラクターであって、「マーくん」の名称であるとはいい難い上に、そのキャラクター自体を知る主体も、千葉ロッテマリーンズに関心がある者に限られているものと理解されるところである。 原告は、「マーくん」についての報道は、千葉県外でも広く発行される新聞記事にも掲載されている旨を主張するが、それらも千葉県内における活 動を報じるもの(甲388)や、同県内における製品の販売を報じるもの(甲396)、キャンプでの千葉ロッテマリーンズの活動やそこに登場したマスコットキャラクターを報道するもの(甲399)など、千葉県内関連のニュースとして報じられているにとどまる。 したがって、本願商標から「千葉ロッテマリーンズのマスコットキャラ クター」の名称の観念が生じる クターを報道するもの(甲399)など、千葉県内関連のニュースとして報じられているにとどまる。 したがって、本願商標から「千葉ロッテマリーンズのマスコットキャラ クター」の名称の観念が生じるとする原告の主張は採用することができない。 ウそうすると、本件審決が本件商標から特定の観念は生じないとした認定に誤りはない。 3 引用商標の構成等 ⑴ 外観 引用商標は、「Markun.」の文字を標準文字で表してなるものである。 ⑵ 称呼ア引用商標の構成中「Markun」の文字は、我が国に浸透している「Mar」の文字を含む「マーケット」、「マーチ」、「マーブル」等の語(乙6、7)との比較や、「kun」はローマ字読みで自然に「クン」と発音される ことからしても、「マークン」の称呼が生じるものといえる。 「Markun」の文字は、それに続く文字が省略されていることをうかがわせる事情がなく、語頭が大文字でその余は小文字であり、6文字で構成されるその文字数や上記称呼からして完結した一語であると認められる。そして、引用商標の構成中の「.」は、その末尾に表示されている。 これらのことから、構成中の「.」は、その位置から、アルファベットなどの横書の文の末尾に付する点である終止符(ピリオド)を認識させるもの(乙1)と認められる。そして、終止符(ピリオド)である「.」は、特段の称呼を生じない。 そうすると、引用商標は、全体の構成より「マークン」の称呼が生じる ものと認められる。 イ原告は、引用商標の構成中の「.」を「ドット」と称呼する取引の実情があるとして、これに沿う証拠を提出し、引用商標は「マークンドット」の称呼を生ずると主張する。 しかし、既に述べたとおり、引用商標の構成からすると、構成中の「.」 を「ドット」と称呼する取引の実情があるとして、これに沿う証拠を提出し、引用商標は「マークンドット」の称呼を生ずると主張する。 しかし、既に述べたとおり、引用商標の構成からすると、構成中の「.」 は終止符(ピリオド)を認識させ、特段の称呼を生じないものと認められる。加えて、原告の提出する証拠は、「.」を「ドット」と読む例があるというに止まり、「.」を「ドット」と称呼するのが一般的であることを示すものとはいえない。むしろ、原告の提出する証拠を検討すると、「Dhyana.」ブランドについて、「メイドインジャパンのものづくりを大切にし たレディースシューズブランド『Dhyana.(ディアナドット)』」(甲 342)、「R.」ブランドについて「・・・がコンセプトの『R.(アールドット)』」(甲343)、「会社名株式会社 beme.(ビーミードット)」(甲356)などとわざわざ記載している例にみられるように、「ドット」を称呼に含ませる場合には、あえてそれを表記していることからすれば、ピリオドと認識される語末の「.」を、ことさら「ドット」と称呼するのは一般 的でないものと認められる。 したがって、原告の上記主張は採用することができない。 ⑶ 観念引用商標の構成中の「Markun」の文字は、一般の辞書等に載録されている成語とは認められず、我が国において特定の事物又は意味合いを表す ものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないから、そこからは特定の観念は生じない。また、ピリオドと認識される語末の「.」も特定の観念を生じない。 したがって、引用商標は、全体として、特定の観念を生じないものと認められる。 4 本願商標と引用商標の類否について⑴ 外観の比較本願商標と引用商標とは 」も特定の観念を生じない。 したがって、引用商標は、全体として、特定の観念を生じないものと認められる。 4 本願商標と引用商標の類否について⑴ 外観の比較本願商標と引用商標とは、外観において、本願商標は片仮名と平仮名とからなる構成であるのに対し、引用商標は語頭の大文字及びその余の小文字の欧文字並びに記号からなる構成であり、文字種を異にする点で異なるととも に、引用商標の末尾に位置する「.」(ピリオド)の有無において相違する。 しかし、「DUMMY-KUN」と「ダミーくん」を並記する例(乙8)、「ルイザちゃん」と「RUIZAちゃん」を並記する例(乙9)などにみられるごとく、商標の構成文字を同一の称呼の生じる範囲内で、文字種を相互に変換して表記することは一般的に行われており、「マークン」、「まーくん」、 及び「マーくん」の店舗名を、それぞれ「MARKUN」、「マークン/Ma rkun」、「Markun」などと変換して表記する(乙10~12)などの取引の実情もあることが認められるところである。 そうすると、本願商標と引用商標は、いずれも標準文字で表されてなることから、両者における上記文字種の相違は、取引者、需要者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として、強い印象を与えるとはいい難い ものというべきである。 引用商標の構成中の「.」(ピリオド)についても、末尾に位置しており、他の構成文字に比べてもかなり小さく表記されていることからすると、外観上の顕著な差異として特に印象的なものとはいえないというべきである。 ⑵ 称呼の比較 称呼において、本願商標から生じる「マークン」の称呼と、引用商標から生じる「マークン」の称呼は共通する。 ⑶ 観念の比較一方、観念について、両商 いというべきである。 ⑵ 称呼の比較 称呼において、本願商標から生じる「マークン」の称呼と、引用商標から生じる「マークン」の称呼は共通する。 ⑶ 観念の比較一方、観念について、両商標は、いずれも特定の観念が生じるものではないから、観念においては比較できない。 ⑷ 類否の判断本願指定商品及び引用指定商品は、後記5のとおり、いずれもその指定商品の内容から、需要者は一般の消費者であると認められるところ、一般の消費者は、必ずしも商標の構成を細部にわたり記憶して取引に当たるものとはいえないから、そのような需要者が通常有する注意力の程度を踏まえて、本 願商標と引用商標の外観、称呼及び観念の要素を総合勘案することとなる。 本願商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じるものではなく、観念において比較できない上に(上記⑶)、商標の外観上の相違は上記のとおり強い印象を与えるものとはいえないから(上記⑴)、これらは称呼の同一性(上記⑵)をしのぐほどの差異として需要者に認識されるものとはいい難く、時 と所を異にして離隔的に観察した場合、本願商標と引用商標とは互いに紛れ るおそれのある類似の商標であると認められる。 したがって、本願商標と引用商標が類似するとする本件審決の判断に誤りはない。 5 本願指定商品と引用指定商品の類否について⑴ 本願指定商品は、前記第2の1⑵のとおり、第25類「野球用ユニフォー ム、野球靴、運動用特殊靴、運動用特殊衣服」及び第28類「野球用具、運動用具」であるところ、その指定商品の「運動用具」には、「ゴルフ用具」も含まれる(乙14、3-393頁、3-399頁、乙15,16)。 引用指定商品は、前記第2の3⑵のとおり、第28類「ゴルフマーカー用ホルダー」であるところ、「ゴル 「運動用具」には、「ゴルフ用具」も含まれる(乙14、3-393頁、3-399頁、乙15,16)。 引用指定商品は、前記第2の3⑵のとおり、第28類「ゴルフマーカー用ホルダー」であるところ、「ゴルフマーカー用ホルダー」とは、「ゴルフ競技 のラウンド中に競技球を一時的に拾い上げる必要が生じた場合、競技球の箇所をマークするために使用する人工物(ゴルフマーカー)を保持するための道具」であると認められ、ゴルフ競技をする上で使用する「ゴルフ用具」の一つであるところ、ゴルフ用具を取り扱う販売店においては、ゴルフ用具の一つとして、「ゴルフマーカー」及びその付属品といえる「ゴルフマーカー用 ホルダー」を販売しているとの取引の実情が認められる(乙17~19)。そうすると、引用指定商品である「ゴルフマーカー用ホルダー」は、「ゴルフ用具」に含まれる商品であるということができる。 そして、上記のとおり、本願指定商品である「運動用具」は、「ゴルフ用具」を含むものであり、引用指定商品である「ゴルフマーカー用ホルダー」は「ゴ ルフ用具」に含まれるものであるから、本願指定商品中の「運動用具」は、引用指定商品「ゴルフマーカー用ホルダー」を含む商品である。 そうすると、本願指定商品中「運動用具」は、引用指定商品「ゴルフマーカー用ホルダー」と同一又は類似する商品である。 また、本願指定商品である第25類「野球用ユニフォーム、野球靴、運動 用特殊靴、運動用特殊衣」及び第28類「野球用具、運動用具」と引用指定 商品は、いずれも各種競技、スポーツを行うに際して使用される商品であるところ、これらを幅広く取り扱うスポーツ用品メーカー(乙20~22)及びスポーツ用品店(乙23~26)は我が国に多数存在するから、これらの商品の製造又は販売が同一事 行うに際して使用される商品であるところ、これらを幅広く取り扱うスポーツ用品メーカー(乙20~22)及びスポーツ用品店(乙23~26)は我が国に多数存在するから、これらの商品の製造又は販売が同一事業者によって行われていることも多く、これら商品の需要者は各種競技やスポーツを行う一般の消費者を含むものであるか ら、需要者の範囲を共通にする場合が多いものといえる。 そうすると、本願指定商品と引用指定商品とは、これらの商品の製造及び販売が共通の事業者によって行われること、その需要者の範囲を共通にする場合が多いことからも、「運動用具」を含む本願指定商品は、引用指定商品と類似する商品であるということができる。 したがって、本願指定商品が引用指定商品と同一又は類似するとする本件審決の判断に誤りはない。 ⑵ 原告は、本願指定商品と引用指定商品とは、販売場所において異なり、両商品は類似しない旨を主張する。 しかし、本願指定商品である「野球用ユニフォーム、野球靴、運動用特殊 靴、運動用特殊衣」及び「野球用具、運動用具」と引用指定商品はいずれもスポーツを行うに際して使用される商品であり、ゴルフ、野球及びバレーボール等、各種競技に使用する商品を幅広く取り扱うスポーツ用品メーカーやスポーツ用品店は数多く存在し、これらの商品の製造又は販売は同一事業者によって行われていることが多く、需要者も共通にすることから、本願指定 商品と引用指定商品とが同一又は類似すると認められることは、既に述べたとおりである。したがって、原告の上記主張は採用することができない。 6 法4条1項11号への該当性これまで述べたところによれば、本願商標は引用商標と類似する商標であって、引用商標の指定商品と同一又は類似の本願指定商品について使用をするも ので 6 法4条1項11号への該当性 これまで述べたところによれば、本願商標は引用商標と類似する商標であって、引用商標の指定商品と同一又は類似の本願指定商品について使用をするものであるから、法4条1項11号に該当し、商標登録を受けることができないものである。そうすると、これと同旨の本件審決の判断に誤りはない。 7 結論 以上によれば、原告主張の取消事由は理由がなく、本件審決にこれを取り消すべき違法はない。よって、原告の請求を棄却することとし、主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第3部 裁判長裁判官中平健 裁判官今井弘晃 裁判官水野正則
▼ クリックして全文を表示